JP2014123659A - 電子機器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器の放熱効率向上、製造効率向上及び製造コスト削減を図る。
【解決手段】ヒートシンク2と、ヒートシンク2の配置面11a上に配される基板3と、基板3を囲むように配置面11a上に配される筒状の枠体4と、枠体4の内側に充填されて基板3を封止する封止樹脂5と、枠体4の軸方向の第一端部4Aを配置面11aに向けて押し付けて固定する固定手段と、を備え、配置面11aと基板3及び前記枠体4の第一端部4Aとの間に弾性変形可能な放熱シート8が介在している構成の電子機器1を提供する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電子機器及びその製造方法に関する。
従来、電子機器において通電により発熱する電子部品やこれを搭載する基板の放熱を行う構造として、例えば特許文献1のように、基板をヒートシンクに固定したものがある。また、従来の電子機器には、例えば特許文献2のように、電子部品(パワー部品)が内部に配置された枠体(パワー用コネクタ一体ケース)を接着剤でヒートシンクに固定したものもある。
これらの構成では、電子部品や基板の熱をヒートシンクに逃がすことができる。
特開2001−177017号公報 特開2002−93959号公報
しかしながら、上記従来の構成では、基板や電子部品の熱をヒートシンクに逃がすだけでは、基板の放熱が不十分となる虞がある。
また、この種の電子機器には、基板や電子部品の放熱効率向上だけではなく、製造効率の向上や製造コストの削減も求められている。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、放熱効率向上、製造効率向上及び製造コスト削減を図ることが可能な電子機器及びその製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の電子機器は、ヒートシンクと、該ヒートシンクの配置面上に配される基板と、基板を囲むように前記配置面上に配される筒状の枠体と、枠体の内側に充填されて前記基板を封止する封止樹脂と、前記枠体の軸方向の第一端部を前記配置面に向けて押し付けて固定する固定手段と、を備え、前記配置面と前記基板及び前記枠体の第一端部との間に弾性変形可能な放熱シートが介在していることを特徴とする。
上記電子機器によれば、寸法公差等によってヒートシンクの配置面と基板との間に隙間が生じても、この隙間を放熱シートによって埋めることができる。このため、基板やこれに搭載された電子部品が通電により発熱しても、この熱を効率よくヒートシンクに逃がすことができる。また、基板や電子部品の熱を封止樹脂側に拡散することもできる。したがって、基板や電子部品の放熱効率向上を図ることができる。
また、上記電子機器によれば、固定手段によって枠体をヒートシンクの配置面に向けて押さえつけることにより、枠体の軸方向の第一端部が放熱シートに食い込んで放熱シートが弾性的に圧縮されるため、ヒートシンクと枠体との隙間を確実に埋めることができる。すなわち、筒状に形成された枠体の一方の開口部をヒートシンクによって隙間なく閉塞することができる。したがって、枠体をヒートシンクに固定した後に枠体の他方の開口部から封止樹脂を流し込む際に、封止樹脂がヒートシンクの配置面と枠体との間から外部に漏れ出すことを防止できる。
以上のように、上記電子機器では、同一の放熱シートにより、基板や電子部品の熱を効率よくヒートシンクに逃がすことができると同時に、枠体の内側に流し込まれる封止樹脂が漏れることも防止できる。すなわち、放熱シートが上述した二つの役割を果たすため、電子機器の構成部品点数を減らして、製造効率向上及び製造コスト削減を図ることができる。
そして、前記電子機器においては、前記ヒートシンクの配置面に、前記枠体の第一端部に嵌め合わせる平面視環状の凹凸部が形成されているとよい。
上記電子機器では、ヒートシンクの凹凸部と枠体の第一端部とを嵌め合わせることで、ヒートシンクと枠体の第一端部との間に介在する放熱シートの周縁部分を凹凸部と枠体の第一端部との間に挟み込むことができる。したがって、枠体をヒートシンクに取り付けた後に封止樹脂を枠体の内側に流し込む際に、ヒートシンクと枠体との間から封止樹脂が漏れることをより確実に防ぐことができる。
また、前記電子機器は、前記基板を前記配置面に向けて押し付ける押付手段を備え、前記放熱シートには、その一部領域が前記配置面と前記基板あるいは前記枠体の第一端部との間に挟み込まれて押圧されることで、前記一部領域を囲む放熱シートの周囲領域に押し広げられて、前記周囲領域において前記放熱シートの厚さ方向に膨らんで前記基板あるいは前記第一端部を囲む膨出部が形成されるとよい。
上記電子機器では、基板及び枠体の第一端部を順番にヒートシンクの配置面に押し付けることで、ヒートシンクと枠体との間から樹脂が漏れることをより確実に防ぐことが可能である。
例えば、はじめに基板を押付手段によって配置面に向けて押し付けると、基板周囲に膨出部が形成される。その後、固定手段によって枠体をヒートシンクに取り付ける際には、枠体の第一端部が膨出部に押し付けられるため、枠体の第一端部を放熱シートに大きく食い込ませることができる。したがって、ヒートシンクと枠体との隙間をより確実に埋めることができ、その結果、枠体の内側に封止樹脂を流し込む際に、封止樹脂がヒートシンクの配置面と枠体との間から外部に漏れ出すことをより確実に防止できる。
また、例えば、はじめに固定手段によって枠体をヒートシンクに取り付けて枠体の第一端部を配置面に向けて押し付けると、枠体の第一端部の周囲に膨出部が形成される。その後、押付手段によって基板を配置面に向けて押し付けると、放熱シートの膨出部が放熱シートの厚さ方向に圧縮されて基板の周囲に押し広げられ、膨出部が枠体の第一端部の内周面に押し付けられる。すなわち、枠体の第一端部に対して放熱シートが密着する面積を拡大できる。これにより、ヒートシンクと枠体との隙間をより確実に埋めて、枠体の内側に封止樹脂を流し込む際に、封止樹脂がヒートシンクと枠体との間から外部に漏れ出すことをより確実に防止できる。
