図1を参照し、実施の形態に係る遊技機の球振分装置1について説明する。図1のA図に示すように、球振分装置1は、装置本体2に入口3と左出口4と右出口5と隔壁6と球噛み防止突起7とギア用孔8と左レバー用孔9と右レバー用孔10と機構部11とを備え、入口3に入った球を、電気による動力を使わない機構部11により定められた1/2以外の割合で、左出口4と右出口5とに振り分けるようになっている。入口3の口径は、球を1個ずつ上方から下方に取り込めるが、左右に並んだ2個以上の球を取り込むことの不可能な寸法である。左出口4及び右出口5は、入口3よりも下方において左右に分かれた位置で、前後方向に貫通する。
隔壁6は、入口3と落下通路12と左連絡口13と右連絡口14とを装置本体2の前部に形成すると共に、入口3に入った球を装置本体2から外側に出ないよう左出口4又は右出口5に誘導する造形を構成する。つまり、入口3に入った球は、落下通路12から左連絡口13及び左出口4又は右出口5を経由して装置本体2の後部に排出される。球噛み防止突起7は、落下通路12の左右方向の中心部でギア用孔8と左レバー用孔9と右レバー用孔10とに囲まれた部分から前方に突出する。ギア用孔8と左レバー用孔9と右レバー用孔10とは、前後方向に貫通する。ギア用孔8は、落下通路12の左右方向の中央部に配置される。左レバー用孔9は、ギア用孔8と左連絡口13との間で落下通路12に配置される。右レバー用孔10は、ギア用孔8と右連絡口14との間で落下通路12に配置される。
機構部11は、電気で動くことなく、球の重力で動作する機構であり、送りギア15と左レバー16と右レバー17とを備える。送りギア15は装置本体2よりも後部に配置された図外の左右方向に延びる軸を回転中心として上下方向に回転する円盤の周縁部に球収容部18を複数個備える。球収容部18は、円盤の周面から中心部の側に1個の球の一部を収容し得る窪みであり、円盤の円周方向に等間隔に配置される。送りギア15の一部が装置本体2よりも後からギア用孔8を経由して装置本体2より前に突出するように、送りギア15が装置本体2に配置され、上下方向に並ぶ2個の球収容部18を区分する仕切部19がギア用孔8の上下方向の中心部に位置した場合、上記2個の球収容部18が装置本体2より前部に配置され、仕切部19よりも上の1個の球収容部18が落下通路12を落下する1個の球の一部を収容し得るようになっている。
落下通路12を落下する1個の球が仕切部19よりも上の1個の球収容部18に収容されると、その球の重さにより送りギア15の前部が図外の軸を回転中心として上から下に回転する。その回転に伴い、上記1個の球が球収容部18から落下通路12を排出される。つまり、入口3に入った球が落下通路12を通過する過程で球収容部18に収容されると、送りギア15が電気による動力を使わないで球の重さにより回転して上記球を球収容部18から落下通路12に排出する。1個の球で回転される送りギア15の回転運動範囲は、360°を球収容部18の送りギア15に設けられた個数で割った角度である。例えば、球収容部18が送りギア15に10個設けられた場合は、1個の球で回転される送りギア15の回転運動範囲は36°である。
左レバー16は、前後方向に延びる部材であり、装置本体2の後部に配置された図外の左右方向に延びる軸を回転中心として左連絡口13を開閉するように上下方向に揺動する。左レバー16の前部が装置本体2よりも後から左レバー用孔9を経由して装置本体2より前に突出するように、左レバー16は装置本体2に配置される。左レバー16の前部が上昇して上昇限度位置に停止した場合、左レバー16の前部の上縁部と左連絡口13の上端部との間の隙間は球の通過不可能な寸法になる。つまり、左レバー16の前部が上昇限度位置に停止すると、左レバー16が左連絡口13を球の通過不可能な状態に閉じた態様になる。又、左レバー16の前部が下降して下降限度位置に停止した場合、左レバー16の前部の上縁部と左連絡口13の上端部との間の隙間は球の通過可能な寸法になる。つまり、左レバー16の前部が下降限度位置に停止すると、左レバー16が左連絡口13を球の通過可能な状態に開いた態様になる。
