JP2014124714A - 円筒体把持装置 - Google Patents

円筒体把持装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014124714A
JP2014124714A JP2012282907A JP2012282907A JP2014124714A JP 2014124714 A JP2014124714 A JP 2014124714A JP 2012282907 A JP2012282907 A JP 2012282907A JP 2012282907 A JP2012282907 A JP 2012282907A JP 2014124714 A JP2014124714 A JP 2014124714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylindrical body
clamp
picker
axis
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012282907A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6534787B2 (ja
Inventor
Takumi Akatsuka
巧 赤塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2012282907A priority Critical patent/JP6534787B2/ja
Publication of JP2014124714A publication Critical patent/JP2014124714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6534787B2 publication Critical patent/JP6534787B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】円筒体の変形や傷付きを防止でき、円筒体を安定状態に確実に把持できる円筒体把持装置を提供する。
【解決手段】本発明は、クランプ2が円筒体Wの一端内部に挿入された状態で、複数の爪21がクランプ軸に対し直交する方向にそれぞれ拡開移動することにより、各爪21が円筒体Wの内周面に接触して円筒体Wが把持されるようにした円筒体把持装置を対象とする。爪21が、円筒体の内周面に転がり接触するコロを有するコロ型爪によって構成される。円筒体把持装置P1の軸心に対し直交する方向に、クランプ2を移動自在に支持する芯ずれ吸収部4が設けられている。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば感光ドラム用基体等の円筒体を把持するための円筒体把持装置およびその関連技術に関する。
感光ドラム用基体等の円筒体は、その一端部を把持して移載することが通常行われているが、この円筒体の端部を把持する円筒体把持装置として、膨張変形可能な弾性ゴム製のクランプを備え、その弾性ゴム製クランプを円筒体の一端内部に挿入して膨張変形させて円筒体内周面に密着させて、円筒体を把持するようにしたものが周知である。
この円筒体把持装置においては、弾性ゴム製クランプが膨張する範囲に限界があるため、把持する円筒体の内径に応じて、弾性ゴム製クランプを取り替える必要があり、径寸法の異なる円筒体を処理する際の段取り替えが面倒であった。
またこれ以外の円筒体把持装置としては、クランプが拡径方向に離間移動可能な複数の爪によって構成されたものが周知である。この円筒体把持装置では、複数の爪からなるクランプを円筒体の一端内部に挿入して拡径方向に拡開させることにより、各爪を円筒体内周面に接触させて、円筒体を把持するようにしている。
しかしながら、この円筒体把持装置においては、爪が拡開して円筒体内周面に接触した直後に、爪が円筒体の内周面に滑り接触して円筒体内周面に傷が付いてしまうおそれがあった。さらにこの滑り接触により爪の特定部位が偏摩耗し、爪が早期に劣化して十分な耐久性を得ることができないおそれもあった。
そこで下記特許文献1に示す円筒体把持装置が提案されている。この円筒体把持装置は、クランプを構成する複数の爪が、回転自在なコロが設けられたコロ型爪によって構成されている。この円筒体把持装置においては、垂直に配置された縦置き状態の円筒体の上端内部にクランプを挿入し、その状態で複数のコロ型爪を拡開させて円筒体内周面に接触させて円筒体を把持するようにしている。この円筒体把持装置においては、各コロ型爪が円筒体内周面に転がり接触するため、上記滑り接触に起因する傷付きを防止することができる。
特開2004−345051号
しかしながら、上記特許文献1に示す円筒体把持装置においても、円筒体の変形等の不具合が発生するおそれがあった。
すなわち、特許文献1の円筒体把持装置によって把持される縦置き状態の円筒体は通常、下端部に位置決めピン等が挿入されて、軸方向に直交する径方向(水平方向)の位置決めが図られている。このため仮に、円筒体の軸心に対し、クランプの軸心が位置ずれしているような場合、円筒体の上端内部に挿入したクランプを拡開した際に、円筒体およびクランプが径方向(水平方向)に相対移動して、上記の位置ずれを吸収しようとする強い応力が発生する。このため、いずれかのコロ型爪が円筒体の内周面に強く押し付けられてしまい、円筒体の内周面が傷付いたり、円筒体自体が変形してしまうという課題があった。さらに各コロ型爪毎に円筒体に対する接触圧が大きく異なるため、円筒体を安定した状態に把持することが困難であるという課題も抱えている。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、円筒体の変形や傷付きを防止できるとともに、円筒体を安定状態に確実に把持することができる円筒体把持装置およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]円筒体把持装置の軸心である基準軸に対し軸心が平行に配置され、かつ複数の爪を有するクランプを備え、前記クランプが円筒体の一端内部に挿入された状態で、前記複数の爪が、前記クランプの軸心であるクランプ軸に対し直交する方向にそれぞれ拡開移動することにより、各爪が円筒体の内周面に接触して円筒体が把持されるようにした円筒体把持装置であって、
前記爪が、円筒体の内周面に転がり接触するコロを有するコロ型爪によって構成されるとともに、
前記クランプを基準軸に対し直交する方向に移動自在に支持する芯ずれ吸収部が設けられていることを特徴とする円筒体把持装置。
[2]クランプ軸が鉛直方向と平行に設定されるとともに、
軸心を垂直に配置した円筒体がその上端内部または下端内部に前記クランプが挿入されて把持されるようになっている前項1に記載の円筒体把持装置。
[3]前記クランプには3つのコロ型爪が設けられ、その3つのコロ型爪が円筒体の内周面に周方向に間隔をおいて接触することによって円筒体が把持されるようになっている前項1または2に記載の円筒体把持装置。
[4]クランプ軸に対し直交する方向に沿って互いに接離移動し、かつ前記コロ型爪を拡開させる一対の開閉ブロックを備え、
前記一対の開閉ブロックのうち一方に1つのコロ型爪が取り付けられるとともに、他方に2つのコロ型爪が取り付けられている前項3に記載の円筒体把持装置。
[5]前記コロ型爪は、クランプ軸に沿って配置され、かつ軸回りに回転しない固定シャフトを備え、その固定シャフトに、前記コロとしてのスリーブがシャフト軸回りに回転自在に取り付けられている前項1〜4のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
[6]前記クランプを円筒体の一端内部に挿入した際に、円筒体の一端面に押し付けて円筒体を支持する端面基準部材を備える前項1〜5のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
[7]前記端面基準部材を、円筒体の一端面に押し付ける際に、その押し付ける方向とは逆方向に移動させる逃げ部材を備え、前記逃げ部材の移動によって押し付け時の衝撃を緩和するようにしている前項6に記載の円筒体把持装置。
[8]前記芯ずれ吸収部によって前記クランプを基準軸に対し直交する方向への移動を許容するロック解除状態と、前記クランプをそのクランプ軸を基準軸に一致させるように移動させて、その状態に保持するロック状態とを切り換える、切換操作自在なセンターロック機構を備える前項1〜7のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
[9]前記クランプの円筒体への挿入方向側に、挿入方向に向かうに従って次第に縮径するコーン状ガイドを備え、
前記コーン状ガイドが、円筒体の端縁に当接してガイドされて、前記クランプが円筒体の内部に導かれるようになっている前項1〜8のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
