JP2014125570A - 導電性向上剤 - Google Patents

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JP2014125570A JP2012283663A JP2012283663A JP2014125570A JP 2014125570 A JP2014125570 A JP 2014125570A JP 2012283663 A JP2012283663 A JP 2012283663A JP 2012283663 A JP2012283663 A JP 2012283663A JP 2014125570 A JP2014125570 A JP 2014125570A
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Abstract

【課題】軸受及び油圧作動用等の潤滑油組成物に配合することで、潤滑油組成物に適度な導電性を与え、軸受や油圧作動等における流動帯電を防止することが可能な添加剤の提供。
【解決手段】特定の基油を含む潤滑油組成物の導電性を向上させる導電性向上剤であって、重量平均分子量が10,000〜500,000で、分子中にヘテロ原子を含む極性基を含有するオレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方のポリマーを含み、前記潤滑油組成物の室温(25℃)における導電率が10pS/m以上となることを特徴とする、導電性向上剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物、例えば、石油や絶縁油、潤滑油等、絶縁性の良い液体の油膜で隔てられた軸受及び油圧作動油の配管、ポンプフィルター部分等に使用される潤滑油組成物に配合することで、潤滑油組成物に適度な導電性を与え、潤滑油中での流動帯電を防止することが可能な導電性向上剤、及び当該導電性向上剤を配合した潤滑油組成物に関する。
主成分が炭化水素である絶縁性の良い液体がパイプ等を通して送油されると、静電気が発生する(流動帯電)ことはかなり以前より知られている(非特許文献1)。この時発生した電荷は、液体と共に貯蔵タンクに運ばれ、容器内部やその周辺で帯電、放電することで、火花を生じ、燃料等に引火する場合がある。このような場合には、静電気の蓄積を抑えて火花が出るのを防止するために、例えばデュポン社製の電気伝導度(導電率、電動率)を高めるジノニルナフチルスルホン酸を活性成分とするSTADIS−450等が添加される。
更に、近年では、こうした固体と油の界面で生じる電気現象によって、いろいろな電子部品を含む装置に対して問題を起こしていることが知られている(特許文献1、非特許文献2)。例えば磁気ディスクやスピンドルモータの軸受に、すべり軸受を使用し、軸と軸受内面を潤滑油で隔てて軸にかかる荷重を支え、かつ摩擦・摩耗を低減しているのが最近の小型電子機器であるHD(ハードディスク)の特徴である。このすべり軸受において、油膜で隔てられた軸と軸受は完全に非接触であるが、流動帯電によって静電気が発生しやすく、これらの放電現象によって電子部品、磁気部品が支障をきたす恐れがある。これに対して、金属又は金属酸化物からなる導電性微粒子を配合して静電気による帯電を防止するという報告がある(特許文献2、3)。しかしこのような微粒子を含む油剤は、モーターの始動、停止時に、摩擦面に介在した微粒子による軸受の異常摩耗を引き起こす恐れがある。またこのような金属又は金属酸化物の粒子を含まない潤滑油として、スルフォン酸やフェネート、サリシレート等の有機金属塩を添加した例もあるが(特許文献4)、これら有機金属塩系の帯電防止剤は、多量に添加しなければ帯電防止性能を示さないのと、長時間の使用に際して有機金属塩の劣化、変質、吸湿による沈降、熱酸化劣化による無機塩のスラッジ生成が発生してしまうという問題がある。
特開平9−63866号公報 特開平10−30096号公報 特開平11−315292号公報 特開2001−234187号公報
愛知工業大学研究報告 B 専門関係論文集 14(1979)、1−6 トライボロジスト、佐々木徹、第49巻、第1号(2004年)30−35
本発明はこのような状況に鑑みて為されたものであり、その目的は、金属微粒子や有機金属塩を含まずとも、潤滑油組成物に適度な導電性を与え、潤滑油組成物の流動帯電を防止する導電性向上剤及び当該導電性向上剤を含有する潤滑油組成物を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ヘテロ原子を含む極性基を持ったポリ(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンコポリマーを潤滑油基油へ添加、配合することにより、前記の流動帯電の問題を解決することを見出し、本発明を完成したものである。本発明は、より具体的には下記[1]〜[11]を提供するものである。
本発明[1]は、下記(A)、(B)、(C)及び(D)からなる群より選択される少なくとも一種の基油を含む潤滑油組成物の導電性を向上させる導電性向上剤であって、
重量平均分子量が10,000〜500,000で、分子中にヘテロ原子を含む極性基を含有するオレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方のポリマーを含み、
前記潤滑油組成物の室温(25℃)における導電率が10pS/m以上となる
ことを特徴とする、導電性向上剤である。
(A)100℃の動粘度が2〜12mm/s、硫黄分が0.7質量%以下、粘度指数が90以上、ASTM D3238による%CAが5以下且つ%CPが60以上の、API(米国石油協会)の基油カテゴリーでグループ1に分類される基油
(B)100℃の動粘度が2〜12mm/s、硫黄分が0.03質量%未満、粘度指数が100〜160の、API(米国石油協会)の基油カテゴリーでグループ2又は3に分類される基油からなる群より選択される少なくとも1種以上の基油
(C)100℃の動粘度が2〜12mm/sの、APIのグループ4基油に分類されるポリアルファオレフィン及び/又はポリブデン
(D)100℃の動粘度が2〜12mm/sの、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン及び/又はアルキルジフェニルアルカン
本発明[2]は、前記ポリマーが、窒素原子、酸素原子又はリン原子のうち少なくとも一種又は複数種のヘテロ原子を含む基を極性基として有する、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、前記発明[1]記載の導電性向上剤である。
本発明[3]は、前記ポリマーは、
前記ヘテロ原子が窒素原子であり、
前記極性基がアミノ基又はイミノ基であり、
ポリマー中の窒素含有量が0.1質量%以上の、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、前記発明[1]又は[2]の導電性向上剤である。
本発明[4]は、前記ポリマーの有する前記アミノ基又はイミノ基の少なくとも一部が、コハク酸イミド誘導体、ポリエチルアミン誘導体、モルホリン誘導体及びN−ビニル−2−ピロリドン誘導体より選択される少なくとも一種以上の誘導体によって導入された、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、前記発明[3]の導電性向上剤である。
本発明[5]は、
前記ポリマーが、下記式(1)若しくは(3)で示されるポリ(メタ)アクリレート又は下記式(2)で示されるオレフィンコポリマーである、前記発明[4]の導電性向上剤である。
