JP2014123041A - 光学素子および光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、遮光膜が剥離し難く、光学面の外周領域が良好な外観を有する光学素子を提供する。
【解決手段】 光学有効面と前記光学有効面の外側の外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子において、前記コバ面及び前記外周領域には、遮光膜が形成されており、前記外周領域の光学面と前記遮光膜との間には、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有した中間膜が形成されており、前記光学有効面には、フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜が形成されていることを特徴とする光学素子
【選択図】図1
【解決手段】 光学有効面と前記光学有効面の外側の外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子において、前記コバ面及び前記外周領域には、遮光膜が形成されており、前記外周領域の光学面と前記遮光膜との間には、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有した中間膜が形成されており、前記光学有効面には、フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜が形成されていることを特徴とする光学素子
【選択図】図1
Description
本発明は、遮光膜と反射防止膜を有する光学素子及びその製造方法に関する。
カメラや放送機器等の光学機器に使用されるレンズやプリズム等の光学素子においては、光学素子への入射光が内面反射等を起こすことでフレアやゴーストが発生する。従来からフレアやゴーストの原因となる光学素子の内面反射を防止するため、光学素子のコバ面に塗膜を形成する技術が知られている。例えば、特許文献1には、樹脂材料に非黒色無機微粒子と染料とを含有させて成る遮光膜を有する光学素子が記載されている。この構成によれば、非黒色無機微粒子によって遮光膜の屈折率を高め、光学素子との屈折率差による反射を低減すると共に、遮光膜内に入射した光を染料によって吸収させることが出来る。
一方、光学素子の研磨面は光学有効面とその外側の外周領域とから成るが、この研磨面とコバ面とのエッジを見えないようにするため、遮光膜をコバ面だけでなく、研磨面の外周領域にも形成することが知られている。
しかしながら、本発明者は、このような構成において、以下のような課題があることを見出した。多くの光学素子において、光学有効面を通過する光の反射を防止するため、研磨面には反射防止膜が形成されている。このような反射防止膜のうち、図2に示すように、フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜2上に遮光膜4を形成した場合には、遮光膜の剥離が生じる、及び、外周領域の外観が悪くなるといった課題が生じる。この理由はそれぞれ、フッ化マグネシウムが遮光膜に用いる遮光塗料に対する溶解度が低いため、及び、屈折率が低いフッ化マグネシウム上に遮光膜が成膜された場合に屈折率差が大きくなり、レンズ内面から見た場合に外周領域が白色のリングに見えるためである。
これに対し、上記の課題を解決する方法としては、研磨面のうち、光学有効面にのみ反射防止膜を形成する方法が考えられるが、製造工程が煩雑になるという新たな課題が生じる。
本発明は、遮光膜が剥離し難く、外周領域が良好な外観を有する光学素子を、簡単な工程で製造する方法、及びこの方法によって製造された光学素子を提供することを目的とするものである。
本発明は、光学有効面と前記光学有効面の外側の外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子において、前記コバ面には、遮光膜が形成されており、前記外周領域には、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有した中間膜の上に、前記遮光膜が積層されており、前記光学有効面には、フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜が形成されていることを特徴とする光学素子に関する。
また、本発明は、光学有効面と前記光学有効面の外側に外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子の製造方法において、前記光学面に、フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜を形成する工程と、前記外周領域に、第1のモノマーと酸発生型の光カチオン重合開始剤とを含有する塗料を塗布する工程と、前記外周領域と前記コバ面に、遮光塗料を塗布する工程と、前記外周領域に光を照射して、前記酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸と前記反射防止膜を反応させる工程と、を有し、前記第1のモノマーと酸発生型の光カチオン重合開始剤とを含有する塗料は、前記第1のモノマー100質量部に対して、前記酸発生型の光カチオン重合開始剤を5乃至20質量部含有することを特徴とする光学素子の製造方法に関する。
