JP2014130691A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シェル30は、コンタクト20の接点部21の周囲を覆うと共にハウジング10から露出して相手側コネクタと嵌合する嵌合部31と、ハウジング10から露出して基板に取り付けられる基板取付部32と、嵌合部31と基板取付部32との間を接続し且つハウジング10内に埋め込まれるハウジング保持部33とを有し、ハウジング保持部33の表面に、ハウジング保持部33とハウジング10との界面に沿った水の浸入を遮断するためのシェル溝34が形成されている。
【選択図】図8
Description
また、電子機器においては、防水機能に対する要求が高く、これに伴い、防水性を備えた防水コネクタの開発が進められている。
このような、電磁波に対するシールドと防水性を兼ね備えたコネクタが、例えば、特許文献1に開示されている。このコネクタは、図27に示されるように、筒形状の金属製のシェル1の内側に導電接続のためのコンタクト2を配置し、これらシェル1およびコンタクト2をインサート成形等により絶縁性樹脂からなるハウジング3内に一体にモールド成形した構造を有している。
また、シェル1がハウジング3内に一体にモールド成形されているため、シェル1の表面がハウジング3を形成する絶縁性樹脂と密着し、コネクタの外部からハウジング3とシェル1との境界部を通して接地端子4側、すなわちコネクタが搭載される基板側に水が浸入することが防止される。
この場合、好ましくは、シェル防水形状部は、ハウジング保持部の周囲を囲って閉じるように形成される。
また、シェル防水形状部は、0.01mm以上の高低差を有することが好ましい。
さらに、シェル防水形状部は、複数のシェル溝または複数のシェル突起から形成することもできる。
シェル溝またはシェル突起は、三角形状、円弧形状、四角形状および逆三角形状のいずれかの断面形状を有することが好ましい。
あるいは、ハウジング保持部は、中空の形状を有し、シェル防水形状部が、ハウジング保持部の外周面および内周面にそれぞれ形成されるように構成してもよい。
コンタクト防水形状部は、固定部の表面を接点部の側と基板接続部の側とに分離するように形成されたコンタクト溝またはコンタクト突起から形成することができる。
この場合、好ましくは、コンタクト防水形状部は、固定部の周囲を囲って閉じるように形成される。
また、コンタクト防水形状部は、0.01mm以上の高低差を有することが好ましい。
さらに、コンタクト防水形状部は、複数のコンタクト溝または複数のコンタクト突起から形成することもできる。
コンタクト溝またはコンタクト突起は、三角形状、円弧形状、四角形状および逆三角形状のいずれかの断面形状を有することが好ましい。
なお、固定部が、接点部および基板接続部よりも細く形成されたコンタクト狭窄部を含み、コンタクト防水形状部が、コンタクト狭窄部の表面に形成されるように構成することもできる。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る防水コネクタの構成を示す。防水コネクタは、ほぼ直方体形状の外形を有するハウジング10と、ハウジング10に固定された複数のコンタクト20と、ハウジング10に固定され且つ複数のコンタクト20をシールドするためのシェル30を有している。ハウジング10は、絶縁性樹脂から形成され、コンタクト20およびシェル30は、導電性を有する金属材料から形成されている。
また、シェル30は、一対の基板取付部32を有し、これらの基板取付部32が、ハウジング10の下面10cからハウジング10の外部に露出している。
ハウジング保持部33の後方突出部33a、一対の腕部33bおよび一対の脚部33cは、いずれも嵌合部31よりも細いシェル狭窄部を形成しており、このようなシェル狭窄部を有するハウジング保持部33は、シェル30がハウジング10にモールド成形される際に、ハウジング10内に埋め込まれる。
図5の展開図から明らかなように、嵌合部31を形成する帯状部分35aから基板取付部32を形成する一対の平板部分35bに至る経路の途中に、それぞれシェル溝34を有する腕部33bが存在している。
このとき、コンタクト20の接点部21がシェル30の嵌合部31内に位置するように複数のコンタクト20とシェル30を図示しない金型内にセットし、金型を閉じて金型内に溶融した絶縁性樹脂材料を注入した後、冷却することで、ハウジング10と複数のコンタクト20およびシェル30とを一体成形して、図1に示したような防水コネクタを製造することができる。
特に、複数のシェル溝34が形成されている腕部33bは、嵌合部31よりも細いシェル狭窄部を構成するため、水の浸入路が狭められて浸入する水の量が制限されており、シェル溝34により効果的に防水機能を発揮することができる。
このようにして、ハウジング10とシェル30およびコンタクト20との間の防水性を向上させて装置内部、すなわち防水コネクタが搭載される基板側に水が浸入することを防止することが可能となる。
