JP2014131671A - 遊技機 - Google Patents

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達也 海野
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Abstract

【課題】遊技機に小当りを用いた新しい遊技性を付与する。
【解決手段】保留記憶数が3個であれば(S265:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を小当り低確率テーブル(当り確率1/999)で当否判定する(S270)。保留記憶数が0〜2個であれば(S265:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を小当り通常テーブル(当り確率1/100)で当否判定する(S275)。これにより、大当りと小当りに共通の開放パターンが発生した際に、それが小当りである可能性は、保留記憶が3個である場合よりも2個以下の場合の方が高い。つまり、潜伏状態に移行する際に、保留記憶の数に応じて確変に対する期待度を変化させることができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、大当たり遊技に加え小当り遊技を備えた遊技機に関するものである。
従来より遊技機においては、始動口に入球した際に発生された乱数に基づいて、当否、図柄の変動パターン、高確率状態(確変状態あるいは単に確変ともいう)に移行させるか否か等を決定していた。特に近年の遊技機では、現在の遊技状態が、高確率状態にあるのか否かが判然としない状態(以下、潜伏状態)を有している機種が数多くある。こうした機種において潜伏状態になると、遊技中の者は、「確変かもしれない」という遊技上の興味を楽しむことができる。遊技していない者にとっても、空きの遊技機を見ると「ひょっとすると確変状態かもしれない」と期待することにより、遊技を開始する動機となる。これは、パチンコホール側にとって、顧客に遊技を喚起することになり、また、こうして遊技を始めた(或いは自ら潜伏状態を取得した)遊技者に対しては、確変ではないことを確信するまでは遊技を続行してくれるという魅力的な仕様である。
このような潜伏状態を創出するために、小当り(小当り遊技、小当り状態とも言う)と呼ばれる遊技状態を備えた遊技機がある(例えば特許文献1)。小当りとは、短期間だけ大入賞口を開放させる(例えば、大入賞口を0.8秒間、2回だけ開放させる)もので、その発生前後で大当たりの当選確率や時短の有無などの遊技状態が変化しない。その一方で、大当たりの一態様として、小当りと同じ開放パターンで大入賞口を開放させるものを用意しておき、この大当たりが発生した後には高確率状態に移行させる(以下、この大当たりを確変潜伏という)。この確変潜伏と小当りとは、開放パターンだけでなく、液晶画面上などで行なわれる演出動作も全く同じとしておくことにより、遊技者からは確変したのか否かが分かりにくい潜伏状態が創出される。なお、この確変潜伏とは別に、遊技者に高確率状態に移行したことを演出などで告知する大当たり態様(突然確変ともいう)を備えた遊技機も存在する。
特開2009−089832号公報
上記のように小当りを用いると、遊技機に新たな遊技興趣を与えることができるが、その可能性が十分に生かされていない面がある。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、小当りを用いた新しい遊技性を遊技機に付与することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の請求項1記載の本発明は、
遊技を司る主制御装置と、
該主制御装置からの指示に基づいて各種演出を行うサブ制御装置とを備え、
前記主制御装置は、
始動口への遊技球の入球に基づいて取得した乱数値を複数記憶可能な保留手段と、
前記乱数値に基づき当否を判定する当否判定手段と、
該当否判定手段の判定結果に基づいて図柄を変動開始し、所定時間経過後に確定表示することにより判定結果を報知する図柄変動手段と、
前記当否判定の結果が大当りと判定された場合に、大入賞口を開放動作させる大当り遊技を行う大当り遊技手段と、
該大当り遊技が終了すると、前記当否判定手段が大当りと判定する確率を向上させるか否か、前記図柄の変動時間を短縮するか否かの各設定を行なう遊技状態設定手段と、
前記当否判定の結果が小当りと判定された場合に、前記大入賞口を開放動作させる小当り遊技を行う小当り遊技手段と、
該小当り遊技が終了すると、前記小当り遊技を発生させると判定された時の遊技状態に復帰させるための遊技状態復帰手段と、
前記図柄変動手段にて決定された図柄の変動時間を前記サブ制御装置へ指示するための変動パターンを送信するための変動パターン送信手段と、
前記サブ制御装置は、
前記変動パターンを受信すると前記変動時間に基づいて変動演出を行う演出図柄とを備え、
前記大当り遊技手段は、前記乱数値に応じて前記大入賞口を複数通りの開放パターンにて開放させるものであって、該複数通りの開放パターンの少なくとも1つが、前記小当り遊技手段により発生される前記大入賞口の開放パターンと同じ共通開放パターンであり、
前記サブ制御装置は、
前記大当り遊技による前記共通開放パターン、又は前記小当り遊技による開放パターンのいずれにおいても同一の共通演出表示と、
前記小当りと判定された時に、前記演出図柄を、前記変動パターンを受信時に変動開始するが指示された前記変動時間を経過しても変動を続行し、前記小当り遊技が終了すると、判定結果としてハズレを示す図柄にて確定表示を行う擬似ハズレ変動演出とを備える
ことを特徴とする。
ここで、始動口に1回入球した際に発生する乱数値は1つとは限らない。例えば第1の乱数で当否を決定し、第2の乱数で図柄を決定し、第3の乱数でその図柄の変動パターンを決定する等としてもよい。
なお、大当り遊技(大当り状態)と小当り遊技(小当り状態)の違いとして、大当り遊技は役物連続作動装置が作動するのに対して、小当り遊技は役物連続作動装置が作動しない点が挙げられる。大当り遊技は、予め定められた並びにて図柄が揃うことにより予め定められた態様にて大入賞口が開放動作するが、役物連続作動装置の作動が伴うため上記開放動作が連続して行なわれる。これにより遊技球を集中的に大入賞口へ入球させることができ、入球した分の賞球を与えることができる。対して小当り遊技は、予め定められた並びにて図柄が揃うことにより予め定められた態様にて大入賞口が開放動作するが、役物連続作動装置の作動が伴わないため一度の作動で終了する。そのため大当り遊技と比較すると賞球を得るチャンスは低い遊技状態となる。
なお、開放動作の設定として、複数回の開閉を行なう動作を一度の開閉動作として設定することがある(例えば、一度の開放として開放時間0.8秒を2回繰り返す)。そのため大入賞口の開閉回数を示している訳ではない。なお、大当り遊技は条件装置が作動する遊技、小当り遊技は条件装置が作動しない遊技とも規定できる。ここでいう条件装置とは、上記役物連続作動装置を作動させることとなるものである。
なお、以下のような発明1も考えられる。
