JP2014129720A - 扉の建物躯体への設置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】工期短縮及びコスト削減を図ることが可能な扉の建物躯体への設置構造を提供する。
【解決手段】ヒンジを介して枠の内側に開閉自在に支持される扉の建物躯体への設置構造であって、枠は、ヒンジを有する枠部分と、該ヒンジを有する枠部分とは別体の残りの枠部分と、を有し、ヒンジを有する枠部分は、建物躯体に一体に設けられた鋼材に接続されて支持されており、枠を取り付けるべき開口部を有した建物躯体の壁部は、コンクリート打設により形成されており、コンクリート打設により、ヒンジを有する枠部分は壁部に一体化されるとともに、鋼材は壁部内に埋設一体化されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線遮蔽扉等の扉を建物躯体へ設置する設置構造に関する。
従来、原発施設等の放射性物質を扱う建物には、放射線遮蔽扉が使用されている。その一例として特許文献1にはスライド開閉式の扉が示されている。
特開2000−75091号公報
他方、遮蔽扉には、四方枠等の枠に設けられたヒンジを支点として枠の内側にて旋回して開閉するタイプのものもある。そして、このヒンジ式の場合には、前記枠が、建物躯体の壁部の開口部に固定されることにより、遮蔽扉は建物躯体に設置される。
このようなヒンジ式の遮蔽扉は、通常、前記枠と一体型構造として工場内で製作され、枠と同時に出荷される。これは、放射線遮蔽上の観点から、枠と遮蔽扉との間の隙間管理が重要であり、その条件を担保するには、枠と遮蔽扉とを同時に製作する必要があるためである。
しかしながら、このような同時出荷では、枠及び遮蔽扉の両者の完成を待っての出荷となり、必然、その製作期間は長くなり(通常3〜5ヶ月程度)、材料の発注時期を早めねばならない等、工期の長期化を招く。
また、遮蔽扉は一般に大型のため、輸送上の制約から、工場で組み立てた扉や枠を一旦分解して現場搬入し、再度組み立てを行うことになるが、これら分解・再組み立て作業は、工期の長期化や施工費の増大の一因となる。
更に、建物躯体の壁部がコンクリート造の場合には、その配筋作業よりも前に、前記枠の建物躯体の基礎への設置(据え付け)が終了している必要があるが、上述のような同時出荷では前記枠の納期に引っ張られる形で壁部の工事開始時期が遅れ、結果、建物躯体の工事進捗が遅くなる。
また、建物躯体の壁部に枠を据え付けた際の扉と枠との建て付け状態が、その据え付け条件等によっては、工場で仮組みした時の状態から変化してしまう虞もある。つまり、仮組時に問題無しでも、建物躯体への据え付け後に、扉や枠に想定外の歪みや撓みが発生して扉と枠とが干渉する虞があって、その場合には、手直しに時間や費用を要することとなる。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、工期短縮及びコスト削減を図ることが可能な扉の建物躯体への設置構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明は、
ヒンジを介して枠の内側に開閉自在に支持される扉の建物躯体への設置構造であって、前記枠は、前記ヒンジを有する枠部分と、該ヒンジを有する枠部分とは別体の残りの枠部分と、を有し、前記ヒンジを有する枠部分は、前記建物躯体に一体に設けられた鋼材に接続されて支持されており、前記枠を取り付けるべき開口部を有した前記建物躯体の壁部は、コンクリート打設により形成されており、前記コンクリート打設により、前記ヒンジを有する枠部分は前記壁部に一体化されるとともに、前記鋼材は前記壁部内に埋設一体化されていることを特徴とする。
前記ヒンジを有する枠部分は、前記コンクリート打設の型枠を兼ねることとしてもよい。
前記残りの枠部分は前記壁部との間に空間をあけつつ前記壁部に固定され、前記空間にセメント系のグラウト材が充填されることにより、前記残りの枠部分は前記壁部と一体化されることとしてもよい。
また、ヒンジを介して枠の内側に開閉自在に支持される扉の建物躯体への設置構造であって、前記枠は、前記ヒンジを有する枠部分と、該ヒンジを有する枠部分とは別体の残りの枠部分と、を有し、前記ヒンジを有する枠部分は、前記建物躯体に一体に設けられた鋼材に接続されて支持されており、前記残りの枠部分は、前記建物躯体に固定される骨組み部材と、該骨組み部材に設けられ前記扉の側面と対向する板部材と、前記板部材の前記扉に対する位置を調整する位置調整機構と、を有していることを特徴とする。
前記位置調整機構によって、前記板部材と前記扉とが所定の大きさの隙間をもって対向するように前記板部材の位置を調整されることとしてもよい。
前記板部材と前記建物躯体との間の空間にセメント系のグラウト材を充填されており、当該グラウト材によって前記板部材と前記建物躯体とが一体化されていることとしてよい。
前記板部材の一部は、前記位置調整機構による前記板部材の位置の調整後に前記骨組み部材に固定されることとしてもよい。
本発明によれば、工期短縮及びコスト削減を図ることが可能な扉の建物躯体への設置構造を提供できる。
図1Aは、本実施形態に係る放射線遮蔽扉21の概略正面図であり、図1Bは、図1A中のB−B矢視の概略横断面図である 図1B中のII部の拡大図である。 図1B中のIII部の拡大図である。 図1A中のIV−IV矢視の縦断面図である。 図5A乃至図5Eは、放射線遮蔽扉21の設置方法の説明図である。
===本実施形態===
<<<放射線遮蔽扉21の設置構造>>>
