JP2014133243A - 鋳片の連続鋳造方法及びその連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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【課題】鋳造中に連続鋳造用鋳型の短辺の直下に配置した短辺側フットロールに加わる鋳片の短辺側からの反力を検知し、反力の値に応じて鋳片の短辺側に当接する短辺側フットロールの位置を制御することにより鋳片の短辺側に対する短辺側フットロールの押圧力を調節してバルジングを抑制することが可能な鋳片の連続鋳造方法及びその連続鋳造用鋳型を提供する。
【解決手段】それぞれ対向配置された長辺11及び短辺12を有し、各短辺12の直下に短辺側フットロール13を備える連続鋳造用鋳型10において、短辺側フットロール13は、短辺12の下端部から下方に突出させて設けた短辺側フレーム14に、進退駆動手段15を介して鋳片16の短辺側17に対して進退可能に設けられた軸受部材18に支持されたロール軸19に装着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳造中に連続鋳造用鋳型の短辺の直下に配置した短辺側フットロールに加わる鋳片の短辺側からの短辺側反力を検知し、短辺側反力の値に応じて鋳片の短辺側に当接する短辺側フットロールの位置を制御することにより鋳片の短辺側に対する短辺側フットロールの押圧力を調節して、又は長辺の直下に配置した長辺側フットロールに加わる鋳片の長辺側からの長辺側反力を検知し、長辺側反力の値に応じて鋳片の長辺側に当接する長辺側フットロールの位置を制御することにより鋳片の長辺側に対する長辺側フットロールの押圧力を調節してバルジングを抑制する鋳片の連続鋳造方法及びその連続鋳造用鋳型に関する。
連続鋳造用鋳型の直下では、鋳片の凝固シェル厚が薄く、鋳片内部の溶鋼静圧により鋳片はバルジングしようとする。そこで、ブレークアウトの防止あるいは鋳片の均一な冷却を目的として、連続鋳造用鋳型の直下には、連続鋳造用鋳型から出てきた鋳片の長辺側及び短辺側にそれぞれ当接して鋳片の移動を案内する長辺側フットロール及び短辺側フットロールが設けられている。
例えば、特許文献1には、ステンレス鋼の連続鋳造において、鋳片の長辺側をできるだけ平坦にし、かつ短辺側を僅かに窪ませることを目的として、鋳片の長辺側はフラット型のフットロールとし、鋳片の短辺側はクラウン付きのフットロールとすることが提案されている。また、クラウン付きのフットロールを使用すると、鋳片の短辺中央部への押込みが過剰となってブレークアウトの危険性が高まること、クラウン付きのフットロールはフラット型フットロールに比べて製造コストが嵩むこと等の問題を有することから、例えば、特許文献2には、鋳片の短辺側に当接するフットロールを、鋳片の短辺中央部に当接する1個の中央ロールと、鋳片の短辺両端部にそれぞれ当接する2個の端ロールで構成することが提案されている。
特開平3−291130号公報 特開2005−270981号公報
ここで、特許文献1のクラウン付きのフットロールは、連続鋳造用鋳型の短辺銅板を取り付けた短辺フレーズの下端部に設けられたフットロールフレームに支持されているので、クラウン付きフットロールの位置は固定された状態になっている。このため、溶鋼の鋼種や鋳造速度が変更になって鋳片の凝固収縮量が変わると、鋳造時にフットロールによる鋳片の短辺側に対する押込み力も変化する。例えば、フットロールによる鋳片の短辺側に対する押込み力が低下すると、高温強度の低い鋼種(極低炭素鋼やSUS430等)においては、鋳片の短辺側に大きなバルジング変形が発生し易くなって、バルジング変形開始部では、鋳片割れが発生し易いという問題が生じる。
一方、特許文献2では、フットロールを構成している中央ロールと中央ロールの両側にそれぞれ配置した2個の端ロールのロール軸を、鋳型短辺銅板を保持する鋳型フレームの底部に設けた支軸からぶら下げたスイングフレームで支持し、スイングフレームの下端部と、鋳型フレームの底部から下方に伸ばした固定フレームの下端部とを、皿バネ式の弾力付与手段で連結することにより、ロール軸を介してフットロール(中央ロール及び2個の端ロール)を鋳片の短辺に適度な力で押し付けるようにしている。このため、溶鋼の鋼種や鋳造速度の変更によって鋳片の凝固収縮量が変化するとスイングフレームが回動するため、鋳造時の弾力付与手段によるフットロールの押し付け力も変化する。例えば、鋳片の凝固収縮量が増加すると、連続鋳造用鋳型から排出される鋳片の短辺側はフットロールから離脱しようとするので、フットロールは鋳片の短辺側に追従して移動し、皿バネの弾性回復力の低下に伴ってフットロールの鋳片の短辺側に対する押込み力は低下する。その結果、高温強度の低い鋼種(極低炭素鋼やSUS430等)においては、鋳片の短辺側に大きなバルジング変形が発生し易くなって、バルジング変形開始部では、鋳片割れが発生し易いという問題が生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鋳造中に連続鋳造用鋳型の短辺の直下に配置した短辺側フットロールに加わる鋳片の短辺側からの短辺側反力を検知し、短辺側反力の値に応じて鋳片の短辺側に当接する短辺側フットロールの位置を制御することにより鋳片の短辺側に対する短辺側フットロール(場合によっては、長辺の直下に配置した長辺側フットロールに加わる鋳片の長辺側からの長辺側反力を検知し、長辺側反力の値に応じて鋳片の長辺側に当接する長辺側フットロールの位置を制御することにより鋳片の長辺側に対する長辺側フットロール)の押圧力を調節してバルジングを抑制することが可能な鋳片の連続鋳造方法及びその連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る鋳片の連続鋳造方法は、それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各短辺の直下に短辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型を用いた鋳片の連続鋳造方法において、