遊技域に始動口を備え、該始動口に入球すると乱数値を発生させ、該乱数値により当否及び図柄の変動パターンを決定する主制御装置と、該主制御装置からの当否及び図柄の変動パターンの指示に基づいて、各種演出を行うサブ制御装置とを備える遊技機であって、前記乱数値を複数記憶可能な保留手段と、前記乱数値により当否を判定する当否判定手段と、該当否判定手段により当りと判定されたことに起因して、前記遊技域に形成された大入賞口を開放させる大当り状態を発生させる大当り遊技発生手段と、前記大当り状態が終了すると、前記当否判定手段が当りと判定する確率を向上させるか否か、前記図柄の変動パターンを短縮するか否かの各設定を行なう遊技状態設定手段と、前記乱数値と小当り判定テーブルに基づき、小当り状態を発生させるか否かを判定する小当り判定手段と、該小当り判定手段により小当り状態を発生させると判定されたことに起因して、前記大入賞口を開放させる小当り遊技発生手段と、前記小当り状態が終了すると、前記小当り状態を発生させると判定された時の遊技状態に復帰させるための遊技状態復帰手段とを備え、前記大当り遊技発生手段は、前記乱数値に応じて前記大入賞口を複数通りの開放パターンにて開放させるものであって、該複数通りの開放パターンの少なくとも1つが、前記小当り遊技発生手段により発生される前記大入賞口の開放パターンと同じ共通開放パターンであり、前記サブ制御装置は、前記大当り状態による前記共通開放パターン、又は前記小当り状態による開放パターンいずれにおいても同一の共通演出表示を行い、前記小当り判定手段は、複数の前記小当り判定テーブルに基づいて小当り状態を発生させるか否か判定するものであり、該判定時に前記保留手段を参照し、記憶数に応じて前記小当り判定テーブルを選択して前記判定を行なうものであることを特徴とする。
発明1の遊技機ならば、例えば、小当り判定手段は、保留手段に記憶された乱数値(以下、保留記憶ともいう)の個数が少ない場合に、高い確率で小当り状態を発生させる構成にすると、保留記憶が多い状態では、保留記憶が少ない状態よりも小当りが発生しにくい。一方、請求項1に記載された限りの態様においては、大当たりによる共通開放パターンが発生する確率は、(遊技状態設定手段の影響は受けるものの)保留記憶の数の影響は受けることなく一定である。このため、前記共通開放パターンが発生した際に、それが小当りである可能性は、保留記憶が多い場合よりも少ない場合の方が高い。つまり、保留記憶の数に応じて大当たりに対する期待度を変化させることができる。この結果、「大当たりに対する期待度を高めるために、保留記憶の数が多い状態を維持する」といった新たな遊技性を遊技機に持たせることができる。また、保留記憶が多いときは、小当りの発生確率が低くなるので、効率よく遊技を進行することができる。
これとは逆に、保留記憶の個数が多い場合に、高い確率で小当り状態を発生させる構成にすると、保留が多い状態を維持すれば頻繁に小当り遊技が行われることから、大入賞口へ入賞する機会を増やすチャンスタイムのような期間を創出することが可能になる。なお、この遊技機を潜伏機能を備えたものとする場合には、共通開放パターンにて大入賞口を開放させる開放パターンの中には(共通開放パターンにて大入賞口を開放させる開放パターンが一つのみであれば、「共通開放パターンの場合には」)、該共通開放パターンの終了後に前記当否判定手段が当りと判定する確率を向上させる。このような遊技機において、保留記憶の個数に応じて確変に対する期待度を変化させることができる。この構成において、当否判定手段が当りと判定する確率が向上された状態は、予め定められた遊技条件(例えば、特定の図柄が表示されたことや、所定回数、図柄が変動されたこと等)が成立するまで続くものとするとよい。
また、以下のような発明2も考えられる。
発明1に記載の遊技機において、前記主制御装置は、前記保留手段により記憶する前記乱数値の数が変化する毎に前記サブ制御装置へ保留数情報を送信する保留数送信手段を備え、前記サブ制御装置は、前記共通演出表示を行う時に、前記保留数送信手段から指示された保留数に応じて異なる共通演出動作を実行することを特徴とする。
発明2に記載の遊技機によれば、保留記憶の数に応じて、異なる共通演出動作を行なうので、開放パターンだけではなく、共通演出動作を見ているだけでも(共通演出動作を音声のみで行なう場合は、聞いているだけでも)、保留記憶の数に応じて大当たりに対する期待度を変化させることができる。また、保留記憶の数に応じて演出動作が変化するので、小当り判定手段が小当りを発生させると判定したときの保留記憶の数を遊技者が分からなくても、演出動作から大当たりに対する期待をすることができる。
また、以下のような発明3も考えられる。
発明1または2に記載の遊技機において、サブ制御装置は、前記保留手段の記憶数が所定数に達している場合は、前記共通演出表示に替えて、前記大当り状態による前記共通パターンでの開放動作か、前記小当り状態による開放パターンによる開放動作であるかを判別可能な演出表示を行うことを特徴とする。
発明3に記載の遊技機によれば、保留記憶の数が所定数に達していれば、発生した共通開放パターンが、大当たり遊技によるものか小当りによるものかを遊技者が判別可能な演出動作を行なうので、保留記憶の数を所定数よりも多く保つことにより、大当たりか小当りかの告知を遊技者が受けることができるという遊技性を持ったものとすることができる。
また、以下のような発明4も考えられる。
発明1〜3のいずれか1項に記載の遊技機において、前記小当り遊技発生手段は、前記小当り判定時に選択した前記小当り判定テーブルに応じて設定された小当り遊技を行なうことを特徴とする。
なお、小当り遊技には、その前に行なわれるオープニング演出、そのオープニング演出の時間、小当り状態中に表示される画像、小当り状態中に出力される音声、小当り状態が終わる際に行なわれるエンディング演出、そのエンディング演出の時間、大入賞口を開放させる時間、大入賞口を開放させる回数等を挙げることができる。
発明4に記載の遊技機によれば、小当り遊技発生手段は、選択された小当り判定テーブルに応じた小当り遊技を行なうので、小当りを発生させると判定したときの保留記憶の数が分からなくても、小当り遊技の内容(例えば小当り状態の前に行なわれるオープニング演出、そのオープニング演出の時間、小当り状態中に表示される画像、小当り状態中に出力される音声、小当り状態が終わる際に行なわれるエンディング演出、そのエンディング演出の時間、大入賞口を開放させる時間、大入賞口を開放させる回数等)を見ていれば、大当たりに対する期待度を変化させることができる。
請求項1に記載の遊技機によれば、擬似ハズレになると、遊技者は小当りが発生したことに気づかない可能性が高く、小当りに伴う演出の回数が減少し、小当りを喜ばしく思わない遊技者にとっては好ましい遊技が可能となる。
パチンコ遊技機50の正面図 遊技盤1の正面図 パチンコ遊技機50の裏面図 パチンコ遊技機50の電気的構成を示すブロック図 主制御装置80が実行するメインルーチンのフローチャート 主制御装置80が行う始動入賞確認処理のフローチャート 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3 主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3 主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート1 主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート2 サブ統合制御装置83が実行する大当り演出決定処理のフローチャート サブ統合制御装置83が実行する小当り演出決定処理のフローチャート (a)は大当り確率と小当り確率の説明図、(b)は変動パターン決定の流れを示す一覧表 時短非作動時に大当り・小当りが発生した後のモードの説明図 (a)は保留が2個以下のときの潜伏モードの表示例、(b)は保留が3個のときの潜伏のモード表示例 第2実施例の主制御装置80が実行する変動パターン決定の流れを示す一覧表 サブ統合制御装置83が実行する擬似図柄確定表示処理のフローチャート 第2実施例のサブ統合制御装置83が実行する大当り演出決定処理のフローチャート 第2実施例のサブ統合制御装置83が実行する小当り演出決定処理のフローチャート 第2実施例のサブ統合制御装置83が実行する小当り演出終了時処理のフローチャート 第2実施例で時短非作動時に大当り・小当りが発生した後のモードの説明図 (a)は保留が3個のときの大当たりの表示例、(b)は保留が3個のときの小当りの表示例、(c)は擬似ハズレ演出の表示例 参考例の主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャートの一部 図28のフローチャートの続きの部分 参考例の主制御装置80が実行する転落抽選処理のフローチャート 参考例の大当り確率、小当り確率、転落確率の説明図
