JP2014122699A - セラミックコーティングローラの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗装後の焼成を必要とせず、炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化複合材、或いは、アルミニウムなどの金属とされる中空或いは中実とされるローラ基材表面にセラミックコーティング層を形成した耐摩耗性、耐熱性、耐酸性、耐溶剤性に優れた、更には、表面平滑性に優れたセラミックコーティングローラの製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックコーティングローラの製造方法であって、
(a)繊維強化プラスチック又は金属にて作製されたローラ基材の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層を形成し硬化させる工程、
(b)硬化した前記セラミックコーティング層の表面を、研磨剤を含む研磨部材で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材で仕上げ加工する工程、
を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化複合材、或いは、アルミニウムなどの金属とされる中空或いは中実とされるローラ基材表面にセラミックコーティング層を形成した表面平滑性が良く、且つ、耐摩耗性、耐熱性、耐酸性、耐溶剤性に優れたセラミックコーティングローラの製造方法に関するものである。
従来、フィルム搬送ローラ、ガイドローラなどとして使用される鋼製ローラの表面処理としては、銅やHCrメッキ、溶射等が使用されて、耐摩耗性などの向上が図られている。
一方、ローラの大型化、長尺化に伴い、重量のある鋼製ローラの代わりに、軽量、且つ、低撓みの炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化複合材にてローラを作製することが試みられるようになり、また、これら繊維強化複合材で作製されたローラの表面の耐摩耗性、耐熱性を向上させるために、表面にメッキ処理したり、セラミックス、サーメット、金属等を溶射することが提案されている。
特許文献1は、プラスチックや繊維強化プラスチックのローラ表面に有機高分子材料と無機質材料とから成るアンダーコート層を設け、その上にセラミックスを溶射してセラミックス皮膜を形成した耐摩耗性、表面平滑性に優れたローラを記載している。
また、特許文献2は、繊維強化プラスチック基材の表面に、基材の樹脂と同種の樹脂とセラミックス粒子の混合物を中間層として設け、トップコートとして炭化物サーメットから成る溶射皮膜層を設けた構成の耐摩耗性等の表面特性に優れたプラスチック基複合材料を記載している。
しかしながら、繊維強化複合材製のローラ状基材にメッキ処理をなしたり、上記特許文献に記載されるような溶射を行うことは加工自体が極めて困難であり、加工コストが高くなるといった問題があった。
そこで、従来、めっき処理の代わりにフッ素樹脂を基材表面にコーティングすることも考えられているが、従来のフッ素樹脂コーティングは、約260℃以上で焼成する必要がある。そのため、繊維強化複合材製基材ではバインダーや接着剤がこのような高温には耐えることができず、実際には繊維強化複合材製基材にフッ素樹脂コーティングを適用することはできないのが現状である。
特許文献3には、炭素繊維強化プラスチック製ローラの表面に、球状微粒子アルミナを配合したフッ素・シリカ含有ポリマー塗料をスプレー塗装することが提案されている。特許文献3は、塗装物は、常温でも硬化し、このようにして作製したローラは、鉛筆試験にて5H以上の硬度を得ることができ、紙搬送ローラとして使用するに十分な高度を有していることを記載している。
実公平4−7378号公報 特許第4436957号公報 特開2000−25977号公報
しかしながら、本発明者らの研究実験の結果によると、特許文献3に記載するような、炭素繊維強化プラスチック製ローラ表面に球状微粒子アルミナを配合したフッ素・シリカ含有ポリマー塗料をスプレー塗装した場合には、塗装被膜の皮膜性能及び表面剥離性能を十分に発揮させるためには、塗装後の塗装物に対して80℃以上の温度にて加熱硬化処理(焼成)することが必要であることが分かった。また、例え加熱硬化処理を行ったとしても、実際のところローラ表面の硬度は最大でも3H程度であり、塗装後のローラ表面の粗さ(Rmax)は6μm程度(Raで1.5μm程度)である。このようなローラの硬度及び粗度は、例えば、フィルム乾燥工程で使用されるガイドローラとしては未だ不十分であり、更なる向上が望まれる。
そこで、本発明者らは、現在、フライパンや炊飯釜などに使用されている十分な硬度(鉛筆硬度9H)を有しているセラミックコーティング層に注目し、無機質セラミックコーティング剤(即ち、セラミック塗料)を使用してローラ表面に塗装することとした。ただ、塗装後のローラ表面に所定の表面平滑性を得るためには、通常の研磨仕上げにて表面仕上げするだけでは不十分であることが分かった。
