JP2014125727A - 塀 - Google Patents

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悠介 森本
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Abstract

【課題】接続部材を介して柵パネルを支柱に取付けるに際して、接続部材を支柱に強固に固定することができる塀を提供する。
【解決手段】断面円形状の支柱1間に接続部材6を介して塀パネル2が取付けられ、接続部材6は、支柱1の外周面に沿って平面視湾曲状に形成された支柱取付部62の側方に塀パネル2が取付けられる塀パネル取付部61を有し、かつ、支柱取付部62は、その前面に沿って配置されて前面を覆う平面視湾曲状のカバー材7と支柱1との間に挟着されて、支柱1に固定されるように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等からの騒音が発生する道路近傍の住宅、工場、公園等の敷地境界部や隣地境界部に沿って取付けられる塀に関する。
住宅、工場、公園等の敷地境界部や隣地境界部に沿って取付けられる塀は、一般には支柱間に鋼線材を格子状に組んだ格子体、金属板や金属板と樹脂板とを積層した積層体等の板材、ルーバー材等のパネルを取付けたものが用いられている。
これらの塀を設置する際は、まず支柱を埋設して養生し、次に埋設した支柱間に接続部材とボルト・ナットを用いてパネルを取付けることが多い。この場合、支柱間距離に僅かな施工誤差が生じる場合があり、予めボルトが通過する接続部材かパネルのボルト孔を横長孔にすることによって、前記施工誤差を吸収し、支柱間にパネルを無理なく取付けることができる。
例えば、特許文献1に示されるように、平板の全面に横長孔が上下及び左右方向に規則的配列に設けられた金属板の上下端部をそれぞれ折り曲げて胴縁部が形成されており、平面部及び胴縁部のそれぞれに孔が設けられている胴縁一体型フェンス用パネルが知られている。そして、支柱とパネルと結合するためのブラケットが用いられ、ブラケットにも横長孔が設けられ、この横長孔を通るボルトがパネルの横長孔を通って結合されている。
特開2006−152666号公報
ところで、特許文献1に記載のフェンス用パネルにおいては、ボルトを用いてブラケットと断面円形状の支柱を接続する場合、ボルトの頭部裏面とブラケットとの圧着面積が少なくなってしまうので、ブラケットが左右方向にずれてフェンス用パネルががたついたり、ボルトに緩みが生じたりするおそれがあった。
本発明は、前記の如き問題点を解消し、柵パネルを接続部材を介して支柱に取付けるに際して、当該接続部材を支柱に強固に固定することができる塀を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係る塀は、間隔をおいて立設された断面円形状の支柱間に接続部材を介して塀パネルが取付けられ、前記接続部材は、支柱の外周面に沿って平面視湾曲状に形成された支柱取付部の側方に前記塀パネルが取付けられる塀パネル取付部を有し、かつ、前記支柱取付部は、その前面に沿って配置されて該前面を覆う平面視湾曲状のカバー材と支柱との間に挟着されて、支柱に固定されるようになされていることを特徴とするものである。
本発明において、前記接続部材の支柱取付部は、左右方向に延びる横長孔が設けられ、前記横長孔に挿通されてカバー材と支柱とを貫通する固定ボルトを介して、前記カバー材と支柱との間に挟着されて、支柱に固定されるようになされているとともに、横長孔の範囲で支柱の周方向に移動可能となされているのが好ましい。
また本発明において、前記カバー材の左右方向の寸法は、前記支柱取付部を支柱の周方向に移動させた場合における前記支柱取付部の横長孔を覆う長さであるものが好ましい。
本発明によれば、接続部材の支柱取付部を支柱とカバー材との間に挟着して、支柱に固定するに際して、支柱取付部と、支柱及びカバー材との接触面積を面接触により十分に確保することが可能となり、支柱取付部の左右方向への位置ずれを抑えることができる。
