JP2014124182A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】低速走行時の乗り心地の向上と、刈跡が乱れることを抑制できるコンバインを提供することを目的とする。
【解決手段】コンバイン1は刈取装置5と副切断装置9と動力伝達機構11を備える。刈取装置5は穀稈を刈り取る主切断装置53と刈り取った穀稈を脱穀装置に搬送する搬送装置56を備えている。副切断装置9は主切断装置53よりも低い位置で主切断装置53に刈り取られた穀稈の株元を切断する。動力伝達機構11はエンジンからの駆動力が走行ミッション3aを介して伝達される入力プーリ112と入力プーリ112に伝達される駆動力を副切断装置9に伝達する伝達機構113を備えている。
【選択図】図3
【解決手段】コンバイン1は刈取装置5と副切断装置9と動力伝達機構11を備える。刈取装置5は穀稈を刈り取る主切断装置53と刈り取った穀稈を脱穀装置に搬送する搬送装置56を備えている。副切断装置9は主切断装置53よりも低い位置で主切断装置53に刈り取られた穀稈の株元を切断する。動力伝達機構11はエンジンからの駆動力が走行ミッション3aを介して伝達される入力プーリ112と入力プーリ112に伝達される駆動力を副切断装置9に伝達する伝達機構113を備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、コンバインに関する。
コンバインは、走行装置と、刈取装置と、脱穀装置を備えており、走行しながら刈取り、脱穀及び選別を行う。従来のコンバインとして、例えば、特許文献1には、刈取装置の主切断装置で切断して刈り取った穀稈を搬送装置により、上部脱穀室(脱穀装置の脱穀部)に搬送し、搬送した穀稈を当該上部脱穀室内で回転駆動する扱胴によって脱穀する汎用コンバインの副切断装置が開示されている。
汎用コンバインの副切断装置は、刈刃と、エンジンからの駆動力が伝達されるプーリと、プーリの駆動力を刈刃に伝える伝達機構とを備えている。刈刃は、刈取装置よりも後側でかつ下側に配置され、プーリと伝達機構は、機体フレームの前部の側面に設けられている。プーリには、エンジンからの駆動力としての回転駆動力が伝達される。伝達機構は、プーリの回転を一定速度の往復移動に変換し、刈刃の可動刃を車幅方向に一定速度で往復移動させる。副切断装置は、プーリと伝達機構により刈刃の可動刃を固定刃に対して一定速度で往復移動させることで、可動刃と固定刃との間に挟み込んで刈取装置が刈り残した穀稈の株元を切断する。
ところで、上述のような特許文献1に記載の汎用コンバインの副切断装置は、可動刃を一定速度で往復移動させるために、低速走行時には、発生する振動が大きく乗り心地を低下させる傾向であった。また、高速走行時には、穀稈の株元を十分に切断することが困難となって、刈跡が乱れて、切株の上を走行する汎用コンバインの走行抵抗が増加するという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、低速走行時の乗り心地の向上と、刈跡が乱れることを抑制できるコンバインを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るコンバイン(1)は、例えば、機体フレーム(2)の前方に設けられた穀稈刈取用の主切断装置(53)と、前記主切断装置(53)で刈り取った穀稈を脱穀装置(10)に搬送する搬送装置(56)とを有する刈取装置(5)を備え、前記主切断装置(53)による刈り取り後の残稈を株元から切断する副切断装置(9)を、前記主切断装置(53)よりも低い位置に備え、エンジン(3)からの駆動力を前記副切断装置(9)に伝達する動力伝達機構(11)を備えたコンバイン(1)であって、前記動力伝達機構(11)には、エンジン(3)からの駆動力を無段階に変速して前記副切断装置(9)に伝達する機構を備えたことを特徴とする。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、前記動力伝達機構(11)は、エンジン(3)の駆動力を無段階に変速して走行ミッション(3a)へ伝達する静油圧式無段変速機(3h)と、この静油圧式無段変速機(3h)の出力が走行ミッション(3a)を介して入力される入力プーリ(112)と、前記入力プーリ(112)に入力された駆動力を前記副切断装置(9)に伝達する伝達機構(113)とを備え、前記入力プーリ(112)は、車幅方向において、前記搬送装置(56)と前記走行ミッション(3a)との間に配置されているものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、前記伝達機構(113)は、前記搬送装置(56)の外側面(56a)よりも車幅方向の外側に配置されているものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、エンジン(3)からの駆動力を、前記走行ミッション(3a)を介して前記刈取装置(5)の刈取入力プーリ(59a)に伝達する刈取動力伝達機構(59)を備えるものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、前記刈取動力伝達機構(59)には、前記刈取入力プーリ(59a)と前記入力プーリ(112)との双方への前記エンジン(3)からの駆動力を伝達及び遮断するクラッチを備えるものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、前記走行ミッション(3a)と前記伝達機構(113)との間に設けられ、かつ機体前進時の前記エンジン(3)からの駆動力を前記伝達機構(113)に伝達するとともに、機体後進時の前記エンジン(3)からの駆動力から前記伝達機構(113)への伝動を遮断するワンウェイクラッチ(118)を備えるものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、前記主切断装置(53)は、機体の走行速度に拘らずに一定の速度で駆動され、機体の走行速度が最高速度となった状態における前記副切断装置(9)の駆動速度が、前記主切断装置(53)の駆動速度よりも低速に設定されているものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、前記主切断装置(53)は、機体の走行速度に拘らずに一定の速度で駆動され、機体の走行速度がゼロである走行停止状態における前記副切断装置(9)の駆動速度が前記主切断装置(53)の駆動速度よりも低速に設定されており、走行速度が増加するにしたがって前記副切断装置(9)の駆動速度が増加するとともに、機体の走行速度が最高速度となった状態における前記副切断装置(9)の駆動速度が、前記主切断装置(53)の駆動速度よりも高速に設定されているものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、前記副切断装置(9)の幅(Ha)は、前記主切断装置(53)の幅(Hb)よりも小さく設定され、車幅方向において、前記副切断装置(9)は、前記主切断装置(53)よりも内側に設けられたものとすることができる。