本発明者らは多くの研究実験の結果、塗装後のローラ表面は、研磨剤を含むを砥石や研磨紙などを使用した研磨と、研磨剤を含有しない綿などの素材での仕上げ加工を採用することによって、フィルム乾燥工程などで十分に使用可能な精度を有した、且つ、表面平滑性(粗度)及び硬度を有したセラミックコーティングローラを製造し得ることを見出した。
本発明は、斯かる本発明者らの新規な知見に基づきなされたものである。
本発明の目的は、塗装後の焼成を必要とせず、炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化複合材、或いは、アルミニウムなどの金属とされる中空或いは中実のローラ基材表面にセラミックコーティング層を形成した表面平滑性が良好で、且つ、耐摩耗性、耐熱性、耐酸性、耐溶剤性に優れたセラミックコーティングローラの製造方法を提供することである。
上記目的は本発明に係るセラミックコーティングローラの製造方法にて達成される。要約すれば、本発明の第一の態様によれば、セラミックコーティングローラの製造方法であって、
(a)繊維強化プラスチック又は金属にて作製されたローラ基材の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層を形成し硬化させる工程、
(b)硬化した前記セラミックコーティング層の表面を、研磨剤を含む研磨部材で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材で仕上げ加工する工程、
を有することを特徴とするセラミックコーティングローラの製造方法が提供される。
本発明の第二の態様によれば、セラミックコーティングローラの製造方法であって、
(a)マンドレルに、所定の強化繊維を所定の樹脂を用いて巻き付けて強化繊維層を形成する工程、
(b)前記強化繊維層の樹脂を硬化させ、繊維強化プラスチックとされるローラ基材を作製する工程、
(c)前記繊維強化プラスチック製ローラ基材の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層を形成し硬化させる工程、
(d)硬化した前記セラミックコーティング層の表面を、研磨剤を含む研磨部材で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材で仕上げ加工する工程、
を有することを特徴とするセラミックコーティングローラの製造方法が提供される。
本発明の第三の態様によれば、セラミックコーティングローラの製造方法であって、
(a)マンドレルに、所定の強化繊維と所定の樹脂を用いて作製されたプリプレグを巻き付けて樹脂を硬化させ、繊維強化プラスチックとされるローラ基材を作製する工程、
(b)前記繊維強化プラスチック製ローラ基材の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層を形成し硬化させる工程、
(c)硬化した前記セラミックコーティング層の表面を、研磨剤を含む研磨部材で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材で仕上げ加工する工程、
を有することを特徴とするセラミックコーティングローラの製造方法が提供される。
上記本発明にて、第一の実施態様によれば、前記繊維強化プラスチック製のローラ基材は、複数層をなす強化繊維層にて形成され、前記強化繊維層の最外層の繊維は、前記マンドレルに同一の角度方向で巻き付ける。
上記本発明にて、他の実施態様によれば、前記繊維強化プラスチックの強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用され、
前記繊維強化プラスチックの樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、若しくは、フェノール樹脂、又は、ナイロン若しくはビニロンである。
上記本発明にて、他の実施態様によれば、前記仕上げ加工されたセラミックコーティングローラの表面粗度(Ra)は、0.2μm以上、1.6μm以下であり、表面硬度(鉛筆硬度H)は、7H以上、9H以下である。
上記本発明にて、他の実施態様によれば、前記仕上げ加工されたセラミックコーティングローラの精度は、真円度、円筒度、振れが0.02mm以内である。
上記本発明にて、他の実施態様によれば、前記研磨部材は、目の粗さが#800〜#2000であり、前記セラミックコーティングローラと前記研磨部材を相対的に移動させながら研磨加工を行う。
上記本発明にて、他の実施態様によれば、前記仕上げ部材は、綿、羊毛、麻が単独で、又は、複数種混入して織成又は編成された布状部材である。
上記本発明にて、他の実施態様によれば、前記セラミックコーティング層は、複数層とされる。他の実施態様によれば、前記セラミックコーティング層は、2層とされ、表層のセラミックコーティング層には雲母が含有されている。