このような構成により、筐体40の外部における水分は、ハウジング10内に埋め込まれているシェル30のハウジング保持部33の複数のシェル溝34とコンタクト20の固定部23の複数のコンタクト溝24によって、シェル30の嵌合部31からの筐体40内への浸入が阻止されると共に、ガスケット43によって筐体40とハウジング10との間からの筐体40内への浸入が阻止され、防水機能を果たすことが可能となる。
また、シェル30の腕部33bに複数のシェル溝34を形成する代わりに、1つのシェル溝34を形成しても、ハウジング10との界面に沿った水の浸入を抑制することはできるが、複数のシェル溝34を形成した方が、より高い防水機能を発揮することができる。同様に、コンタクト20の固定部23に複数のコンタクト溝24を形成する代わりに、1つのコンタクト溝24を形成しても、ハウジング10との界面に沿った水の浸入を抑制することはできるが、複数のコンタクト溝24を形成した方が、より優れた防水効果が得られる。
なお、シェル30の嵌合部31は、複数のコンタクト20の接点部21の全周を覆うような扁平な筒形状を有していたが、これに限るものではなく、複数のコンタクト20の接点部21の一部のみを覆うものであっても、防水コネクタの使用状況によっては、シールド効果を奏することができる。さらに、シールド効果を得る必要がなく、基板取付部32を介して防水コネクタを基板41に取り付けるためのものとしてシェルを使用する場合には、シェルは、複数のコンタクト20の接点部21を覆っていなくてもよい。
上記の実施の形態1で用いられたシェル30では、複数のシェル溝34が、ハウジング保持部33の腕部33bに形成されていたが、腕部33bに限るものではなく、ハウジング10内に埋め込まれて嵌合部31から基板取付部32に至る経路の途中に配置されるハウジング保持部33の狭窄部に形成されていればよい。
同様にして、後方突出部53aの代わりに、一対の脚部53cの表面にそれぞれ複数のシェル溝54を形成してもよい。このようにしても、同様の防水効果が得られることとなる。
上記の実施の形態1および2で用いられたシェル30および50では、複数のシェル溝34および54が、狭窄部である脚部33cおよび後方突出部53aにそれぞれ形成されていたが、必ずしも、狭窄部に形成しなくてもよい。
図18に、実施の形態3に係る防水コネクタの分解図を示す。この防水コネクタは、実施の形態1の防水コネクタにおいて、シェル30の代わりに、狭窄部を有しないシェル60を用いたものである。
嵌合部61は、複数のコンタクト20の前端に配置された接点部21の周囲を覆いながら、内面部分がハウジング10から露出し、ハウジング保持部63は、内面部分および外面部分がすべてハウジング10内に埋め込まれる。
シェル60の表面に沿って嵌合部61から双方の基板取付部62に至るには、シェル溝64あるいはシェル溝65を越える必要があり、これらのシェル溝64および65により、ハウジング保持部63とハウジング10との界面に沿った水の浸入を遮断することが可能となる。
このように、中空のハウジング保持部63を有するシェル60を用いても、ハウジング10とシェル60およびコンタクト20との間に優れた防水効果が得られる。
上記の実施の形態1〜3で用いられたシェル溝34、54、64および65の断面形状は特に限定されるものではない。例えば、図24(A)に示されるような三角形状、図24(B)に示されるような円弧形状、図24(C)に示されるような四角形状、図24(D)に示されるような逆三角形状または逆テーパ形状としても優れた防水機能を発揮させることができる。
同様に、コンタクト20の固定部23に形成されるコンタクト溝24も、図24(A)〜(D)に示されるような各種の断面形状を有するように形成することができる。
シェル突起としては、例えば、図25(A)に示されるような三角形状、図25(B)に示されるような円弧形状、図25(C)に示されるような四角形状、図25(D)に示されるような逆三角形状または逆テーパ形状の断面を有するものを使用することができる。
ハウジングとの界面に沿った水の浸入を遮断するために、シェル突起およびコンタクト突起は、例えば0.01mm以上の高低差すなわち高さを有することが望ましい。
なお、図24(A)〜(D)に示した溝および図25(A)〜(D)に示した突起は、例えば、レーザ加工、プレス加工、研削加工等の機械加工、または、エッチング等の化学処理を用いることによって形成することができる。
図26に、実施の形態5に係る防水コネクタに用いられたコンタクト70の要部を示す。コンタクト70は、図6に示したコンタクト20と同様に、接点部71と基板接続部72との間に形成された固定部73を有しており、この固定部73がハウジング10内に埋め込まれる。ただし、固定部73には、接点部71および基板接続部72よりも細く形成されたコンタクト狭窄部75が形成され、コンタクト狭窄部75の外周面に、互いに平行な複数のコンタクト溝74が形成されている。
