JP2014122540A - 中空パイプ体補強工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】立設された中空パイプ体の補強工法として、高強度繊維で形成された布からなる筒状の補強シートの内側に当該補強シートの略全長に渡る長尺の風船体を挿入した状態で細く折りたたんでおき、前記中空パイプ体の上端の開口から前記中空パイプ体内に当該補強シートを下端側から挿入する補強シート挿入工程と、補強シート挿入工程の後に、前記風船体に空気を注入して前記風船体を膨らませ、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程とを行う。
【選択図】 図3
Description
本願発明はこのような問題に鑑みて、中空パイプの上端開口から円筒状の内壁補強シートを挿入して貼り付けて補強する工法において、より確実に補強シートを中空パイプ内壁に貼り付けることを課題とする。
請求項1に記載の発明は、立設された中空パイプ体の補強工法であって、以下の(101)〜(105)の要件を備える中空パイプ体補強工法である。
(101) 高強度繊維で形成された布からなる筒状の補強シートの内側に当該補強シートの略全長に渡る長尺の風船体を挿入した状態で細く折りたたんだものを使用する。
(102) 前記補強シートには予め接着剤が含浸されているか、もしくは、前記中空パイプの内壁に予め接着剤が塗布されている。
(103) 前記中空パイプ体の上端には予め開口が形成されている。
(104) 前記中空パイプ体の上端の開口から前記中空パイプ体内に前記折りたたんだ補強シートを下端側から挿入する補強シート挿入工程を有する。
(105) 前記補強シート挿入工程の後に、前記風船体に空気を注入して前記風船体を膨らませ、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。
(201) 高強度繊維で形成された布からなる筒状の補強シート細く折りたたんだものを使用する。
(202) 前記補強シート挿入工程の後に、前記補強シートの略全長に渡る長尺の風船体を細く折りたたんだものを、補強シートの上端から内部に挿入する風船体挿入工程を有する。
(301) 前記補強シート貼付工程の後に、前記風船体内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。
(401) 前記補強シートの長手方向に関する所定範囲の内周面には袋体が形成されるとともに、当該袋体の前記補強シートの中心軸が通る位置に前記風船体が通る筒状の穴が形成されている。
(402) 前記袋体には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。なお、連通路としては、前記風船体に内部の気密性を確保しながら上端からモルタル注入部分に至るパイプ体が連通路を形成したり、前記補強シートの前記袋体に重なる位置に穴が形成されるとともに、前記補強シートを貼り付けたときに当該穴に重なる前記中空パイプの側面にも穴が形成され、これらの各穴が連通路を形成したりするような場合が例示される。これは以下のモルタルを注入する連通路に関しても同様である。
(403) 前記補強シート挿入工程の後に、前記袋体内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。 なお、モルタル注入工程は補強シート貼付工程の前後を問わない。
(501) 前記補強シート貼付工程の後に、風船体の空気を抜き、風船体を補強シート内から取り出す風船体排出工程を有する。
(502) 前記風船体排出工程の後に、前記補強シート内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。
(601) 前記補強シートの下端は予め閉じられているものである。
(701) 前記補強シート貼付工程の後に、前記風船体の空気を一部抜く風船体縮小工程を有する。
(702) 前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(703) 前記風船体縮小工程の後に、前記補強シート内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。
(801) 少なくともモルタル注入工程の前に、補強シートの下端又は中空パイプ体の補強シート下端より下において小型の風船体からなる封止用風船を挿入し膨らませることで補強シートの下端又は補強シートの下端より下を閉じる下部封止工程を有する。
(901) 前記風船体排出工程の後、前記モルタル注入工程の前に、内部が中空の長尺部材からなり、少なくとも一定範囲において前記補強シート内径よりも外径が小さい内部型枠を補強シート内部に挿入する内部型枠挿入工程を有する。
