JP2014132943A - 生体骨固定用ネジ - Google Patents

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Abstract

【課題】ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避可能で破損しにくく、互いに相反する埋入性と初期固定性とを兼備し、高い骨結合性をも発揮する生体骨固定用ネジを提供すること。
【解決手段】周側面に少なくとも1回転するネジ山基部23が形成されたネジ基部21を有する実質部5と、ネジ基部21の少なくとも谷底25に実質部5と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成された表面多孔層6とを備え、谷底25に形成された前記表面多孔層6は、少なくともその一部が50〜500μmの厚さを有し、この谷底25に隣接するネジ山基部23に対して200〜800μmの高度差を有している生体骨固定用ネジ1。
【選択図】 図1

Description

この発明は、生体骨固定用ネジに関し、さらに詳しくは、ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避可能で破損しにくく、互いに相反する埋入性と初期固定性とを兼備し、高い骨結合性をも発揮する生体骨固定用ネジに関する。
骨又は歯(以下、生体骨と称することがある。)の欠損部又は関節に、生体骨若しくは人工歯(義歯とも称する。)又は人工関節を埋設又は固定する方法として、欠損部又は生体骨に設けられた下穴に生体骨固定用ネジ(人工歯根を含む。)等を螺合する方法が知られている。
このような生体骨固定用ネジとして、金属又はセラミック材料等の非金属材料が用いられることがある(例えば、特許文献1〜4等)。例えば、特許文献3には概略「金属又はセラミック等からなる外筒と内部歯根の二重構造を有し、外筒と内部歯根は緩衝材によって固着されている人工歯根」が記載され、特許文献4には概略「少なくとも外周面が生体活性層で覆われた受け部材と、受け部材の凹部に挿入される人工歯根本体と、人工歯根本体と受け部材との間に介在する衝撃緩和部材とを備え、衝撃緩和部材を介して人工歯根本体と受け部材とを一体的に結合した人工歯根」が記載されている。
また、生体骨固定用ネジとして、生体骨とよく似た力学特性を有する材料、例えばエンジニアリングプラスチックで作製された生体骨固定用ネジも知られている。その一例を挙げると、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の移植可能なポリマ等で多孔性の生体骨固定用ネジを作製すること(特許文献5等)、X線を透過するプラスチック、例えばPEEKでネジシャンクを作製すること(特許文献6)等が提案されている。
なお、生体骨固定用ネジそのものではないが、概略「生体インプラントとして使用され」得る「実質部と表面層とを備えている表面発泡体」(特許文献7)が、また、概略「最表面に凹凸構造を有する緻密な実質部と多孔質の表面層とを備える生体インプラント」(特許文献8)が知られている。さらに、生体骨固定用ネジに例えば巻き付けて人工歯根を骨組織に固定する医療材料等も知られている(例えば、特許文献9)。
特開2005−329244号公報 特表2007−531555号公報 特許第2547953号公報 特公平7−12365号公報 特表2012−511334号公報 特表2012−511980号公報 国際公開第2009/095960号パンフレット 特開2010−253195号公報 特開2010−233860号公報
生体骨固定用ネジの材料として金属を用いると、金属アレルギー等を引き起こす可能性があることに加えて、生体骨と比較して非常に大きな弾性率等を有しているから生体骨と金属との力学特性の違いによって応力遮蔽が起こって(ストレスシールディング)、周囲の骨が吸収され、脆くなってしまう可能性がある。また、生体骨固定用ネジの材料として強度が小さく弾性率が高いセラミック材料を用いると、特に生体骨固定用ネジには大きな負荷がかかるから、衝撃に弱く破損しやすいという問題がある。
ところで、このような生体骨固定用ネジは骨に形成された下穴に螺合、すなわちねじ込まれて埋植されるから、生体骨固定用ネジのねじ込み時に作用する負荷で生体骨固定用ネジが折損しないように、特に下穴が形成された骨が損傷又は壊死しないように、生体骨固定用ネジが下穴に速やかにねじ込まれる埋入性を有するのがよい。しかし、生体骨固定用ネジにおいて埋入性を確保しようとすると、下穴に一旦埋植された生体骨固定用ネジと下穴及び下穴が形成された骨との螺合状態又は結合状態が低下し、生体骨固定用ネジを埋入したときの固定状態(初期固定性と称する。)が低下するという問題がある。このように生体骨固定用ネジには互いに相反する特性である埋入性と初期固定性とを両立させることが望まれている。
このような生体骨固定用ネジにも、患者の負担軽減、回復状態等の観点から、骨と強固に結合する骨結合能を発揮するのがよいことはいうまでもない。特に、生体骨固定用ネジに埋植後に大きな負荷がかかる場合、例えば噛合圧・咀嚼力等がかかる人工歯根等の場合には、生体骨固定用ネジを埋入したときの固定状態を長期間にわたって維持することも望まれている。
したがって、この発明は、ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避可能で破損しにくく、互いに相反する埋入性と初期固定性とを兼備し、高い骨結合性をも発揮する生体骨固定用ネジを提供することを、目的とする。
この発明の発明者らは、生体骨固定用ネジについて鋭意検討したところ、ネジ山基部が形成されたネジ基部を有する実質部と同じ生体適合性ポリマーで表面多孔層を一体的に形成すると共に、ネジ基部の谷底に形成された表面多孔層の厚さと谷底に形成された表面多孔層及びこの谷底に隣接するネジ山基部の高度差とを特定の範囲に設定すると、ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避可能で破損しにくい生体骨固定用ネジを作製できるうえ、作製された生体骨固定用ネジが互いに相反する埋入性と初期固定性とを両立でき、しかも高い骨結合性をも発揮することを見出して、この発明を完成させた。
したがって、この発明に係る生体骨固定用ネジは、周側面に少なくとも1回転するネジ山基部が形成されたネジ基部を有する実質部と、前記ネジ基部の少なくとも谷底に前記実質部と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成された表面多孔層とを備え、前記谷底に形成された前記表面多孔層は、少なくともその一部が50〜500μmの厚さを有し、この谷底に隣接する前記ネジ山基部に対して200〜800μmの高度差を有していることを特徴とする。
この発明に係る生体骨固定用ネジは、周側面に少なくとも1回転するネジ山基部が形成されたネジ基部を有する実質部と、前記ネジ基部の少なくとも谷底に前記実質部と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成された表面多孔層とを備え、前記谷底に形成された前記表面多孔層は、少なくともその一部が50〜500μmの厚さを有し、この谷底に隣接する前記ネジ山基部に対して200〜800μmの高度差を有しているから、ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避可能で破損しにくく、互いに相反する埋入性と初期固定性とを兼備し、高い骨結合性をも発揮する。
図1は、この発明に係る生体骨固定用ネジの一例である生体骨固定用ネジを示す概略図である。 図2は、この発明に係る生体骨固定用ネジの一例である生体骨固定用ネジのネジ部を示す概略拡大断面図である。 図3は、この発明に係る生体骨固定用ネジの一例である生体骨固定用ネジの表面多孔層を示す概略拡大断面図である。 図4は、この発明に係る生体骨固定用ネジの別の一例である生体骨固定用ネジを示す概略図である。 図5は、この発明に係る生体骨固定用ネジのまた別の一例である生体骨固定用ネジを示す概略図である。 図6は、実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジのネジ部を走査型電子顕微鏡で観察した拡大写真であり、図6(a)はこのネジ部を拡大率30倍で観察したときの正面拡大写真であり、図6(b)はこのネジ部の軸線を含む平面で切断したときの切断面を拡大率100倍で観察したときの断面拡大写真である。 図7は、実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジのネジ山を走査型電子顕微鏡で観察した拡大写真であり、図7(a)はこのネジ山を拡大率300倍で観察したときの拡大写真であり、図7(b)はこのネジ山を拡大率3000倍で観察したときの拡大写真である。 図8は、実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジのネジ溝を走査型電子顕微鏡で観察した拡大写真であり、図8(a)はこのネジ溝を拡大率300倍で観察したときの拡大写真であり、図8(b)はこのネジ溝を拡大率3000倍で観察したときの拡大写真である。 図9は、実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジを一旦ねじ込んだ下穴から取り出した後にネジ山を走査型電子顕微鏡で観察した拡大写真であり、図9(a)はこのネジ山を拡大率50倍で観察したときの拡大写真であり、図9(b)はこのネジ山を拡大率10000倍で観察したときの拡大写真である。
