JP2014130982A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強度の高いピーク波長が変化するような条件においても、限られた時間内における合計発電量を向上することが可能な光電変換装置を提供する。
【解決手段】 光電変換装置11は、基板1の主面上に、下部電極層2、光吸収層としての第1の半導体層3および第2の半導体層4が順に積層された光電変換装置11であって、第2の半導体層4は、第1の半導体層3が吸収する波長領域の光を垂直に入射して得られる反射スペクトルのピーク波長が互いに異なっている第1領域11Aおよび第2領域11Bを有している。
【選択図】 図4
【解決手段】 光電変換装置11は、基板1の主面上に、下部電極層2、光吸収層としての第1の半導体層3および第2の半導体層4が順に積層された光電変換装置11であって、第2の半導体層4は、第1の半導体層3が吸収する波長領域の光を垂直に入射して得られる反射スペクトルのピーク波長が互いに異なっている第1領域11Aおよび第2領域11Bを有している。
【選択図】 図4
Description
本発明は異なる導電型を有する第1の半導体層および第2の半導体層が積層された光電変換装置に関する。
近年、エネルギー問題や環境問題の深刻化に伴い、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電が注目を集めている。
太陽光発電に使用される光電変換装置は、様々な種類のものがある。その中でも、CIS系(銅インジウムセレナイド系)やCIGS系(銅インジウムガリウムセレナイド系)等の化合物半導体薄膜や、アモルファスシリコン薄膜のような薄膜系の光吸収層を用いたものは、比較的低コストで大面積の光電変換装置を容易に製造できる点から、研究開発が進められている。
この薄膜系の光電変換装置は、ガラス基板などの基板上に、下部電極層、光吸収層としての第1の半導体層、および第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層が順次積層されている(例えば、特許文献1参照)。
光電変換装置に用いる光として、例えば太陽光があるが、この太陽光は、1日の限られた日照時間において、時間とともに強度の高いピーク波長が変化する傾向がある。このように光電変換に用いる光のピーク波長が変化すると、時間によって発電量に差が生じることとなる。その結果、限られた時間内における合計の発電量を十分に高めることが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、強度の高いピーク波長が変化するような条件においても、限られた時間内における合計発電量を向上することが可能な光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、基板の主面上に、下部電極層、光吸収層としての第1の半導体層および該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層が順に積層された光電変換装置であって、前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層が吸収する波長領域の光を垂直に入射して得られる反射スペクトルのピーク波長が互いに異なっている第1領域および第2領域を有している。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置によれば、強度の高いピーク波長が変化するような条件においても、限られた時間内における合計発電量を向上することができる。
以下に本発明の一実施形態に係る光電変換装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。また、図1〜図4、図7〜図9には、後述する光電変換セルの配列方向をX軸とする右手系のXYZ座標が付してある。
<光電変換装置の構成(第1の例)>
図1は、光電変換装置11の要部拡大斜視図であり、図2はそのXZ断面図である。光電変換装置11はX軸方向に沿って並んだ複数の光電変換セル10を具備している。光電変換セル10は、基板1と、下部電極層2と、光吸収層としての第1の導電型を有する第1の半導体層3と、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の半導体層4とが順に積層されている。例えば、第1の導電型がp型であれば第2の導電型はn型であり、その逆の関係であってもよい。これら第1の半導体層3と第2の半導体層4とで電荷を良好に分離可能な光電変換層が形成される。
図1は、光電変換装置11の要部拡大斜視図であり、図2はそのXZ断面図である。光電変換装置11はX軸方向に沿って並んだ複数の光電変換セル10を具備している。光電変換セル10は、基板1と、下部電極層2と、光吸収層としての第1の導電型を有する第1の半導体層3と、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の半導体層4とが順に積層されている。例えば、第1の導電型がp型であれば第2の導電型はn型であり、その逆の関係であってもよい。これら第1の半導体層3と第2の半導体層4とで電荷を良好に分離可能な光電変換層が形成される。
なお、図1、図2では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向に多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。或いは更に図面のY軸方向も多数の光電変換セル10が配列されていてもよい。