図1A乃至図4は、放射線遮蔽扉21の設置構造の説明図である。図1Aは、放射線遮蔽扉21の概略正面図であり、図1Bは、図1A中のB−B矢視の概略横断面図である。また、図2は、図1B中のII部の拡大図であり、図3は図1B中のIII部の拡大図である。図4は、図1A中のIV−IV矢視の縦断面図である。
図1A及び図1Bに示すように、この放射線遮蔽扉21は、例えば原発施設等の放射性物質を収容する建物1に使用される。建物1の躯体は、放射線を遮蔽すべくRC造等のコンクリート製であり、その躯体床部3から略鉛直に立設された躯体壁部5には、出入口として略矩形の開口部7(以下、躯体開口部7とも言う)が形成されている。そして、この躯体開口部7には、その内周面7aに固定された四方枠31を介して前記遮蔽扉21が設けられている。
なお、以下の説明では、建物1の外側から遮蔽扉21を見た状態に基づいて方向を定義する。例えば、建物1の外側を見込み方向の手前側と言い、建物1の内側を見込み方向の奥側と言う。また、見付け方向を左右方向とも言う。
図1A及び図1Bに示すように、遮蔽扉21は、内部に鉄筋等の不図示の補強材が配置された後にコンクリートが密実充填された鋼製の有底箱部材23を本体とする。そして、上記の四方枠31のヒンジ33に支持されて、例えば遮蔽扉21の左側を戸先側として開閉する。
遮蔽扉21の外観は、正面視矩形状で、見込み方向に所定壁厚を有した略直方体である。そして、その四側面21R,21L,21U,21Dのうちの戸先側を除く三側面21R,21U,21Dは、図2及び図4に示すように、見込み方向と略平行な面に形成されているが、図3に示す戸先側の側面21Lは、見込み方向から斜めに傾いた傾斜面に形成されている。また、これら四側面21R,21L,21U,21Dには、それぞれ、見込み方向の略中間位置に段差部ST1が形成されており、つまり、段差部ST1を境界として、各側面21R,21L,21U,21Dにおける見込み方向の手前側部分よりも同奥側部分の方が、側方の内方へ階段状に引っ込んでいる。そして、これに対応させて、四方枠31の内周面31aも段差部ST2を有し、この段差部ST2を境界として、同内周面31aにおける見込み方向の手前側部分よりも同奥側部分の方が、側方の内方へ階段状に突出しており、これにより、遮蔽扉21と四方枠31との間には、略クランク形状の隙間Gが設けられている。そして、当該略クランク形状の隙間Gによれば、放射線の直線的通過を阻止し、これにより、遮蔽扉21と四方枠31との間に所期の隙間Gを確保しながらも、当該隙間Gからの放射線の漏洩を確実に防止する。
図1A及び図1Bに示すように、四方枠31は、例えば鋼製の矩形枠であり、詳しくは、見付け方向の左右両側にそれぞれ配置された縦枠部分40,50と、これら縦枠部分40,50の上端部に架け渡された上枠部分60と、同縦枠部分40,50の下端部に架け渡された下枠部分70と、を有する。そして、右側の縦枠部分40の上下方向の両端部には、それぞれヒンジ33が設けられており、これら上下一対のヒンジ33,33を支点C33として遮蔽扉21が外開きに開閉自在に支持されている。以下、右側の縦枠部分40、左側の縦枠部分50、上枠部分60、及び下枠部分70について説明する。
(1)右側の縦枠部分40
図2に示すように、右側の縦枠部分40、つまりヒンジ33を有する縦枠部分40は、アングル材42等を介して第1プレート部材41と第2プレート部材43とを直角に接合してなる水平断面形状が略L字状の部材を本体とする。そして、第1プレート部材41は前記躯体開口部7の内周面7aを覆って密着配置され、第2プレート部材43は躯体壁部5の外壁面5aを覆って密着配置される。ここで、第1プレート部材41及び第2プレート部材43の両者ともスタッドジベル49を具備しており、これらスタッドジベル49は躯体壁部5に埋設されている。また、第2プレート部材43については、躯体壁部5内に鉛直に埋設された支持部材45としてのH形鋼45にも適宜な連結構造を介して連結支持されており、更に、この支持部材45の下端部は、躯体床部3内に埋設された鉄筋等の補強材(不図示)に一体に固定されている。よって、当該縦枠部分40は、躯体壁部5及び躯体床部3に強固に一体化されていることになり、これにより、重量物の前記遮蔽扉21を支持するのに十分な強度が確保されている。
なお、上記連結構造の一例としては、図2に示すように、支持部材45たるH形鋼の一対のフランジ45f,45fにアングル材A1を介して架け渡されて固定された連結プレート45p,45pと、第2プレート部材43から躯体壁部5の内方へ向けて一体に延設された連結プレート43p,43pとの両者を重ね合わせてボルトBにより締結した構造等が挙げられる。
また、遮蔽扉21におけるヒンジ側側面たる右側側面21Rと、前記縦枠部分40との間には、前述したように水平断面視略クランク形状の隙間Gが形成される必要がある。そのため、遮蔽扉21の前記右側側面21Rと対向すべき第1プレート部材41は、見込み方向の手前側部分と同奥側部分とで、見付け方向への突出量が異なった形状を有している。そして、この形状を達成すべく、手前側部分と奥側部分とは互いに別部材で構成されている。すなわち、手前側部分はプレート体41aであるが、奥側部分は、水平断面形状がコ字形状の部材41bであり、コ字形状の分だけ見付け方向の内方に突出し、これにより、手前側部分たるプレート体41aとの間に前記段差部ST2が設けられている。なお、このコ字形状の部材41bの固定は、その見込み方向の両端部を、それぞれアングル材A2等を介して前記プレート体41a及び躯体開口部7の内周面7aに固定することでなされる。また、この固定状態において、コ字形状の部材41bが、躯体開口部7の内周面7aとによって囲む略閉空間(図2中のグレーの領域を参照)には、セメント系のグラウト材としてモルタルM41が密実に充填され、これにより放射線を有効に遮蔽する。
