JP6012456B2 - 電子機器及びその製造方法 - Google Patents
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Description
これらの構成では、電子部品や基板の熱をヒートシンクに逃がすことができる。
また、この種の電子機器には、基板や電子部品の放熱効率向上だけではなく、製造効率の向上も求められている。例えば、特許文献1の電子機器のようにネジ止めによって基板にヒートシンクに固定する場合には、電子機器を組み立てる工数が多くなってしまう。また、例えば特許文献2のように、枠体を接着剤でヒートシンクに固定する場合、接着剤を硬化させる時間が必要となってしまう。
また、係合部を被係合部に係合させる操作だけで、枠体をヒートシンクに取り付けることができるため、電子機器の製造効率向上を図ることもできる。さらに、係合部や被係合部がヒートシンクや枠体に形成されているため、電子機器の構成部品点数を減らして、製造コスト削減を図ることもできる。
上記電子機器によれば、枠体をヒートシンクに取り付けるだけで、基板が押付部によってヒートシンクの配置面に押し付けられて、基板をヒートシンクに取り付けることが可能となる。したがって、電子機器の製造効率向上をさらに図ることができる。また、従来のように基板をヒートシンクに取り付ける別個の部材(例えばネジ)が不要となるため、電子機器の構成部品点数を減らして、製造コスト削減をさらに図ることもできる。
上記電子機器によれば、複数の押付部によってヒートシンクの配置面上における基板の位置決めを容易に行うことができる。
上記電子機器によれば、枠体をヒートシンクに取り付けた状態において、枠体がヒートシンクに対してその配置面に沿う方向にずれることを防止できる。
以下、図1〜6を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る電子機器1は、ヒートシンク2と、基板3と、枠体4と、封止樹脂5とを備えている。
ヒートシンク2は、例えばアルミニウム等のように熱伝導率の高い材料からなり、図1,2に示すように、板状に形成された本体部11と、本体部11から突出する複数のフィン12とを備えている。本体部11の上面は、後述する基板3や枠体4を配置する平坦な配置面11aとなっている。
また、本実施形態のヒートシンク2における挿入穴14は、配置面11aの周縁領域のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。
そして、基板3は、その他方の主面3b(第二主面3b)がヒートシンク2の配置面11aに対向するように、ヒートシンク2の配置面11a上に重ねて配されている。
延出部22は、ヒートシンク2の配置面11aに対向する枠体4の軸方向の第一端部4Aから枠体4の軸方向に突出しており、ヒートシンク2の側面11c,11dに配されている。
鉤部23は、延出部22に対して枠体4の外周面4c側から内周面4d側に向かう方向(枠体4の径方向内側)に突出している。この鉤部23は、枠体4の軸方向に直交して延出部22の延出方向と逆に向く係合平坦面23aと、係合平坦面23aと延出部22との間に形成される係合傾斜面23bとを有している。係合傾斜面23bは、係合平坦面23a及び延在部の延在方向の両方に対して傾斜している。
本実施形態の押付部31は、枠体4の内周面4dから内側に突出するベース部32と、ベース部32の突出方向先端部から枠体4の軸方向に沿って第一端部4A側に延在する弾性変形部33と、を備えている。なお、図示例では、ベース部32が枠体4の第二端部4B近傍に配されているが、これに限ることはなく、少なくとも枠体4の軸方向に沿って弾性変形部33の延在方向先端部よりも枠体4の第二端部4B側に配されていればよい。
このように押付部31が構成されるため、枠体4を配置面11a上に配した状態では、弾性変形部33の延在方向先端部が基板3の第一主面3aに押し付けられて、弾性変形部33が弾性変形する。そして、弾性変形部33に生じる弾性力によって基板3がヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付けられる。
封止樹脂5は、枠体4の内側に充填され、基板3を封止している。本実施形態では、基板3、電子部品6及び枠体4の押付部31が封止樹脂5によって埋設されている。また、端子ピン7のうち枠体4の内側に位置する端子ピン7の基端部が封止樹脂5によって埋設され、端子ピン7の先端部が封止樹脂5の外部に突出している。
本実施形態の電子機器1を製造する際には、はじめに、基板3をヒートシンク2の配置面11aに配置し、次いで、枠体4をヒートシンク2に取り付ければよい。枠体4を取り付ける際には、枠体4の複数の爪部21をヒートシンク2の凹所13に係合させればよい。この係合の際には、爪部21の延出部22が弾性的に撓むことで、ヒートシンク2が複数の爪部21の間に挟み込まれ、各爪部21の鉤部23が凹所13に入り込むことで爪部21を凹所13に係合させることができる。これにより、枠体4の第一端部4Aがヒートシンク2の配置面11aに押し付けられ、枠体4がヒートシンク2に固定される。言い換えれば、枠体4の第一端部4A側の開口部(一方の開口部)がヒートシンク2によって閉塞される。
また、本実施形態の電子機器1及びその製造方法によれば、複数の爪部21を凹所13に係合させる操作だけで、枠体4をヒートシンク2に取り付けることができるため、電子機器1の製造効率向上を図ることもできる。さらに、複数の爪部21や凹所13は枠体4やヒートシンク2に一体に形成されているため、電子機器1の構成部品点数を減らして、製造コスト削減を図ることもできる。
なお、この効果は、基板3がアルミ基板である場合に特に有効である。すなわち、基板3がアルミ基板である場合、端子ピン7は基板3の第一主面3aに対してはんだ付けだけで接合されるため、基板3と端子ピン7との接合が弱く、基板3と端子ピン7との接合部分に応力が集中しやすい。そこで、前述のように電子機器1が実装されれば、基板3やヒートシンク2の重量によって上記接合部分にかかる応力を効果的に低減できる。