本発明によれば、塗装後の焼成を必要とせず、繊維強化プラスチック(繊維強化複合材)、或いは、金属とされるローラ基材表面にセラミックコーティング層を形成した表面平滑性が良好で、且つ、耐摩耗性、耐熱性、耐酸性、耐溶剤性に優れたセラミックコーティングローラが得られる。
図1(a)は、本発明に従って製造されたセラミックコーティングローラの一実施例を説明する概略斜視図であり、図1(b)及び図1(c)は、それぞれ、本発明に係るセラミックコーティングローラの表面研磨・仕上げ加工を説明する斜視図及び正面図である。 中空管状の繊維強化プラスチック製ローラ基材の製造方法を説明する斜視図である。 図3(a)は、セラミックコーティング層が1層とされるセラミックコーティングローラの一実施例を示す断面図であり、図3(b)は、セラミックコーティング層が2層とされるセラミックコーティングローラの他の実施例を示す断面図である。
以下、本発明に係るセラミックコーティングローラの製造方法を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1(a)に、本発明に係る製造方法にて作製されたセラミックコーティングローラ1の一実施例を示す。セラミックコーティングローラ1は、中実ローラとすることもできるが、本実施例では中空ローラとされるローラ基材2と、ローラ基材2の外表面に形成されたセラミックコーティング層3とを有している。斯かる構成の本発明に従って作製されたセラミックコーティングローラ1は、詳しくは後述するが、表面平滑性に優れ、しかも、耐摩耗性、耐熱性、耐酸性、耐溶剤性に優れた特性を有している。また、本発明によれば、種々の寸法のセラミックコーティングローラ1を作製し得るが、例えば、外径(D)が500mm以上、長さ(L)が2000mm以上とされる大型のローラをも容易に且つ高精度にて作製することができる。より具体的には、例えば、フィルム等の搬送ローラ、ガイドローラとして使用される、直径(D)×長さ(L)=500mm×9000mm、或いは、直径(D)×長さ(L)=1200mm×2500mm、といったような大型のローラを低コストにて、且つ、高精度で作製することができる。
図1(b)、(c)をも参照すると、本発明のセラミックコーティングローラ製造方法は、
(a)繊維強化プラスチック又は金属にて作製されたローラ基材2の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層3を形成し硬化させる工程、
(b)硬化したセラミックコーティング層3の表面を、研磨剤を含む研磨部材12で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材12Aで仕上げ加工する工程、
を有する。
図1(a)〜(c)を参照して、更に説明すると、ローラ基材2は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸して硬化した繊維強化複合材(繊維強化プラスチック)、或いは、アルミニウム、鋼などの金属にて作製することができる。ローラ基材2に、強化繊維として炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使用した場合には、軽量で、しかも、耐熱性を要求する炉内使用の耐熱ローラとしての使用も可能となる。
繊維強化プラスチックの強化繊維としては、炭素繊維が最も好ましいが、その他、種々の繊維を使用し得る。例えば、強化繊維としては、炭素繊維の他に、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;更には、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用することができる。
また、繊維強化プラスチックにて強化繊維に含浸されるマトリクス樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することができ、熱硬化性樹脂としては、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などが好適に使用され、又、熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ビニロンなどが好適に使用可能である。
上記繊維強化プラスチック或いはアルミニウムなどの金属にて作製された中空管とされるローラ基材2の場合は、ローラ基材2の肉厚(T)は用途に応じて適宜選定される。また、その大きさは、所望される製品ローラ1の寸法に応じて、例えば、直径(D0≒D)×長さ(L0=L)=500mm×9000mm、或いは、直径(D0≒D)×長さ(L0=L)=1200mm×2500mm、とされる大型のローラをも作製することができる。
セラミックコーティング層3は、詳しくは後述するが、無機質セラミックコーティング剤、即ち、セラミック塗料をローラ基材表面にスプレー塗装によりコーティング(被膜形成)することにより形成される。被膜厚さ(t)は、最大50μmとされ、通常、20μm以上(即ち、20μm≦t≦50μm)とされる。被膜厚さ(t)が20μm未満の場合には、研磨代が少なく十分な表面平滑性が得られないといった問題があり、50μmを超えるとスプレー塗装が困難になるといった問題がある。また、コストの増大となる。