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右及び外枠下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。
前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の図示しない遊技釘が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓5a等を備えている。
窓5aの上側にはドットマトリクスの普通図柄表示装置7及び7セグメントの特別図柄表示装置9と4個のLEDからなる普通図柄保留記憶表示装置8が設置され、下側には特別図柄保留記憶表示装置18が設置されている。
センターケース5の向かって左横には普通図柄作動ゲート17が配置されている。センターケース5の下方には、第1始動口11と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置13が配置されている。第1始動口11は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。
第2始動口12は電動チューリップであり、周知の電動チューリップと同様に開閉変化するが、上方に第1始動口11があるために図示の閉鎖状態では遊技球を入球させることができない。しかし、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると行われる普通図柄抽選で当り、普通図柄表示装置7に当りの普通図柄が確定表示されると、第2始動口12は開放されて入球容易になる。なお、パチンコ機50においては第1始動口11と第2始動口12は制御上では同じものであり、いずれかに入球すると同一の特別図柄を変動させ、当りの際には全く同じ態様の特別遊技を発生可能に構成されている。
複合入賞装置13の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置され、その下方にはアウト穴15が設けられている。また、複合入賞装置の左側には第1左入賞口31と第2左入賞口32が、右側には第1右入賞口33と第2右入賞口34がガイドレール2bに沿うように設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第1右入賞口33、第2右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。
また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置(サブ制御装置とも呼ぶ)83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、発射制御装置84が描かれていないが、払出制御装置81の下に設けられている。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、この外部接続端子板78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータ87に送られる。なお、従来はホールコンピュータ87へ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータ87へ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87へ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には電源回路は記載しておらず、また本図には、ホールコンピュータ87、CRユニット56も示した。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84、電源基板85にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
また、近年では演出図柄制御装置82とサブ統合制御装置83を1つの基板上に設けて、サブ統合制御装置83とする構成も多い。本実施例では分割しているが、一つにしたものでも良いし、サブ統合制御装置を音制御装置、ランプ制御装置と分割する構成でも良い。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31および第2左入賞口32に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、第1右入賞口33、第2右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ33aなどの検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
本実施例では左に配置された普通入賞口が2つの構成(31、32)であるが、スイッチは31a1つで検出する構成である(右に配置された普通入賞口についても同様)。無論、各々に対応したスイッチを設けても良い。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特別図柄表示装置9及び普通図柄表示装置7の表示、特別図柄保留記憶表示装置18及び普通図柄保留記憶表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、遊技盤中継端子板74を介して大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開放を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。なお、普電役物とは普通電動役物(電動チューリップとも記載)を示す。
主制御装置80からの出力信号は、上記のほかにも試験信号端子や、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。図4の構成では、払出制御装置81は裏配線中継端子板75と払出中継端子板76を介して払出モータ20を制御する構成である。また、本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
払出制御装置81は満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力される構成で、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンク71に遊技球が少ない或いは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24(遊技球等貸出装置接続端子板とも記載する)を介してCRユニット56(遊技球等貸出装置とも記載する)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸スイッチ57、精算を要求するための返却スイッチ58が接続されている。