また、上記コンバイン(1)では、例えば、走行ミッション(3a)により駆動される走行装置(4)を備え、車幅方向において、前記副切断装置(9)の両端部は、前記走行装置(4)よりも車幅方向の外側に設けられたものとすることができる。
本発明に係るコンバインは、エンジンの駆動力が無段階に変速して副切断装置に伝達されるので、副切断装置の可動刃の駆動速度と走行速度とを連動させて増減させることができる。したがって、コンバインは、低速走行時には、副切断装置の可動刃の駆動速度を遅くし、高速走行時には、副切断装置の可動刃の駆動速度を早くして、低速走行時の乗り心地を向上できるとともに、高速走行時の副切断装置の刈跡を良好に保って、走行抵抗が増加することを抑制できる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係るコンバインを図面に基いて説明する。図1は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す側面図、図2は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す平面図、図3は、実施形態1に係るコンバインの刈取装置の主切断装置と副切断装置などを示す平面図である。なお、以下の説明では、前後方向とは、コンバイン1の前後方向である。さらに言えば、前後方向とは、このコンバイン1が直進する際の進行方向であり、直進方向前方側を前側、後方側を後側という。また、車幅方向とは、当該前後方向に対して水平に直交する方向であり、直進方向前方側の右側を右側、直進方向前方側の左側を左側という。さらに、鉛直方向とは、前後方向と車幅方向とに直交する方向である。これら前後方向、車幅方向及び鉛直方向は、互いに直交する。
本発明の実施形態1に係るコンバインを図面に基いて説明する。図1は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す側面図、図2は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す平面図、図3は、実施形態1に係るコンバインの刈取装置の主切断装置と副切断装置などを示す平面図である。なお、以下の説明では、前後方向とは、コンバイン1の前後方向である。さらに言えば、前後方向とは、このコンバイン1が直進する際の進行方向であり、直進方向前方側を前側、後方側を後側という。また、車幅方向とは、当該前後方向に対して水平に直交する方向であり、直進方向前方側の右側を右側、直進方向前方側の左側を左側という。さらに、鉛直方向とは、前後方向と車幅方向とに直交する方向である。これら前後方向、車幅方向及び鉛直方向は、互いに直交する。
図1に示す実施形態1のコンバイン1は、動力源としてのエンジン3が発生する駆動力によって、自走しながら稲の他、大豆、そば等の穀稈を刈取、脱穀可能である汎用コンバインである。コンバイン1は、図1及び図2に示すように、機体フレーム2と、動力源としてのエンジン3と、走行装置4と、主切断装置53を備えた刈取装置5と、脱穀装置10と、グレンタンク8と、副切断装置9と、動力伝達機構11(図3に示す)とを備える。
機体フレーム2は、コンバイン1の車体の枠状の構造部材をなしている。エンジン3は、機体フレーム2上の前後方向前側に搭載されている。エンジン3は、コンバイン1で用いる駆動力の発生源である。エンジン3は、内燃機関であり、燃焼室で燃料を燃焼させることにより燃料のエネルギを機械的仕事に変換して回転動力として出力する熱機関である。また、エンジン3は、機体フレーム2上の操作席21を設けたキャビン22の下側に設けられている。エンジン3の駆動力は、HST3h(Hydro Static Transmission:静油圧式無段変速機)3hを介して、機体フレーム2の車幅方向の中央に固定された走行ミッション3aに伝達される。
走行装置4は、機体フレーム2の鉛直方向下側に設けられる。走行装置4は、走行ミッション3aにより駆動されて、コンバイン1全体を走行させるものである。走行装置4は、クローラ41を有する。クローラ41は、機体フレーム2の鉛直方向下側において車幅方向に間隔をあけて一対で設けられる。クローラ41には、エンジン3の駆動力が走行ミッション3aを介して伝達される。走行装置4は、エンジン3から伝達される駆動力によってクローラ41が駆動することでコンバイン1全体を前後方向に走行させる。図示しない主変速レバーの操作によってHST3hを変速操作することで、走行装置4の駆動速度が無段階に変速される。
刈取装置5は、機体フレーム2の前方に設けられる。刈取装置5は、エンジン3からの駆動力によって駆動し穀稈を刈取、刈り取った穀稈を脱穀装置10などに搬送するものである。刈取装置5は、エンジン3からの駆動力によって駆動し穀稈を刈り取るものであって、刈取部55と、搬送装置56と、刈取動力伝達機構59(図3に示す)とを備える。刈取部55は、オーガーフレーム51と、オーガー52と、穀稈刈取用の主切断装置53を含んで構成される。オーガーフレーム51は、底板51aと、車幅方向左右一対の左右側板51bと、後板51cとからなる。オーガー52は、オーガーフレーム51内に車幅方向に沿って配置され、回転自在に支持される。
主切断装置53は、底板51aの前後方向前側縁部に設けられ、図3に示すように、固定刃53aと、可動刃53bとを備えている。固定刃53aと可動刃53bとは、車幅方向に間隔をあけて複数設けられている。固定刃53aは、オーガーフレーム51などに固定され、可動刃53bは、エンジン3からの駆動力により車幅方向に往復移動可能に設けられている。主切断装置53は、往復移動する可動刃53bが固定刃53aとの間に穀稈を挟みこむことで、穀稈を切断して刈り取る。なお、本明細書では、主切断装置53の可動刃53bの単位時間あたりの往復移動の回数を主切断装置53の駆動速度と記す。