セラミック塗料は、その配合成分は重量%で、
・ケイ素化合物: 30〜40%、
・コロイド状シリカ: 40〜50%、
・有機顔料: 0〜25%、
・水: 2〜10%、
・IPA(イソプロピルアルコール):0〜15%、
を含んだものとされる。ただ、これに限定されるものではない。
次に、図1〜図3を参照して、本発明のセラミックコーティングローラ製造方法の一実施例について説明する。
(繊維強化プラスチック製のローラ基材の成形)
本実施例では、ローラ基材2として、繊維強化プラスチックを使用した場合、特に、強化繊維として炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチックを使用した中空のローラ(以下、「CFRPローラ」という。)について説明する。
本実施例のローラ基材2としてのCFRPローラは、従来当業者には周知のフィラメントワインディング法、或いは、シートワインディング法を用いて好適に作製することができるが、成型法はこれらの方法に限定されるものではない。
(フィラメントワインディング法)
CFRPローラ2をフィラメントワインディング法にて作製する場合を、図2を参照して説明する。本実施例では、先ず、マンドレル100に炭素繊維fを所定の樹脂を用いて巻き付け、CFRPローラ2となる強化繊維層20、即ち、本実施例では、CFRPローラ2のための炭素繊維層20を形成する。炭素繊維層20は、複数層、例えば、第1〜第n層の炭素繊維層20a、20b、・・・・20nから構成することができ、各炭素繊維層20a、20b、・・・・20nは、ローラ軸線に対する繊維fの巻き付け角度(α)を互いに異ならせることができる。
なお、一般にフィラメントワインディング法にて成型した成形品は、シートワインディング法にて成型した成形品に比べて通常ボイドが多く生じる。従って、フィラメントワインディング法にて上述のように、プラスマイナスのヘリカル巻を行った場合には、炭素繊維層2の最外層20nには、ボイドの形成を回避するために、繊維fを交差させずに巻き付ける、所謂、クロスレス巻きとし、プラス方向のみ、或いは、マイナス方向のみの同一角度方向に巻き付けるのが望ましい。これにより、フィラメントワインディング法にてボイドを極めて少なくしてローラ基材2を作製することができる。このように、ボイドが極めて少ない方法でCFRPローラ2を作製することにより、塗装前の目止め処理等が不要となる。このように工程を省略することにより低コスト化を実現できる。
次いで、炭素繊維層20の上からテーピングを行い、炭素繊維層20を巻き締めた後、マンドレル100ごと硬化炉に装入し、炭素繊維層20の樹脂を硬化させる。これにより、ローラ基材、即ち、CFRPローラ(素管)2が成形される。
テープ除去後の上述のようにして得られたCFRPローラ2は、研磨処理してローラ径を所定寸法に合わせる。研磨処理後のローラ表面の粗さRaは、0.8〜15μm、好ましくは、2〜8μm、とされる。その後、ローラ表面の洗浄は行うが、通常行われている塗装前の粗面化処理としての表面ブラスト処理などは行わない。このような表面ブラスト処理を行えば、却ってCFRPローラ表面にボイドが発生する可能性が生じるからである。
尤も、ローラ基材2としてアルミニウムなどの金属を使用した場合には、その後の塗膜の付着力を向上させる目的で、その表面が上記表面粗さとなるように、ブラスト処理を施すのが好ましい。
次いで、CFRPローラ2の表面に対して所定のセラミック塗料をスプレー塗装により均一に塗装することにより、ローラ基材2の表面にセラミックコーティング層(被膜層)3を形成する。
(シートワインディング法)
シートワインディング法は、シート状の炭素繊維プリプレグを使用する点を除けば、上記フィラメントワインディング法と同様にして実施される。
つまり、CFRPローラ2をシートワインディング法にて作製する場合には、図2を参照して説明すると、先ず、マンドレル100に所定の積層構成で、所定の厚さを得るように、炭素繊維プリプレグ20(20a、20b、・・・・20n)を所定の繊維配向にて巻き付ける。
次いで、テーピングを行い、炭素繊維プリプレグ20を巻き締めた後、マンドレルごと硬化炉に装入し、炭素繊維プリプレグ20の樹脂を硬化させ、炭素繊維強化プラスチックから成るローラ基材、即ち、CFRPローラ(素管)2を作製する。
テープ除去後の上述のようにして得られたCFRPローラ2は、上記フィラメントワインディング法と同様に、研磨処理してローラ径を所定寸法に合わせる。研磨処理後のローラ表面の粗さRaは、0.8〜15μm、好ましくは、2〜8μm、とされる。その後、ローラ表面の洗浄はされるものの、塗装前の表面ブラスト処理などの表面処理加工は行わない。
次いで、CFRPローラ2の表面に対して所定のセラミック塗料をスプレー塗装により均一に塗装することにより、ローラ基材2の表面にセラミックコーティング層(被膜層)3を形成する。
