JP2014126114A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦クラッチがスリップ締結した状態において係合クラッチを締結するときに生じる変速ショックの低減を図ることができる自動変速機の制御装置を提供すること。
【解決手段】変速要素として、係合クラッチ8cと、摩擦クラッチ9cと、を有する自動変速機3と、前記摩擦クラッチ9cに差回転が生じている状態で、前記係合クラッチ8cを締結させて変速し、自動変速機3の変速制御を行う変速コントローラ21と、を備えている。そして、この変速コントローラ21は、前記係合クラッチ8cの回転同期途中では、係合クラッチ8cに付与する押付力を、係合クラッチ8cの締結に必要な締結必要値(必要電流指令値Ifin)よりも小さな値(制限電流値Ipre)になるように制限する。また、前記係合クラッチ8cが回転同期状態になったら、この押付力を締結必要値(必要電流指令値Ifin)に設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の駆動系に設けられ、架け替え変速要素として係合クラッチと摩擦クラッチを有する自動変速機の制御装置に関する発明である。
従来、変速要素として低速段で締結するドグクラッチ(係合クラッチ)と、高速段で締結する摩擦クラッチを持つ有段変速機を備えた車両がある。この車両において、ドグクラッチの締結・開放を行う際、まず、駆動源(エンジン)から有段変速機に入力されるトルクと、摩擦クラッチで発生する伝達トルクとを釣り合わせる。そして、変速機入力回転数(エンジン回転数)と変速機出力回転数を回転数センサの検出値に基づいて同期させ、ドグクラッチを締結・開放する。この制御によって、変速過渡期に駆動力補償を確保しながら変速ショックを低減させることを可能にした自動変速機の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-90826号公報
しかしながら、従来の自動変速機の制御装置にあっては、回転数センサの分解能や、有段変速機に入力されるトルクの制御精度等を考慮すると、変速機入力回転数と出力回転数を完全に同期させることは困難であった。このため、例えば、ドグクラッチとしてシンクロナイザ機構を用いた場合、ダウンシフト時のシンクロナイザ機構の締結時における回転数同期途中に、クラッチ押付力が自動変速機の出力トルクとして出力され、変速機からの出力トルクが増大変動して変速ショックが生じ、乗り心地が悪化してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、係合クラッチの締結時、変速ショックを低減することができる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機の制御装置は、車両の駆動系に設けられ、変速要素として、係合クラッチと、摩擦クラッチと、を有する自動変速機と、該自動変速機の変速制御を行う変速制御手段と、を備えている。
前記変速制御手段は、前記摩擦クラッチに差回転が生じている状態で、前記係合クラッチを締結させ、前記係合クラッチと前記摩擦クラッチを架け替え変速する際に、前記係合クラッチの回転同期途中では、前記係合クラッチに付与する押付力を、前記係合クラッチの締結に必要な締結必要値よりも小さくなるように制限し、前記係合クラッチが回転同期状態になったら、前記押付力を前記締結必要値に設定する。
係合クラッチは、所定の押付力を付与することでクラッチ入力回転数とクラッチ出力回転数の同期動作が開始され、両回転数が同期した後に、締結又は開放可能となる。ここで、変速時間を短くしたい場合には、係合クラッチに付与する押付力を大きくすればよいが、回転同期動作の途中では、この押付力と係合クラッチの摩擦係数で決まる係合クラッチ伝達トルクが増大してしまい、ドライバーに変速ショックとして違和感を与えてしまうこととなる。また、係合クラッチの回転同期を行う際に、回転数センサによってクラッチ入力回転数を監視し、この回転数センサの検出結果に基づいて駆動源出力回転数を制御することで係合クラッチの入出力回転数を同期させることも考えられるが、センサ誤差等により回転数を完全に同期させることは難しい。
そこで、摩擦クラッチに差回転が生じている状態で、係合クラッチを締結させ、係合クラッチと摩擦クラッチを架け替え変速する際、係合クラッチに付与する押付力を、係合クラッチの回転同期途中では締結必要値よりも小さくなるように制限する。そして、係合クラッチが回転同期状態になったら、この押付力を締結必要値に設定する。これにより、回転同期途中で押付力と係合クラッチの摩擦係数で決まる係合クラッチ伝達トルクが増大しても、押付力が小さいために、この伝達トルクの増大も小さく抑えることができる。
この結果、摩擦クラッチがスリップ締結した状態において係合クラッチを締結するときに生じる変速ショックの低減を図ることができる。
実施例1の自動変速機の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系構成と制御系構成を示す全体システム構成図である。 実施例1のモータ/変速協調制御による変速制御系の詳細構成を示す制御ブロック図である。 実施例1の変速コントローラにて実行されるモータ/変速協調制御による変速制御処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、係合クラッチのアクチュエータ制御電流に対する係合クラッチの伝達トルクを示すマップであり、(b)は、ドライバー要求駆動力に対する係合クラッチのアクチュエータ制御電流制限値を示すマップである。 実施例1の制御装置における係合クラッチ押付力演算系の構成を示す制御ブロック図である。 実施例1の制御装置における自動変速機のアップシフト線とダウンシフト線の一例を示す変速マップ図である。 比較例の制御装置を搭載したハイブリッド車両において、ドライブ走行状態でのダウンシフトを行う際に、変速機出力トルク、ダウンシフト判断、駆動モータ回転数、摩擦クラッチ伝達トルク、駆動モータトルク、係合クラッチ伝達トルク、スリーブ位置、アクチュエータ駆動電流指令の各特性を示すタイムチャートである。 実施例1の制御装置を搭載したハイブリッド車両において、ドライブ走行状態でのダウンシフトを行う際に、変速機出力トルク、ダウンシフト判断、駆動モータ回転数、摩擦クラッチ伝達トルク、駆動モータトルク、係合クラッチ伝達トルク、スリーブ位置、アクチュエータ駆動電流指令の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の自動変速機の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車両(車両の一例)に搭載された自動変速機の制御装置の構成を、「全体システム構成」、「変速制御系の詳細構成」、「モータ/変速協調制御による変速制御処理構成」、「制限電流値演算系の詳細構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の自動変速機の制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動系構成と制御系構成を示す。以下、図1に基づき、全体システム構成を説明する。