この発明に係る生体骨固定用ネジを具体的に図面を参照して説明する。この発明に係る生体骨固定用ネジの一例である生体骨固定用ネジ1は、図1に示されるように、軸線方向に沿って順に連設された頭部11と円筒部12とネジ部13とを有している。
頭部11は、生体骨固定用ネジ1をねじ込む工具に係合するスリット(図1において図示しない。)等がその端面に形成されている。この頭部11は、生体骨固定用ネジが人工歯を歯槽骨に固定する歯科用生体骨固定用ネジ(人工歯根とも称する。)として利用される場合には、埋植後に、その端面に人工歯が装着される。円筒部12は、頭部11におけるスリットが形成された端面とは反対側の端面に連設され、頭部11と後述するネジ部13とを接続する。ネジ部13は、円筒部12の頭部11と反対側の端面に連接され、ネジ山17及びネジ溝18を有する完全ネジ部14と完全ネジ部14の円筒部12と反対側に連接されたネジ先15とを有している。この完全ネジ部14は、歯の形状が所謂「三角ネジ」状で、所謂「一条ネジ」となるリード及びピッチに設定されている。完全ネジ部14の軸線長さ、外径、谷の径、ピッチ、リード、ネジ山17の角度、ネジ山17の高さ等の各種の寸法は、埋植される部位、形状及び寸法等に応じて、適宜に設定される。完全ネジ部14の外径は、埋植する部位に設けられる下穴の内径に応じて適宜に設定され、例えば、下穴の内径よりも400〜700μm大きく、特に生体骨固定用ネジ1が人工歯根として使用される場合は500〜600μm大きく設定される。完全ネジ部14の外径の一例を挙げると、3〜12mmで、特に生体骨固定用ネジ1が人工歯根として使用される場合は3〜8mmである。
このような生体骨固定用ネジ1は、図2に明確に示されるように、緻密で生体骨固定用ネジ1の基体となる実質部5と実質部5の表面に実質部5と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成された表面多孔層6とを備えている。このように実質部5と表面多孔層6とが生体適合性ポリマーで形成されていると、ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避でき、破損しにくくなる。そして、実質部5と表面多孔層6とが同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成されていると、すなわち、実質部5と表面多孔層6との間に接着層を介することなく、実質部5に表面多孔層6が直接連設されていると、生体骨固定用ネジ1の強度が向上してより破損しにくくなる。
実質部5は、生体骨固定用ネジ1の基体となるから、生体骨固定用ネジ1と基本的に同様に形成され、軸線方向に沿って順に連設された、頭部11と円筒部12と表面多孔層6で被覆されたネジ部13の基部となるネジ基部21とを有している。したがって、頭部11及び円筒部12には表面多孔層6は必ずしも配置されている必要はなく、ネジ基部21の表面全体、すなわちネジ山基部23の表面全体及び少なくとも谷底25に表面多孔層6が配置されている。図2には完全ネジ部14の基部となるネジ基部21の一部が図示されている。
ネジ基部21は、完全ネジ部14の基部とネジ先15の基部とを備え、完全ネジ部14の基部の周側面に少なくとも1回転する1つのネジ山基部23と隣接するネジ山基部23の間に形成されたネジ溝基部24とを有している。このネジ山基部23は、螺旋状に複数回転するように配置されているのが好ましく、高い初期固定性を発揮する点で、3回転以上であるのが好ましい。回転数の上限は、完全ネジ部14の軸線長さ、ピッチ等に応じて適宜決定され、例えば、5回転以上であるのが特に好ましく、一方、埋入性を考慮すると、15回転以下であるのが好ましく、12回転以下であるのが好ましい。生体骨固定用ネジ1においてネジ山基部23は7回転するように配置されている。隣接するネジ山基部23の対面する2つのフランク間、すなわちネジ溝基部24には互いに対面する2つのフランクを連結する谷底25を有しており、この谷底は平坦な底面又は曲面になっている。このようにネジ溝基部24に平坦な底面又は曲面が存在すると、生体組織が侵入可能な表面多孔層6をより広い範囲で配置できるから、表面多孔層6に多量の生体組織が侵入して高い骨結合性を発揮させることができる。
このネジ基部21の軸線長さ、リード、ネジ山基部23の角度等の各種の寸法は適宜に設定されるが、ピッチ、外径、谷の径及びネジ山基部23の高さは下記寸法に設定されるのが好ましい。ネジ山基部23のピッチは平坦な底面又は曲面の谷底25を形成できる点で300〜1500μmであるのが好ましい。ネジ基部21の外径は、完全ネジ部14の外径が前記範囲内となるように表面多孔層6の厚さを考慮して適宜に設定され、例えば、2.8〜11.9mmで、特に人工歯根の場合は2.8〜7.9mmであるのが好ましく、ネジ山基部23の高さは300〜3000μmで、特に人工歯根の場合は300〜2000μmであるのが好ましい。ネジ山基部23の高さが前記範囲内にあると、表面多孔層6を後述する方法で形成したとしてもネジ山基部23のプロファイルが損なわれることなく完全ネジ部14を形成でき、埋入性及び初期固定性を両立できる。ネジ基部21の外径及び谷の径は、埋植される部位に応じて、外径及びネジ山基部23の高さを考慮して、適宜の範囲に設定される。
実質部5は、生体適合性ポリマーでその全体が中実に形成されている。この生体適合性ポリマーは生体骨に類似又は近似する力学特性を有しているのが好ましい。したがって、実質部3も生体適合性ポリマーと同様に生体骨に類似又は近似する力学特性を有している。生体骨に類似又は近似する力学特性としては、例えば1〜50GPaの弾性率、100MPa以上の曲げ強度等が挙げられ、生体適合性ポリマーはこれら特性の少なくとも一方を有していればよい。
このような生体適合性ポリマーとしては、例えば、繊維が混合されていない生体適合性ポリマー(繊維無含有生体適合性ポリマーとも称する。)、繊維が混合された繊維強化生体適合性ポリマー等が挙げられる。繊維無含有生体適合性ポリマーとしては、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリフェニリンオキサイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリメチルペンテン、ジアリルフタレート樹脂、ポリオキシメチレン、ポリ四フッ化エチレン等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
繊維強化生体適合性ポリマーのマトリックスとなる生体適合性ポリマーとしては、前記エンジニアリングプラスチックに加えて、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、EVA樹脂、EEA樹脂、4−メチルペンテン−1樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ACS樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、エチレン塩化ビニル共重合体、プロピレン塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリアビニルアセトアセタール、ポリフッ化エチレンプロピレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、メタクリル樹脂、ノリル樹脂、ポリアリルエーテルケトン、ポリケトンスルフィド、ポリスチレン、イソフタル酸系樹脂、ポリウレタン、アルキルベンゼン樹脂、ポリジフェニルエーテル等が挙げられる。