Figure 2014125570
(式1中、n及びmはそれぞれ1以上の整数であり、Xは2〜10,000の整数であり、Rは任意に置換した炭素数3〜50の分岐鎖又は直鎖アルキル基であり、Rは水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは水素又は任意に置換した炭素1〜50の分岐鎖又は直鎖アルキルである)
Figure 2014125570
(式2中、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、n、X及びYは2〜10,000の整数である)
Figure 2014125570
(式3中、n、mは1以上の整数、Xは2〜10,000の整数、Rは任意に置換した炭素数3〜50の分岐鎖又は直鎖アルキル基、R、Rは水素又は任意に置換したメチル基である)
本発明[6]は、
前記ポリマーは、
前記ヘテロ原子が酸素原子であり、
前記極性基が水酸基であり、
ポリマー中の前記水酸基の水酸基価が20mgKOH/g以上を示す、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、前記発明[1]又は[2]の導電性向上剤である。
本発明[7]は、
前記ポリマーが下記式(4)の構造によって示されるポリ(メタ)アクリレートである、前記発明[6]の導電性向上剤である。
Figure 2014125570
(式4中、n、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、Xは2〜10,000の整数であり、Yは水素又は水酸基であり、R及びRはそれぞれ水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは任意に置換した炭素1〜20の分岐鎖又は直鎖アルキル基である)
本発明[8]は、
前記ポリマーは、
前記ヘテロ原子がリン原子であり、
前記極性基がリン酸エステル基又はホスホノ基であり、
ポリマー中のリン濃度が0.05質量%以上の、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレート(PMA)のうちの少なくとも一方である、前記発明[1]又は[2]の導電性向上剤である。
本発明[9]は、
前記ポリマーの有する前記リン酸エステル基の少なくとも一部が、アルキルリン酸エステルを基本構造とするリン酸基によって導入された、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、前記発明[8]の導電性向上剤である。
本発明[10]は、
前記ポリマーが下記式(5)又は(6)の構造によって示されるポリ(メタ)クリレートである、前記発明[8]又は[9]の導電性向上剤である。
Figure 2014125570
Figure 2014125570
(式5及び6中、n、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、Xは0〜20の整数であり、Yは水素又はメチル基であり、R、Rは、水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは任意に置換した炭素1〜20の分岐鎖又は直鎖アルキル基であり、Rは、C2〜C4のアルキレン基である)
本発明[11]は、
前記発明[1]〜[10]のいずれかの導電性向上剤と、前記(A)、(B)、(C)及び(D)からなる群より選択される少なくとも一種の基油と、を少なくとも含有する潤滑油組成物である。
本発明によれば、導電性向上剤として潤滑油組成物として配合することで、潤滑油組成物に適度な導電性を与え、潤滑油組成物の流動帯電を防止することが可能な導電性向上剤の提供を可能とする。
以下、本発明の一形態を説明する。尚、本形態はあくまで本発明の一形態であり、当該形態に本発明の技術的範囲は限定されない。
≪成分≫
本形態に係る導電性向上剤は、好適には重量平均分子量が10,000〜500,000(より好適には粘度指数改善効果及びせん断安定性がより優れる10,000〜400,000、更に好適には10,000〜300,000、特に好適には60,000〜300,000)の鉱油及び炭化水素系合成油等に対して溶解性が高く、相溶性の良いポリ(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンコポリマーからなるポリマー添加剤であり、更には構造中に極性基のヘテロ原子を有するものである。ポリマーに組み込まれた極性基のヘテロ原子は、主に酸素原子、窒素原子、リン原子で、それぞれ油中における水素結合性を助長する。即ち、元来油に含まれる微量の水分と、ポリマー中に含まれる酸素原子、窒素原子又はリン原子を含む極性基(例えば、水酸基、アミノ基やリン酸エステル基等)と、が水素結合することによって、油中に微量の電子が移動できるネットワークが形成され、流動帯電によって発生した静電気を油中に蓄積せずに外部へ逃がすことが可能となると推察される{通常、潤滑油及び潤滑油基油には、新油の状態でも微量の水分が100〜200ppm程度含まれている(JUNTSUNET 21、Web版 潤滑油そこが知りたいQ&A 潤滑剤の汚染・管理、Q潤滑油中の水分を取り除くには。2012年9月25日)}。従って、本形態に係るポリマーが有する、ヘテロ原子を含む極性基は、基本的には水素結合を形成しやすい極性基であることが好ましい。
本形態に係るポリ(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンコポリマーは、ヘテロ原子が窒素の場合は、アミノ基又はイミノ基を極性基として有し、ポリマー中の窒素含有量が好適には0.1質量%以上(より好適には0.15質量%以上、更に好適には0.2質量%以上、尚、上限値は特に限定されないが例えば1.0質量%以下)であるポリマーが好適であり、スクシンイミド誘導体、ポリエチルアミン誘導体、モルホリン誘導体又はN−ビニル−2ピロリドン誘導体等によって極性基が導入されたポリマーを例示でき、より具体的には下記式(1)〜(3)で示されたポリマーを例示できる。尚、「アミノ基」とは、第1級アミノ基(−NH)、第2級アミノ基(−NHR)及び第3級アミノ基(−NRR’)のいずれも含む。また、「イミド基」とは、=NRや−NR−のいずれも含む。
Figure 2014125570
(式1中、n及びmはそれぞれ1以上の整数であり、Xは2〜10,000の整数であり、Rは任意に置換した炭素数3〜50の分岐鎖又は直鎖アルキル基であり、Rは水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは水素又は任意に置換した炭素1〜50の分岐鎖又は直鎖アルキルである)
Figure 2014125570
(式2中、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、n、X及びYは2〜10,000の整数である)
Figure 2014125570
(式3中、n、mは1以上の整数、Xは2〜10,000の整数、Rは任意に置換した炭素数3〜50の分岐鎖又は直鎖アルキル基、R、Rは水素又は任意に置換したメチル基である)
また、本形態に係るポリ(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンコポリマーは、へテロ原子が酸素の場合は、水酸基を極性基として有し、ポリマー中の前記水酸基の水酸基価が好適には20mgKOH/g以上(より好適には25mgKOH/g以上、更に好適には30mgKOH/g以上、尚、上限値は特に限定されないが例えば100mgKOH/g以下)を示すポリマーが好適であり、下記式(4)で示されたポリマーを例示できる。ここで、水酸基価は、JIS K0070法に従って測定された値である。