前記ハイブリッド車両の駆動系構成としては、図1に示すように、エンジン1と、発電用モータジェネレータMG1と、動力分配装置2と、駆動用モータジェネレータ(駆動モータ)MG2と、自動変速機3と、を備えている。つまり、内燃機関であるエンジン1と、2つのモータジェネレータMG1,MG2を有するハイブリッド駆動系を構成している。
前記エンジン1は、内燃機関であり、クランクシャフトであるエンジン出力軸4が動力分配装置2のピニオンキャリアPCに接続される。
前記発電用モータジェネレータMG1は、主に発電機として用いられ、エンジン出力軸4と同軸に配置した第1モータ出力軸5が、動力分配装置2のサンギアSGに接続される。なお、発電用モータジェネレータMG1は、主に発電機として用いられるが、走行状態によって駆動用モータとして使用してもよい。
前記動力分配装置2は、主にエンジン1の動力を発電用モータジェネレータMG1と自動変速機3の変速機出力軸7に分配するもので、単純遊星歯車組により構成される。単純遊星歯車組は、中心のサンギアSGと、サンギアSGを包囲する同心のリングギアRGと、サンギアSG及びリングギアRGに噛合する複数個のピニオンPGと、ピニオンPGを回転自在に支持するピニオンキャリアPCと、を有する。そして、動力分配装置2の3つの回転メンバ(SG,PC,RG)のうち、ピニオンキャリアPCにエンジン1が接続され、サンギアSGに発電用モータジェネレータMG1が接続され、リングギアRGに変速機出力軸7上のギア9bが噛み合う。
ここで、エンジン1と発電用モータジェネレータMG1と動力分配装置2は、図1に示すように、同軸上に配置される。
前記駆動用モータジェネレータMG2は、主に駆動モータとして用いられ、そのモータ軸が自動変速機3の変速機入力軸6に接続される。
前記自動変速機3は、変速比の異なる2つのギア対のいずれかで動力を伝達する常時噛み合い式変速機であり、減速比の小さなハイギア段(高速段)と減速比の大きなローギア段(低速段)を有する2段変速としている。この自動変速機3は、駆動用モータジェネレータMG2から変速機入力軸6及び変速機出力軸7を順次経てモータ動力を出力する際の変速に用いられ、低速段を実現するロー側変速機構8及び高速段を実現するハイ側変速機構9により構成される。
ここで、自動変速機3の変速機入力軸6及び変速機出力軸7は、同軸に配置した両出力軸4,5の配列軸線に対してそれぞれ平行に配置される。
前記ロー側変速機構8は、上記モータ動力の出力に際し、ロー側伝動経路を選択するためのもので、変速機出力軸7上に配置している。このロー側変速機構8は、低速段ギア対(ギア8a,ギア8b)が、変速機入出力軸6,7間を駆動結合するように、変速機出力軸7に対するギア8aの噛み合い係合/開放を行う係合クラッチ8cにより構成する。ここで、低速段ギア対は、変速機出力軸7上に回転自在に支持したギア8aと、該ギア8aと噛み合い、変速機入力軸6と共に回転するギア8bと、から構成される。
前記ハイ側変速機構9は、上記モータ動力の出力に際し、ハイ側伝動経路を選択するためのもので、変速機入力軸6上に配置している。このハイ側変速機構9は、高速段ギア対(ギア9a,ギア9b)が、変速機入出力軸6,7間を駆動結合するように、変速機入力軸6に対するギア9aの摩擦締結/開放を行う摩擦クラッチ9cにより構成する。ここで、高速段ギア対は、変速機入力軸6上に回転自在に支持したギア9aと、ギア9aに噛み合い、変速機出力軸7と共に回転するギア9bと、から構成される。
前記変速機出力軸7は、ギア11を固定し、このギア11と、これに噛合するギア12とからなるファイナルドライブギア組を介して、ディファレンシャルギア装置13を変速機出力軸7に駆動結合する。これにより、変速機出力軸7に達した駆動用モータジェネレータMG2のモータ動力がファイナルドライブギア組11,12及びディファレンシャルギア装置13を経て左右駆動車輪14(なお、図1では一方の駆動車輪のみを示した)に伝達されるようにする。
前記ハイブリッド車両の制御系構成としては、図1に示すように、変速コントローラ(変速制御手段)21、車速センサ22、アクセル開度センサ23、ブレーキストロークセンサ24、前後Gセンサ25、スライダ位置センサ26、スリーブ位置センサ27、等を備えている。これに加え、モータコントローラ28と、ブレーキコントローラ29と、統合コントローラ30と、CAN通信線31と、を備えている。
前記変速コントローラ21は、係合クラッチ8cが噛み合い係合し摩擦クラッチ9cが開放したローギア段が選択されている状態でハイギア段へアップシフトする際、係合クラッチ8cの開放と摩擦クラッチ9cの摩擦締結による架け替え制御を遂行する。また、係合クラッチ8cが開放し摩擦クラッチ9cが摩擦締結したハイギア段が選択されている状態でローギア段へダウンシフトする際、係合クラッチ8cの噛み合い係合と摩擦クラッチ9cの開放による架け替え制御を遂行する。
[変速制御系の詳細構成]
図2は、実施例1のモータ/変速協調制御による変速制御系の詳細構成を示す。以下、図2に基づき、変速制御系の詳細構成を説明する。
前記ハイブリッド車両の制御系のうち変速制御系の構成としては、図2に示すように、係合クラッチ8cと、摩擦クラッチ9cと、駆動用モータジェネレータMG2と、変速コントローラ21と、を備えている。つまり、係合クラッチ8cと摩擦クラッチ9cと駆動用モータジェネレータMG2を制御対象とし、条件に応じて変速コントローラ21からの指令により制御する構成としている。
前記係合クラッチ8cは、シンクロ式の噛み合い係合によるクラッチであり、ギア8aに設けたクラッチギア8dと、変速機出力軸7に結合したクラッチハブ8eと、カップリングスリーブ8fと、を有する(図1を参照)。
そして、電動アクチュエータ41によりカップリングスリーブ8fをストローク駆動させることで、係合クラッチ8cを回転同期させると共に、噛み合い係合/開放する。
この係合クラッチ8cの噛み合い係合と開放は、カップリングスリーブ8fの位置によって決まる。また、係合クラッチ8cの回転同期判定も、カップリングスリーブ8fの移動量に基づいて行う。
変速コントローラ21は、スリーブ位置センサ27の値を読み込み、カップリングスリーブ8fのスリーブ位置が噛み合い係合位置又は開放位置になるように電動アクチュエータ41に電流を与える位置サーボコントローラ51(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。なお、この位置サーボコントローラ51が、係合クラッチ8cの移動量を制御することで、この係合クラッチ8cに付与される押付力を制御する、請求項に記載の「係合クラッチ位置制御手段」に相当する。