本発明によれば、遮光膜が剥離し難く、光学面の外周領域が良好な外観を有する光学素子を提供することが出来る。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の光学素子は、光学有効面と光学有効面の外側の外周領域とを有する光学面、及びコバ面を有している。本発明の光学素子は、コバ面には遮光膜が形成されており、光学有効面にはフッ化マグネシウムを含有する反射防止膜が形成されている。外周領域には、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有する中間膜の上に、反射防止膜が積層されていることを特徴とする。
(光学素子)
図1は、本発明の光学素子の一実施形態を示す概要図である。
図1は、本発明の光学素子の一実施形態を示す概要図である。
図1の光学素子(レンズ)は、光学素子1の光学有効面に、反射防止膜2が形成されている。また、外周領域の光学面には、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有する中間膜の上に、遮光膜が積層された積層膜3が形成されている。コバ面には、遮光膜4が形成されている。本明細書において、遮光膜とは、フレアやゴーストの発生を防止するために光学素子の外周部に設ける膜をいう。遮光膜は、フレアやゴーストの原因となる迷光に対して、内部反射を防止するとともに吸収することにより遮光する。また、本明細書において、コバ面とは、レンズの端面のことをいう。
本発明は、レンズ、プリズム、回折格子等の光学素子に用いることができる。これらの中で、レンズに用いることが好ましい。本発明は、屈折率が1.70以上2.20以下の高屈折のレンズに特に好適に用いることができる。
(中間膜)
中間膜は、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有している。
中間膜は、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有している。
中間膜は、第1のバインダー樹脂を含有していることが好ましい。第1のバインダー樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましい。光硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。ここで、エポキシ樹脂は単独で用いても、他の種類の樹脂と混合して用いても良い。
酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩およびフェロセン類等を用いることができる。
具体的には、スルホニウム塩系の酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
ヨードニウム塩系の酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
ヨードニウム塩系の酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
ホスホニウム塩系の酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、エチルトリフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
ジアゾニウム塩系の酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
アンモニウム塩系の酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
フェロセン系の酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
本発明に用いる酸発生型の光カチオン重合開始剤は、紫外線等のエネルギー線の照射により変化し、酸が発生し、カチオン重合を開始させる物質を生成する化合物であり、塩酸や硝酸などのように最初から酸の形態をとっている化合物は含まれない。
外周領域に形成された中間膜は、光学素子1と接触して形成されていることが好ましい。つまり、外周領域の光学面上に直接、中間膜が形成されていることが好ましい。外周領域に形成された中間膜と光学面とが接触することにより、遮光膜が剥離し難くなる。
外周領域に形成された中間膜と光学面とが接触して形成されていることは、次の分析方法により確認することができる。外周領域に形成された中間膜と光学素子界面について、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察を行う。中間膜が光学素子面に接している場合は、SEM画像より光学素子と遮光膜の間に反射防止膜は観察されない。
外周領域に形成された中間膜と光学面とが接触して形成されていることは、次の分析方法により確認することができる。外周領域に形成された中間膜と光学素子界面について、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察を行う。中間膜が光学素子面に接している場合は、SEM画像より光学素子と遮光膜の間に反射防止膜は観察されない。