さらに、前記電子機器においては、前記押付手段が、前記枠体の内周面に一体に形成された押付部であると好ましい。
上記電子機器によれば、枠体をヒートシンクに取り付けるだけで、基板が押付部によってヒートシンクの配置面に押し付けられて、基板をヒートシンクに取り付けることが可能となる。したがって、電子機器の製造効率向上をさらに図ることができる。また、従来のように基板をヒートシンクに取り付ける別個の部材(例えばネジ等)が不要となるため、電子機器の構成部品点数を減らして、製造コスト削減をさらに図ることもできる。
また、前記電子機器においては、前記固定手段が、前記ヒートシンク及び前記枠体の一方に形成される係合部と、前記ヒートシンク及び前記枠体の他方に形成されて前記係合部に係合する被係合部とを備え、前記係合部と前記被係合部とが係合した状態において、前記枠体の軸方向の第一端部が前記配置面に向けて押し付けられるとよい。
上記電子機器によれば、係合部を被係合部に係合させる操作だけで、枠体をヒートシンクに取り付けることができるため、電子機器の製造効率向上をさらに図ることができる。また、係合部や被係合部がヒートシンクや枠体に形成されているため、電子機器の構成部品点数を減らして、製造コスト削減をさらに図ることができる。
そして、本発明の電子機器の製造方法は、前記電子機器を製造する方法であって、前記ヒートシンクの配置面に前記放熱シートを配置する第一工程と、前記基板及び前記枠体の第一端部を前記放熱シートに押し付け、前記枠体の一方の開口部を前記ヒートシンクによって閉塞する第二工程と、前記枠体の他方の開口部から前記枠体内に溶融した前記封止樹脂を流し込む第三工程とを順番に実施することを特徴とする。
また、前記製造方法では、前記第二工程において、前記基板及び前記枠体の第一端部の一方を前記放熱シートの一部領域に押し付けることで、前記一部領域の部分が前記一部領域を囲む放熱シートの周囲領域に押し広げられて、前記周囲領域において前記放熱シートの厚さ方向に膨らんで前記基板あるいは前記第一端部の一方を囲む膨出部が形成され、
前記基板及び前記枠体の第一端部の他方を前記膨出部に押し付けるとよい。
さらに、前記製造方法では、前記第二工程において、前記基板を前記放熱シートに押し付けた後に、前記枠体の第一端部を前記膨出部に押し付けてもよい。
また、前記製造方法では、前記第二工程において、前記枠体の第一端部を前記放熱シートに押し付けた後に、前記基板を前記膨出部に押し付けることで、前記膨出部が前記基板の周囲に押し広げられて前記枠体の内周面に押し付けられてもよい。
本発明によれば、電子機器の放熱効率向上を図ることができると共に、電子機器の構成部品点数を減らして、製造効率向上及び製造コスト削減を図ることができる。
本発明の第一実施形態に係る電子機器を示す側断面図である。 図1の電子機器の分解斜視図である。 図1,2に示す電子機器において、ヒートシンクの凹所及び枠体の爪部を示す拡大断面図である。 図1,2の電子機器において、枠体の押付部を示す拡大断面図である。 図1,2の電子機器において、ヒートシンクの挿入穴及び枠体の突起を示す拡大断面図である。 図1,2に示す電子機器の製造方法において、第二工程における一部手順を示す拡大断面図である。 図1の電子機器を実装基板に実装した状態を示す側断面図である。 本発明の第二実施形態に係る電子機器の要部を示す拡大断面図である。 図8に示す電子機器の製造方法において、第二工程における一部手順を示す拡大断面図である。 本発明の第三実施形態に係る電子機器において、第一例の凹凸部を示す要部拡大断面図である。 本発明の第三実施形態に係る電子機器において、第二例の凹凸部を示す要部拡大断面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図1〜6を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る電子機器1は、ヒートシンク2と、放熱シート8と、基板3と、枠体4と、封止樹脂5とを備えている。
ヒートシンク2は、例えばアルミニウム等のように熱伝導率の高い材料からなり、図1,2に示すように、板状に形成された本体部11と、本体部11から突出する複数のフィン12とを備えている。本体部11の上面は、後述する基板3や枠体4を配置する平坦な配置面11aとなっている。
本体部11には、その配置面11aに隣り合って本体部11の厚さ方向に延在する側面11c,11dから窪む凹所13が形成されている。凹所13は、配置面11aに沿う方向から挟み込むような位置に形成されている。また、配置面11aの周縁領域には、配置面11aから窪む挿入穴14が複数形成されている。各フィン12は、本体部11の下面から本体部11の厚さ方向に突出して形成されている。
本実施形態のヒートシンク2では、本体部11の配置面11aが平面視矩形状に形成されている。そして、凹所13は、本体部11のうち配置面11aの各長辺に隣り合う二つの側面11c(第一側面11c)、及び、配置面11aの各短辺に隣り合う二つの側面11d(第二側面11d)に形成されている。第一側面11cに形成される凹所13(第一凹所13A)は、配置面11aの長辺に沿って延びており、各第一凹所13の長手方向の両端は二つの第二側面11dに開口している。
一方、第二側面11dに形成される凹所13(第二凹所13B)は、本体部11の下面及び複数のフィン12によって画成されている。詳細に説明すれば、本実施形態のヒートシンク2では、本体部11の下面から突出する各フィン12が板状に形成され、配置面11aの長辺に沿う方向に延在している。また、配置面11aの長辺に沿う各フィン12の長手方向の両端は、本体部11の第二側面11dと共に同一平面をなしている。そして、複数のフィン12は、配置面11aの短辺に沿う方向に互いに間隔をあけて平行して配列されている。これにより、第二側面11dに開口する第二凹所13Bは、本体部11の下面と配置面11aの短辺方向に隣り合う二つのフィン12とによって画成され、配置面11aの短辺に沿う方向に複数配列されている。