また、第2の半導体層4は1層に限らず、複数層の積層体であってもよい。例えば、第2の半導体層4は、第1の半導体層3側から、バッファ層4aと上部電極層4bとから成る積層体であってもよく、あるいは3層以上の積層体であってもよい。図1および図2は第2の半導体層4がバッファ層4aと上部電極層4bとの積層体から成る例を示している。
光電変換装置11は、隣接する一方の光電変換セル10の上部電極層4bと他方の光電変換セル10の下部電極層2とが接続導体6を介して電気的に接続されている。このような構成により、隣接する光電変換セル10同士が直列接続されている。そして、光電変換装置11の端部において、直列接続された光電変換セル10の一方の電極と電気的に接続された取り出し電極2aが設けられており、この取り出し電極2aに光電変換装置11の外部と電気的な接続を行なうための配線導体13aが接続される。同様に、光電変換装置11の反対側の端部において、直列接続された光電変換セル10の他方の電極と電気的に接続された取り出し電極2bが設けられており、この取り出し電極2bに光電変換装置11の外部と電気的な接続を行なうための配線導体13bが接続される。
図3は、光電変換装置11に配線導体13a、13bが接続された状態の斜視図を示している。図3において、細長い帯状の光電変換セル10が、複数個、X軸方向に複数並べられている。そして、この光電変換セル10群の+X側および−X側に取り出し電極部2a、2bがそれぞれ設けられており、この取り出し電極部2a、2bに、それぞれ配線導体13a、13bの一方の端部が電気的に接続されている。また、配線導体13a、13bの他方の端部は、基板1を上下方向に貫通する孔1aを介して裏面に導出され、光電変換装置11の裏面(非受光面)に配置された端子ボックスに接続されている。そして、この端子ボックスを介して、光電変換装置11で発電した電力が外部回路に出力されることとなる。
基板1は、光電変換層を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。基板1としては、例えば、厚み1〜3mm程度の青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2(下部電極層2a〜2d)は、基板1上に設けられた、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体である。下部電極層2は、スパッタリング法または蒸着法などの公知の薄膜形成手法を用いて、0.2μm〜1μm程度の厚みに形成される。
第1の半導体層3は第1の導電型を有する半導体層である。第1の半導体層3は、例えば1μm〜3μm程度の厚みを有する。第1の半導体層3の材料としては特に限定されず、化合物半導体薄膜やアモルファスシリコン薄膜のような薄膜半導体層が用いられる。比較的高い光電変換効率を得やすいという観点で、第1の半導体層3として、例えば、I−III−VI族化合物、I−II−IV−VI族化合物、II−VI族化合物等が用いられてもよい。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI-B族元素(16族元素ともいう)との化合物である。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)等が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。I−III−VI族化合物は
光吸収係数が比較的高く、第1の半導体層3が薄くても良好な光電変換効率が得られる。
光吸収係数が比較的高く、第1の半導体層3が薄くても良好な光電変換効率が得られる。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素(12族元素ともいう)とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物半導体である。I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、Cu2ZnSnS4(CZTSともいう)、Cu2ZnSnS4−xSex(CZTSSeともいう。なお、xは0より大きく4より小さい数である。)、およびCu2ZnSnSe4(CZTSeともいう)等が挙げられる。
II−VI族化合物とは、II−B族元素とVI−B族元素との化合物半導体である。II−VI族化合物としてはCdTe等が挙げられる。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2導電型を有する半導体層であり、第1の半導体層3上に積層されている。そして、第2の半導体層4は、図4に示されるように、第1の半導体層3が吸収する波長領域の光を垂直に(−Z方向に)入射して得られる反射スペクトルのピーク波長が互いに異なっている第1領域11Aおよび第2領域11Bを有している。なお、図4において、第1領域11Aは、光電変換セル10群のうち、斜線で示された領域のことであり、第2領域11Bは、光電変換セル10群のうち、白
地で示された領域のことである。
地で示された領域のことである。
