以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。尚、同じ機能又は公正を有する要素には同じ符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
図1及び図2を用いて、本発明の第一の実施例の構成を説明する。ここで、図1は、本発明の第一の実施例に係る照明装置及び集光ユニットの俯瞰図を示し、図2は当該照明装置及び集光体ユニットの2つの隣接する集光体の中心軸を含む平面で切断した断面図を示している。
図1に示されるように、本実施例に係る照明装置は、光源1、集光体2、集光ユニット3、仕切り(パーティション)4、光源基板10を含んで構成されている。ここで、集光ユニット3は、集光体2及び仕切り4を含むものとする。またここでは、紙面上方向を照明装置の光照射側とする。また、本実施例に係る照明装置は、光源1と集光ユニット3との相対距離を可変できるような機構を有しているものとする。この機構は、例えば特許文献1、特開2010-92700号公報、特開2006-2164743号公報等に記載のように公知の構成であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
光源1は、例えばトップビュー型のLEDが用いられ、その発光面(光放出面)は、光源1の上に配置される集光体2と対向するように向けられている。すなわち光源1は、集光体2に向けて光を放出するように光源基板10に配置されている。本実施例では、光源1として例えば白色光を放出する白色LEDを用いるものとする。白色LEDは、例えば電力を受けて青色光を発光する発光チップ部分と、該発光チップからの青色光を受けて励起され、緑から赤にかけた波長領域のスペクトルを持つ光を発光する蛍光体とを有している。この蛍光体として、赤と緑の光を同時に励起して黄色に見える発光スペクトルを有する蛍光体を用いることもできる。さらに、一つのLEDにおいて、複数の発光チップを搭載した大光量タイプのLEDを利用してもよい。複数の発光チップを搭載したLEDでは、LEDの発光面(光放出面)の中心を規準にして対称となるように、発光チップを例えば矩形状、同心円状に配置することが好ましいが、発光チップの配置はこれに限定されるものではない。
また光源1には、配光の調整や光の取り出し効率を改善のためのレンズやリフレクタなどの光学部品が設けられていてもよい。かかる光学部品として、例えば、透過性を持つ材質で成形された凸レンズや、金属蒸着されたミラーなどを用いることができる。
光源基板10は、例えばガラスエポキシ樹脂で構成されており、その光照射側の面に複数の光源(LED)1が実装されている。図では光源基板10上に光源1を4つ実装されているが、照明装置として確保したい光量に応じて光源1の実装数を変化させてもよい。また光源基板10の光源1の実装面(つまり光照射側の面)は、光を反射しやすくするために白色塗装が施されている。この白色塗装に代えて、光源基板10の光源1の実装面の、光源実装部以外のほぼ全面を覆うように白色の反射シートを載置してもよい。
また光源基板10は、光源1の他に、図示しない電源からの電力を光源1に供給するための駆動回路(ドライバ)、配線及び/または光源1への電力供給量(電流量)を制御するための制御回路などの電子部品や電気回路が設けられている。これら電子部品や電気回路は、光源基板10の光源1の実装面とは反対側の面に設けてもよい。
光源1の光放出側には、透明樹脂等の透明材質で形成された、凸レンズ形状を有する集光体2が配置されている。集光体2は、図示されるように光照射側の面が光照射方向に凸を向き、かつ光源1側の面も光源1に凸を向けた両凸レンズ(正レンズ)の形状を有している。ここで、集光体2の光照射側の面を出射面、光源1側の面を入射面とすると、集光体2の出射面の曲率は、出射面の曲率よりも大きくなっている。また両凸レンズの出射面と入射面のいずれか一方または両方は、当該両凸レンズの光軸近傍の曲率よりも、光軸から半径方向に離れた周辺部の曲率が小さくなるような非球面形状を有している。但し、本発明は上記のようなレンズ形状に限定されるものではない。