右レバー17は、前後方向に延びる部材であり、装置本体2の後部に配置された図外の左右方向に延びる軸を回転中心として右連絡口14を開閉するように揺動する。右レバー17の前部が装置本体2の後部から右レバー用孔10を経由して装置本体2より前に突出するように、右レバー17は装置本体2に配置される。右レバー17の前部が上昇して上昇限度位置に停止した場合、右レバー17の前部の上縁部と右連絡口14の上端部との間の隙間は球の通過不可能な寸法になる。つまり、右レバー17の前部が上昇限度位置に停止すると、右レバー17が右連絡口14を球の通過不可能な状態に閉じた態様になる。又、右レバー17の前部が下降して下降限度位置に停止した場合、右レバー17の前部の上縁部と右連絡口14の上端部との間の隙間は球の通過可能な寸法になる。つまり、右レバー17の前部が下降限度位置に停止すると、右レバー17が右連絡口14を球の通過可能な状態に開いた態様になる。
左レバー16と右レバー17とは互いに別々に動くようになっている。具体的には、左レバー16が揺動可能に解放された時は、右レバー17が揺動不可能に拘束されており、左レバー16が揺動不可能に拘束された時は、右レバー17が揺動可能に解放されている。左レバー16に対する解放と拘束とについては、図5で説明する。右レバー17に対する解放と拘束とについては、図6で説明する。
図1に戻り、実施の形態では、入口3に入った20個のうちの1個の球に対し左レバー16が球の重さで左連絡口13を開き、残る19個の球に対し右レバー17が球の重さで右連絡口14を開くようになっている。よって、入口3に入った20個のうちの1個の球が左出口4に取り込まれ、入口3に入った20個のうちの19個の球が右出口5に取り込まれるので、左出口4に取り込まれる球の割合が1/20で、右出口5に取り込まれる球の割合は19/20であるというように、入口3に入った球が機構部11により定められた1/2以外の割合で左出口4と右出口5とに振り分けられるようになっている。
図1のB図乃至D図を参照し、実施の形態に係る遊技機の球振分装置1に球20が入った時の動作について、左レバー16が拘束されて左連絡口13を閉じたままになり、右レバー17が解放されて右連絡口14を開くようになる場合を例として説明する。図1のB図に示すように、左レバー16と右レバー17とが上昇限度位置に停止しており、入口3に入った1個の球20が送りギア15の1個の球収容部18に収容され、送りギア15の前部が当該球20の重さで上から下に回転して、球20が左レバー16と右レバー17との上に乗る。この時、球20は球噛み防止突起7に接触していない。そして、左レバー16が拘束され、右レバー17が解放されているので、球20が左レバー16と右レバー17とに乗ると、左レバー16が球20の重さで下降しないで障壁になり、右レバー17が球20の重さで下降する。それに伴い、図1のC図に示すように、球20が左レバー16の側から球噛み防止突起7を右側に越えて右レバー17を更に下降させつつ左レバー16を右側に越える方向に移動する。球噛み防止突起7が左レバー16と右レバー17との間に設けられているので、球20が左レバー16と右レバー17とに噛み合うことはなく、球噛み現象が発生しない。その後、図1のD図に示すように、右レバー17を右側に越えた球20は、右連絡口14を経由して右出口5に取り込まれるのに伴い、右レバー17が球の重さから解放されて上昇して上昇限度位置に停止する。
図2を参照し、実施の形態に係る遊技機の球振分装置1の各構成部品について説明する。球振分装置1は、装置本体2、機構部11、前飾り22を備える。装置本体2は、左出口4、右出口5、球噛み防止突起7、ギア用孔8、左レバー用孔9、右レバー用孔10、左樋23、右樋24、位置決め部25、取付孔26;27を備える。左樋23は、左出口4から装置本体2の後側に排出された球を装置本体2より後に誘導するものであり、装置本体2の後部に設けられ、装置本体2から後方に突出する。右樋24は、右出口5から装置本体2の後側に排出された球を装置本体2より後に誘導するものであり、装置本体2の後部に設けられ、装置本体2から後方に突出する。位置決め部25は、装置本体2に対する前飾り22の取付位置を決めるものであり、装置本体2から前に突出する。取付孔26は、装置本体2と前飾り22とを互いに取り付ける際に用いられる孔である。取付孔27は、装置本体2を図外の遊技盤に取り付ける際に用いられる孔である。
前飾り22は、隔壁6、前面部28、位置決め部29、取付孔30を備える。前面部28は、球が出ないように隔壁6の前部を塞いでいる。位置決め部29は、装置本体2の位置決め部25と嵌合する窪みになっている。取付孔30は、装置本体2の取付孔26と位置が合う窪みになっている。そして、位置決め部25;29が互いに嵌め合わせられ、図外の止ねじが装置本体2よりも後から取付孔26を経由して取付孔30に装着され、隔壁6の後面と装置本体2の前面とが互いに接触し、前飾り22が装置本体2に固定されることにより、入口3と落下通路12と左連絡口13と右連絡口14とが図1に示すように形成される。尚、前飾り22の装置本体2への固定は、接着剤又は嵌め込み式でもよい。又、位置決め部25が窪みで、位置決め部29が突起であってもよい。