このような構成により、太陽光のように強度の高いピーク波長が変化するような条件においても、反射による光損失を低減することができ、限られた時間内における合計発電量を向上することが可能となる。つまり、ある時間帯における光強度の高い波長については第1領域11Aにおいて反射による光損失を低減しながら効率良く光電変換を行ない、別の時間帯における光強度の高い波長については第2領域11Bにおいて反射による光損失を低減しながら効率良く光電変換を行なうことができ、安定した発電量を継続して得ることができる。
特に、400nm以上800nm以下の波長領域において、第1領域11Aの反射スペクトルの極小値の波長と、第2領域11Bの反射スペクトルの極小値の波長との差が38nm以上47nm以下であってもよい。これにより、光電変換装置11を太陽電池として用いた場合に、太陽光の日照時間における発電量をさらに向上することができる。これは以下の理由による。
太陽光は400nm以上800nm以下の可視光領域の光強度が高く、また、1日においては正午から14時の時間帯での光強度が高くなる傾向がある。ここで、正午の太陽光のスペクトルは5500Kの黒体輻射のスペクトルに近くなり、一方、14時の太陽光のスペクトルは6000Kの黒体輻射のスペクトルに近くなる。そして、5500Kの黒体輻射のスペクトルのピーク波長は526nmであるのに対し、6000Kの黒体輻射のスペクトルのピーク波長は483nmであり、それらのピーク波長の差分である43nmの変化が生じる。そこで、第1領域11Aの反射スペクトルの極小値の波長と、第2領域11Bの反射スペクトルの極小値の波長との差が、この変化するピーク波長の差分程度あれば、正午から14時の時間帯でピーク波長が変化しても、第1領域11Aと第2領域11Bとで効率よく光電変換を行なうことができ、発電量を長時間、高く維持することができる。よって、第1領域11Aの反射スペクトルの極小値の波長と、第2領域11Bの反射スペクトルの極小値の波長との差は、ある程度の誤差を考慮し、上記差分の±10%に相当する38nm以上47nm以下であれば、良好な発電量が得られると考えられる。
上記のような反射スペクトルのピーク波長が互いに異なっている第1領域11Aおよび第2領域11Bは、それぞれの領域における光路長を変えればよい。
光路長を変える方法の一例として、それぞれの領域における厚みを互いに異なるようにすればよい。厚みを異ならせることによって光路長に差が生じ、第2の半導体層4の主面における反射光と、第2の半導体層4と第1の半導体層3との界面における反射光とが干渉し合う光の波長を異ならせることができる。
あるいは、光路長を変える方法の他の例として、それぞれの領域における屈折率を互いに異なるようにしてもよい。屈折率を異ならせることによっても光路長に差が生じ、第2の半導体層4の主面における反射光と、第2の半導体層4と第1の半導体層3との界面における反射光とが干渉し合う光の波長を異ならせることができる。
また、第2の半導体層4は1層であってもよいが、複数層であってもよい。この場合、複数層のうちの少なくとも1層の厚みを第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることによって、上記のような反射スペクトルのピーク波長が互いに異なっている第1領域11Aおよび第2領域11Bを作製することができる。
あるいは、複数層のうちの少なくとも1層の屈折率を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることによって、上記のような反射スペクトルのピーク波長が互い
に異なっている第1領域11Aおよび第2領域11Bを作製することもできる。
に異なっている第1領域11Aおよび第2領域11Bを作製することもできる。
図1、図2は第2の半導体層4がバッファ層4aと上部電極層4bとの積層体から成る例を示している。バッファ層4aは、第1の半導体層3とのヘテロ接合を良好にするための層である。バッファ層4aとしては、CdS、ZnS、ZnO、In2S3、In2Se3、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等が挙げられる。この場合、第2の半導体層4は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で5〜200nmの厚みで形成される。なお、In(OH,S)とは、Inが水酸化物および硫化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,In)(Se,OH)は、ZnおよびInがセレン化物および水酸化物として含まれる混晶化合物をいう。(Zn,Mg)Oは、ZnおよびMgが酸化物として含まれる混晶化合物をいう。
上部電極層4bは、バッファ層4aよりも抵抗率の低い層であり、第1の半導体層3およびバッファ層4aで生じたキャリアを良好に取り出すための層である。光電変換効率をより高めるという観点からは、上部電極層4bの抵抗率は1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であってもよい。
上部電極層4bは0.05〜3μmの透明導電膜である。このような透明導電膜としては、例えば、ZnO、In2O3およびSnO2等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、In、Sn、SbおよびF等の元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