以下、集光体2を構成する両凸レンズのレンズ面の形状について説明する。レンズ面が球面形状である場合、レンズの周辺部を通過した光線が光照射側において互いに交差し、リング状の明るい輪が発生する。この現象の一例を図13に示す。図13は、集光体2が球面レンズであり、この球面レンズと光源間を可変した場合の配光分布の変化の一例を示している。図の破線及び細線に示されるように、配光分布を広く変化させると、例えば破線の5度付近と細線の10度付近に光度のピークが生じる。これが人の目には明るいリング状の像として見える場合がある。このような像は、明るさが不均一な照明としてユーザに認識される。従って、明るさが均一な照明を得るためには、照明装置の配光分布は、図13の点線や細線に示されるような起伏が生じるものよりも、正面0度方向から周辺に向かって単調に変化するようなものが望ましい。特に照明装置がスポットライトの場合には、単調減少であることが望ましい。
一方、両凸レンズの出射面と入射面のいずれか一方または両方を、上記のような非球面形状にすると、レンズの周辺部から出射した光線は互いに交差することなく出射するようになる。その結果、明暗が逆転するような光線はなくなり、例えば図14に示されるような配光分布が得られる。図14は、レンズとして多項式で表れる非球面形状のレンズを用いた場合の、当該レンズと光源間を2mmから5mmまで変化させたときの配光分布の変化を示している。この図14の点線や細線に示されるように、レンズと光源間を可変しても、配光分布は正面0度方向から周辺に向かって単調に減少するものとなり、明るいリング状の像は解消されている。
このように、本実施例においては、両凸レンズの出射面と入射面のいずれか一方または両方を、当該両凸レンズの光軸近傍の曲率よりも、光軸から半径方向に離れた周辺部の曲率が小さくなるような非球面形状としている。しかしながら、本発明はこのようなレンズ形状に限定されるものではない。
集光体2は、光源基板10に配置された光源1に対し、それぞれ位置的に対応させて設けられている。本実施例では、光源基板10に光源1が4つ配置されているため、集光体2も4つ設けている。また光源1であるLEDの光放出面の中心軸と各集光体2の光軸とが略一致するように集光体2或いは光源基板10が配置されている。
集光体2の材質としては、本実施例では、ガラスやプラスチックなどの光透過性を有する材質を用いている。たとえば、生産性に優れたプラスチック用いる場合は、ポリカーボネート、アクリルなどを利用することができる。集光体を製造する方法として、例えば、熱可塑性樹脂材料を熱して流動性を高めて金型に流し込み、これを冷やし固めて成型する射出成形を利用することができる。このとき、集光体2の光の入射面、出射面を成形する金型の表面は、後述のように研磨されていることが好ましい。
光源1が光源基板10に二次元的に実装される場合に、光源基板10の中心に対して、集光体2を回転対称に配置しても良いし、更に、光源基板10の中心に光源1を追加して配置してもよい。光源1と集光体2は、光照射側から見たときの各光源1の光放出面の中心軸と、各集光体2(両凸レンズ)の中心軸がほぼ一致するように光源1と集光体2の位置合わせが為される。
各集光体2は、それぞれに対向するように配置された光源1からの光が入射面の入射され、これを集光しながら出射面から光を出射するように構成されている。そしてそれぞれの集光体2は、その光軸と直交する断面が略円形であり、光軸に対して回転対称な形状を有している。ただし、照明装置の外形形状が制限されている、あるいは複数の光源1が配置される間隔が集光体2同士の間隔よりも狭い場合、集光体2がそれぞれの中心軸から離れた位置で、隣接する集光体同士が互いに交差する。この場合、集光体2は回転対称とはならないが、このような形態も本実施例に包含される。
上記構成の照明装置において、本実施例は、図1及び図2に示されるように、集光体2の入射面側に各集光体2の外周を囲むように仕切り4が設けたことを特徴としている。この仕切り4は、集光体2の光軸と直交する断面が、集光体2の外周形状とほぼ一致するような円環形状を為しており、かつ集光体2側から光源1側の方向に延びて形成されている。すなわち、仕切り4は集光体2の光軸を中心軸とした円筒形状を為している。また仕切り4は、光を吸収、反射、もしくは拡散するような光学的効果及び透過性を有する材質で構成される。かかる材質として、例えば、黒色の樹脂、黒色の金属、黒色の塗料などを含む吸収体、あるいはミラー、白色の拡散反射性の樹脂、または、光拡散のために粗面加工を施した金属などの反射体を用いることができる。また、透過性を有する樹脂やガラスを用いてもよい。その場合は、その表面(特に内面)に粗面加工や微細パターン形成するような加工を施してもよいし、更にまた、透過性樹脂やガラスの内部に樹脂やガラス基材と異なる材質の微小ビーズを含有させてもよい。すなわち、仕切り4として、光散乱効果を有する透過体を用いることもできる。