払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70、前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LEDや各種ランプを制御する。なお、音声出力に関しては、音量調整スイッチ83aにて音量を調節することができる。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。無論、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信の構成でもよい。また、サブ統合制御装置83に演出図柄制御装置82の機能を統合して1つのサブ統合制御装置とする構成でもよい。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「299」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「299」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「299」までの300個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「299」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(300回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「299」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「5」の6個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は通常確率状態時、高確率状態時ともに3であり、値は「0」、「3」、「5」である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御基板80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12をあわせて4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御基板80は演出図柄制御装置82、払出制御基板81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御基板81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第1右入賞口33、第2右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御基板80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜299の300通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。
肯定判断なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、特別図柄保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。なお、パチンコ機50においては、大当り図柄に応じて大入賞口14の開放パターンが複数設定されている。
保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を特別図柄保留記憶として記憶し、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数を1増加させ(S110)、特別図柄の保留記憶数をサブ統合制御装置83に送信し(S115)、本処理を終了(リターン)する。保留記憶数はサブ統合制御装置83を経由して演出図柄制御装置82に伝えられ、演出図柄表示装置6の画面6aにて、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数と同数の擬似保留表示がなされる。無論、擬似保留表示は必ずしも行う必要があるものではない。既に4個の保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数も増やさない。
図7〜10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、特別図柄保留記憶(前記S110による保留記憶)があるか否かを判断する(図8のS220)。特別図柄保留記憶がある場合(S220:yes)は、特別図柄保留記憶の中で最も古いものを読み込むとともにその特別図柄保留記憶は保留記憶から消去するため保留記憶を1減算し(S225)、S230に移行する。特別図柄保留記憶がない場合(S220:no)は、特別遊技処理に移行する。
S230では確変フラグがセットされているか(高確率状態か)否かを判定する。肯定判断であれば(S230:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S235)、否定判断であれば、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S240)。本実施例の場合、通常確率状態時には1/300の確率で当選し、高確率遊技状態には1/30の確率で当選する。
S235又はS240の判定で当りなら(S245:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定し(S250)、これら決定内容と変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S255)、そして大当り設定処理を行う(S260)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。なお、2ラウンド大当たりの場合のオープニング時間およびエンディング時間は、特別図柄の保留記憶数に応じ異なった時間が設定される。
また、外れのときは(S245:no)、保留記憶数が3個か否かを判定し(S265)、肯定判断であれば、読み込んだ大当り決定用乱数を小当り低確率テーブルに記録されている当り値と照合する(S270)。小当り低確率テーブルでは、1/999の確率で当り(小当り)と判定される。S265で否定判断(すなわち保留記憶数が0〜2個)であれば、読み込んだ大当り決定用乱数を小当り通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。小当り通常テーブルでは、1/100の確率で当り(小当り)と判定される。S270又はS275の判定で当りなら(S280:yes)、小当り設定を行い(S285)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S290)。なお、小当り設定処理では、小当り遊技のオープニング時間として、特別図柄の保留記憶数に応じ異なった時間が設定される(エンディング時間についても同様)。