繊維強化生体適合性ポリマーに含有される繊維としては、例えば、カーボンナノチューブを含む炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維又は有機繊維が挙げられる。前記ガラス繊維としては、例えば、ホウケイ酸ガラス(Eガラス)の繊維状物、高強度ガラス(Sガラス)の繊維状物、高弾性ガラス(YM−31Aガラス)の繊維状物等が挙げられ、前記セラミック繊維としては、例えば、炭化ケイ素の繊維状物、窒化ケイ素の繊維状物、アルミナの繊維状物、チタン酸カリウムの繊維状物、炭化ホウ素の繊維状物、酸化マグネシウムの繊維状物、酸化亜鉛の繊維状物、ホウ酸アルミニウムの繊維状物、ホウ素の繊維状物等が挙げられ、前記金属繊維としては、例えば、タングステンの繊維状物、モリブデンの繊維状物、ステンレスの繊維状物、スチールの繊維状物、タンタルの繊維状物等が挙げられ、前記有機繊維としては、例えば、ポリビニルアルコールの繊維状物、ポリアミドの繊維状物、ポリエチレンテレフタレートの繊維状物、ポリエステルの繊維状物、アラミドの繊維状物等が挙げられる。繊維は1種単独で又は2種以上の混合物を用いることができる。
生体適合性ポリマーは、これらの中でも、高強度低弾性で力学特性が生体骨と近く、生体適合性の高いポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が特に好ましい。
実質部5は、生体適合性ポリマーに加えて、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、顔料等の着色料等の各種添加剤を含有していてもよい。
表面多孔層6は、ネジ基部21の少なくとも谷底25の一部に配置されていればよく、この生体骨固定用ネジ1においてはネジ基部21の表面全体に実質部5と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成されている。このように表面多孔層6が谷底25に一体的に配置されていると、生体骨固定用ネジ1が高い骨結合性を発揮して、患者の負担軽減及び回復状態等に優れるうえ、生体骨固定用ネジ1を埋入したときの固定状態を長期間にわたって維持できる。そして、表面多孔層6が谷底25に加えてネジ山基部23の表面、すなわちフランク及び頂に配置されていると、前記効果に加えて、下穴及び近傍の骨組織を損傷させることなく生体骨固定用ネジ1を下穴にねじ込むことができるうえ、ねじ込まれた生体骨固定用ネジ1の下穴に対するフィッティング性が向上し、より一層高い初期固定性を発揮する。また、下穴に一旦ねじ込まれると表面多孔層6が生体骨固定用ネジ1に作用する、例えば噛合時等の応力を分散緩和する緩衝機能を発揮して、例えば歯根膜による機能を補強でき、下穴又は近傍の骨組織の損傷を効果的に防止すると共に、生体骨固定用ネジ1を埋入したときの固定状態をより一層長期間にわたって維持して脱落しにくくなる。さらに、表面多孔層6がネジ山基部23の表面にも配置されていると、谷底25に配置された表面多孔層6aの骨結合性を補足できる。
表面多孔層6は、実質部5と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成され、特にPEEKで形成されているのが好ましい。
この表面多孔層6は埋植される部位に応じて適宜の厚さに形成されるが、谷底25に形成された表面多孔層6a、すなわち谷底25に形成されている表面多孔層6aの少なくとも一部は50〜500μmの厚さを有している。厚さが50μm未満であると表面多孔層6aに進入する生体組織の進入量が低下し、高い骨結合性を発揮しないことがあり、一方、500μmを超えると生体骨固定用ネジ1を下穴にねじ込むときに表面多孔層6aが損傷又は脱落して骨結合性が低下することがあり、また実質部5が細径になって生体骨固定用ネジ1に要求される強度を発揮できないことがある。谷底25に形成された表面多孔層6aの厚さは骨結合性及び強度を両立できる点で、70〜450μmであるのがより好ましく、100〜400μmであるのが特に好ましい。50〜500μmの厚さを有する表面多孔層6aは谷底25の一部に形成され、換言すると、谷底25に形成された表面多孔層6aの一部が50〜500μmの厚さを有している。50〜500μmの厚さを有する表面多孔層6aは、隣接する2つのネジ山基部23に挟まれた谷底25に形成されているのが好ましく、2つのネジ山基部23に挟まれた谷底25の全長に対して半分以上に形成されているのが好ましく、この例においては、2つのネジ山基部23に挟まれた谷底25の全体に形成されている。
一方、ネジ山基部23の側面すなわちフランク及び頂に形成された表面多孔層6bは10〜200μmの厚さを有しているのが好ましく、20〜180μmの厚さを有しているのが特に好ましい。表面多孔層6bが前記範囲の厚さを有していると、下穴及び近傍の骨組織をより一層損傷させることなく生体骨固定用ネジ1を下穴にねじ込むことができるうえ、下穴にねじ込む際にネジ山基部23から脱落しにくく、より一層優れたフィッティング性及び緩衝機能を発揮する。
ここで、表面多孔層6の厚さは、電子顕微鏡等によってネジ基部21の断面を観察したときに、表面多孔層6が配置されている実質部5に接し、生体骨固定用ネジ1の軸線に平行な第1接線L1と、この実質部5に配置された表面多孔層6に接し、第1接線L1に平行な第2接線L2との最短距離B、又はネジ山基部23の頂に接し、生体骨固定用ネジ1の軸線に平行な第4接線L4と、このネジ山基部23の頂に配置された表面多孔質層6に接し、第4接線L4に平行な第3接線L3との最短距離Cとして、測定される。なお、ネジ山基部23のフランク上に配置された表面多孔層6bの厚さも基本的に同様にして測定される。
谷底25に形成された表面多孔層6aの少なくとも一部は、自身が形成されたこの谷底25に隣接するネジ山基部23に対して200〜800μmの高度差、すなわち表面多孔層6aの表面とネジ山基部23の高さとが200〜800μmの高度差を有している。この高度差が200μm未満であると、ネジ山17の下穴に対するアンカー効果が小さく下穴との螺合力が低下して初期固定性に劣るうえ、生体骨固定用ネジ1を下穴にねじ込むときに表面多孔層6aが圧縮損傷又は脱落し、かりに表面多孔層6aが損傷又は脱落しなくても生体組織の進入量が低下して、いずれにしても高い骨結合性を発揮しないことがある。一方、高度差が800μmを超えると、相対的に実質部5が細径になって強度が低下して折損しやすくなることがある。また高度差が800μmを超えると、生体骨固定用ネジ1を下穴にねじ込むときに、過大な螺合トルクを要して埋入性が低下することがあり、加えて、下穴又は近傍の骨組織を損傷させ、壊死させることがある。
谷底25に形成された表面多孔層6aにおける前記高度差は、生体骨固定用ネジ1の強度、初期固定性、骨結合性及び埋入性のいずれもより一層高い水準で兼ね備える点で、 250〜750μmであるのが好ましく、300〜700μmであるのが特に好ましい。前記高度差は、生体骨固定用ネジ1が人工歯を歯槽骨に固定する際に用いられる人工歯根である場合には、200〜400μmであるのが好ましく、250〜350μmであるのが特に好ましい。
200〜800μmの高度差を有する表面多孔層6aは、谷底25の一部に形成され、換言すると、谷底25に形成された表面多孔層6aの一部が200〜800μmの高度差を有している。200〜800μmの高度差を有する表面多孔層6aは、隣接する2つのネジ山基部23に挟まれた谷底25に形成されているのが好ましく、2つのネジ山基部23に挟まれた谷底25の全長に対して半分以上に形成されているのが好ましく、この例においては、2つのネジ山基部23に挟まれた谷底25の全体に形成されている。そして、200〜800μmの高度差を有する表面多孔層6aは50〜500μmの厚さを有していてもいなくてもよく、すなわち200〜800μmの高度差を有する表面多孔層6aと50〜500μmの厚さを有する表面多孔層6aとが同じ部分であっても異なる部分であってもよい。この発明においては、200〜800μmの高度差を有する表面多孔層6aが50〜500μmの厚さを有していているのが好ましく、すなわち、200〜800μmの高度差を有する表面多孔層6aと50〜500μmの厚さを有する表面多孔層6aとが同一部分であるのが好ましい。
ここで、高度差は電子顕微鏡等によってネジ基部21の断面を観察したときに、表面多孔層6aの表面は表面多孔層6の厚さと同様にして決定された第2接線L2と、ネジ山基部23の頂に接し、第1接線L1に平行な第4接線L4との最短距離Aとして、測定される。