バッファ層4aの厚みを第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることによって、第2の半導体層4の反射スペクトルのピーク波長を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせる場合、以下のようにしてバッファ層4aを形成すればよい。まず、バッファ層4aをCBD法によって形成する際、第1の半導体層3が形成された基板1を、CBD溶液(CBD溶液とは、バッファ層4aの原料が溶解された溶液のことである)に浸漬する。そして、第1の半導体層3の主面の第1領域11Aに相当する部位におけるCBD溶液の流動速度と、第2領域11Bに相当する部位におけるCBD溶液の流動速度とを異ならせることによって、第1領域11Aと第2領域11Bとで生成するバッファ層4aの厚みを変えることができる。つまり、第1の半導体層3の主面に対してCBD溶液の流動速度を速くするほど、原料の供給量が多くなるため、生成するバッファ層4aは厚くなる傾向がある。一方、第1の半導体層3の主面に対してCBD溶液の流動速度を遅くするほど、原料の供給量が少なくなるため、生成するバッファ層4aは薄くなる傾向がある。
CBD溶液の具体例としては、例えば、バッファ層4aがIn(OH,S)を含む半導体層である場合、InCl3およびチオアセトアミドの水溶液が挙げられる。
バッファ層4aの厚みを異ならせた場合の第2の半導体層4の反射スペクトルの例を図5に示している。図5は、第1の半導体層3としてCIGSが用いられ、バッファ層4aとして異なる厚みのIn(OH,S)が用いられ、上部電極層4bとして250nmの厚みのAZOが用いられた光電変換装置11に対し、上部電極層4b側から垂直に光を入射した場合の反射スペクトルを示している。図5のグラフにおいて、No.1の試料はバッファ層4aの厚みが25nmであり、No.2の試料はバッファ層4aの厚みが50nmであり、No.3の試料はバッファ層4aの厚みが80nmである。このようにバッファ層4aの厚みを変えることによって反射スペクトルのピーク波長を異ならせることができる。
また、上部電極層4bの厚みを第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることによって、第2の半導体層4の反射スペクトルのピーク波長を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせる場合、以下のようにして上部電極層4bを形成すればよい。まず、上部電極層4bをスパッタリング法で形成する際、バッファ層4aの全面に上部電極層4bを一定厚みで成膜する。そして、第2領域11Bに相当する部位をレジスト等で覆った後、さらにスパッタリング法で上部電極層4bを成膜する。このような方法により、レジストで覆われていた第2領域11Bの厚みを、レジストで覆われていなかった第1領域11Aよりも薄くすることができる。あるいは、スパッタリング装置を、基板をローラー等で搬送しながら成膜する装置とし、第1領域11Aおよび第2領域11Bで成膜速度が異なる条件でスパッタリング成膜することで、第1領域11Aおよび第2領域11Bの膜厚を異ならせることができる。その際には、ローラーによる基板の搬送方向は第一領域11Aから第2領域11B、もしくはその逆方向に搬送するスパッタ装置であればよい。なお、成膜速度を変える方法としては、例えば成膜圧力を変える方法がある。成膜圧力を高くすれば成膜速度が低くなる傾向がある。
上部電極層4bの厚みを異ならせた場合の第2の半導体層4の反射スペクトルの例を図6に示している。図6は、第1の半導体層3としてCIGSが用いられ、バッファ層4aとして50nmの厚みのIn(OH,S)が用いられ、上部電極層4bとして異なる厚みのAZOが用いられた光電変換装置11に対し、上部電極層4b側から垂直に光を入射した場合の反射スペクトルを示している。図6のグラフにおいて、No.4の試料は上部電極層4bの厚みが200nmであり、No.5の試料は上部電極層4bの厚みが250nmであり、No.6の試料は上部電極層4bの厚みが300nmである。このように上部電極層4bの厚みを変えることによっても反射スペクトルのピーク波長を異ならせることができる。
バッファ層4aの屈折率を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることによって、第2の半導体層4の反射スペクトルのピーク波長を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせる場合、以下のようにしてバッファ層4aを形成すればよい。まず、バッファ層4aをCBD法で成膜する際、成膜初期の段階では、CBD溶液の攪拌速度を遅くして比較的緩やかな速度で成膜を行なうことによって緻密な膜を形成させる。続いて、CBD溶液の攪拌速度を上げる等の方法で成膜速度を上げることによって、空隙を多く有する膜を形成させる。これによって、緻密構造の膜上に粗構造の膜を有するバッファ層4aが形成できる。その後、塩酸等のエッチング液に上記バッファ層4aの第1領域11Aとなる部位のみを浸漬し、バッファ層4aをわずかにエッチングする。このようにすることで、第1領域11Aは、表面の疎構造部分がエッチングされて、空隙の少ない領域となり、一方、第2領域11Bは空隙を多く有する領域となる。これによって、バッファ層4aの屈折率を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることができる。あるいは、バッファ層4aをCBD法によって形成した後、第1領域11Aとなる部位をレジスト等で覆い、レジストで覆っていない第2領域11Bに、イオン注入等によって他の元素をドープする。このような方法によっても、バッファ層4aの屈折率を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることができる。