[10]前記コーン状ガイドは、円筒体よりも柔らかい材料によって構成されている前項9に記載の円筒体把持装置。
[11]前記コロは、円筒体よりも柔らかい材料によって構成されている前項1〜10のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
[12]前項1〜11のいずれか1項に記載の円筒体把持装置によって構成されるピッカーと、
そのピッカーを移動させるピッカー搬送部とを備え、
前記ピッカーによって把持された円筒体を、前記ピッカーと共に前記ピッカー搬送部によって移動させるようにした円筒体移載装置。
[13]前記ピッカーは、ピッカー搬送部に回転自在に支持された回転部材に取り付けられ、
その回転部材の回転によって、前記ピッカーに把持された円筒体がその軸心を垂直に配置した状態と水平に配置した状態との間で回転自在に構成されている前項12に記載の円筒体移載装置。
[14]前項1〜11のいずれか1項に記載の円筒体把持装置によって円筒体を把持するようにした円筒体把持方法であって、
前記複数のコロ型爪が円筒体の内周面に接触する際に、前記クランプを前記位置ずれ吸収部を介して移動させることによって、クランプ軸の円筒体の軸心に対する位置ずれを自動的に吸収させるようにしたことを特徴とする円筒体把持方法。
発明[1]の円筒体把持装置によれば、コロ型爪を円筒体の内周面に接触させて把持するものであるため、滑り接触によって円筒体に傷が付いてしまうような不具合を確実に防止することができる。さらに本発明によれば、芯ずれ吸収部によって、クランプを基準軸に対し直交する径方向に自在に移動できるようにしているため、クランプを円筒体に挿入して開いた際に、クランプはクランプ軸を円筒体の軸心に一致させるように自動的に水平移動する。このように軸心を一致させてクランプによって円筒体を把持できるため、各コロ型爪によって円筒体を周方向にバランス良く安定状態に把持することができる。その上さらに、各コロ型爪の円筒体への接触圧が均一になり、円筒体が変形したり、円筒体に傷が付いたりするのを、より一層確実に防止することができる。
発明[2]の円筒体把持装置によれば、軸心を鉛直方向に沿って配置した円筒体を確実に把持することができる。
発明[3]の円筒体把持装置によれば、円筒体を3点支持によって、より安定した状態に把持することができる。
発明[4]の円筒体把持装置によれば、クランプを駆動する手段として、1軸のアクチュエータ等の簡素な構造のものを使用できるため、装置の簡素化、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
発明[5]の円筒体把持装置によれば、コロ型爪として、固定シャフトにスリーブ状のコロを回転自在に取り付けたものを採用しているため、ベアリングを介して回転自在に支持された回転軸にコロを固定したコロ型爪と比較した場合、ベアリングのガタツキに起因して回転軸が傾いてしまう等の悪影響を受けることがなく、コロを長期間にわたって安定させて動作させることができる。
発明[6]の円筒体把持装置によれば、コロ型爪に加えて、端面基準部材によっても円筒体を支持できて、より一層安定した状態で、円筒体Wを把持することができる。
発明[7]の円筒体把持装置によれば、逃げ部材によって、端面基準部材が円筒体に当接した際に後退するようにしているため、端面基準部材と円筒体との衝突によるダメージを低減することができる。
発明[8]の円筒体把持装置によれば、円筒体を把持した後、移載させるような場合に、クランプ軸および円筒体の軸心を基準軸に対し一致させて、その状態に保持できるため、移載先での位置決め等を容易に行うことができる。
発明[9]の円筒体把持装置によれば、クランプを円筒体に挿入する際に、クランプ軸に対し円筒体の軸心が大きく位置ずれしていたとしても、クランプを円筒体の内部に確実に挿入できて、円筒体を確実に把持することができる。
発明[10][11]の円筒体把持装置によれば、コーン状ガイドやコロ型爪が円筒体に接触することによって円筒体に傷が付くのを、より一層確実に防止することができる。
発明[12]の円筒体移載装置によれば、上記の効果を備える上さらに、円筒体を所定の位置にスムーズに移載することができる。
発明[13]の円筒体移載装置によれば、円筒体の向きを90°変換できて、円筒体をあらゆる形態で移載することができる。
発明[14]によれば、上記と同様の作用効果を奏する円筒体把持方法を提供することができる。
図1はこの発明の実施形態である円筒体把持装置が適用された上流側筒体移載装置によって円筒体を把持した状態を示す概略斜視図である。 図2は実施形態の上流側円筒体移載装置の要部をクランプ縮径状態で示す図であって、図(a)は概略斜視図、図(b)は模式平面図である。 図3は実施形態の上流側円筒体移載装置の要部をクランプ拡開状態で示す図であって、図(a)は概略斜視図、図(b)は模式平面図である。 図4は実施形態の上流側円筒体移載装置におけるコロ型爪を示す斜視図である。 図5はこの発明の実施形態に適用された下流側円筒体移載装置を示す斜視図である。 図6Aは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図6Bは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図6Cは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図6Dは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図6Eは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図6Fは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図6Gは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図7Aは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図7Bは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図7Cは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図7Dは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための図であって、図(a)は正面図、図(b)はピッカーの模式平面図である。 図7Eは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図7Fは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図7Gは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図7Hは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図7Iは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図7Jは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図7Kは実施形態による円筒体移載設備の動作を説明するための正面図である。 図8はこの発明の第1変形例である円筒体把持装置を模式化して示す平面図である。 図9はこの発明の第2変形例である円筒体把持装置を模式化して示す平面図である。
図1〜図3はこの発明の実施形態の円筒体把持装置であるピッカーP1が適用された上流側円筒体移載装置T1を示す概略斜視図である。
これらの図に示すように、この上流側円筒体移載装置T1は、ワーク移載元(ワーク搬送元)に配置された円筒体Wを把持して搬送し、後述の下流側円筒体移載装置T2に引き渡し、その下流側円筒体移載装置T2によって、ワーク移載先(ワーク搬送先)に移載するものである。なお本実施形態において、上流側および下流側の円筒体移載装置T1,T2を含めて円筒体移載設備と称している。
まず本実施形態の円筒体移載設備で処理されるワークとしての円筒体Wについて説明する。円筒体Wは例えば、電子写真システムを構成する複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等において、感光ドラム、転写ローラ、その他の各部に利用されるものである。
このような部材を構成可能な円筒体Wのうち、本実施形態では特に、電子写真システムを採用した複写機やプリンタ等における感光ドラム用の素管や基体として用いられる円筒体Wを好適な例として挙げることができる。この感光ドラム用基体としての円筒体Wの外周面は、金属光沢を有し、入射した光のほとんどを反射する鏡面となっている。
感光ドラム用基体としての円筒体Wは例えば、直径が10〜60mm、長さが200〜500mm程度のものである。