前記短辺側フットロールが装着されるロール軸を支持する軸受部材を、前記短辺の下端部から下方に突出させて設けた短辺側フレームに、進退駆動手段を介して前記鋳片の短辺側に対して進退可能に設け、前記鋳片の鋳造中に前記軸受部材を前記鋳片の短辺側に対して進退させて前記短辺側フットロールによる前記鋳片の短辺側に対する押圧力を調節する。
第1の発明に係る鋳片の連続鋳造方法において、前記短辺側フットロールに加わる短辺側反力を測定し、該短辺側反力に基づいて前記進退駆動手段を操作して、該短辺側反力を一定範囲内に制御することが好ましい。
前記目的に沿う第2の発明に係る鋳片の連続鋳造方法は、それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各長辺の直下に長辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型を用いた鋳片の連続鋳造方法において、
前記長辺側フットロールが装着される長辺ロール軸を支持する長辺側軸受部材を、前記長辺の下端部から下方に突出させて設けた長辺側フレームに、長辺側進退駆動手段を介して前記鋳片の長辺側に対して進退可能に設け、前記鋳片の鋳造中に前記長辺側軸受部材を前記鋳片の長辺側に対して進退させて前記長辺側フットロールによる前記鋳片の長辺側に対する押圧力を調節する。
第2の発明に係る鋳片の連続鋳造方法において、前記長辺側フットロールに加わる長辺側反力を測定し、該長辺側反力に基づいて前記長辺側進退駆動手段を操作して、該長辺側反力を一定範囲内に制御することが好ましい。
前記目的に沿う第3の発明に係る連続鋳造用鋳型は、それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各短辺の直下に短辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型において、
前記短辺側フットロールは、前記短辺の下端部から下方に突出させて設けた短辺側フレームに、進退駆動手段を介して前記鋳片の短辺側に対して進退可能に設けられた軸受部材に支持されたロール軸に装着されている。
第3の発明に係る連続鋳造用鋳型において、前記軸受部材を前記鋳片の短辺側に対して進退させて前記短辺側フットロールで前記鋳片の短辺側を押圧した際に該短辺側フットロールに作用する短辺側反力を測定する反力測定手段と、該短辺側反力に基づいて前記進退駆動手段を操作する駆動制御手段とを有することが好ましい。
なお、前記進退駆動手段は、進退駆動源と、該進退駆動源と前記軸受部材を連結し、中間部の断面積が減縮している駆動伝達部材とを有する構成とすることができ、前記反力測定手段は、前記駆動伝達部材の中間部に埋設される歪みゲージを有する構成とすることができる。
前記目的に沿う第4の発明に係る連続鋳造用鋳型は、それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各長辺の直下に長辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型において、
前記長辺側フットロールは、前記長辺の下端部から下方に突出させて設けた長辺側フレームに、長辺側進退駆動手段を介して前記鋳片の長辺側に対して進退可能に設けられた長辺側軸受部材に支持された長辺ロール軸に装着されている。
ここで、鋳片の長辺側に対して進退可能に設けられた長辺側軸受部材とは、長辺側軸受部材を鋳型内に向けて水平に移動可能に設けることをいう。
第4の発明に係る連続鋳造用鋳型において、前記長辺側軸受部材を前記鋳片の長辺側に対して進退させて前記長辺側フットロールで前記鋳片の長辺側を押圧した際に該長辺側フットロールに作用する長辺側反力を測定する長辺側反力測定手段と、該長辺側反力に基づいて前記長辺側進退駆動手段を操作する長辺側駆動制御手段とを有することが好ましい。
なお、前記長辺側進退駆動手段は、長辺側進退駆動源と、該長辺側進退駆動源と前記長辺側軸受部材を連結し、中間部の断面積が減縮している長辺側駆動伝達部材とを有する構成とすることができ、前記長辺側反力測定手段は、前記長辺側駆動伝達部材の中間部に埋設される歪みゲージを有する構成とすることができる。
第1の発明に係る鋳片の連続鋳造方法においては、鋳片の鋳造中に、短辺側フットロールによる鋳片の短辺側に対する押圧力を調節するので、バルジングし易い鋼種(例えば、低炭素鋼やSUS430等)の鋳片の短辺側におけるバルジングを効果的に抑制して、鋳片の割れ発生頻度を低減させることが可能になる。
第1の発明に係る鋳片の連続鋳造方法において、短辺側フットロールに加わる短辺側反力を測定し、短辺側反力に基づいて進退駆動手段を操作して、短辺側反力を一定範囲内に制御する場合、鋳片の短辺側を短辺側フットロールで押圧する際の押圧力を適正範囲に制御することができ、鋳片の短辺側のバルジングを効果的に抑制すると共に、鋳片の変形及び変形に伴う鋳片の割れを防止することが可能になる。
また、短辺側フットロールで鋳片の短辺側を押圧する際の押圧力を調節するので、鋳片の短辺側に所望の深さの窪みを形成することが可能になる。このため、鋳片の対向する短辺側を吊り具で挟む際に、吊り具の先側を鋳片の短辺側に掛止することが容易になる。
第2の発明に係る鋳片の連続鋳造方法においては、鋳片の鋳造中に、長辺側フットロールによる鋳片の長辺側に対する押圧力を調節するので、バルジングし易い鋼種の鋳片の長辺側におけるバルジングを効果的に抑制して、鋳片の割れ発生頻度を低減させることが可能になる。
