JP2012164763A - ヒートシンク付き半導体パッケージの製造方法及び当該ヒートシンク - Google Patents

ヒートシンク付き半導体パッケージの製造方法及び当該ヒートシンク Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートシンク付き半導体パッケージを一体製作できる製造方法を提供する。
【解決手段】モールド用金型20の内側下面には、ヒートシンク13のフィンと密着して嵌合する形状の支持台21が形成されている。ヒートシンク13には、半導体デバイス11が実装された基板12が仮止めされる[工程B]。基板12が仮止めされたヒートシンク13は、フィンが形成されている側を下にして支持台21に嵌め込まれる[工程C]。次に、ピストン31によって注入口32からモールド樹脂33が注入され、半導体デバイス11がモールドされると共に、基板12とヒートシンク13とが接着される[工程D]。このときにかかるモールド注入圧は、ヒートシンク13と支持台21との嵌合で生じる高い剛性力により、フィンの変形に影響を及ぼさない。
【選択図】図5

Description

本発明は、ヒートシンク付き半導体パッケージの製造方法及び当該ヒートシンクに関し、より特定的には、ヒートシンクを備えた高放熱型の半導体パッケージの製造方法、及びこの製造方法を実現するための形状を有したヒートシンクに関する。
発熱する半導体素子等を含んだ半導体デバイスをパッケージングする場合、高放熱型の半導体パッケージが必要である。この高放熱型の半導体パッケージとしては、例えば、半導体素子が発生する熱を放出するフィンを有したヒートシンク(金属部材)が備え付けられたものがある。例えば、特許文献1を参照。
このヒートシンク付き半導体パッケージは、基本的には次の3つの工程を経て製造される。
[工程1] パッケージ組立(モールド)工程:半導体素子を含んだ半導体デバイスをモールド樹脂で覆ってパッケージ化する。
[工程2] 接着剤塗布工程:モールドされた半導体パッケージに接着剤を塗布する。
[工程3] ヒートシンク貼り付け工程:接着剤が塗布された半導体パッケージにヒートシンクを貼り付ける。
ところで、これら3つの工程はコストも時間もかかるため、3つの工程を1つの工程に集約してコストを削減することが望まれる。すなわち、接着剤を用いずに、モールド樹脂で半導体デバイスとヒートシンクとを接着させるのである。
特開2010−114257号公報
しかしながら、上述したヒートシンク付き半導体パッケージを1つの工程で一体製作して完成させようとした場合、モールド樹脂を注入するモールド用金型内にヒートシンクを予め入れておく必要があることや、接着剤を使用しないこと等の影響が、次のような問題として発生してしまうことが考えられる。
第1の問題は、モールド用金型120の中にヒートシンク113を入れておく必要があるため、モールド樹脂133をモールド用金型120に注入するときのモールド注入圧がヒートシンク113のフィンにかかり、フィンが変形してしまうおそれがあることである(図12を参照)。
この問題は、ヒートシンクの放熱性能がフィンの数やフィンの表面積に依存することから、サイズ一定のまま放熱性能を上げるべくフィンの金属厚みを薄くしているために生じる。つまり、ヒートシンクの放熱性能と剛性度とが背反の関係にあることが原因となっている。
第2の問題は、接着剤を使用しないため、熱応力等によりヒートシンクが半導体デバイスから剥離して、放熱性能が劣化してしまうおそれがあることである。
この問題は、小さい面積でモールド樹脂を用いてヒートシンクと半導体デバイスとを接着させること、及びヒートシンク(金属材料)の線膨張係数とモールド樹脂の線膨張係数とが異なること、によって生じる。なお、モールド樹脂の線膨張係数は、α1:8〜12かつα2:35〜45と大きく、金属材料の線膨張係数と同じ程度まで下げることは困難である。
それ故に、本発明の目的は、上記第1及び第2の問題の発生を防ぐことが可能な、ヒートシンク付き半導体パッケージの製造方法、及びこの製造方法を実現するための形状を有したヒートシンクを提供することである。
本発明は、半導体デバイスが実装された基板とヒートシンクとを備えた半導体パッケージの製造方法に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の第1の局面による半導体パッケージの製造方法は、フィンが一方主面に形成されたヒートシンクの他方主面に、基板を仮止めする第1の工程、モールド用の金型に設けられたフィンと嵌合する形状を有した支持手段に、フィンを嵌合させて、基板及びヒートシンクを当該金型内に定置させる第2の工程、及びヒートシンクの他方主面側から金型内にモールド樹脂を注入して、半導体デバイスのモールド及び基板とヒートシンクとの接着を行う第3の工程を含んでいる。