また、本実施形態のヒートシンク2における挿入穴14は、配置面11aの周縁領域のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。
放熱シート8は、高い熱伝導率を有し弾性変形可能な材料からなり、ヒートシンク2の配置面11aと後述する基板3及び枠体4との間に介在するように、配置面11aに重ねて配されている。放熱シート8には、その厚さ方向に貫通してヒートシンク2に形成された複数の挿入穴14に個別に連通する複数の連通孔16が形成されている。
本実施形態の放熱シート8は、配置面11aの形状に倣って平面視矩形状に形成されている。また、連通孔16は、ヒートシンク2の挿入穴14と同様に、放熱シート8のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。なお、図示例では、放熱シート8が配置面11a全体を覆っているが、これに限ることはない。
また、本実施形態の放熱シート8は、ヒートシンク2の配置面11a上に配された状態で放熱シート8の一部領域が押圧された際に、一部領域からこれを囲む放熱シート8の周囲領域に押し広げられ、この周囲領域において放熱シート8がその厚さ方向に膨らむ、という性質を有する。すなわち、本実施形態の放熱シート8では、その一部領域が押圧された状態で周囲領域における厚みが一部領域における厚みよりも厚くなる。
基板3の一方の主面3a(第一主面3a)には、複数の電子部品6及び端子ピン7が設けられている。電子部品6及び端子ピン7は、基板3に形成された配線パターン(不図示)に適宜電気接続され、電子機器1の回路を構成している。そして、複数の端子ピン7は、電子機器1の回路を外部に電気接続する役割を果たす。各端子ピン7は棒状に形成され、その長手方向の基端部がはんだ付けによって基板3の第一主面3aに接合されている。これにより、各端子ピン7は、基板3の第一主面3a上に立設されている。
この基板3は、その他方の主面3b(第二主面3b)がヒートシンク2の配置面11aに配された放熱シート8上に重ねて配されている。
本実施形態では、基板3がヒートシンク2の配置面11a及び放熱シート8よりも一回り小さい平面視矩形状に形成されている。これにより、基板3を放熱シート8上に配した状態では、配置面11aの周縁領域に配された放熱シート8の周縁部分が基板3に覆われずに露出する。
枠体4は、例えば樹脂を筒状に成形したものであり、基板3を囲むようにヒートシンク2の放熱シート8の周縁部分に重ねて配されている。本実施形態の枠体4は、ヒートシンク2の配置面11a及び放熱シート8の形状に倣って平面視矩形のリング状に形成されている。また、本実施形態の枠体4は、基板3との間に間隔をあけて配されている。
枠体4の外周面4cには、図1〜3に示すように、複数の爪部21が一体に形成されている。各爪部21は、枠体4の軸方向に延びて弾性的に撓み変形可能な延出部22と、延出部22の先端に形成された鉤部23とを備えている。
延出部22は、ヒートシンク2の配置面11aに対向する枠体4の軸方向の第一端部4Aから枠体4の軸方向に突出しており、ヒートシンク2の側面11c,11dに配されている。
鉤部23は、延出部22に対して枠体4の外周面4c側から内周面4d側に向かう方向(枠体4の径方向内側)に突出している。この鉤部23は、枠体4の軸方向に直交して延出部22の延出方向と逆に向く係合平坦面23aと、係合平坦面23aと延出部22との間に形成される係合傾斜面23bとを有している。係合傾斜面23bは、係合平坦面23a及び延在部の延在方向の両方に対して傾斜している。
以上のように各々構成される複数の爪部21は、ヒートシンク2を側部から挟み込むように、枠体4の周方向に互いに間隔をあけて配列されている。本実施形態では、枠体4の周方向に隣り合う二つの爪部21で一組の爪部ユニット20が構成されている。各爪部ユニット20では、二つの爪部21の延出部22の延出方向基端部が一体に形成されている。さらに、本実施形態では、爪部ユニット20が、平面視矩形環状に形成された枠体4の長辺部分に二つずつ、枠体4の短辺部分に一つずつ配されている。また、一対の爪部ユニット20が相互に対向するように配されている。
以上のように配列された複数の爪部21は、枠体4をヒートシンク2の配置面11a上に配した状態で、各鉤部23が前述したヒートシンク2の各凹所13に適宜挿入されて係合している。本実施形態では、枠体4の二つの長辺部分に配された爪部21(第一爪部21A)が、ヒートシンク2を配置面11aの短辺方向から挟み込み、ヒートシンク2の第一凹所13Aに係合する。また、枠体4の二つの短辺部分に配された爪部21(第二爪部21B)が、ヒートシンク2を配置面11aの長辺方向から挟み込み、ヒートシンク2の第二凹所13Bに係合する。
以上のように爪部21と凹所13とが係合した状態では、枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられている。本実施形態では、爪部21が凹所13に係合している状態で、延出部22の弾性力によって鉤部23が凹所13に入り込む方向に付勢されている。そして、鉤部23の係合傾斜面23bが、凹所13の開口部に位置する角部15に当接するため、枠体4の第一端部4Aをヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付ける力が生じる。また、この押し付け力によって、枠体4の第一端部4Aが放熱シート8に食い込んで放熱シート8が弾性的に圧縮される。なお、上記のように爪部21が凹所13に係合した状態では、凹所13の内側面と爪部21の係合平坦面23aとの間に隙間が生じることがある。
以上のように、本実施形態では、枠体4に形成された複数の爪部21が係合部となっており、ヒートシンク2に形成された凹所13が、係合部に係合する被係合部となっている。また、これら係合部及び被係合部によって、枠体の第一端部をヒートシンクの配置面に押し付けて固定する固定手段が構成されている。
また、枠体4の内周面4dには、図1,2,4に示すように、基板3及び枠体4を放熱シート8上に配した状態で基板3をヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付ける押付部(押付手段)31が一体に形成されている。