Figure 2014125570
(式4中、n、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、Xは2〜10,000の整数であり、Yは水素又は水酸基であり、R及びRはそれぞれ水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは任意に置換した炭素1〜20の分岐鎖又は直鎖アルキル基
である)
更に、本形態に係るポリ(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンコポリマーは、ヘテロ原子がリンの場合は、リン酸エステル基(例えば、アルキルリン酸エステルを基本構造とするリン酸基)又はホスホノ基を極性基として有し、ポリマー中のリン濃度が0.05質量%以上(より好適には0.07質量%以上、更に好適には0.10質量%以上、尚、上限値は特に限定されないが例えば1.0質量%以下)であるポリマーが好適であり、より具体的には、下記式(5)、及び(6)
で示されたポリマーを例示できる。
Figure 2014125570
Figure 2014125570
(式5及び6中、n、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、Xは0〜20の整数であり、Yは水素又はメチル基であり、R、Rは、水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは任意に置換した炭素1〜20の分岐鎖又は直鎖アルキル基であり、Rは、C2〜C4のアルキレン基である。n及びmは、nに係る構造単位がポリマーの5〜90質量%となるように、mに係る構造単位がポリマーの0.5〜50質量%となるように、決められる。上記式(5)及び(6)で示されるポリマーにおいて、その理由は明らかではないが、重合度がmの構造単位の割合が高すぎると、ポリマーの基油への溶解性に劣ると本発明者は推測している。)
ここで、「(メタ)アクリレート」という表現は、アクリレート及びメタクリレート、ならびにアクリレートとメタクリレートとの混合物を包含する。アルコール基中に1〜20個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートには、特に、飽和アルコールに由来する(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルヘプチ(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、3−イソプロピルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート;不飽和アルコールに由来する(メタ)アクリレート、例えば2−プロピニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、例えばシクロペンチル(メタ)アクリレート、3−ビニルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が含まれる。
また、「オレフィンコポリマー」という表現は、エチレンとプロピレンの共重合体であり、炭化水素系高分子である。粘度指数向上効果はメタクリレート系と比較すると小さいが、増粘効果は比較的大きい。
≪使用方法≫
本形態に係る導電性向上剤は、対象とする潤滑油組成物に添加する用途で使用する。ここで、本形態に係る導電性向上剤の潤滑油組成物に対する添加量は、潤滑油組成物の室温(25℃)における導電率が10pS/m以上(好適には10℃で10pS/m以上、より好適には0℃で10pS/m以上、上限値は特に限定するものではないが、例えば100,000pS/m以下)となる量である。尚、潤滑油組成物の導電率が、当該組成物の実用温度域である0〜80℃で10pS/m以上であれば、流動帯電を防止する効果は得られるものであるが、機械装置を始動する低温時(50℃以下)では、炭化水素を主体とする基油では導電率が低く、高性能なモーターや循環ポンプ等が起動して強い流速が発生すると、配管の折れ曲がった部分やフィルターの部分、高速モーターの軸受回転部で油の流速が異常に変化し、流動帯電が発生し易い。本形態では、より確実に流動帯電を防止するために、導電性向上剤の潤滑油組成物に対する添加量を、潤滑油組成物の室温(25℃)における導電率が10pS/m以上となる量としている。具体的には、下記(A)〜(D)からなる群より選択される少なくとも一種の基油を含む潤滑油組成物に関しては、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。この範囲であれば、充分な基油との相溶性と溶解性が得られる範囲であり、また潤滑油を設計する上で充分な粘度とせん断安定性を考慮したバランスのとれた設計が可能となる。
なお、本形態に係る導電性向上剤を使用することにより、潤滑油組成物の導電性を向上させることのみならず、潤滑油組成物の粘度特性を改善することもできる。ここで、流動帯電を防止するための潤滑油組成物としては、例えば、低温(本形態に係る潤滑油組成物を使用した装置の非動作時又は動作初期時)ではある程度動粘度を低く抑えた流動性の良い挙動を示すことで、配管の曲がり部やオイルフィルターの周囲、高速軸受部等での油の流速が変化する部分における乱流等を防止可能な潤滑油が考えられる。また同時に、潤滑油組成物の本来の機能として、高温(本形態に係る潤滑油組成物を使用した装置の動作中)では機器の損傷を防ぐための十分な粘性を有する必要がある。本形態に係る導電性向上剤は、このような粘度特性を有する潤滑油組成物を構成し得るため、潤滑油組成物に導電性を付与するのみならず、粘度特性の面からも、潤滑油組成物の流動帯電防止に効果を奏する。
このように、本形態に係る導電性向上剤に適用されるポリ(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンコポリマーからなるポリマー添加剤を使用することで、従来のように、粘度指数向上剤と導電性向上剤を別途添加することなく、潤滑油組成物の流動帯電を効果的に防止することができる。
以下、本形態に係る導電性向上剤の好適使用例として、潤滑油組成物を例に採って説明する。ここで、本形態に係る潤滑油組成物は、基油及び添加剤から構成される。以下にそれぞれの構成要件に関して詳述する。
<潤滑油組成物−基油>
本形態に係る導電性向上剤は、高度精製基油と呼ばれる鉱油、炭化水素系合成油等の基油に対して好適に使用することができ、これらの鉱油系基油と合成基油は、鉱油基油同士、合成基油同士、鉱油系基油と合成系基油を任意の比率で混合して使用することが可能である。API(American Petroleum Institute,米国石油協会)基油カテゴリーでグループ1、グループ2、グループ3、及びグループ4等に属する基油を、単独又は混合物とした基油に対してより好適に使用することができる。
グループ1基油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、溶剤精製、水素化精製、脱ろう等の精製手段を適宜組合せて適用することにより得られるパラフィン系鉱油を挙げることができる。ここで使用するグループ1基油は、100℃動粘度が2〜12mm/s、好ましくは2〜10mm/s、より好ましくは2〜8mm/sであってもよい。また、粘度指数が90〜120、好ましくは、95〜120、より好ましくは95〜110であってもよい。また、硫黄分が0.03〜0.7質量%、好ましくは0.3〜0.7質量%、より好ましくは0.4〜0.7質量%であってもよい。また、ASTM D3238による%CAが5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3.4以下であってもよい。また、ASTM D3238による%CPが60以上、好ましくは63以上、より好ましくは66以上であってもよい。