また、刈取部55は、固定刃53a及び可動刃53bの上側に主切断装置53により切断し、刈り取られた穀稈を掻込む掻込リール54が設けられる。掻込リール54は、前後方向の位置、及び、鉛直方向の高さが調節自在に設けられる。刈取装置5は、エンジン3から伝達される駆動力によって、オーガー52等が駆動することで主切断装置53によって穀稈を刈取取り込む。
搬送装置56は、刈取部55の後側、より詳細には刈取部55と機体フレーム2との間に設けられる。搬送装置56は、エンジン3からの駆動力によって、主切断装置53で刈り取った穀稈を脱穀装置10に搬送するものである。搬送装置56は、ケース57と、搬送機構58とを含んで構成される。ケース57は、断面四角形状に形成され、オーガーフレーム51の後板51cから前後方向後側の脱穀装置10に向って延設される。ケース57は、図示しない連結用筒により脱穀部7に取り付けられる。搬送機構58は、ケース57内に設けられる。搬送装置56は、エンジン3から伝達される駆動力によって搬送機構58が駆動することで、穀稈を刈取部55から脱穀装置10に搬送する。また、刈取装置5は、図示しない昇降シリンダなどにより、主切断装置53が鉛直方向に昇降される。
刈取動力伝達機構59は、エンジン3からの駆動力を刈取部55及び搬送装置56に伝達されるものである。刈取動力伝達機構59は、図3に示すように、HST3hによって駆動される走行ミッション3aを介してエンジン3からの駆動力が伝達される刈取入力プーリ59aを備えている。
脱穀装置10は、刈取装置5の後側でかつグレンタンク8の側方に設けられ、下部の選別部6と上部の脱穀部7を有する。選別部6は、機体フレーム2の上側でかつ刈取装置5の搬送装置56の後側に設けられる。また、選別部6は、グレンタンク8の側方でかつ機体フレーム2の左側に設けられる。選別部6は、エンジン3からの駆動力によって、脱穀部7により脱穀された穀稈の藁等の夾雑物と穀粒とを分離する装置である。選別部6は、選別室61と、選別室61内に設けられた揺動選別部62、送風唐箕63等を備える。選別室61は、エンジン3から伝達される駆動力によって駆動する送風唐箕63からの送風と、揺動選別部62の揺動とによって、脱穀部7で脱粒された穀粒を含む被処理物から夾雑物を除去して、穀粒を選別して回収する。被処理物とは、脱穀部7の扱胴73が穀稈から脱粒したものである。
脱穀部7は、機体フレーム2の上側でかつ刈取装置5の搬送装置56の後側に設けられる。また、脱穀部7は、グレンタンク8の側方でかつ機体フレーム2の左側に設けられる。脱穀部7は、エンジン3からの駆動力によって搬送された穀稈を脱穀するものである。すなわち、脱穀部7は、刈取装置5が刈り取った穀稈から穀粒を切離す装置である。
脱穀部7は、扱室71と、扱室71内に設けられた扱胴73、扱胴軸74等を備える。扱胴73は、円筒状に形成され、外周面に複数の扱歯75が設けられる。扱胴軸74は、円柱状に形成され扱胴73の内側に挿入され、一体回転可能に結合される。扱胴軸74、扱胴73は、扱室71内に回転軸線を回転中心として一体回転自在に支持される。回転軸線は、コンバイン1の前後方向と平行である。扱胴73は、エンジン3からの駆動力によって扱胴軸74を回転中心として回転しながら穀稈を脱穀する。扱室71は、扱胴73の鉛直方向下側側が扱網76により包囲される。
また、脱穀装置10は、エンジン3から駆動力が伝達され、このエンジン3から駆動力を選別部6と脱穀部7とに伝達する脱穀プーリ10a(図1などに示す)を備えている。
グレンタンク8は、脱穀装置10の側方に設けられる。グレンタンク8は、脱穀装置10が脱穀した穀粒を一時的に貯蔵するものである。グレンタンク8は、排出オーガー81が接続される。排出オーガー81は、エンジン3からの駆動力によってグレンタンク8内の穀粒を搬送し、グレンタンク8の外部へ排出させるものである。
副切断装置9は、刈取装置5の主切断装置53よりも後側に設けられ、主切断装置53による刈り取り後の残稈を株元から切断するものであり、主切断装置53よりも低い位置に備えられている。副切断装置9は、図3に示すように、機体フレーム2の前端部2aに連結フレーム91を介して連結された支持台92と、固定刃93と、可動刃94と、ガイド95とを備えている。支持台92は、車幅方向に直線状に延びた帯状に形成されている。
固定刃93と可動刃94とは、車幅方向に間隔をあけて複数設けられている。固定刃93は、支持台92に固定され、可動刃94は、互いに固定されてエンジン3からの駆動力により支持台92に車幅方向に一体に往復移動可能に設けられている。副切断装置9は、往復移動する可動刃94が固定刃93との間に穀稈を挟みこむことで、穀稈を切断する。副切断装置9は、図示しない昇降シリンダなどにより、主切断装置53とは独立して、鉛直方向に昇降される。なお、本明細書では、副切断装置9の可動刃94の単位時間あたりの往復移動の回数を副切断装置9の駆動速度と記す。ガイド95は、支持台92の端部(実施形態1では、左側の端部)に取り付けられおり、副切断装置9の移動方向を案内する。
また、副切断装置9の車幅方向の幅Haは、主切断装置53の車幅方向の幅Hbよりも小さく設定されている。車幅方向において、図3に示すように、副切断装置9は、主切断装置53よりも内側に設けられている。また、副切断装置9の支持台92の車幅方向の両端部は、走行装置4のクローラ41よりも車幅方向の外側に設けられている。
さらに、刈取装置5の主切断装置53と副切断装置9は、コンバイン1の重心を極力当該コンバイン1の車幅方向の中央に近づけるために、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bよりも車幅方向の内側に設けられている。即ち、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bは、主切断装置53と副切断装置9との双方よりも車幅方向の外側に突出している。この機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bには、図3に示すように、平板状のカバー2cが取り付けられている。カバー2cは、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bに重ねられて、この端部2bの内側を塞いでいる。カバー2cは、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bの内側を塞ぐことで、この端部2bを保護する。