(2)左側の縦枠部分50
図3に示すように、左側の縦枠部分50、つまり遮蔽扉21の戸先側側面21Lと対向する縦枠部分50は、前記戸先側側面21Lの傾斜形状に対応させて水平断面形状が略三角形に形成されているとともに、同断面形状が上下方向に亘って維持された中空部材50を本体とする。すなわち、この中空部材50は、見込み方向の手前側から同奥側へ向かうに従って見付け方向に徐々に突出した略三角形になっている。また、中空部材50において遮蔽扉21の戸先側側面21Lと対向する側は板部材51で塞がれているが、躯体開口部7の内周面7aと対向する側は、板部材で塞がれておらず、これにより、この中空部材50内の中空空間SP50(図3中のグレーの領域を参照)は、躯体開口部7の内周面7aに臨んでいる。そして、躯体開口部7の内周面7aに中空部材50を取り付けた状態においては、中空部材50の中空空間SP50は、前記内周面7aにより略閉空間に区画され、更に、この略閉空間には、放射線を遮蔽すべくセメント系のグラウト材としてモルタルM50(図3中のグレーの領域を参照)が密実に充填されている。
また、前述した右側の縦枠部分40と同様に、この左側の縦枠部分50も、これと対向する遮蔽扉21の戸先側側面たる左側側面21Lとの間に、水平断面視略クランク形状の隙間Gが形成される必要がある。そのため、中空部材50は、見込み方向の略中間位置において段差部ST2を有し、この段差部ST2を境界として、見込み方向の手前側部分よりも奥側部分の方が階段状に見付け方向の内方に突出している。
このような中空部材50は、例えば複数のアングル材53a,53b等を上下方向に延びる梯子状に組んでなる骨組み部材53と、この骨組み部材53の右側から同骨組み部材53に溶接固定等されて前記骨組み部材53の内側に前記中空空間SP50を区画する上記板部材51と、前記骨組み部材53を躯体開口部7の内周面7aに固定支持するための支持ブラケットBR1,BR2,BR3と、から主に構成される。
骨組み部材53は、上下方向に沿って延在する複数の鉛直材53aに対して、上下方向に適宜間隔で複数の水平材53bを溶接固定等して形成される。
一方、板部材51は、前述の段差部ST2を境界として、見込み方向の手前側を覆うプレート51aと、奥側を覆うプレート51bと、とに分かれて構成されている。これは、詳細には後述するが、中空部材50の遮蔽扉21に対する位置調整をしながら当該中空部材50を躯体開口部7の内周面7aに固定する際に、その位置調整作業の容易化の観点から、奥側のプレート51bについては、骨組み部材53から外す必要があるためである。
支持ブラケットBR1,BR2,BR3は、スタッドボルトやケミカルアンカー等のアンカー部材ANCを介して躯体開口部7の内周面7aに固定されている。そして、支持ブラケットBR1,BR2,BR3に、骨組み部材53の水平材53b又は鉛直材53aが適宜な固定構造で固定されることにより中空部材50は躯体開口部7に支持される。図示例では、支持ブラケットBR1,BR2,BR3は、見込み方向に関しては、同方向の両端部の各位置と、これら各位置の略中間位置たる前記段差部ST2の位置との三カ所にそれぞれ配置されている。そして、これら見込み方向に係る三カ所のうちで、見込み方向の手前側端部の支持ブラケットBR1については、上下方向に亘って延在するアングル材が使用され、このアングル材BR1に、骨組み部材53の手前側端部の鉛直材53aが重ね合わされて溶接固定されている。他方、見込み方向に係る残りの二カ所の支持ブラケットBR2,BR3(つまり、段差部ST2の位置の支持ブラケットBR2と、見込み方向の奥側端部の支持ブラケットBR3)にあっては、それぞれ、上下方向の複数の位置に離散配置されており、各支持ブラケットBR2,BR3には、その近傍の水平材53bがボルト止め等されている(図3ではボルトは不図示)。
ここで、後者のボルト止め構造は、中空部材50の遮蔽扉21に対する位置調整を容易に行えるように位置調整機構を有している。すなわち、支持ブラケットBR2,BR3のボルト孔Hと水平材53bのボルト孔Hとは、どちらか一方が見込み方向に長い長孔に形成され、残る一方は、見付け方向に長い長孔に形成されている。よって、これら長孔におけるボルト位置の調整により、中空部材50の遮蔽扉21に対する位置を見込み方向及び見付け方向に関して容易に調整することができる。但し、位置調整方法は、何等上述のボルト孔Hの形状に限るものではなく、例えば、支持ブラケットBR1,BR2,BR3の設置位置ごと中空部材50を見込み方向及び見付け方向にずらすことにより、中空部材50の遮蔽扉21に対する見込み方向及び見付け方向の位置を調整しても良い。
(3)上枠部分60
図4に示すように、上枠部分60は、遮蔽扉21の上側側面21Uに対向されつつ躯体開口部7の内周面7aに固定され、前述したように、遮蔽扉21の上側側面21Uとの間に鉛直断面視略クランク形状の隙間Gを形成する。このため、上枠部分60は、鉛直断面形状が略階段状に形成されるとともに、同断面形状が見付け方向(図4の紙面を貫く方向)の全長に亘って維持された中空部材60を本体とする。詳しくは、この中空部材60は、見込み方向の略中間位置において段差部ST2を有し、この段差部ST2を境界として、見込み方向の手前側部分よりも奥側部分の方が階段状に下方に突出している。また、中空部材60において遮蔽扉21の上側側面21Uと対向する側は板部材61により塞がれているが、躯体開口部7の内周面7aと対向する側は板部材で塞がれておらず、これにより、この中空部材60内の中空空間SP60(図4中のグレーの領域を参照)が、躯体開口部7の内周面7aに臨んでいる。そして、躯体開口部7の内周面7aに中空部材60を取り付けた状態においては、中空部材60の中空空間SP60は、前記内周面7aにより略閉空間に区画され、更に、この略閉空間には、放射線を遮蔽すべくセメント系のグラウト材としてモルタルM60(図4中のグレーの領域を参照)が密実に充填されている。