このような円筒体Wの製造方法としては、押出加工および引抜加工の組み合わせを挙げることができる。なお言うまでもなく本発明においては、円筒体Wの製造方法はこれだけに限定されるものではなく、押出加工、引抜加工、鋳造、鍛造、射出成形、切削加工またはこれらの組み合わせ等、管体を製造できる方法であればどのような方法も採用することができる。
また、円筒体Wの材質は特に限定されるものではなく、各種の金属材料の他、合成樹脂等も適用することができ、例えばアルミニウムおよびアルミニウム合金(1000〜7000系)、銅および銅合金、鋼材、マグネシウムおよびマグネシウム合金を挙げることができる。中でも特にアルミニウム合金製の円筒体Wは、本発明のワークとして好適に用いることができる。
なお本実施形態において、感光ドラム用の基体とは、切削加工や引抜加工等が行われた後の管体であって、感光層の形成前の管体を言う。もっとも、本発明においては、感光ドラム用基体に感光層を形成した後の管体も、ワークとしての円筒体Wとして構成することができる。
また図1および図6Aに示すようにワーク移載元には、ワーク縦置き台9が配置されている。このワーク縦置き台9には、串と称される位置決めピン91が上向き状態に固定されている。この位置決めピン91が円筒体Wの一端内部(下端内部)に挿入されるようにして、円筒体Wの一端面(下端面)がワーク縦置き台8上に載置される。この状態において、円筒体Wはその軸心が垂直方向(鉛直方向)に一致するように配置された状態(縦置き状態)となっている。
図1〜図3に示すように、上流側円筒体移載装置T1は、円筒体Wを把持する円筒体把持装置としてのピッカーP1と、そのピッカーP1を移動させるピッカー搬送部6とを備えている。
ピッカーP1は、円筒体Wの内部に挿入されるクランプ2およびコーン状ガイド3と、クランプ2の上方に設けられるクランプ作動部4と、クランプ作動部4の上方に設けられる芯ずれ吸収部5とを基本的な構成要素として備えている。
なお、以下の説明においては、図1に示すように水平面内における一方向を「X軸方向」、水平面内においてX軸方向に直交する方向を「Y軸方向」、X軸方向およびY軸方向に直交する方向(鉛直方向、垂直方向)を「Z軸方向」として説明する。
ピッカーP1の芯ずれ吸収部5は、例えば直動ガイドをクロスさせた直動クロスガイド機構等によって構成されており、クランプ2をX軸およびY軸方向に移動自在に支持するものである。すなわち芯ずれ吸収部5は、基板50の下面に固定されたY軸レール部材51と、Y軸レール部材51の下面にY軸方向にスライド自在に取り付けられたY軸スライダ52と、Y軸スライド52の下面にX軸方向にスライド自在に取り付けられたX軸スライダ53とを備えている。従って、基板50およびY軸レール部材51に対し、Y軸スライダ52およびX軸スライダ53がそれぞれY軸およびX軸方向に移動することにより、X軸スライダ53が水平面内に自在に移動できるようになっている。
また本実施形態において、芯ずれ吸収部5は、各構成部材50〜53の軸心を一致させてその状態にロックするためのメカニカル方式のセンタリングロック機構56を内蔵している。
このセンターロック機構56は、ロック解除状態と、ロック状態との間で切換操作自在に構成されている。すなわちロック解除状態では、ピッカーP1(基板50)の軸心である基準軸に対し、Y軸スライダ52やX軸スライダ53はそれぞれY軸方向およびX軸方向に自在に移動できて、基準軸に対し、Y軸スライダ52およびX軸スライダ53の各軸心の位置を水平方向(XY軸方向)にずらせることができるようになっている。そしてピッカーP1の軸心に対し、Y軸スライド52およびX軸スライダ53の各軸心がXY軸方向に位置ずれした状態で、センターロック機構56を作動させてロック状態に切り換えると、ピッカーP1の軸心に対し、Y軸スライダ52およびX軸スライダ53の各軸心が一致するように、各スライダ52,53がY軸およびX軸方向に移動し、その状態で固定(ロック)されて保持されるようになっている。
芯ずれ吸収部5の下端には、取付板40を介してクランプ作動部4が取り付けられている。
すなわちクランプ作動部4は、取付板40の下面に取り付けられ、かつX軸方向に延びるX軸レール部材41と、X軸レール部材41の下面両側にX軸方向にスライド自在に取り付けられた一対の開閉ブロック42,42と、一対の開閉ブロック42,42の下面にそれぞれ固定された端面基準部材43,43とを備えている。
さらにクランプ作動部4は、図示しない駆動手段の駆動によって、一対の開閉ブロック42,42がX軸方向に沿って互いに近接する方向である閉じ方向(縮径方向)に移動できるとともに、互いに離間する方向である開き方向(拡開方向)に移動できるようになっている。
なお、端面基準部材43,43の下面は、クランプ作動部4におけるZ軸方向に平行なピッカーP1の軸心に対し直交する平坦面(水平面)となるように構成されている。
クランプ作動部4の下側には、クランプ2およびコーン状ガイド3が設けられている。
図2および図3に示すようにクランプ2は、一方側(図2および図3の左側)の端面基準部材43に設けられた1本のコロ型爪21と、他方側(図2および図3の右側)の端面基準部材43に設けられた2本のコロ型爪21との計3本のコロ型爪21によって構成されている。
一方側の1本のコロ型爪21は、その軸心がクランプ2の軸心(クランプ軸)を通るX軸線上に配置され、クランプ2の軸心と平行に配置されている。他方側の2本のコロ型爪21は、その各軸心がクランプ軸を通るX軸線を挟んで前後(Y軸方向)に並んで配置され、クランプ軸と平行に配置されている。
図4に示すように各コロ型爪21は、各軸心に沿ってZ軸方向に配置され、かつ上端が端面基準部材43の下面に固定された固定シャフト23と、固定シャフト23に軸心回りに回転自在に外嵌され、かつスリーブによって構成された上下2つのコロ24a,24bと、固定シャフト23の下端にねじ込まれて固定され、かつコロ24a,24bの抜け止めを図るためのねじ部材25とを備えている。
このコロ型爪21において、固定シャフト23は、その軸心回りの回転が不可能な固定状態となっており、この固定シャフト23に対し、上下の各コロ24a,24bが、互いに独立した状態で、コロ型爪21の軸心回りに自在に回転できるようになっている。
なおコロ24a,24bおよびねじ部材25は、ワークとしての円筒体Wよりも柔らかい材料、例えば合成樹脂、合成ゴムによって構成されている。
そして図3に示すように、一対の開閉ブロック42,42が開いた際には、一方側(左側)の1本のコロ型爪21が、クランプ2の軸心から遠ざかるように左方向に移動するとともに、他方側(右側)の2本のコロ型爪21がクランプ2の軸心から遠ざかるように右方向に移動して、一方側および他方側の互いのコロ型爪21が離間した状態(拡径状態)となる。逆に図2に示すように、一対の開閉ブロック42,42が閉じた際には、左側の1本のコロ型爪21がクランプ2の軸心に近づくように右方向に移動するとともに、右側の2本のコロ型爪21がクランプ2の軸心に近づくように左方向に移動して、互いのコロ型爪21が近接した状態(縮径状態)となる。
ここで本実施形態において、他方側(右側)の2本のコロ型爪21における前後方向の間隔は、縮径状態であっても、拡開状態であっても同一となっている。
またクランプ作動部4のX軸レール部材41の下面には、Z軸方向に沿って配置される支持シャフト31の上端が固定されている。この支持シャフト31の下端に、上記コーン状ガイド3が固定されている。コーン状ガイド3は、下方に向かうに従って次第に径寸法が小さくなるような円錐形状に形成されている。
さらにコーン状ガイド3は、クランプ2を構成する3本のコロ型爪21よりも下方に配置されており、クランプ2が縮径した状態においては、図2(b)に示す平面視で、3本のコロ型爪21の全てが、コーン状ガイド3の外周輪郭線よりも内側に配置されるようになっている。
またコーン状ガイド3は、ワークとしての円筒体Wよりも柔らかい素材、例えば合成樹脂によって構成されている。
本実施形態においては、コーン状ガイド3は、クランプ2に対し位置固定されており、コーン状ガイド3の軸心がクランプ軸と常に一致するようになっている。
またクランプ軸およびピッカーP1の軸心(基準軸)は共にZ軸方向に沿って配置され、互いに平行に配置されている。さらにクランプ2は、センターロック機構56によるロックが解除された状態では、芯ずれ吸収部5によって、基準軸に対し直交する径方向(水平方向)に自在に移動できるため、クランプ軸は基準軸に対し水平方向に位置ずれ可能となっている。そしてクランプ軸が基準軸に対し位置ずれした場合であっても、芯ずれ吸収部5のセンターロック機構56の作動によりロックすれば、クランプ2がクランプ軸を基準軸に一致させるように水平移動し、互いの軸心を一致させた状態に固定(ロック)されるようになっている。
以上のように構成されたピッカーP1の基板50の上端面には、Z軸方向に延びるZ軸逃げ部材55が固定されており、このZ軸逃げ部材55の上部が、以下に説明するピッカー搬送部6に取り付けられることにより、上流側円筒体移載装置T1が構成されるものである。なお、本実施形態においては、Z軸逃げ部材55が逃げ部材を構成するものである。