集光ユニット3は、光照射側から見たときの外形形状がほぼ円形を為したベース部材31を有しており、ベース部材31の中央側に複数の集光体2と、各集光体2に対応する仕切り4が設けられている複数の集光体2(両凸レンズ)は、その一部が互いに接触して設けられてもよいし、互い接触しないように所定の間隔を以って離して配置されていてもよい。またベース部材31と集光体2は、同一の材質、例えばアクリル等の透過性樹脂で形成されていてもよい。これらを同一の透過性樹脂で成形する場合は、ベース部材31と集光体2を一体成型することができ、ベース部材31と集光体2を射出成型するのに好適である。またベース部材31と集光体2を一体成型としたとき、ベース部材31の平面部(集光体2の外側の板状の部分)に、図示しない筐体や光源基板10を取り付けるための孔や溝、位置決め用の孔や溝、更には筐体や光源基板10と集光ユニット3とを固定するための、例えばボスのような固定部を設けてもよい。また、ベース部材31、集光体2及び仕切り4を同一の透過性樹脂で一体的に成型してもよい。またベース部材31の集光体2以外の箇所には、ブラスト加工やエンボス加工などを施して、光拡散効果を持たせていてもよい。また、集光ユニット3を構成する透過性樹脂に拡散性ビーズなどを混入してベース部材31及び集光体2に光拡散効果を持たせてもよい。
ここで、本実施例における光学的動作について図2を参照しつつ説明する。光源1から出射した光束の内、光源1の光軸から、当該光源に対向するように配置された集光体2の外周縁までの範囲の光束L1(図2中実線の矢印で図示)は、集光体2の入射面、すなわち光源1側の面から入射する。入射された光束は、集光体2の入射面で屈折されて、例えば集光体2の光軸と略平行な方向となるようにその進行方向が変更される。そして、集光体2の内部を透過し、集光体2の出射面、すなわち照明装置の照射面側の面から出射する。集光体2の内部を通過した光束は、出射面でも屈折されて、例えば集光体2の光軸に向かうように、或いは集光体2の光軸と略平行な方向に進行方向が変更される。
このように、集光体2の光学特性(レンズ作用)によって光源1の配光分布が変換され、これにより照明装置の配光分布や照度分布を所望のものとすることができる。尚、ここでは、ある光源1の光放出面の中心軸と、集光体2の光軸とがほぼ一致している位置関係を「対向」すると呼ぶものとする。
一方、ある光源1からその光源1に対向する集光体2に向かわない光束、すなわち、ある光源1から、その光源1に対向する集光体に隣接する集光体(以下、これを「隣接集光体」と呼ぶ)2へ入射する光束である迷光L2(図2中点線の矢印で図示)は、意図しない方向に出射してしまう。これは、回転対称なレンズは、レンズの光軸からずれた位置から出射した光束と、レンズの光軸上から出射した光束を同時に同じ配光分布を持つように変換することができないことに起因する。
そこで本実施例では、ある光源1からの光束が隣接集光体に入射しないように、各集光体2の入射面側に仕切り4を設けている。従って、ある光源1から隣接集光体に向かう光束、すなわち迷光L2は、仕切り4に入射される。仕切り4に入射した光束は、仕切り4の光学特性(例えば反射特性)によって、隣接集光体に入射されることが阻止されるか、或いはその光量が低減される。これにより、迷光L2による照明装置の配光分布や照度分布が所望以外の分布になることを抑制することができる。このとき、例えば仕切り4が拡散透過の光学特性持たせれば、ある光源1からその光源1に対向する集光体2を囲う仕切り4に入射されたた光束は、仕切り4により散乱されて拡散光として出射される。この出射光の光束量は、光源1に対向した集光体2に入射した光束よりも比較的少なくして隣接集光体2に入射させることができる。更に、拡散効果によって迷光の出射位置を目立たなくすることができる。このため、仕切り4に拡散効果を持たせた場合でも、迷光L2による照明装置の照度分布や配光分布への影響を抑制する効果がある。
このように、ある光源1から隣接集光体に入射する光束(迷光L2)は、照明装置の所望の照度分布や配光分布を乱すノイズとなる不要な光であるが、本実施例の構成では、かかる迷光L2による影響を低減し、照明装置から出射される光束の配光分布や照度分布を改良する効果がある。