第2の発明に係る鋳片の連続鋳造方法において、長辺側フットロールに加わる長辺側反力を測定し、長辺側反力に基づいて長辺側進退駆動手段を操作して、長辺側反力を一定範囲内に制御する場合、鋳片の長辺側を長辺側フットロールで押圧する際の押圧力を適正範囲に制御することができ、鋳片の長辺側のバルジングを効果的に抑制すると共に、鋳片の変形及び変形に伴う鋳片の割れを防止することが可能になる。
第3の発明に係る連続鋳造用鋳型においては、進退駆動手段を操作して短辺側フットロールを鋳片の短辺側に対して進退させることができるので、鋳片の鋳造中に、短辺側フットロールによる鋳片の短辺側に対する押圧力を調節することが可能になる。その結果、バルジングし易い鋼種(例えば、低炭素鋼やSUS430等)の鋳片の短辺側におけるバルジングを効果的に抑制して、鋳片の割れ発生頻度を低減させることが可能になる。
第3の発明に係る連続鋳造用鋳型において、軸受部材を鋳片の短辺側に対して進退させて短辺側フットロールで鋳片の短辺側を押圧した際に短辺側フットロールに作用する短辺側反力を測定する反力測定手段と、短辺側反力に基づいて進退駆動手段を操作する駆動制御手段とを有する場合、鋳片の短辺側を短辺側フットロールで押圧する際の押圧力を適正範囲に制御することができ、鋳片と短辺側のバルジングを効果的に抑制すると共に、鋳片の変形及び変形に伴う鋳片の割れを防止することが可能になる。
第4の発明に係る連続鋳造用鋳型においては、長辺側進退駆動手段を操作して長辺側フットロールを鋳片の長辺側に対して進退させることができるので、鋳片の鋳造中に、長辺側フットロールによる鋳片の長辺側に対する押圧力を調節することが可能になる。その結果、バルジングし易い鋼種の鋳片の長辺側におけるバルジングを効果的に抑制して、鋳片の割れ発生頻度を低減させることが可能になる。
第4の発明に係る連続鋳造用鋳型において、長辺側軸受部材を鋳片の長辺側に対して進退させて長辺側フットロールで鋳片の長辺側を押圧した際に長辺側フットロールに作用する長辺側反力を測定する長辺側反力測定手段と、長辺側反力に基づいて長辺側進退駆動手段を操作する長辺側駆動制御手段とを有する場合、鋳片の長辺側を長辺側フットロールで押圧する際の押圧力を適正範囲に制御することができ、鋳片と長辺側のバルジングを効果的に抑制すると共に、鋳片の変形及び変形に伴う鋳片の割れを防止することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の短辺側の部分側断面図である。 同連続鋳造用鋳型の短辺側の背面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 進退駆動手段及び長辺側進退駆動手段をそれぞれ操作する駆動制御手段及び長辺側駆動制御手段の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の長辺側の部分側断面図である。 同連続鋳造用鋳型の長辺側フットロールの平面図である。 実施例1における鋳造速度と短辺側反力の関係を示す説明図である。 実施例1における鋳造速度と長辺側反力の関係を示す説明図である。 実施例2における鋳造速度と短辺側反力の関係を示す説明図である。 実施例2における鋳造速度と長辺側反力の関係を示す説明図である。 実施例3における鋳造速度と短辺側反力の関係を示す説明図である。 実施例3における鋳造速度と長辺側反力の関係を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型10は、図1、図2に示すように、対向配置される一対の長辺11と、長辺11の間に横移動可能に対向配置される一対の短辺12とを有し、各短辺12の直下に短辺側フットロール13を備えている。短辺側フットロール13は、短辺12の下端部から下方に突出させて設けた短辺側フレーム14に、進退駆動手段15を介して鋳片16の短辺側17に対して進退可能(それぞれ対向する長辺11及び短辺12で構成される鋳型空間の直下に向けて水平移動可能)に設けられた軸受部材18に支持されたロール軸19に装着されている。以下、詳細に説明する。
図3に示すように、軸受部材18は、隙間を設けて平行配置され、先側にロール軸19の両端側がそれぞれ嵌入する嵌入孔20、21が形成されたロール支持部22、23と、ロール支持部22、23の基端側を連結する連結部24とを有している。また、図1〜図3に示すように、短辺側フレーム14は、短辺12に固定された短辺バックプレート25の下端部の幅方向(短辺12の幅方向)の両側に、下方に突出させてそれぞれ設けた突出部26、27と、突出部26、27の下端に、下方に向けて突出させて平行配置した側板部28、29と、側板部28、29を連結する接続部30とを有している。
なお、短辺側フットロール13は、ロール軸19に外装したブッシュ31(すべり軸受の一例)を介して取り付けられている。これによって、短辺側フットロール13は、ロール軸19の周りで回転自在となる。
ここで、平行配置された側板部28、29の間隔は、連結部24で連結された状態のロール支持部22、23が嵌入可能な距離に調整されている。このような構成とすることにより、軸受部材18のロール支持部22、23を、短辺側フレーム14の側板部28、29間に装入することができ、ロール支持部22、23の外側表面を側板部28、29の内側表面上で摺動させることができる。その結果、軸受部材18の移動を、短辺側フレーム14の側板部28、29によって案内することができ、短辺側フレーム14の側板部28、29を鋳片16の短辺側17の表面に直交するように(鋳片16の長辺側80(図5参照)の表面に平行に)配置すると、軸受部材18を鋳片16の短辺側17に直交する方向に沿って進退させることができる。