(セラミックコーティング層の形成)
上述のように、上記所定の表面粗度を有したCFRPローラ2の表面は、セラミック塗料をスプレー塗装により厚さ(t)が30μm〜50μmとなるように塗装し、セラミックコーティング層(被膜層)3が形成(被覆)される。通常、1回のスプレー塗装による膜厚さ(t)は、50μm程度が最大とされる。
本発明によれば、スプレー塗装後の塗装物、即ち、セラミックコーティングローラ1は、加熱することなく常温に、通常、10〜72時間程度、放置し、被膜を硬化させる。なお、水分を飛ばしてより迅速に乾燥させ、それにより、セラミックコーティングローラ2に異物が付着するのを防止するために、100℃程度で加熱するのが好ましい。
この状態にて、セラミックコーティングローラ2の表面被膜、即ち、セラミックコーティング層3の硬度は、鉛筆硬度で7H以上とされ、最大9Hとされる。
CFRPローラ2の表面に対するセラミック塗料のスプレー塗装は、図3(a)に示すように、厚さ(t)が50μm程度となるように1層のセラミックコーティング層3とすることもできるが、図3(b)に示すように、2層以上の複数層の、例えば、第1のセラミックコーティング層3aと、表層としての第2のセラミックコーティング層3bとの2層構成とすることもできる。この場合、第1のセラミックコーティング層3aの厚さ(t1)は10〜40μm(通常、略30μm)、第2のセラミックコーティング層3bの厚さ(t2)は10〜30μm(通常、略20μm)とすることができ、コーティング層の全体の厚さは、これに限定されるものではないが、1回塗装の場合と同様に、50μm程度とされる。
上述のように、セラミックコーティング層3を2層構成とした場合には、表層の第2のセラミックコーティング層3bが研磨されることとなるが、第1のセラミックコーティング層3aと第2のセラミックコーティング層3bとは、セラミック塗料の配合を異ならせることも可能である。例えば、詳しくは後述するが、特に第2層目(表層)3bのためのセラミック塗料には、マイカ(雲母)を微量含有させることができる。この場合には、ローラ表面、即ち、第2層のセラミックコーティング層3bの表面を研磨処理する際に、研磨量が第1層目3aに到達した場合には、見た目の表面状態が変化するので(即ち、第2層目(表層)3bのセラミックコーティング層は雲母を含んでいるために雲母が表面に露出研磨され「キラキラ」感が目視される。)、このような表面状態がなくなる前に研磨作業を完了するといった、研磨量(研磨代)の限界を目視により確認しながら研磨作業を行なうことができる、という利点がある。
本発明によれば、セラミックコーティング層3の形成は、スプレー塗装により行われ、且つ、高温による焼成を必要としないので、大掛かりな設備が不要であり、上述のような大型の製品ローラに対しても低コストにて容易に対応することができる。
(セラミックコーティング層の表面仕上げ加工)
上述のようにしてスプレー塗装されたセラミックコーティング層3は、次いで、本発明の特徴をなす方法に従って、表面研磨・仕上げ加工がなされる。表面研磨・仕上げ加工処理を図1(b)、(c)を参照して説明する。
本発明によると、スプレー塗装され、硬化されたセラミックコーティング層3は、先ず、その表面が研磨手段10により研磨加工される。
研磨手段10は、金属製などとされる剛性の回転体11aと、この回転体11aに一体に取付けられた弾性体11bとにて構成される回転部材11を備えている。回転部材11は、回転体11aに対して一体に取付けられた回転軸13を電動モータのような駆動手段(図示せず)により駆動することにより、所定方向に回転される。弾性体11bの回転体11aとは反対側に研磨部材12が設置される。本発明では、研磨部材12としては研磨剤を含む砥石や研磨紙が使用される。なお、「研磨紙」とは、基材として紙又は布を使用し、この基材に砥粒(研磨剤)を接着して作製されたものである。また、砥粒(研磨剤)としては、例えば、ガーネット、酸化アルミニウム、炭化ケイ素などが使用される。
本実施例にて研磨部材として好適に使用される研磨紙12は、直径5〜25cmとされる回転部材11の弾性体11bに、所謂、ホイールペーパーとして取り付けられている。本実施例では、ホイールペーパー12の「目」の粗さは、ホールペーパー#1200を使用して好結果を得ることができた。本発明者らの研究実験の結果によると、使用可能なホイールペーパー(研磨紙)の「目」の粗さは番手表示にて、#60〜#2000とされ、好ましくは、#800〜#2000とされる。
回転部材11は、ホイールペーパー12の研磨作用面がセラミックコーティングローラ1の軸線O1に対して平行となるように配置され、ホイールペーパー12の回転中心(即ち、回転軸13の回転軸線)O2から半径方向に所定距離Eだけズレた接触領域Sがセラミックコーティングローラ2の表面に所定の圧力Pにて接触するように押圧して設置される。