本発明において、接続部材の支柱取付部に設けられた横長孔に挿入された固定ボルトを介して支柱に固定されるようになされているものとすれば、支柱の周方向に前記支柱取付部を前記横長孔の範囲で回動させることにより、支柱の正面に対して、塀パネルの延設方向を斜め前或いは斜め後ろ向きに調整可能となり、しかも、支柱とカバー材との間で、接続部材の支柱取付部をしっかり固定することができる。
また本発明において、前記カバー材の左右方向の寸法は、支柱の周方向に移動させた場合における前記支柱取付部の横長孔を覆う長さとしておけば、接続部材の取付け向きを変更しても、横長孔はカバー材に覆われて外部に露出せず、外観を損なわず、また雨水等が横長孔を通じて支柱側へ侵入することも防ぐことができる。
本発明に係る塀の実施の一形態を示す正面図である。 図1の支柱付近の拡大平面図である。 図1のA−A断面における拡大断面図である。 図1のB−B断面における拡大端面図である。 図2において左側の支柱付近の塀パネルの取付構造を示す説明図である。 図1において、本発明に係る塀の側端部の支柱付近の取付構造を示す主要部の説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
図1,2は、本発明に係る塀Pの実施の一形態を示す説明図であり、図1は正面図、図2は平面図である。支柱1は、設置面に適宜間隔をおいて立設された断面円形状の筒状であって、一般には強度的に安定している周囲が円形状の鋼管が用いられ、鋼材以外に他の金属を用いてもよい。他の金属としては、アルミニウム合金、ステンレス合金等を挙げることができる。また、支柱1の耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装が施されてもよい。本形態では、支柱1の上端に支柱キャップ11が取付けられている。
塀パネル2は、前記支柱1の間に取付けられ、矩形状のパネル本体3と、パネル本体3の左右端部に相対向して配置される縦枠4と、上下端部に相対向して配置される横枠5とを備え、縦枠4及び横枠5によってパネル本体3の外周部が囲まれている。
パネル本体3は、正面視矩形状の板状体であって、本形態では、合成樹脂からなるシート状の芯材の表裏両面に金属箔を積層した積層体である。この金属箔を積層した三層構造により、芯材が合成樹脂であって軽量化を図りながら、比較的曲げ強度が高くなるので、本形態に係る塀Pに用いられる時に耐風荷重性が優れたものとなる。なお、パネル本体3は、本形態に限定されるものではなく、例えば、前記合成樹脂製芯材において、発泡芯材を用いてもよく、無機材料や硝子繊維や炭素繊維等を含むものでもよい。更に、パネル本体3として、金属板や、前記合成樹脂製芯材を単独で用いたものでもよく、これらを複数積層させたものを用いてもよい。
図3は、図1のA−A断面における拡大断面図である。縦枠4は、パネル本体3の側端部31を支持しており、前後に間隔をおいて設けられた前側壁41と後側壁42と、左右に間隔をおいて設けられた内側壁43と外側壁44とによって内部に中空部45が形成された略矩形状のものである。縦枠4の内側壁43は、本形態では、パネル本体3の左右の側端部31が挿入されるように、縦枠4の内部に向かって凹む凹溝43aが、上下方向に沿って設けられている。すなわち、前記凹溝43aを相対向させて、パネル本体3の左右端部に縦枠4が配置されている。また縦枠4の上端には、中空部45の開口を塞ぐキャップ4aが取付けられている。
図4は、図1のB−B断面における拡大端面図である。横枠5は、本形態では、長手方向に沿って中空部が設けられた断面略矩形状の筒型に形成され、パネル本体の上下端部が挿入される凹溝51が該横枠5の一側壁に左右方向に沿って形成されている。すなわち、前記凹溝51を相対向させて、パネル本体3の上下端部に横枠5が配置されている。
縦枠4及び横枠5は、一般にはアルミニウム合金の押出成形からなる長尺形材を適宜長さに切断して用いられる。アルミニウム合金以外に他の金属として、ステンレス合金や鋼材を用いてもよく、これらを用いる場合は、板材をプレス加工や曲げ加工等によって成形したものでもよい。