かかる工程により、ヒートシンク付き半導体パッケージを1つの工程Dで一体製作して完成させることが可能となる。
この第1の局面において、第2の工程では、フィンの先端が支持手段に当接する嵌合が行われることが望ましい。
このような嵌合によって、モールド用の金型内におけるモールド注入圧の影響によるフィンの変形を防ぐことができる。
また、第3の工程では、ヒートシンクの側面と金型との間にもモールド樹脂を注入することが望ましい。
このような注入によって、モールド樹脂とヒートシンクとの接着面積が大きくなり、ヒートシンクが基板から剥離してしまう不具合を軽減することができる。
なお、支持手段は、半導体デバイスが実装された基板が仮止めされた別のヒートシンクに形成された複数のフィンであってもよい。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の局面による半導体パッケージの製造方法は、第1のフィンが一方主面に形成された第1のヒートシンクの他方主面に、第1の基板を仮止めする第1の工程、第1のフィンと嵌合する形状を有した第2のフィンが一方主面に形成された第2のヒートシンクの他方主面に、第2の基板を仮止めする第2の工程、第1のフィンと第2のフィンとを嵌合させた状態で、第1及び第2の基板及び第1及び第2のヒートシンクをモールド用の金型内に定置させる第3の工程、及び第1及び第2のヒートシンクの他方主面側からそれぞれ金型内にモールド樹脂を注入して、半導体デバイスのモールド、第1の基板と第1のヒートシンクとの接着、及び第2の基板と第2のヒートシンクとの接着を行う第4の工程を含んでいる。
この第2の局面において、第3の工程では、第1のフィンの先端が第2のフィンに当接し、かつ、第2のフィンの先端が第1のフィンに当接する嵌合が行われることが望ましい。
このような嵌合によって、モールド用の金型内におけるモールド注入圧の影響によるフィンの変形を防ぐことができる。
また、第4の工程では、第1及び第2のヒートシンクの側面と金型との間にもモールド樹脂を注入することが望ましい。
このような注入によって、モールド樹脂とヒートシンクとの接着面積が大きくなり、ヒートシンクが基板から剥離してしまう不具合を軽減することができる。
なお、ヒートシンクは、所定の間隔で配列された複数のフィンと、ヒートシンクの外周に沿って複数のフィンを囲むリング状の外周フィンとを備え、外周フィンは、他のヒートシンクが備える他の外周フィンと嵌合する凸部又は凹部を有し、複数のフィンは、外周フィンを他のヒートシンクが備える他の外周フィンと嵌合させた場合、その先端が他のヒートシンクに当接する高さを有していれば、本発明の製造方法で利用可能である。
上記本発明によれば、モールド用金型内におけるモールド注入圧の影響によるフィンの変形を防ぐことができるため、ヒートシンク付き半導体パッケージを1つの工程で一体製作して完成させることが可能となる。また、モールド樹脂が、ヒートシンクの側面まで回り込んで大きな面積でヒートシンクと接着するので、ヒートシンクが基板から剥離してしまう不具合を軽減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を用いて製造された高放熱型の半導体パッケージ10の断面を示す図 ヒートシンク13の形状を詳しく説明する図 半導体パッケージ10の製造に用いられるモールド用金型20の形状を説明する図 ヒートシンク13とモールド用金型20との関係を説明する図 半導体パッケージ10の製造方法を説明する図 ヒートシンク13及び支持台21の他の形状を説明する図 ヒートシンク13及び支持台21の他の形状を説明する図 本発明の第2の実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を用いて製造された高放熱型の半導体パッケージ10及び50の断面を示す図 ヒートシンク53の形状を詳しく説明する図 半導体パッケージ10及び50の製造に用いられるモールド用金型60の形状を説明する図 半導体パッケージ10及び50の製造方法を説明する図 半導体パッケージ10及び50の製造方法を説明する図 半導体パッケージ10及び50の製造に用いられる他のモールド用金型60の形状を説明する図 従来の半導体パッケージの製造方法において生じる問題を説明する図