この状態にて、セラミックコーティングローラ1は、ローラ1のサイズにより変更されるが、3〜400rpmにてローラ軸線O1の回りに回転され、且つ、軸線方向に0.2〜10cm/秒にて直線移動される。回転部材11は、即ち、ホイールペーパー12は、100〜2000rpm、好ましくは、400〜1500rpmにて回転される。回転方向は必要に応じて反転される。なお、セラミックコーティングローラ1を軸線方向O1方向に移動させる代わりに、研磨手段10をローラ1の軸線O1に沿って移動させても良い。又、必要に応じて、研磨作業において、セラミックコーティングローラ1とホイールペーパー12との接触領域Sに、滑り性を良くするために、潤滑剤として切削水又は切削油を付与することもできる。
このように、本発明では、セラミックコーティングローラ1の硬化したセラミックコーティング層3の表面を、研磨剤を含む研磨部材、例えば研磨紙12を備えた研磨手段10とローラ1とを相対的に移動させながら研磨し、その後、同様にした、研磨剤を含有しない仕上げ部材12Aにて仕上げ加工を行う。つまり、仕上げ加工も又、上記研磨手段10にて、研磨剤を含む研磨部材12の代わりに研磨剤を含有しない仕上げ部材12Aを使用することによって同様に実施することができる。仕上げ部材12Aとしては、好ましくは、化学繊維ではない天然繊維、例えば、綿、羊毛、麻などの素材が単独で、又は、混入して織成又は編成された布状部材とされる。化学繊維は、使用中に溶ける可能性があるので望ましくない。
このような表面研磨・仕上げ加工により、表面硬度(鉛筆硬度H)が7H以上、9H以下とされるセラミックコーティングローラ1の表面粗度(Ra)は、0.2μm以上、1.6μm以下となるように仕上げることができる。また、仕上げ加工されたセラミックコーティングローラ1の精度(真円度、円筒度、振れ等)は、0.02mm以下に加工することができる。
表面粗さについて言えば、表面粗度(Ra)が0.2μm未満では、時間がかかりコスト高となるといった問題がある。また、1.6μmを超えると、表面の凹凸が大きすぎて、十分な表面平滑性を得ることができず、フィルム搬送用ローラなどに使用する場合、フィルムに傷が入り、実使用に耐えない場合がある。
表面硬度(H)について言えば、5H未満では、十分な耐摩耗性が得られないといった問題がある。9Hは、鉛筆硬度では最大値である。
次に、本発明に従って製造したセラミックコーティングローラ1の性能を立証するために行った実験例について説明する。
実験例1
先ず、セラミックコーティングローラ1のローラ基材2として、炭素繊維強化プラスチック製の中空管をフィラメントワインディング法により作製した。
本実験例では、(1)外径(D0)×長さ(L0)×厚さ(T)=120mm×1200mm×5mm(試料1)及び(2)外径(D0)×長さ(L0)×厚さ(T)=50mm×300mm×5mm(試料2)、とされる2種類の中空管状の炭素繊維強化プラスチック製ローラ基材2を作製した。
炭素繊維強化プラスチックの強化繊維である炭素繊維fとしては、モノフィラメント平均径7μm、収束本数12000本の繊維束、即ち、PAN系炭素繊維ストランド(三菱レイヨン株式会社製「TR50」(商品名))を用い、樹脂としてはエポキシ樹脂(新日鉄住金マテリアルズ株式会社製「HP100」)を用いた。
また、試料1及び試料2を作製するために、それぞれ、外径110mm及び40mm、長さ2mのマンドレルに90°(周方向)、±5°の角度にて、ローラ基材2となる炭素繊維層20(20a、20b、・・・・20n)が略5mm厚み(繊維体積含有率Vf=57%)となるように巻き付けた。なお、炭素繊維層2Aの最外層20nの繊維fの巻き付けは、同一方向に角度(α)45°にて巻き付けた。
その後、幅25mm、厚さ0.1mmのPETテープを用いてテーピングを行った後、ローラ基材2となる樹脂が含浸された炭素繊維層20を巻き付けたマンドレル100を加熱硬化炉に装入し、樹脂を硬化させた。その後、硬化した炭素繊維強化プラスチック成形物(素管)2をマンドレル100より脱型した。
マンドレル100より脱型したCFRPローラ2は、研磨処理して、(1)外径(D0)=120mm(試料1)及び(2)外径(D0)50mm(試料2)、とされる2種類の中空管状のCFRP製ローラ基材2を得た。研磨処理後のローラ表面の粗さRaは、6μmであった。
このようにして得たCFRPローラ2の表面にセラミック塗料をスプレー塗装して、セラミックコーティング層(被膜層)3を形成(被覆)した。
本実験例では、セラミックコーティング層3は、図3(b)に示すように、第1のセラミックコーティング層3aと、第2のセラミックコーティング層3bとの2層構成とした。また、第1のセラミックコーティング層3aと第2のセラミックコーティング層3bとは、表1に示すように、セラミック塗料成分の配合を異ならせた。
また、第2のセラミック塗料(トップ)には、マイカ(雲母)を微量含有させた。
Figure 2014122699