図1、図2に示すように、進退駆動手段15は、短辺側フレーム14の突出部26、27に先側が固着されて水平配置された取り付け部材32の基部に下方に向けて立設された支持部材33に保持された進退駆動源の一例であるスクリュージャッキ34を有している。ここで、スクリュージャッキ34は、スクリュージャッキ34の出力ねじ軸35の先端を、軸受部材18の連結部24に向けて水平に配置されるように、支持部材33に保持されている。
更に、進退駆動手段15は、スクリュージャッキ34の出力ねじ軸35に螺合し、出力ねじ軸35の回転に伴って出力ねじ軸35の軸心方向に移動するトラベリングナット36に基側が接続され、先側が軸受部材18の連結部24に固着されて、中間部の断面積が減縮している駆動伝達部材の一例であるボルト部材37を有している。なお、符号38は、スクリュージャッキ34の図示しない入力軸と接続して、出力ねじ軸35に回転駆動力を与える電動機(例えば、サーボモータ)である。
ここで、ボルト部材37は、連結部24で連結されたロール支持部22、23を、接続部30で連結された側板部28、29間に装入した状態で、連結部24の幅方向(ロール軸19の軸心方向)中央部に形成された貫通孔39及び接続部30の幅方向(短辺バックプレート25の幅方向)の中央部に形成された貫通孔40に、連結部24側から挿通されて、ボルト部材37の先側は接続部30の貫通孔40から、出力ねじ軸35の先端部に向けて突出している。そして、ボルト部材37の中間部より頭部側に形成された雄ねじ部にナット41、42を螺合させることにより連結部24を厚み方向両側からボルト部材37の頭部43及びナット41で締結している。なお、ナット41をナット42で押圧することで、ナット41の緩みを防止できる。
また、接続部30の貫通孔40から突出するボルト部材37の先側には、出力ねじ軸35の先端部に形成された突起部44が嵌入可能な嵌入穴45が形成されたナット部材46が取り付けられている。そして、ナット部材46の嵌入穴45に、出力ねじ軸35の突起部44を嵌入させた状態で、トラベリングナット36とナット部材46を当接させ、締結部材の一例であるボルト47及びナット48を用いて、トラベリングナット36とナット部材46は連結されている。
このような構成とすることにより、スクリュージャッキ34の出力ねじ軸35を回転させて、トラベリングナット36を出力ねじ軸35の軸心方向に移動させることができ、ナット部材46を介してトラベリングナット36の移動に連動させて、ボルト部材37をボルト部材37の軸心方向に進退させることができる。これにより、ボルト部材37が連結している軸受部材18を介してロール軸19を、出力ねじ軸35の軸心方向に、即ち、鋳片16の短辺側17に対して直交する方向に沿って進退させることができる。
また、連続鋳造用鋳型10は、図4に示すように、軸受部材18を鋳片16の短辺側17に対して進退させて短辺側フットロール13で鋳片16の短辺側17を押圧した際に、短辺側フットロール13に作用する短辺側反力を測定する反力測定手段49と、短辺側反力に基づいてスクリュージャッキ34を操作、即ち、スクリュージャッキ34のトラベリングナット36の位置制御を行う駆動制御手段50とを有している。
ここで、反力測定手段49は、ボルト部材37の中間部に埋設される歪みゲージ51を有している。ここで、歪みゲージ51は、ボルト部材37の先端側から中間位置まで穿孔した取り付け用の穴部の底部側に装入され、歪みゲージ51に接続されたリード線52が穴部から外部に取り出されている。そして、歪みゲージ51が装入された穴部内には樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を充填し固化させている。このような構成とすることにより、ボルト部材37の中間部が歪むと、穴部内に充填された樹脂も同時に歪み、この樹脂の歪みを歪みゲージ51で測定することにより、ボルト部材37の中間部の歪みが検出できる。
更に、反力測定手段49は、歪みゲージ51にリード線52を介して接続され、歪みゲージ51の歪みに伴う電気抵抗変化を測定するブリッジボックス53と、ブリッジボックス53から出力される電気抵抗の信号からボルト部材37の中間部に発生した歪みを求める短辺側歪み測定器を備えた歪み測定部54と、歪み測定部54で求めた歪み信号から短辺側フットロール13に加わる短辺側反力を演算する短辺側反力測定器を備えた演算部55とを有している。
なお、短辺側反力測定器は、ボルト部材37を形成している素材の弾性率を記憶する記憶部を備え、歪み信号からボルト部材37の中間部の歪み量を計算するプログラムと、ボルト部材37の中間部の弾性率及び歪み量から応力を計算して、ロール軸19に加わる鋳片16からの短辺側反力を算出するプログラムが搭載された、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成できる。
演算器55の短辺側反力測定器で求めた短辺側反力に基づいて、スクリュージャッキ34を操作する駆動制御手段50は、短辺側反力を設定する入力機能と、予め設定した基準位置に対する短辺側フットロール13の位置を表示する機能を備えた短辺側操作パネル56と、演算器55の短辺側反力測定器から入力される短辺側反力信号及び短辺側操作パネル56から出力される短辺側反力設定信号を用いて、短辺側反力測定器からの短辺側反力信号が短辺側反力設定信号となるように短辺側フットロール13の位置を決めるための位置制御信号を作成するプログラムが搭載された制御部57とを有している。更に、駆動制御手段50は、制御部57から出力される位置制御信号に基づいて、スクリュージャッキ34の電動機38に信号ケーブル58を介して駆動信号、電力ケーブル59を介して電力をそれぞれ供給する信号電力出力部60を有している。
そして、連続鋳造用鋳型10は、図1、図2に示すように、短辺バックプレート25の上下両側に設けられた連結ピン61、62にそれぞれ接続されるピストン63、64をそれぞれ備えたシリンダ65、66と、シリンダ65、66が取り付けられた固定フレーム70とを有している。このような構成とすることにより、シリンダ65、66のピストン63、64を進退させて短辺バックプレート25を移動させることにより、短辺12のテーパの調節を行うことができる。