動力伝達機構11は、エンジン3からの駆動力を副切断装置9と刈取装置5の刈取動力伝達機構59の刈取入力プーリ59aとに伝達するものである。動力伝達機構11は、図3に示すように、HST3h(エンジン3からの駆動力を無段階に変速して副切断装置9に伝達する機構に相当)と、HST3hを介してエンジン3の駆動力が伝達される走行ミッション3aの出力軸3bに取り付けられた出力プーリ111と、入力プーリ112と、伝達機構113とを備えている。
HST3hは、エンジン3の駆動力を無段階に変速して走行ミッション3aへ伝達する。出力プーリ111は、互いに同軸に設けられた大径プーリ115と、この大径プーリ115よりも小径な小径プーリ116とを一体に備えている。大径プーリ115は、図示しない無端ベルトなどを介して、刈取入力プーリ59aにエンジン3からの駆動力を伝達する。
入力プーリ112は、車幅方向において、搬送装置56と走行ミッション3aとの間に配置され、出力プーリ111の小径プーリ116との間に無端ベルト117が掛け渡されて、HST3hの出力が走行ミッション3aを介して入力される。伝達機構113は、回転移動を往復移動に変換する周知のウォブル機構であり、入力プーリ112に入力された駆動力を副切断装置9に伝達するものである。伝達機構113は、車幅方向において、搬送装置56と走行ミッション3aとの間に設けられている。伝達機構113の入力軸113aには、入力プーリ112が取り付けられ、伝達機構113の出力軸113bには、副切断装置9の可動刃94が取り付けられている。伝達機構113は、入力軸113aの回転移動を出力軸113bの揺動移動に変換して、可動刃94を車幅方向に往復移動させる。
また、出力プーリ111と走行ミッション3aの出力軸3bとの間には、ワンウェイクラッチ118が設けられている。ワンウェイクラッチ118は、出力プーリ111と走行ミッション3aの出力軸3bとの間に設けられることで、走行ミッション3aと伝達機構113との間に設けられている。ワンウェイクラッチ118は、スプラグ式やカム式などのワンウェイクラッチであって、機体前進時のエンジン3からの駆動力を伝達機構113及び刈取装置5の刈取入力プーリ59aに伝達するとともに、機体後進時のエンジン3からの駆動力から伝達機構113及び刈取装置5の刈取入力プーリ59aへの伝動を遮断する。
また、刈取動力伝達機構59には、クラッチ114を備える。クラッチ114は、エンジン3からの駆動力を走行ミッション3aを介して刈取入力プーリ59aと入力プーリ112との双方に伝達及び遮断するものである。クラッチ114は、操作席21の運転者からの命令により、エンジン3からの駆動力を走行ミッション3aを介して刈取入力プーリ59aと入力プーリ112との双方に伝達する状態と、エンジン3からの駆動力の走行ミッション3aを介しての刈取入力プーリ59aと入力プーリ112との双方への伝達を遮断する状態とが切り換えられる。
上記のように構成されるコンバイン1は、クラッチ114がエンジン3からの駆動力を刈取装置5に伝達して、エンジン3が発生させる駆動力によって走行装置4が駆動して走行しながら、刈取装置5によって穀稈を刈り取る。このとき、前進時には、刈取装置5は分草体により分草し、掻込リール54によりオーガーフレーム51内に穀稈を掻込んで、主切断装置53で切断し刈り取る。また、副切断装置9が、主切断装置53が切断した穀稈の株元を主切断装置53よりも低い位置で切断する。そして、コンバイン1は、刈取装置5で刈り取った穀稈を搬送装置56によって脱穀装置10の脱穀部7の扱室71に搬送する。そして、コンバイン1は、扱室71にて、扱胴73がエンジン3から伝達される駆動力によって扱胴軸74を回転中心として回転して穀稈を脱穀する。脱穀された穀粒等は、扱網76を介して選別室61に落下する。そして、コンバイン1は、選別部6の選別室61にて送風唐箕63からの送風と揺動選別部62の揺動とによって穀粒を選別し、選別した穀粒をグレンタンク8に貯蔵する。
また、コンバイン1は、前進時には、走行ミッション3aを介してエンジン3からの駆動力が刈取装置5及び副切断装置9に伝達されるために、走行速度と、刈取装置5の主切断装置53の駆動速度及び副切断装置9の駆動速度とが比例する。即ち、コンバイン1の走行速度が速くなるのにしたがって、刈取装置5の主切断装置53の駆動速度及び副切断装置9の駆動速度が速くなり、コンバイン1の走行速度が遅くなるのにしたがって、刈取装置5の主切断装置53の駆動速度及び副切断装置9の駆動速度が遅くなる。
さらに、後進時には、ワンウェイクラッチ118により走行ミッション3aの出力軸3bからの駆動力は、伝達機構113と刈取入力プーリ59aとの双方に伝達されない。このために、コンバイン1は、後進時には、刈取装置5と副切断装置9との双方を停止して、穀稈を刈り込まないとともに、切断しない。
また、コンバイン1は、農道などの圃場以外の移動時には、操縦席21の運転者からの命令により、クラッチ114がエンジン3からの駆動力の刈取装置5及び副切断装置9への伝達を遮断する。そして、コンバイン1は、前進時、後進時を問わず、走行しても、エンジン3からの駆動力が刈取装置5及び副切断装置9に伝達されずに、農道などの圃場以外の移動時には、刈取装置5及び副切断装置9を停止させる。
以上で説明した実施形態に係るコンバイン1によれば、エンジン3の駆動力が走行ミッション3aを介して副切断装置9の入力プーリ112に伝達されるので、副切断装置9の可動刃94の駆動速度がHST3hにより無段階に変速されることとなり、副切断装置9の可動刃94の駆動速度とコンバイン1の走行速度とを連動させて増減させることができる。したがって、コンバイン1は、低速走行時には、副切断装置9の可動刃94の駆動速度を遅くし、高速走行時には、副切断装置9の可動刃94の駆動速度を早くすることができる。よって、低速走行時の振動を抑制して、乗り心地を向上できるとともに、高速走行時の副切断装置9の刈跡を良好に保って、走行抵抗が増加することを抑制することができる。