次に、支柱1と塀パネル2との接続構造について、更に詳しく説明する。支柱1と塀パネル2は接続部材6を介して接続されている。接続部材6は、塀パネル2が取付けられる塀パネル取付部61と支柱1に取付けられる支柱取付部62とを備えている。なお、本形態では、支柱1の両側に塀パネル2を取付ける形態のものであって、支柱取付部62の両側方に塀パネル取付部61を有しており、支柱1の一側方のみに塀パネル2を取付ける場合は、支柱取付部62の一方側のみに塀パネル取付部61を有しているものでよい。
塀パネル取付部61は、本形態では、平坦な縦板状に形成されており、縦枠4の前側壁41の前面に固定される。塀パネル取付部61は、前後に貫通する取付孔63を有し、前記取付孔63、縦枠4の前側壁41及び後側壁42にそれぞれ設けられた通孔46、47に固定ボルトB1を通してナットN1を締結して、縦枠4を塀パネル取付部61に固定することができる。本形態では、前記取付孔63は塀パネル2の延設方向である左右方向に延びる横長状に形成されており、塀パネル2を支柱1に取付ける際、左右方向に対して支柱1との間で僅かなピッチの施工誤差が生じても、固定ボルトB1を取付孔63の長孔の範囲で左右方向に移動させて、その誤差を吸収して塀パネル取付部61に縦枠4を固定することができる。また図示しないが、固定ボルトB1の頭部とねじ部との間に角根を設けて、該角根を横長孔63の側壁に係止させて固定ボルトB1が不必要に回動しないようにしてもよい。
支柱取付部62は、周囲が円形状となされた支柱1の外周面に沿うように、左右方向に円弧状に湾曲された平面視湾曲状に形成され、その中央部に横長孔64が設けられている。
カバー材7は、左右方向に円弧状に湾曲された前記支柱取付部62の前面に沿うように、円弧状に湾曲された平面視湾曲状に形成されており、支柱取付部62の前面に沿って配置されて該支柱取付部62の前面を覆うようになされている。これにより、後述するように、前記カバー材7と支柱1との間に挟着して、前記支柱取付部62を支柱に固定する際、支柱取付部62に対して、支柱1及びカバー材7との接触面積を面接触により十分に確保することが可能となり、支柱取付部62をしっかりと挟着することができる。
支柱取付部62は、前記のように、その中央部に前後方向に貫通する横長孔64を有し、更にカバー材7は、その中央部に固定孔71を有している。そして、固定ボルトB2が、固定孔71から、前記横長孔64を挿通して、支柱1の前後方向に貫通する横孔12、12に貫通され、ナットN2が締結されて、前記支柱取付部62がカバー材7と支柱1との間に挟着されて、支柱1に固定されるようになされている。前記支柱取付部62の横長孔64は湾曲方向に延びる横長孔であって、これにより、支柱取付部62は、前記横長孔64に固定ボルトB2が挿通された状態で、横長孔64の範囲において左右方向に移動可能、すなわち支柱1の周方向に沿って移動可能となされている。したがって、前記ボルトB2が横長孔64に挿通された状態で、支柱1の正面に対して支柱取付部62を支柱1の周方向に沿って移動させて、支柱1を中心とした塀パネル取付部61の角度を変更して、支柱1の正面に対して塀パネル2を斜め前方又は斜め後方に向けて配置することができる。なお図示しないが、固定ボルトB2の頭部とねじ部との間に角根を設けて、該角根を横長孔64の側壁に係止させて固定ボルトB2が不必要に回動して緩みを生じにくくしたものでもよい。
ここで、前記カバー材7を用いずに、支柱取付部62を支柱1に固定する場合、一般には、本形態のように固定ボルトB2の頭部裏面Rは平坦に形成されているため、ナットB2で締結した際、前記頭部裏面Rと平面視湾曲状に形成された支柱取付部62の前面との接触面は上下の線接触となって比較的小さい。そのため、接続部材6が塀パネル2側に引っ張れられるように作用すると、支柱取付部62が塀パネル2側に滑って、塀パネル2にがたつきが生じたり、固定ボルトB2の緩みが生じたりするおそれがある。一方、本形態のように、カバー材7を用いることにより、固定孔71の大きさは、固定ボルトB2が挿入される最小限の大きさであればよいので、前記のように支柱取付部62が塀パネル2側に引っ張れられるように作用しても、カバー材7は固定ボルトB2に対してほとんど移動せず、また支柱取付部62も支柱1とカバー材7と間で比較的大きな面積で面接触した状態で挟着されて、支柱取付部62が塀パネル2側に滑る不具合は起こりにくくなる。