本実施形態の押付部31は、枠体4の内周面4dから内側に突出するベース部32と、ベース部32の突出方向先端部から枠体4の軸方向に沿って第一端部4A側に延在する弾性変形部33と、を備えている。なお、図示例では、ベース部32が枠体4の第二端部4B近傍に配されているが、これに限ることはなく、少なくとも枠体4の軸方向に沿って弾性変形部33の延在方向先端部よりも枠体4の第二端部4B側に配されていればよい。
本実施形態の弾性変形部33は、屈曲して形成され、これによって弾性変形可能となっている。具体的に説明すれば、弾性変形部33は、ベース部32側から第一棒状部34及び第二棒状部35を順番に配列して構成されている。第一棒状部34は、ベース部32に対して屈曲され、枠体4の軸方向に沿って第一端部4A側に向かうにしたがって枠体4の内側に延びるように傾斜している。第二棒状部35は、第一棒状部34に対して屈曲され、枠体4の軸方向に沿って第一端部4A側に向かうにしたがって枠体4の外側(内周面4dに近づく方向)に延びるように傾斜している。
この構成では、第二棒状部35の延出方向先端に枠体4の第一端部4A側から第二端部4B側に向かう力(図4において矢印Yで示す方向の力)が作用した際、ベース部32と第一棒状部34との屈曲角度が大きくなるように、かつ、第一棒状部34と第二棒状部35との屈曲角度が小さくなるように、弾性変形部33が弾性変形する。また、第二棒状部35の延出方向先端に枠体4の内周面4d側に向かう力(図4において矢印Xで示す方向の力)が作用した際には、ベース部32と第一棒状部34との屈曲角度、及び、第一棒状部34と第二棒状部35との屈曲角度が小さくなるように、弾性変形部33が弾性変形する。
このように押付部31が構成されるため、枠体4を放熱シート8上に配した状態では、弾性変形部33の延在方向先端部が基板3の第一主面3aに押し付けられて、弾性変形部33が弾性変形する。そして、弾性変形部33に生じる弾性力によって基板3がヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付けられる。また、この押し付けにより、基板3が放熱シート8に食い込んで放熱シート8が弾性的に圧縮される。
そして、弾性変形部33の延在方向先端部をなす第二棒状部35の先端部には、基板3の第一主面3aに面接触する押付面35aが形成されている。さらに、押付面35aのうち枠体4の内周面4d側に位置する端部領域には、基板3の側面3cに対向配置される位置調整突起36が突出して形成されている。位置調整突起36のうち基板3の側面3cに対向する面(位置調整傾斜面36a)は、位置調整突起36の突出方向の先端に向かうにしたがって枠体4の内周面4dに近づくように傾斜している。
以上のように構成される押付部31は、基板3をヒートシンク2の配置面11aに沿う方向から挟み込むように、枠体4の周方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。本実施形態では、押付部31が、枠体4の二つの長辺部分にそれぞれ同じ数(図示例では三つ)だけ配されている。また、一対の押付部31が相互に対向するように配されている。なお、図示例では、押付部31が枠体4の二つの短辺部分に形成されていないが、例えば形成されてもよい。
さらに、図2,5に示すように、ヒートシンク2の配置面11aの周縁領域に対向する枠体4の第一端部4Aには、ヒートシンク2の配置面11aに向けて突出する複数の突起41が形成されている。複数の突起41は、枠体4を配置面11a上に配した状態でヒートシンク2の複数の挿入穴14に個別に挿入されるものである。本実施形態の突起41は、挿入穴14の形成位置に対応するように、平面視矩形環状に形成された枠体4のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。また、本実施形態の突起41は、放熱シート8の連通孔16に挿通された上で挿入穴14に挿入されている。
以上のように構成される枠体4、及び、前述した基板3をヒートシンク2に配置面11a上に配置した状態では、図1に示すように、端子ピン7の先端部が枠体4の第二端部4Bよりも上方に突出している。
封止樹脂5は、枠体4の内側に充填され、基板3を封止している。本実施形態では、基板3、電子部品6及び枠体4の押付部31が封止樹脂5によって埋設されている。また、端子ピン7のうち枠体4の内側に位置する端子ピン7の基端部が封止樹脂5によって埋設され、端子ピン7の先端部が封止樹脂5の外部に突出している。
次に、上記構成の電子機器1を製造する方法について説明する。
本実施形態の電子機器1を製造する際には、はじめに、放熱シート8をヒートシンク2の配置面11aに配置する第一工程を実施し、次いで、基板3及び枠体4の第一端部4Aを放熱シート8に押し付ける第二工程を実施すればよい。
本実施形態の第二工程では、はじめに、基板3をヒートシンク2の配置面11aに配置し、次いで、枠体4をヒートシンク2に取り付ければよい。枠体4を取り付ける際には、枠体4の複数の爪部21をヒートシンク2の凹所13に係合させればよい。この係合の際には、爪部21の延出部22が弾性的に撓むことで、ヒートシンク2が複数の爪部21の間に挟み込まれ、各爪部21の鉤部23が凹所13に入り込むことで爪部21を凹所13に係合させることができる。これにより、枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられ、枠体4がヒートシンク2に固定される。言い換えれば、枠体4の第一端部4A側の開口部(一方の開口部)がヒートシンク2によって閉塞される。
さらに、枠体4の取付の際には、枠体4の爪部21が凹所13に係合する前に、基板3が枠体4の押付部31によって配置面11aに向けて押し付けられる。すなわち、本実施形態では、図6に示すように、基板3が配置面11aに向けて押し付けられた後に、枠体4の第一端部4Aが配置面11aに向けて押し付けられる。
