JP2014124896A - 液体吸収体、廃インク吸収体、廃インクタンク、液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】廃インクを吸収する廃インク吸収体200であって、廃インク吸収体200において、密度が密の部分210と密の部分210よりも密度が低い疎の部分220とを有し、疎の部分220に、疎の部分220よりも密度が高い極大部230を局所的に有する。極大部は、極大部230同士が連結しないよう、ほぼ均衡して分散されている。また、極大部230の周囲に、疎の部分220が存在する。
【選択図】図1
Description
まず、液体吸収体の構成について説明する。液体吸収体は、液体を吸収する液体吸収体であって、吸収体において、密度が密の部分と密の部分よりも密度が低い疎の部分とを有し、疎の部分に、疎の部分よりも密度が高い極大部を局所的に有するものである。なお、本実施形態では、液体吸収体として廃インク吸収体の構成を例に挙げて説明する。
次に、第2実施形態について説明する。
次に、本発明にかかる具体的な実施例について説明する。
裁断機を用いて数cmに裁断されたパルプシートをターボミル(ターボ工業株式会社製)で綿状に解繊した。
芯鞘構造を有し、鞘が100℃以上で溶融するポリエチレンであり、芯がポリエステルから成る1.7dtexの溶融繊維(テトロン、帝人株式会社製)。
水酸化アルミニウムB53(日本軽金属株式会社製)。
(実施例1:廃インク吸収体Aの形成)
図7は、実施例1にかかる廃インク吸収体の形成方法を示す工程図である。まず、図7(a)に示すように、セルロース繊維100重量部、溶融繊維15重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物を5mm目明きの篩に通してメッシュベルトMB上に堆積して堆積物A’を形成した。この際、メッシュベルトMB面に対して厚さが異なるように堆積させた。本実施例では、一方端部の厚みが他方端部の厚みよりも厚くなるように堆積物A’を形成した。そして、堆積物A’を加圧加熱処理した。この際、図7(b),(c)に示すように、200℃加熱された平板Hを堆積物A’に押し当て所定の厚みまで圧縮した。本実施例では、堆積物A’において最も厚い部分が1/8に圧縮し、最も薄い部分が1/5に圧縮して所定の厚みが形成されるように、堆積物A’を形成(図7(a))した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して廃インク吸収体Aを形成した。当該廃インク吸収体Aの密度を観測したところ、平面Aaの方向において、堆積物A’において最も厚い部分に対応する部分には密の部(0.21g/cm3)分が形成され、最も薄い部分に対応する部分には疎の部分(0.13g/cm3)が形成されていた。また、廃インク吸収体Aでは、堆積物A’において最も厚い部分から最も薄い部分に向かって密度が密から疎に変化していた。また、疎の部分には疎の部分よりも密度が高い極大部が形成されていた。
a:混合物C1の形成
セルロース繊維100重量部、溶融繊維25重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C1’を3mm目明きの篩に通して、当該篩を通った混合物C1を形成した。
b:混合物C2の形成
セルロース繊維100重量部、溶融繊維23重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C2’を3mm目明きの篩に通して、当該篩を通った混合物C2を形成した。
c:混合物C3の形成
セルロース繊維100重量部、溶融繊維21重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C3’を3mm目明きの篩に通して、当該篩を通った混合物C3を形成した。
d:混合物C4の形成
セルロース繊維100重量部、溶融繊維19重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C4’を3mm目明きの篩に通して、当該篩を通った混合物C4を形成した。
e:混合物C5の形成
セルロース繊維100重量部、溶融繊維17重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C5’を3mm目明きの篩に通して、当該篩を通った混合物C5を形成した。
f:混合物C6の形成
セルロース繊維100重量部、溶融繊維15重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C6’を3mm目明きの篩に通して、当該篩を通った混合物C6を形成した。
g:混合物C7の形成
なお各混合物の中で混合物C1の密度が最も大きく0.17g/cm3であり、混合物C6の密度が最も小さく0.15g/cm3である。密度は混合物C1から混合物C6にいくに従い徐々に小さくなっている。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維15重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物C7’を5mm目明きの篩に通して、当該篩を通った混合物C7(密度0.15g/cm3)を形成した。