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を用いて製造された高放熱型の半導体パッケージ10の断面を示す図である。図1において、第1の実施形態に係る半導体パッケージ10は、半導体デバイス11、基板12、ヒートシンク13、及びモールド樹脂14で形成されている。
半導体デバイス11は、発熱する半導体素子等を含んだデバイスである。基板12は、半導体デバイス11を実装する回路基板である。なお、図1に示した2つの半導体デバイス11を基板12に実装している構造は一例であって、基板12に実装する半導体デバイス11の数はこれに限るものではない。ヒートシンク13は、半導体素子が発生する熱を放出するフィンを有した金属部材である。モールド樹脂14は、半導体デバイス11をモールドして電気的に絶縁する物質であり、かつ半導体デバイス11とヒートシンク13とを接着及び固定する物質でもある。
図2は、図1のヒートシンク13の形状を詳しく説明する図である。図2(a)は、ヒートシンク13の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の矢印X方向から見た上面図である。
このヒートシンク13は、図2に示した特徴的な形状のフィンを有しており、後述するモールド用金型の形状と相まって、上述した課題を解決する作用を奏する。図1及び図2に示したヒートシンク13は、2つの主面を持つ金属平板であって、等間隔に形成された四角柱形状の複数の角柱フィン13aと、この複数の角柱フィン13aを囲むように形成されたリング状の外周フィン13bとを、一方主面に有している。外周フィン13bには、凹部(凸部であってもよい。以下同様)が形成されている(図1の丸点線箇所)。
以下、図3〜図5をさらに参照して、図1に示した第1の実施形態に係る半導体パッケージ10の製造手順を説明する。
図3は、半導体パッケージ10の製造に用いられるモールド用金型20の形状を説明する図であり、図3(a)は縦断面図を、図3(b)は図3(a)のY−Y断面図を示す。図4は、ヒートシンク13とモールド用金型20との関係を説明する図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る半導体パッケージ10の製造手順を説明する図である。
まず、図3を参照して、半導体パッケージ10の製造に用いられるモールド用金型20を説明する。
モールド用金型20の内側下面には、モールドによりパッケージ化を行う半導体部品を載置して支持する支持台21が形成されている。この支持台21には、ヒートシンク13の外周フィン13bに対応したリング状の外周部21bが設けられており、外周部21bには、外周フィン13bの凹部と密着して嵌合する凸部(外周フィン13bが凸部である場合には凹部となる。以下同様)が形成されている(図3の丸点線箇所)。また、この支持台21には、外周部21bの凸部をヒートシンク13の外周フィン13bの凹部と嵌合させると、ヒートシンク13に形成された複数の角柱フィン13aの隙間に入り込む位置に合わせて、突起物である複数の角柱部21aが形成されている。
この第1の実施形態の例では、支持台21にヒートシンク13を嵌合させた場合、すなわち、図2(b)に示すヒートシンク13の★印角及び☆印角を図3(b)に示す支持台21の★印角及び☆印角と合わせて嵌合させた場合、図4に示すように、支持台21の複数の角柱部21aが、ヒートシンク13の複数の角柱フィン13aの対角位置に入り込む位置に形成されている。なお、この複数の角柱部21aの高さは、複数の角柱フィン13aの先端がモールド用金型20の内側下面に当接し、かつ複数の角柱部21aの先端がヒートシンク13に当接する高さに設定されることが望ましい。
次に、図5を参照して、半導体パッケージ10の製造方法を説明する。
[工程A] 基板12に半導体デバイス11が実装される。そして、半導体デバイス11の入出力端子と基板12のパターン配線とが、ワイヤボンディングによって電気的に接続される。
[工程B] 半導体デバイス11が実装された基板12は、半導体デバイス11が実装されていない平面に、ヒートシンク13のフィンが形成されていない他方主面が接合されて、仮止めされる。例えば、この仮止めは、溶接ガン30を用いたスポット溶接等で行うことができる。
[工程C] 基板12が仮止めされたヒートシンク13は、角柱フィン13a及び外周フィン13bが形成されている側を下にして、モールド用金型20の支持台21に嵌め込まれる。