(遮光膜)
本発明の遮光膜は、第2のバインダー樹脂、無機微粒子および染料を含有していることが好ましい。
本発明の遮光膜は、第2のバインダー樹脂、無機微粒子および染料を含有していることが好ましい。
第2のバインダー樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。第2のバインダー樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂から選ばれる樹脂を用いることが好ましい。これらの中で、エポキシ樹脂を用いることがより好ましい。これらの樹脂は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。
染料は、有機染料を用いることが好ましい。有機染料としては、波長400nmから700nmの可視光を吸収し、溶媒に溶解可能な材料であればよく、また染料に区分されない有機物も含む。波長400nmから700nmにおける最大吸収率と最小吸収率の比を0.7以上にするために、染料は1種類であっても良いし、黒色、赤色、黄色、青色など数種類の染料を混合して吸収波長を調整しても良い。
染料の種類としては、色の種類が豊富なアゾ染料が好ましいが、アントラキノ染料、フタロシアニン染料、スチルベンゼン染料、ピラゾロン染料、チアゾール染料、カルボニウム染料、アジン染料であってもよい。また、耐光性、耐水性、耐熱性などの堅牢性が増すので、クロムなどの金属を含む染料が好ましい。
無機微粒子は、屈折率が2.1以上2.71以下であることが好ましい。屈折率が2.1以上2.71以下とすることで、遮光膜の屈折率を高くすることができる。
無機微粒子としては、酸化チタン(TiO2、屈折率:2.71、比重:4.2〜4.3)、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率:2.10、比重:5.5)、酸化セリウム(CeO2、屈折率:2.20、比重:7.1)、酸化錫(SnO2、屈折率:2.00、比重:7.0)を用いることが好ましい。これらの中で、酸化チタンを用いることがより好ましい。
レンズ等の光学素子において、内面反射は、光学部材の界面(遮光膜が設けられている場合は、光学部材と遮光膜との界面)における屈折率差によって発生する。このため光学部材の表面に遮光膜が設けられている場合は、光学部材と遮光膜との屈折率差を小さくする必要がある。例えば、エポキシ樹脂の屈折率は1.55〜1.61であり、レンズの屈折率が1.85である場合は、エポキシ樹脂に屈折率の高い材料を混合させることで遮光膜の屈折率を1.80程度までに高くする必要がある。このようにして遮光膜の屈折率を光学素子の屈折率に近づけることにより、遮光膜とレンズとの界面において内面反射が起こりに難くなる。
遮光膜の屈折率は、1.70以上2.00以下であることが好ましい。また、遮光膜の屈折率と光学素子の屈折率の差は、0.00以上0.20以下が好ましい。
(反射防止膜)
本発明の光学素子の光学有効面には、反射防止膜が形成されている。
本発明の光学素子の光学有効面には、反射防止膜が形成されている。
反射防止膜は、フッ化マグネシウムを含有している。フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜としては、フッ化マグネシウム膜やフッ化マグネシウムの中空粒子を含有する膜を用いることができる。
(光学素子の製造方法)
本発明の光学素子の製造方法は、光学有効面と光学有効面の外側に外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子の製造方法に関する。本発明の光学素子の製造法は、光学面に反射防止膜を形成する工程と、光学面の外周領域に酸発生型の光カチオン重合開始剤を含有する塗料3を塗布する工程と、外周領域とコバ面に遮光塗料4を塗布する工程と、を有する。その後、外周領域に光を照射して、酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸と反射防止膜を反応させる工程とを有する。(図3)
本明細書において、塗料とは、刷毛等で塗布されるものに限らず、被膜を形成する材料を飛滴等の形態で堆積させるものも包含する。
本発明の光学素子の製造方法は、光学有効面と光学有効面の外側に外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子の製造方法に関する。本発明の光学素子の製造法は、光学面に反射防止膜を形成する工程と、光学面の外周領域に酸発生型の光カチオン重合開始剤を含有する塗料3を塗布する工程と、外周領域とコバ面に遮光塗料4を塗布する工程と、を有する。その後、外周領域に光を照射して、酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸と反射防止膜を反応させる工程とを有する。(図3)
本明細書において、塗料とは、刷毛等で塗布されるものに限らず、被膜を形成する材料を飛滴等の形態で堆積させるものも包含する。
(反射防止膜を形成する工程)