尚、図2の例では、仕切り4を集光ユニット3に一体化して成型している。これにより照明装置の部品を削減可能であり、組み立て性が改善する。勿論、仕切り4を集光ユニット3とは別の部材で構成してもよい。
仕切り4は、光源基板10の近傍まで伸びていてもよい。仕切り4の光軸と平行な方向の長さは、ある光源1からの光が隣接集光体が入射する可能性のある位置にまで伸びていることが望ましい。また仕切り4は、集光体2の全周に設けられていてもよいし、一部存在していなくてもよい。更に仕切り4の外壁面は、集光体2の境界部から光源1に向かう従い狭くなるようにテーパが設けられていてもよい。本実施例の集光ユニット3を射出成型する場合には、金型から抜き取りやすくするため、前記のテーパ形状になっていることが好ましい。
また、仕切り4を集光ユニット3に一体化して成型する場合において、集光体2の光学特性を損なわないようにするために、射出成型で材料を流し込む湯口となるゲートを仕切り4に設けてもよい。かかる構成は、集光ユニット3を、生産性に優れたプラスチック、例えばポリカーボネートやアクリルなどを用いて射出成形により製造する場合に好適である。
このように、本実施例によれば、小型でありながらも複数の光源を備えることで光量を確保しつつも、LEDからの光を比較的狭い或いは限定された範囲に集中的に光を照射でき、更に迷光を低減して良質な照度分布を実現することが可能なスポットライトやダウンライト等の照明装置、及びそれに用いられる集光ユニットを提供できる。更に仕切り4を集光ユニット3に一体化することで、更に組み立て性に優れた、製造が容易な効果を有するスポットライトやダウンライト等の照明装置、及びそれに用いられる集光ユニットを提供できる。
特に本実施例の構成は、光源1と集光ユニット3との相対距離を可変とした場合に特に有用である。しかしながら、本実施例は、光源1と集光ユニット3との相対距離を可変できない(すなわち固定とした)構成の照明装置にも適用可能であり、そのような構成であっても上述の効果を得られることは言うまでもない。
次に、図3〜図6を用いて本発明の第二の実施例の一構成例を説明する。ここで、図3は、第三の実施例に係る照明装置及び集光体ユニットの俯瞰図であり、図4及び図6は、当該照明装置及び集光体ユニットを2つの隣接する各集光体2の光軸を含む平面で切断した断面図であり、図5は、当該照明装置及び集光体ユニット3を、集光体2の光軸と集光ユニット3の中心軸を含む平面で切断した断面図である。
図3〜5に示されるように、本実施例に係る照明装置が第一の実施例と異なるのは、集光ユニット3又は集光体2の光入射面側と対向するように構造体5を配置するとともに、更に構造体5の仕切り4と対向する位置に光源1が収納可能な凹部51を設けた点である。仕切り4も含め、その他の点は第一の実施例と同じである。
構造体5は、例えば接着剤やネジ等で光源基板10に取り付けられて固定されている。ここで構造体5は、反射特性または拡散反射特性を持たせている。このために、構造体5または構造体5の凹部51の内壁面は、磨かれた金属、誘電体多層膜、金属蒸着などの正反射成分が強いミラー、もしくは、拡散反射性を有する樹脂、反射光が拡散するように表面が荒らされた金属などの反射体で構成されている。
また構造体5に設けられた凹部51は、各仕切り4と対になって設けられていることが望ましい。すなわち、各凹部51は、図3に示されるように仕切り41の外形に対応するように全体あるいは部分的な円形状となっている。また凹部51の底面側には光源基板10に実装された光源1が配置されており、凹部51の内壁面により光源1を取り囲むようにしている。図4、図5および図6に示されるように、各凹部51は、光源1と集光ユニット3との相対距離を短くしたときに仕切り4が凹部51に収納可能なように、仕切り4の外径よりも大きな直径を有する円形をしている。凹部51に仕切り4が収納されている様子が図6に示されている。