小当りも外れのときは(S280:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S295)。こうしてS290またはS295により変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S300)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
S260又はS300に続いては、特別図柄の保留記憶数をサブ統合制御装置83に送信し(S305)、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、また特別図柄表示装置9を制御して特別図柄の変動表示を開始させ(S310)、特別遊技処理を実行する。
変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、特別図柄の変動表示に呼応した音声及びランプの演出制御を行い、また演出図柄制御装置82に変動開始コマンドを送る。
図7に戻る。主制御装置80は、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、図9のS320に移行し、所定の図柄変動時間(S255、S290、S又は295の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判断する。肯定判断(S320:yes)なら確定図柄を表示設定し(S325)、特別遊技処理を行なう。
図7で、確定表示された図柄を表示中と判定された場合には、図10のS350に移行して確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する(S350)。否定判断であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄の表示を終了する(S355)。こうして確定表示された特別図柄が大当りになる組み合わせ(配列)か否かを判定し(S360)、肯定判断された場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S385に移行する。時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS385に移行する。
S385では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS390にて役物連続作動装置を作動させ、S395にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S400:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S405)。確変回数が0であれば(S405:yes)、S410にて確変フラグを0にしてS415に進む。確変フラグが1でないとき(S400:no)又は確変回数が0ではないとき(S405:no)はそのままS415に移行する。
S415では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S415:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S420)。時短回数が0であれば(S420:yes)、S425にて時短フラグを0にしてS430に進む。時短フラグが1でないとき(S415:no)又は時短回数が0ではないとき(S420:no)はそのままS430に移行する。
S430では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、続くS435では、確定表示させた特別図柄が小当りになる組み合わせ(配列)か否かを判定する。小当りになる組み合わせであれば(S435:yes)、特別電動役物開始処理(S440)を行い、S445にて小当り開始演出処理を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を実行する。
図11に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
S510でインターバル中であると判定された場合は、図12のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。
S515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、S300で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S615でyesと判定されて確変が設定される。
S630では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S645)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S650)して特別遊技処理を終了する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S630でnoと判定されて時短に移行しない。ただし時短中に確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S630でyesと判定され、時短状態が維持される。以上が特別遊技処理である。
特別遊技処理で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図14に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S700にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S700:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S705)。否定判断の場合(S705:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S710)。小当り遊技間のインターバルではなく(S710:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S715:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S720:yes)、大入賞口14を開放させ(S725)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していないか(S700:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S720:no)には、そのまま本処理を終了する。
図14のS705で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図15のS750に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合(S750:no)はS755に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は0.8秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S755:yes)には、S760にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理(S765)を行なって、小当り遊技処理を終了する。