反射防止膜を形成する工程では、プラズマ中のイオンをターゲット表面に衝突させ、ターゲット原子を弾き出すことにより所望の薄膜を基板上に形成するスパッタ法や、高温空間あるいはプラズマや光等により活性化された空間における化学反応を利用して所望の薄膜を形成するCVD法、電子ビームやヒーターで薄膜物質を加熱し、蒸発させることにより所望の薄膜を基板上に形成する真空蒸着法等により反射防止膜を形成することができる。
反射防止膜を形成する工程では、プラズマ中のイオンをターゲット表面に衝突させ、ターゲット原子を弾き出すことにより所望の薄膜を基板上に形成するスパッタ法や、高温空間あるいはプラズマや光等により活性化された空間における化学反応を利用して所望の薄膜を形成するCVD法、電子ビームやヒーターで薄膜物質を加熱し、蒸発させることにより所望の薄膜を基板上に形成する真空蒸着法等により反射防止膜を形成することができる。
(重合開始剤を含有する塗料を塗布する工程)
重合開始剤を含有する塗料を塗布する工程では、外周領域に、第1のバインダー樹脂を形成するモノマーと酸発生型の光カチオン重合開始剤とを含有する塗料を塗布する。図4に示すように、重合開始剤を含有する塗料13を微量塗布装置により、光学素子1の外周部に1.0mm以内の線幅で形成する。
重合開始剤を含有する塗料を塗布する工程では、外周領域に、第1のバインダー樹脂を形成するモノマーと酸発生型の光カチオン重合開始剤とを含有する塗料を塗布する。図4に示すように、重合開始剤を含有する塗料13を微量塗布装置により、光学素子1の外周部に1.0mm以内の線幅で形成する。
重合開始剤を含有する塗料は、バインダー樹脂を形成する第1のモノマー、酸発生型の光カチオン重合開始剤、及び溶媒を含有していることが好ましい。
バインダー樹脂を形成する第1のモノマーとしては、分子内に一個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が使用できる。
具体的なエポキシ化合物としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂(例えばフェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂)、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等を用いることができる。
酸発生型の光カチオン重合開始剤は、バインダーを形成する第1のモノマーを重合させ、且つ反射防止膜に含有するフッ化マグネシウムを溶解する。酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、上記のものを用いることができる。
これら酸発生型の光カチオン重合開始剤の添加量は、第1のモノマーに対して、5乃至20質量%であることが好ましく、10乃至15質量%であることがより好ましい。すなわち、重合開始剤を含有する塗料は、第1のモノマー100質量部に対して、酸発生型の光カチオン重合開始剤を5乃至20質量部含有することが好ましく、10乃至15質量部含有することがより好ましい。
重合開始剤を含有する塗料で用いられる溶媒としては、トルエン、酢酸ブチル、酢酸エチル、MIBK、アセトン、MEK、1−ブタノール、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル/PGME、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト/PGMEA、及び上記2種以上の混合溶媒が挙げられる。
(遮光塗料を塗布する工程)
遮光塗料を塗布する工程は、外周領域とコバ面に、遮光塗料を塗布する。図5に示されるように、黒色の遮光塗料14を微量塗布装置により、光学部材コバ部と外周領域に塗布する。
遮光塗料を塗布する工程は、外周領域とコバ面に、遮光塗料を塗布する。図5に示されるように、黒色の遮光塗料14を微量塗布装置により、光学部材コバ部と外周領域に塗布する。
遮光塗料は、バインダー樹脂を形成する第2のモノマー、無機微粒子および染料を含有することが好ましい。第2のモノマーは、分子内に一個以上のエポキシ基を有し、重合してエポキシ樹脂を形成することが好ましい。第2のモノマーを重合して形成される樹脂は、光を透過し難いので、熱硬化性樹脂であることが好ましい。第2のモノマーを重合して形成される樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、光を照射する工程の後に、加熱して第2のモノマーを重合する。
(光を照射する工程)
光を照射する工程では、外周領域に光を照射して、酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸と反射防止膜に含まれるフッ化マグネシウムを反応させる。
光を照射する工程では、外周領域に光を照射して、酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸と反射防止膜に含まれるフッ化マグネシウムを反応させる。
図6に示されるように光学部材の上面から紫外線照射を行い、散乱板により紫外線を拡散させ、外周領域の遮光塗料13を硬化させる。
遮光塗料13に光を照射すると、酸発生型カチオン系重合開始剤から酸を発生させ、密着力低下の原因であるフッ化マグネシウムを含有する反射防止膜を第一の遮光塗料13に取り込む。反射防止膜2を外周領域の積層膜3に取り込むことにより、遮光膜の密着性を向上させ、且つ屈折率差から生じていたリングを低減することが出来る。