そして、カップリングスリーブ8fがクラッチギア8d及びクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の双方に噛合した図1に示す噛み合い位置にあるとき、ギア8aを変速機出力軸7に駆動連結する。一方、カップリングスリーブ8fが、図1に示す位置から軸線方向へ変位することでクラッチギア8d及びクラッチハブ8eの外周クラッチ歯の一方と非噛み合い位置にあるとき、ギア8aを変速機出力軸7から切り離す。
前記摩擦クラッチ9cは、ギア9aと共に回転するドリブンプレート9dと、変速機入力軸6と共に回転するドライブプレート9eと、を有する(図1を参照)。そして、電動アクチュエータ42により両プレート9d,9eに押付け力を与えるスライダ9fを駆動することで摩擦締結/開放する。
この摩擦クラッチ9cの伝達トルク容量は、スライダ9fの位置によって決まる。また、スライダ9fはネジ機構となっており、電動アクチュエータ42の入力が0(ゼロ)のとき、位置を保持する機構となっている。変速コントローラ21は、スライダ位置センサ26の値を読み込み、所望の伝達トルク容量が得られるスライダ位置になるように電動アクチュエータ42に電流を与える位置サーボコントローラ52(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。
そして、摩擦クラッチ9cは、変速機入力軸6と一体に回転し、クラッチ摩擦締結のときギア9aを変速機入力軸6に駆動連結させ、クラッチ開放のとき、ギア9aと変速機入力軸6の駆動連結が切り離される。
前記駆動用モータジェネレータMG2は、変速コントローラ21から出力される指令を入力するモータコントローラ28によってトルク制御又は回転数制御される。つまり、モータコントローラ28が変速コントローラ21からモータトルクのトルク容量指令や入出力回転同期指令を入力すると、これらの指令に基づき、駆動用モータジェネレータMG2がトルク制御又は回転数制御される。
前記変速コントローラ21は、図2に示すように、スライダ位置検出部21aと、摩擦クラッチ伝達トルク推定部21bと、スリーブ位置検出部21cと、各指令値算出部21dと、を有する。
前記スライダ位置検出部21aは、スライダ位置センサ26からのセンサ信号に基づきスライダ9fの位置を検出する。
前記摩擦クラッチ伝達トルク推定部21bは、スライダ位置検出部21aで検出したスライダ位置に基づいて、摩擦クラッチ9cにおいて実際に伝達されている伝達トルクを推定する。
前記スリーブ位置検出部21cは、スリーブ位置センサ27からのセンサ信号に基づき、係合クラッチ8cのカップリングスリーブ8fの位置を検出する。
前記各指令値算出部21dは、摩擦クラッチ伝達トルク推定部21bで推定した推定伝達トルクと、スリーブ位置検出部21cで検出したカップリングスリーブ8fの位置を入力する。これらの入力情報に加え、駆動モータトルク、係合クラッチ8cの出力回転数、摩擦クラッチ9cの入出力回転数、を入力とする。そして、係合クラッチ8cへの押し力/抜き力指令値、駆動モータトルク指令値、駆動モータ回転数指令値、摩擦クラッチ9cへの伝達トルク指令値を算出する。
[モータ/変速協調制御による変速制御処理構成]
図3は、実施例1の変速コントローラ21にて実行されるモータ/変速協調制御による変速制御処理の流れを示す。以下、図3に基づき、モータ/変速協調制御による変速制御処理構成をあらわす各ステップについて説明する。なお、この処理は、変速要求指令により開始される。
ステップS1では、駆動モータトルク、係合クラッチ8cのカップリングスリーブ8fの位置、摩擦クラッチ9cの伝達トルク容量、の各種情報を取得し、ステップS2へ進む。
ここで、カップリングスリーブ位置は、スリーブ位置センサ27の値からスリーブ位置検出部21cによって検出される。
ステップS2では、ステップS1での各種情報の取得に続き、摩擦クラッチ9cにおける伝達トルク容量を所定量低減し、ステップS3へ進む。
なお、この摩擦クラッチ伝達トルク容量の低減量は、ごく僅かな値とし、駆動用モータジェネレータMG2からの出力トルクの伝達を確保できなくなる値よりも小さい値とする。
ステップS3では、ステップS2での摩擦クラッチ伝達トルク容量の低減に続き、摩擦クラッチ9cがスリップ締結状態であるか否かを判断する。YES(スリップ締結)の場合は、現在の摩擦クラッチ伝達トルク容量を維持する共にステップS4へ進む。NO(完全締結)の場合は、摩擦クラッチ9cが完全締結状態であるとしてステップS2へ戻る。
ここで、摩擦クラッチ9cの入力回転数と出力回転数の差回転が所定値以上であればスリップ締結であると判断する。
ステップS4では、ステップS3での摩擦クラッチスリップ締結との判断に続き、係合クラッチ8cにおける入力回転数と出力回転数を合わせるために、駆動用モータジェネレータMG2を回転数制御し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4でのモータ回転数制御に続き、カップリングスリーブ8fをストローク駆動させる電動アクチュエータ41(モータ駆動器)のモータに対して所定の電流指令値を出力し、ステップS6へ進む。このとき、出力される電流指令値は、係合クラッチ8cの締結に必要な電流指令値(以下「必要電流指令値Ifin」という)よりも小さくなるように制限された電流指令値(以下「制限電流値Ipre」という)に設定される。
なお、この電動アクチュエータ41に対して出力される電流指令値は、係合クラッチ8cのカップリングスリーブ8fへの移動指令値となる。そして、出力された電流指令値に応じてカップリングスリーブ8fが駆動ストロークすることで、係合クラッチ8cに付与される押付力が設定される。つまり、必要電流指令値Ifinが出力された場合には、係合クラッチ8cに付与される押付力は、係合クラッチ8cの締結に必要な締結必要値となる。また、制限電流値Ipreが出力された場合には、係合クラッチ8cに付与される押付力は、締結必要値よりも小さくなるように制限されることとなる。
さらに、この制限電流値Ipreは、図4(a)に示すように、係合クラッチ8cの製造ばらつきの上限範囲内であって、係合クラッチ8cにおける伝達トルクが変速ショックを許容できる最大値(ショック限界)を上限値(以下「電流上限値」という)とし、この電流上限値よりも小さい値に設定される。また、この制限電流値Ipreは、図4(a)に示すように、係合クラッチ8cの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値(最大許容変速時間)を下限値(以下「電流下限値」という)とし、この電流下限値よりも大きい値に設定される。さらに、図4(b)に示すように、この制限電流値Ipreは、ドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定される。
ステップS6では、制限電流値Ipreの出力に続き、係合クラッチ8cが回転同期したか否かを判断する。YES(回転同期完了)の場合は、係合クラッチ8cの噛み合い係合可能とし、ステップS7へ進む。NO(回転同期未完了)の場合は、係合クラッチ8cの噛み合い係合不可能とし、ステップS5へ戻る。
ここで、係合クラッチ8cの回転同期判定は、カップリングスリーブ8fの移動量に基づいて行い、カップリングスリーブ8fが所定位置まで移動していれば(移動量が所定量に達していれば)、回転同期完了と判断する。