また、コンバイン1によれば、入力プーリ112を車幅方向において刈取装置5の搬送装置56と走行ミッション3aとの間に設けたので、入力プーリ112に刈取前の穀稈などが衝突することを抑制できる。また、入力プーリ112に加えて伝達機構113を車幅方向において刈取装置5の搬送装置56と走行ミッション3aとの間に設けたので、伝達機構113に刈取前の穀稈などが衝突することを抑制できる。さらに、入力プーリ112に加えて伝達機構113を刈取装置5の搬送装置56と走行ミッション3aとの間に設けているので、伝達機構113が副切断装置9の車幅方向の中央付近に駆動力を伝達することとなるので、副切断装置9の駆動負荷を抑制することができる。また、入力プーリ112に加えて伝達機構113を刈取装置5の搬送装置56と走行ミッション3aとの間に設けているので、コンバイン1自体の小型化を図ることができる。
さらに、コンバイン1によれば、刈取動力伝達機構59の刈取入力プーリ59aに走行ミッション3aを介して駆動力が伝達されるので、走行速度と副切断装置9の駆動速度と刈取装置5の駆動速度とを連動させて、増減させることができる。このために、コンバイン1は、低速走行時には、副切断装置9の駆動速度と主切断装置53の駆動速度とを遅くし、高速走行時には、副切断装置9の駆動速度と主切断装置53の駆動速度とを早くすることができる。よって、低速走行時の振動を確実に抑制でき、乗り心地を向上できるとともに、高速走行時の刈跡を確実に良好に保って、走行抵抗が増加することを抑制できる。
また、コンバイン1によれば、走行ミッション3aを介して、エンジン3からの駆動力を刈取入力プーリ59aと入力プーリ112との双方に伝達、遮断するクラッチ114を備えている。このために、例えば、農道や公道を走行する際などの穀稈を刈り取らない際には、前進しても、刈取装置5及び副切断装置9を停止させることができる。
コンバイン1によれば、走行ミッション3aと、副切断装置9の伝達機構113及び刈取入力プーリ59aとの間にワンウェイクラッチ118を設けているので、前進時には、クラッチ114がエンジン3からの駆動力を伝達していると、副切断装置9の可動刃94の駆動速度と走行速度とを連動させることができる。また、ワンウェイクラッチ118を設けているので、後進時には、クラッチ114がエンジン3からの駆動力を伝達していても、走行装置4のみ駆動させて副切断装置9及び刈取装置5を停止させることができる。
コンバイン1によれば、副切断装置9の幅Haを主切断装置53の幅Hbよりも狭くし、副切断装置9を主切断装置53よりも車幅方向の内側に設けているので、刈取前の穀稈や圃場の土手などが副切断装置9に衝突することを抑制できる。したがって、刈取前の穀稈を副切断装置9が切断してしまうことを抑制でき、刈取前の穀稈を刈取装置5により確実に刈り込むことができる。また、刈取前の穀稈や圃場の土手などが副切断装置9に衝突することを抑制できるので、副切断装置9が破損することを抑制できる。
コンバイン1によれば、副切断装置9の両端部を走行装置4のクローラ41よりも車幅方向の外側に設けているので、走行装置4が走行する前に副切断装置9が株元を切断でき、走行装置4の走行抵抗が増加することや走行装置4が破損することを確実に抑制できる。
コンバイン1によれば、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bにカバー2cを設けている。コンバイン1は、重心が機体フレーム2の車幅方向の中央よりも搬送装置56や脱穀装置10寄りに位置付けられる傾向であるために、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bが刈取装置5の主切断装置53よりも車幅方向の外側に突出している。このために、車幅方向の外側に突出する機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bにカバー2cを設けているので、この機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bに刈り取った穀稈などが堆積することを抑制できる。
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係るコンバインを図面に基いて説明する。図4は、実施形態2に係るコンバインの刈取装置の主切断装置と副切断装置などを示す平面図である。なお、図4において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態2に係るコンバインを図面に基いて説明する。図4は、実施形態2に係るコンバインの刈取装置の主切断装置と副切断装置などを示す平面図である。なお、図4において、実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2では、コンバイン1は、図4に示すように、動力伝達機構11の伝達機構113が、搬送装置56の外側に露出する左側の外側面56aよりも車幅方向の外側に配置され、入力プーリ112が、車幅方向において、搬送装置56と走行ミッション3aとの間に配置されている。伝達機構113の入力軸113aは、搬送装置56の下側を通されて、先端に入力プーリ112が取り付けられている。
実施形態2に係るコンバイン1によれば、伝達機構113を搬送装置56の外側面56aよりも外側に設けているので、メンテナンスの際などに伝達機構113に容易にアクセスすることができる。したがって、伝達機構113を機体フレーム2から容易に取り外すことができるとともに、伝達機構113を容易にメンテナンスすることができる。
[実施形態3]
本発明の実施形態3に係るコンバインを図面に基いて説明する。図5は、実施形態3に係るコンバインの副切断装置などを示す平面図である。なお、図5において、実施形態1及び実施形態2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態3に係るコンバインを図面に基いて説明する。図5は、実施形態3に係るコンバインの副切断装置などを示す平面図である。なお、図5において、実施形態1及び実施形態2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態3では、コンバイン1は、図5に示すように、搬送装置56の右側の側面56bと、停止した状態の副切断装置9の車幅方向の中央Cとを前後方向に並べている。そして、搬送装置56の右側の側面56bと、副切断装置9の車幅方向の一端部との間の距離K1と、搬送装置56の右側の側面56bと、副切断装置9の車幅方向の他端部との間の距離K2とを略等しくしている。また、実施形態3においても、副切断装置9の車幅方向の幅Haは、主切断装置53の車幅方向の幅Hbよりも小さくされて、車幅方向において、副切断装置9は、主切断装置53よりも内側に設けられている。