[工程D] ヒートシンク13がモールド用金型20の支持台21に嵌め込まれると、ピストン31によって注入口32からモールド樹脂33が注入され、半導体デバイス11がモールドされると共に、基板12とヒートシンク13とが接着される。このとき、従来と同様にモールド注入圧がヒートシンク13にかかるが、複数の角柱フィン13aと複数の角柱部21aとが互いに嵌合相手に当接することでモールド注入圧に対する剛性が高くなっており、フィンが変形することを防いでいる。また、外周フィン13bの凹部と外周部21bの凸部とが密着して嵌合するため、ヒートシンク13の複数の角柱フィン13aの隙間にモールド樹脂33が流れ込むことを防いでいる(モールド封止)。
[工程E] モールドされた半導体パッケージ10が、モールド用金型20から取り出される。この工程A〜Eにより、図1に示した半導体パッケージ10が完成する。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る半導体パッケージ10の製造方法によれば、ヒートシンク13のフィンを、モールド用金型20の内側下面に形成されたフィンに対応した形状を有する支持台21に嵌合させて、フィンの剛性を強化する。
これにより、モールド用金型20内におけるモールド注入圧の影響によるフィンの変形を防ぐことができるため、ヒートシンク付き半導体パッケージを1つの工程D(上記従来の工程1〜3に相当)で一体製作して完成させることが可能となる。
また、モールド樹脂14が、ヒートシンク13の側面まで回り込んで大きな面積でヒートシンク13と接着するので、ヒートシンク13が基板12から剥離してしまう不具合を軽減することができる。
なお、上記第1の実施形態では、複数の角柱フィン13aを有するヒートシンク13を例に挙げて本発明を説明したが、ヒートシンク13のフィン形状は様々に設計することが可能である。例えば、図6Aに示すように複数のうろこ状フィンであってもよいし、図6Bに示すように複数のL字型フィンであってもよい。
また、上記第1の実施形態では、支持台21の複数の角柱部21aは、複数の角柱フィン13aと嵌合させたときに隙間を有する形状である例を説明したが、モールド用金型20に形成する支持台21の形状は、ヒートシンク13のフィンと嵌合したときにフィン間の隙間がないような形状であってもよい(図6Bを参照)。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、支持台21にヒートシンク13のフィンに対応する形状を有したモールド用金型20を用いて、ヒートシンク付き半導体パッケージ10を1つの工程で一体製作して完成させる実施例を説明した。しかし、この実施例では、1度の工程で1つの半導体パッケージ10しか製作できない。このため、半導体パッケージ10の製造に時間及びコストがかかってしまう。
そこで、この第2の実施形態では、半導体パッケージ10を支持する支持台21の代わりに別の半導体パッケージを用いることにより、1度の工程で2つの半導体パッケージを製作する実施例を説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体パッケージの製造方法を用いて製造された2つの高放熱型の半導体パッケージ10及び50の断面を示す図である。この図7に示した半導体パッケージ10は、上記第1の実施形態で説明した半導体パッケージと同じである。一方、図7に示した半導体パッケージ50は、半導体デバイス11、基板12、ヒートシンク53、及びモールド樹脂14で形成されており、ヒートシンク53の形状が半導体パッケージ10と異なる。
図8は、図7に示した半導体パッケージ50のヒートシンク53の形状を詳しく説明する図である。図8(a)は、ヒートシンク53の斜視図であり、図8(b)は、図8(a)の矢印Z方向から見た上面図である。
このヒートシンク53は、図8に示した特徴的な形状のフィンを有しており、図2に示したヒートシンク13の形状と相まって、上述した課題を解決する作用を奏する。図7及び図8に示したヒートシンク53は、2つの主面を持つ金属平板であって、等間隔に形成された四角柱形状の複数の角柱フィン53aと、この複数の角柱フィン53aを囲むように形成されたリング状の外周フィン53bとを、一方主面に有している。外周フィン53bには、凸部(外周フィン13bが凸部である場合には、凹部となる。以下同様)が形成されている(図7の丸点線箇所)。外周フィン53bの凸部は、ヒートシンク13の外周フィン13bの凹部と密着して嵌合する。この嵌合によって、すなわち図2(b)に示すヒートシンク13の★印角及び☆印角を図8(b)に示すヒートシンク53の★印角及び☆印角と合わせて嵌合させることによって、図4に示したのと同様に、ヒートシンク53の複数の角柱フィン53aが、ヒートシンク13の複数の角柱フィン13aの対角位置に入り込む。