更に、連続鋳造用鋳型10には、図5、図6に示すように、各長辺11の直下に長辺側フットロール77が設けられ、長辺側フットロール77は、長辺11の下端部から下方に突出させて設けた長辺側フレーム78に、長辺側進退駆動手段79を介して鋳片16の長辺側80に対して進退可能(それぞれ対向する長辺11及び短辺12で構成される鋳型空間の直下に向けて水平移動可能)に設けられた長辺側軸受部材81に支持された長辺ロール軸82に装着されている。
長辺側軸受部材81は、隙間を設けて平行配置され、先側に長辺ロール軸82の両端側がそれぞれ嵌入する嵌入孔(図示せず)が形成された長辺側ロール支持部83、84と、長辺側ロール支持部83、84の基端側を連結する長辺側連結部85とを有している。また、長辺側フレーム78は、長辺11に固定された長辺バックプレート86の下端部の幅方向(長辺11の幅方向)の両側に、下方に突出させてそれぞれ設けた長辺側突出部87と、各長辺側突出部87の下端に、下方に向けて突出させて平行配置した長辺側の側板部88、89と、長辺側の側板部88、89の基側(長辺バックプレート86の背面の後方側)を連結する長辺側接続部90とを有している。
なお、長辺側フットロール77は、長辺ロール軸82に外装したブッシュ91(すべり軸受の一例)を介して取り付けられている。これによって、長辺側フットロール77は、長辺ロール軸82の周りで回転可能になる。
ここで、平行配置された長辺側の側板部88、89の隙間は、長辺側連結部85で連結された状態の長辺側ロール支持部83、84が嵌入可能な距離に調整されている。このような構成とすることにより、長辺側軸受部材81の長辺側ロール支持部83、84を、長辺側フレーム78の長辺側の側板部88、89間に装入することができ、長辺側ロール支持部83、84の外側表面を長辺側の側板部88、89の内側表面上で摺動させることができる。その結果、長辺側軸受部材81の移動を、長辺側フレーム78の長辺側の側板部88、89によって案内することができ、長辺側フレーム78の長辺側の側板部88、89を鋳片16の長辺側80の表面に直交するように配置すると、長辺側軸受部材81を鋳片16の長辺側80に直交する方向に沿って進退させることができる。
長辺側進退駆動手段79は、長辺側フレーム78の対となる長辺側突出部87の一方側に先側が固着されて水平配置された取り付け部材92の基部に下方に向けて立設された支持部材93に保持された長辺側進退駆動源の一例であるスクリュージャッキ94と、長辺側フレーム78の対となる長辺側突出部87の他方側に先側が固着されて水平配置された取り付け部材95の基部に下方に向けて立設された支持部材96に保持された長辺側進退駆動源の一例であるスクリュージャッキ97とを有している。ここで、スクリュージャッキ94、97は、スクリュージャッキ94、97の出力ねじ軸98、99の先端を、長辺側軸受部材81の長辺側連結部85に向けて水平に配置されるように、支持部材93、96にそれぞれ保持されている。
更に、長辺側進退駆動手段79は、スクリュージャッキ94、97の出力ねじ軸98、99にそれぞれ螺合し、出力ねじ軸98、99の回転に伴って出力ねじ軸98、99の軸心方向に移動するトラベリングナット100、101に基側が接続され、先側が長辺側軸受部材81の長辺側連結部85に固着されて、中間部の断面積が減縮している長辺側駆動伝達部材の一例であるボルト部材102、103を有している。なお、符号104、105は、スクリュージャッキ94、97の図示しない入力軸と接続して、出力ねじ軸98、99に回転駆動力を与える電動機(例えば、サーボモータ)である。
ここで、ボルト部材102、103は、長辺側連結部85で連結された長辺側ロール支持部83、84を、長辺側接続部90で連結された長辺側の側板部88、89間に装入した状態で、長辺側連結部85の幅方向(長辺ロール軸82の軸心方向)両側に形成された貫通孔106及び長辺側接続部90の幅方向(長辺バックプレート86の幅方向)両側に形成された貫通孔107に、長辺側連結部85側から挿通されて、ボルト部材102、103の先側は長辺側接続部90の貫通孔107から、出力ねじ軸98、99の先端部に向けて突出している。そして、ボルト部材102、103の中間部より頭部側に形成された雄ねじ部にナット108、109を螺合させることにより長辺側連結部85を厚み方向両側からボルト部材102、103の頭部110及びナット108で締結している。なお、ナット108をナット109で押圧することで、ナット108の緩みを防止できる。
また、長辺側接続部90の貫通孔107から突出するボルト部材102、103の先側には、出力ねじ軸98、99の先端部に形成された突起部111が嵌入可能な嵌入穴112が形成されたナット部材113が取り付けられている。そして、ナット部材113の嵌入穴112に、出力ねじ軸98、99の突起部111を嵌入させた状態で、トラベリングナット100、101とナット部材113を当接させ、締結部材の一例であるボルト114及びナット115を用いて、トラベリングナット100、101とナット部材113は連結されている。
このような構成とすることにより、スクリュージャッキ94、97の出力ねじ軸98、99を回転させることにより、トラベリングナット100、101を出力ねじ軸98、99の軸心方向に移動させることができ、ナット部材113を介してトラベリングナット100、101の移動に連動させて、ボルト部材102、103をボルト部材102、103の軸心方向に進退させることができる。これにより、ボルト部材102、103が連結している長辺側軸受部材81を介して長辺ロール軸82を、出力ねじ軸98、99の軸心方向に、即ち、鋳片16の長辺側80に対して直交する方向に沿って進退させることができる。