実施形態3に係るコンバイン1によれば、搬送装置56の右側の側面56bと副切断装置9の中央Cとを前後方向に並べているので、副切断装置9の中央Cとコンバイン1自体の重心との車幅方向の距離を抑制することができる。したがって、副切断装置9の機体フレーム2に対するバランスを良好に保つことができる。
[実施形態4]
本発明の実施形態4に係るコンバインを図面に基いて説明する。図6は、実施形態4に係るコンバインの副切断装置などを示す平面図である。なお、図6において、実施形態1〜実施形態3と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態4に係るコンバインを図面に基いて説明する。図6は、実施形態4に係るコンバインの副切断装置などを示す平面図である。なお、図6において、実施形態1〜実施形態3と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態4では、コンバイン1は、図6に示すように、動力伝達機構11の伝達機構113が、搬送装置56の外側に露出する左側の外側面56aよりも車幅方向の外側に設けられ、入力プーリ112が、車幅方向において、搬送装置56と走行ミッション3aとの間に設けられている。伝達機構113の入力軸113aは、搬送装置56の下側を通されて、先端に入力プーリ112が取り付けられている。
また、実施形態4では、コンバイン1は、副切断装置9の車幅方向の中央Cを搬送装置56の右側の側面56bよりも車幅方向において動力伝達機構11の伝達機構113から離れた位置に設けている。さらに、実施形態4においても、副切断装置9の車幅方向の幅Haは、主切断装置53の車幅方向の幅Hbよりも小さくされて、車幅方向において、副切断装置9は、主切断装置53よりも内側に設けられている。なお、実施形態4では、副切断装置9の左側の端と主切断装置53の左側の端とは、前後方向に並べられている。
実施形態4に係るコンバイン1によれば、搬送装置56の右側の側面56bよりも副切断装置9の中央Cを伝達機構113から離れた位置に設けているので、副切断装置9によりコンバイン1自体の重心が機体フレーム2の車幅方向の中央に近づく。したがって、刈取装置5の主切断装置53により穀稈の比較的高い箇所を切断する場合でも、主切断装置53の水平方向に対する傾きを抑制でき、穀稈を同じ高さで主切断装置53により切断することができる。
[変形例1]
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例1に係るコンバインを図面に基いて説明する。図7は、実施形態1〜実施形態4の変形例1に係るコンバインの概略構成を示す側面図、図8は、実施形態1〜実施形態4の変形例1に係るコンバインの走行速度と各切断装置の駆動速度との関係を示す図である。なお、図7において、実施形態1〜実施形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例1に係るコンバインを図面に基いて説明する。図7は、実施形態1〜実施形態4の変形例1に係るコンバインの概略構成を示す側面図、図8は、実施形態1〜実施形態4の変形例1に係るコンバインの走行速度と各切断装置の駆動速度との関係を示す図である。なお、図7において、実施形態1〜実施形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
変形例1に係るコンバイン1では、図7に示すように、脱穀プーリ10aと搬送装置56の搬送機構58の駆動プーリ58aとに亘って無端ベルト119が掛け渡されて、刈取装置5即ち主切断装置53には、脱穀装置10を介してエンジン3からの駆動力が伝達される。変形例1に係るコンバイン1では、脱穀装置10を介してエンジン3からの駆動力が伝達されるために、主切断装置53は、図8に示すように、機体の走行速度に拘らずに一定の速度で駆動される。なお、図8中の横軸は、走行速度を示し、図8中の縦軸は、切断装置53,9の駆動速度を示している。図8の実線は、主切断装置53の駆動速度を示し、一点鎖線は、副切断装置9の駆動速度を示している。
また、変形例1に係るコンバイン1では、機体の走行速度がゼロである走行停止状態における副切断装置9の駆動速度がゼロ即ち主切断装置53の駆動速度よりも低速に設定されており、走行速度が増加するにしたがって、副切断装置9の駆動速度が増加する。さらに、変形例1に係るコンバイン1では、機体の走行速度が最高速度となった状態における副切断装置9の駆動速度が、主切断装置53の駆動速度よりも高速に設定されている。このように、変形例1に係るコンバイン1では、動力伝達機構11は、エンジン3からの駆動力を副切断装置9に伝達する。
変形例1に係るコンバイン1によれば、低速走行時には、副切断装置9の駆動速度が主切断装置53の駆動速度よりも下回るので、副切断装置9の発生する振動を抑制でき、乗り心地を向上できる。
また、高速走行時には、副切断装置9の駆動速度が主切断装置53の駆動速度よりも上回るので、主切断装置53即ち刈取装置5の駆動速度では、刈り取れない速度まで走行速度が増加した際に、主切断装置53即ち刈取装置5で刈り残した穀稈を副切断装置9で切断して刈り取ることができる。
[変形例2]
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例2に係るコンバインを図面に基いて説明する。図9は、実施形態1〜実施形態4の変形例2に係るコンバインの走行速度と各切断装置の駆動速度との関係を示す図である。なお、図9において、変形例1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例2に係るコンバインを図面に基いて説明する。図9は、実施形態1〜実施形態4の変形例2に係るコンバインの走行速度と各切断装置の駆動速度との関係を示す図である。なお、図9において、変形例1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
変形例2に係るコンバイン1では、変形例1と同様に、刈取装置5即ち主切断装置53には、脱穀装置10を介してエンジン3からの駆動力が伝達され、主切断装置53は、図9に示すように、機体の走行速度に拘らずに一定の速度で駆動される。なお、図9中の横軸は、走行速度を示し、図9中の縦軸は、切断装置53,9の駆動速度を示している。図9の実線は、主切断装置53の駆動速度を示し、一点鎖線は、副切断装置9の駆動速度を示している。