その結果、遮光膜形成後の超音波洗浄により剥離することなく、且つ外観上の課題である遮光膜と反射防止膜の屈折率差から生じる白色のリングが低減し、良好な外観を示す光学素子を製造できる。
以下、実施例により光学素子および光学素子の製造方法について説明する。
まず、実施例の評価は、以下の方法で行った。
(密着力)
密着力はプルオフ法 (JIS K5600−5−7)により測定した。遮光膜の密着力測定方法はプルオフ式付着性試験機を用いた。具体的には円筒形の金属面を塗膜面に接着剤で固着し、接着剤が硬化後に前記円筒形の金属を引っ張り、塗膜が剥がれるのに必要な力(密着力)を測定した。(塗膜剥離)
遮光膜の塗膜剥離は、遮光膜と光学素子(レンズ)の界面を目視観察することにより行った。塗膜剥離が見られないものを良好(○)として、塗膜剥離が見られるものを不良(×)として評価した。
密着力はプルオフ法 (JIS K5600−5−7)により測定した。遮光膜の密着力測定方法はプルオフ式付着性試験機を用いた。具体的には円筒形の金属面を塗膜面に接着剤で固着し、接着剤が硬化後に前記円筒形の金属を引っ張り、塗膜が剥がれるのに必要な力(密着力)を測定した。(塗膜剥離)
遮光膜の塗膜剥離は、遮光膜と光学素子(レンズ)の界面を目視観察することにより行った。塗膜剥離が見られないものを良好(○)として、塗膜剥離が見られるものを不良(×)として評価した。
(クラックの発生)
作成した光学素子の遮光膜と光学素子(レンズ)との界面の状態を目視観察することで判断した。レンズのクラック起因である白点(150μm2以上)が観察されない場合には良好(○)として、観察された場合には不良(×)とした。
作成した光学素子の遮光膜と光学素子(レンズ)との界面の状態を目視観察することで判断した。レンズのクラック起因である白点(150μm2以上)が観察されない場合には良好(○)として、観察された場合には不良(×)とした。
(リングの発生)
作成した光学素子をレンズ凸面が下になるように設置し、レンズ内面から外周領域を目視してリングが見えるか観察した。外周領域の遮光膜を見たときに、白いリングが確認できないものを良好(○)、出来るものを不良(×)とした。
作成した光学素子をレンズ凸面が下になるように設置し、レンズ内面から外周領域を目視してリングが見えるか観察した。外周領域の遮光膜を見たときに、白いリングが確認できないものを良好(○)、出来るものを不良(×)とした。
(実施例1)
光学レンズ(LAH−53、オハラ社製)に、蒸着法で、フッ化マグネシウム(MgF2)を蒸発させ、膜厚約100nmのフッ化マグネシウム薄膜を作製した。
光学レンズ(LAH−53、オハラ社製)に、蒸着法で、フッ化マグネシウム(MgF2)を蒸発させ、膜厚約100nmのフッ化マグネシウム薄膜を作製した。
実施例1で外周領域に塗布する重合開始剤を含有する塗料13は、酸発生型カチオン重合開始剤の濃度がエポキシ樹脂モノマーに対して、10質量%の場合である。
まず、重合開始剤を含有する塗料13の調製方法の実施例を説明する。
表1に示すように、重合開始剤を含有する塗料13の光硬化性樹脂を形成する第1のモノマーとしては、エポキシ樹脂モノマー(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)(製品名:アデカオプトマーKR/アデカ製)20.0g、酸発生型カチオン重合開始剤(スルホニウム塩系カチオン重合開始剤)2.0g、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を10g秤量する。
これらの原料を遊星回転方式の混合・分散装置(商品名:泡とり練太郎/シンキー製)の250ml専用容器中で分散させる。混合及び分散時間は10分間である。
次に遮光塗料14の調製方法の実施例を説明する。
表1に示すように、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を形成するための第2のモノマー(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)(製品名:jER828/三菱化学製)6.1g、及び弾性エポキシ樹脂モノマー(変性エポキシ樹脂)(EXA−4850−150/DIC製)24.5gと、色素材として染料(製品名:VALIFAST/オリエント化学製)を26.3g、無機微粒子としてTiO2を25質量%含有したチタニアスラリー(製品名:ND139/テイカ製、分散溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME))29.4g、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)10gを秤量する。これらの原料を遊星回転方式の混合・分散装置(商品名:泡とり練太郎/シンキー製)の250ml専用容器中で分散させる。混合及び分散時間は20分間である。
前述の混合・分散により得られた重合開始剤を含有する塗料13及び遮光塗料14を、図3に示す方法で塗膜形成する。まず、重合開始剤を含有する塗料13を不図示のディスペンサーにより、光学素子1の外周領域に1.0mm以内の線幅で形成する。形成後、黒色の遮光塗料14を不図示のインクジェットにより、光学部材コバ部と外周領域全面に塗布する。遮光塗料14を塗布した後、光学部材の上面から紫外線照射を行い、散乱板により紫外線を拡散させ、外周領域の重合開始剤を含有する塗料13を硬化させる。