つまり、第1のセラミック塗料(プライマー)を用いて、CFRPローラ2の表面にスプレー塗装して第1のセラミックコーティング層3aを形成した。次いで、第1のセラミックコーティング層3aの塗装後に、第2のセラミック塗料(トップ)を用いて、CFRPローラ2の第1のセラミックコーティング層3aの表面にスプレー塗装して第2のセラミックコーティング層3bを形成し、乾燥させた。各セラミックコーティング層3a、3bの乾燥は、各スプレー塗装後にCFRPローラ2を加熱炉に挿入し、100℃に加熱することにより行った。
第1のセラミックコーティング層3aの厚さ(t1)は30μm、第2のセラミックコーティング層3bの厚さ(t2)は20μmであった。
この状態にて、セラミックコーティングローラ1の表面被膜、即ち、セラミックコーティング層3の硬度は、鉛筆硬度で9Hであった。
スプレー塗装され、硬化されたセラミックコーティング層3の表面を、図1(b)、(c)に示す構成の研磨手段10により研磨して仕上げ加工した。研磨手段10の回転部材11に、即ち、弾性体11bに、取付けられた研磨部材12としては、直径12cmのホイルペーパー#1200を使用し、セラミックコーティングローラ1の表面に押し付けた。
つまり、回転部材11は、ホイールペーパー12の研磨面がセラミックコーティングローラ1の軸線O1に対して平行となるように配置し、ホイールペーパー12の回転中心(即ち、回転軸13の回転軸線)O2から半径方向に距離E=4cmだけズレた接触領域Sがセラミックコーティングローラ1の表面に接触するように押圧して設置した。
セラミックコーティングローラ1は80rpmにてローラ軸線O1の回りに回転し、且つ、軸線方向に2cm/秒にて直線移動させた。一方、回転部材11は、即ち、ホイールペーパー12は、1000rpmにて回転させた。
このような研磨作業において、セラミックコーティングローラ1とホイールペーパー12との接触領域Sに、潤滑剤としての切削水を供給しながら研磨した。その後、研磨手段10にて研磨剤を含有しない綿などの素材を使用した布状部材とされる仕上げ部材12Aを取付けてローラ表面の仕上げ加工を行った。
本実験例では、セラミックコーティング層3を2層構成とし、第2層目(表層)3bのためのセラミック塗料(トップ)にはマイカ(雲母)を微量含有させたことにより、ローラ表面、即ち、第2層(表層)のセラミックコーティング層3bを研磨処理する際に、第1層目3aに到達した場合には、目視により雲母の存在を確認することができなくなるので、それ以前の段階で研磨を停止することとした。
本実験例で作製した試料1及び試料2において、いずれも、表面仕上げされたセラミックコーティングローラ1の表面硬度(鉛筆硬度H)は9Hとされ、セラミックコーティングローラ1の表面粗度(Ra)は、0.2μmとされた。また、仕上げ加工されたセラミックコーティングローラ1の精度(真円度、円筒度、振れ)は、0.02mm以下であった。
又、本実験例にて、本発明によれば、セラミックコーティングは、スプレー塗装により行われ、且つ、高温による焼成を必要としないので、大掛かりな設備が不要であり、大型の製品ローラに対しても容易に対応し得ることが分かった。
実験例2
上記実験例1の場合と同じ材料及び製造条件により、セラミック塗料をスプレー塗装し、硬化したセラミックコーティングローラ1を得た。
ホイールペーパ12の番手を種々に変更して研磨作業した後、研磨剤を含有しない綿などの素材を使用した布状部材とされる仕上げ部材12Aを用いて仕上げ加工を行った。ホイールペーパ12の番手は、#800〜#2000であるのが好ましいことが分かった。
更に、研磨部材12としてホイールペーパの代わりに砥石を使用して研磨作業を行ったが、ホイールペーパと同等の「目」の粗さを有する砥石も又使用可能であることが分かった。ただ、この場合も又、研磨作業の後、研磨剤を含有しない綿などの素材を使用した布状部材とされる仕上げ部材12Aを用いて仕上げ加工を行うことが必要であった。
上述の実験例などを参照すると理解されるように、本発明によれば、ローラ基材2を炭素繊維強化プラスチックにて作製し、このような炭素繊維強化プラスチック製ローラ基材(CFRP素管)に耐熱性のあるセラミック塗料をスプレー塗装にて塗装し、常温、或いは、100℃程度の加熱により硬化することができるので、本発明に従って作製されたCFRP素管使用のセラミックコーティングローラ1は、高温雰囲気における炉内ローラとして使用することができる。例えば、フィルム乾燥工程で使用されるローラは150℃の炉内に設置されており、特に、アルミニウムのような金属製ローラは温度変化に伴い精度変化するが、本発明に従って作製された、特に耐熱用のエポキシ樹脂を使用したCFRP素管使用のセラミックコーティングローラは、150℃超の環境下でも変形することなく使用可能である。従って、ライン速度の向上を図ることができ、フィルム製造コストの削減を図ることができる。
更に、本発明に従って製造されたセラミックコーティングローラ1のセラミックコーティング層3は、研磨により除去することができるので、長期間使用時における経年劣化の際は、再加工が可能である。この場合、セラミックコーティング層3を複数層にて形成した場合には、経年劣化を、ローラ表面の状態変化を目視により判断することが可能であり、極めて利便性が向上する。
1 セラミックコーティングローラ