このような中空部材60は、例えば、複数のアングル材63a,63b等を見付け方向に延びる梯子状に組んでなる骨組み部材63と、この骨組み部材63の下方から同骨組み部材63に溶接固定等されて骨組み部材63の内側に前記中空空間SP60を区画する上記板部材61と、前記骨組み部材63を躯体開口部7の内周面7aに固定支持するための支持ブラケットBR4,BR5,BR6と、から主に構成される。
板部材61は、前述の段差部ST2を境界として見込み方向の手前側を覆うプレート61aと、同奥側を覆うプレート61bと、とに分かれて構成され、それぞれ、骨組み部材63に溶接固定等される。このように分けている理由は、上述の左側の縦枠部分50の場合と同じである。つまり、中空部材60を躯体開口部7の内周面7aに固定する際には、これに併せて中空部材60の遮蔽扉21に対する位置調整も行うが、その際に、位置調整作業の容易化を図るべく、奥側のプレート61bについては骨組み部材63から外す必要があるためである。なお、詳細には後述する。
支持ブラケットBR4,BR5,BR6は、スタッドボルトやケミカルアンカー等のアンカー部材ANCを介して躯体開口部7の内周面7aに固定されている。そして、支持ブラケットBR4,BR5,BR6に、骨組み部材63の鉛直材63a等が適宜な固定構造で固定されることにより中空部材60は躯体開口部7に固定支持される。図示例では、支持ブラケットBR4,BR5,BR6は、見込み方向に関しては、同方向の両端部の各位置と、これら各位置の略中間位置たる前記段差部ST2の位置との三カ所にそれぞれ配置されている。そして、これら見込み方向に係る三カ所のうちで、見込み方向の手前側端部の支持ブラケットBR4については、見付け方向に亘って延在するアングル材が使用され、このアングル材BR4に、中空部材60に係る手前側のプレート61aの手前側端縁の屈曲部61apが溶接固定されている。他方、見込み方向に係る残りの二カ所の支持ブラケットBR5,BR6(つまり、段差部ST2の位置の支持ブラケットBR5と、見込み方向の奥側端部の支持ブラケットBR6)にあっては、それぞれ、見付け方向の複数の位置に離散配置されており、各支持ブラケットBR5,BR6には、その近傍の鉛直材63aがボルト止め等されている(図4ではボルトは不図示)。
ここで、後者のボルト止め構造に対しては、上述の左側の縦枠部分50と同様の位置調整機構が適用されており、つまり、支持ブラケットBR5,BR6のボルト孔H及び鉛直材63aのボルト孔Hのどちらか一方が見込み方向に長い長孔に形成され、残る一方は、上下方向に長い長孔に形成されている。但し、位置調整方法は、何等上述のボルト孔Hの形状に限るものではなく、例えば、支持ブラケットBR4,BR5,BR6の設置位置ごと中空部材60を見込み方向及び上下方向にずらすことにより、中空部材60の遮蔽扉21に対する見込み方向及び上下方向の位置を調整しても良い。
(4)下枠部分70
図4に示すように、下枠部分70は、遮蔽扉21の下側側面21Dと対向されつつ躯体開口部7の内周面7aに固定され、前述したように、遮蔽扉21の下側側面21Dとの間に鉛直断面視略クランク形状の隙間Gを形成する。このため、下枠部分70は、鉛直断面形状が略階段状に形成されるとともに、同断面形状が見付け方向(図4の紙面を貫く方向)の全長に亘って維持された中空部材70を本体とする。詳しくは、中空部材70は、見込み方向の略中間位置において段差部ST2を有し、この段差部ST2を境界として、見込み方向の手前側部分よりも奥側部分の方が階段状に上方に突出している。また、中空部材70において遮蔽扉21の下側側面21Dと対向する側は板部材71により塞がれているが、躯体開口部7の内周面7aと対向する側は板部材で塞がれておらず、これにより、この中空部材70内の中空空間SP70(図4中のグレーの領域を参照)が、躯体開口部7の内周面7aに臨んでいる。そして、躯体開口部7の内周面7aに中空部材70を取り付けた状態においては、中空部材70の中空空間SP70は、前記内周面7aにより略閉空間に区画され、更に、この略閉空間には、放射線を遮蔽すべくセメント系のグラウト材としてモルタルM70(図4中のグレーの領域を参照)が密実に充填されている。
このような中空部材70は、例えば、複数のアングル材73a,73b等を左右の見付け方向に延びる梯子状に組んでなる骨組み部材73と、この骨組み部材73の上方から同骨組み部材73に溶接固定等されて前記骨組み部材73の内側に前記中空空間SP70を区画する上記板部材71と、前記骨組み部材73を躯体開口部7の内周面7aに固定支持するための支持ブラケットBR7,BR8,BR9と、から主に構成される。
骨組み部材73は、見付け方向(図4中の紙面を貫く方向)に沿って延在する複数の水平材73aに対して、見込み方向に延在する複数の水平材73bを見付け方向に適宜間隔で溶接固定等して形成される。
板部材71は、前述の段差部ST2を境界として、見込み方向の手前側を覆うプレート71aと、奥側を覆うプレート71bと、とに分かれて構成され、それぞれ、骨組み部材73に溶接固定等される。このように分けている理由は、上述の上枠部分60の場合と同じであり、詳細には後述する。