本実施例の構成において、光源1から出射した光束のうち、光源1の光放出面の中心軸から離れた方向の光束、すなわち中心軸に対して直交する方向に進行する光束(迷光)は、構造体5に設けられた凹部51の内壁面に入射される。この構造体5に設けられた凹部51の内壁面に入射した光束は、構造体5または凹部51の内壁面の光学特性によって照明装置の照度分布への影響を抑制することができる。例えば、構造体5または凹部51の内壁面が光を拡散反射する光学特性を有する場合、光源1から凹部51の内壁面に入射した光束は、散乱され、拡散光として凹部51の内側に反射される。従って、ある光源1の光放出面の中心軸に対して直交する方向に進行する光束が、凹部51の内壁面によって、隣接集光体に入射されることが阻止される。また、凹部51の内壁面で反射された光の光量は、光源1に対向した集光体2に直接的に入射された光束よりも比較的少なく、また拡散効果によって出射光の位置が目立たなくなるため、照明装置の照度分布や配光分布への影響を抑制することができる。この構造体5の凹部51の内壁面に、拡散反射作用に代えて正反射作用を持たせてもよい。
続いて、光源1と集光ユニット3との相対距離(間隔)可変としたときの光学的作用について説明する。集光体2と光源1の間隔は、照明装置の配光分布や照度分布と相関がある。例えば、集光体2の光源1側の焦点が光源1の位置と略一致しているとき最も配光分布が狭く、集光体2と光源1の間隔が短くなれば配光分布は広くなる。このように、集光体2と光源1の間隔を変化させると、配光分布や照度分布も変化する。つまり、同じ部品を使用しながら、照明装置の光学特性を変化させることが可能である。
このとき、光源1と集光ユニット3との相対距離(間隔)が短いときは、図6に示されるように仕切り4が凹部51に収納され、光源1の側面(発光面と垂直な面)と対向する位置を含む光源1の周囲が仕切り4により囲まれる。このため、光源1の光軸と直交する方向に出射される大きい出射角の光(迷光)が、仕切り4の反射あるいは拡散反射作用によって隣接集光体に入射されることが阻止される。
一方、光源1と集光ユニット3との相対距離(間隔)が長いときは、図4または図5に示されように、光源1の周囲が仕切り4により囲まれれなくなる。しかしながら、図4または図5に示されように、仕切り4に代わって、構造体5の凹部51の内壁面が光源1の周囲を囲むようになる。このため、光源1の光軸と直交する方向に出射される大きい出射角の光(迷光)が、凹部51の内壁面の反射或いは拡散反射作用によって隣接集光体に入射されることが阻止される。光源1から構造体5の凹部51の内壁面に向かう光よりも出射角が小さいながらも隣接集光体に向かう光は、上述のように仕切り4の反射或いは拡散反射作用によって当該集光体2への入射が阻止される。
このように、本実施例であれば、集光体2と光源1との間隔を変化させたとき、光源1と対向する集光体2へ入射しなかった光束(迷光)が発生しても、仕切り4或いは構造体5の凹部51の内壁面によって当該迷光が隣接集光体へ入射されることを抑制し、良質な照度分布と配光分布を得ることができる。また本実施例であれば、仕切り4の形状を変更することなく、仕切り4と対向して設けられた構造体5の凹部51の形状や深さを適宜変更することによってストローク長(光源1に対する集光ユニット3の摺動距離)を延ばすことができ、照明装置の光学特性の変更範囲を拡大する効果がある。特に集光体2と光源1との間隔を短くして配光分布を広げたい場合に有用である。さらに、仕切り4と構造体5に設けられた凹部51とを、各部品の位置決めや取り付けの際に利用してもよい。
このように、ある光源1から隣接集光体に入射して照明装置から出射した光束は、照明装置の照度分布や配光分布を乱すノイズとなる不要な光であるが、本実施例の構成によれば、迷光の影響を低減できる。従って、本実施例によれば、より迷光を抑制して好適な照度分布や配光分布を得ることが可能なスポットライトやダウンライト等の照明装置、及びそれに用いられる集光ユニットを提供できる。特に本実施例の構成は、光源1と集光ユニット3との相対距離を可変とした場合に特に有用である。しかしながら、本実施例は、光源1と集光ユニット3との相対距離を可変できない(すなわち固定とした)構成の照明装置にも適用可能であり、そのような構成であっても上述の効果を得られることは言うまでもない。
次に、図7及び図8を用いて本発明の第三の実施例の一構成例を説明する。ここで、図7及び図8は、第三の実施例に係る照明装置及び集光体の、2つの隣接する集光体2の光軸を含む平面で切断した断面図を示している。
本実施例が第二の実施例と異なる点は、構造体5に、凹部52の他に、仕切り4の形状と相似する溝部53を設けた点である。構造体5の構成及び光学作用は実施例2に説明したものと同様なものであり、ここでの説明は省略する。