上部電極層4bの屈折率を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることによって、第2の半導体層4の反射スペクトルのピーク波長を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせる場合、以下のようにして上部電極層4bを形成すればよい。まず、上部電極層4bを搬送方向が第1領域11Aから第2領域11B、もしくはその逆方向に搬送するスパッタリング装置で成膜する。そして、第1領域11Aと第2領域11Bで、結晶性が異なる条件でスパッタリング成膜することで、第1領域11Aおよび第2領域11Bの屈折率を異ならせることができる。なお、結晶性を変える方法としては
、例えば成膜パワーを変える方法がある。成膜パワーを大きくするほど結晶性が高くなって屈折率が大きくなる傾向がある。あるいは、上部電極層4bをスパッタリング法等によって形成し、そして、第1領域11Aとなる部位をレジスト等で覆った後、レジストで覆っていない第2領域11Bに、イオン注入等によって他の元素をドープしてもよい。これによって、上部電極層4bの屈折率を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることができる。
、例えば成膜パワーを変える方法がある。成膜パワーを大きくするほど結晶性が高くなって屈折率が大きくなる傾向がある。あるいは、上部電極層4bをスパッタリング法等によって形成し、そして、第1領域11Aとなる部位をレジスト等で覆った後、レジストで覆っていない第2領域11Bに、イオン注入等によって他の元素をドープしてもよい。これによって、上部電極層4bの屈折率を第1領域11Aおよび第2領域11Bで互いに異ならせることができる。
また、光電変換装置11は、図1、図2に示すように、上部電極層5上の一部にさらに集電電極7が形成されていてもよい。集電電極7は、第1の半導体層3で生じたキャリアをさらに良好に取り出すためのものである。集電電極7は、例えば、図1に示すように、光電変換セル10の一端から接続導体6にかけて線状に形成されている。これにより、第1の半導体層3で生じたキャリアがバッファ層4aおよび上部電極層4bを介して集電電極7に集電され、接続導体6を介して隣接する光電変換セル10に良好に導電される。
集電電極7は、第1の半導体層3への光透過率を高めるとともに良好な導電性を有するという観点から、50〜400μmの幅を有していてもよい。また、集電電極7は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極7は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが硬化されることによって形成される。
図1、図2において、接続導体6は、第1の半導体層3、第2の半導体層4および第2の電極層5を貫通(分断)する溝内に設けられた導体である。接続導体6は、金属や導電ペースト等が用いられ得る。図1、図2においては、集電電極7を延伸して接続導体6が形成されているが、これに限定されない。例えば、上部電極層5が延伸したものであってもよい。
<光電変換装置の構成の他の例(第2の例)>
次に、本発明の光電変換装置の変形例について説明する。図7は光電変換装置の第2の例を示す上面図である。図7に示される光電変換装置21において、上述した図4に示される光電変換装置11(第1の例)と同様な構成および機能を有する部分については図4と同じ符号が付されている。第2の例である光電変換装置21は、第1領域21Aと第2領域21Bの配置が、光電変換装置11における第1領域11Aおよび第2領域11Bの配置とは異なっている。
次に、本発明の光電変換装置の変形例について説明する。図7は光電変換装置の第2の例を示す上面図である。図7に示される光電変換装置21において、上述した図4に示される光電変換装置11(第1の例)と同様な構成および機能を有する部分については図4と同じ符号が付されている。第2の例である光電変換装置21は、第1領域21Aと第2領域21Bの配置が、光電変換装置11における第1領域11Aおよび第2領域11Bの配置とは異なっている。
第1の例である光電変換装置11においては、図4の上面図に示されるように、光電変換セル10群のうち、−X側の複数の光電変換セル10が第1領域11Aに含まれ、+X側の複数の光電変換セル10が第2領域11Bに含まれる例を示している。一方、第2の例である光電変換装置21においては、複数の光電変換セル10群の、+Y側が第1領域21Aに含まれ、−Y側が第2領域21Bに含まれている。
このように、1つの光電変換セル10自身が第1領域および第2領域の両方を有していても、第1の例の光電変換装置11と同様に、強度の高いピーク波長が変化するような条件においても限られた時間内における合計発電量を向上することが可能となる。
<光電変換装置の構成の他の例(第3の例)>