また、連続鋳造用鋳型10は、図4、図5に示すように、長辺側軸受部材81を鋳片16の長辺側80に対して進退させて長辺側フットロール77で鋳片16の長辺側80を押圧した際に、長辺側フットロール77に作用する長辺側反力を測定する長辺側反力測定手段116と、長辺側反力に基づいてスクリュージャッキ94、97を同期して操作、即ち、スクリュージャッキ94、97のトラベリングナット100、101の位置制御を行う長辺側駆動制御手段117とを有している。
ここで、長辺側反力測定手段116は、ボルト部材102、103の中間部に埋設される歪みゲージ118を有している。ここで、歪みゲージ118は、ボルト部材102、103の先端側から中間位置まで穿孔した取り付け用の穴部の底部側に装入され、歪みゲージ118に接続されたリード線119が穴部から外部に取り出されている。そして、歪みゲージ118が装入された穴部内には樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を充填し固化させている。このような構成とすることにより、ボルト部材102、103の中間部が歪むと、穴部内に充填された樹脂も同時に歪み、この樹脂の歪みを歪みゲージ118で測定することにより、ボルト部材102、103の中間部の歪みが検出できる。
更に、長辺側反力測定手段116は、歪みゲージ118に接続されたリード線119が接続されて、歪みゲージ118の歪みに伴う電気抵抗変化を測定する図示しないブリッジボックスと、ブリッジボックスから出力される電気抵抗の信号からボルト部材102、103の中間部に発生した歪みをそれぞれ求める長辺側歪み測定器を備えた歪み測定部54と、歪み測定部54で求めた歪み信号から長辺側フットロール77に加わる長辺側反力を演算する長辺側反力測定器を備えた演算器55とを有している。
なお、長辺側反力測定器は、ボルト部材102、103を形成している素材の弾性率を記憶する記憶部を備え、歪み信号からボルト部材102、103の中間部の歪み量を計算するプログラムと、ボルト部材102、103の中間部の弾性率及び歪み量から応力を計算して、長辺ロール軸82に加わる鋳片16からの長辺側反力を算出するプログラムが搭載された、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成できる。
演算器55の長辺側反力測定器で求めた長辺側反力に基づいて、スクリュージャッキ94、97を操作する長辺側駆動制御手段117は、長辺側反力を設定する入力機能と、予め設定した基準位置に対する長辺側フットロール77の位置を表示する機能を備えた長辺側操作パネル120と、演算器55の長辺側反力測定器から入力される長辺側反力信号及び長辺側操作パネル120から出力される長辺側反力設定信号を用いて、長辺側反力測定器からの長辺側反力信号が長辺側反力設定信号となるように長辺側フットロール77の位置を決めるための位置制御信号を作成するプログラムが搭載された制御部121とを有している。
更に、長辺側駆動制御手段117は、制御部121から出力される位置制御信号に基づいて、スクリュージャッキ94、97の電動機104、105に信号ケーブル122を介して駆動信号、電力ケーブル123を介して電力をそれぞれ供給する信号電力出力部124を有している。各電動機104、105には、制御部121から同一の駆動信号が入力されるので、各電動機104、105は同期して駆動することになる。このため、長辺側フットロール77は、長辺側フットロール77の軸心方向を鋳片16の長辺側80の表面に対して平行に保持して進退することになり、長辺側フットロール77による鋳片16の変形を防止できる。
続いて、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型10を用いた鋳片16の連続鋳造方法について説明する。
それぞれ対向配置された長辺11及び短辺12を有し、各短辺12の直下に短辺側フットロール13を備える連続鋳造用鋳型10を用いた鋳片16の連続鋳造方法では、短辺側フットロール13が装着されるロール軸19を支持する軸受部材18を、短辺12の下端部から下方に突出させて設けた短辺側フレーム14に、進退駆動手段15を介して鋳片16の短辺側17に対して進退可能に設けている。そして、鋳片16の鋳造中に、短辺側フットロール13に加わる短辺側反力を測定し、短辺側反力に基づいて進退駆動手段15を操作することにより、軸受部材18を鋳片16の短辺側17に対して進退させて短辺側フットロール13による鋳片16の短辺側17に対する押圧力を調節している。
このため、鋳片16の短辺側17を短辺側フットロール13で押圧する際の押圧力を適正範囲に制御することができ、鋳片16の短辺側17のバルジングを効果的に抑制すると共に、鋳片16の変形及び変形に伴う鋳片16の割れを防止することが可能になる。
また、短辺側フットロール13で鋳片16の短辺側17を押圧する際の押圧力を調節できるので、鋳片16の短辺側17に所望の深さの窪みを形成することも可能になる。このため、鋳片16の対向する短辺側17を図示しない吊り具で挟む際に、吊り具の先側を鋳片16の短辺側17に掛止することが容易になる。その結果、鋳片16の取扱が容易になる。
本発明の連続鋳造用鋳型10を用いた鋳片16の連続鋳造方法では、各長辺11の直下に長辺側フットロール77を設け、長辺側フットロール77が装着される長辺ロール軸82を支持する長辺側軸受部材81を、長辺11に取り付けられた長辺バックプレート86の下端部から下方に突出させて設けた長辺側フレーム78に、長辺側進退駆動手段79を介して鋳片16の長辺側80に対して進退可能に設けている。そして、鋳片16の鋳造中に、長辺側フットロール77に加わる長辺側反力を測定し、長辺側反力に基づいて長辺側進退駆動手段79を操作することにより、長辺側軸受部材81を鋳片16の長辺側80に対して進退させて長辺側フットロール77による鋳片16の長辺側80に対する押圧力を調節している。