機構部11では、送りギア15の前部と左レバー16の前部と右レバー17の前部とが容器31よりも前に突出した状態で、送りギア15と左レバー16と右レバー17とが容器31の内部に収容された造形である。容器31の外部には、取付部32を備える。そして、送りギア15の前部と左レバー16の前部と右レバー17の前部とが装置本体2の後からギア用孔8と左レバー用孔9と右レバー用孔10とに別々に挿入され、取付部32が装置本体2に設けられた図外の取付部に後から重ね合わされ、図外の止ねじが機構部11よりも後から取付部32を経由して上記装置本体2の図外の取付部に取り付けられることにより、機構部11が装置本体2に固定される。
図3を参照し、機構部11の各構成部品について説明する。機構部11は、送りギア15、左レバー16、右レバー17、容器31、左第1ギア35、右第1ギア36、左第2ギア37、右第2ギア38、制動部材39を備える。送りギア15は、球収容部18と仕切部19と軸40とを備える。軸40は、送りギア15の中心部で左右に突出する。容器31は、左容器41と右容器42とから一体に構成されることにより、内部に収容空間を構成する。左容器41は、取付部32;43、軸受部44;45;46を備える。右容器42は、取付部32;47、軸受部48;49;50を備える。
左レバー16は、前部に左球受部51、中間に軸52、後部に左爪部53を備え、前部が後部よりも重くなるように重量を配分されている。軸52は、左レバー16より左に突出する。左爪部53は、左レバー16の拘束及び解除を決めるものであり、左レバー16から突出する。右レバー17は、前部に球受部54、中間に軸55、後部に右爪部56及び錘57を備え、後部が前部よりも重くなるように重量を配分されている。軸55は、右レバー17より右に突出する。右爪部56は、右レバー17の拘束及び解除を決めるものであり、右レバー17から突出する。
左第1ギア35は、送りギア15の左に隣接して固定され、軸40の周りを囲む平歯車の態様である。右第1ギア36は、送りギア15の右に隣接して固定され、軸40の周りを囲む平歯車の態様である。左第1ギア35の外径と右第1ギア36の外径とは、送りギア15の中心から球収容部18の軸40の側に最も近い部分とを結ぶ直径よりも小さくなっている。左第1ギア35の歯数と右第1ギア36の歯数とは、同数になっている。
左第2ギア37は、平歯車として構成され、軸58と左拘束部59と左解除部60とを備える。軸58は、左第2ギア37の中心部で左拘束部59より左に突出する。左拘束部59は、左レバー16が左連絡口13を閉じた状態となるように、左レバー16を揺動不可能に拘束するものであり、軸58を中心とする円盤として左第2ギア37の左に固定される。球が左レバー16の左球受部51の上に乗り、左球受部51が球の自重で下降しようとしても、左爪部53が左拘束部59に接触して、左レバー16の前部が下降することなく左連絡口13を閉じたままになる。左解除部60は、左レバー16を揺動可能に解除するものであり、左レバー16の左爪部53を収容する窪みとして左拘束部59の周縁部に設けられる。実施の形態では、左レバー16が後部よりも前部を重くした重量の配分になっているので、左爪部53が左解除部60に収容されることにより、左レバー16の前部が下降して左連絡口13(図1参照)を開いて停止する。この左レバー16の前部の停止した位置が、左レバー16の前部の下降限度位置である。
図3において、右第2ギア38は、平歯車として構成され、軸61と右ストッパー62と右拘束部63とを備える。軸61は、右第2ギア38の中心部より右に突出する。右ストッパー62は、右レバー17の前部の下降範囲を規制するものであり、軸61を中心とする円盤として右第2ギア38の右に固定される。球が右レバー17の球受部54の上に乗り、球受部54が球の自重で下降して右連絡口14(図1参照)を開いた場合に、右爪部56が右ストッパー62に接触して、右レバー17の前部の下降が停止する。この右レバー17の前部の停止した位置が、右レバー17の前部の下降限度位置である。右拘束部63は、右レバー17が右連絡口14を閉じた状態となるように、右レバー17を揺動不可能に拘束するものであり、前部の右ストッパー62の直径方向の外側に突出する突起として右ストッパー62に一体に設けられる。球が右レバー17の球受部54の上に乗り、球受部54が球の自重で下降しようとしても、右爪部56が右拘束部63に接触して、右レバー17の前部が下降することなく右連絡口14を閉じたままになる。