また、変形例2に係るコンバイン1では、走行速度がゼロであると、副切断装置9の駆動速度がゼロとなり、走行速度が増加するのにしたがって、副切断装置9の駆動速度が増加する。さらに、変形例2に係るコンバイン1では、機体の走行速度が最高速度となった状態における副切断装置9の駆動速度が、主切断装置53の駆動速度よりも低速に設定されている。このように、変形例2に係るコンバイン1では、動力伝達機構11は、エンジン3からの駆動力を副切断装置9に伝達する。
変形例2に係るコンバイン1によれば、副切断装置9の駆動速度が主切断装置53の駆動速度よりも下回るので、副切断装置9の発生する振動を抑制でき、乗り心地を向上できる。
[変形例3]
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例3に係るコンバインを図面に基いて説明する。図10は、実施形態1〜実施形態4の変形例3に係るコンバインの走行速度と各切断装置の駆動速度との関係を示す図である。なお、図10において、変形例1及び変形例2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例3に係るコンバインを図面に基いて説明する。図10は、実施形態1〜実施形態4の変形例3に係るコンバインの走行速度と各切断装置の駆動速度との関係を示す図である。なお、図10において、変形例1及び変形例2と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
変形例2に係るコンバイン1では、変形例1及び変形例2と同様に、刈取装置5即ち主切断装置53には、脱穀装置10を介してエンジン3からの駆動力が伝達され、図10に示すように、走行速度が変化しても、主切断装置53の駆動速度が一定である。なお、図10中の横軸は、走行速度を示し、図10中の縦軸は、切断装置53,9の駆動速度を示している。図10の実線は、主切断装置53の駆動速度を示し、一点鎖線は、副切断装置9の駆動速度を示している。
また、変形例3に係るコンバイン1では、走行速度がゼロであっても、副切断装置9の駆動速度が主切断装置53の駆動速度を上回り、走行速度が増加するのにしたがって、副切断装置9の駆動速度が増加する。このように、変形例3に係るコンバイン1では、動力伝達機構11は、エンジン3からの駆動力を副切断装置9に伝達する。
変形例3に係るコンバイン1によれば、副切断装置9の駆動速度が主切断装置53の駆動速度よりも上回るので、主切断装置53即ち刈取装置5の駆動速度では、刈り取れない速度まで走行速度が増加した際に、主切断装置53即ち刈取装置5で刈り残した穀稈を副切断装置9で確実に切断して刈り取ることができる。
[変形例4]
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例4に係るコンバインを図面に基いて説明する。図11は、実施形態1〜実施形態4の変形例4に係る副切断装置の端部を示す平面図、図12は、実施形態1〜実施形態4の変形例4に係る副切断装置の端部を示す側面図である。なお、図11及び図12において、実施形態1〜実施形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例4に係るコンバインを図面に基いて説明する。図11は、実施形態1〜実施形態4の変形例4に係る副切断装置の端部を示す平面図、図12は、実施形態1〜実施形態4の変形例4に係る副切断装置の端部を示す側面図である。なお、図11及び図12において、実施形態1〜実施形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
変形例4に係るコンバイン1では、図11及び図12に示すように、副切断装置9の支持台92の端部(変形例4では、左側の端部)に、副切断装置9のガイド95を覆う分草体カバー120を取り付けている。分草体カバー120は、圃場に植生する穀稈や株元を分草するものである。分草体カバー120は、下側が開口した樋状に形成され、平面視において後側に向うにしたがって徐々に幅が拡大する三角形に形成されているとともに、側面視において上側に向うにしたがって徐々に幅が縮小する三角形に形成されている。また、変形例4に係るコンバイン1は、動力伝達機構11の伝達機構113が、搬送装置56の外側に露出する左側の外側面56aよりも車幅方向の外側に設けられている。
変形例4に係るコンバイン1によれば、副切断装置9の支持台92の端部に分草体カバー120を設けたので、主切断装置53の切断前すなわち刈取前の穀稈を分草体カバー120により副切断装置9から遠ざけることができ、刈取前の穀稈が副切断装置9により切断されてしまうことを抑制できる。
[変形例5]
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例5に係るコンバインを図面に基いて説明する。図13は、実施形態1〜実施形態4の変形例5に係る機体フレームの前端部の搬送装置から離れた側の端部などを示す平面図、図14は、実施形態1〜実施形態4の変形例5に係る機体フレームの前端部の搬送装置から離れた側の端部などを示す側面図である。なお、図13及び図14において、実施形態1〜実施形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態1〜実施形態4の変形例5に係るコンバインを図面に基いて説明する。図13は、実施形態1〜実施形態4の変形例5に係る機体フレームの前端部の搬送装置から離れた側の端部などを示す平面図、図14は、実施形態1〜実施形態4の変形例5に係る機体フレームの前端部の搬送装置から離れた側の端部などを示す側面図である。なお、図13及び図14において、実施形態1〜実施形態4と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