グループ2基油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろう等の精製手段を適宜組合せて適用することにより得られたパラフィン系鉱油を挙げることができる。ガルフ社法等の水素化精製法により精製されたグループ2基油は、全イオウ分が10ppm未満、アロマ分が5%以下であり、本形態に好適である。これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数(本発明における粘度指数はASTM D2270、JIS K2283にて測定)は100〜120がよい。100℃における動粘度(本発明における動粘度はASTM D445、JIS K2283にて測定)は、好ましくは2〜12mm/s、より好ましくは2〜9mm/sであってもよい。また全硫黄分は0.03質量%(300ppm)未満、好ましくは0.02質量%(200ppm)未満、更に好ましくは0.001質量%(10ppm未満)であってもよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満であってもよい。更にアニリン点(本発明におけるアニリン点はASTM D611、JIS K2256にて測定)は80〜150℃、好ましくは100〜135℃のものを使用してもよい。
例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、高度水素化精製により製造されるパラフィン系鉱油や、脱ろうプロセスにて生成されるワックスをイソパラフィンに変換・脱ろうするISODEWAXプロセスにより精製された基油や、モービルWAX異性化プロセスにより精製された基油も好適である。これらの基油はAPIグループ2及びグループ3基油に該当する。粘度は特に制限されないが、粘度指数は100〜160、好ましくは100〜145がよい。100℃における動粘度は、好ましくは2〜12mm/s、より好ましくは2〜9mm/sであってもよい。また全硫黄分は、0〜0.03質量%(0〜100ppm)、好ましくは0.01質量%(100ppm)未満であってもよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満であってもよい。更にアニリン点は80〜150℃、好ましくは100〜135℃のものを使用してもよい。
天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)油は、原油から精製された鉱油基油と比較して、硫黄分や芳香族分が極めて低く、パラフィン構成比率が極めて高いため、酸化安定性に優れ、蒸発損失も非常に小さいため、本形態の基油として好適である。GTL基油の粘度性状は特に制限されないが、通例粘度指数は100〜180、より好ましくは100〜150であってもよい。また100℃における動粘度は、2〜12mm/s、より好ましくは2〜9mm/sであってもよい。
また通例全硫黄分は0.03質量%未満(0〜300ppm)、より好ましくは10ppm未満、全窒素分1ppm未満であってもよい。そのようなGTL基油商品の一例として、SHELL XHVI(登録商標)を挙げることができる。
炭化水素系合成油としては、例えば、100℃の動粘度が2〜12mm/sの、ポリオレフィン、エチレンとアルファオレフィンのオリゴマー、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルアルカン等、又はこれらの混合物等を挙げることができる。
上記ポリオレフィンには、各種オレフィンの重合物又はこれらの水素化物が含まれる。オレフィンとしては任意のものが用いられるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、炭素数5以上のα−オレフィン等が挙げられる。ポリオレフィンの製造にあたっては、上記オレフィンの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特にポリアルファオレフィン(PAO)と呼ばれている、100℃の動粘度が2〜12mm/sの、ポリオレフィンやポリブデン等が好適であり、これはグループ4基油である。ポリアルファオレフィンは、2種類以上の合成油を混合させたものであってもよい。
ここで、100℃の動粘度が2mm/s以下の基油は、分子量が小さいため、一般的に基油の引火点(JIS K22654 COC法)が150℃以下で低く、またNOACK(ASTM D5800)が高く蒸発損失が大きくなるため、長期にわたっての軸受けや油圧作動の潤滑には好ましくない。100℃の動粘度が12mm/s以上では、適用した場合には最終製品の低温粘度(ASTM D5293、ASTM D4684)が高くなり、高速回転の軸受けや油圧作動油には好ましくない。また%CAが5より大きい又は%CPが60より小さい場合は、基油の溶解性、極性は向上するが、熱・酸化安定性が低下し好ましくない。また硫黄分が0.7質量%より大きいと、最終製品である軸受油及び油圧作動油の熱・酸化安定性が低下すると同時に、非鉄金属などの銅やアルミ合金に対する腐食に対して好ましくない。
本形態の潤滑油組成物における上記基油の含有量は特に制限されないが、潤滑油組成物の全量基準で50〜99質量%、好ましくは60〜99質量%、より好ましくは70〜99質量%の範囲を例示することができる。
<潤滑油組成物−添加剤>
本形態に係る潤滑油組成物は、流動帯電防止用のポリマー添加剤の他にも、上記した成分のほかに更に性能を向上させるため、必要に応じて種々の添加剤を適宜使用することができる。これらのものとしては、無灰系摩擦調整剤(例えばモノグリセリド)、流動点降下剤、酸化防止剤、極圧剤、油性向上剤、金属不活性化剤、耐摩耗剤、消泡剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤、防錆剤等や、その他の公知の潤滑油添加剤を挙げることができる。
(流動点降下剤)
本形態に係る潤滑油組成物に対して、低温流動性を向上させるために、流動点降下剤を添加してもよい。流動点降下剤としては特に限定されず、例えば前記ポリメタクリレート系のポリマーも流動点降下剤としての機能を有する。流動点降下剤の添加量は、基油100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲で使用できる。
(酸化防止剤)
本形態において使用する酸化防止剤としては、潤滑油に使用されるものが実用的には好ましく、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、基油100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