ステップS7では、ステップS6での回転同期完了との判断に続き、カップリングスリーブ8fをストローク駆動させる電動アクチュエータ41のモータに対し、係合クラッチ8cの締結に必要な電流指令値である必要電流指令値Ifinを出力し、ステップS8へ進む。
これにより、係合クラッチ8cのクラッチギア8dとクラッチハブ8eとが噛み合った状態になり、係合クラッチ8cが噛み合い係合する。
ステップS8では、ステップS7での必要電流指令値Ifinの出力に続き、一般的な変速のトルクフェーズ動作を実行し、摩擦クラッチ9cを開放して終了へ進み、変速制御を終了する。
[係合クラッチ押付力演算系の詳細構成]
図5は、実施例1の制御装置における係合クラッチ押付力演算系の構成を示す制御ブロック図である。以下、図5に基づき係合クラッチ押付力演算系の詳細構成を説明する。
係合クラッチ8cの押付力は、カップリングスリーブ8fをストローク駆動させる電動アクチュエータ41のモータに対して出力される電流指令値によって決まる。位置サーボコントローラ51が有する係合クラッチ押付力演算系では、カップリングスリーブ8fをストローク駆動させる電動アクチュエータ41のモータのモータ角位置目標値θTから、設計者の意図するモータ角位置応答になるように電流指令値を算出する。ここで、モータ角位置目標値θTが係合クラッチ8cの目標クラッチ位置となる。
この電流指令値を算出するには、まず、規範応答演算器S101において、上記モータ角位置目標値θTと、後述するモータ電流制限器S103によって算出された制限電流値Ipreをもとに、下記式(1)から目標クラッチ規範応答θPREを算出する。
θPRE=GR(s)×θT・・・(1)
ここで、GR(s)は規範モデルであり、設計者の意図するモータ角位置応答が得られるような伝達関数を設定するが、制限電流値Ipreに基づき達成可能な目標クラッチ規範応答θPREが算出される。
次に、前置補償器S100において、目標クラッチ規範応答θPREを実現するためのフィードフォワード電流指令値IFFを、下記式(2)から算出する。
FF=GM(s)×θT・・・(2)
ここで、GM(s)は、フィードフォワード補償器であり、制御対象である係合クラッチ8cの電動アクチュエータ41をモデル化した伝達関数であるP(s)を用いて、下記式(3)により求める。
M(s)=GR(s)/P(s)・・・(3)
続いて、目標クラッチ規範応答θPREと、電動アクチュエータ41の実際のモータ角位置(実クラッチ位置)θRと、の偏差θERRを下記式(4)から算出する。
θERR=θPRE−θR・・・(4)
そして、この偏差θERRをなくすため、比例・積分制御(以下「PI制御」という)により構成されたフィードバック補償器S102において、モータ電流補正値IFBを下記式(5)から算出する。
FB={(Kp+KI)/s}×θERR・・・(5)
ここで、Kp:比例制御定数
I:積分制御定数(積分器)
s:微分演算子 とする。
なお、後述するモータ電流制限器S103において、モータ電流指令値Icmdを制限している場合には、式(5)の積分動作を停止する。
次に、フィードフォワード電流指令値IFFとモータ電流補正値IFBを下記式(6)に示すように加算し、モータ電流指令値Icmdを算出する。
cmd=IFF+IFB・・・(6)
モータ電流制限器S103では、モータ電流指令値Icmdと、目標クラッチ規範応答θPREと、ドライバー要求駆動力TDを入力とすると共に、図4(b)に示す「要求駆動力−制御電流制限値マップ」に基づき、最終的なモータ電流指令値である制限電流値Ipreを算出する。
電動アクチュエータ41に相当する制御対象P100は、モータ駆動電流を最終的なモータ指令電流値(制限電流値)Ipreに対して所定の応答で制御されるものとする。なお、ドライバー要求駆動力TDは、アクセル開度と車速に基づいて予め設定された駆動力マップ等から算出されるものとする。
次に作用を説明する。
まず、「通常の変速制御作用」、「比較例の制御装置における押付力制御作用とその課題」を説明し、続いて、実施例1の自動変速機の制御装置における押付力制御作用について説明する。
[通常の変速制御作用]
変速コントローラ21は、車速センサ22からの車速VSPと、アクセル開度センサ23からのアクセル開度APOと、ブレーキストロークセンサ24からのブレーキストローク量BSTと、を入力する。そして、これらの入力情報と、図6に例示する変速マップに基づいて、以下に述べるように、自動変速機3の変速制御を行う。
図6の変速マップにおいて、太い実線は、車速VSPごとの駆動用モータジェネレータMG2の最大モータ駆動トルク値を結んで得られる最大モータ駆動トルク線と、車速VSPごとの駆動用モータジェネレータMG2の最大モータ回生トルク値を結んで得られる最大モータ回生トルク線を示し、これらにより囲まれた領域が駆動用モータジェネレータMG2の実用可能領域である。
この実用可能領域内に、自動変速機3の変速機損失及び駆動用モータジェネレータMG2のモータ損失を考慮して、一点鎖線で示すアップシフト線(Low→High)及び破線で示すダウンシフト線(High→Low)を設定する。なお、アップシフト線(Low→High)は、ダウンシフト線(High→Low)よりも、ヒステリシス分だけ高車速側に設定する。
そして、変速コントローラ21において、アクセルペダルが踏み込まれているドライブ走行時は、アクセル開度APOから求めた要求モータ駆動トルクと、車速VSPと、により運転点を決定する。一方、ブレーキペダルが踏み込まれている制動時には、ブレーキストローク量BSTから求めた要求モータ回生トルクと、車速VSPと、により運転点を決定する。運転点を決定すると、図6の変速マップ上で、運転点がロー側変速段領域に存在するか、又は、運転点がハイ側変速段領域に存在するかによって、現在の運転状態に好適な目標変速段(ローギア段又はハイギア段)を求める。
次に、求めた目標変速段がローギア段であれば、係合クラッチ8cを噛み合い係合状態とし、摩擦クラッチ9cを開放状態とするローギア段の選択状態にする。また、求めた目標変速段がハイギア段であれば、摩擦クラッチ9cを摩擦締結状態とし、係合クラッチ8cを開放状態とするハイギア段の選択状態にする。
さらに、ローギア段の選択状態のとき、実用可能領域内の運転点がアップシフト線(Low→High)を横切ってハイ側変速段領域に入ると、目標変速段をハイギア段に切り替える。一方、ハイギア段の選択状態である場合、実用可能領域内の運転点がダウンシフト線(High→Low)を横切ってロー側変速段領域に入ると、目標変速段をローギア段に切り替える。
そして、目標変速段の切り替えによりアップシフト要求指令又はダウンシフト要求指令が出されると、通常の変速制御が実行される。