本実施例では、構造体5に、光源1を収納する凹部52と、仕切り4の光軸と直交する断面形状と相似する、すなわち円環状の溝部53が形成されている。ここで凹部52は、仕切り4の内径よりも小さな径を有する円形を為しており、各集光体2に設けられた仕切り4にそれぞれ対応して設けられている。また凹部52の底面側に光源1が配置されており、凹部52の内壁面により光源1はを取り囲むようにしている。
一方、溝部53は上記のように円環状を為しており、図示のように凹部52の周囲を取り囲むように形成されている。また溝部53は光源1と集光ユニット3との相対距離を短くしたときに仕切り4が溝部52に挿入或いは収納可能となっている。図8は、仕切り4が溝部52に挿入或いは収納されている様子を示している。
本実施例では、凹部52の径が集光体2の径よりも小さいため、凹部52で反射された光を集光体2の範囲内に集光することが容易となる。かかる集光をより効率よく行うために、凹部52の内壁面は、図示されるように光源1側から集光体2側に向かって開くように傾斜されている。すなわち光源1から構造体5に向かう光束は、凹部52の内壁面によって集光体2側へ反射されるようになっている。
本実施例の構成において、光源1から出射した光束のうち、光源1の光放出面の中心軸から離れる方向の光束、すなわち中心軸に対して直交する方向に進行する光束(迷光)は、構造体5の形成された凹部52の内壁面に入射され、当該内壁面で凹部52の内側或いは対向する集光体2へ反射される。従って、ある光源1の光放出面の中心軸に対して直交する方向に進行する光束が、凹部52の内壁面によって、隣接集光体に入射されることが阻止される。
このとき、構造体5または凹部52の内壁面が拡散反射性を有する場合、構造体5または凹部52の内壁面に入射された光束は、構造体5の凹部52の内壁面で散乱反射されて対向する集光体2に向かう。このため、凹部52の内壁面は、光源1とは別に発光している状態、すなわち二次光源となっているような光学的な性質を示すことになる。その結果、光源1から対向する集光体2に向かわずに構造体5に向かう光束は、光源1周囲にある凹部52の内壁面上に発生した二次光源からの光線として、当該対向集光体2へ導かれる。したがって、集光体2への入射光束が増加し、照明装置の出射光束を増加させる効果がある。
また、構造体5の凹部52の内壁面が強い正反射性を有するミラーの場合、凹部52の内壁面に入射された光束は、その内壁面で正反射されて集光体2へ入射する。このように、凹部52の内壁面がミラーの場合、当該ミラーにより形成された光源1の虚像を発光源として、凹部52の内壁面による反射光を利用することができる。
前記反射光を集光体2に入射するように、上述のように凹部52の内壁面を、凹部52の径が光源1側から対向する集光体2側に向かって広がるように傾斜面(テーパ状)とすることが好ましい。これ以外にも、例えば、凹部52の内壁面に集光性能を持たせるために、凹部52の内壁面を、光源1の近傍に焦点を持つ楕円、放物面のような二次曲面形状としてもよい。かかる構成であれば、集光体2への入射光束を効率的に増加させられるため、照明装置の出射光束を増加させる効果がある。
かかる本実施例の構成によれば、光源1から構造体5に向かう光を凹部52の内壁面で拡散反射或いは正反射してその大部分を集光体2に向かわせることができる。すなわち、本実施例によれば光の利用効率を高めることができ、実施例2に比べて照明装置の出射光束を増加させることができる。
また、本実施例では、構造体5に、光源1の近傍の凹部52と、仕切り4に対向する位置に配置される溝部53が設けられている。このため、構造体5が反射性の材質で構成されるとき、仕切り4の形状に制約されずに、照明装置の出射光束量を増加させるために好適な凹部52の形状を決定或いは設定することができる。
また本実施例では、光源1と集光ユニット3との相対距離(間隔)が長い場合でも短い場合でも、ある光源1から隣接集光体へ向かう光は、仕切り4及び構造体5に形成された凹部52の内壁面の両方の反射または拡散反射作用によって、集光体2への入射が阻止される。また本実施例であれば、仕切り4の形状を変更することなく、仕切り4と対向して設けられた構造体5の溝部53の形状や深さを適宜変更することによってストローク長(光源1に対する集光ユニット3の摺動距離)を延ばすことができ、照明装置の光学特性の変更範囲を拡大する効果がある。特に集光体2と光源1との間隔を短くして配光分布を広げたい場合に有用である。さらに、仕切り4と構造体5に設けられた溝部53とを、各部品の位置決めや取り付けの際に利用してもよい。