以下、図9、図10A、及び図10Bをさらに参照して、この図7に示した第2の実施形態に係る2つの半導体パッケージ10及び50の製造手順を説明する。
図9は、半導体パッケージ10及び50の製造に用いられるモールド用金型60の形状を説明する縦断面図を示す。図10A及び図10Bは、本発明の第2の実施形態に係る半導体パッケージ10及び50の製造手順を説明する図である。
まず、図9を参照して、半導体パッケージ10及び50の製造に用いられるモールド用金型60を説明する。
モールド用金型60の内側下面には、モールドによりパッケージ化を行う下側の半導体部品を載置して位置決めする複数の位置決めピン61が形成されている。また、モールド用金型60の内側上面には、モールドによりパッケージ化を行う上側の半導体部品を押さえて位置決めする複数の位置決めピン62が形成されている。これら複数の位置決めピン61及び62は、モールド用金型60の内部空間に半導体部品を固定して支持する役割を果たす。
次に、図10A及び図10Bを参照して、半導体パッケージ10及び50の製造方法を説明する。
[工程A] 基板12に半導体デバイス11が実装された部品が2つ用意される。そして、この2つの部品について、半導体デバイス11の入出力端子と基板12のパターン配線とが、ワイヤボンディングによってそれぞれ電気的に接続される。
[工程B] 半導体デバイス11が実装された基板12は、半導体デバイス11が実装されていない平面に、ヒートシンク13及び53のフィンが形成されていない他方主面がそれぞれ接合されて、仮止めされる。例えば、この仮止めは、溶接ガン30を用いたスポット溶接等で行うことができる。
[工程C] まず、ヒートシンク13及び53が仮止めされた部品の一方(図10Aの例ではヒートシンク53が仮止めされた部品)が、半導体デバイス11側を下にして複数の位置決めピン61の上に載置される。次に、ヒートシンク13及び53が仮止めされた部品の他方(図10Aの例ではヒートシンク13が仮止めされた部品)が、ヒートシンク13側を下にして、ヒートシンク53に嵌め込まれる。ヒートシンク53に嵌め込まれたヒートシンク13が仮止めされた部品は、複数の位置決めピン62によって固定される。
[工程D] ヒートシンク13とヒートシンク53とが嵌合した2つの仮止め部品が複数の位置決めピン61及び62によって固定されると、ピストン31によって注入口32からモールド樹脂33が注入され、各々の半導体デバイス11がモールドされると共に、各基板12とヒートシンク13及び53とがそれぞれ接着される。このとき、従来と同様にモールド注入圧がヒートシンク13及び53にかかるが、複数の角柱フィン13aと複数の角柱フィン53aとが互いに嵌合相手に当接することでモールド注入圧に対する剛性が高くなっており、フィンが変形することを防いでいる。また、外周フィン13bの凹部と外周フィン53bの凸部とが密着して嵌合するため、複数の角柱フィン13a及び53aの隙間にモールド樹脂が流れ込むことを防いでいる(モールド封止)。
[工程E] モールドされた半導体パッケージ10及び50が、モールド用金型20からそれぞれ取り出される。この工程A〜Eにより、図7に示した2つの半導体パッケージ10及び50が完成する。
なお、まとめてモールドされた半導体パッケージ10と半導体パッケージ50とを容易に分離する工夫としては、モールド用金型60を図11に示す構造にすることが考えられる。この図11の構造では、ヒートシンク13の外周フィン13bとヒートシンク53の外周フィン53bとの接合部分がくる位置に合わせて、モールド用金型60に突起部63(例えば、くさび型)を設けると共に、2つの注入口32及び34から同時にモールド樹脂33を注入する。この構造により、外周フィン13bと外周フィン53bとの接合部分が、モールド樹脂33で覆われるのを防ぐことができる。また、2つの半導体デバイス11側から同時にモールド樹脂33を注入するため、フィンにかかるモールド注入圧を相殺することができる。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る半導体パッケージ10及び50の製造方法によれば、嵌合可能なフィン形状の2つのヒートシンク13及び53を用いて、ヒートシンク13とヒートシンク53とを嵌合させて、フィンの剛性を強化する。