前記アミン系酸化防止剤としては、p,p’−ジオクチル−ジフェニルアミン(精工化学社製:ノンフレックスOD−3)、p,p’−ジ−α−メチルベンジル−ジフェニルアミン、N−p−ブチルフェニル−N−p’−オクチルフェニルアミン等のジアルキル−ジフェニルアミン類、モノ−t−ブチルジフェニルアミン、モノオクチルジフェニルアミン等のモノアルキルジフェニルアミン類、ジ(2,4−ジエチルフェニル)アミン、ジ(2−エチル−4−ノニルフェニル)アミン等のビス(ジアルキルフェニル)アミン類、オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、N−t−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン等のアルキルフェニル−1−ナフチルアミン類、1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、N−ヘキシルフェニル−2−ナフチルアミン、N−オクチルフェニル−2−ナフチルアミン等のアリール−ナフチルアミン類、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン類、フェノチアジン(保土谷化学社製:Phenothiazine)、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のフェノチアジン類等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジドデシルサルファイド、ジオクタデシルサルファイド等のジアルキルサルファイド類、ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ドデシルオクタデシルチオジプロピオネート等のチオジプロピオン酸エステル類、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(川口化学社製:アンテージDBH)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール等の2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール類、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エトキシフェノール等の2,6−ジ−t−ブチル−4−アルコキシフェノール類がある。
また、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプト−オクチルアセテート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(吉富製薬社製:ヨシノックスSS)、n−ドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2’−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチル−エチル)−4−ヒドロキシ−C7〜C9側鎖アルキルエステル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL135)等のアルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート類、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−400)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−500)等の2,2’−メチレンビス(4−アルキル−6−t−ブチルフェノール)類がある。
更に、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージW−300)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(シェル・ジャパン社製:Ionox220AH)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−(ジ−p−ヒドロキシフェニル)プロパン(シェル・ジャパン社製:ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL109)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](吉富製薬社製:トミノックス917)、2,2’−チオ−[ジエチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL115)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(住友化学:スミライザーGA80)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(川口化学社製:アンテージRC)、2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチル−レゾルシン)等のビスフェノール類がある。
そして、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:IrganoxL101)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(吉富製薬社製:ヨシノックス930)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(シェル・ジャパン社製:Ionox330)、ビス−[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−4−(2”,4”−ジ−t−ブチル−3”−ヒドロキシフェニル)メチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノール等のポリフェノール類、p−t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドの縮合体、pt−ブチルフェノールとアセトアルデヒドの縮合体等のフェノールアルデヒド縮合体等が挙げられる。
リン系酸化防止剤として、トリフェニルフォスファイト、トリクレジルフォスファイト等のトリアリールフォスファイト類、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト等のトリアルキルフォスファイト類、トリドデシルトリチオフォスファイト等が挙げられる。
極圧剤、油性向上剤としては、例えば、ジアルキルサルファイド、ジベンジルサルファイド、ジアルキルポリサルファイド、ジベンジルジサルファイド、アルキルメルカプタン、ジベンゾチオフェン、2,2’−ジチオビス(ベンゾチアゾール)等の硫黄系極圧剤、トリアルキルフォスフェート、トリアリールフォスフェート、トリアルキルフォスフォネート、トリアルキルフォスファイト、トリアリールフォスファイト、ジアルキルハイドロゼンフォスファイト、トリアルキルトリチオフォスファイト等のリン系極圧剤、脂肪酸アミド類、脂肪酸エステル類等の脂肪族系油性向上剤、1〜3級のアルキルアミン、アルキレンオキサイド付加のアルキルアミン類等のアミン系油性向上剤が挙げられる。これらの極圧剤、油性向上剤は、基油100質量部に対して、0.1〜2重量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
(金属不活性化剤)
本形態に係る組成物と併用できる金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、4−メチル−ベンゾトリアゾール、4−エチル−ベンゾトリアゾール等の4−アルキル−ベンゾトリアゾール類、5−メチル−ベンゾトリアゾール、5−エチル−ベンゾトリアゾール等の5−アルキル−ベンゾトリアゾール、1−ジオクチルアミノメチル−2,3−ベンゾトリアゾール等の1−アルキル−ベンゾトリアゾール類、1−ジオクチルアミノメチル−2,3−トルトリアゾール等の1−アルキル−トルトリアゾール類等のベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール、2−(オクチルジチオ)−ベンゾイミダゾール、2−(デシルジチオ)−ベンゾイミダゾール、2−(ドデシルジチオ)−ベンゾイミダゾール等の2−(アルキルジチオ)−ベンゾイミダゾール類、2−(オクチルジチオ)−トルイミダゾール、2−(デシルジチオ)−トルイミダゾール、2−(ドデシルジチオ)−トルイミダゾール等の2−(アルキルジチオ)−トルイミダゾール類等のベンゾイミダゾール誘導体がある。