ピッカー搬送部6は、ワーク移載元の上空から後述の下流側円筒体移載装置T2の上空にかけてX軸方向に沿って配置されるX軸レール部材61と、そのX軸レール部材61にX軸方向およびZ軸方向にスライド自在に取り付けられ、かつZ軸方向に延びるXZ軸スライダ62とを備えている。さらにピッカー搬送部6は、駆動手段を備え、その駆動手段の駆動によって、XZ軸スライダ62が、X軸レール部材61に対しX軸方向およびZ軸方向に移動できるようになっている。
そしてこのピッカー搬送部6のXZ軸スライダ62に、ピッカーP1におけるZ軸逃げ部材55の上部が取り付けられている。
従って、ピッカー搬送部6のXZ軸スライダ62に伴って、ピッカーP1がXZ軸スライダ62と同様に、X軸方向およびZ軸方向に移動できるようになっている。
なお、ピッカーP1のZ軸逃げ部材55の上端部は、取付部材65によって、ピッカー搬送部6のXZ軸スライダ62に対しZ軸方向にスライド自在に取り付けられている。そして、Z軸逃げ部材55がその上端部が取付部材65に係止することにより、通常状態(自然状態)では、ピッカーP1の自重によって、最下端位置までスライドした状態に保持されている。そして、通常状態において、ピッカーP1(Z軸逃げ部材55)に対し上方に持ち上げるような力が作用すると、Z軸逃げ部材55がピッカーP1の自重に抗してXZ軸スライダ62に対し上方へスライドして、ピッカーP1が上方へ持ち上げられるようになっている。
以上のように構成された本実施形態の上流側円筒体移載装置T1においては、既述したように、ピッカー搬送部6を除いた部分、つまりクランプ2、コーン状ガイド3、クランプ作動部4および芯ずれ吸収部5によって、ピッカーP1が構成されるものである。なお本実施形態においては、Z軸逃げ部材55もピッカーP1に含まれている。
本実施形態においては、上流側円筒体移載装置T1によって、ワーク移載元のワーク縦置き台9上に縦置きされた円筒体Wを、後述の下流側円筒体移送装置T2まで搬送しその装置T2に引き渡すものである。以下、その動作手順について詳細に説明する。
図6A(a)は上流側円筒体移載装置T1の動作手順を説明するための正面図、同図(b)は上流側移載装置T1のピッカーP1におけるクランプ2およびコーン状ガイド3と円筒体Wとの位置関係を説明するための概略平面図である(図6B(b)〜図6G(b)においても同じ)。なお図6A(a)において、左右方向がX軸方向に相当し、鉛直方向に平行な上下方向がZ軸方向に相当する。さらに図6A(b)において、左右方向がX軸方向に相当し、上下方向がY軸方向に相当するものである。
図6Aに示すように、上流側円筒体移載装置T1におけるクランプ2を閉じた縮径状態で、ピッカー搬送部6の駆動によって、ピッカーP1がワーク縦置き台9上の円筒体Wの上空に配置される。
この場合、本実施形態においては、円筒体Wの軸心に対し、ピッカーP1の軸心が位置ずれしている場合がある(円筒体Wの軸心が傾斜していたり、ねじれている場合等も含む)。例えばワーク縦置き台9の位置決めピン91が位置ずれしていたり、変形している場合や、ワーク縦置き台9自体が位置ずれしていたり、傾斜している場合、あるいは円筒体Wが位置決めピン91に対し位置ずれしている場合等である。本実施形態においては、後の説明で明らかになるように、円筒体Wの軸心および基準軸間に位置ずれがあっても、問題はなく、継続して動作させることができる。
円筒体Wの上空にピッカーP1が配置されると、芯ずれ吸収部5のセンターロック機構56のロックが解除される。これにより、基準軸に対し、クランプ2およびコーン状ガイド3およびクランプ作動部4が水平方向に自在に移動できる状態となり、その後、図6Bに示すように、ピッカー搬送部6によって、円筒体把持部P1が降下していく。
この降下時に、円筒体Wに位置ずれがあった場合には、コーン状ガイド3の外周面(テーパ面)に円筒体Wの上端縁が接触することにより、図6Cに示すように、コーン状ガイド3が円筒体Wの上端縁にガイドされて、クランプ2およびコーン状ガイド3がXY軸方向(平面方向)に移動しながら降下していく。このとき、クランプ2は、その軸心がピッカーP1の軸心から離間しつつも円筒体Wの軸心に接近していき、クランプ2がコーン状ガイド3と共に円筒体Wの内部に挿入される。
こうしてクランプ2の軸心が円筒体Wの軸心に近接した状態で、クランプ2が円筒体Wの上端部に挿入されると、図6Dに示すように、クランプ作動部4の端面基準部材43の下面に、円筒体Wの上端面全域が当接して、ピッカーP1が上方へ押し付けられる。これによりZ軸逃げ部材55が、ピッカー搬送部6のXZ軸スライダ62に対し相対的に上方にスライドして、ピッカーP1がピッカー搬送部6に対し相対的に上方へ持ち上げられる。
ここで、端面基準部材43の下面は、基準軸およびクランプ軸に対し直交する水平面に形成されているため、既述したように端面基準部材43の下面に円筒体Wの上端面全周全域が接触することにより、円筒体Wはその軸心が端面基準部材43の下面に対し直交するように姿勢が修正されて、円筒体Wの軸心がクランク軸に対し平行に配置される。
しかも本実施形態においては、円筒体Wの上端面が端面基準部材43に当接した際に、Z軸逃げ部材55が上方にスライドすることにより、端面基準部材43も上方に移動するため、円筒体Wが端面基準部材43に軽く当接する程度で済み、衝突によるダメージを回避することができ、耐久性の向上等を図ることができる。
なお、本実施形態においては、端面基準部材43における少なくとも円筒体Wと接触する部分は、円筒体Wよりも柔らかい材料、例えば合成樹脂、合成ゴムによって構成するのが好ましい。
クランプ2が円筒体Wに挿入された後、図6Eに示すように、クランプ作動部4の一対の開閉ブロック42が開いて、クランプ2の各コロ型爪21が拡開して、円筒体Wの内周面に接触する。このとき、クランプ2は、センターロック機構56によるロックが解除された芯ずれ吸収部5によって、XY軸方向(水平方向)に移動自在となっているため、クランプ軸が円筒体Wの軸心に対し位置ずれしている場合には、いずれかのコロ型爪21によって円筒体Wの内周面が外径方向に押されることにより、クランプ2が水平移動して、クランプ軸が円筒体Wの軸心に自動的に一致する。そしてその状態で、各コロ型爪21が円筒体Wの内周面に接触して、円筒体Wがクランプ2によって把持される。
ここで、本実施形態においては、クランプ2が円筒体Wを互いの軸心を一致させた状態で把持しているため、各コロ型爪21が円筒体Wの内周面に均等な圧力で接触する。従って、円筒体Wをクランプ2によって安定状態で確実に把持することができる。さらに各コロ型爪21の接触圧の違いに起因する円筒体Wの変形や傷付きも確実に防止することができる。
また本実施形態においては、コロ型爪21を使用しているため、つまり爪21における円筒体Wとの接触部を回転自在なコロ24a,24bによって構成しているため、コロ24a,24bが円筒体Wの内周面に転がりながら接触して、円筒体Wがコロ型爪21によって把持される。このため、コロ型爪21が円筒体Wに滑り接触することがなく、その滑り接触によって円筒体Wに傷付きが生じる等の不具合を確実に防止することができる。
しかも本実施形態においては、コロ型爪21に互いに独立して回転する2つのコロ24a,24bをクランプ軸に沿って直列に配置しているため、クランプ2(コロ型爪21)の軸心が、円筒体Wの軸心に対し傾斜していたり、ねじれているような場合でも、クランプ2により円筒体Wを支障なく把持することができる。
すなわち仮に、コロ型爪21として、軸心方向に連続する1本の長尺コロを配置したクランプ2において、円筒体Wを把持する際に、クランプ2(コロ型爪21)の軸心が、円筒体Wの軸心に対し傾斜していたり、ねじれているような場合、長尺コロの一端における円筒体Wとの接触圧と、他端における円筒体Wとの接触圧とが異なることがあるため、長尺コロの一端は転がり接触するものの、他端は滑り接触してしまう場合がある。そしてこの滑り接触により円筒体Wの内周面に傷が付くという不具合が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態においては、コロ型爪21に互いに独立して回転する2つのコロ24a,24bを直列に配置しているため、クランプ2(コロ型爪21)の軸心が、円筒体Wの軸心に対し傾斜していたり、ねじれているような場合でも、各コロ24a,24bが円筒体Wの内周面に個々に転がり接触する。このため、コロ24a,24bが円筒体Wの内周面に滑り接触するのを確実に防止でき、この点においても、円筒体Wに傷付きが発生するのを確実に防止することができる。
その上さらに、コロ24a,24bを円筒体Wの軸心に沿って並べて配置するものであるため、コロ24a,24bによって、円筒体Wの軸心方向の長い範囲を支持することができ、円筒体Wを、より一層安定させた状態で確実に把持することができる。
図6Eに示すようにクランプ2によって円筒体Wを把持した後、図6Fに示すようにピッカー搬送部6のXZスライダ62がピッカーP1と共に上昇して、円筒体Wが持ち上げられて、ワーク縦置き台9の位置決めピン91から抜き取られる。