表面多孔層6は、図3に示されるように、複数の小径気孔31及び大径気孔32を有する3次元網目状の多孔質構造になっている。小径気孔31及び大径気孔32は、存在状態に着目すると、独立して存在している独立気孔35、2つ以上の独立気孔35が連通した連通気孔36、表面多孔層6の表面に開口する開気孔33のいずれか又は全部を包含している。具体的には、小径気孔31は表面多孔層6の表面に開口する、平均開気孔径が5μm以下の小径開気孔41を一部に包含し、大径気孔32は表面多孔層6の表面に開口する、平均開気孔径が30〜1000μmの大径開気孔42を一部に包含している。小径開気孔41の平均開気孔径は好ましくは大きくとも3μmであり、大径開気孔42の平均開気孔径は好ましくは20〜300μmである。
小径気孔31及び大径気孔32は、独立気孔35、連通気孔36及び開気孔33に加えて、大径開気孔42と小径気孔31及び/又は大径気孔32とが連通して大径開気孔42の内壁面45に開口する連通孔34を包含している。連通孔34は一つの開気孔33に対して複数の連通孔34が形成されているのが好ましい。連通孔34としては、小径気孔31同士が連通、又は小径気孔31と大径気孔32とが連通して形成される小径連通孔43、及び、大径気孔32同士が連通して形成される大径連通孔44を挙げることができる。なお、骨形成に関与するタンパク質及び細胞等が付着し易くするには、小径連通孔43の開口径の平均値が大きくとも5μmであると好ましく、大きくとも3μmであると更に好ましい。また、骨組織を表面多孔層6の内部まで侵入させると共に、凸部における表面多孔層6の強度を適度に保つには、凸部における大径連通孔44の開口径の平均値が10〜300μmであると好ましく、20〜200μmであると更に好ましい。小径気孔31及び大径気孔32は、球状、扁球状及び長球状よりなる群より選択される少なくとも1つの形状になっている。
表面多孔層6がこのような複数の小径気孔31及び大径気孔32を有していると、生体骨固定用ネジ1を埋植したときに、表面多孔層6の表面に開口している多数の開気孔33及びこの開気孔33と連通孔34とを介して骨組織を表面多孔層6の内部に侵入させることができる。その結果、表面多孔層6の内部に存在する空間を充填するように新たな骨が形成されるので、骨と生体骨固定用ネジ1とが強固に結合される。さらに、大径気孔32により形成されている大径開気孔42の内壁面に連通孔34、特に大径連通孔44が多数形成されている程、骨組織を表面多孔層6の表面から深部まで到達させることができるので、表面多孔層6の深部において新たな骨を形成させることができることになり、骨と生体骨固定用ネジ1とを良好な結合性を確保することができる。そして、生体骨固定用ネジ1においては、下穴にねじ込まれるときに、ネジ山基部23に配置された表面多孔層6bは圧縮損傷又は脱落することはあっても谷底25に配置された表面多孔層6aは実質的に圧縮損傷又は脱落することはないから、骨結合性を十分に発揮する。そして、このように生体骨固定用ネジ1を埋植した後に表面多孔層6と下穴又は近傍の骨とが強固に結合すると、初期固定性を長期間にわたって維持でき、生体骨固定用ネジ1が脱落又は抜脱することを防止できる。
なお、表面多孔層6の表面に開口する小径開気孔41の平均開気孔径と大径開気孔42の平均開気孔径は表面多孔層6の表面を走査型電子顕微鏡又はデジタルマイクロスコープで観察して得られる画像を利用して求めることができ、連通孔34の孔径は同様にして撮影したSEM画像から求めることができる。具体的には、特許文献8(特開2010−253195号)の0054欄〜0056欄に記載された方法で求めることができる。
生体骨固定用ネジ1は、実質部5と実質部5と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成された表面多孔層6とを備え、実質部の谷底に形成された表面多孔層6aは少なくともその一部が50〜500μmの厚さを有し、この谷底25に隣接するネジ山基部23に対して200〜800μmの高度差を有しているから、ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避可能で破損しにくく、互いに相反する埋入性と初期固定性とを兼備し、高い骨結合性をも発揮する。特に、この生体骨固定用ネジ1はネジ山基部23の表面及び谷底25に配置された表面多孔層6a及び表面多孔層6bを備えているから、前記効果に加えて、生体骨固定用ネジ1の下穴に対するフィッティング性が向上してより一層高い初期固定性発揮するうえ、骨結合性がさらに向上すると共に表面多孔層6bが緩衝機能を発揮して生体骨固定用ネジ1を埋入したときの固定状態を長期間にわたって維持する固定安定性を有する。すなわち、ネジ山基部の表面及び谷底に配置された表面多孔層を備えるこの発明によれば、ストレスシールディング及び金属アレルギーを回避可能で破損しにくく、互いに相反する埋入性と強固な初期固定性及び固定安定性とを兼備し、より一層高い骨結合性をも発揮する生体骨固定用ネジを提供するという目的を達成できる。このような効果を有する生体骨固定用ネジ1は、噛合圧・咀嚼力等が断続的かつ長期間にわたって作用する人工歯根として特に好適に用いられる。
この発明に係る生体骨固定用ネジの別の一例である生体骨固定用ネジ2は、図4に示されるように、表面多孔層6の表面及び気孔の内壁面45の少なくとも一部又は全部に担持された生体活性物質7を有している。したがって、この生体骨固定用ネジ2は生体活性物質7を有していること以外は生体骨固定用ネジ1と基本的に同様である。
この生体活性物質7は、表面多孔層3における開気孔33の内壁面45及び/又は表面多孔層3の表面及び/又は表面多孔層3の内部に独立した状態及び/又はこれらの生体活性物質7が結合して樹枝状に表面多孔層6内部に張り巡らされた状態で存在している。生体活性物質7は、具体的には、開気孔33の内壁面45及び表面多孔層6の表面に膜状又は層状に密に担持されている。生体活性物質7が表面多孔層6に担持されていると、生体骨固定用ネジ2が生体内に埋植された後に生体活性物質7と生体の骨組織との化学的な反応が始まり、新たな骨が速やかに形成され、迅速な骨結合力を発揮する。
生体活性物質7は、生体との親和性が高く、生体骨を含む骨組織又は生体歯を含む歯組織(以下、骨組織という。)等の生体組織と化学的に反応する性質を有する物質であれば特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム化合物、生体活性ガラス、炭酸カルシウム等が挙げられる。リン酸カルシウム化合物としては、例えば、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム水和物、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウム、ドロマイト、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム、水酸アパタイト、フッ素アパタイト、炭酸アパタイト及び塩素アパタイト等が挙げられる。生体活性ガラスは、バイオガラス、結晶化ガラス(ガラスセラミックスとも称する。)等を含み、バイオガラスとしては、例えば、SiO−CaO−NaO−P系ガラス、SiO−CaO−NaO−P−KO−MgO系ガラス、及び、SiO−CaO−Al−P系ガラス等が挙げられ、結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−CaO−MgO−P系ガラス(アパタイトウォラストナイト結晶化ガラスとも称する。)、及び、CaO−Al−P系ガラス等が挙げられる。これらのリン酸カルシウム化合物、バイオガラス及び結晶化ガラスは、例えば、「化学便覧 応用化学編 第6版」(日本化学会、平成15年1月30日発行、丸善株式会社)、「バイオセラミックスの開発と臨床」(青木秀希ら編著、1987年4月10日、クインテッセンス出版株式会社)等に詳述されている。
生体活性物質7は、これらの中でも生体活性に優れる点で、リン酸カルシウム化合物及び生体活性ガラスの少なくとも1種であるのが好ましく、さらに、生体骨と組成や構造、性質が似ており体内環境における安定性が優れ、体内で顕著な溶解性を示さない点で、水酸アパタイト又はリン酸三カルシウムが特に好ましい。
生体活性物質7は、表面多孔層6の表面等に膜状又は層状に密に又は疎に担持されていてもよく、表面多孔層6の表面等に分散状態に担持されていてもよい。生体活性物質7が膜状又は層状に担持されている場合には、生体活性物質7の膜厚は、例えば、0.1〜100μmであるのが好ましく、0.5〜50μmであるのが特に好ましい。
生体活性物質7が分散状態に担持されている場合には、迅速な骨結合性を発揮できる点で、表面多孔層3を投影したときの生体活性物質7の面積割合が少なくとも5%以上であるのが好ましく、20%以上であるのが特に好ましい。生体活性物質7の面積には、表面多孔層3の表面に存在する生体活性物質7の面積だけでなく、開気孔33の内壁面45に存在し、かつ表面多孔層3の外側から視覚できる生体活性物質7の面積をも含む。この面積割合は、特許文献8(特開2010−253195号)の0078欄に記載された方法で求めることができる。また、この生体活性物質7は表面多孔層6の体積に対して0.5〜30%担持されているのが好ましい。この体積割合は前記面積割合と基本的に同様にして求めることができる。