この通常変速制御において、自動変速機3をローギア段からハイギア段へ移行させるアップシフトは、噛み合い係合状態の係合クラッチ8cを開放し、開放状態の摩擦クラッチ9cを摩擦締結するという架け替え変速により行われる。一方、自動変速機3をハイギア段からローギア段へ移行させるダウンシフトは、開放状態の係合クラッチ8cを噛み合い係合し、摩擦締結状態の摩擦クラッチ9cを開放するという架け替え変速により行われる。そして、係合クラッチ8cを開放から噛み合い係合状態にする際、及び、噛み合い係合から開放状態にする際には、この係合クラッチ8cを回転同期させ、所定の押付力をカップリングスリーブ8fに付与してストローク駆動する必要がある。
[比較例の制御装置における押付力制御作用とその課題]
上記変速制御のうち、例えば、ドライブ状態でのダウンシフト過渡期では、まず、摩擦クラッチ9cをスリップ締結させてから、係合クラッチ8cを回転同期させ、その後噛み合い係合状態となる。以下、摩擦クラッチ9cに差回転が生じている状態で、係合クラッチ8cを締結させるときの、比較例の制御装置における係合クラッチの押付力制御作用とその課題を図7のタイムチャートに基づいて説明する。
時刻t1において、例えばアクセルが踏込まれて目標変速段がハイギア段からローギア段に切り替わると、ダウンシフト指令が出力される。これにより、摩擦クラッチ9cの入力回転数と出力回転数に差回転が生じるまで、摩擦クラッチ9cにおける伝達トルク容量が徐々に低減される。
時刻t2において、摩擦クラッチ9cの差回転が所定値に達し、摩擦クラッチ9cがスリップ締結状態になったら、駆動用モータジェネレータMG2を回転数制御し、この駆動用モータジェネレータMG2の出力回転数(以下「駆動モータ回転数」という)を係合クラッチ8cの出力側の回転数に合うように制御する。すなわち、係合クラッチ8cの入力回転数と出力回転数を一致させる。このとき、回転数センサの分解能の限界から、最初に駆動モータ回転数を係合クラッチ出力回転数よりも大きくし、その後回転数を落とすことで一致させていく。
時刻t3において、係合クラッチ8cの出力回転数に合わせるために駆動モータ回転数の低減を開始と同時に、係合クラッチ8cのカップリングスリーブ8fをストローク駆動させる電動アクチュエータ41のモータに対し、係合クラッチ8cの締結に必要な電流指令値(必要電流指令値Ifin)を出力する。これにより、カップリングスリーブ8fには、締結に必要な押付力が付与されることになり、係合クラッチ8cの締結動作が開始される。
しかしながら、このとき係合クラッチ8cの入力回転数と出力回転数に差があり、回転同期していない。このため、クラッチギア8dとクラッチハブ8eとが噛み合うことができず、自動変速機3の出力トルクがこの押付力分増大することになる。これにより、この自動変速機3の出力トルクの増大が変速ショックとなり、乗り心地を悪化させてしまうという課題が生じる。
なお、時刻t3´において、カップリングスリーブ8fが回転同期位置(同期完了ポイント)にまで移動し、係合クラッチ8cの入力回転数と出力回転数が一致して回転同期状態になったら、クラッチギア8dとクラッチハブ8eとの噛み合い動作が開始される。このため、カップリングスリーブ8fに付与された押付力は、噛み合い動作に利用されることになり、自動変速機3の出力トルクの増大は解消される。
そして、時刻t4において、カップリングスリーブ8fが、係合クラッチ8cの噛み合い係合位置に達すれば、係合クラッチ8cの噛み合い動作が完了したとして、電動アクチュエータ41のモータに対して出力されていた電流指令値をゼロにする。一方、係合クラッチ8cが噛み合ったことで摩擦クラッチ9cにおける伝達トルク容量の低減を開始し、時刻t5において、摩擦クラッチ伝達トルク容量がゼロになれば、係合クラッチ8cと摩擦クラッチ9cの架け替え変速が終了し、ローギア段に設定される。
[実施例1の自動変速機の制御装置における押付力制御作用]
図8は、実施例1の制御装置を搭載したハイブリッド車両において、ドライブ走行状態でのダウンシフトを行う際に、変速機出力トルク、ダウンシフト判断、駆動モータ回転数、摩擦クラッチ伝達トルク、駆動モータトルク、係合クラッチ伝達トルク、スリーブ位置、アクチュエータ駆動電流指令の各特性を示すタイムチャートである。以下、図8に基づき、実施例1の自動変速機の制御装置における押付力制御作用を説明する。
図8に示すタイムチャートにおいて、t10はダウンシフト開始時刻、t11はモータ回転数制御開始時刻、t12は係合クラッチ締結動作開始時刻、t13は回転同期時刻、t14は係合クラッチ噛み合い完了時刻、t15は変速完了時刻である。
時刻t10にて、ドライブ状態のアクセル踏込みダウンシフト指令が出力され、ダウンシフト制御を開始すると、まず、開放側要素である摩擦クラッチ9cの伝達トルク容量を徐々に低減させ、摩擦クラッチ9cに差回転を発生させてスリップ締結状態にする。
時刻t11にて、摩擦クラッチ9cに所定の差回転が生じ、摩擦クラッチ9cがスリップ締結状態になったら、駆動用モータジェネレータMG2を回転数制御し、駆動モータ回転数を係合クラッチ8cの出力側の回転数に合うように制御する。
時刻t12にて、駆動モータ回転数の低減を開始すると、電動アクチュエータ41のモータに所定の電流指令値を出力する。このとき、この実施例1では、出力する電流指令値を必要電流指令値Ifinよりも小さくなるように制限された制限電流値Ipreに設定される。これにより、カップリングスリーブ8fには、締結に必要な押付力よりも小さい押付力が付与されることになる。
ここで、係合クラッチ8cは回転同期途中であるために、入力回転数と出力回転数に差があり、クラッチギア8dとクラッチハブ8eとが噛み合うことができず、自動変速機3の出力トルクがこの押付力分増大することになる。しかしながら、この係合クラッチ8cの回転同期途中の押付力は制限されているため、自動変速機3の出力トルクの増大量も、図8において破線で囲むように、小さく抑えることができる。そのため、発生する変速ショックを抑制することができて、乗り心地の悪化を防止することができる。
特に、実施例1では、係合クラッチ8cの回転同期途中における押付力の上限値を、係合クラッチ8cの製造ばらつきの上限範囲内であって、変速ショックを許容できる最大値に設定している。このため、自動変速機3の出力トルクに押付力が現れても、変速ショックの限界値以下であるため、ドライバーに違和感を与えることを確実に防止することができる。
そして、時刻t13にて係合クラッチ8cのカップリングスリーブ8fが、回転同期位置(同期完了ポイント)にまで移動したら、係合クラッチ8cの入力回転数と出力回転数が一致し、係合クラッチ8cが回転同期状態になる。これにより、電動アクチュエータ41のモータに対して出力する電流指令値を、係合クラッチ8cの締結に必要な電流指令値(必要電流指令値Ifin)に設定する。この結果、カップリングスリーブ8fには締結に必要な押付力が付与されることになり、係合クラッチ8cの締結動作を速やかに進めることができる。
時刻t14にてカップリングスリーブ8fが、係合クラッチ8cの噛み合い係合位置に達すれば、係合クラッチ8cの噛み合い動作が完了したとして、電動アクチュエータ41のモータに対して出力されていた電流指令値をゼロにする。一方、係合クラッチ8cが噛み合ったことで摩擦クラッチ9cにおける伝達トルク容量の低減を開始し、時刻t15において、摩擦クラッチ伝達トルク容量がゼロになれば、係合クラッチ8cと摩擦クラッチ9cの架け替え変速が終了し、ローギア段に設定される。