このように、コンタクト溝74を、接点部71および基板接続部72よりも細いコンタクト狭窄部75の表面に形成することで、コンタクト70の表面に沿った水の浸入路が狭められて浸入する水の量が制限されるため、コンタクト溝74により効果的に防水性を向上させることができる。
なお、コンタクト溝74の代わりに、図25(A)〜(D)に示したような形状のコンタクト突起をコンタクト狭窄部75に形成してもよい。
ただし、コンタクトの固定部にコンタクト溝あるいはコンタクト突起を形成して一体成形を行えば、防水ゴムの取り付け工程、ポッティング剤の塗布工程が不要となり、コスト削減を図ることができると共に、ポッティング剤が塗布位置以外の箇所に付着して製品の品質低下を招くことが回避される。
Claims (15)
- 1つ以上のコンタクトとシェルとが絶縁性樹脂からなるハウジングに一体に成形された防水コネクタにおいて、
前記シェルは、前記ハウジングから露出して相手側コネクタと嵌合する嵌合部と、前記ハウジングから露出して基板に取り付けられる基板取付部と、前記嵌合部と前記基板取付部との間を接続し且つ前記ハウジング内に埋め込まれるハウジング保持部とを有し、
前記ハウジング保持部の表面に、前記ハウジング保持部と前記ハウジングとの界面に沿った水の浸入を遮断するためのシェル防水形状部が形成されていることを特徴とする防水コネクタ。 - 前記シェル防水形状部は、前記ハウジング保持部の表面を前記嵌合部の側と前記基板取付部の側とに分離するように形成されたシェル溝またはシェル突起からなる請求項1に記載の防水コネクタ。
- 前記シェル防水形状部は、前記ハウジング保持部の周囲を囲って閉じるように形成されている請求項2に記載の防水コネクタ。
- 前記シェル防水形状部は、0.01mm以上の高低差を有する請求項2または3に記載の防水コネクタ。
- 前記シェル防水形状部は、複数の前記シェル溝または複数の前記シェル突起からなる請求項2〜4のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記シェル溝または前記シェル突起は、三角形状、円弧形状、四角形状および逆三角形状のいずれかの断面形状を有する請求項2〜5のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記ハウジング保持部は、前記嵌合部よりも細く形成されたシェル狭窄部を含み、
前記シェル防水形状部は、前記シェル狭窄部の表面に形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記ハウジング保持部は、中空の形状を有し、
前記シェル防水形状部は、前記ハウジング保持部の外周面および内周面にそれぞれ形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記コンタクトは、前記ハウジングから露出して前記シェルの前記嵌合部に覆われる接点部と、前記ハウジングから露出して前記基板に接続される基板接続部と、前記接点部と前記基板接続部との間を接続し且つ前記ハウジング内に埋め込まれる固定部とを有し、
前記固定部の表面に、前記固定部と前記ハウジングとの界面に沿った水の浸入を遮断するためのコンタクト防水形状部が形成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の防水コネクタ。 - 前記コンタクト防水形状部は、前記固定部の表面を前記接点部の側と前記基板接続部の側とに分離するように形成されたコンタクト溝またはコンタクト突起からなる請求項9に記載の防水コネクタ。
- 前記コンタクト防水形状部は、前記固定部の周囲を囲って閉じるように形成されている請求項10に記載の防水コネクタ。
- 前記コンタクト防水形状部は、0.01mm以上の高低差を有する請求項10または11に記載の防水コネクタ。
- 前記コンタクト防水形状部は、複数の前記コンタクト溝または複数の前記コンタクト突起からなる請求項10〜12のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記コンタクト溝または前記コンタクト突起は、三角形状、円弧形状、四角形状および逆三角形状のいずれかの断面形状を有する請求項10〜13のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
- 前記固定部は、前記接点部および前記基板接続部よりも細く形成されたコンタクト狭窄部を含み、
前記コンタクト防水形状部は、前記コンタクト狭窄部の表面に形成されている請求項9〜14のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
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