このため、鋳片16の長辺側80を長辺側フットロール77で押圧する際の押圧力を適正範囲に制御することができ、鋳片16の長辺側80のバルジングを効果的に抑制すると共に、鋳片16の変形及び変形に伴う鋳片の割れを防止することが可能になる。
(実施例1)
対向配置された長辺の間に対向配置された短辺で構成された角筒状の鋳型空間部と、長辺及び短辺の直下にそれぞれ長辺側フットロール及び短辺側フットロールを備えた連続鋳造用鋳型を使用して、鋳型空間部に注湯した溶綱Aから鋳片を種々の鋳造速度で鋳造した。その際、進退駆動手段及び長辺側進退駆動手段をそれぞれ操作して、連続鋳造用鋳型の鋳型空間部の下端から排出された鋳片の短辺側及び長辺側にそれぞれ短辺側フットロール及び長辺側フットロールを当接させて鋳片の移動を案内しながら、短辺側フットロールに加わる短辺側反力を進退駆動手段のボルト部材内に埋設した歪みゲージで歪みを測定することにより、長辺側フットロールに加わる長辺側反力を長辺側進退駆動手段のボルト部材内に埋設した歪みゲージで歪みを測定することによりそれぞれ求めた。短辺側反力の測定結果を図7に、長辺側反力の測定結果を図8にそれぞれ示す。
なお、鋳型空間部の下端内寸法は、長辺側の間隔が、例えば200mm、短辺側の間隔が、例えば1200mm、鋳型空間部の長さが、例えば700mmであり、短辺の内表面に形成したテーパ率は、1.21%/mであった。
図7、図8に示すように、鋳造を開始して、鋳造速度が一定値になると、短辺側反力及び長辺側反力はそれぞれ一定の範囲内で変動することが確認された。また、短辺側反力は、長辺側反力より大きく、鋳片が短辺側にバルジングし易いことが確認できた。
更に、鋳造速度が大きくなると、短辺側反力及び長辺側反力は共に増大する傾向を示した。短辺側反力及び長辺側反力がそれぞれ増大することは、鋳造速度が大きくなると鋳片を冷却する機能が低下し(鋳片の収縮率が小さくなって)、鋳型空間部から排出された鋳片の寸法が大きくなることと対応していると解される。
(実施例2)
実施例1と同一構成の連続鋳造用鋳型を用いて、溶綱Aから鋳片を種々の鋳造速度で鋳造し、鋳造中に短辺側フットロール及び長辺側フットロールに加わる短辺側反力及び長辺側反力をそれぞれ求めた。短辺側反力の測定結果を図9に、長辺側反力の測定結果を図10にそれぞれ示す。なお、鋳型空間部の下端内寸法は、長辺側の間隔が、例えば200mm、短辺側の間隔が、例えば1200mm、鋳型空間部の長さが、例えば700mmであり、短辺の内表面に形成したテーパ率は、1.25%/mであった。
図9、図10に示すように、鋳造を開始して、鋳造速度が一定値になると、短辺側反力及び長辺側反力はそれぞれ一定の範囲内で変動することが確認された。また、長辺側反力が、短辺側反力より大きくなり、鋳片が短辺側にバルジングする傾向が小さくなったことが確認できた。これは、短辺のテーパ率を1.25%/mとすることにより、鋳片の短辺側の冷却が促進され、凝固シェルの短辺側の厚みが増加したためと解される。
(実施例3)
実施例1と同一構成の連続鋳造用鋳型を用いて、溶綱Bから鋳片を種々の鋳造速度で鋳造し、鋳造中に短辺側フットロール及び長辺側フットロールに加わる短辺側反力及び長辺側反力をそれぞれ求めた。短辺側反力の測定結果を図11に、長辺側反力の測定結果を図12にそれぞれ示す。なお、鋳型空間部の下端内寸法は、長辺側の間隔が、例えば200mm、短辺側の間隔が、例えば1200mm、鋳型空間部の長さが、例えば700mmであり、短辺の内表面に形成したテーパ率は、1.45%/mであった。
図11、図12に示すように、鋳造を開始して、鋳造速度が一定値になると、短辺側反力及び長辺側反力はそれぞれ一定の範囲内で変動することが確認された。また、長辺側反力が、短辺側反力より大きくなり、鋳片が短辺側にバルジングする傾向が小さくなったことが確認できた。これは、短辺側の押圧力が適正化されたためと解される。
以上、説明したように、本発明の鋳片の連続鋳造方法及び連続鋳造用鋳型では、鋳造中、長辺側フットロール及び短辺側フットロールに加わる鋳片からの長辺側反力及び短辺反力をそれぞれ精度よく測定できることが確認でき、短辺側反力及び長辺側反力に基づいて、短辺側フットロール及び長辺側フットロールの位置を調節することにより、短辺側フットロール及び長辺側フットロールで鋳片を最適な押圧力で支持しながら、鋳片の移動を案内できることが確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
例えば、短辺側フットロール及び長辺側フットロールはそれぞれ上下方向1段のみ、又は2段以上設けることができる。
また、短辺側フットロール及び長辺側フットロールをそれぞれ複数設け、短辺側フットロール及び長辺側フットロールに対してそれぞれ短辺側反力測定手段及び長辺側反力測定手段を設置したが、短辺側反力測定手段及び長辺側反力測定手段は、短辺側フットロール及び長辺側フットロールのそれぞれ少なくとも1つに設けてもよい。
更に、本実施の形態では、連続鋳造用鋳型の短辺に短辺側フットロール、長辺に長辺側フットロールをそれぞれ設けたが、短辺にのみ短辺側フットロールを、又は長辺にのみ長辺側フットロールを設けることもできる。