また、インダゾール、4−アルキル−インダゾール、5−アルキル−インダゾール等のトルインダゾール類等のインダゾール誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール誘導体(千代田化学社製:チオライトB−3100)、2−(ヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(オクチルジチオ)ベンゾチアゾール等の2−(アルキルジチオ)ベンゾチアゾール類、2−(ヘキシルジチオ)トルチアゾール、2−(オクチルジチオ)トルチアゾール等の2−(アルキルジチオ)トルチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)−ベンゾチアゾール等の2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)ベンゾチアゾール類、2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジブチルジチオカルバミル)トルチアゾール、2−(N,N−ジヘキシルジチオカルバミル)トルチアゾール等の2−(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−トルゾチアゾール類等のベンゾチアゾール誘導体がある。
更に、2−(オクチルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(デシルジチオ)ベンゾオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)ベンゾオキサゾール等の2−(アルキルジチオ)−ベンゾオキサゾール類、2−(オクチルジチオ)トルオキサゾール、2−(デシルジチオ)トルオキサゾール、2−(ドデシルジチオ)トルオキサゾール等の2−(アルキルジチオ)トルオキサゾール類等のベンゾオキサゾール誘導体、2,5−ビス(ヘプチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ドデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール等の2,5−ビス(アルキルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール類、2,5−ビス(N,N−ジエチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジブチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(N,N−ジオクチルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール等の2,5−ビス(N,N−ジアルキルジチオカルバミル)−1,3,4−チアジアゾール類、2−N,N−ジブチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−N,N−ジオクチルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール等の2−N,N−ジアルキルジチオカルバミル−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール類等のチアジアゾール誘導体、1−ジ−オクチルアミノメチル−2,4−トリアゾール等の1−アルキル−2,4−トリアゾール類等のトリアゾール誘導体等が挙げられる。これらの金属不活性剤は、基油100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
(摩耗防止剤)
本形態に係る潤滑油組成物に対して、耐摩耗性を付与するために、リン化合物を添加することもできる。本形態に適したリン化合物としては、ジチオリン酸亜鉛、リン酸亜鉛が挙げられる。これらのリン化合物は、基油100質量部に対して、0.01〜2質量%、潤滑油全体を基準にリン含有量は好ましくは0.05〜0.10質量%、より好ましくは0.05〜0.08質量%の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。本形態に係る潤滑油組成物を、例えば内燃機関油に適用した場合には、潤滑油全体を基準にリン含有量を0.10質量%以上配合すると、排気ガスコントロールシステムの触媒等に悪影響を与え、リン含有量が0.05質量%以下では、内燃機関油としての耐摩耗性が維持できない。
上記ジチオリン酸亜鉛としては、一般に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛、アリールアルキルジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。炭化水素基として、例えばアルキル基は、炭素数3〜12の第1級又は第2級のアルキル基が挙げられ、アリール基としてはフェニル基或いはフェニル基を炭素数1〜18のアルキル基で置換したアルキルアリール基が挙げられる。
これらのジチオリン酸亜鉛の中でも第2級のアルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛が好ましく、炭素数としては3〜12、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜6である。
(消泡剤)
本形態に係る潤滑油組成物に対して、消泡性を付与するために、消泡剤を添加してもよい。本形態に適した消泡剤として、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルシリケート、フルオロシリコーン等のオルガノシリケート類、ポリアルキルアクリレート等の非シリコーン系消泡剤が挙げられる。その添加量は、基油100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部の範囲で単独又は複数組み合わせて使用できる。
<潤滑油組成物−物性>
本形態の潤滑油組成物は、「導電性向上剤」の「使用方法」の項目でも説明したように、室温(25℃)における導電率が10pS/m以上となることが好ましい。10pS/m未満では流動帯電によって発生した静電気の蓄積をアースする能力が低く、静電気によるトラブルを防止する問題に対応できない。
また、本形態に係る潤滑油組成物の粘度は特に制限されないが、100℃における動粘度は、2〜12mm/s、好ましくは2〜10mm/s、より好ましくは2〜8mm/sであってもよい。また、40℃における動粘度は、2〜100mm/s、好ましくは5〜100mm/s、より好ましくは8〜100mm/sであってもよい。
<潤滑油組成物−作用効果>
絶縁油の中には、変圧器内を循環させることによって温度を下げる冷却用の絶縁油もあるが、この時、油の流動帯電による静電気防止にBTA(ベンゾトリアゾール)を添加して、静電気の発生を防止している。本形態に係る導電性向上剤は化学的にも安定で熱に対しても強く、鉱油や炭化水素系合成油に対しても溶解しやすい。更に窒素原子を含むポリマーを含有する導電性向上剤は、鉄及び非鉄金属に対しても反応し難く、金属表面の清浄性にも優れているところから、当該BTAの代用にも応用できるものと考えられる。