そして、まず、混合物C1をメッシュベルトMB上に堆積させた。次いで、堆積した混合物C1上に混合物C7を堆積させた。次いで、堆積した混合物C7上に混合物C2を堆積させた。次いで、堆積した混合物C2上に混合物C7を堆積させた。次いで、堆積した混合物C7上に混合物C3を堆積させた。次いで、堆積した混合物C3上に混合物C7を堆積させた。次いで、堆積した混合物C7上に混合物C4を堆積させた。次いで、堆積した混合物C4上に混合物C7を堆積させた。次いで、堆積した混合物C7上に混合物C5を堆積させた。次いで、堆積した混合物C5上に混合物C7を堆積させた。次いで、堆積した混合物C7上に混合物C6を堆積させた。次いで、堆積した混合物C6上に混合物C7を堆積させた。そして、当該堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して廃インク吸収体Bを形成した。廃インク吸収体Bでは、密の部分と疎の部分が交互に積層されていた。また、密の部分では、上層から下層に向けて密度が徐々に高くなっていた。また、疎の部分には極大部が形成されていたが、密の部分には極大部は形成されていなかった。これは、混合物の形成時における篩の目明きサイズが異なり、混合物C1〜C6に対応する篩の目明き寸法よりも混合物C7に対応する篩の目明き寸法が小さい(細かい)からである。
セルロース繊維100重量部、溶融繊維15重量部、難燃剤10重量部を気中混合した混合物を3mm目明きの篩に通してメッシュベルト上に堆積して堆積物を形成した。この際、メッシュベルトMB面に対して厚さが異なるように堆積させた。本実施例では、第1実施形態に示した形成方法と同様にして、一方端部の厚みが他方端部の厚みよりも厚くなるように堆積物を形成した。そして、堆積物を加圧加熱処理した。この際、200℃加熱された平板Hを堆積物に押し当て所定の厚みまで圧縮した。本実施例では、堆積物において最も厚い部分が1/8に圧縮し、最も薄い部分が1/5に圧縮して所定の厚みが形成されるように、堆積物を形成した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して廃インク吸収体R1を形成した。当該廃インク吸収体R1の密度を観測したところ、堆積物において最も厚い部分に対応する部分には密の部分(0.21g/cm3)が形成され、最も薄い部分に対応する部分には疎の部分(0.13g/cm3)が形成されていた。また、廃インク吸収体R1では、堆積物において最も厚い部分から最も薄い部分に向かって密度が密から疎に変化していた。但し、疎の部分には極大部が形成されていなかった。これは、篩の目明き寸法が実施例1に使用した篩の目明き寸法よりも小さい(細かい)ためである。
まず、混合物C1をメッシュベルトMB上に堆積させた。次いで、堆積した混合物C1上に混合物C2を堆積させた。次いで、堆積した混合物C2上に混合物C3を堆積させた。次いで、堆積した混合物C3上に混合物C4を堆積させた。次いで、堆積した混合物C4上に混合物C5を堆積させた。次いで、堆積した混合物C5上に混合物C6を堆積させた。そして、当該堆積物を200℃で加圧加熱処理した。その後、150mm×50mm×12mmに切り出して廃インク吸収体R2を形成した。当該廃インク吸収体R2では、密の部分の密度勾配が確認された。なお、密度の値は実施例2の混合物C1〜C6と同じである。
次いで、上記の実施例1、実施例2及び比較例1、比較例2において、インク浸透性、インク保持性及びインク堆積性の評価を行う。各評価方法は、下記の通りである。
図8は、廃インク吸収体のインク浸透性及び保持性の評価方法を示す模式図である。図8(a)に示すように、150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)のインク吸収体Fを平坦面に載置し、まず、第1ポイントP1からインク80mlをゆっくりと注入する。なお、実施例1では、廃インク吸収体Aにおける一方端部の疎の部分からインクを注入する。また、実施例2では、廃インク吸収体Bにおける最上層の混合物C7に対応する疎の部分からインクを注入する。そして、吸収体Fに染み込まない場合は5分放置し、その後注入を続ける。なお、5分放置しても染み込まない場合は、インクが浸透しないとみなし、インク浸透性の判定はNGとなる。一方、全て注入することができた場合には、インク浸透性の判断はOKとなる。
また、全てインクを注入することができたら、5分間放置し、図8(b)に示すように、第2ポイントP2からストラップS等を用いてインクを注入した第1ポイントP1が下方となるように吊るす。このように吊るされた状態では、浸透したインクがインク吸収体Fの一端部に集まり、保持されにくくなる。そして、インク吸収体Fからインクが垂れた場合には、インクを保持することができないとみなし、インク保持性の判断はNGとなる。一方、インクが垂れない場合には、インク保持性の判断はOKとなる。