このように基板3が枠体4よりも先に配置面11aに向けて押し付けられる場合には、図6(a)に示すように、放熱シート8のうち基板3を配する領域(一部領域)の部分が、配置面11aと基板3との間に挟み込まれて押圧されることで、一部領域を囲む放熱シート8の周囲領域に押し広げられる。これにより、放熱シート8の周囲領域には、放熱シート8の厚さ方向に膨らんで基板3を囲む膨出部8Aが形成される。なお、図6(a)における二点鎖線は、基板3を放熱シート8に押し付ける前の状態における放熱シート8の上面の位置を示している。
その後、図6(b)に示すように、枠体4の第一端部4Aが配置面11aに向けて押し付けられると、枠体4の第一端部4Aが放熱シート8の膨出部8Aに押し付けられる。このため、膨出部8Aが形成されない場合と比較して、枠体4の第一端部4Aを放熱シート8に大きく食い込ませることができる。なお、図6(b)における二点鎖線は、図6(a)における膨出部8Aの高さ位置を示している。
また、枠体4の取付前の状態において配置面11a上における基板3の位置がずれている場合には、基板3が押付部31によって押し付けられる際に、基板3の側部が押付部31の位置調整突起36(特に位置調整傾斜面36a)によって配置面11aに沿う方向に押されて、基板3の位置調整がなされる。すなわち、配置面11a上における基板3の位置ずれを防ぐことができる。
また、枠体4の取付の際には、枠体4の爪部21が凹所13に係合する前に、枠体4の複数の突起41がヒートシンク2の複数の挿入穴14に個別に挿入される。すなわち、突起41の長さは、上記のタイミングで挿入穴14に挿入されるように設定されている。このように複数の突起41が挿入穴14に挿入されることで、枠体4がヒートシンク2に対してその配置面11aに沿う方向にずれることを容易かつ確実に防止できる。すなわち、配置面11a上における枠体4の位置ずれを防止できる。
以上のようにして第二工程を実施した後には、枠体4の第二端部4B側の開口部(他方の開口部)から枠体4内に溶融した封止樹脂5を流し込む第三工程を実施し、封止樹脂5を硬化させることで電子機器1の製造が完了する。なお、枠体4の第一端部4A側の開口部はヒートシンク2及び放熱シート8によって隙間なく閉塞されているため、封止樹脂5を流し込む際に封止樹脂5がヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間から外部に漏れることはない。
以上説明したように、本実施形態の電子機器1及びその製造方法によれば、寸法公差等によってヒートシンク2の配置面11aと基板3との間に隙間が生じても、この隙間を放熱シート8によって埋めることができる。このため、基板3やこれに搭載される電子部品6が通電により発熱しても、この熱を効率よくヒートシンク2に逃がすことができる。また、基板3や電子部品6の熱を封止樹脂5側に拡散することもできる。したがって、基板3や電子部品6の放熱効率向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の電子機器1及びその製造方法によれば、枠体4の第一端部4Aをヒートシンク2の配置面11aに向けて押さえつけることにより、枠体4の第一端部4Aが放熱シート8に食い込んで放熱シート8が弾性的に圧縮されるため、ヒートシンク2と枠体4との隙間を確実に埋めることができる。すなわち、枠体4の第一端部4A側の開口部をヒートシンク2によって隙間なく閉塞することができる。したがって、枠体4をヒートシンク2に固定した後に枠体4内に封止樹脂5を流し込む際に、封止樹脂5がヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間から漏れ出すことを防止できる。
以上のように、本実施形態の電子機器1及びその製造方法では、同一の放熱シート8により、基板3や電子部品6の熱を効率よくヒートシンク2に逃がすことができると同時に、枠体4の内側に流し込まれる封止樹脂5が漏れることも防止できる。すなわち、放熱シート8が上述した二つの役割を果たすため、電子機器1の構成部品点数を減らして、製造効率向上及び製造コスト削減を図ることができる。
さらに、本実施形態では、図6に示すように、基板3を放熱シート8に押し付けて放熱シート8のうち基板3周囲に膨出部8Aを形成した後に、枠体4の第一端部4Aを膨出部8Aに押し付けるため、枠体4の第一端部4Aを放熱シート8に大きく食い込ませて、ヒートシンク2と枠体4との隙間をより確実に埋めることができる。その結果、第三工程において溶融した封止樹脂5がヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間から外部に漏れ出すことをより確実に防止できる。
また、本実施形態の電子機器1では、枠体4に押付部31が形成されているため、枠体4をヒートシンク2に取り付ける操作だけで、基板3を配置面11aに押し付けてヒートシンク2に取り付けることができる。したがって、電子機器1の製造効率向上をさらに図ることができる。また、枠体4に押付部31が形成されていることで、従来のように基板3をヒートシンク2に取り付ける別個の部材(例えばネジ)が不要となるため、電子機器1の構成部品点数を減らして、製造コスト削減をさらに図ることもできる。
さらに、本実施形態の電子機器1及びその製造方法によれば、複数の爪部21を凹所13に係合させる操作だけで、枠体4をヒートシンク2に取り付けることができるため、電子機器1の製造効率向上をさらに図ることができる。また、複数の爪部21や凹所13は枠体4やヒートシンク2に一体に形成されているため、電子機器1の構成部品点数を減らして、製造コスト削減をさらに図ることもできる。
さらに、本実施形態の電子機器1では、凹所13に挿入される爪部21の鉤部23に係合傾斜面23bが形成され、係合傾斜面23bを凹所13の角部15に当接させることで爪部21を凹所13に係合させるため、枠体4(第一端部4A)から鉤部23までの距離が高精度に設定されなくても、確実に爪部21を凹所13に係合させて、枠体4の第一端部4Aを確実に配置面11aに向けて押し付けることができる。