そして、この実施例1では、係合クラッチ8cの回転同期途中における押付力の下限値を、係合クラッチ8cの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値に設定している。このため、変速制御が間延びしてしまうことを防止して、適切な時間内に変速制御を完了することができる。
また、係合クラッチ8cの回転同期途中における押付力は、例えばアクセル開度と車速から決まるドライバー要求駆動力に応じて設定され、このドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定される。ここで、ドライバー要求駆動力が高い場合とは、例えばアクセル踏込み量が大きく、変速に伴うトルク変動量が大きくても、変速時間を短くした方が運転性を向上できる場合である。一方、ドライバー要求駆動力が低い場合とは、例えばアクセル踏込み量が小さく、変速時間が長くなってもトルク変動量を小さくしたほうが運転性を向上できる場合である。
そのため、ドライバー要求駆動力に合わせて押付力を設定することで、トルク変動と変速時間のバランスをドライバーの要求に合わせることができ、運転性の向上を図ることができる。
さらに、実施例1では、係合クラッチ8cの回転同期状態を、係合クラッチ8cのカップリングスリーブ8fの移動量によって判断している。すなわち、カップリングスリーブ8fが回転同期位置(同期完了ポイント)にまで移動したら、係合クラッチ8cにおいて入力回転数と出力回転数が一致したと判断する。
このように、係合クラッチ8cのカップリングスリーブ8fの移動量によって回転同期状態を判断することで、回転数センサを用いて係合クラッチ8cの回転同期状態を判定する場合と比較して、回転同期判定の精度を向上することができる。
つまり、回転数センサを用いたときには、回転数センサの分解能から、同期状態を完全に検出することは困難である。特に低回転数領域では回転数検出分解能が悪化し、回転同期判定の精度が低い。これに対し、カップリングスリーブ8fの移動量に基づいて同期状態を判定する場合では、回転数領域に拘わらず精度よく判定することができる。これにより、回転同期判定の精度を向上することができ、変速ショックの発生を精度よく抑制することができる。
そして、実施例1では、上述のように、係合クラッチ8cの回転同期状態の判定精度を向上するために、係合クラッチ8cの回転同期途中における制限電流値Ipreを演算する際に、図5に示すように、係合クラッチ位置サーボ系を適用している。すなわち、実施例1において係合クラッチ8cを締結/開放する際に、実際に制御するのは係合クラッチ8cにおける押付力ではなく、カップリングスリーブ8fの位置(移動量)である。そのため、係合クラッチ8cにおける押付力は不定となる。
これに対し、図5に示す位置サーボコントローラ51における押付力演算系では、制御対象P100である電動アクチュエータ41に出力するモータ指令電流値を、演算系の最終段階であるモータ電流制限器S103によって制限している。そのため、係合クラッチ8cにおける押付力が不定であっても、押付力を確実に制限することができ、変速ショックの抑制を図ることができる。
さらに、実施例1の位置サーボコントローラ51における押付力演算系では、図5に示すように、モータ電流制限器S103によって制限した制限電流値Ipreを、演算途中にフィードバックしている。つまり、規範応答演算器S101やフィードバック補償器S102における演算に制限電流値Ipreを用いている。
ここで、係合クラッチ位置サーボ系を適用して、最終段階で非線形な制限電流値Ipreを施した場合では、押付力の演算途中で、偏差が大きくなりすぎる等演算系の安定性や制御性能を損なう場合が考えられる。しかしながら、演算途中の各補償器の演算に制限電流値Ipreを用いることで、押付力演算系の不備を回避し、演算系の安定性や制御性能が損なわれることを防止できる。
また、実施例1の位置サーボコントローラ51のように、実際の係合クラッチ8cの位置に基づいて係合クラッチ8cの回転同期判定を行い、回転同期途中の押付力を制限した場合、係合クラッチ8cに作用する負荷のバラツキによっては、制限されたモータ電流指令値では回転同期を完了できない場合が発生する。
これに対し、実施例1では、押付力演算系は、前置補償器S100と、規範応答演算器S101と、フィードバック補償器S102と、モータ電流制限器S103と、を備えている。
ここで、前置補償器S100では、モータ角位置目標値θTに基づき目標クラッチ規範応答θPREを実現するモータ電流値(フィードフォワード電流指令値IFF)を算出する。また、規範応答演算器S101では、目標クラッチ規範応答θPREを算出する。また、フィードバック補償器S102では、モータ角位置θRと目標クラッチ規範応答θPREとの偏差θERRに基づきモータ電流補正値IFBを算出する。また、モータ電流制限器S103では、前置補償器S100から算出されたフィードフォワード電流指令値IFFと、フィードバック補償器S102から算出されたモータ電流補正値IFBに基づきモータ電流指令値Icmdを算出すると共に、目標クラッチ規範応答θPREによってモータ電流指令値Icmdを制限する。
そのため、目標クラッチ規範応答に基づいて回転同期判定を行ってモータ電流指令値を制限することで、制限されたモータ電流指令値Ipreによって回転同期を完了できない場合であっても、所定の時間が経過すればモータ電流指令値Ipreの制限が解除される。これにより、所定時間が経過すれば、制限されたモータ電流指令値Ipreに拘わらず係合クラッチ8cを締結することができ、変速時間が間延びしてしまうことを防止できる。
さらに、このとき、規範応答演算器S101では、制限されたモータ電流指令値Ipreに基づいて目標クラッチ規範応答θPREを算出している。これにより、制限されたモータ電流指令値によって係合クラッチ8cが締結可能な実際のクラッチ応答を算出することができる。このため、フィードバック補償器S102において、不要な補償電流が蓄積することがなくなり、目標クラッチ規範応答θPREに対し、実際のクラッチ応答の追従が可能となる。
また、積分器を有するフィードバック補償器S102では、制限されたモータ電流指令値Ipreに応じて積分器の演算を停止する。ここで、モータ電流指令値に制限が施されている状態で目標クラッチ規範応答θPREと実際のクラッチ応答との間に偏差が生じた場合、フィードバック補償器S102の積分器に偏差が蓄積されてしまう。そのため、電流値の制限が解除された際に、積分器に蓄積された値によってクラッチ応答の悪化が考えられる。しかしながら、電流値の制限中のモータ電流指令値Ipreに応じて積分器の演算を停止すれば、電流値の制限が解除された際にすみやかに通常のフィードバック演算を開始することができる。これにより、良好なクラッチ応答を得ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 車両の駆動系に設けられ、変速要素として、係合クラッチ8cと、摩擦クラッチ9cと、を有する自動変速機3と、該自動変速機3の変速制御を行う変速制御手段(変速コントローラ)21と、を備えた自動変速機の制御装置において、