ここで本実施形態においては、クランプ軸は、円筒体Wの軸心と一致しているため、位置決めピン91の軸心ともほぼ一致している。このため、円筒体Wを持ち上げる際に、円筒体Wの内周面が位置決めピン91の外周面にほとんど接触するようなことがなく、その接触により円筒体Wに傷が付くのを確実に防止することができる。
さらに円筒体Wを位置決めピン91にほとんど接触させずに、ほぼ無抵抗で位置決めピン91から抜き出すことができるため、クランプ2による円筒体Wへの把持力も小さくすることができる。このため、コロ型爪21の円筒体Wへの接触圧を小さくでき、円筒体Wの変形を確実に防止でき、例えば肉厚が薄くて低強度の円筒体Wであっても支障なく把持することができる。
円筒体Wを持ち上げた後、図6Gに示すようにピッカー搬送部6のXZスライダ62が、ピッカーP1および円筒体Wと共に、下流側円筒体移載装置T2に向かってX軸方向に沿って移動する。この移動中には、ピッカーP1における芯ずれ吸収部5のセンターロック機構56がロックされて、クランプ2がその軸心をピッカーP1の軸心(基準軸)に一致させるように水平移動して、これらの軸心を一致させた状態でクランプ2がコーン状ガイド3およびクランプ作動部4と共に位置固定される。
こうして移動中にセンターロック機構56のロックを行って、図7Aに示すようにピッカーP1に把持された円筒体Wを、下流側円筒体移載装置T2のピッカーP2の上方まで移動させる。
なお、図7A(b)は下流側円筒体移載装置T2のピッカーP2におけるクランプ2およびコーン状ガイド3と円筒体Wとの位置関係を説明するための概略平面図である(図7B(b)〜図7D(b)においても同じ)。
ここで、下流側円筒体移載装置T2の構成について説明する。図5は下流側円筒体移載装置T2を概略的に示す斜視図である。
なお、以下の説明においては、上流側円筒体移載装置T1と同様、図5に示すように水平面内における一方向を「X軸方向」、水平面内においてX軸方向に直交する方向を「Y軸方向」、X軸方向およびY軸方向に直交する方向(鉛直方向)を「Z軸方向」として説明する。なお、図7A(a)において、左右方向がX軸方向に相当し、上下方向がZ軸方向に相当する。さらに図7A(b)において、左右方向がX軸方向に相当し、上下方向がY軸方向に相当するものである。
図5および図7Aに示すように、下流側円筒体移載装置T2は、円筒体Wを把持する円筒体把持装置としてのピッカーP2と、そのピッカーP2を移送するピッカー搬送部7とを備えている。
なお本実施形態においては必要に応じて、上流側円筒体移載装置T1のピッカーP1を上流側ピッカーP1と称し、下流側円筒体移載装置T2のピッカーP2を下流側ピッカーP2と称する。
下流側ピッカーP2は、初期状態で上向きのクランプ2を備え、円筒体Wをその下端部からクランプ2を挿入して把持するものである。
すなわち、ピッカーP2は、初期状態で水平状態に配置される基板50を備え、その基板50上に、図1〜3に示す上記ピッカーP1のクランプ作動部4と同様なクランプ作動部4が、初期状態で上向きに取り付けられるとともに、そのクランプ作動部4上に、図1〜3に示す上記ピッカーP1のクランプ2およびコーン状ガイド3と同様なクランプ2およびコーン状ガイド3が上向きに取り付けられている。
ピッカー搬送部7は、X軸方向に沿って設置面に設置され、かつ上記上流側円筒体移載装置T1による円筒体Wの受け渡し位置から所定のワーク移載先にかけて配置されるX軸レール71と、そのX軸レール71上にX軸方向に沿ってスライド自在に取り付けられたX軸スライダ72と、X軸スライダ72にZ軸方向に沿ってスライド自在に取り付けられたZ軸スライダ73と、一端がZ軸スライダ73に回転自在に取り付けられた回転部材74とを備えている。
そして回転部材74の他端(自由端)に、ピッカーP2の基板50が固定されている。この回転部材74は、Y軸回りに回転自在に構成されており、ピッカーP1を上向きに垂直に配置された初期状態(図5および図7F等参照)と、ピッカーP2が横向きに水平に配置された倒伏状態(図7G等参照)との間で回転(旋回)できるようになっている。
さらにピッカー搬送部7は、駆動手段(図示省略)を備え、その駆動によって、X軸スライダ72、Z軸スライダ73および回転部材74が駆動して、ピッカーP2を移動できるようになっている。
また図5および図7Kに示すようにワーク移載先に配置されるワーク横置き台95は、その両端部に、上端縁がV字状に切り欠かれた一対のV受け板96,96を有している。そしてその一対のV受け板96,96によって、円筒体Wの両端部外周面が支持されることにより、円筒体Wをその軸心がX軸方向に沿うようにした横向き状態(水平状態)で安定して載置できるようになっている。
図7Aに示すように、上流側円筒体移載装置T1によって、下流側円筒体移載装置T2における初期状態の下流側ピッカーP2の上空に円筒体Wが搬送されると、上流側ピッカーP1における芯ずれ吸収部5のセンターロック機構56のロックが解除されて、上流側ピッカーP1におけるクランプ2およびコーン状ガイド3が水平方向に移動自在となる。
ここで、上流側ピッカーP1に把持された円筒体Wの軸心が、下流側ピッカーP2の軸心に対し位置ずれしている場合であっても、本実施形態では支障なく動作を継続することができる。
すなわち図7Bに示すように、セッターロック機構56のロックが解除された状態で上流側ピッカーP1が降下していく際に、位置ずれしていると、円筒体Wの下端縁が下流側ピッカーP2のコーン状ガイド3のテーパ面に接触することにより、下流側ピッカーP2のコーン状ガイド3によって円筒体Wがガイドされて、上流側ピッカーP1のクランプ2およびコーン状ガイド3がXY軸方向(平面方向)に移動しながら、上流側ピッカーP1(円筒体W)が降下していく。ことき、上流側ピッカーP1に把持された円筒体Wは、上流側ピッカーP1の軸心から離間しつつも下流側ピッカーP2の軸心に近接していき、円筒体Wの下端内部に下流側ピッカーP2のクランプ2およびコーン状ガイド3に挿入されていく。
こうして円筒体Wの軸心が下流側ピッカーP2の軸心に近接した状態で、下流側ピッカーP2のクランプ2が円筒体Wに挿入されると、図7Cに示すように、円筒体Wの下端面全域が、下流側ピッカーP2の端面基準部材43の上面に当接する。ここで、本実施形態においては、下流側ピッカーP2においても、上流側ピッカーP1と同様に、端面基準部材43の上面が下流側ピッカーP2の軸心に対し直交する水平面に形成されているため、下流側ピッカーP2の端面基準部材43の上面に円筒体Wの下端面が接触することにより、円筒体Wの下流側ピッカーP2に対する位置決めが図られて姿勢が安定する。
さらに本実施形態においては、円筒体Wの下端面が下流側ピッカーP2の端面基準部材43に当接した際に、上流側ピッカーP1のZ軸逃げ部材55が上方にスライドすることにより、上流側ピッカーP1が円筒体Wと共に上方に移動するため、円筒体Wの下端面が下流側ピッカーP2の端面基準部材43に軽く当接する程度で済み、衝突によるダメージを回避することができる。
下流側ピッカーP2のクランプ2が円筒体Wに挿入された後、図7Dに示すように下流側ピッカーP2のクランプ2が拡開して、各コロ型爪21が円筒体Wの内周面に接触する。このとき、上流側ピッカーP1のクランプ2は、センターロック機構56のロックが解除されているため、芯ずれ吸収部5によってXY軸方向(水平方向)に移動自在となっている。このため、下流側ピッカーP2のクランプ2の軸心が円筒体Wの軸心に対し位置ずれしていた場合、下流側ピッカーP2のいずれかのコロ型爪21によって円筒体Wの内周面が外径方向に押されることにより、上流側ピッカーP1のクランプ2が水平移動して、円筒体Wの軸心が下流側ピッカーP2のクランプ2の軸心に一致する。そしてその状態で、下流側ピッカーP2の各コロ型爪21が円筒体Wの内周面に接触して、円筒体Wが下流側ピッカーP2のクランプ2に把持される。
ここで、下流側ピッカーP2は、上流側ピッカーP1と同様、クランプ2が円筒体Wを互いの軸心を一致させた状態で把持しているため、円筒体Wをクランプ2によって安定状態で確実に把持することができ、円筒体Wの変形や傷付きも確実に防止することができる。
また下流側ピッカーP2は、上流側ピッカーP1と同様、転がり接触するコロ型爪21を使用しているため、滑り接触による円筒体Wの傷付き等を確実に防止することができる。さらに下流側ピッカーP2も、コロ型爪21に互いに独立して回転する2つのコロ24a,24bを直列に配置しているため、クランプ2の軸心が、円筒体Wの軸心に対し傾斜していたり、ねじれているような場合でも、クランプ2により円筒体Wを支障なく把持することができる。
下流側ピッカーP2によって円筒体Wを把持した後、図7Eに示すように、芯ずれ吸収部5におけるセンターロック機構56のロックは解除されたまま、上流側ピッカーP1による円筒体Wの把持が解除される。
次に図7Fに示すように、芯ずれ吸収部5のセンターロック機構56のロックは解除されたまま、上流側ピッカーP1が上方に移動して、上流側ピッカーP1が円筒体Wから抜き取られる。その後、上流側ピッカーP1は、初期位置に戻って待機する。