そして、本実施形態の電子機器1は、例えば図7に示すように、枠体4の第二端部4Bを実装基板9の実装面9aに当接させると共に、端子ピン7の先端部を実装基板9のスルーホール9bに挿通させた上で、実装基板9にはんだ付けすることで、実装基板9に実装することが可能である。このように電子機器1を実装基板9に実装することで、基板3やヒートシンク2の重量が枠体4によって支持されるため、基板3やヒートシンク2の重量によって端子ピン7にかかる負荷を軽減することが可能である。
なお、この効果は、基板3がアルミ基板である場合に特に有効である。すなわち、基板3がアルミ基板である場合、端子ピン7は基板3の第一主面3aに対してはんだ付けだけで接合されるため、基板3と端子ピン7との接合が弱く、基板3と端子ピン7との接合部分に応力が集中しやすい。そこで、前述のように電子機器1が実装されれば、基板3やヒートシンク2の重量によって上記接合部分にかかる応力を効果的に低減できる。
また、前述のように電子機器1が実装されれば、基板3に搭載された電子部品6を実装面9aから浮かす構造(スタンドオフ)が必要とされる場合、このスタンドオフを枠体4により構成することも可能である。
以上のことから、本実施形態の電子機器1によれば、その実装に際して基板3やヒートシンク2の重量を支持したり、スタンドオフを作り出したりするための別個の部材(例えば基板3から実装基板9に向けて延びる支柱)が不要となるため、効率よく電子機器1を実装基板9に搭載することが可能となる。
さらに、本実施形態の電子機器1では、枠体4をヒートシンク2に取り付ける際に、複数の突起が複数の挿入穴14に対して個別に挿入されるため、枠体4をヒートシンク2に取り付けた状態で、枠体4がヒートシンク2に対してその配置面11aに沿う方向にずれることを防止できる。
また、本実施形態の電子機器1では、押付部31が基板3を配置面11aに沿う方向から挟み込むように枠体4の内周面4dの周方向に複数配列されているため、枠体4をヒートシンク2に取り付けるだけで、配置面11a上における基板3の位置決めを容易に行うことができる。
そして、上記のように基板3及び枠体4がヒートシンク2に対して位置決めされることで、基板3に設けられた端子ピン7と枠体4との相対的な位置ずれも防ぐことができる。言い換えれば、枠体4と端子ピン7との相対位置を高精度に設定できる。
この場合、実装基板9における電子機器1の実装領域を最低限に抑えて、実装基板9に対して電子機器1を含む多数の実装部品を高密度に実装することが可能となる。すなわち、枠体4と端子ピン7との相対位置の誤差が大きい場合には、実装基板9における電子機器1の実装領域を枠体4の大きさよりも大きく設定する必要があるが、枠体4と端子ピン7との相対位置の誤差を小さく設定でできることで、電子機器1の実装領域を小さく設定することが可能となる。これにより、実装基板9上において電子機器1とこれに隣り合う他の実装部品との間隔を狭く設定することができる。
〔第二実施形態〕
次に、図8〜9を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態の電子機器1と比較して、枠体4に形成される押付部の構成のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の枠体4の内周面4dには、第一実施形態の場合と同様に、枠体4を放熱シート8上に配した状態で基板3をヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付ける押付部(押付手段)51が一体に形成されている。また、押付部51は、第一実施形態の押付部31と同様に、基板3をヒートシンク2の配置面11aに沿う方向から挟み込むように、枠体4の周方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。
そして、本実施形態の各押付部51は、枠体4の内周面4dから突出するベース部52と、ベース部52の突出方向先端部から枠体4の軸方向に延在する棒状部53と、を備えている。なお、図示例では、ベース部52が放熱シート8上に配された基板3の側面3cに対向するように位置し、棒状部53がベース部52に対して枠体4の第二端部4B側に延在しているが、例えばベース部52が基板3よりも上方に位置し、棒状部53が枠体4の第一端部4A側に延在していてもよい。
棒状部53の延出方向先端部には、位置調整傾斜面53aと案内傾斜面53bとが形成されている。位置調整傾斜面53aは、ヒートシンク2の配置面11a側に向く面であり、枠体4の内側に向かうにしたがって配置面11aから離れるように傾斜している。案内傾斜面53bは、位置調整傾斜面53aと反対側に向く面であり、枠体4の内側に向かうにしたがって配置面11aに近づくように傾斜している。
そして、相対する一対の棒状部53の間隔は、一対の棒状部53の配列方向(図7において左右方向)に沿う基板3の長さよりも短く設定されている。ただし、棒状部53の先端部に枠体4の内側から外側に向かう力が作用した際には、棒状部53がベース部52に対して弾性的に撓んだり、枠体4が外側に膨らむように弾性的に撓んだりすることで、一対の棒状部53の間隔を基板3の長さ以上とすることが可能である。
以上のように構成される複数の押付部51は、位置調整傾斜面53aが放熱シート8上に配された基板3の第一主面3aと側面3cとの角部に当接し、前述したように棒状部53や枠体4が弾性的に撓むことで、基板3を配置面11aに押し付け、さらに、基板3を枠体4の内側に付勢する。
以上のように構成される本実施形態の電子機器は、第一実施形態の場合と同様に、第一工程、第二工程及び第三工程を順番に実施することで製造できる。
そして、本実施形態の電子機器は、第二工程を第一実施形態と同様に実施することで製造することが可能である。すなわち、基板3をヒートシンク2の配置面11aに配置した後に、枠体4をヒートシンク2に取り付けることができる。また、図6に示したように、基板3を配置面11aに向けて押し付けた後に、枠体4の第一端部4Aを配置面11aに向けて押し付けることができる。なお、枠体4をヒートシンク2に取り付ける際には、複数の押付部51の位置調整傾斜面53aが基板3の第一主面3aと側面3cとの角部に当接することで、基板3が配置面11aに向けて押し付けられる。