本発明の光電変換装置は、以下に示す第3の例のような構成であってもよい。図8は光電変換装置の第3の例を示す上面図である。図8に示される光電変換装置31において、上述した図4に示される光電変換装置11(第1の例)と同様な構成および機能を有する部分については図4と同じ符号が付されている。第3の例である光電変換装置31は、第
1領域31Aと第2領域31Bの配置が、光電変換装置11における第1領域11Aおよび第2領域11Bの配置とは異なっている。
本発明の光電変換装置は、以下に示す第3の例のような構成であってもよい。図8は光電変換装置の第3の例を示す上面図である。図8に示される光電変換装置31において、上述した図4に示される光電変換装置11(第1の例)と同様な構成および機能を有する部分については図4と同じ符号が付されている。第3の例である光電変換装置31は、第
1領域31Aと第2領域31Bの配置が、光電変換装置11における第1領域11Aおよび第2領域11Bの配置とは異なっている。
第3の例である光電変換装置31においては、複数の光電変換セル10群の、右上から左下にかけて第1領域31Aが配置されており、残りの部分(複数の光電変換セル10群の右下領域および左上領域)が第2領域31Bとなっている。このような構成であっても、第1の例の光電変換装置11と同様に、強度の高いピーク波長が変化するような条件においても限られた時間内における合計発電量を向上することが可能となる。
<光電変換装置の構成の他の例(第4の例)>
本発明の光電変換装置は、以下に示す第4の例のような構成であってもよい。図9は光電変換装置の第4の例を示す上面図である。図9に示される光電変換装置41において、上述した図4に示される光電変換装置11(第1の例)と同様な構成および機能を有する部分については図4と同じ符号が付されている。第4の例である光電変換装置41は、第1領域41Aと第2領域41Bの配置が、光電変換装置11における第1領域11Aおよび第2領域11Bの配置とは異なっている。
本発明の光電変換装置は、以下に示す第4の例のような構成であってもよい。図9は光電変換装置の第4の例を示す上面図である。図9に示される光電変換装置41において、上述した図4に示される光電変換装置11(第1の例)と同様な構成および機能を有する部分については図4と同じ符号が付されている。第4の例である光電変換装置41は、第1領域41Aと第2領域41Bの配置が、光電変換装置11における第1領域11Aおよび第2領域11Bの配置とは異なっている。
第4の例である光電変換装置41においては、複数の光電変換セル10群において、複数の第1領域41Aおよび複数の第2領域41Bが配置されている。このような構成であっても、第1の例の光電変換装置11と同様に、強度の高いピーク波長が変化するような条件においても限られた時間内における合計発電量を向上することが可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が施されることは何等差し支えない。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
4a:バッファ層
4b:上部電極層
10:光電変換セル
11A、21A、31A、41A:第1領域
11B、21B、31B、41B:第2領域
11、21、31、41:光電変換装置
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
4a:バッファ層
4b:上部電極層
10:光電変換セル
11A、21A、31A、41A:第1領域
11B、21B、31B、41B:第2領域
11、21、31、41:光電変換装置
Claims (6)
- 基板の主面上に、下部電極層、光吸収層としての第1の半導体層および該第1の半導体層とは異なる導電型の第2の半導体層が順に積層された光電変換装置であって、
前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層が吸収する波長領域の光を垂直に入射して得られる反射スペクトルのピーク波長が互いに異なっている第1領域および第2領域を有している光電変換装置。 - 400nm以上800nm以下の波長領域において、前記第1領域の前記反射スペクトルの極小値の波長と前記第2領域の前記反射スペクトルの極小値の波長との差が38nm以上47nm以下である、請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記第1領域および前記第2領域は厚みが互いに異なっている、請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記第2の半導体層は複数層から成り、該複数層のうちの少なくとも1層の厚みが前記第1領域および第2領域で互いに異なっている、請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記第1領域および前記第2領域は屈折率が互いに異なっている、請求項1または2に記載の光電変換装置。
- 前記第2の半導体層は複数層から成り、該複数層のうちの少なくとも1層の屈折率が前記第1領域および第2領域で互いに異なっている、請求項1または2に記載の光電変換装置。
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2013
- 2013-01-30 JP JP2013015165A patent/JP2014130982A/ja active Pending
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