生体活性物質7の形状は表面多孔層6の表面及び内壁面45に担持可能な粒状、顆粒状、粉末状であればよく、また凝集物であってもよく、例えば、球状、楕円球状、針状、柱状、棒状、板状、多角形状等が挙げられる。このときの生体活性物質7の粒子径は、例えば0.001〜10μmであるのが好ましく、0.01〜5μmであるのが特に好ましい。なお、本明細書中に記載している「粒子」及び「粒子径」とは、特に付記がない場合はそれぞれ「一次粒子」及び「一次粒子径」のことであり、表面多孔層6に担持されている生体活性物質7が凝集物である場合はその凝集物を構成している最小単位である一次粒子及びその径のことである。粒子径はインターセプト法により算出することができる。具体的には、走査型電子顕微鏡にて写真撮影を行い、少なくとも15以上の粒子に交わる直線を引き、この直線と粒子とが交わっている部分の長さの平均値から算出することができる。球状粒子以外の形状である場合にはその面積換算直径を算出する。
生体骨固定用ネジ2は、生体活性物質7を有していること以外は生体骨固定用ネジ1と基本的に同様であるから、生体骨固定用ネジ1が奏する効果を保持しつつ、生体骨固定用ネジ1よりも迅速な骨結合性を発揮する。したがって、生体骨固定用ネジ2は噛合圧・咀嚼力等が断続的かつ長期間にわたって作用する人工歯根として特に好適に用いられる。
この発明に係る生体骨固定用ネジのまた別の一例である生体骨固定用ネジ3は、図5に示されるように、実質部5の軸線に沿って実質部5の先端部まで延在するように埋設された芯材8を備えていること以外は生体骨固定用ネジ1と基本的に同様である。
この芯材8は、レントゲンで造影される材料で棒状に形成され、その先端が実質部5の先端すなわちネジ先に配置されている。このような芯材8を有する生体骨固定用ネジ3は、実質部5及び表面多孔層6が生体適合性ポリマーで形成されていても、下穴にねじ込まれたときの位置及び状態をレントゲンにて確認できる。レントゲンで造影される材料としては、ステンレス鋼、チタン又はチタン合金、タンタル等の金属、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム等が挙げられる。生体骨固定用ネジ3において、芯材8が金属で形成されている場合には生体骨固定用ネジ3の表面に芯材8が露出していないのが金属アレルギーを回避できるので好ましい。
この生体骨固定用ネジ3は、芯材8を備えていること以外は生体骨固定用ネジ1と基本的に同様であるから、生体骨固定用ネジ1が奏する効果を有するうえ、レントゲンで生体骨固定用ネジ1の埋植状態を容易に確認できる。したがって、生体骨固定用ネジ3は噛合圧・咀嚼力等が断続的かつ長期間にわたって作用する人工歯根として特に好適に用いられる。
生体骨固定用ネジ1〜3を含むこの発明に係る生体骨固定用ネジを用いて欠損部又は関節への生体骨若しくは人工歯又は人工関節の埋設又は固定は、具体的には、ねじ込む生体骨固定用ネジとの径差が前記範囲となる下穴を欠損部近傍又は関節に空け、この下穴に生体骨固定用ネジをねじ込み、生体骨固定用ネジに所望により人工歯等を装着・固定することによって、実施される。
この発明に係る生体骨固定用ネジは、実質部と表面多孔層とを同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成できる方法で製造される。このような方法として、実質部の一部、通常表面を発泡させて表面多孔層を形成する工程を含む方法が挙げられる。この方法で生体骨固定用ネジ1又は2を製造する方法(以下、一製造方法と称する。)を説明する。
この一製造方法は、生体骨固定用ネジ1又は2の基材となる成形体を生体適合性ポリマーで成形する第1工程と、第1工程で得られた成形体の表面であって表面多孔層を形成する表面領域に微小気孔を形成することにより微小気孔基材を得る第2工程と、前記第2工程で得られた微小気孔基材を発泡剤を含有する溶液に浸漬することにより発泡剤保持基材を得る第3工程と、前記第3工程で得られた発泡剤保持基材を生体適合性ポリマーを膨潤させ、かつ発泡剤を発泡させる発泡溶液に浸漬することにより発泡基材を得る第4工程と、前記第4工程で得られた発泡基材を膨潤した生体適合性ポリマーを凝固させる凝固溶液に浸漬する第5工程と、所望により、第5工程で形成された表面多孔層に生体活性物質を担持させる第6工程とを有している。
この一製造方法においては、まず、第1工程を実施する。具体的には、前記生体適合性ポリマーを用いて生体骨固定用ネジ1又は2の基材となる成形体を成形する。この成形体は、生体骨固定用ネジ1又は2と基本的に同様に、頭部11の基材となる頭部成形体、円筒体12の基材となる円筒体成形体及びネジ部13の基材となるネジ部成形体をこの順で軸線方向に沿って連設されている。この成形体は後述する工程で表面多孔層に転換されることを考慮して適宜の寸法に設定される。生体適合性ポリマーの成形方法は、特に制限はなく、例えば所定の寸法のキャビティを有する金型を用いて射出成形する方法、押出成形等によって成形された円筒体等を切削加工する方法等が挙げられる。
この一製造方法においては、次いで、第2工程を実施する。具体的には、第1工程で成形された成形体の表面に多数の微小気孔を有する微小気孔基材を作製する。成形体に微小気孔を形成させる方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、成形体を、濃硫酸、濃硝酸又はクロム酸等の腐食性溶液に所定時間浸漬し、次いで生体適合性ポリマーが溶出しない洗浄用溶液、例えば純水に所定時間浸漬させる方法を挙げることができる。生体適合性ポリマーとして、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を採用した場合には、濃硫酸にPEEKを所定時間浸漬させ、次いで純水に所定時間浸漬させることにより微小気孔を形成させることができる。この第2工程において、腐食性溶液に浸漬される部分は、成形体のうち表面多孔層を形成する部分であればよく、具体的には、成形体のうちネジ部13の基材となるネジ部成形体である。
表面に形成される微小気孔の気孔径は、次の第3工程において使用される発泡剤を生体適合性ポリマー製の基材内に浸入させることのできる気孔径を有していれば良く、発泡剤の種類により適宜選択することができる。発泡剤として、例えば炭酸ナトリウムを採用する場合には微小気孔の気孔径は0.1〜200μmであるのが好ましい。
表面に形成されている微小気孔の気孔率は、第3工程において使用される発泡剤を十分に保持することができれば良く、例えば、発泡剤として炭酸ナトリウムを採用する場合には、生体適合性ポリマー製の基材の微小気孔が形成されている層の気孔率は10〜90%であるのが好ましい。前記気孔率の範囲の内、気孔率が低い範囲にある場合には、例えば基材の表面から内部方向に気孔が連通して形成されている状態又は基材の表面から内部方向に垂直に柱状の気孔が形成されている状態等、発泡剤が基材の表面から所望の深さに保持されるように孔が形成されているのが好ましい。多数の微小気孔が形成されている層の厚さは、最終生成物である生体骨固定用ネジ1又は2における表面多孔層6と同等の厚さであるのがよい。
多数の微小気孔を有する層の厚さ、気孔径及び気孔率は、PEEKの腐食性溶液として例えば濃硫酸を採用する場合にはPEEKを濃硫酸に浸漬する時間及び/又は温度等によって厚さを調整できる。また、濃硫酸に浸漬した後に浸漬する洗浄用溶液の種類及び/又は温度等によって気孔径及び気孔率を調整することができる。なお、気孔径は前記平均開気孔径と基本的に同様にして、また気孔率は特許文献7(国際公開第2009/095960号パンフレット)の0037欄に記載された方法で求めることができる。
この一製造方法においては、次いで、少なくとも成形体のうち表面多孔層を形成する部分、具体的にはネジ部成形体について第3工程を実施する。具体的には、第2工程で得られた微小気孔基材を、発泡剤を含有する溶液に所定時間浸漬させて、多数の微小気孔を有する微小気孔基材の表面に発泡剤が保持されて成る発泡剤保持基材を作製する。発泡剤としては、生体適合性ポリマー製の基材の表面に所望の多孔質構造を形成させることのできる物質であれば良く、そのような発泡剤として、炭酸塩、アルミニウム粉末等の無機系発泡剤、アゾ化合物、イソシアネート化合物等の有機系発泡剤を挙げることができる。発泡剤は生体に悪影響を与えない物質であるのが好ましく、そのような発泡剤としては炭酸塩が好ましく、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを挙げることができる。