10:連続鋳造鋳型、11:長辺、12:短辺、13:短辺側フットロール、14:短辺側フレーム、15:進退駆動手段、16:鋳片、17:短辺側、18:軸受部材、19:ロール軸、20、21:嵌入孔、22、23:ロール支持部、24:連結部、25:短辺バックプレート、26、27:突出部、28、29:側板部、30:接続部、31:ブッシュ、32:取り付け部材、33:支持部材、34:スクリュージャッキ、35:出力ねじ軸、36:トラベリングナット、37:ボルト部材、38:電動機、39、40:貫通孔、41、42:ナット、43:頭部、44:突起部、45:嵌入穴、46:ナット部材、47:ボルト、48:ナット、49:反力測定手段、50:駆動制御手段、51:歪みゲージ、52:リード線、53:ブリッジボックス、54:歪み測定部、55:演算部、56:短辺側操作パネル、57:制御部、58:信号ケーブル、59:電力ケーブル、60:信号電力出力部、61、62:連結ピン、63、64:ピストン、65、66:シリンダ、70:固定フレーム、77:長辺側フットロール、78:長辺側フレーム、79:長辺側進退駆動手段、80:長辺側、81:長辺側軸受部材、82:長辺ロール軸、83、84:長辺側ロール支持部、85:長辺側連結部、86:長辺バックプレート、87:長辺側突出部、88、89:長辺側の側板部、90:長辺側接続部、91:ブッシュ、92:取り付け部材、93:支持部材、94:スクリュージャッキ、95:取り付け部材、96:支持部材、97:スクリュージャッキ、98、99:出力ねじ軸、100、101:トラベリングナット、102、103:ボルト部材、104、105:電動機、106、107:貫通孔、108、109:ナット、110:頭部、111:突起部、112:嵌入穴、113:ナット部材、114:ボルト、115:ナット、116:長辺側反力測定手段、117:長辺側駆動制御手段、118:歪みゲージ、119:リード線、120:長辺側操作パネル、121:制御部、122:信号ケーブル、123:電力ケーブル、124:信号電力出力部

Claims (8)

  1. それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各短辺の直下に短辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型を用いた鋳片の連続鋳造方法において、
    前記短辺側フットロールが装着されるロール軸を支持する軸受部材を、前記短辺の下端部から下方に突出させて設けた短辺側フレームに、進退駆動手段を介して前記鋳片の短辺側に対して進退可能に設け、前記鋳片の鋳造中に前記軸受部材を前記鋳片の短辺側に対して進退させて前記短辺側フットロールによる前記鋳片の短辺側に対する押圧力を調節することを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。
  2. 請求項1記載の鋳片の連続鋳造方法において、前記短辺側フットロールに加わる短辺側反力を測定し、該短辺側反力に基づいて前記進退駆動手段を操作して、該短辺側反力を一定範囲内に制御することを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。
  3. それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各長辺の直下に長辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型を用いた鋳片の連続鋳造方法において、
    前記長辺側フットロールが装着される長辺ロール軸を支持する長辺側軸受部材を、前記長辺の下端部から下方に突出させて設けた長辺側フレームに、長辺側進退駆動手段を介して前記鋳片の長辺側に対して進退可能に設け、前記鋳片の鋳造中に前記長辺側軸受部材を前記鋳片の長辺側に対して進退させて前記長辺側フットロールによる前記鋳片の長辺側に対する押圧力を調節することを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。
  4. 請求項3記載の鋳片の連続鋳造方法において、前記長辺側フットロールに加わる長辺側反力を測定し、該長辺側反力に基づいて前記長辺側進退駆動手段を操作して、該長辺側反力を一定範囲内に制御することを特徴とする鋳片の連続鋳造方法。
  5. それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各短辺の直下に短辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型において、
    前記短辺側フットロールは、前記短辺の下端部から下方に突出させて設けた短辺側フレームに、進退駆動手段を介して前記鋳片の短辺側に対して進退可能に設けられた軸受部材に支持されたロール軸に装着されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  6. 請求項5記載の連続鋳造用鋳型において、前記軸受部材を前記鋳片の短辺側に対して進退させて前記短辺側フットロールで前記鋳片の短辺側を押圧した際に該短辺側フットロールに作用する短辺側反力を測定する反力測定手段と、該短辺側反力に基づいて前記進退駆動手段を操作する駆動制御手段とを有することを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  7. それぞれ対向配置された長辺及び短辺を有し、前記各長辺の直下に長辺側フットロールを備える連続鋳造用鋳型において、
    前記長辺側フットロールは、前記長辺の下端部から下方に突出させて設けた長辺側フレームに、長辺側進退駆動手段を介して前記鋳片の長辺側に対して進退可能に設けられた長辺側軸受部材に支持された長辺ロール軸に装着されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  8. 請求項7記載の連続鋳造用鋳型において、前記長辺側軸受部材を前記鋳片の長辺側に対して進退させて前記長辺側フットロールで前記鋳片の長辺側を押圧した際に該長辺側フットロールに作用する長辺側反力を測定する長辺側反力測定手段と、該長辺側反力に基づいて前記長辺側進退駆動手段を操作する長辺側駆動制御手段とを有することを特徴とする連続鋳造用鋳型。
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