図3に戻り、左第2ギア37の歯数と右第2ギア38の歯数とは、同数であり、左第1ギア35の歯数と右第1ギア36の歯数との2倍になっている。これにより、送りギア15の2回転に対し、左第2ギア37と右第2ギア38とが1回転する。制動部材39は、送りギア15が球の勢いで余分に回転することないように送りギア15の過回転を防止するものであり、板ばねにより構成され、前部に接触部64、後部に取付部65を備える。
左第1ギア35と右第1ギア36と左第2ギア37と右第2ギア38と左爪部53と左拘束部59と左解除部60と右ストッパー62と右爪部56と右拘束部63とが、送りギア16の回転で左レバー16と右レバー17とを機構部11により定められた1/2以外の割合で振り分け動作するように動かすレバー連動機構を構成する。このレバー連動機構は、送りギア16の定められた回転数に対して左連絡口13(図1参照)を1回開くと共にそれ以外は閉じるように左レバー16を動かす一方、左レバー16が左連絡口13を開く時は右レバー17が右連絡口14を閉じると共に左レバー16が左連絡口13を閉じる時は右レバー17が右連絡口14を開くように右レバー17を動かすように構成される。尚、レバー連動機構では、左第1ギア35と右第1ギア36と左第2ギア37と右第2ギア38とが除去されると共に、左拘束部59と左解除部60と右ストッパー62と右拘束部63とが送りギア15に設けられた構成でもよい。右ストッパー62を右第2ギア38に設けないで容器31に設けるか又は図2の右レバー用孔10の下端部で代替してもよい。
図3において、機構部11の組み立て方について説明すると、左レバー16の軸52が軸受部45に嵌め込まれ、左第2ギア37の軸58が軸受部46に嵌め込まれることにより、左レバー16と左第2ギア37とが左容器41の右側に取り付けられる。又、送りギア15の軸40の右端部が軸受部48に嵌め込まれ、右レバー17の軸55が軸受部49に嵌め込まれ、右第2ギア38の軸61が軸受部50に嵌め込まれることにより、送りギア15と右レバー17と右第2ギア38とが右容器42の左側に取り付けられる。右第2ギア38軸が軸受部に嵌め込まれる場合、右第2ギア38が送りギア15の右第1ギア36に噛み合わされる。又、制動部材39が左容器41に取り付けられることにより、制動部材39の接触部64が送りギア15の上部に上方から接触する。
その後、左容器41と右容器42とが互いに組み合わせられる場合、左第2ギア37の左解除部60が右第2ギア38の右拘束部63と左右方向で対向するように位置を調整され、左第2ギア37が送りギア15の左第1ギア35に噛み合わされる。以上のように機構部11を組み立てる場合において、容器31が上下に分割された構成に比べ、容器31が左容器41と右容器42というように左右に分割された構成であるので、送りギア15、左レバー16、右レバー17、左第2ギア37、右第2ギア38、制動部材39等の部品を容器31の内部空間に簡単に収容することができる。
図4を参照し、容器31の除去された機構部11を上方から見た場合について説明すると、送りギア15の左右両側には左第2ギア37及び右第2ギア38が別々に配置され、左第2ギア37の真下には左レバー16が配置され、右第2ギア38の真下には右レバー17が配置されているので、機構部11の左右方向の横幅が小さくなり、機構部11が落下通路12の真後ろに配置できる。又、左出口4及び右出口5が機構部11の左右両側に隣接して配置されたので、球振分装置1の横幅が小さくなる。
図5及び図6を参照し、機構部11の内部構造について説明する。図5に示すように、制動部材39の取付部65が容器31に固定され、制動部材39の接触部64が1個の球収容部18の前後方向の両側における仕切部19に接触している。左レバー16の左爪部53が軸52を中心として上方に移動して左拘束部59の外周面に接触している。その状態において、球20が入口3から落下通路12を落下して誘導突起66による誘導で送りギア15における1個の球収容部18に収容されるのに伴い、送りギア15が上記球20の自重で回転すると、接触部64が仕切部19でも持ち上げられるように制動部材39が撓む。そして、上記1個の球20が1個の球収容部18と誘導突起66との間から落下するのに伴い、接触部64が仕切部19を押し下げるように制動部材39が復元して上記1個の球収容部18の回転方向の後に隣接する1個の球収容部18の前後方向の両側における仕切部19に接触し、上記送りギア15の回転が停止する一方、上記球収容部18と誘導突起66との間から落下した1個の球20が左レバー16の左球受部51に衝突しても、左爪部53が左拘束部59に接触して、左レバー16が軸52を回転中心として揺動しないで左連絡口13を閉じて障壁となるように拘束されているので、左球受部51が下降しない。この左レバー16の拘束状態は、左レバー16の解放状態以外で発生する。実施の形態では、球が入口3に20個入った場合における19個に対して左レバー16が拘束された状態になる。