この一製造方法においては、次いで、少なくとも成形体のうち表面多孔層を形成する部分、具体的にはネジ部成形体について第4工程を実施する。具体的には、第3工程で得られた発泡剤保持基材を、生体適合性ポリマーを膨潤させ、かつ、発泡剤を発泡させる発泡溶液に所定時間浸漬させて、生体適合性ポリマーの膨潤と発泡剤の発泡とを同時に進行させることにより形成されて成る発泡基材を作製する。前記発泡溶液としては、例えば、濃硫酸、塩酸及び硝酸等の酸性溶液を挙げることができる。発泡剤保持基材を形成する材料がPEEKであり、発泡剤が炭酸塩である場合には、前記発泡溶液としては濃度が90%以上の濃硫酸が好ましい。
この第4工程において、膨潤した生体適合性ポリマーは、その表面張力によって、ネジ山17となる凸部よりもネジ溝18となる凹部又は凹部近傍に膨潤した生体適合性ポリマーが多く溜まることになる。すなわち、第4工程において、膨潤した生体適合性ポリマーの厚みが凸部よりも凹部の方が厚くなる。第4工程において、膨潤した生体適合性ポリマーの厚みの調整は、例えば発泡剤の濃度、発泡剤に浸漬する時間及び発泡溶液に浸漬する時間等を適宜に調整することにより、達成される。なお、第4工程における発泡溶液の浸漬時間は5〜60分が好ましい。
この一製造方法においては、次いで、少なくとも成形体のうち表面多孔層を形成する部分、具体的にはネジ部成形体について第5工程を実施する。具体的には、第4工程で得られた発泡基材を、膨潤した生体適合性ポリマーを凝固させる凝固溶液に浸漬することにより生体骨固定用ネジ1を作製する。凝固溶液、すなわち生体適合性ポリマーが溶出しない溶液としては、例えば、水、アセトン、エタノール等の水性溶液を挙げることができる。発泡基材を形成する材料がPEEKである場合には、上記に挙げた他に濃度が90%未満の硫酸、硝酸、リン酸、塩酸等の無機酸水溶液、水溶性有機溶剤が挙げられる。水溶性有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド、テトラヒドロフラン、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエトレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、グリセリンエタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、ヘキサノ−ル等のアルコ−ル及びこれらの水溶液、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリビニルピロリドン等液状高分子またはそれらの水溶液及びこれらの混合物を挙げることができる。
第4工程で得られた発泡基材は、凝固溶液として使用できる複数種類の溶液から選択される少なくとも1つの溶液に浸漬すれば良く、複数種類の溶液に順次浸漬しても良い。また、少なくとも2つの種類の溶液を混合して使用しても良い。
第5工程の後には、生体骨固定用ネジ1に残存している発泡剤及び凝固溶液等を純水で洗浄するのが好ましい。
生体適合性ポリマー製の基材の表面に形成される多孔質構造、すなわち生体骨固定用ネジ1の表面多孔層6の多孔質構造を規定する大径開気孔径、小径開気孔径、連通孔径及び気孔率等は、発泡剤の種類及び濃度、発泡溶液の種類及び濃度、発泡溶液への浸漬時間、凝固溶液の種類及び濃度、凝固溶液への浸漬時間並びに各工程における温度等を適宜選択することにより調整することができる。
上述した中でも特に、凝固溶液の種類と、凝固溶液の濃度と、凝固溶液への浸漬時間とから選択される少なくとも1つを変化させることにより、表面多孔層6が所望の多孔質構造を有する生体骨固定用ネジ1を容易に得ることができる。これらのパラメータを変化させることにより、発泡基材の表面における膨潤した生体適合性ポリマーの凝固速度を制御することができる。凝固溶液の種類及び濃度としては、水と、膨潤した生体適合性ポリマーを凝固させるのに水よりも長時間を要する低凝固溶液の少なくとも1つを適宜選択するのが好ましい。発泡基材を形成する材料がPEEKである場合には、低凝固溶液として、濃度が90%未満の硫酸を挙げることができる。
例えば、PEEKにより形成される発泡基材を、低凝固溶液として濃度が86%の硫酸に浸漬すると、水に浸漬する場合に比べて緩やかにPEEKが凝固する。すなわち、凝固速度が遅くなる。そのため、発泡基材を低凝固溶液に浸漬する時間の経過に従って、発泡基材の表面の多孔質構造は変化する。発泡基材の低凝固溶液への浸漬時間の違いによる、発泡基材における表面の構造の変化については特許文献8(特開2010−253195号)に具体的に記載されている。
以上に説明したように、発泡基材の低凝固溶液への浸漬時間の違いにより、表面多孔層6の多孔質構造が異なる生体骨固定用ネジ1を得ることができる。特に、大径開気孔42及び大径連通孔44の孔径が最大となる時間に、水等に浸漬することにより速やかに凝固を完了させれば、表面多孔層6の内部まで連通性が良好な生体骨固定用ネジ1を提供することができる。
低凝固溶液の種類及び濃度により、上述したように、浸漬時間の経過に伴う、発泡基材における表面の構造の変化の仕方は相違する。従って、所望の低凝固溶液を選択し、所定時間発泡基材を浸漬して、発泡基材の表面の構造が所望の多孔質構造を有する時間になったら、水に浸漬すれば、速やかに膨潤した生体適合性ポリマーを凝固させることができるので、表面多孔層6が所望の多孔質構造を有する生体骨固定用ネジ1を得ることができる。なお、膨潤した生体適合性ポリマーを凝固させるために、発泡基材を水に浸漬させることの他に、膨潤した生体適合性ポリマーが凝固するのに十分な時間だけ低凝固溶液に浸漬させておいても良い。
このようにして、同じ生体適合性ポリマーで実質部5と表面多孔層6とを備えた生体骨固定用ネジ1を製造することができる。この一製造方法において製造された生体骨固定用ネジ1は、成形体がPEEKにより形成され例えば硫酸で処理する場合、基本的に白色を呈し、特に生体骨固定用ネジ1が人工歯根として用いられる場合には審美性にも優れる。
生体活性物質7を担持している生体骨固定用ネジ2を製造するには、一製造方法において、第5工程で得られた表面多孔層に生体活性物質を担持させる第6工程を実施する。第6工程としては、少なくとも10mMのカルシウムイオンを含む溶液及び少なくとも10mMのリン酸イオンを含む溶液の両方にいずれか先に浸漬する液相法を採用することができる。液相法は特許文献8(特開2010−253195号)の0106欄〜0110欄に具体的に記載されている。
また、第6工程として、第5工程で得られた生体骨固定用ネジ1を、予め多量の生体活性物質を含む懸濁液に浸漬し、これを乾燥させて、生体活性物質を固定する浸漬法を採用することもできる。生体活性物質を懸濁させる媒体は生体適合性ポリマーを溶解させない媒体であれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、水、アセトン、ヘキサン等が挙げられる。このようにして第6工程で生体活性物質を担持させた後に、所望により純水に浸漬して洗浄し、乾燥させると、表面多孔層6における開気孔の内壁面45及び/又は表面多孔層6の表面に生体活性物質7が担持された生体骨固定用ネジ2を製造することができる。
なお、この一製造方法においては、第1工程で生体適合性ポリマーを所望の形状に成形しているが、第1工程に代えて、又は、加えて、表面多孔層を形成させた後に所望の形状に成形、整形する第7工程を実施してもよい。
この発明に係る生体骨固定用ネジは、前記した一例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
生体骨固定用ネジ1〜3は、いずれも、頭部11、円筒部12及びネジ部13を備えているが、この発明において、生体骨固定用ネジは、頭部及び円筒部を備えず、全体がネジ部又は完全ネジ部で形成されていてもよく、頭部又は円筒部の少なくとも一方を備えていなくてもよく、また頭部、所望により円筒部又はネジ部に人工骨等を装着する装着部、例えば係止穴等を有していてもよい。
生体骨固定用ネジ1は丸先としてのネジ先15を有しているが、この発明において、生体骨固定用ネジはネジ先を有していなくてもよく、ネジ先を有している場合には、丸先に限定されず、例えば平先、棒先、とがり先、くぼみ先等であってもよい。
生体骨固定用ネジ1〜3は、いずれも、連続して複数回転する螺旋状のネジ山17及びネジ山基部23を有しているが、この発明において、ネジ山及びネジ山基部は連続又は非連続で少なくとも1回転する螺旋状であればよい。