大入賞口14に10個入賞した場合(S750:yes)にはS760に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S755:no)は小当り遊技処理を終了する。
図14のS710で小当りインターバル中であると判定された場合は、図15のS770に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S770:yes)にはS775にて大入賞口14が規定回数(ここでは2回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S775:yes)は、小当り終了演出処理(S780)を行なって小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S775:no)は、大入賞口開放処理(S785)により大入賞口14を0.8秒間、1回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口14が基本的に0.8秒、2回開放されるが、1回の開放で10個以上の入賞があった場合は1回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には1回の開放で10個以上の入賞が発生することは殆どない。
図14のS715で小当り終了演出中であると判定された場合は、図15のS790に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S790:yes)は、S795にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S800)して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S790:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
S395にて送信された大当たり開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83にて実行される大当たり演出決定処理を図16に示す。大当たり開始コマンドを受信(S900:yes)すると、その大当たりが15ラウンドであるか否かを判定する。肯定判断であれば(S905:yes)、15ラウンド大当たり用の開始演出を行なう処理(S910)を実行し、本処理を終了(リターン)する。大当たりが15ラウンドでない場合(S905:no)は、大当り判定時の遊技状態が、時短が作動していたか否かを判定する(S915)。なお、図19ので後述するが15ラウンドではない大当たりとは2ラウンド大当たりであり、その終了後に確変状態となる。図16に戻る。時短が作動していたならば(S915:yes)、時短作動時の2ラウンド大当たり用の開始演出を行なう処理(S920)を実行し、本処理を終了する。時短が作動していなかったならば(S915:no)、受信したオープニング及びエンディングの時間が潜伏モード用の時間になっているか否かを判定する(S925)。肯定判断であれば(S925:yes)、潜伏モード用の演出を開始する処理(S930)を実行し、本処理を終了する。潜伏モード用の演出では、図20(a)に示すような画像が演出図柄表示装置6の画面6aに表示される。S925で否定判断であれば(S925:no)、激アツモード用の演出を開始する処理(S935)を実行し、本処理を終了する。激アツモード用の演出では、図20(b)に示すような画像が画面6aに表示される。
S445にて送信された小当たり開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83にて実行される小当たり演出決定処理を図17に示す。小当たり開始コマンドを受信(S1000:yes)すると、小当り判定時の遊技状態が、時短が作動していたか否かを判定する(S1005)。肯定判断であれば(S1005:yes)、時短作動時の小当たり用の開始演出を行なう処理(S1010)を実行し、本処理を終了する。時短が作動していなかったならば(S1005:no)、受信したオープニング及びエンディングの時間が潜伏モード用の時間になっているか否かを判定する(S1015)。肯定判断であれば(S1015:yes)、潜伏モード用の演出を開始する処理(S1020)を実行し、本処理を終了する。否定判断であれば(S1015:no)、激アツモード用の演出を開始する処理(S1025)を実行し、本処理を終了する。なお、潜伏モード用の演出で表示される画像、および激アツモード用の演出で表示される画像は、図20に示したものと同じである。
パチンコ機50の大当たり確率および小当り確率を図18(a)に示す。大当たり確率は保留個数によらず1/300(確変時は1/30)であるが、小当り確率は保留個数が3個の場合が1/999、保留個数が0〜2個の場合は1/100となる。なお、図18(b)は変動パターン決定の流れを示す一覧表であり、特別図柄の当選確率が低確率で、かつ時短が未作動時(つまり、電源投入後、遊技をされていない状態)における変動パターンを示している。本図に示すように、演出図柄がリーチにならないはずれにおいても、保留記憶数が0〜2個か3個かに応じて変動パターンを変更している。
時短非作動時に大当り・小当りが発生した後のモードの説明図を図19に示す。当り図柄が15ラウンド(図ではRと表記。以下同様)確変時短有図柄の場合と15ラウンド通常時短有図柄の場合は、大入賞口14は1ラウンドに1回、最大28秒開放する(つまり15回開放する)。大当たり後の状態は、15ラウンド確変時短有図柄の場合は確変モード(時短つき)、15ラウンド通常時短有図柄の場合は時短モードとなる。2ラウンド確変時短有図柄で当たった際には、大入賞口14は1ラウンドに1回、最大0.8秒開放する(つまり2回開放する)。大当たり後に時短モードとなるか否かは、大当たり前の時短モードの有無に従う。すなわち、大当たり時に時短が作動していれば時短モードになるが、作動していなければ時短モードにならない。また、2ラウンド確変時短有図柄が設定された際の保留個数が0〜2個であれば潜伏モードになり、3個であれば激アツ潜伏モードになる。小当りの場合は、大入賞口14は0.8秒間、2回開放する。この開放パターンは、2ラウンド確変時短有図柄が表示された場合と区別をすることが困難である。また、保留個数が0〜2個であれば1/100で小当りになり、3個であれば1/999で小当りになる。そして保留個数が0〜2個であれば潜伏モード、3個であれば激アツ潜伏モードになるので、激アツ潜伏モードになった際には、潜伏モードになった場合に比べ、小当りではなく2ラウンド確変であった可能性が高い。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、保留個数が0〜2個であれば、1/100という高い確率で小当り状態を発生させ、保留個数が3個の状況では、1/999という低確率で小当りが発生する。その一方、2ラウンド確変が発生する確率は、保留個数によらず一定であるため、両者に共通の、大入賞口が最長0.8秒2回開くという開放パターンが発生した際に、それが小当りである可能性は、保留記憶が3個の場合よりも2個以下の場合の方が高い。つまり、保留記憶の数に応じて確変に対する期待度を変化させることができる。また、保留記憶が多いときは、小当りの発生確率が低くなるので、小当り遊技にかかる時間を省くことができ、効率よく遊技を進行することができる。