次に、上記球20による送りギア15の回転と停止とが繰り返され、左爪部53があと1個の球20の入口3への入りにより左解除部60と対向する手前の位置で左拘束部59の外周面に接触している。その状態において、球20が入口3から落下通路12を落下して誘導突起66による誘導で送りギア15における1個の球収容部18に収容されるのに伴い、送りギア15が上記球20の自重で回転すると、接触部64が仕切部19でも持ち上げられるように制動部材39が撓む。そして、上記1個の球20が1個の球収容部18と誘導突起66との間から落下するのに伴い、接触部64が仕切部19を押し下げるように制動部材39が復元して上記1個の球収容部18の回転方向の後に隣接する1個の球収容部18の前後方向の両側における仕切部19に接触し、上記送りギア15の回転が停止するに伴い、左爪部53が左解除部60に出合うと、左レバー16が軸52を回転中心として揺動し、左爪部53が上昇して左解除部60に収容される一方、左球受部51が下降して左連絡口13を開いて下降限度位置に停止する。この時、右レバー17は揺動不可能に拘束されているので、上記球収容部18と誘導突起66との間から落下した1個の球20が下降した左球受部51及び左連絡口13(図1参照)を経由して左球出口4(図1参照)に排出される。この左レバー16の揺動する解放状態は、送りギア15の2回転に1回だけ発生する。実施の形態では、球が入口3に20個入った場合における1個に対して左レバー16が解放された状態になる。
尚、図5において、左レバー16の後部が前部よりも重くなるように重量を配分された造形に左レバー16を構成することも考えられる。そして、左レバー16が左レバー用孔9から装置本体2より前側に突出し、容器31に軸52を回転中心として揺動し得るように取り付けられた場合、上記左レバー16の重量の配分により、左レバー16の前部が上昇して左レバー用孔9の上端部に下から接触して上昇限度位置に停止する。このように左レバー16の前部が上昇限度位置に停止した状態において、左レバー16を揺動不可能に拘束するには、球収容部18と誘導突起66との間から落下した1個の球20が左球受部51に衝突しても、左レバー16が左連絡口13を開くことなく閉じたままとなるように、左爪部53が左拘束部59に接触するように構成すればよい。又、上記のように左レバー16の前部が上昇限度位置に停止した状態において、左レバー16を揺動可能に解除するには、左爪部53が左解除部60と出合うように対応しており、球収容部18と誘導突起66との間から落下した1個の球20が左球受部51に衝突すると、左爪部53が左解除部60に収容され、左レバー16が左連絡口13を開くように構成すればよい。
図6に示すように、制動部材39の接触部64が1個の球収容部18の前後方向の両側における仕切部19に接触し、右レバー17の球受部54が軸52を中心として上方に移動し、右レバー17が右レバー用孔10の上端部に接触した位置で停止し、右爪部56が右ストッパー62と対応している。その状態において、球20が入口3から落下通路12を落下して誘導突起66による誘導で送りギア15における1個の球収容部18に収容されるのに伴い、送りギア15が上記球20の自重で回転すると、接触部64が仕切部19でも持ち上げられるように制動部材39が撓む。そして、上記1個の球20が1個の球収容部18と誘導突起66との間から落下するのに伴い、接触部64が仕切部19を押し下げるように制動部材39が復元して上記1個の球収容部18の回転方向の後に隣接する1個の球収容部18の前後方向の両側における仕切部19に接触し、上記送りギア15の回転が停止する一方、上記球収容部18と誘導突起66との間から落下した1個の球20が右レバー17の球受部54に衝突すると、右レバー17が軸55を回転中心として揺動するように解放されているので、球受部54が下降する一方、右爪部56が上昇して右ストッパー62に接触する。この右レバー17の解放状態は、右レバー17の拘束状態以外で発生する。実施の形態では、球が入口3に20個入った場合における19個に対して右レバー17が解放された状態になる。