生体骨固定用ネジ1〜3は、いずれも、ネジ部13の外径が一定の所謂「平行ネジ」であるが、この発明において、生体骨固定用ネジは、ネジ部の外径がネジ先に向かって徐々に小さくなる所謂「テーパネジ」であってもよい。なお、所謂「テーパネジ」において、表面多孔層は隣接するネジ山基部の少なくとも一方との高度差が前記範囲にあればよく、両方のネジ山基部との高度差が前記範囲内にあってもよい。
生体骨固定用ネジ1〜3は、いずれも、ネジ部13に表面多孔層6が配置されているが、この発明において、表面多孔層は少なくとも谷底の一部に配置されていればよく、ネジ先に配置されていなくてもよく、またネジ部に加えて頭部又は円筒部等に配置されていてもよい。
生体骨固定用ネジ1〜3は、いずれも、頭部11、円筒部12及びネジ部13がPEEKで形成されているが、この発明において、ネジ部の実質部及び表面多孔層が同一の生体適合性ポリマーで形成されていればよく、頭部及び円筒部は異なる材料で形成されていてもよいが、金属アレルギーを回避可能で破損しにくい点で同一又は異なる生体適合性ポリマーで形成されていてもよい。
生体骨固定用ネジ1〜3は、いずれも、頭部11、円筒部12及びネジ部13が実質部を備えているが、この発明において、少なくともネジ部が実質部を備えていればよく、また実質部はその全体が中実であるのが好ましいが一部に中空部又は疎な部分が存在していてもよい。
生体骨固定用ネジ1〜3は、いずれも、単一リードで1つのネジ山17を有しているが、この発明において、ネジ山数、リード数等は適宜に設定できる。
生体骨固定用ネジ3において、芯材8は棒状に形成され、その先端が実質部5の先端に配置されているが、この発明において、芯材は針状、球状又は粉末状であってもよく、実質部の先端近傍のみに埋設されていてもよい。
また、生体骨固定用ネジ3は、レントゲンで造影される材料で棒状に形成された芯材8を備えているが、この発明において、芯材はレントゲンで造影されない材料で形成され、実質部の先端部に配置される部分にレントゲンで造影される材料を例えば針状、球状又は粉末として含有し、又は分散埋設されていてもよい。
さらに、生体骨固定用ネジ3は、レントゲンで造影される材料で棒状に形成された芯材8を備えているが、この発明において、生体骨固定用ネジは、実質部及び表面多孔層の少なくとも一方にレントゲンで造影される材料を含有していてもよい。表面多孔層に含有されるレントゲンで造影される材料は金属ではないのが好ましく、具体的には、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウムである。
(実施例1−1)
ポリエーテルエーテルケトン(ガラス転移温度143℃、融点340℃、弾性率4.2GPa、曲げ強度170MPa)で形成された中実な丸棒(直径10mm、長さ100mm、Victrex製450G)を適宜カットして、旋盤にて下記寸法のネジ形状に加工した後、純水中に浸漬させて超音波照射して洗浄し、成形体を準備した。
<寸法>
頭部成形体:軸線長さ1.5mm、最大外径4.8mm、最少外径3.9mm
円筒体成形体:軸線長さ1.5mm、外径3.9mm
ネジ部成形体:軸線長さ9.0mm、外径4.2mm、
完全ネジ部となる部分:軸線長さ7.0mm、外径4.2mm、谷の径3.0mm、ピッチ1.0mm、リード1.0mm、ネジ山基部となる凸部の回転数7、凸部の高さ0.6mm、凸部の角度60°、ネジ溝基部の谷底となる部分の軸線に平行な距離0.3mm
ネジ先となる部分:軸線長さ2.0mm、外径3.0mm、曲率半径1.5mm
この成形体のうちネジ部成形体を常温下で30mLの濃硫酸(濃度:97%)に5分間浸漬した後、硫酸から引き上げて純水に5分間浸漬し、その後純水のpHが中性になるまで繰り返し洗浄し、表面に微小気孔を有する微小気孔基材を得た(第2工程)。この微小気孔基材における気孔径は2μm、気孔率は40%、層の厚さはネジ山基部となる凸部で72μm、ネジ溝基部の谷底となる部分で259μmであった。
この微小気孔基材を常温下で50mLの炭酸水素ナトリウム水溶液(濃度:500mM)に60分間浸漬することにより、微小気孔基材の表面に炭酸水素ナトリウムを保持させて発泡剤保持基材を得た(第3工程)。得られた発泡剤保持基材のうちネジ部成形体を発泡溶液である常温下で25mLの濃硫酸(濃度:97%)に1分間浸漬することにより、発泡剤保持基材におけるPEEKの表面を膨潤させるのと同時に発泡剤保持基材における炭酸水素ナトリウムを発泡させて発泡基材を得た(第4工程)。得られた発泡基材のうちネジ部成型体を低凝固溶液である常温下で25mLの硫酸(濃度:86%)に5分間浸漬することにより、発泡基材の表面に生成している泡同士の連通性を向上させた(第5工程)。
次いで、この発泡基材を濃硫酸から引き上げて純水に10分間浸漬することによりPEEKの表面を凝固させ、純水のpHが中性になるまで繰り返し洗浄した(第6工程)後に、120℃で3時間乾燥させて生体骨固定用ネジ1を製造した。
このようにして製造された生体骨固定用ネジ1は下記寸法を有していた。なお、以下に示すようにネジ山基部23のプロファイルを保持したネジ部13が形成されていた。
頭部11:軸線長さ1.5mm、最大外径4.8mm、最少外径3.9mm
円筒体12:軸線長さ1.5mm、外径3.9mm
ネジ部13:軸線長さ9.0mm、外径4.2mm、
完全ネジ部14:軸線長さ7.0mm、外径4.2mm、谷の径3.4mm、ピッチ 1.0mm、リード1.0mm、ネジ山17の回転数7、ネジ山17の高さ(表面多孔層6を含む。)0.7mm、ネジ山17の角度62°、谷底25の軸線に平行な距離0.3mm
ネジ先15:軸線長さ2.0mm、外径3.0mm、曲率半径1.5mm
実質部5:軸線長さ6.9mm、外径4.0mm、谷の径2.8mm、ピッチ1.0mm、リード1.0mm、ネジ山基部23の回転数7、ネジ山基部23の高さ0.6mm、ネジ山基部23の角度60°、谷底25の軸線に平行な距離0.5mm
表面多孔層6a:厚さ270〜300μmで平均285μm
表面多孔層6b:厚さ80〜120μmで平均100μm
表面多孔層6aの表面と、隣接するネジ山基部23の高さの高度差:平均で315μm
生体骨固定用ネジ1の表面多孔層を走査型電子顕微鏡(拡大率300倍)で観察したところ、小径開気孔、大径開気孔、小径連通孔及び大径連通孔とが多数確認され、小径開気孔の平均開気孔径は2μm、大径開気孔の平均開気孔径は122μm、小径連通気孔の開口径の平均値は2μm、大径連通気孔の開口径の平均値は60μm、であった。
(実施例1−2)
実施例1におけるピッチ 1.0mm、リード1.0mm、ネジ山17の回転数7、谷底25の軸線に平行な距離0.3mmを、ピッチ 0.7mm、リード0.7mm、ネジ山17の回転数10、谷底25の軸線に平行な距離0.0mmに変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして生体骨固定用ネジ1を製造し、表面多孔層6は以下の通りとなった。
表面多孔層6a:平均392μm
表面多孔層6b:平均176μm
表面多孔層6aの表面と、隣接するネジ山基部23の高さの高度差:平均で208μm
(実施例1−3)
実施例1におけるネジ山17の角度60°、谷底25の軸線に平行な距離0.3mmを、ネジ山17の角度28°、谷底25の軸線に平行な距離0.7mmに変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして生体骨固定用ネジ1を製造し、表面多孔層6は以下の通りとなった。
表面多孔層6a:平均53μm
表面多孔層6b:平均90μm
表面多孔層6aの表面と、隣接するネジ山基部23の高さの高度差:平均で547μm
(実施例1−4)
実施例1における谷の径3.0mm、ピッチ 1.0mm、リード1.0mm、ネジ山17の回転数7、ネジ山17の高さ0.6mm、ネジ山17の角度60°、谷底25の軸線に平行な距離0.3mmを、谷の径1.6mm、ピッチ 1.5mm、リード1.5mm、ネジ山17の回転数4、ネジ山17の高さ1.3mm、ネジ山17の角度28°、谷底25の軸線に平行な距離0.0mmに変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして生体骨固定用ネジ1を製造し、表面多孔層6は以下の通りとなった。
表面多孔層6a:平均492μm
表面多孔層6b:平均199μm
表面多孔層6aの表面と、隣接するネジ山基部23の高さの高度差:平均で796μm。
(実施例2−1)