支持ブラケットBR7,BR8,BR9は、スタッドボルトやケミカルアンカー等のアンカー部材ANCを介して躯体開口部7の内周面7aに固定されている。そして、支持ブラケットBR7,BR8,BR9に、骨組み部材73の水平材73aが溶接固定等されることにより中空部材70は躯体開口部7に固定支持される。図示例では、支持ブラケットBR7,BR8,BR9は、見込み方向に関しては、同方向の両端の各位置と、これら各位置の略中間位置たる前記段差部ST2の位置との三カ所にそれぞれ配置され、各支持ブラケットBR7,BR8,BR9は、見付け方向の全長に亘り延在して配置されている。そして、各支持ブラケットBR7,BR8,BR9には、それぞれ、その近傍の前記水平材73aが溶接固定されている。よって、この図示例の場合には、中空部材70の遮蔽扉21に対する見込み方向及び上下方向の位置調整は、支持ブラケットBR7,BR8,BR9の見込み方向の設置位置や支持ブラケットBR7,BR8,BR9に対する骨組み部材73の上下方向の重ね合わせ代の調整等により行われる。但し、上述した左側の縦枠部分50や上枠部分60のように位置調整機構を設け、これにより位置調整しても良い。
<<<放射線遮蔽扉21の設置方法について>>>
図5A乃至図5Eは、放射線遮蔽扉21の設置方法の説明図であり、何れの図も正面視で示している。
なお、以下では、図5Aに示す状態を初期状態として説明する。すなわち、初期状態として、建物1の基礎たる躯体床部3は概ね完成状態にあるが、躯体壁部5の方は未だ未形成状態にあるものとする。また、躯体床部3の上面には同躯体床部3と一体に、H形鋼からなる前記支持部材45が立設済みであるものとする。
先ず、上記初期状態に係る作業と並行して、工場にて右側の縦枠部分40に係る第2プレート部材43を製作し、現場搬入する。なお、この搬入時点の第2プレート部材43には、既にヒンジ33が設置済みである。
次に、図5Bに示すように、予めスタッドジベル49を植設済みの第2プレート部材43を、躯体床部3から立設する前記支持部材45に固定する。すなわち、図2に示すように、支持部材45が具備する連結プレート45pと、第2プレート部材43が具備する連結プレート43pとを互いに重ね合わせてボルトBにより締結固定する。そうしたら、アングル材42を介して第2プレート部材43に第1プレート部材41を直角に接続し、これにより、右側の縦枠部分40の主要部が、建物の基礎3に設置された状態になる。すなわち、この工程が、請求項に係る「第1工程」に相当する。
ちなみに、ここで「右側の縦枠部分40の主要部」と述べたのは、この時点の第1プレート部材41にあっては、見込み方向の手前側部分たるプレート体41aのみを有し、奥側部分たるコ字形状の部材41bについては未だ備えていないからである。このコ字形状の部材41bは、後述するように、遮蔽扉21をヒンジ33に取り付けた後に取り付けられる。
次に、図5Cに示すように、躯体開口部7を有した躯体壁部5をコンクリートにより構築する(請求項に係る「壁部形成工程」に相当)。すなわち、構築すべき躯体壁部5の外壁面5a及び内壁面5bとなる位置、並びに、躯体開口部7の内周面7aとなる位置に不図示の型枠を配置することにより、構築すべき躯体壁部5の形状の空間を区画形成し、また、これと同時並行又は相前後して、同空間に鉄筋等の補強材(不図示)を配置する。そして、同空間にコンクリートを打設し、当該コンクリートの硬化後に型枠を取り外すことにより、図5Cに示すように、躯体開口部7を有した躯体壁部5が構築される。ちなみに、コンクリートを打設する前記空間内には、前記支持部材45が位置しており、また、前記右側の縦枠部分40は、型枠の一部として機能し、これにより、これら支持部材45及び右側の縦枠部分40は躯体壁部5と一体化される(図2を参照)。
次に、図5Dに示すように、前記右側の縦枠部分40のヒンジ33に遮蔽扉21を取り付けて支持させる(請求項に係る「第2工程」に相当)。すなわち、上述の図5B及び図5Cの如き現場工事(第2プレート部材43の支持部材45への取り付けや躯体壁部5の構築等)と並行して工場で製作された遮蔽扉21の鋼製無蓋有底箱部材23を現場搬入し、この箱部材23を、右側の縦枠部分40のヒンジ33へと吊り込んで、箱部材23をヒンジ33に取り付けて支持させる。なお、この時点では、箱部材23内にはコンクリートは未だ充填されていないので、その重量は比較的軽く容易に吊り込むことができる。そして、箱部材23内に鉄筋等の補強材(不図示)を配置し、同箱部材23内にコンクリート打設・充填した後に、箱部材23の上面を蓋部材(不図示)で覆って塞ぐことにより、遮蔽扉21の前記縦枠部分40への取り付けが終了する。
次に、図5Eに示すように、四方枠31における残りの枠部分(右側の縦枠部分40におけるコ字形状の部材41b、左側の縦枠部分50、上枠部分60、及び下枠部分70)を、前記遮蔽扉21を取り付け位置基準として用いながら躯体開口部7の内周面7aに取り付ける(請求項に係る「第3工程」に相当)。
なお、これら残りの枠部分41b,50,60,70の製作も上記工場でなされるが、当該製作にあっては、上述の右側の縦枠部分40の現場搬入後に行うことができる。つまり、上述の図5B乃至図5Dの如き右側の縦枠部分40や遮蔽扉21に係る現場工事(第2プレート部材43の支持部材45への取り付けや、躯体壁部5の構築、遮蔽扉21の右側の縦枠部分40への取り付け等)と同時並行で、これら残りの枠部分(コ字形状の部材41b、左側の縦枠部分50、上枠部分60、下枠部分70)を製作することができる。よって、工期短縮を図れる。
また、これら残りの枠部分41b,50,60,70の取り付け順は基本的に順不同であり、以下で説明する取り付け順は単なる一例に過ぎず、何等この取り付け順に限るものではない。