即ち、本形態に係る導電性向上剤を潤滑油組成物に配合することで、潤滑油組成物に適度な導電性を与えるとともに温度粘度特性をも改善し、潤滑油組成物中の流動帯電を防止することが可能となる。更に、本形態に係る導電性向上剤は、化学的に安定で腐食性がなく、熱に対しても強く、且つ鉱油や炭化水素系合成油にも溶解しやすい。また、本形態に係る導電性向上剤は、更に清浄性にも優れる。本形態に係る導電性向上剤は、変圧器内で流動帯電による静電気防止として一般的に用いられるBTA(ベンゾトリアゾール)の代用としても応用できるものと考えられ、軸受油、油圧作動油、2次電池等のバッテリー用冷却油等にも適用可能である。
本形態に係る潤滑油組成物は、低温では粘度を低く、高温では粘性を保ち、潤滑油の温度粘度特性をも改善する。すなわち温度が低い時は動粘度を低く抑えて流動性を向上、乱流等を防いで流動帯電の発生を抑制する。また温度が高い時は粘性の低下を防止する性能を併せ持たせることができ、油圧作動油、軸受油等の性能を損なうことなく異常摩耗やスラッジの発生を防止しつつ、かつ潤滑油の流動帯電によって発生する静電気をアースできる導電性潤滑油組成物を提供することが可能である。
以下に、潤滑油組成物に適度な導電率を与え、潤滑油組成物による流動帯電を防止することが可能なポリマー添加剤(及び当該添加剤を添加された軸受及び油圧作動用潤滑油組成物)について、実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
1.組成材料
(1)基油
実施例及び比較例にて使用した基油1〜9は表1の性状を示すものである。ここで、40℃動粘度、100℃動粘度は、JIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」によって得られる値である。また、粘度指数は、JIS K 2283「原油及び石油製品-動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準拠して得られる値である。流動点(P.P)についてはJIS K 2269、引火点についてはJIS K 2265−4(COC:クリーブランド開放法)、硫黄分についてはJIS K 2541(放射線励式起法)、導電率(室温20℃)についてはJIS K 2276、%C、%C及び%CについてはASTM D3238、を各々用いて得た。
(2)ポリマー添加剤
実施例及び比較例にて使用したポリマー添加剤1〜8の組成を表2に示す。各ポリマー添加剤の分子量については、昭和電工株式会社製、高速液体クロマトグラフィーのShodex GPC−101を使用し、測定条件は、温度は40℃、検出器は示差屈折率検出器(RI)、キャリア流量はTHF−1.0ml/min(Ref 0.3ml/min)、試料注入量は100μl、カラムは{KF−G(Shodex)×1、KF−805L(Shodex×2)}、とし、ピークの分子量2,600〜690,000に相当する範囲を使用して、平均分子量(ポリスチレン換算における重量平均分子量、数平均分子量及びZ平均分子量)を解析(算出)した。ここで、ポリマー1及びポリマー2については、それぞれオレフィンコポリマー及びポリメタクリレート系のポリマーである。これらポリマーは、もともと分子中に含むカルボニル基を除外すれば、ヘテロ原子(窒素、リン、又は酸素原子)を含む極性基(例えば、アミノ基、水酸基又はリン酸基等)は有していない。ポリマー3、ポリマー4、ポリマー5、ポリマー6、ポリマー7及びポリマー8は、表2の備考欄に示したように、窒素、リン又は酸素原子等のヘテロ原子を含む極性基を導入されたオレフィンコポリマー及びポリメタクリレート系のポリマーである。
2.潤滑油組成物の調製
上記した組成材料(基油1〜9及びポリマー1〜8)を用いて、表3、4及び5に示す組成により、実施例1〜24、比較例1〜6の潤滑油組成物を調製した。
3.試験
各種ポリマーの潤滑油組成物に対する粘度指数向上効果と導電率向上効果を見るために、実施例1〜24及び比較例1〜6の潤滑油組成物について各種試験を行った。各油はそれぞれの基油へポリマーを添加し、油温70℃にて30分撹拌、一昼夜室温にて静置した後試験を行った。
(1)導電率
導電率の測定はJIS K 2276−2003、18.導電率試験方法に準拠し、Emcee Electronics社製1152型ポータブル導電率計を使用して測定を行った。測定手順は、パイレックス(登録商標)製の500mlの試料容器に加温された試料を400ml充填し、熱電対により油温を測定すると同時に導電率を測定した。尚、JIS K 2276、18.7に参考図4 導電率と油温の関係図 が表記されるが、この図からもわかるように導電率と油温との間に関係式(A):Y=AeBtが導き出される{Yは試料の導電率(pS/m)、tは摂氏温度(℃)(tとして絶対温度Kを使用しても良いが、その場合は摂氏の時に使用したA及びBの値とは異なる定数を使用する)、A及びBは使用した基油(溶媒)、ポリマーの性質やその濃度に対応した定数である}。この関係式は0℃から100℃の間で使用することが好ましいと推察される。
このように、横軸に油温、縦軸に導電率の対数を取ると、右上がりの直線である関係{式(A):Y=AeBt(又はlogY=Bt+logA)}が得られる。更に、それぞれの試料の油温における導電率の測定結果を図にプロットすることで、定数A及びBを導き出すことができる。各試料の測定値から図をプロットして定数A及びBを求め、更に定数A及びBの値と式(A)Y=AeBtを用いて、各基油の0〜100℃間における導電率を算出し、表1にそれぞれの値を示した(マイクロソフト社のエクセル2007による指数近似を利用して求めると、比較的簡単に導き出せる)。
(2)動粘度及び粘度指数
動粘度(@40℃、@100℃)の測定及び粘度指数の算出は、表1と同様にJIS K 2283に準拠した方法で値を得た。
(3)油中水分量
また、各油に含まれる水分の量をカールフィッシャー法(JIS K 2275)により測定し、100〜200ppmの範囲にあることを確認した。
4.結果及び考察
表1に、使用した基油の性状と各油温における導電率を示す。炭化水素を主体とした鉱油及び合成油の基油では、温度が上昇すると導電率が高くなる傾向にあることがわかった。しかしこれら炭化水素主体の基油のみでは、油温が50℃以下ではすべて導電率は10pS/m以下で、これらの基油を使用した油圧ポンプによる油の移送や回転する軸受等では、流動帯電による静電気の発生、電荷の蓄積が起きやすく、スパーク等による電荷の急速な放電等のトラブルが起きやすいことが考えられる。
表3及び4に、表1に示す基油−8(ポリαオレフィンからなる合成炭化水素基油)に対して、表2に示す各種のポリマーを添加して試料油を作成し、動粘度、粘度指数、導電率を測定した結果を示す。ヘテロ原子(窒素、リン、又は酸素原子)を含む極性基(アミノ基、水酸基、リン酸基)を持たないポリマー1及びポリマー2では、ポリマーを添加すると基油のみの場合よりも粘度指数が上昇し、低温における流動性が改善できることがわかる。例えば、表1の基油−5と表3の比較例3を比べれば、100℃における動粘度はほぼ同じであるが、40℃における動粘度は比較例3の方が約40%も低く、流動性が非常に良く、低温時における流動帯電が基油−5よりも相対的には発生し難い。しかし、比較例3の場合は、低温時の流動性は改善されても室温(25℃)における導電率が10pS/m以下と低いため、流動帯電は発生する可能性が高い。実施例18では、表1の基油−5と100℃の動粘度はほぼ同じで、40℃における動粘度は約50%も低く、且つ25℃における導電率が10pS/m以上を示し低温時における流動性及び導電率も高く、油圧作動油、油圧ポンプ、高速軸受油、絶縁油として用いても、流動帯電は発生し難く、使用に耐える。