また、配置面11a上における基板3の位置がずれている場合には、基板3の角部が位置調整傾斜面53aによって配置面11aに沿う方向に押されて、基板3の位置調整がなされる。これによって、配置面11a上における基板3の位置ずれを防ぐことができる。
さらに、本実施形態の電子機器は、第二工程において枠体4をヒートシンク2に取り付けた後に基板3をヒートシンク2の配置面11aに配することで、製造することも可能である。すなわち、枠体4の後に基板3をヒートシンク2に取り付ける場合には、基板3の第二主面3bと側面3cとの角部を各押付部51の案内傾斜面53bに押し付けることで、前述したように棒状部53や枠体4が弾性的に撓んで一対の棒状部53の間隔が広がる。これにより、基板3をヒートシンク2の配置面11aに配することができる。
このように枠体4の第一端部4Aが基板3よりも先に配置面11aに向けて押し付けられる場合には、図9(a)に示すように、放熱シート8のうち枠体4を配する領域(一部領域)の部分が、配置面11aと枠体4の第一端部4Aとの間に挟み込まれて押圧されることで、一部領域を囲む放熱シート8の周囲領域に押し広げられる。これにより、放熱シート8の周囲領域には、放熱シート8の厚さ方向に膨らんで枠体4の第一端部4Aを囲む膨出部8Bが形成される。
その後、図9(b)に示すように、基板3が配置面11aに向けて押し付けられると、膨出部8Bが放熱シート8の厚さ方向に圧縮されて基板3の周囲に押し広げられ、膨出部8Bが枠体4の第一端部4Aの内周面4dに押し付けられる。すなわち、枠体4の第一端部4Aに対して放熱シート8が密着する面積を拡大できる。
第二実施形態の電子機器及びその製造方法によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、ヒートシンク2に対する基板3及び枠体4の取付順を適宜入れ替えることができるため、電子機器をさらに容易に製造することが可能となる。
さらに、第二実施形態の電子機器及びその製造方法によれば、第二工程において基板3及び枠体4の第一端部4Aを順番にヒートシンク2の配置面11aに押し付けることで、第三工程において枠体4の内側に封止樹脂5を流し込む際に、封止樹脂5がヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間から漏れ出すことをより確実に防ぐことが可能となる。
すなわち、図6に示すように、基板3を放熱シート8に押し付けた後に枠体4の第一端部4Aを膨出部8Aに押し付けることで、枠体4の第一端部4Aを放熱シート8に大きく食い込ませることができるため、ヒートシンク2と枠体4との隙間をより確実に埋めて、封止樹脂5の漏れをより確実に防止できる。
また、図9に示すように、枠体4の第一端部4Aを放熱シート8に押し付けた後に、基板3を膨出部8Bに押し付けることで、枠体4の第一端部4Aに対して放熱シート8が密着する面積を拡大できるため、ヒートシンク2と枠体4との隙間をより確実に埋めて、封止樹脂5の漏れをより確実に防止できる。
〔第三実施形態〕
次に、図10,11を参照して本発明の第三実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態の電子機器1と比較して、ヒートシンク2と枠体4の第一端部4Aとの接続構造のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図10,11に示すように、本実施形態のヒートシンク2の配置面11aには、枠体4の第一端部4Aに嵌め合せる凹凸部61が形成されている。凹凸部61は、筒状に形成された枠体4の平面視形状に対応する平面視環形状に形成されている。本実施形態の凹凸部61は、図2に示す枠体4の形状に対応するように、平面視矩形のリング状に形成されている。
そして、図10に示す第一例の凹凸部61は、ヒートシンク2の配置面11aから窪んで枠体4の第一端部4Aを挿入させる挿入溝61Aである。この構成では、放熱シート8がヒートシンク2の挿入溝61Aの内面と、この挿入溝61Aに嵌め込まれた枠体4の第一端部4Aとの間に挟み込まれている。
一方、図11に示す第二例の凹凸部61は、ヒートシンク2の配置面11aから突出する凸状部61Bである。この場合には、第一端部4Aに凸状部61Bを挿入するための平面視環状の挿入溝62が形成される。そして、放熱シート8が枠体4の挿入溝62の内面とこの挿入溝62に嵌め込まれたヒートシンク2の凸状部61Bとの間に挟み込まれている。
本実施形態の電子機器は、第一実施形態や第二実施形態の場合と同様に、第一工程、第二工程及び第三工程を順番に実施することで製造できる。
また、本実施形態の電子機器の製造方法では、第一工程において、凹凸部61を含むヒートシンク2の配置面11aを放熱シート8により覆えばよい。そして、第二工程において、枠体4の第一端部4Aを凹凸部61に嵌め合せればよい。これにより、枠体4の第一端部4Aとヒートシンク2の凹凸部61との間に放熱シート8を挟み込むことができる。
第三実施形態の電子機器及びその製造方法によれば、第一実施形態や第二実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の電子機器及び製造方法によれば、枠体4の第一端部4Aとヒートシンク2の凹凸部61との間に放熱シート8を挟み込むことができるため、枠体4をヒートシンク2に取り付けた後、第三工程において枠体4内に封止樹脂5を流し込む際に、封止樹脂5がヒートシンク2の配置面11aと枠体4との間から漏れ出すことをより確実に防ぐことが可能となる。
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、ヒートシンク2に形成される凹所13は、上記実施形態のように枠体4の軸方向に直交する方向に窪んで形成されることに限らず、少なくとも枠体4の爪部21が係合するように枠体4の軸方向に交差する方向に窪んで形成されていればよい。例えば凹所13は、鉤部23の係合傾斜面23bに当接する角部15が直角ではなく鋭角あるいは鈍角となるように形成されてもよい。