先ず、図2に示すように、右側の縦枠部分40に係る残部たるコ字形状の部材41bを躯体開口部7の内周面7aに取り付ける。その際には、実際に遮蔽扉21を閉状態にして、当該閉状態の遮蔽扉21の右側側面21Rとの間の隙間Gが、所期の管理公差に収まるように、前記コ字形状の部材41bを、見付け方向及び見込み方向に位置調整しながら固定する。なお、見付け方向だけでなく見込み方向にも隙間Gの管理公差を有しているのは、前述したように前記隙間Gの形状が略クランク形状だからである。また、前記内周面7aへの固定は、前述のアングル材A2を用いて行われる。そして、当該コ字形状の部材41bの固定後には、コ字形状の部材41bが前記内周面7aとで区画する略閉空間にグラウト材M41(図2中のグレーの領域を参照)を密実に充填し、これによりコ字形状の部材41bは躯体壁部5に一体化される。
次に、図3に示すように、左側の縦枠部分50を、躯体開口部7の内周面7aに取り付ける。その際には、上述と同様に、遮蔽扉21を閉状態にして、当該閉状態の遮蔽扉21の左側側面21Lとの間の隙間Gが、所期の管理公差に収まるように前記縦枠部分50たる中空部材50を見付け方向及び見込み方向に位置調整する。ここで、この位置調整は、例えば、前述の位置調整機構、つまり内周面7a側の支持ブラケットBR2,BR3と骨組み部材53側の水平材53bとの前記ボルト止め構造により行われる。但し、このボルト止め構造は、中空部材50の中空空間SP50内における奥側部分に位置しているので、中空部材50の奥側部分が前記プレート51bで覆われていると、ボルト止め構造に作業者の手が届き難くなる。そのため、この位置調整の時点では、中空部材50の手前側部分を覆う前記プレート51aのみが骨組み部材53に取り付けられていて、奥側部分を覆う前記プレート51bは骨組み部材53から外されている。そして、この位置調整後に、この位置関係を固定すべく、支持ブラケットBR2,BR3と骨組み部材53の水平材53bとを溶接固定し、また支持ブラケットBR1と骨組み部材53の鉛直材53aとを溶接固定する。そして、奥側部分に係る前記プレート51bを骨組み部材53に溶接固定して蓋をし、しかる後に、中空部材50が前記内周面7aとで区画する略閉空間にグラウト材M50(図3中のグレーの領域を参照)を密実に充填し、これにより、中空部材50たる左側の縦枠部分50は躯体壁部5に一体化される。
次に、図4に示すように、上枠部分60を躯体開口部7の内周面7aに取り付ける。その際には、上述と同様に、遮蔽扉21を閉状態にして、当該閉状態の遮蔽扉21の上側側面21Uとの間の隙間Gが、所期の管理公差に収まるように前記上枠部分60たる中空部材60を上下方向及び見込み方向に位置調整する。ここで、この位置調整は、例えば、前述の位置調整機構、つまり内周面7a側の支持ブラケットBR5,BR6と骨組み部材63側の鉛直材63aとのボルト止め構造により行われる。但し、このボルト止め構造も、中空部材60の中空空間SP60内における奥側部分に位置しているので、中空部材60の奥側部分が前記プレート61bで覆われていると、ボルト止め構造に作業者の手が届き難くなる。そのため、この位置調整の時点では、中空部材60の手前側部分を覆う前記プレート61aのみが骨組み部材63に取り付けられていて、奥側部分を覆う前記プレート61bは骨組み部材63から外されている。そして、この位置調整後に、この位置関係を固定すべく、前記支持ブラケットBR5,BR6と骨組み部材63の鉛直材63aとを溶接固定し、また前記支持ブラケットBR4と前記プレート61aの屈曲部61apとを溶接固定する。そして、奥側部分に係る前記プレート61bを骨組み部材63に溶接固定して蓋をし、しかる後に、中空部材60が前記内周面7aとで区画する略閉空間にグラウト材M60(図4中のグレーの領域を参照)を密実に充填し、これにより、中空部材60たる上枠部分60は躯体壁部5に一体化される。
最後に、同図4に示すように、下枠部分70を躯体開口部7の内周面7aに取り付ける。その際には、上述と同様に、遮蔽扉21を閉状態にして、当該閉状態の遮蔽扉21の下側側面21Dとの間の隙間Gが、所期の管理公差に収まるように前記下枠部分70たる中空部材60を上下方向及び見込み方向に位置調整する。ここで、この位置調整は、例えば、支持ブラケットBR7,BR8,BR9の設置位置や支持ブラケットBR7,BR8,BR9に対する骨組み部材73の上下方向の重ね合わせ代の調整により行われる。但し、少なくとも段差部ST2に位置する支持ブラケットBR8については、中空部材70の中空空間SP70内に位置してしまうので、中空部材70の奥側部分が前記プレート71bで覆われていると、前記支持ブラケットBR8に作業者の手が届き難くなる。そのため、この位置調整の時点では、中空部材70の奥側部分を覆うプレート71bは、骨組み部材73から外されている。そして、この位置調整作業や、位置調整後の位置関係を固定する溶接作業後に、奥側部分に係る前記プレート71bを骨組み部材73に溶接固定して蓋をし、しかる後に、中空部材70が前記内周面7aとで区画する略閉空間にグラウト材M70(図4中のグレーの領域を参照)を密実に充填し、これにより、中空部材70たる下枠部分70は躯体壁部5に一体化される。
ちなみに、これら残りの枠部分(コ字形状の部材41b、左側の縦枠部分50、上枠部分60、下枠部分70)の躯体開口部7への取り付け作業は、内部にコンクリートが充填されてなる完成状態の遮蔽扉21を取り付け位置基準として用いながら行われる。よって、遮蔽扉21の自重に起因した歪みや撓みを考慮して、前記残りの枠部分41b,50,60,70を設置できるので、遮蔽扉21と前記残りの枠部分41b,50,60,70との間の隙間Gを所期の管理公差に確実に収めることができて、その結果、手直しに要する時間やその費用の削減を図れる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態では、扉の一例として四方枠31のヒンジ33に支持された放射線遮蔽扉21を例示したが、ヒンジを介して枠に支持される扉であれば、何等これに限るものではなく、例えば、三方枠(左右一対の縦枠部分40,50と上枠部分60とを有する枠)でも良いし、放射線を遮蔽しない普通の扉でも良い。