また、潜伏状態に移行する開放パターンが発生する際の保留個数が0〜2個であれば、図20(a)のような画像が画面6aに表示され、3個であれば、図20(b)のような画像が画面6aに表示されるので、たとえ小当りまたは2ラウンド確変の判定時の保留数を遊技者が分からなくても、遊技者は例えば図20(b)の画像を見て「達吉が輝いているから小当りではない可能性が高い」と認識することができる。
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S110の処理が本発明の「保留手段」に相当し、S245の処理が本発明の「当否判定手段」に相当し、特別遊技処理が本発明の「大当たり遊技発生手段」に相当し、S265〜S280の処理が本発明の「小当り判定手段」に相当し、S305の処理が本発明の「保留数送信手段」に相当し、小当り遊技処理が本発明の「小当り遊技発生手段」に相当し、S255,S290,S295、およびS615〜S625の処理が本発明の「遊技状態設定手段」に相当し、サブ統合制御装置83が本発明の「サブ制御装置」に相当する。なお、本発明の「遊技状態復帰手段」は、図14、図15に示した小当り遊技処理内において、遊技状態を変更していないことにより実現されている。
[実施例2]
第2の実施例について図21〜27を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。本実施例においては図21に示すように、小当りに当選した場合に行なわれる変動パターンが、保留記憶数に応じて変更される。
図柄確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83にて実行される擬似図柄確定表示処理を図22に示す。図柄確定コマンドを受信(S1100:yes)すると、擬似ハズレ変動中か否かを判定する(S1105)。ここで擬似ハズレとは、小当りに当選したにも関わらず、小当りに対応した演出を画面6a上で行なわず、大入賞口14が開閉してもハズレ変動を継続する変動パターンである。S1105が肯定判断であれば、擬似図柄を停止させ(S1100)を実行し、本処理を終了(リターン)する。S1105が否定判断であれば、そのまま本処理を終了する。つまり、擬似ハズレの変動を行なっている際には擬似図柄を停止することなく変動が続行され、停止に伴う演出が行なわれない。そして小当り遊技が開始されてもハズレ変動を継続し、小当り遊技終了とともにハズレ図柄にて確定表示する。従って、擬似ハズレになると、遊技者は小当りが発生したことに気づかない可能性が高い。
第2実施例における大当たり演出決定処理を図23に示す。本図が図16に示した大当たり演出決定処理と異なる点は、大当たり情報が15ラウンドに対応するものでなく(S1205:no)、時短作動中でもなく(S1215:no)、オープニング及びエンディングの時間が潜伏モード用の時間になっていない場合に、確変モードの演出を開始して(S1235)本処理を終了する点である。確変モードの演出では、図27(a)に示すような画像が演出図柄表示装置6の画面6aに表示される。
第2実施例における小当たり演出図決定処理を図24に示す。本図が図17に示した小当たり演出決定処理と異なる点は、時短作動中ではなく(S1305:no)、オープニング及びエンディングの時間が潜伏モード用の時間になっていない場合に、オープニング及びエンディングの時間が小当りモード用の時間になっているか否かを判定し(S1325)、肯定判断(S1325:yes)なら小当りモードの演出を開始して(S1330)本処理を終了する点である。小当りモードの演出では、図27(b)に示すような画像が画面6aに表示される。つまり2ラウンド大当たりの場合とは異なる画像が画面6aに表示される。これにより遊技者は2ラウンド大当たりか小当りかを判別することができる。なお、否定判断(S1325:no)ならそのまま本処理を終了する。なお、潜伏モードにおける演出は、図20(a)に示したものと同じである(図23も同様)。
S800にて送信された小当たり終了コマンドを受信したサブ統合制御装置83にて実行される小当たり演出終了時処理を図25に示す。小当たり終了コマンドを受信(S1400:yes)すると、擬似ハズレが変動中か否かを判定する(S1405)。肯定判断であれば(S1405:yes)、擬似ハズレの変動を停止させる処理(S1410)を実行し、本処理を終了する。なお、擬似ハズレ変動中は、図27(c)に示すような画像が画面6aに表示される。否定判断であれば(S1405:no)、小当り演出を終了する処理(S1415)を実行し、本処理を終了する。
時短非作動時に大当り・小当りが発生した後のモードの説明図を図26に示す。当り図柄が15ラウンド確変時短有図柄の場合、及び15ラウンド通常時短有図柄の場合は、図19に示した開放パターンおよび大当たりの後のモードは同じである。2ラウンド確変時短有図柄、及び小当り図柄で当たった際も、開放パターンに関しては図19に示したものと同じである。大当たり後のモードは、2ラウンド確変時短有図柄で当たった際には、保留個数が0〜2個であれば潜伏モードになり、3個であれば確変報知モードになる。また、保留個数が0〜2個であれば1/100で小当り図柄になり、3個であれば1/999で小当り図柄になる。そして保留個数が0〜2個であれば潜伏モード、3個であれば小当りモードまたは擬似ハズレ演出になる。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、保留個数が0〜2個であれば、第1実施例と同様、潜伏モードになるが、保留個数が3個の状況では、確変か小当りかが告知される。従って、潜伏という遊技興趣を維持しながらも、保留記憶を3個以上にすることにより、確変か否かの告知を受けることができるという遊技性を備えた機種となっている。また、小当り演出決定処理で、オープニング時間、エンディング時間が小当りモード用ではないと判定された際(S1325:no)には、擬似ハズレ変動となり、変動が継続され、擬似ハズレ演出が行なわれる。これにより、小当りに伴う演出の回数が減少し、小当りを喜ばしく思わない遊技者にとっては好ましい遊技が可能となる。
[他の実施例]
前記実施例では、2ラウンド大当たりおよび小当りのオープニング時間およびエンディング時間の双方を、保留記憶の数に応じて変化させたが、どちらか一方のみ変化させても構わない。また、前記実施例では、オープニング時間およびエンディング時間の値から保留記憶の数をサブ統合制御装置83が判断していたが、S305で送信される保留個数に基づいて、保留記憶の数をサブ統合制御装置83が判断しても良い。
また、保留記憶の数に応じて、大入賞口を開放させる時間および開放回数の少なくとも一方を変化させてもよい。こうすると、大当たりや小当りを発生させると判定したときの保留記憶の数が分からなくても、大入賞口14を開放させる時間および開放回数の開放パターンのうち、小当り遊技発生手段が保留記憶数に応じ変化させる方(両者である可能性あり)を見ていれば、保留記憶の数に応じて確変に対する期待度を変化させることができる。
[参考例]
本発明の参考例について図28〜31を用いて説明する。本参考例も実施例1と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。参考例のパチンコ機50は、転落抽選機能を搭載した遊技機となっている。転落抽選機能を有した機種としては、例えば特開2005−296076号公報に記載されたものがあるが、こうした機種においては、大当たりになる確率がどこまで継続するか把握することができず、望外に高確率が継続した時の喜びが味わえるという利点よりも、1変動ごとに当選確率が転落してしまうのではないかという強い緊張感に苛まれるという欠点が目立つ機種であった。