次いで、別のインク吸収体Fを用意し、上記同様に平坦面に載置し、第1ポイントP1からインク85mlをゆっくりと注入する。インクの注入部分、評価内容及び評価方法は、上記同様である。その後、インク保持性の評価も上記同様に行う。この評価により、液滴吐出装置や廃インクタンクが斜めになったとしてもインクが漏れ出すことがないことがわかる。
150mm(L)×50mm(W)×12mm(H)のインク吸収体Fを平坦面に載置し、40℃20%RHの環境下において、載置された吸収体Fの上面の中央部にインクを1時間に1回0.4gずつ滴下する。そして、240時間後、インク吸収体Fの表面に固形分の堆積物の厚みが1mm未満であれば、インク堆積性の判断はOKとなる。一方、堆積物の厚みが1mm以上であれば、インク堆積性の判断はNGとなる。
また、液滴吐出装置としては、インクジェットプリンターの他に、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含むインクを噴射する装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となるインクを噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成する装置、紫外線硬化液を噴射し光や熱で硬化させる装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の液滴吐出装置に本発明を適用することができる。
なお、液滴吐出装置として吐出しないような液体を吸収してもよい。例えば、水や油、汚水、尿など一般的に液体と言えるものである。
上記実施例において、廃インク吸収体200を直方体としたが、これに限らない。直方体の一部に切り欠きや凹みがあってもよいし、直方体でなく円弧部や傾斜部を有していてもよい。
上記実施例の図において、疎の部分と密の部分の割合をほぼ同じとなるように描いた。これはインクに応じて変更してもよい。例えば粘度が大きくて浸透しにくいインクであれば疎の部分の厚みを密の部分の厚みより大きくして、浸透しやすくするのが好ましい。逆に粘度が小さくて浸透しやすいなら疎の部分の厚みを密の部分の厚みより小さくするのが好ましい。また、インクに応じて極大部の割合を変更してもよい。
なお、各実施例、比較例において密度を記載したが一例である。例えば粘度が大きくて浸透しにくいインクであれば極大部230の割合を減らし、疎の部分を多くして、浸透しやすくするのが好ましい。逆に粘度が小さくて浸透しやすいなら極大部230の割合を増やし、疎の部分を少なくするのが好ましい。
なお、各実施例、比較例において密度を記載したが一例である。
上記実施例において、セルロース繊維主体とするものとしたが、インクを吸収し、密度差をつけられる材料であれば、セルロース繊維に限られない。ポリウレタンやポリエチレンテレフタラート(PET)などのプラスチックを原料とする繊維や、羊毛などの他の繊維でもよい。
廃インク吸収体を成形する方法は上記実施例に記載の方法に限られない。本願の特徴が出せれば、湿式など他の製法でもよい。
Claims (7)
- 廃インクを吸収する廃インク吸収体であって、
前記廃インク吸収体において、密度が密の部分と前記密の部分よりも密度が低い疎の部分とを有し、
前記疎の部分に、前記疎の部分よりも局所的に密度が高い極大部を分散して有することを特徴とする廃インク吸収体。 - 請求項1に記載の廃インク吸収体において、
1枚の前記廃インク吸収体において前記密の部分と前記疎の部分とを有することを特徴とする廃インク吸収体。 - 請求項2に記載の廃インク吸収体において、
1枚の前記廃インク吸収体において前記密の部分から前記疎の部分に向かって徐々に密度が変化することを特徴とする廃インク吸収体。 - 請求項1に記載の廃インク吸収体において、
前記密の部分と前記疎の部分とが交互に積層され、積層された複数の密の部分において、積層方向に向かって徐々に密度が高くなることを特徴とする廃インク吸収体。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の廃インク吸収体と、
前記廃インク吸収体を収容する収容部と、を備えたことを特徴とする廃インクタンク。 - インクを噴射するヘッドと、
前記ヘッドから排出された廃インクを捕獲する請求項5に記載の廃インクタンクと、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 液体を吸収する液体吸収体であって、
前記液体吸収体において、密度が密の部分と前記密の部分よりも密度が低い疎の部分とを有し、
前記疎の部分に、前記疎の部分よりも局所的に密度が高い極大部を分散して有することを特徴とする液体吸収体。
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