変形例5に係るコンバイン1では、図13及び図14に示すように、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bに、ガイド部材121が取り付けられている。ガイド部材121は、平板状に形成され、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bと副切断装置9の支持台92の搬送装置56から離れた側の端部2bとを連結している。ガイド部材121は、一端部が機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bに取り付けられ、他端部が副切断装置9の支持台92の搬送装置56から離れた側の端部2bに取り付けられている。ガイド部材121は、平面視において、図13に示すように、後側に向うにしたがって徐々に車幅方向の外側に向って前後方向に対して傾斜している。ガイド部材121は、刈取前の穀稈や株元に接触する。
変形例5に係るコンバイン1によれば、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bにガイド部材121を設けている。コンバイン1の重心が機体フレーム2の車幅方向の中央よりも搬送装置56寄りに位置付けられて、機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bが車幅方向の外側に突出している。このために、車幅方向の外側に突出する機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bにガイド部材121を設けているので、この機体フレーム2の前端部2aの搬送装置56から離れた側の端部2bが刈取前の穀稈などを押しつぶすことを抑制できる。
なお、上述した本発明の実施形態に係るコンバインは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
1 コンバイン
2 機体フレーム
2a 前端部
2b 端部
2c カバー
3 エンジン(動力源)
3a 走行ミッション
3h HST(静油圧式無段変速機)
4 走行装置
5 刈取装置
9 副切断装置
10 脱穀装置
11 動力伝達機構
53 主切断装置
56 搬送装置
56a 外側面
56b 右側の側面
59 刈取動力伝達機構
59a 刈取入力プーリ
112 入力プーリ
113 伝達機構
114 クラッチ
118 ワンウェイクラッチ
120 分草体カバー
121 ガイド部材
Ha 副切断装置の幅
Hb 主切断装置の幅
C 副切断装置の中央
2 機体フレーム
2a 前端部
2b 端部
2c カバー
3 エンジン(動力源)
3a 走行ミッション
3h HST(静油圧式無段変速機)
4 走行装置
5 刈取装置
9 副切断装置
10 脱穀装置
11 動力伝達機構
53 主切断装置
56 搬送装置
56a 外側面
56b 右側の側面
59 刈取動力伝達機構
59a 刈取入力プーリ
112 入力プーリ
113 伝達機構
114 クラッチ
118 ワンウェイクラッチ
120 分草体カバー
121 ガイド部材
Ha 副切断装置の幅
Hb 主切断装置の幅
C 副切断装置の中央
Claims (10)
- 機体フレームの前方に設けられた穀稈刈取用の主切断装置と、前記主切断装置で刈り取った穀稈を脱穀装置に搬送する搬送装置とを有する刈取装置を備え、
前記主切断装置による刈り取り後の残稈を株元から切断する副切断装置を、前記主切断装置よりも低い位置に備え、
エンジンからの駆動力を前記副切断装置に伝達する動力伝達機構を備えたコンバインであって、
前記動力伝達機構には、エンジンからの駆動力を無段階に変速して前記副切断装置に伝達する機構を備えたことを特徴とする
コンバイン。 - 前記動力伝達機構は、エンジンの駆動力を無段階に変速して走行ミッションへ伝達する静油圧式無段変速機と、この静油圧式無段変速機の出力が走行ミッションを介して入力される入力プーリと、
前記入力プーリに入力された駆動力を前記副切断装置に伝達する伝達機構とを備え、
前記入力プーリは、車幅方向において、前記搬送装置と前記走行ミッションとの間に配置されている
請求項1に記載のコンバイン。 - 前記伝達機構は、前記搬送装置の外側面よりも車幅方向の外側に配置されている
請求項2に記載のコンバイン。 - エンジンからの駆動力を、前記走行ミッションを介して前記刈取装置の刈取入力プーリに伝達する刈取動力伝達機構を備える
請求項3に記載のコンバイン。 - 前記刈取動力伝達機構には、前記刈取入力プーリと前記入力プーリとの双方への前記エンジンからの駆動力を伝達及び遮断するクラッチを備える
請求項4に記載のコンバイン。 - 前記走行ミッションと前記伝達機構との間に設けられ、かつ機体前進時の前記エンジンからの駆動力を前記伝達機構に伝達するとともに、機体後進時の前記エンジンからの駆動力から前記伝達機構への伝動を遮断するワンウェイクラッチを備える
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 前記主切断装置は、機体の走行速度に拘らずに一定の速度で駆動され、
機体の走行速度が最高速度となった状態における前記副切断装置の駆動速度が、前記主切断装置の駆動速度よりも低速に設定されている
請求項1、2、3のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 前記主切断装置は、機体の走行速度に拘らずに一定の速度で駆動され、
機体の走行速度がゼロである走行停止状態における前記副切断装置の駆動速度が前記主切断装置の駆動速度よりも低速に設定されており、走行速度が増加するにしたがって前記副切断装置の駆動速度が増加するとともに、機体の走行速度が最高速度となった状態における前記副切断装置の駆動速度が、前記主切断装置の駆動速度よりも高速に設定されている
請求項1、2、3のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 前記副切断装置の幅は、前記主切断装置の幅よりも小さく設定され、車幅方向において、前記副切断装置は、前記主切断装置よりも内側に設けられた
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のコンバイン。 - 走行ミッションにより駆動される走行装置を備え、
車幅方向において、前記副切断装置の両端部は、前記走行装置よりも車幅方向の外側に設けられた
請求項9に記載のコンバイン。
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2012
- 2012-12-27 JP JP2012286067A patent/JP2014124182A/ja active Pending
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