上述の実施形態では、支持部材45の一例としてH形鋼を例示したが、何等これに限るものではなく、溝形鋼や鋼製パイプでも良い。
上述の実施形態では、コンクリート製の建物躯体を例示したが、何等これに限るものではなく、鉄等の金属製であっても良い。
なお、以下の発明も本明細書及び図面に開示されている。
第1に示す発明は、
ヒンジを介して枠の内側に開閉自在に支持される扉の建物躯体への設置方法であって、
前記枠のうちで前記ヒンジを有する枠部分を建物躯体の基礎に設置する第1工程と、
前記ヒンジに前記扉を取り付けて前記枠部分に前記扉を支持させる第2工程と、
前記ヒンジに取り付けられた前記扉を基準として前記枠における残りの枠部分を建物躯体に取り付ける第3工程と、を有することを特徴とする。
上記第1に示す発明によれば、ヒンジを有する枠部分の建物躯体の基礎への設置後に、前記ヒンジに扉を取り付けて、当該扉を基準として前記残りの枠部分を建物躯体へ取り付ける。よって、扉と前記残りの枠部分との間の隙間を所期の管理公差に確実に収めることができて、その結果、手直しに要する時間やその費用の削減を図れる。
また、この場合、枠と扉とを同時出荷する必要は無く、すなわち、少なくとも前記ヒンジを有する枠部分を先行製作して建物躯体の基礎に設置しておけば、前記枠を取り付けるべき建物躯体の部分の躯体工事を開始可能である。よって、前記枠や扉に係る全部品の完成を待たずに躯体工事に着手可能となり、工期短縮を図れる。
第2に示す発明は、第1に記載の扉の建物躯体への設置方法であって、
前記第1工程において、前記ヒンジを有する枠部分は、前記建物躯体の基礎に一体に立設する支持部材に接続されることにより、前記基礎に設置されることを特徴とする。
上記第2に示す発明によれば、支持部材は建物躯体の基礎に一体に立設している。よって、前記ヒンジを有する枠部分を確実に支持することができる。
第3に示す発明は、第2に記載の扉の建物躯体への設置方法であって、
前記枠を取り付けるべき開口部を有した前記建物躯体の壁部を、コンクリート打設により形成する壁部形成工程を、前記第2工程よりも前に有し、
前記コンクリート打設により、前記ヒンジを有する枠部分は前記壁部に一体化されるとともに、前記支持部材は前記壁部内に埋設一体化されることを特徴とする。
上記第3に示す発明によれば、前記ヒンジを有する枠部分は、壁部に一体化されるとともに、前記支持部材も壁部に埋設一体化されるので、前記ヒンジを有する枠部分の支持可能荷重を格段に高めることができる。
第4に示す発明は、第3に記載の扉の建物躯体への設置方法であって、
前記壁部形成工程において、前記ヒンジを有する枠部分は、前記コンクリート打設の型枠を兼ねることを特徴とする。
上記第4に示す発明によれば、前記コンクリート打設に係る型枠の一部を省略することができて、コスト削減を図れる。
第5に示す発明は、第3又は4に記載の扉の建物躯体への設置方法であって、
前記残りの枠部分は前記壁部との間に空間をあけつつ前記壁部に固定され、
前記空間にセメント系のグラウト材が充填されることにより、前記残りの枠部分は前記壁部と一体化されることを特徴とする。
上記第5に示す発明によれば、前記壁部との間に前記空間をあけつつ前記壁部に固定されるので、前記空間の大きさの調整により、前記残りの枠部分と前記扉との間の隙間の大きさを所期の管理公差に容易に収めることができる。
また、最終的に前記空間にはセメント系のグラウト材が充填される。よって、放射線を確実に遮蔽することができて、当該設置方法を、放射性物質を扱う建物に対して有効に適用可能となる。
第6に示す発明は、第1乃至5の何れかに記載の扉の建物躯体への設置方法であって、
前記扉は、有底箱部材と、該有底箱部材の内部に充填されるコンクリートと、を本体とし、
前記第2工程では、前記ヒンジに前記有底箱部材が取り付けられた後に、該有底箱部材内に前記コンクリートが充填されることを特徴とする。
上記第6に示す発明によれば、前記有底箱部材内にコンクリートが充填されてなる扉の完成状態で、前記第3工程を行うことになる。これにより、扉の自重に起因した歪みや撓みを考慮して、前記残りの枠部分を設置できるので、扉と前記残りの枠部分との間の隙間を管理値内に確実に収めることができて、その結果、手直しに要する時間やその費用の削減を図れる。
第7に示す発明は、第1乃至6の何れかに記載の扉の建物躯体への設置方法であって、
前記残りの枠部分は、前記建物躯体に固定される骨組み部材と、該骨組み部材に設けられ前記扉の側面と対向する板部材と、前記板部材の前記扉に対する位置を調整する位置調整機構と、を有し、
前記第3工程では、前記位置調整機構によって、前記板部材と前記扉とが所定の大きさの隙間をもって対向するように前記板部材の位置を調整し、
当該調整後に、前記板部材と前記建物躯体との間の空間にセメント系のグラウト材を充填して前記板部材と前記建物躯体とを一体化することを特徴とする。
上記第7に示す発明によれば、位置調整機構を用いることにより、扉と前記残りの枠部分との間の隙間を管理公差内に確実に収めることができる。
第8に示す発明は、第7に記載の扉の枠の建物躯体への設置方法であって、
前記板部材の一部は、前記位置調整機構による前記板部材の位置の調整後に前記骨組み部材に固定されることを特徴とする。