Ca/P比が1.67となる配合量のリン酸水素カルシウム二水和物(関東化学株式会社製)と炭酸カルシウム(キシダ化学株式会社製)とを、ポットを用い水中で粉砕混合した後、900℃で仮焼して水酸アパタイト粒子(粒子形状:球状、粒子径0.05〜0.5μm)を得た(メカノケミカル合成法)。得られた水酸アパタイト粒子3.0gをエタノール200mLに投入して、周波数20kHzで出力200Wの超音波ホモジナイザーで10分処理して、水酸アパタイトのエタノール懸濁液を調製した。
実施例1−1で製造した生体骨固定用ネジ1をエタノール中で30分脱泡処理を行い、常温下で200mLのエタノール懸濁液に浸漬した状態で、周波数38kHzで出力200Wの超音波を超音波洗浄機で懸濁液ごと15分間にわたって照射した。その後、超音波照射を停止して懸濁液を45分間攪拌し、純水で洗浄し、220℃で3時間加熱した後に常温まで降温して生体骨固定用ネジ2を製造した。
(実施例2−2)
実施例1−2で製造した生体骨固定用ネジ1を用いたこと以外は実施例2−1と基本的に同様にして生体骨固定用ネジ2を製造した。
(実施例2−3)
実施例1−3で製造した生体骨固定用ネジ1を用いたこと以外は実施例2−1と基本的に同様にして生体骨固定用ネジ2を製造した。
(実施例2−4)
実施例1−4で製造した生体骨固定用ネジ1を用いたこと以外は実施例2−1と基本的に同様にして生体骨固定用ネジ2を製造した。
実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジ2のネジ部を走査型電子顕微鏡(拡大率30倍)で観察した結果を図6に示す。図6(a)はこのネジ部を示す正面拡大写真であり、図6(b)は実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジ2のネジ部の軸線を含む平面で切断したときの切断面を示す断面拡大写真(拡大率100倍)である。図6からネジ部は実質部5とその表面に一体的に形成された表面多孔層6とを備えていることが理解できる。
実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジ2のネジ部のネジ山17を300倍の拡大率で走査型電子顕微鏡で観察した結果を図7(a)に、同様に3000倍の拡大率で走査型電子顕微鏡で観察した結果を図7(b)に示す。また、実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジ2のネジ部のネジ溝18を300倍の拡大率で走査型電子顕微鏡で観察した結果を図8(a)に、同様に3000倍の拡大率で走査型電子顕微鏡で観察した結果を図8(b)に示す。図7(b)及び図8(b)において生体活性物質は白色粒子状に現れている。図7及び図8に示されたように、表面多孔層6の表面及び内壁面45に水酸アパタイトが担持されていることが確認された。このことから、生体骨固定用ネジ2は生体に埋入されると高い骨結合性を発揮することが容易に推測された。
(埋入性評価)
インプラント実習用模型(T6-X.1143F、ニッシン製)を用いて作成した疑似骨モデルに内径3.6mmの下穴を設け、この下穴に実施例2−1〜2−4で製造した生体骨固定用ネジ2をねじ込んだ。このときの生体骨固定用ネジ2の埋入性を、生体骨固定用ネジ2をねじ込むときのトルク、生体骨固定用ネジ2及び疑似骨モデルの損傷具合に基づいて、評価した。評価基準は、ねじ込む時の最大トルクをトルクゲージにて測定した値が45cN・m以下であれば、埋入性良好とした。結果を表1に示す。
Figure 2014132943
(初期固定性評価)
埋入性評価と同様にして疑似骨モデルに埋植した生体骨固定用ネジ2の固定状態を、螺合状態及び下穴に対するフィッティング性に基づいて、下記基準に従って評価した。評価基準は、締付トルクを30cN・mで実施例2−1〜2−4で製造した生体骨固定用ネジ2を下穴に埋入後、手で動揺の有無を確認し、動揺がなければ、初期固定性良好とした。その結果、いずれの生体骨固定用ネジ2も初期固定性が良好であった。
(表面多孔層の状態確認)
埋入性評価と同様にして疑似骨モデルに埋植した実施例2−1で製造した生体骨固定用ネジ2を取り出してネジ山基部23に配置された表面多孔層6bの状態を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図9(a)(倍率50倍)及び図9(b)(倍率10000倍)に示す。図9(b)において生体活性物質は白色粒子状に現れている。図9から、表面多孔層6bは下穴に埋植されたときに一部が圧縮され、多孔構造の一部が破壊されていたものの、表面多孔層6bは剥離がなく残存しており、残存した表面多孔層6bに生体活性物質は依然として担持されていたことが確認できた。また、谷底25に形成された表面多孔層6aで多孔構造が維持されていることが確認できた。実施例2−2〜2−4についても同様の結果が得られた。
(緩衝機能評価)及び(固定状態の保持評価)
表面多孔層の状態確認において、表面多孔層6bは下穴に埋植されたときに一部が圧縮され、多孔構造の一部が破壊されていたものの、表面多孔層6bは剥離がなく残存しており、残存した表面多孔層6bに生体活性物質は依然として担持されていたことが確認できた。また、谷底25に形成された表面多孔層6aで多孔構造が維持されていることが確認できたことにより、緩衝機能、固定状態の保持性も、当然に発揮すると判断した。
ところで、実施例1−1〜1−4で製造された生体骨固定用ネジ1を用いたこと以外は前記のようにして埋入性、初期固定性及び固定状態の保持を評価し、また表面多孔層の状態を確認した。その結果、生体骨固定用ネジ2と基本的に同様の埋入性が得られ、初期固定性及び固定状態の保持は実用可能なレベルを保持していた。
下穴の内径を3.5mm又は3.8mmに変更したこと以外は前記のようにして埋入性、初期固定性、緩衝機能及び固定状態の保持を評価し、また表面多孔層の状態を確認したところ、基本的に同様の結果が得られた。
この発明に係る生体骨固定用ネジ1は、生体骨若しくは人工歯(義歯とも称する。)又は人工関節を埋設又は固定する生体骨固定用ネジとして好適に用いられ、骨固定用スクリュー、人工歯根(歯科用インプラントとも称する。)、スーチャアンカー等として好適に用いられる。なお、この発明に係る生体骨固定用ネジ1は、生体、例えば、動物及びヒト等に用いられる。
1、2、3 生体骨固定用ネジ
5 実質部
6、6a、6b 表面多孔層
7 生体活性物質
8 芯材
11 頭部
12 円筒部
13 ネジ部
14 完全ネジ部
15 ネジ先
17 ネジ山
18 ネジ溝
19 芯材
21 ネジ基部
23 ネジ山基部
24 ネジ溝基部
25 谷底
31 小径気孔
32 大径気孔
33 開気孔
34 連通孔
35 独立気孔
36 連通気孔
41 小径開気孔
42 大径開気孔
43 小径連通孔
44 大径連通孔
45 内壁面
L1 第1接線
L2 第2接線
L3 第3接線
L4 第4接線

Claims (8)

  1. 周側面に少なくとも1回転するネジ山基部が形成されたネジ基部を有する実質部と、前記ネジ基部の少なくとも谷底に前記実質部と同じ生体適合性ポリマーで一体的に形成された表面多孔層とを備え、
    前記谷底に形成された前記表面多孔層は、少なくともその一部が50〜500μmの厚さを有し、この谷底に隣接する前記ネジ山基部に対して200〜800μmの高度差を有している生体骨固定用ネジ。
  2. 前記表面多孔層は、ネジ山基部の表面及び前記谷底に形成されている請求項1に記載の生体骨固定用ネジ。
  3. 前記谷底は、平坦な底面又は曲面を有している請求項1又は2に記載の生体骨固定用ネジ。
  4. 前記生体適合性ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体骨固定用ネジ。
  5. 前記表面多孔層は、その表面及び気孔内壁面の少なくとも一部に生体活性物質を担持している請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体骨固定用ネジ。
  6. 前記高度差が200〜400μmで人工歯を歯槽骨に固定する際に用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体骨固定用ネジ。
  7. レントゲンで造影される材料で形成され、前記実質部の少なくとも先端部に埋設された芯材を備えている請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体骨固定用ネジ。
  8. 前記実質部及び前記表面多孔層の少なくとも一方、又は、前記実質部の少なくとも先端部に埋設された芯材にレントゲンで造影される材料を含有している請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体骨固定用ネジ。
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