表5に、表1に示す各種の炭化水素系基油に対してポリマー4を添加して試料油を作成し、動粘度、粘度指数、導電率を測定した結果を示す。表5における実施例23と表1の基油4又は基油7と比べてもわかるように、100℃における動粘度はほぼ同等でも、粘度指数が高いため40℃における動粘度は実施例23では低いため流動性は良く、なおかつ室温(25℃)における導電率が高いため、これらを組成物として適用した潤滑油は流動帯電が発生し難い。
以上より、本実施例に示された導電性向上剤を潤滑油組成物として利用することにより、潤滑油組成物の導電率を10pS/m以上に調整することが可能となることから、軸受油及び油圧作動油等の工業用潤滑油を始めとする各種潤滑油組成物における流動帯電を防止可能であり、更には、粘度特性を改善可能なことから各種の装置及び機械の設計として最適な潤滑油組成物を得ることが可能であることが示された。
Figure 2014125570
Figure 2014125570
Figure 2014125570
Figure 2014125570
Figure 2014125570

Claims (11)

  1. 下記(A)、(B)、(C)及び(D)からなる群より選択される少なくとも一種の基油を含む潤滑油組成物の導電性を向上させる導電性向上剤であって、
    重量平均分子量が10,000〜500,000で、分子中にヘテロ原子を含む極性基を含有するオレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方のポリマーを含み、
    前記潤滑油組成物の室温(25℃)における導電率が10pS/m以上となることを特徴とする、導電性向上剤。
    (A)100℃の動粘度が2〜12mm/s、硫黄分が0.7質量%以下、粘度指数が90以上、ASTM D3238による%CAが5以下且つ%CPが60以上の、API(米国石油協会)の基油カテゴリーでグループ1に分類される基油
    (B)100℃の動粘度が2〜12mm/s、硫黄分が0.03質量%未満、粘度指数が100〜160の、API(米国石油協会)の基油カテゴリーでグループ2又は3に分類される基油からなる群より選択される少なくとも1種以上の基油
    (C)100℃の動粘度が2〜12mm/sの、APIのグループ4基油に分類されるポリアルファオレフィン及び/又はポリブデン
    (D)100℃の動粘度が2〜12mm/sの、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン及び/又はアルキルジフェニルアルカン
  2. 前記ポリマーが、窒素原子、酸素原子又はリン原子のうち少なくとも一種又は複数種のヘテロ原子を含む基を極性基として有する、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、請求項1記載の導電性向上剤。
  3. 前記ポリマーは、
    前記ヘテロ原子が窒素原子であり、
    前記極性基がアミノ基又はイミノ基であり、
    ポリマー中の窒素含有量が0.1質量%以上の、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、請求項1又は2記載の導電性向上剤。
  4. 前記ポリマーの有する前記アミノ基又はイミノ基の少なくとも一部が、スクシンイミド誘導体、ポリエチルアミン誘導体、モルホリン誘導体及びN−ビニル−2−ピロリドン誘導体より選択される少なくとも一種以上の誘導体によって導入された、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、請求項3記載の導電性向上剤。
  5. 前記ポリマーが、下記式(1)若しくは(3)で示されるポリ(メタ)アクリレート又は下記式(2)で示されるオレフィンコポリマーである、請求項4記載の導電性向上剤。
    Figure 2014125570
    (式1中、n及びmはそれぞれ1以上の整数であり、Xは2〜10,000の整数であり、Rは任意に置換した炭素数3〜50の分岐鎖又は直鎖アルキル基であり、Rは水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは水素又は任意に置換した炭素1〜50の分岐鎖又は直鎖アルキルである)
    Figure 2014125570
    (式2中、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、n、X及びYは2〜10,000の整数である)
    Figure 2014125570
    (式3中、n、mは1以上の整数、Xは2〜10,000の整数、Rは任意に置換した炭素数3〜50の分岐鎖又は直鎖アルキル基、R、Rは水素又は任意に置換したメチル基である)
  6. 前記ポリマーは、
    前記ヘテロ原子が酸素原子であり、
    前記極性基が水酸基であり、
    ポリマー中の前記水酸基の水酸基価が20mgKOH/g以上を示す、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、請求項1又は2記載の導電性向上剤。
  7. 前記ポリマーが下記式(4)の構造によって示されるポリ(メタ)アクリレートである、請求項6記載の導電性向上剤。
    Figure 2014125570
    (式4中、n、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、Xは2〜10,000の整数であり、Yは水素又は水酸基であり、R及びRはそれぞれ水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは任意に置換した炭素1〜20の分岐鎖又は直鎖アルキル基である)
  8. 前記ポリマーは、
    前記ヘテロ原子がリン原子であり、
    前記極性基がリン酸エステル基又はホスホノ基であり、
    ポリマー中のリン濃度が0.05質量%以上の、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレート(PMA)のうちの少なくとも一方である、請求項1又は2記載の導電性向上剤。
  9. 前記ポリマーの有する前記リン酸エステル基の少なくとも一部が、アルキルリン酸エステルを基本構造とするリン酸基によって導入された、オレフィンコポリマー(OCP)及びポリ(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一方である、請求項8記載の導電性向上剤。
  10. 前記ポリマーが下記式(5)又は(6)の構造によって示されるポリ(メタ)クリレートである、請求項8又は9記載の導電性向上剤。
    Figure 2014125570
    Figure 2014125570
    (式5及び6中、n、m及びZはそれぞれ1以上の整数であり、Xは0〜20の整数であり、Yは水素又はメチル基であり、R、Rは、水素又は任意に置換したメチル基であり、Rは任意に置換した炭素1〜20の分岐鎖又は直鎖アルキル基であり、Rは、C2〜C4のアルキレン基である)
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載された導電性向上剤と、前記(A)、(B)、(C)及び(D)からなる群より選択される少なくとも一種の基油と、を少なくとも含有する潤滑油組成物。
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