また、凹所13は、ヒートシンク2の第一側面11cと第二側面11dとで別々に分けて形成されることに限らず、例えば溝状に形成された第一側面11cの第一凹所13Aを第二側面11dまで延ばす等して一つに形成されてもよい。
さらに、爪部21は、少なくとも爪部21が凹所13に係合することで枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられるように構成されていればよい。したがって、爪部21の鉤部23は、例えば係合平坦面23a及び係合傾斜面23bの一方のみを有していてもよい。鉤部23が係合平坦面23aのみを有する場合には、例えば枠体4の第一端部4Aから鉤部23の係合平坦面23aまでの長さを、ヒートシンク2の配置面11aから凹所13の角部15までの長さよりも微小に短く設定することで、枠体4の第一端部4Aをヒートシンク2の配置面11aに押し付けるようにしても構わない。
また、上記実施形態ではヒートシンク2に凹所13が形成され、枠体4に爪部21が形成されているが、例えばヒートシンク2に爪部21が形成され、枠体4部に凹所13が形成されてもよい。
さらに、枠体4の第一端部4Aをヒートシンク2の配置面11aに押し付けて固定する固定手段は、係合部(複数の爪部21)及び被係合部(凹所13)によって構成されることに限らず、例えば、ヒートシンク2及び枠体4をねじで止める構成であってもよい。この構成では、ヒートシンク2及び枠体4の一方にねじを枠体4の軸方向に挿通させる貫通孔を形成し、他方にねじを羅着させるねじ穴を形成すればよい。
また、基板3をヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付ける押付手段は、枠体4に一体に形成された押付部31,51によって構成されることに限らず、例えば基板3をヒートシンク2に対してねじで止める構成であってもよい。この構成では、基板3にねじを挿通させる貫通孔を形成し、ヒートシンク2にねじを羅着させるねじ穴を形成すればよい。
さらに、上記実施形態では、ヒートシンク2に挿入穴14が形成され、枠体4に突起41が形成されているが、例えばヒートシンク2に突起41が形成され、枠体4に挿入穴14が形成されていてもよい。また、ヒートシンク2及び枠体4には、挿入穴14及び突起41が形成されていなくてもよい。
1 電子機器
2 ヒートシンク
11a 配置面
13 凹所
3 基板
4 枠体
4A 第一端部
4d 内周面
21 爪部
31,51 押付部(押付手段)
5 封止樹脂
8放熱シート
8A,8B 膨出部

Claims (9)

  1. ヒートシンクと、該ヒートシンクの配置面上に配される基板と、基板を囲むように前記配置面上に配される筒状の枠体と、枠体の内側に充填されて前記基板を封止する封止樹脂と、前記枠体の軸方向の第一端部を前記配置面に向けて押し付けて固定する固定手段と、を備え、
    前記配置面と前記基板及び前記枠体の第一端部との間に弾性変形可能な放熱シートが介在していることを特徴とする電子機器。
  2. 前記ヒートシンクの配置面に、前記枠体の第一端部に嵌め合わせる平面視環状の凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記基板を前記配置面に向けて押し付ける押付手段を備え、
    前記放熱シートには、その一部領域が前記配置面と前記基板あるいは前記枠体の第一端部との間に挟み込まれて押圧されることで、前記一部領域を囲む放熱シートの周囲領域に押し広げられて、前記周囲領域において前記放熱シートの厚さ方向に膨らんで前記基板あるいは前記第一端部を囲む膨出部が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記押付手段が、前記枠体の内周面に一体に形成された押付部であることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記固定手段が、前記ヒートシンク及び前記枠体の一方に形成される係合部と、前記ヒートシンク及び前記枠体の他方に形成されて前記係合部に係合する被係合部とを備え、
    前記係合部と前記被係合部とが係合した状態において、前記枠体の軸方向の第一端部が前記配置面に向けて押し付けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子機器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子機器の製造方法であって、
    前記ヒートシンクの配置面に前記放熱シートを配置する第一工程と、
    前記基板及び前記枠体の第一端部を前記放熱シートに押し付け、前記枠体の一方の開口部を前記ヒートシンクによって閉塞する第二工程と、
    前記枠体の他方の開口部から前記枠体内に溶融した前記封止樹脂を流し込む第三工程とを順番に実施することを特徴とする電子機器の製造方法。
  7. 前記第二工程において、前記基板及び前記枠体の第一端部の一方を前記放熱シートの一部領域に押し付けることで、前記一部領域の部分が前記一部領域を囲む放熱シートの周囲領域に押し広げられて、前記周囲領域において前記放熱シートの厚さ方向に膨らんで前記基板あるいは前記第一端部の一方を囲む膨出部が形成され、
    前記基板及び前記枠体の第一端部の他方を前記膨出部に押し付けることを特徴とする請求項6に記載の電子機器の製造方法。
  8. 前記第二工程において、前記基板を前記放熱シートに押し付けた後に、前記枠体の第一端部を前記膨出部に押し付けることを特徴とする請求項7に記載の電子機器の製造方法。
  9. 前記第二工程において、前記枠体の第一端部を前記放熱シートに押し付けた後に、前記基板を前記膨出部に押し付けることで、前記膨出部が前記基板の周囲に押し広げられて前記枠体の内周面に押し付けられることを特徴とする請求項7に記載の電子機器の製造方法。
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