(902) 前記モルタル注入工程において前記内部型枠と前記補強シートとの間にモルタルを注入する。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の中空パイプ補強工法において、前記内部型枠は逆円錐状のシート体からなる風船体により形成されるものである。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の中空パイプ補強工法において、前記内部型枠の外周面は高強度繊維で形成された布により形成されるものである。
請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の中空パイプ補強工法において、前記内部型枠は硬質な合成樹脂製のパイプにより形成されるものである。
(1301)前記補強シート貼付工程の後に、前記風船体の空気を一部抜く風船体縮小工程を有する。
(1302) 前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(1303)補強シートの下端に小型の風船体からなる封止用風船が予め挿入されてたたまれ、当該封止用風船を前記補強シート挿入工程の後に膨らませることで補強シートの下端を閉じるか、もしくは、補強シートの下端より下となる位置に小型の風船体からなる封止用風船を補強シート挿入工程の前に挿入して膨らませることで補強シートの下端より下を閉じる下部封止工程を有する。
(1304) 前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(1305) 前記風船体縮小工程及び前記下部封止工程の後に、前記補強シート内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。
(1401) 筒状の補強シートの内側に当該補強シートよりも短い長尺の風船体を補強シートの下端側には達しないように挿入した状態で細く折りたたんだものを使用する。
(1402) 前記補強シートは予め下端が閉じられているものである。
(1403) 前記補強シートの前記風船体が達していない下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(1404) 前記補強シート挿入工程の後に、前記風船体が達していない補強シート下端側内部にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。
(1501) 筒状の補強シート細く折りたたんだものを使用する。
(1502) 前記補強シート挿入工程の後に、前記補強シートよりも短い長尺の風船体を細く折りたたんだものを、補強シートの上端から補強シートの下端側に達しないように内部に挿入する風船体挿入工程を有する。
(1601) 補強シートの下端に小型の風船体からなる封止用風船が予め挿入され、当該封止用風船を前記補強シート挿入工程の後、前記モルタル注入工程の前に膨らませることで補強シートの下端を閉じるか、もしくは、前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、前記補強シート挿入工程の後、前記モルタル注入工程の前に当該連通路を介して小型の風船体からなる封止用風船を挿入して、補強シートの下端で膨らませることで補強シートの下端より下を閉じる下部封止工程を有する。
(1701) 前記中空パイプ体の前記モルタルが注入される範囲より上部の側面に予め開口が形成されている。
(1702) 前記補強シートの前記中空パイプ体の側面の開口に重なる位置には、予め連通孔が形成されているか、若しくは、当該開口を介して連通孔が開けられるものである。
(1703) 前記モルタルは前記中空パイプ体の前記側面の開口から注入されるものである。
(1801) 前記風船体には内部の気密性を確保しながら上端から下端に至るパイプが連通している。
(1802) 前記モルタルは前記パイプを介して注入されるものである。
(1901) 前記補強シートの長手方向に関する少なくとも一部の範囲には、長手方向に添って1以上の棒状の補強部材が固定される。
請求項20に記載の発明は、請求項1〜19のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(2001)の要件を備える中空パイプ体補強工法である。
(2001) 前記補強シートの長手方向に関する一部の範囲には、他の範囲よりも補強シートの厚さが厚く形成される。
(2101) 前記風船体の下端近傍に内部の気密性を確保しながら一端が固定され、前記風船体の上端に内部の気密性を確保しながら他端が固定される紐が設けられる。
(2102) 前記風船体排出工程において、前記風船体の上端を開いて前記紐の上端を引張り上げることで前記風船体を前記補強シートから取り出す。