図5は、支柱1の正面と塀パネル2との関係を示すものであって、(a)は塀パネル2を支柱1の正面に対して真正面を向くように配置した場合、(b)は支柱の周方向に沿って前記支柱取付部62を移動させて、前記塀パネル2を斜め前方又は斜め後方に向けて配置した場合の説明図である。いずれの場合においても、カバー材7を支柱1の正面に位置させても、支柱取付部62の横長孔64が前記カバー材7に覆われて露出せず、正面視におけるカバー材7の位置を揃えて、外観に優れたものとなる。
図6は、支柱1と塀パネル4との関係を示すものであって(a)は塀パネル2を支柱1の正面に対して真正面を向くように配置した場合、(b)は支柱の周方向に前記支柱取付部62を移動させて、前記塀パネル2を斜め前方又は斜め後方に向けて配置した場合の説明図である。塀Pの端部において、支柱1に対して塀パネル2を斜め前方又は斜め後方に向けて配置する場合においても、カバー材7を支柱取付部62の側端部65が覆われる長さとしておけば、前記横長孔64のみならず、前記側端部65が露出せず、正面視におけるカバー材7の位置を揃えて、外観に優れたものとなる。
また、カバー材7が支柱取付部62の横長孔64を覆うことによって、雨水等の水分が横長孔64に達しにくくなり、横長孔64周りに錆発生等の腐食を抑えることができる。またカバー材7の固定孔71は、固定ボルトB2に合わせた最小限の大きさとすることができるので、固定孔71に水分等が入りにくくなり、好ましい。
接続部材6は、一般には強度的に安定している鋼板をプレス加工によって成形したものが用いられるが、スレンレス合金やアルミニウム合金を用いて成形したものでもよい。また、接続部材6の耐食性や耐候性を高めるために金属めっきを施してもよい。
カバー材7は、接続部材6と同様に、一般には強度的に安定している鋼板をプレス加工によって成形したものが用いられるが、スレンレス合金やアルミニウム合金を用いて成形したものでもよい。また、カバー材7の耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよい。
1 支柱
11 支柱キャップ
12 横孔
2 塀パネル
3 パネル本体
31 側端部
4 縦枠
4a キャップ
41 前側壁
42 後側壁
43 内側壁
43a 凹溝
44 外側壁
45 中空部
46、47 通孔
5 横枠
51 凹溝
6 接続部材
61 塀パネル取付部
62 支柱取付部
63 取付孔
64 横長孔
65 側端部
7 カバー材
71 固定孔
B1、B2 固定ボルト
N1、N2 ナット
P 塀
R 頭部裏面

Claims (3)

  1. 間隔をおいて立設された断面円形状の支柱間に接続部材を介して塀パネルが取付けられ、前記接続部材は、支柱の外周面に沿って平面視湾曲状に形成された支柱取付部の側方に前記塀パネルが取付けられる塀パネル取付部を有し、かつ、前記支柱取付部は、その前面に沿って配置されて該前面を覆う平面視湾曲状のカバー材と支柱との間に挟着されて、支柱に固定されるようになされていることを特徴とする塀。
  2. 前記接続部材の支柱取付部は、湾曲方向に延びる横長孔が設けられ、前記横長孔に挿通されてカバー材と支柱とを貫通する固定ボルトを介して、前記カバー材と支柱との間に挟着されて、支柱に固定されるようになされているとともに、横長孔の範囲で支柱の周方向に移動可能となされていることを特徴とする請求項1に記載の塀。
  3. 前記カバー材の左右方向の寸法は、前記支柱取付部を支柱の周方向に移動させた場合における前記支柱取付部の横長孔を覆う長さであることを特徴とする請求項2に記載の塀。
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