前記変速制御手段(変速コントローラ)21は、前記摩擦クラッチ9cに差回転が生じている状態で、前記係合クラッチ8cを締結させ、前記係合クラッチ8cと前記摩擦クラッチ9cを架け替え変速する際に、
前記係合クラッチ8cの回転同期途中では、前記係合クラッチ8cに付与する押付力を、前記係合クラッチ8cの締結に必要な締結必要値(必要電流指令値Ifin)よりも小さくなるように制限し、前記係合クラッチ8cが回転同期状態になったら、前記押付力を前記締結必要値(必要電流指令値Ifin)に設定する構成とした。
これにより、摩擦クラッチ9cがスリップ締結した状態において係合クラッチ8cを締結するときに生じる変速ショックの低減を図ることができる。
(2) 前記変速制御装置(変速コントローラ)21は、前記係合クラッチ8cの回転同期途中における前記押付力の上限値を、前記係合クラッチ8cの製造ばらつきの上限範囲内であって、変速ショックを許容できる最大値(電流上限値)に設定する構成とした。
これにより、自動変速機3の出力トルクが押付力分増大しても、押付力を変速ショックの限界値以下に設定することで、ドライバーに違和感を与えることを確実に防止することができる。
(3) 前記変速制御装置(変速コントローラ)21は、前記係合クラッチ8cの回転同期途中における前記押付力の下限値を、前記係合クラッチ8cの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値(電流下限値)に設定する構成とした。
これにより、変速制御が間延びしてしまうことを防止して、適切な時間内に変速制御を完了することができる。
(4) 前記変速制御手段(変速コントローラ)21は、前記係合クラッチ8cの回転同期途中における前記押付力を、ドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定する構成とした。
これにより、ドライバー要求駆動力に合わせて押付力を設定することで、トルク変動と変速時間のバランスをドライバーの要求に合わせることができ、運転性の向上を図ることができる。
(5) 前記変速制御手段(変速コントローラ)21は、前記係合クラッチ8cの移動量に基づいて、前記係合クラッチ8cの回転同期状態を判定する構成とした。
これにより、回転数センサを用いて係合クラッチ8cの回転同期状態を判定する場合と比較して、回転同期判定の精度を向上することができる。
(6) 前記変速制御手段(変速コントローラ)21は、前記係合クラッチ8cの移動量を制御することで前記押付力を制御する係合クラッチ位置制御手段(位置サーボコントローラ)51を有し、
前記係合クラッチ位置制御手段(位置サーボコントローラ)51は、前記係合クラッチ8cの回転同期途中に前記係合クラッチ8cに対して出力する移動指令値(電流指令値)を、最終的に、前記係合クラッチ8cの製造ばらつきの上限範囲内であって、変速ショックを許容できる最大値(電流上限値)と、前記係合クラッチ8cの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値(電流下限値)と、の間であり、且つ、ドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定する値によって制限する構成とした。
これにより、係合クラッチ8cにおける押付力が不定であっても、押付力を確実に制限することができ、変速ショックの抑制を図ることができる。
(7) 前記変速制御手段(変速コントローラ)21は、前記係合クラッチ8cの移動量を制御することで前記押付力を制御する係合クラッチ位置制御手段(位置サーボコントローラ)51を有し、
前記係合クラッチ位置制御手段(位置サーボコントローラ)51は、前記係合クラッチ8cの回転同期途中に前記係合クラッチ8cに対して出力する移動指令値(電流指令値)を、この移動指令値(電流指令値)の演算過程において、前記係合クラッチ8cの製造ばらつきの上限範囲内であって、変速ショックを許容できる最大値(電流上限値)と、前記係合クラッチ8cの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値(電流下限値)と、の間であり、且つ、ドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定する値によって制限する構成とした。
これにより、演算途中の各補償器の演算に制限電流値Ipreを用いることになり、押付力演算系の不備を回避し、演算系の安定性や制御性能が損なわれることを防止できる。
(8) 前記係合クラッチ8cを移動させるモータ駆動器(電動アクチュエータ)41を有し、
前記係合クラッチ位置制御手段(位置サーボコントローラ)51は、目標クラッチ位置(モータ角位置目標値θT)に基づき目標クラッチ規範応答θPREを実現するモータ電流値(フィードフォワード電流指令値)IFFを算出する前置補償器S100と、
前記目標クラッチ規範応答θPREを算出する規範応答演算器S101と、
実クラッチ位置(モータ角位置θR)と前記目標クラッチ規範応答θPREとの偏差θERRに基づきモータ電流補正値IFBを算出するフィードバック補償器S102と、
前記前置補償器S100から算出されたモータ電流値(フィードフォワード電流指令値)IFFと、前記フィードバック補償器S102から算出されたモータ電流補正値IFBに基づきモータ電流指令値Icmdを算出すると共に、前記目標クラッチ規範応答θPREによって前記モータ電流指令値Icmdを制限するモータ電流制限器S103と、を備えた構成とした。
これにより、制限されたモータ電流指令値Ipreによって回転同期を完了できない場合であっても、所定時間が経過すれば制限されたモータ電流指令値Ipreに拘わらず係合クラッチ8cを締結することができ、変速時間が間延びしてしまうことを防止できる。
(9) 前記規範応答演算器S101は、前記モータ電流制限器S103によって算出された制限されたモータ電流指令値Ipreに基づき、前記目標クラッチ規範応答θPREを算出する構成とした。
これにより、フィードバック補償器S102に不要な補償電流が蓄積することがなくなり、目標クラッチ規範応答θPREに対して実際のクラッチ応答の追従が可能となる。
(10) 前記フィードバック補償器S102は、積分器(積分制御定数KI)を有すると共に、前記モータ電流制限器S103によって算出された制限されたモータ電流指令値Ipreに応じて前記積分器(積分制御定数KI)の演算を停止する構成とした。
これにより、目標クラッチ規範応答θPREと実際のクラッチ応答との間に偏差が生じた場合であっても、電流値の制限が解除された際にすみやかに通常のフィードバック演算を開始することができ、良好なクラッチ応答を得ることができる。
以上、本発明の自動変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