一方、円筒体Wを受け取った下流側円筒体移載装置T2は、図7Gに示すように、ピッカー搬送部7によって、ピッカーP2がX軸方向に沿って移動して、ワーク移載先に対応する位置に配置される。続いて、ピッカー搬送部7における回転部材74が90°回転することにより、ピッカーP2が円筒体Wと共に90°旋回して、円筒体Wが垂直姿勢から水平な倒伏状態に配置される。こうして水平に配置された円筒体Wは、ワーク移載先に順次搬入されるワーク横置き台95に対応して配置される。
その後図7Hに示すように、回転部材74が降下することにより、ピッカーP2が円筒体Wと共に水平状態を保ったまま降下して、円筒体Wの両端部がワーク横置き台95のV受け板96に当接する。
続いて図7Iに示すように、円筒体Wに対し、ピッカーP2のクランプ2による把持が解除されて、円筒体Wの両端部がワーク横置き台95のV受け板96に支持されて、円筒体Wがワーク横置き台95に載置される。
ここで、本実施形態においては、上記図7Dに示すように、上流側ピッカーP1の円筒体Wを下流側ピッカーP2により把持する際に、コロ型爪21のうち、図7Dの右側に配置されるコロ型爪21は、固定もしく少量右方に移動し、左側に配置されるコロ型爪21を拡径方向に大きく移動させるようにしている。このため、下流側ピッカーP2に対し円筒体Wの右側の位置は変化せず、いわゆる円筒体Wを右端基準で把持することができる。
すなわち図7Gに示すように、下流側ピッカーP2を回転させて円筒体Wを90°旋回させた際に、下流側ピッカーP2によって円筒体Wを下基準で把持することができる。このため図7Hに示すように円筒体Wを水平姿勢のまま降下させて、横置き台95に載置する際に、円筒体Wの降下量(ストローク)は、円筒体Wの径寸法にかかわらず、一定にすることができる。従って、径寸法の異なる円筒体Wを処理する場合であっても、ストローク量の調整等の段取り替え等の面倒な作業が必要なく、作業効率を向上させることができる。参考までに、膨張変形するゴム製のクランプを用いた場合、クランプ軸(円筒体Wの軸心)が基準となるため、円筒体Wの径寸法によって、円筒体Wの降下量(ストローク)が変わり、面倒な段取り替え作業を行う必要がある。
また本実施形態においては、円筒体Wを90°旋回させた際に、ワーク横置き台95の旋回側(図7Hの左側)のV受け板96を固定しておくことにより、精度の向上が容易であり、長さの異なる円筒体Wを処理する場合には、円筒体Wの長さに応じて、もう片側(図7Hの右側)のV受け板96の位置を変更するだけで、円筒体Wの長さに対する段取り替えも容易に行うことができ、設備の可動部をより少なくできて、作業効率を一層向上させることができる。
次に図7Jに示すように、ピッカーP2が円筒体Wに対し後退するようにX軸方向に移動し、ピッカーP2のクランプ2およびコーン状ガイド3が円筒体Wから抜き取られる。
その後図7Kに示すように、ピッカーP2が上方へ旋回して垂直に配置されるとともに上昇していき、さらにピッカーP2がX軸方向に沿って受け渡し位置まで移動し、初期状態に戻る。
円筒体Wが載置されたワーク横置き台95は、次の工程、例えば検査工程へ搬出されるとともに、ワーク移載先には、空の新たなワーク横置き台95が搬入される。
ここで、本実施形態の第2円筒体移載装置T2では、図7Gに示すように、ワーク移載先において、円筒体Wを垂直姿勢から90°旋回した後、円筒体Wをワーク横置き台95の上空で待機させておき、ワーク横置き台95が搬入されているのを確認した後、図7Hに示すように水平姿勢のまま円筒体Wを降下させてワーク横置き台95に載置するようにしているため、効率良く移載することができる。
すなわち円筒体Wを、ワーク横置き台95上で水平姿勢で待機させない場合、例えば円筒体Wを垂直姿勢から水平姿勢に旋回させた直後に、円筒体Wをそのままワーク横置き台95上に載置するように構成した場合には、円筒体Wがワーク横置き台95に移載される前の状態、つまり垂直姿勢の状態で待機させておき、ワーク横置き台95が予定通り搬入されているかを確認する必要がある。従って、円筒体Wを垂直姿勢で待機させておいて、ワーク横置き台95の搬入が確認された後、円筒体Wを旋回させることになるが、円筒体Wの旋回動作は、直線移動動作に比べて遅く、長時間必要な動作である。このため、ワーク横置き台95の搬入が確認された後、そのワーク横置き台95に円筒体Wが実際に移載されるまでの時間が長くなってしまう。
そこで本実施形態においては、円筒体Wを旋回した後、水平姿勢でワーク横置き台95の搬入を確認するまで待機させるようにしているため、ワーク横置き台95の搬入の有無にかかわらず、円筒体Wの旋回動作を常に優先して行うことができる。このため、ワーク横置き台95の搬入が確認された後、そのワーク横置き台95に円筒体Wを短時間で移載することができ、移載作業を効率良く行うことができる。
以上のように本実施形態の円筒体把持装置である上流側ピッカーP1によれば、3本のコロ型爪21を、円筒体Wの内部に挿入して拡開して把持するようにしているため、円筒体Wの内径寸法にかかわらず、多種多様な円筒体Wを確実に把持することができる。
さらに本実施形態においては、3本のコロ型爪21によって円筒体Wを把持するものであるため、3点支持によって円筒体Wを安定状態に把持することができる。
さらに本実施形態においては、円筒体Wの端面に接触可能な端面基準部部材43を設け、その端面基準部材43を円筒体Wの端面に当接した状態で、コロ型爪21によって円筒体Wを把持するようにしている。このため、円筒体Wは、コロ型爪21に加えて、端面基準部材43によっても支持されて、より一層安定した状態で、円筒体Wを把持することができる。さらに既述したように、Z軸逃げ部材55によって、端面基準部材43が円筒体Wに当接した際に後退するようにしているため、衝突によるダメージを低減することができる。
なお本実施形態においては、円筒体Wが端面基準部材43を突き上げる際に受ける下向きの抵抗力(背圧)は、ピッカーP1の自重に相当するものとなるが、本発明においては、必要に応じて、コイルバネ等の背圧付与手段を追加して、背圧を増加させるようにしても良い。また背圧付与手段を設ける場合には、ピッカーP1の自重を背圧として作用させずに、背圧付与手段単独で背圧を付与するようにしても良い。
また本実施形態では、コロ型爪21に設けたコロ24a,24bを円筒体Wに転がり接触させて把持するものであるため、既述した通り、滑り接触によって円筒体Wに傷が付く等の不具合を確実に防止することができる。
その上さらに、コロ24a,24bを円筒体Wに転がり接触させるものであるため、コロ型爪21の特定部位だけが円筒体Wに接触してしまうような不具合を回避でき、コロ24a,24bの全周を円筒体Wの内周面に満遍なく均等に接触させることができる。このため、コロ型爪21の偏摩耗を抑制できて、コロ24a,24bの交換頻度を少なくできて、耐久性の向上(長寿命化)を図ることができ、ひいてはコストを削減することができる。
さらに本実施形態においては、コロ型爪21として、非回転状態の固定シャフト23に、スリーブ状のコロ24a,24bを外嵌したものを使用しているため、ベアリングを介して回転自在に支持された回転軸(シャフト)にコロを固定したようなコロ型爪と比較した場合、ベアリングのガタツキに起因してシャフトが傾いてしまう等の悪影響を受けることがなく、コロ24a,24bを長期間にわたって安定させて動作させることができ、この点においても、優れた耐久性を得ることができる。
さらに本実施形態においては、コロ型爪21として軸心方向(円筒体Wへの挿入方向)に沿って2つのコロ24a,24bを並べて配置したものを使用しているため、既述したように、クランプ2の軸心が円筒体Wの軸心に対し、傾斜していたり、ねじれていたりしていても、クランプ2を拡開した際に、各コロ24a,24bを円筒体Wの内周面に確実に転がり接触させることができ、より一層確実に、円筒体Wの傷付き等を防止することができる。
また本実施形態においては、接離自在な一対の開閉ブロック42、42の一方に、1本のコロ型爪21を取り付けるとともに、他方に2本のコロ型爪21を取り付けて、開閉ブロック42,42を直線上に沿って開閉駆動させるようにしているため、クランプ駆動手段として、1軸のテーブル付開閉アクチュエータ、例えばエアシリンダ等の簡素な構造のものを使用できる。このため、装置の簡素化、小型軽量化を図ることができるとともに、コストも削減することができる。
また本実施形態のピッカーP1によれば、芯ずれ吸収部5によって、クランプ2をピッカーP1の軸心(基準軸)に対し直交する方向(平面方向)に自在に移動できるようにしているため、クランプ2を円筒体Wに挿入して開いた際に、クランプ2がその軸心(クランプ軸)が円筒体Wの軸心に一致するように自動的に水平移動する。このように芯出しを簡単かつ正確に行うことができるため、既述した通り、クランプ2によって円筒体Wを安定状態に把持できるとともに、円筒体Wが変形したり、円筒体Wに傷が付いたりするのを、より一層確実に防止することができる。
しかも本実施形態においては、簡単な機械的な機構によって芯出しを行うものであるため、装置の簡略化等を図ることができる。すなわち本実施形態においては、複雑な機構、例えばカメラ等を用いて、必要時にその都度、円筒体Wの軸心位置を算出して芯出しを行い、フィードバック制御して、クランプするような複雑な機構を採用せず、自動的に素早く芯出しつつクランプできるため、より一層、装置の簡略化およびコストの削減を図ることができるとともに、動作速度も速くなり、生産効率も向上させることができる。