これにより、モールド用金型60内におけるモールド注入圧の影響によるフィンの変形を防ぐことができるため、2つのヒートシンク付き半導体パッケージを1つの工程D(上記従来の工程1〜3に相当)で一体製作して完成させることが可能となる。
また、モールド樹脂14が、ヒートシンク13及び53の側面まで回り込んで大きな面積でヒートシンク13及び53と接着するので、ヒートシンク13及び53が基板12から剥離してしまう不具合を軽減することができる。
もちろん、この第2の実施形態においても、ヒートシンク13及び53のフィン形状は様々に設計することが可能であり、例えば、上述した図6Aに示すように複数のうろこ状フィンであってもよいし、図6Bに示すように複数のL字型フィンであってもよい。
本発明は、発熱する半導体素子等を含んだ半導体デバイスをパッケージングする場合等に利用可能であり、特にヒートシンク付き半導体パッケージを1つの工程で一体製作して完成させたい場合等に有用である。
10、50 半導体パッケージ
11 半導体デバイス
12 基板
13、53、113 ヒートシンク
13a、53a 角柱フィン
13b、53b 外周フィン
14、33、133 モールド樹脂
20、60、120 モールド用金型
21 支持台
21a 角柱部
21b 外周部
30 溶接ガン
31 ピストン
32、34 注入口
61、62 位置決めピン
63 突起部

Claims (8)

  1. 半導体デバイスが実装された基板とヒートシンクとを備えた半導体パッケージの製造方法であって、
    フィンが一方主面に形成された前記ヒートシンクの他方主面に、前記基板を仮止めする第1の工程、
    モールド用の金型に設けられた前記フィンと嵌合する形状を有した支持手段に、前記フィンを嵌合させて、前記基板及び前記ヒートシンクを当該金型内に定置させる第2の工程、及び
    前記ヒートシンクの他方主面側から前記金型内にモールド樹脂を注入して、前記半導体デバイスのモールド及び前記基板と前記ヒートシンクとの接着を行う第3の工程を含む、半導体パッケージの製造方法。
  2. 前記第2の工程では、前記フィンの先端が前記支持手段に当接する嵌合が行われることを特徴とする、請求項1に記載の導体パッケージの製造方法。
  3. 前記第3の工程では、前記ヒートシンクの側面と前記金型との間にもモールド樹脂を注入することを特徴とする、請求項1に記載の導体パッケージの製造方法。
  4. 前記支持手段は、半導体デバイスが実装された基板が仮止めされた別のヒートシンクに形成された複数のフィンであることを特徴とする、請求項1に記載の導体パッケージの製造方法。
  5. 半導体デバイスが実装された基板とヒートシンクとを備えた半導体パッケージの製造方法であって、
    第1のフィンが一方主面に形成された第1のヒートシンクの他方主面に、第1の基板を仮止めする第1の工程、
    前記第1のフィンと嵌合する形状を有した第2のフィンが一方主面に形成された第2のヒートシンクの他方主面に、第2の基板を仮止めする第2の工程、
    前記第1のフィンと前記第2のフィンとを嵌合させた状態で、前記第1及び第2の基板及び前記第1及び第2のヒートシンクをモールド用の金型内に定置させる第3の工程、及び
    前記第1及び第2のヒートシンクの他方主面側からそれぞれ前記金型内にモールド樹脂を注入して、前記半導体デバイスのモールド、前記第1の基板と前記第1のヒートシンクとの接着、及び前記第2の基板と前記第2のヒートシンクとの接着を行う第4の工程を含む、半導体パッケージの製造方法。
  6. 前記第3の工程では、前記第1のフィンの先端が前記第2のフィンに当接し、かつ、前記第2のフィンの先端が前記第1のフィンに当接する嵌合が行われることを特徴とする、請求項5に記載の導体パッケージの製造方法。
  7. 前記第4の工程では、前記第1及び第2のヒートシンクの側面と前記金型との間にもモールド樹脂を注入することを特徴とする、請求項5に記載の導体パッケージの製造方法。
  8. 半導体パッケージに用いられるヒートシンクであって、
    所定の間隔で配列された複数のフィンと、
    前記ヒートシンクの外周に沿って前記複数のフィンを囲むリング状の外周フィンとを備え、
    前記外周フィンは、他のヒートシンクが備える他の外周フィンと嵌合する凸部又は凹部を有し、
    前記複数のフィンは、前記外周フィンを前記他のヒートシンクが備える他の外周フィンと嵌合させた場合、その先端が前記他のヒートシンクに当接する高さを有する、ヒートシンク。
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