2 ローラ基材
3 セラミックコーティング層
3a 第1のセラミックコーティング層
3b 第2のセラミックコーティング層
10 研磨手段
11 回転部材
11a 回転体
11b 弾性体
12(12A) 研磨・仕上げ部材
13 回転軸
20(20a、20b、・・・20n) 炭素繊維層(強化繊維層)
100 マンドレル

Claims (11)

  1. セラミックコーティングローラの製造方法であって、
    (a)繊維強化プラスチック又は金属にて作製されたローラ基材の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層を形成し硬化させる工程、
    (b)硬化した前記セラミックコーティング層の表面を、研磨剤を含む研磨部材で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材で仕上げ加工する工程、
    を有することを特徴とするセラミックコーティングローラの製造方法。
  2. セラミックコーティングローラの製造方法であって、
    (a)マンドレルに、所定の強化繊維を所定の樹脂を用いて巻き付けて強化繊維層を形成する工程、
    (b)前記強化繊維層の樹脂を硬化させ、繊維強化プラスチックとされるローラ基材を作製する工程、
    (c)前記繊維強化プラスチック製ローラ基材の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層を形成し硬化させる工程、
    (d)硬化した前記セラミックコーティング層の表面を、研磨剤を含む研磨部材で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材で仕上げ加工する工程、
    を有することを特徴とするセラミックコーティングローラの製造方法。
  3. セラミックコーティングローラの製造方法であって、
    (a)マンドレルに、所定の強化繊維と所定の樹脂を用いて作製されたプリプレグを巻き付けて樹脂を硬化させ、繊維強化プラスチックとされるローラ基材を作製する工程、
    (b)前記繊維強化プラスチック製ローラ基材の表面にセラミック塗料をスプレー塗装してセラミックコーティング層を形成し硬化させる工程、
    (c)硬化した前記セラミックコーティング層の表面を、研磨剤を含む研磨部材で研磨した後、研磨剤を含有しない仕上げ部材で仕上げ加工する工程、
    を有することを特徴とするセラミックコーティングローラの製造方法。
  4. 前記繊維強化プラスチック製のローラ基材は、複数層をなす強化繊維層にて形成され、前記強化繊維層の最外層の繊維は、前記マンドレルに同一の角度方向で巻き付けることを特徴とする請求項2又は3に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
  5. 前記繊維強化プラスチックの強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用され、
    前記繊維強化プラスチックの樹脂は、常温硬化型或は熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、若しくは、フェノール樹脂、又は、ナイロン若しくはビニロンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
  6. 前記仕上げ加工されたセラミックコーティングローラの表面粗度(Ra)は、0.2μm以上、1.6μm以下であり、表面硬度(鉛筆硬度H)は、7H以上、9H以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
  7. 前記仕上げ加工されたセラミックコーティングローラの精度は、円筒度、真円度、振れなどにて0.02mm以下とされることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
  8. 前記研磨部材は、目の粗さが#800〜#2000であり、前記セラミックコーティングローラと前記研磨部材を相対的に移動させながら研磨加工を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
  9. 前記仕上げ部材は、綿、羊毛、麻が単独で、又は、複数種混入して織成又は編成された布状部材であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
  10. 前記セラミックコーティング層は、複数層とされることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
  11. 前記セラミックコーティング層は、2層とされ、表層のセラミックコーティング層には雲母が含有されていることを特徴とする請求項10に記載のセラミックコーティングローラの製造方法。
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