また、実施例1では、自動変速機として、係合クラッチ8cと摩擦クラッチ9cを有し、ハイギア段とローギア段の2速の変速段による電動車両用変速機の例を示した。しかし、自動変速機としては、副変速機と主変速機の組み合わせにより構成され、副変速機に係合クラッチと摩擦クラッチを有する変速機を適用したものであっても良い。
また、実施例1では、本発明の制御装置を、駆動源にエンジンと2つのモータジェネレータを備えたハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、駆動源に電動モータを備えた電気自動車や駆動源にエンジンを備えたエンジン車に対しても適用することができる。例えば、電気自動車の場合、図1の駆動系からエンジン1と発電用モータジェネレータMG1と動力分配装置2を除いた駆動系を備えるようにする。また、エンジン車の場合、図1の駆動系からエンジン1と両モータジェネレータMG1,MG2と動力分配装置2を除き、駆動用モータジェネレータMG2に代え、エンジンを用いた駆動系を備えるようにする。
1 エンジン
MG1 発電用モータジェネレータ
MG2 駆動用モータジェネレータ(駆動モータ)
2 動力分配装置
3 自動変速機
6 変速機入力軸
7 変速機出力軸
8 ロー側変速機構
8a,8b 低速段ギア対
8c 係合クラッチ
8f カップリングスリーブ
9 ハイ側変速機構
9a,9b 高速段ギア対
9c 摩擦クラッチ
11,12 ファイナルドライブギア組
13 ディファレンシャルギア装置
14 駆動車輪
21 変速コントローラ(変速制御手段)
22 車速センサ
23 アクセル開度センサ
24 ブレーキストロークセンサ
25 前後Gセンサ
26 スライダ位置センサ
27 スリーブ位置センサ
28 モータコントローラ
29 ブレーキコントローラ
30 統合コントローラ
41 電動アクチュエータ(モータ駆動器)
42 電動アクチュエータ
51 位置サーボコントローラ(係合クラッチ位置制御手段)
52 位置サーボコントローラ

Claims (10)

  1. 車両の駆動系に設けられ、変速要素として、係合クラッチと、摩擦クラッチと、を有する自動変速機と、該自動変速機の変速制御を行う変速制御手段と、を備えた自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記摩擦クラッチに差回転が生じている状態で、前記係合クラッチを締結させ、前記係合クラッチと前記摩擦クラッチを架け替え変速する際に、
    前記係合クラッチの回転同期途中では、前記係合クラッチに付与する押付力を、前記係合クラッチの締結に必要な締結必要値よりも小さくなるように制限し、前記係合クラッチが回転同期状態になったら、前記押付力を前記締結必要値に設定する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御装置は、前記係合クラッチの回転同期途中における前記押付力の上限値を、前記係合クラッチの製造ばらつきの上限範囲内であって、変速ショックを許容できる最大値に設定する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御装置は、前記係合クラッチの回転同期途中における前記押付力の下限値を、前記係合クラッチの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値に設定する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記係合クラッチの回転同期途中における前記押付力を、ドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記係合クラッチの移動量に基づいて、前記係合クラッチの回転同期状態を判定する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記係合クラッチの移動量を制御することで前記押付力を制御する係合クラッチ位置制御手段を有し、
    前記係合クラッチ位置制御手段は、前記係合クラッチの回転同期途中に前記係合クラッチに対して出力する移動指令値を、最終的に、前記係合クラッチの製造ばらつきの上限範囲内であって、変速ショックを許容できる最大値と、前記係合クラッチの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値と、の間であり、且つ、ドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定する値によって制限する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記変速制御手段は、前記係合クラッチの移動量を制御することで前記押付力を制御する係合クラッチ位置制御手段を有し、
    前記係合クラッチ位置制御手段は、前記係合クラッチの回転同期途中に前記係合クラッチに対して出力する移動指令値を、この移動指令値の演算過程において、前記係合クラッチの製造ばらつきの上限範囲内であって、変速ショックを許容できる最大値と、前記係合クラッチの製造ばらつきの下限範囲内であって、変速時間を許容できる最小値と、の間であり、且つ、ドライバー要求駆動力が高いほど高くなるように設定する値によって制限する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記係合クラッチを移動させるモータ駆動器を有し、
    前記係合クラッチ位置制御手段は、目標クラッチ位置に基づき目標クラッチ規範応答を実現するモータ電流値を算出する前置補償器と、
    前記目標クラッチ規範応答を算出する規範応答演算器と、
    実クラッチ位置と前記目標クラッチ規範応答との偏差に基づきモータ電流補正値を算出するフィードバック補償器と、
    前記前置補償器から算出されたモータ電流値と、前記フィードバック補償器から算出されたモータ電流補正値に基づきモータ電流指令値を算出すると共に、前記目標クラッチ規範応答によって前記モータ電流指令値を制限するモータ電流制限器と、を備えた
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  9. 請求項8に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記規範応答演算器は、前記モータ電流制限器によって算出された制限されたモータ電流指令値に基づき、前記目標クラッチ規範応答を算出する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記フィードバック補償器は、積分器を有すると共に、前記モータ電流制限器によって算出された制限されたモータ電流指令値に応じて前記積分器を停止する
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
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