以上のことから、本実施形態の電子機器1によれば、その実装に際して基板3やヒートシンク2の重量を支持したり、スタンドオフを作り出したりするための別個の部材(例えば基板3から実装基板9に向けて延びる支柱)が不要となるため、効率よく電子機器1を実装基板9に搭載することが可能となる。
また、本実施形態の電子機器1では、押付部31が基板3を配置面11aに沿う方向から挟み込むように枠体4の内周面4dの周方向に複数配列されているため、枠体4をヒートシンク2に取り付けるだけで、配置面11a上における基板3の位置決めを容易に行うことができる。
この場合、実装基板9における電子機器1の実装領域を最低限に抑えて、実装基板9に対して電子機器1を含む多数の実装部品を高密度に実装することが可能となる。すなわち、枠体4と端子ピン7との相対位置の誤差が大きい場合には、実装基板9における電子機器1の実装領域を枠体4の大きさよりも大きく設定する必要があるが、枠体4と端子ピン7との相対位置の誤差を小さく設定でできることで、電子機器1の実装領域を小さく設定することが可能となる。これにより、実装基板9上において電子機器1とこれに隣り合う他の実装部品との間隔を狭く設定することができる。
次に、図7を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態の電子機器1と比較して、枠体4に形成される押付部の構成のみが異なっており、その他の構成については第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の枠体4の内周面4dには、第一実施形態の場合と同様に、枠体4をヒートシンク2の配置面11a上に配した状態で基板3をヒートシンク2の配置面11aに向けて押し付ける押付部51が一体に形成されている。また、押付部51は、第一実施形態の押付部31と同様に、基板3をヒートシンク2の配置面11aに沿う方向から挟み込むように、枠体4の周方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。
以上のように構成される複数の押付部51は、位置調整傾斜面53aが配置面11a上に配された基板3の第一主面3aと側面3cとの角部に当接し、前述したように棒状部53や枠体4が弾性的に撓むことで、基板3を配置面11aに押し付け、さらに、基板3を枠体4の内側に付勢する。
第二実施形態の電子機器及びその製造方法によれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、ヒートシンク2に対する基板3及び枠体4の取付順を適宜入れ替えることができるため、電子機器をさらに容易に製造することが可能となる。
例えば、ヒートシンク2に形成される凹所13は、上記実施形態のように枠体4の軸方向に直交する方向に窪んで形成されることに限らず、少なくとも枠体4の爪部21が係合するように枠体4の軸方向に交差する方向に窪んで形成されていればよい。例えば凹所13は、鉤部23の係合傾斜面23bに当接する角部15が直角ではなく鋭角あるいは鈍角となるように形成されてもよい。
また、凹所13は、ヒートシンク2の第一側面11cと第二側面11dとで別々に分けて形成されることに限らず、例えば溝状に形成された第一側面11cの第一凹所13Aを第二側面11dまで延ばす等して一つに形成されてもよい。
さらに、上記実施形態では、ヒートシンク2に挿入穴14が形成され、枠体4に突起41が形成されているが、例えばヒートシンク2に突起41が形成され、枠体4に挿入穴14が形成されていてもよい。
2 ヒートシンク
11a 配置面
13 凹所
14 挿入穴
15 角部
3 基板
4 枠体
4A 第一端部
4d 内周面
21 爪部
22 延出部
23 鉤部
23b 係合傾斜面
31,51 押付部
41 突起
5 封止樹脂
Claims (5)
- ヒートシンクと、該ヒートシンクの配置面上に配される基板と、基板を囲むように前記配置面上に配される筒状の枠体と、枠体の内側に充填されて前記基板を封止する封止樹脂と、を備え、
前記ヒートシンク及び前記枠体の一方に、係合部が形成され、
前記ヒートシンク及び前記枠体の他方に、前記係合部に係合する被係合部が形成され、
前記係合部と前記被係合部とが係合した状態において、前記枠体の軸方向の第一端部が前記配置面に向けて押し付けられ、
前記被係合部が、前記枠体の軸方向に交差する方向に窪む凹所を備え、
前記係合部が、前記ヒートシンク及び前記枠体の他方を挟み込むように配されて前記凹所に係合する複数の爪部を備え、
各爪部が、前記枠体の軸方向に延びて弾性的に撓み変形可能な延出部と、該延出部の先端に形成されて前記凹所に挿入される鉤部とを備え、
前記鉤部には、前記爪部が前記凹所に係合した状態において、前記凹所の開口部に位置する角部に当接する係合傾斜面が形成されていることを特徴とする電子機器。 - 前記枠体の内周面に、前記基板を前記配置面に向けて押し付ける押付部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 前記押付部が、前記基板を前記配置面に沿う方向から挟み込むように前記枠体の内周面の周方向に複数配列されていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
- 前記枠体の第一端部及び前記ヒートシンクの一方には、他方に向けて突出する複数の突起が形成され、
前記枠体の第一端部及び前記ヒートシンクの他方には、前記複数の突起を個別に挿入する複数の挿入穴が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子機器の製造方法であって、
前記係合部を前記被係合部に係合させることで前記枠体を前記ヒートシンクに取り付け、前記枠体の一方の開口部を前記ヒートシンクによって閉塞した後に、
前記枠体の他方の開口部から前記枠体内に溶融した前記封止樹脂を流し込むことを特徴とする電子機器の製造方法。
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