また本実施形態においては、既述したように、ピッカーP1の先端に取り付けたコーン状ガイド3によって、ピッカーP1のクランプ2が円筒体Wの内部に確実に挿入されるようにガイドしているため、クランプ2の先端が円筒体Wの端面に引っ掛かって、クランプ2を円筒体W内に挿入できなくなるような不具合を確実に防止することができる。
さらに本実施形態においては、縮径状態のクランプ2がコーン状ガイド3の外周輪郭線よりも内側に配置されるため、クランプ2の先端が円筒体Wの端面に引っ掛かるのを、より確実に防止でき、クランプ2を円筒体Wの内部に、より一層確実に挿入することができる。
さらに本実施形態においては、コーン状ガイド3等の簡単な機構によってクランプ2を円筒体Wの内部に正確にガイドするものであるため、円筒体Wの位置を算出するようなフィードバック制御方式を用いるような複雑な機構を採用する必要がなく、なお一層、装置の簡略化およびコストの削減を図ることができる。
なお上記実施形態においては、クランプ2に3個のコロ型爪21を設けて、円筒体Wを3点で支持するようにしているが、本発明はそれだけに限られず、2個のコロ型爪によって円筒体の内周面を2点で支持したり、4個以上のコロ型爪によって4点以上で支持するようにしても良い。例えば2点支持するような場合には図8に示すように、クランプ2の軸心に直交する線上に2個のコロ型爪21を配置しておき、その直交線上をコロ型爪21を移動させるようにクランプ2を開閉させることにより、円筒体Wの内周面における直径方向の線上の2点で支持するようにすれば良い。
また上記実施形態においては、3個のコロ型爪21のうち、1個のコロ型爪21と、2個のコロ型爪21とをそれぞれ個別に移動させて円筒体Wの内周面に接触させるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、3個のコロ型爪をそれぞれ個別に三方向に移動させて、円筒体Wの内周面に接触させるようにしても良い。この場合には例えば図9に示すように、周方向に等間隔おきにコロ型爪21を配置した状態で、各コロ型爪21をそれぞれ半径方向に移動させるようにクランプ2を開閉させることにより、円筒体Wの内周面における周方向に均等な3点の位置で接触させることができる。
また上記実施形態においては、円筒体Wを垂直に配置して、円筒体把持装置としてのピッカーを円筒体Wに対し上方または下方から挿入して把持する場合を例に挙げて説明したが、ピッカーの円筒体への挿入方向は限定されるものではない。本発明においては、例えば、水平に配置した円筒体の一端側から、ピッカーを挿入して円筒体を把持したり、斜めに配置した円筒体の一端側から、ピッカーを斜め上方または斜め下方から挿入して円筒体を把持するようにしても良い。
また上記実施形態においては、下流側円筒体移載装置T2のピッカーP2をピッカー搬送部7に回転自在(旋回自在)に支持するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、上流側円筒体移載装置T1のピッカーP1をピッカー搬送部6に回転部材を介して旋回自在に支持するようにしても良い。この場合には、円筒体Wを把持したピッカーP1をワーク移載先まで移動させた後、90°旋回させて水平状態とし、そのまま降下させてワーク横置き台等に水平状態に載置するようにしても良い。
また上記実施形態においては、コロ型爪21に、互いに独立して回転する2つのコロ24a,24bをクランプ軸方向に沿って直列に設ける場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、各コロ型爪に取り付けるコロの数は限定されるものではなく、互いに独立して回転する3つ以上のコロを直列に設けるようにしても良い。
この発明の円筒体把持装置は、例えば円筒体を移載するあたって円筒体を把持するための装置に適用することができる。
2:クランプ
21:コロ型爪
23:固定シャフト
24a,24b:コロ
3:コーン状ガイド
42:開閉ブロック
43:端面基準部材
5:芯ずれ吸収部
55:Z軸逃げ部材(逃げ部材)
56:センターロック機構
6:ピッカー搬送部
74:回転部材
P1:ピッカー(円筒体把持装置)
T1:第1円筒体移載装置
W:円筒体(ワーク)

Claims (14)

  1. 円筒体把持装置の軸心である基準軸に対し軸心が平行に配置され、かつ複数の爪を有するクランプを備え、前記クランプが円筒体の一端内部に挿入された状態で、前記複数の爪が、前記クランプの軸心であるクランプ軸に対し直交する方向にそれぞれ拡開移動することにより、各爪が円筒体の内周面に接触して円筒体が把持されるようにした円筒体把持装置であって、
    前記爪が、円筒体の内周面に転がり接触するコロを有するコロ型爪によって構成されるとともに、
    前記クランプを基準軸に対し直交する方向に移動自在に支持する芯ずれ吸収部が設けられていることを特徴とする円筒体把持装置。
  2. クランプ軸が鉛直方向と平行に設定されるとともに、
    軸心を垂直に配置した円筒体がその上端内部または下端内部に前記クランプが挿入されて把持されるようになっている請求項1に記載の円筒体把持装置。
  3. 前記クランプには3つのコロ型爪が設けられ、その3つのコロ型爪が円筒体の内周面に周方向に間隔をおいて接触することによって円筒体が把持されるようになっている請求項1または2に記載の円筒体把持装置。
  4. クランプ軸に対し直交する方向に沿って互いに接離移動し、かつ前記コロ型爪を拡開させる一対の開閉ブロックを備え、
    前記一対の開閉ブロックのうち一方に1つのコロ型爪が取り付けられるとともに、他方に2つのコロ型爪が取り付けられている請求項3に記載の円筒体把持装置。
  5. 前記コロ型爪は、クランプ軸に沿って配置され、かつ軸回りに回転しない固定シャフトを備え、その固定シャフトに、前記コロとしてのスリーブがシャフト軸回りに回転自在に取り付けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
  6. 前記クランプを円筒体の一端内部に挿入した際に、円筒体の一端面に押し付けて円筒体を支持する端面基準部材を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
  7. 前記端面基準部材を、円筒体の一端面に押し付ける際に、その押し付ける方向とは逆方向に移動させる逃げ部材を備え、前記逃げ部材の移動によって押し付け時の衝撃を緩和するようにしている請求項6に記載の円筒体把持装置。
  8. 前記芯ずれ吸収部によって前記クランプを基準軸に対し直交する方向への移動を許容するロック解除状態と、前記クランプをそのクランプ軸を基準軸に一致させるように移動させて、その状態に保持するロック状態とを切り換える、切換操作自在なセンターロック機構を備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
  9. 前記クランプの円筒体への挿入方向側に、挿入方向に向かうに従って次第に縮径するコーン状ガイドを備え、
    前記コーン状ガイドが、円筒体の端縁に当接してガイドされて、前記クランプが円筒体の内部に導かれるようになっている請求項1〜8のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
  10. 前記コーン状ガイドは、円筒体よりも柔らかい材料によって構成されている請求項9に記載の円筒体把持装置。
  11. 前記コロは、円筒体よりも柔らかい材料によって構成されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の円筒体把持装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の円筒体把持装置によって構成されるピッカーと、
    そのピッカーを移動させるピッカー搬送部とを備え、
    前記ピッカーによって把持された円筒体を、前記ピッカーと共に前記ピッカー搬送部によって移動させるようにした円筒体移載装置。
  13. 前記ピッカーは、ピッカー搬送部に回転自在に支持された回転部材に取り付けられ、
    その回転部材の回転によって、前記ピッカーに把持された円筒体がその軸心を垂直に配置した状態と水平に配置した状態との間で回転自在に構成されている請求項12に記載の円筒体移載装置。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の円筒体把持装置によって円筒体を把持するようにした円筒体把持方法であって、
    前記複数のコロ型爪が円筒体の内周面に接触する際に、前記クランプを前記位置ずれ吸収部を介して移動させることによって、クランプ軸の円筒体の軸心に対する位置ずれを自動的に吸収させるようにしたことを特徴とする円筒体把持方法。