上記第8に示す発明によれば、位置調整の際には、板部材の一部は未だ骨組み部材に固定されていないので、そこを通じて位置調整機構を操作し易くなり、位置調整作業を行い易くなる。
第9に示す発明は、ヒンジを介して枠の内側に開閉自在に支持される扉の建物躯体への設置構造であって、
前記枠は、前記ヒンジを有する枠部分と、該ヒンジを有する枠部分とは別体の残りの枠部分と、を有し、
前記ヒンジを有する枠部分は、前記建物躯体に一体に設けられた支柱部材に接続されて支持されていることを特徴とする。
上記第9に示す発明によれば、少なくとも前記ヒンジを有する枠部分を先行して製作して建物躯体の基礎に設置しておけば、前記枠を取り付けるべき建物躯体の部分の躯体工事を開始可能である。よって、前記枠や扉に係る全部品の完成を待たずに躯体工事に着手可能となり、工期短縮やコスト削減を図れる。
また、支持部材は建物躯体に一体に設けられている。よって、前記ヒンジを有する枠部分を確実に支持することができる。
1 建物、3 躯体床部(基礎)、
5 躯体壁部(壁部)、5a 外壁面、5b 内壁面、
7 躯体開口部(開口部)、7a 内周面、
21 放射線遮蔽扉(扉)、21L 左側側面(戸先側側面)、
21R 右側側面、21U 上側側面、21D 下側側面、
23 有底箱部材、31 四方枠(枠)、31a 内周面、
33 ヒンジ、40 右側の縦枠部分、
41 第1プレート部材、41a プレート体、
41b コ字形状の部材(残りの枠部分)、
43 第2プレート部材、43p 連結プレート、
45 支持部材、45f フランジ、45p 連結プレート、
49 スタッドジベル、50 中空部材(左側の縦枠部分、残りの枠部分)、
51 板部材、51a プレート、51b プレート(板部材の一部)、
53 骨組み部材、53a 鉛直材、53b 水平材、
60 中空部材(上枠部分、残りの枠部分)、61 板部材、
61a プレート、61ap 屈曲部、61b プレート(板部材の一部)、
63 骨組み部材、63a 鉛直材、63b アングル材、
70 中空部材(下枠部分、残りの枠部分)、
71 板部材、71a プレート、71b プレート(板部材の一部)、
73 骨組み部材、73a 水平材、73b 水平材、
B ボルト、H ボルト孔、G 隙間、A1 アングル材、A2 アングル材、
ST1 段差部、ST2 段差部、ANC アンカー部材、
BR1 支持ブラケット、BR2 支持ブラケット、BR3 支持ブラケット、
BR4 支持ブラケット、BR5 支持ブラケット、BR6 支持ブラケット、
BR7 支持ブラケット、BR8 支持ブラケット、BR9 支持ブラケット、
C33 支点、
M41 モルタル(グラウト材)、M50 モルタル(グラウト材)、
M60 モルタル(グラウト材)、M70 モルタル(グラウト材)、
SP50 中空空間、SP60 中空空間、SP70 中空空間

Claims (7)

  1. ヒンジを介して枠の内側に開閉自在に支持される扉の建物躯体への設置構造であって、
    前記枠は、前記ヒンジを有する枠部分と、該ヒンジを有する枠部分とは別体の残りの枠部分と、を有し、
    前記ヒンジを有する枠部分は、前記建物躯体に一体に設けられた鋼材に接続されて支持されており、
    前記枠を取り付けるべき開口部を有した前記建物躯体の壁部は、コンクリート打設により形成されており、
    前記コンクリート打設により、前記ヒンジを有する枠部分は前記壁部に一体化されるとともに、前記鋼材は前記壁部内に埋設一体化されていることを特徴とする扉の建物躯体への設置構造。
  2. 請求項1に記載の扉の建物躯体への設置構造であって、
    前記ヒンジを有する枠部分は、前記コンクリート打設の型枠を兼ねることを特徴とする扉の建物躯体への設置構造。
  3. 請求項1又は2に記載の扉の建物躯体への設置構造であって、
    前記残りの枠部分は前記壁部との間に空間をあけつつ前記壁部に固定され、
    前記空間にセメント系のグラウト材が充填されることにより、前記残りの枠部分は前記
    壁部と一体化されることを特徴とする扉の建物躯体への設置構造。
  4. ヒンジを介して枠の内側に開閉自在に支持される扉の建物躯体への設置構造であって、
    前記枠は、前記ヒンジを有する枠部分と、該ヒンジを有する枠部分とは別体の残りの枠部分と、を有し、
    前記ヒンジを有する枠部分は、前記建物躯体に一体に設けられた鋼材に接続されて支持されており、
    前記残りの枠部分は、前記建物躯体に固定される骨組み部材と、該骨組み部材に設けられ前記扉の側面と対向する板部材と、前記板部材の前記扉に対する位置を調整する位置調整機構と、を有していることを特徴とする扉の建物躯体への設置構造。
  5. 請求項4に記載の扉の建物躯体への設置構造であって、
    前記位置調整機構によって、前記板部材と前記扉とが所定の大きさの隙間をもって対向するように前記板部材の位置を調整されることを特徴とする扉の建物躯体への設置構造。
  6. 請求項5に記載の扉の建物躯体への設置構造であって、
    前記板部材と前記建物躯体との間の空間にセメント系のグラウト材を充填されており、当該グラウト材によって前記板部材と前記建物躯体とが一体化されていることを特徴とする扉の建物躯体への設置構造。
  7. 請求項6に記載の扉の建物躯体への設置構造であって、
    前記板部材の一部は、前記位置調整機構による前記板部材の位置の調整後に前記骨組み部材に固定されることを特徴とする扉の建物躯体への設置構造。
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