その後、恒温槽を用いて80℃で120分間塗布膜の焼成を行うことで、外周領域には、フッ化マグネシウムと重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有した中間膜の上に遮光膜が積層された積層膜3、レンズのコバ部には遮光膜4が形成された光学素子が得られ、塗膜の密着力は2.2MPaであった。
得られた光学部材に付着した汚れを除去するため、超音波洗浄を行ったが、外周領域の遮光膜の剥がれもなく、且つ外観上の課題である遮光膜と反射防止膜の屈折率差から生じる白色のリングが低減し、良好な外観を示した。
また、SEM観察により、外周領域の中間膜と光学面とは接触していることを確認した。
(実施例2)
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、スルホニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が5質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の膜の密着力は1.2MPaであった。
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、スルホニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が5質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の膜の密着力は1.2MPaであった。
得られた光学部材に付着した汚れを除去するため、超音波洗浄を行ったが、外周領域の遮光膜の剥がれもなく、且つ外観上の課題である遮光膜と反射防止膜の屈折率差から生じる白色のリングが低減し、良好な外観を示した。また、SEM観察により、外周領域の中間膜と光学面とは接触していることを確認した。
(実施例3)
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、スルホニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が20質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の塗膜の密着力は2.2MPaであった。
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、スルホニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が20質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の塗膜の密着力は2.2MPaであった。
得られた光学部材に付着した汚れを除去するため、超音波洗浄を行ったが、外周領域からの遮光膜の剥がれや酸の浸食により発生するガラス界面のクラックもなく、且つ外観上の課題である遮光膜と反射防止膜の屈折率差から生じる白色のリングが低減し、良好な外観を示した。また、SEM観察により、外周領域の中間膜と光学面とは接触していることを確認した。
(実施例4)
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、アンモニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が5質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の塗膜の密着力は1.1MPaであった。
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、アンモニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が5質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の塗膜の密着力は1.1MPaであった。
得られた光学部材に付着した汚れを除去するため、超音波洗浄を行ったが、外周領域からの遮光膜の剥がれや酸の浸食により発生するガラス界面のクラックもなく、且つ外観上の課題である遮光膜と反射防止膜の屈折率差から生じる白色のリングが低減し、良好な外観を示した。また、SEM観察により、外周領域の中間膜と光学面とは接触していることを確認した。
(実施例5)
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、アンモニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が20質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の塗膜の密着力は2.0MPaであった。
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤として、アンモニウム塩系カチオン重合開始剤の濃度が20質量%以外は、実施例1と同様にして遮光膜を形成した。その際の塗膜の密着力は2.0MPaであった。