JP2012282907A 2012-12-26 2012-12-26 円筒体把持装置 Active JP6534787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012282907A JP6534787B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 円筒体把持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012282907A JP6534787B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 円筒体把持装置

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017089798A Division JP6437041B2 (ja) 2017-04-28 2017-04-28 円筒体把持装置
JP2017089799A Division JP6509937B2 (ja) 2017-04-28 2017-04-28 円筒体把持方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014124714A true JP2014124714A (ja) 2014-07-07
JP6534787B2 JP6534787B2 (ja) 2019-06-26

Family

ID=51404665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012282907A Active JP6534787B2 (ja) 2012-12-26 2012-12-26 円筒体把持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6534787B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108454967A (zh) * 2018-04-11 2018-08-28 烟台梦现自动化设备有限公司 一种用于水果套网袋的套袋装置
CN108482730A (zh) * 2018-04-28 2018-09-04 烟台梦现自动化设备有限公司 一种全自动水果网袋套袋系统

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63193679U (ja) * 1987-06-03 1988-12-13
JPH01143372U (ja) * 1988-03-28 1989-10-02
JPH02274489A (ja) * 1989-04-13 1990-11-08 Toray Eng Co Ltd チャック装置
JP2001105364A (ja) * 1999-10-07 2001-04-17 Speedfam Co Ltd ワーク搬送システム
JP2004066426A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Taihei Kogyo Co Ltd 丸刃せん断式スリッターの刃替え方法およびそれに用いられるロボットハンド、ならびに当該ロボットハンドを備えたハンドリングロボット
JP2004345051A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Ricoh Co Ltd 円筒状基体把持装置および把持方法
JP2011083837A (ja) * 2009-10-13 2011-04-28 Toyota Motor Corp ロボットハンド
JP2011230202A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Bridgestone Corp 回転体の把持装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63193679U (ja) * 1987-06-03 1988-12-13
JPH01143372U (ja) * 1988-03-28 1989-10-02
JPH02274489A (ja) * 1989-04-13 1990-11-08 Toray Eng Co Ltd チャック装置
JP2001105364A (ja) * 1999-10-07 2001-04-17 Speedfam Co Ltd ワーク搬送システム
JP2004066426A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Taihei Kogyo Co Ltd 丸刃せん断式スリッターの刃替え方法およびそれに用いられるロボットハンド、ならびに当該ロボットハンドを備えたハンドリングロボット
JP2004345051A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Ricoh Co Ltd 円筒状基体把持装置および把持方法
JP2011083837A (ja) * 2009-10-13 2011-04-28 Toyota Motor Corp ロボットハンド
JP2011230202A (ja) * 2010-04-23 2011-11-17 Bridgestone Corp 回転体の把持装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108454967A (zh) * 2018-04-11 2018-08-28 烟台梦现自动化设备有限公司 一种用于水果套网袋的套袋装置
CN108454967B (zh) * 2018-04-11 2024-01-23 烟台梦现自动化设备有限公司 一种用于水果套网袋的套袋装置
CN108482730A (zh) * 2018-04-28 2018-09-04 烟台梦现自动化设备有限公司 一种全自动水果网袋套袋系统
CN108482730B (zh) * 2018-04-28 2024-01-23 烟台梦现自动化设备有限公司 一种全自动水果网袋套袋系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP6534787B2 (ja) 2019-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10780536B2 (en) Automated assembly system and automated assembly method
US6880237B2 (en) Work chucking/inserting apparatus and assembling unit
JP2017127971A (ja) 円筒体把持方法
JP5806310B2 (ja) ワーク支持装置
KR20110126548A (ko) 정밀 롤 선반 및 자동 공구 교환 장치
KR20070108264A (ko) 조립 생산 방법 및 그 장치
JP6437041B2 (ja) 円筒体把持装置
JP6476744B2 (ja) 搬送装置
JP2014124714A (ja) 円筒体把持装置
US7810230B2 (en) Sealing member fitting apparatus
JP2009142928A (ja) 研削方法と研削装置
WO2015083310A1 (ja) 加工ユニットおよび加工装置
JPWO2002034479A1 (ja) 金属リング投入払出装置
US8424352B2 (en) Apparatus and method for manufacturing barrel coil spring
JP2006095633A (ja) ワークチャック装置
JP5122294B2 (ja) 自動治具交換装置
JP3665019B2 (ja) ギヤ噛み合い検査装置
JP6492530B2 (ja) 搬送装置
JP2005007441A (ja) プレス装置
JP4780911B2 (ja) パイプ支持機構を具備するレーザ加工装置
JP5901498B2 (ja) 分割ダイ保管装置
JP2015107505A (ja) 加工装置
JP6119979B2 (ja) インゴットのクランプ装置
JP2008142852A (ja) パーツ組み付け状態確認機能付きワーク搬送装置
JP7287338B2 (ja) 位置決め装置および位置決め方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170428

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170511

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20170714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6534787

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350