次に、上記球20による送りギア15の回転と停止とが繰り返され、右爪部56があと1個の球20の入口への入りにより右拘束部63と対向する手前に位置している。その状態において、球20が入口3から落下通路12を落下して誘導突起66による誘導で送りギア15における1個の球収容部18に収容されるのに伴い、送りギア15が上記球20の自重で回転すると、接触部64が仕切部19でも持ち上げられるように制動部材39が撓む。そして、上記1個の球20が1個の球収容部18と誘導突起66との間から落下するのに伴い、接触部64が仕切部19を押し下げるように制動部材39が復元して上記1個の球収容部18の回転方向の後に隣接する1個の球収容部18の前後方向の両側における仕切部19に接触し、上記送りギア15の回転が停止するに伴い、右爪部56が右拘束部63の外周面と対向する一方、上記球収容部18と誘導突起66との間から落下した1個の球20が右レバー17の球受部54に衝突しても、右爪部56が右拘束部63に接触して、右レバー17が軸55を回転中心として揺動しないで右連絡口14を閉じて障壁となるように拘束されているので、球受部54が下降しない。この右レバー17の拘束状態は、送りギア15の2回転に1回だけ発生する。実施の形態では、球が入口3に20個入った場合における1個に対して右レバー16が拘束された状態になる。
段落0030乃至段落0033で説明したように、送りギア15に左第2ギア37と右第2ギア38とが送りギア15の2回転に対して1回転するように噛み合わされ、左第2ギア37と一緒に回転する左拘束部59が1回転する間は左レバー16を左連絡口13に対して閉じるように拘束している。これにより、入口3に入った球20は自重で右レバー17を押し下げて右側に振り分けられる。この右側への振り分けは、送りギア15の2回転中は持続する。そして、左拘束部59が1回転した時は左爪部53と左解除部60とが互いに対向して左レバー16を左連絡口13対して開くように解放していると共に右爪部56と右拘束部63とが互いに対向して右レバー17を右連絡口14に対し閉じるように拘束している。これにより、入口3に入った球20は自重で左レバー16を押し下げて左側に振り分けられる。
実施の形態では、球20が入口3に1個ずつ20個入った場合に、1個の球20が左側に振り分けられ、残りの19個の球20が右側に振り分けられるので、機構部11により定められた1/2以外の割合は1/20になっている。機構部11により定められた1/2以外の割合は、1/20に限定されるものではなく、球収容部18の個数、左解除部60の個数、右拘束部63の個数、左第2ギア37及び右第2ギア38の送りギア15に対する歯車比等を変更することにより、1/20以外の割合に設定してもよい。又、入口3に入った球の左出口4と右出口5とに振り分ける割合は逆であってもよい。
図1乃至図6では図示を省略したが、球検出器が入口3、左出口4、右出口5、落下通路12に設けられて遊技制御に用いられる。例えば、球検出器が入口3又は落下通路12と左出口4又は右出口5とに1個ずつの合計2個、入口3又は落下通路12と左出口4と右出口5とに1個ずつの合計3個、左出口4と右出口5とに1個ずつの合計2個設けられる場合が考えられる。
図7を参照し、実施の形態に係る球振分装置1を備えた遊技機について、パチンコ機70を例示して説明する。パチンコ機70は、遊技店の島と呼ばれる遊技機設置設備に取り付けられる遊技機枠71の内部に遊技盤72を備え、遊技盤72に球振分装置1、画像表示器73、始動入賞装置74、可変入賞装置75、アウト口76等を備え、遊技機枠71の正面に設けられた球発射操作機構77が遊技者により操作されると、遊技機枠71の内部に設けられた球発射機78がパチンコ球と呼ばれる球を遊技盤72の前面とその前に配置された透明なガラス79との間の遊技領域に発射する。この遊技領域に発射された球が遊技領域を流下する過程で球振分装置1の入口3に入ると、その球を球振分装置1が機構部11により定められた1/2以外の割合で、左出口4と右出口5とに振り分ける。そして、球が左出口4を通過した場合は入賞に対する賞球だけを与え、球が右出口5を通過した場合は入賞に対する賞球と当り外れの抽選を制御装置で行い、当りが抽選された場合は始動入賞装置74が球の入り易い造形になるようにしてもよい。