得られた光学部材に付着した汚れを除去するため、超音波洗浄を行ったが、外周領域からの遮光膜の剥がれや酸の浸食により発生するガラス界面のクラックもなく、且つ外観上の課題である遮光膜と反射防止膜の屈折率差から生じる白色のリングが低減し、良好な外観を示した。また、SEM観察により、外周領域の中間膜と光学面とは接触していることを確認した。
(比較例1)
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤の濃度が2質量%以外は、実施例1と同様に遮光膜を形成した。その際の膜の密着力は0.4MPaであった。
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤の濃度が2質量%以外は、実施例1と同様に遮光膜を形成した。その際の膜の密着力は0.4MPaであった。
得られた光学部材に付着した汚れを除去するため、超音波洗浄を行ったが、外周領域からの遮光膜の剥がれが発生しており、外観が良好でなかった。
また、SEM観察により、外周領域の中間膜と光学素子1と直接接しておらず、外周領域の遮光膜と光学面との間に反射防止膜が残存していることを確認した。
(比較例2)
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤の濃度が25質量%以外は、実施例1と同様に遮光膜を形成した。その際の膜の密着力は2.1MPaであった。
重合開始剤を含有する塗料13に含む酸発生型カチオン重合開始剤の濃度が25質量%以外は、実施例1と同様に遮光膜を形成した。その際の膜の密着力は2.1MPaであった。
得られた光学部材に付着した汚れを除去するため、超音波洗浄を行った。その結果、遮光膜の剥がれは無かったが、酸の浸食によりガラス界面にクラックが多く発生しており、外観が良好でなかった。但し、SEM観察により、外周領域の中間膜と光学面とは接触していることを確認した。
下記の表1及び2に、実施例および比較例の結果をまとめて示す。
本発明の光学素子は、一眼レフカメラ用望遠レンズやデジタルカメラ用レンズに利用することができる。
1 光学部材(光学素子)
2 反射防止膜
3 積層膜
4 遮光膜
5 光
13 重合開始剤を含有する塗料
14 遮光塗料
2 反射防止膜
3 積層膜
4 遮光膜
5 光
13 重合開始剤を含有する塗料
14 遮光塗料
Claims (7)
- 光学有効面と前記光学有効面の外側の外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子において、
前記コバ面及び前記外周領域には、遮光膜が形成されており、
前記外周領域の光学面と前記遮光膜との間には、フッ化マグネシウムと酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸とが反応した生成物を含有した中間膜が形成されており、
前記光学有効面には、フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜が形成されていることを特徴とする光学素子。 - 前記中間膜は、前記光学面と接触して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
- 前記遮光膜は、バインダー樹脂、無機微粒子および染料を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
- 前記バインダー樹脂は、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
- 光学有効面と前記光学有効面の外側に外周領域とを有する光学面及びコバ面を有する光学素子の製造方法において、
前記光学面に、フッ化マグネシウムを含有する反射防止膜を形成する工程と、
前記外周領域に形成された反射防止膜の上に、第1のモノマーと酸発生型の光カチオン重合開始剤とを含有する塗料を塗布する工程と、
前記外周領域と前記コバ面に、遮光塗料を塗布する工程と、
前記外周領域に光を照射して、前記酸発生型の光カチオン重合開始剤から発生した酸と前記反射防止膜を反応させる工程と、を有し、
前記塗料は、前記第1のモノマー100質量部に対して、前記酸発生型の光カチオン重合開始剤を5乃至20質量部含有することを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記遮光塗料は、第2のモノマー、無機微粒子および染料を含有することを特徴とする請求項5に記載の光学素子の製造方法。
- 前記第2のモノマーは、エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項6に記載の光学素子の製造方法。
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JP2018119147A (ja) * | 2018-02-14 | 2018-08-02 | 株式会社ダイセル | 光学部品、及びそれを備えた光学装置 |
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-
2012
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