このように、本実施例は、迷光を抑制して好適な照度分布や配光分布が可能であり、組み立て性に優れ製造が容易であり、かつ出射効率を更に高めたスポットライトやダウンライト等の照明装置、及びそれに用いられる集光ユニットを提供できる。尚、本実施例も、光源1と集光ユニット3との相対距離を可変できない(すなわち固定とした)構成の照明装置にも適用可能であり、そのような構成であっても上述の効果を得られることは言うまでもない。その場合、溝部53は設けても設けなくてもよい。
次に、図9〜図11を用いて本発明の第四の実施例の一構成例を説明する。ここで、図9は、第四の実施例に係る照明装置及び集光体の俯瞰図を示しており、図10及び図11は、当該照明装置及び集光体ユニットの2つの隣接する集光体2の光軸を含む平面で切断した断面図を示している。
本実施例が第一〜第三の実施例と異なる点は、第一〜第三の実施例は仕切り4が集光ユニット3に設けられていたのに対し、本実施例では、仕切り4が構造体5に備えられている点である。その他の点は、前述の実施例と同じである。尚、構造体5の凹部52は、第三の実施例のものと同じであるものとする。
本実施例において、仕切り45は光源基板10に実装された光源1を取り囲むように構造体5に設けられており、構造体5側から集光体2側に向かって延びて形成されている。すなわち仕切り45は光源1を囲うような円筒形状を為している。ここで、仕切り45と構造体と5を例えば同一の熱可塑性樹脂により射出成形を利用して成型すれば、仕切り4と構造体5とを一体化して製造することができる。勿論、仕切り45と構造体5とを一体化しなくてもよい。例えば、構造体5と仕切り45を別々に製造し、これらを例えば嵌合や接着などの手法を用いて互いに結合して製造してもよい。かかる製造方法は、構造体5とパーティション45の形状が複雑で一体成型が困難である場合に有効である。
仕切り45は、前記実施例に記載した、ある光源1から当該光源1に対向しない位置の集光体2へ光束(迷光)が入射されることを防ぎ、迷光による照明装置の配光分布や照度分布への影響を抑制する効果を有する。更に、本実施例では、構造体5にパーティション4が設けられるため、集光ユニット3を軽量化できる効果がある。従って、本実施例の構成によれば、迷光を抑制する効果を有しながら、集光ユニット3を軽量化できるため、集光ユニット3を保持する構成の簡素化、もしくは照明装置を使用する際の扱い易さを向上させることができる。特に照明装置が集光対2と光源1との相対的な距離を可変させる機構を有する場合において、集光ユニット3の重量が軽い方が、集光ユニット3をその中心軸と平行な方向に手動により摺動させる際に必要な力を低減することができる。加えて、上記可変機構が満足すべき機械的強度などの性能も緩和させることができる。
また、集光ユニット3の、構造体5に設けられた仕切り45と対向する位置に、仕切り45が挿入或いは収納可能な溝部81が形成されている。この溝81には、集光体2と光源1との相対的な距離を短くする際に、仕切り45が挿入される。図11は、仕切り45が溝部81に挿入或いは収納されている様子を示している。
図11に示されるように、光源1と集光ユニット3との相対距離を短い場合は仕切り45が溝部81に挿入或いは収納されるため、仕切り45の先端と集光ユニット3との間隔を無くすことができる。よって、光源1と集光ユニット3との相対距離を短い場合は、ある光源1から隣接集光体へ迷光が入射されることがより好適に阻止され、当該迷光が配光分布や照度分布に与える影響を抑制することができる。
一方、光源1と集光ユニット3との相対距離が長い場合は、図10に示されるように、仕切り45の先端と集光ユニット3との間隔が生じるが、上記溝部81の内壁面によりある光源1から隣接集光体へ迷光が入射されることが阻止される。つまり、図10〜図11から明らかなように、溝部81の内壁面に対する迷光の入射角は大きいため、特に溝部81の内壁面を鏡面加工にすれば、溝部81の内壁面は迷光を全反射することとなる。よって、ある光源1から隣接集光体へ向かう迷光は溝部81の内壁面で全反射されて当該光源1に対向する集光体2に戻されることになる。すなわち、本実施例では、仕切り45と溝部81の内壁面によりある光源1から隣接集光体へ光が入射することを阻止している。溝部81の内壁面は拡散反射作用を持たせてもよい。