参考例のパチンコ機50における当否判定処理では、特別電動役物が作動中ではなく(S200:no)、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8に示した処理に代えて、図28および図29に示す処理を実行する。図8の処理との違いは、確変フラグが1だった場合(S1510:yes)に、転落抽選処理(S1515)を行う点である。転落抽選に落選した場合(S1520:no)は、図8と同様、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合し(S1545)、大当たりか否かを判定する(S245)。転落抽選に当選した場合(S1520:yes)は、確変フラグを0にし(S1525)、時短フラグが1か否かを判定する(S1530)。肯定判断であれば(S1530:yes)、時短フラグを0にして(S1535)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S1540)。時短フラグが1ではない場合(S1530)は、S1540に直行する。なお、S245以降の処理は、図8と全く同じである。
転落抽選処理を図30に示す。本処理が起動されると、保留記憶数が3個か否かを判定する(S1600)。肯定判断であれば(S1600:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を転落低確率テーブルで判定し、否定判断、すなわち保留記憶数が0〜2個であれば(S1600:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を転落通常テーブルで判定する。ここで転落低確率テーブルによる転落抽選の当選確率は図31に示すように1/999、転落通常テーブルによる転落抽選の当選確率は1/300とされているものとする。つまり、転落抽選処理によれば、保留記憶数が3個のときには転落する確率が低く、保留記憶数が2個以下のときには転落する確率が高くされる。なお、このパチンコ機50の大当たり確率は第1実施例と同様、保留個数によらず1/300(確変時は1/30)、小当り確率についても保留個数が3個の場合が1/999、保留個数が0〜2個の場合は1/100となっている。
以上のように構成されたパチンコ機50によれば、保留個数が0〜2個であれば、転落確率が1/300であるが、保留個数が3個の状況では、転落確率が1/999と低くなる。従って、保留記憶を3個以上にすることにより、確変状態が転落しにくくなることができるという遊技性を備えた機種となっている。より一般的に言うと、保留数が多いときに転落確率を低くする構成とすれば、保留数の多い状態を維持することにより、転落確率が低確率という有利な状態を維持し易くなるという新しい遊技性を遊技機に与えることが可能となる。なお、小当りに係る作用効果は、第1実施例のパチンコ機50と同様、備えた遊技機となっている。
この遊技機は、遊技域に始動口を備え、該始動口に入球すると乱数値を発生させ、該乱数値により当否及び図柄の変動パターンを決定する主制御装置と、前記乱数値を複数記憶可能な保留手段と、前記乱数値により当否判定する当否判定手段と、該当否判定手段により当りと判定されたことに起因して、前記遊技域に形成された大入賞口を開放させる大当り状態を発生させる大当り遊技発生手段と、前記大当り状態が終了すると、前記当否判定手段が当りと判定する確率を向上させる確率変動を作動させるか否かの設定を行なう確率変動設定手段と、前記確率変動設定手段により確率変動が作動している場合に、前記当否判定の前に前記確率変動の作動を終了させるか否かを、前記乱数値と転落判定テーブルに基づき転落判定する転落抽選手段とを備え、前記転落判定テーブルは複数備えられ、前記転落判定時に前記保留手段を参照し、記憶数に応じて前記転落判定テーブルを選択して前記転落判定を行なうものであることを特徴とする遊技機と表現できる。
例えば保留記憶数が多くなるほど、転落抽選の転落確率が低くなる構成ならば、図柄始動口を普通電動役物に搭載しておけば、開放延長機能が作動している時は始動口への入賞率が高くなるため、転落確率が低い状態を維持しやすくなり、開放延長機能が作動している否かで、有利度の差を際立たせることが可能となる。
また、逆に保留記憶数が少ないほど転落抽選の確率を低くすれば、開放延長機能が作動している場合は転落し易くなるが持玉を維持、遊技スピードを早くすることができ(実質時短遊技と同じような状態になりやすくなる)、開放延長機能が作動していない時は持玉は減少、遊技スピードは遅いままだが、確率変動の作動状態が維持されやすい状態で遊技することができるようになる。
このように、記憶数により転落確率を変更することにより、今までにない遊技性を遊技者に提供することができる。なお、サブ制御装置は、転落判定テーブルの変更と共に転落演出の内容を変更することも考えられる。
S615〜S625の処理が、この遊技機の「確率変動設定手段」に相当し、S1515,S1520および図30の転落抽選処理がこの遊技機の「転落抽選手段」に相当する。
1 : 遊技盤 、 6 : 演出図柄表示装置
6a : 画面 、 11 : 第1始動口
12 : 第2始動口 、 50 : パチンコ機
80 : 主制御装置 、 83 : サブ統合制御装置

Claims (1)

  1. 遊技を司る主制御装置と、
    該主制御装置からの指示に基づいて各種演出を行うサブ制御装置とを備え、
    前記主制御装置は、
    始動口への遊技球の入球に基づいて取得した乱数値を複数記憶可能な保留手段と、
    前記乱数値に基づき当否を判定する当否判定手段と、
    該当否判定手段の判定結果に基づいて図柄を変動開始し、所定時間経過後に確定表示することにより判定結果を報知する図柄変動手段と、
    前記当否判定の結果が大当りと判定された場合に、大入賞口を開放動作させる大当り遊技を行う大当り遊技手段と、
    該大当り遊技が終了すると、前記当否判定手段が大当りと判定する確率を向上させるか否か、前記図柄の変動時間を短縮するか否かの各設定を行なう遊技状態設定手段と、
    前記当否判定の結果が小当りと判定された場合に、前記大入賞口を開放動作させる小当り遊技を行う小当り遊技手段と、
    該小当り遊技が終了すると、前記小当り遊技を発生させると判定された時の遊技状態に復帰させるための遊技状態復帰手段と、
    前記図柄変動手段にて決定された図柄の変動時間を前記サブ制御装置へ指示するための変動パターンを送信するための変動パターン送信手段と、
    前記サブ制御装置は、
    前記変動パターンを受信すると前記変動時間に基づいて変動演出を行う演出図柄とを備え、
    前記大当り遊技手段は、前記乱数値に応じて前記大入賞口を複数通りの開放パターンにて開放させるものであって、該複数通りの開放パターンの少なくとも1つが、前記小当り遊技手段により発生される前記大入賞口の開放パターンと同じ共通開放パターンであり、
    前記サブ制御装置は、
    前記大当り遊技による前記共通開放パターン、又は前記小当り遊技による開放パターンのいずれにおいても同一の共通演出表示と、
    前記小当りと判定された時に、前記演出図柄を、前記変動パターンを受信時に変動開始するが指示された前記変動時間を経過しても変動を続行し、前記小当り遊技が終了すると、判定結果としてハズレを示す図柄にて確定表示を行う擬似ハズレ変動演出とを備える
    ことを特徴とする遊技機。
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