このように、本実施例では、光源1と集光ユニット3との相対距離(間隔)が長い場合でも短い場合でも、ある光源1から隣接集光体へ向かう光は、仕切り45及び集光ユニット3に形成された溝部81の内壁面の両方の反射または拡散反射作用によって、隣接集光体への入射が阻止される。また本実施例であれば、仕切り45の形状を変更することなく、仕切り45と対向して設けられた集光ユニット3の溝部81の形状や深さを適宜変更することによってストローク長(光源1に対する集光ユニット3の摺動距離)を延ばすことができ、照明装置の光学特性の変更範囲を拡大する効果がある。特に集光体2と光源1との間隔を短くして配光分布を広げたい場合に有用である。さらに、仕切り45と集光ユニット3に設けられた溝部81とを、各部品の位置決めや取り付けの際に利用してもよい。
更にまた本実施例では、集光ユニット3に仕切り4を設けないことによる集光ユニット3を軽量化でき、さらに集光体2に溝部81を設けているため、更なる軽量化の効果が得られる。集光ユニット3に設けられる溝部81は、出射面側から光源1側の入射面にかけて広がるテーパ形状でもよい。また溝部81の内壁面に拡散加工を施してもよい。拡散加工を施した場合には、隣接する集光体2の間で直線光が入り乱れることを防止し、明瞭な照度分布のパターンの発生を抑える効果がある。
このように、本実施例は、迷光を抑制して好適な照度分布や配光分布を得ることができ、所望の配光特性やつつも出射効率を更に高め、かつ集光ユニット3を軽量化して取扱い易さを向上させたスポットライトやダウンライト等の照明装置、及びそれに用いられる集光ユニットを提供できる。
次に、図12を用いて本発明の第五の実施例の一構成例を説明する。図12は、上記実施例で説明した照明装置を電球装置に使用したLED電球装置の一例を示しており、かかるLED電球は、第一の実施例〜第四の実施例のいずれかで説明した照明装置(本例では第三の実施例の照明装置)を備え、更に、取り付けリング61、口金63を有して構成されている。
筐体62は、その下方側端部から上方端部に向かって径が大きくなる形状を有しており、下方側端部に口金63が設けられ、上方端部には例えば第四の実施例で示された4つの光源(LED)1が実装された光源基板10が配置される。筐体62は光源基板10へ電力を供給するための電源回路を内包しており、図示しないソケットにねじ込まれた口金63からの電力は、電源回路を介して光源基板10に実装された光源1や電気回路等に供給される。
取り付けリング61は環状を為しており、集光ユニット3及び筐体62の光源基板10の取付け部の外周側面を囲うように保持することで集光ユニット3を筐体62に固定するための部材である。その材質はデザインによるが、光を透過させて発光するように透明な樹脂を利用してもよいし、光をレンズ体から多く出射させるために、取り付けリング61の内部を反射性の高い材質でコーティングすることも出来るし、内面が反射性を持つ金属で構成していてもよい。集光ユニット3の取り付け構成によっては、取り付けリング61は省略されていてもよい。また筐体62は放熱性が良いアルミなどの金属で構成されていてもよい。もし光源基板10へ供給される電力が少なく放熱性が重要視されない場合には金属以外の材質で構成されていてもよい。
また、本実施例では、取り付けリング61に上記実施例で説明した照明装置を結合するとともに、取り付けリング61の内壁面に照明装置の中心軸と平行な方向に延びる突起(図示せず)を設けている。更に、取り付けリング61よりも小さく構造体5に結合された内側リング121の外壁面に、照明装置の中心軸と平行な方向に延び、かつ取り付けリング61の突起と嵌合される案内溝を形成する。そして、照明装置が結合された取り付けリング61を上記案内溝に沿って照明装置の中心軸と平行な方向に摺動させることで、光源1と集光体2との相対的距離を可変させることができる。このとき、取り付けリング61または内側リング121には、摺動が所定範囲内に収まるようにストッパーが設けられている。光源1と集光体2との相対的距離を可変させるための機構は、上記のものに限らず、他の構成も利用することができることは言うまでもない。
このように、本実施例によれば、迷光を抑制した良質な配光分布、および照度分布を有する照明装置を電球装置として利用することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。たとえば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。