請求項22に記載の発明は、請求項1〜22のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(2201)の要件を満たす中空パイプ補強工法である。
(2201) 中空パイプ体の外周面にベルト体を巻きテンションをかけた状態で固定するベルト固定工程を有する。なお、ベルト固定工程は、他の工程との前後を問わず、同時に行なうこともできる。
請求項23に記載の発明は、請求項12に記載の中空パイプ補強工法に用いられる内部型枠であって、合成樹脂パイプ本体の外周回りに略等しい角度をもって基端部が回転可能に保持される、3以上の棒体からなり、弾性体によって外方に開くように付勢される位置決め部が、前記合成樹脂パイプ本体の長手方向に二以上設けられた内部型枠である。
請求項1、2に記載の発明は、補強シート内の長尺の風船体を空気で膨らませて、補強シートに予め含浸させた接着剤又は予め中空パイプ内に塗布しておいた接着剤により、補強シートを中空パイプ体内壁に貼り付けるので、補強シートの全長に渡って略同時に中空パイプ内壁に補強シートが貼り付けられるので皺が発生しにくく、また、補強シートを風船体で押さえつけるので補強シートが中空パイプ体内壁から浮き上がることが抑制できる。
請求項3に記載の発明は、風船体を膨らませることで補強シートを中空パイプ体内壁に貼り付けた後に、風船体内にモルタルを注入することで、モルタルが注入された部分の強度を上げることができるとともに、硬化前のモルタルは風船体によって補強シートにしみ込まないので、補強シートと中空パイプ体内壁とを接着する接着剤が乾かないうちにモルタルを注入することができる。
請求項5に記載の発明は、長尺風船体を膨らませて補強シートを中空パイプ体内に貼り付けてから長尺の風船体を抜いて、モルタルを直接補強シート内に注入するので、モルタルが補強シートに直接結合することで強度を増すことができ、補強シートは、モルタルが注入される前に中空パイプ体内に貼り付いているので、補強シートに皺が発生しにくい。
請求項7、13に記載の発明は、風船体の空気を抜いて補強シート下端側にモルタルを注入することで風船体を抜き取る作業を無くしながら、モルタルを直接補強シート内に注入することができ、モルタルが補強シートに直接結合することで強度を増すことができる。また、モルタルを注入する部分の補強シ―トが予め中空パイプ体内壁に貼り付いているので、補強シートに皺が発生しにくい。
請求項18に記載の発明は、長尺の風船体にモルタル抽入用のパイプを設けることで、風船体を取り出すことなく、また、中空パイプ体側面に穴を開けることなく、モルタルを補強シートの下端側に注入することができる。
請求項21に記載の発明は、風船体を抜き出す際に、紐の上端を引張ると紐の下端が固定されている風船体の下端が内側に入るように引張り上げられていく、これにより接着剤で補強シートに貼り付いている風船体は、下端から順次剥がれて行くので、風船体を抜き出す労力を低減することができる。
請求項22に記載の発明は、中空パイプの外周面をベルトで締結することで補強シートによる内周面からの補強に加えて、外周面からも補強することでより強度を高めることができる。
請求項23に記載の発明は、内部型枠挿入工程において、棒体が中空パイプ体内で弾性体により開くことで合成樹脂パイプ本体を中空パイプ内のほぼ中心に位置付けることができる。
本実施形態に用いる補強シート10の一部破断斜視図を図1に示す。なお、図1に示す補強シート10は内部に長尺の風船体20が内装されており、風船体20が膨らんだ状態を示している。
補強シート10は炭素繊維,アラミド繊維,ガラス繊維、ポリエチレン、ビニロン、PBO繊維などの高強度繊維で構成されたシート体を2重にして丸め、接合部を縫い合わせることで筒体に形成したものであり、補強する電柱の内壁面の所定範囲面に合致する外面を有する。補強シート10の内部には、風船体20を予め内装しておく。風船体20は、補強シート10の内周面に沿う筒状の外周面を有する長尺の風船体であり、補強シート10の長さとほぼ同じ長さを有する。風船体20の上端には、内部に連通する空気注入バルブ21が設けられる。
まず、施工に際して、補強シート10は、風船体20を内装したまま細く折畳まれて、細長い合成樹脂の袋体である圧縮袋100に封入される。図2に補強シート10を封入した圧縮袋100の斜視図を示す。圧縮袋100は下部にバルブ101が設けられ、上縁から補強シート本体10の上部に連結されたワイヤーが突出している。ワイヤーは袋内の液密性が保持されるように突出しており、下端側のバルブ101から接着剤が注入されて内部に充填された後に、接着剤を吸引することで全体が細く圧縮されている。これにより補強シート10には接着剤が予め含浸されることとなる。
この工程では、中空パイプ補強シートXが封入された圧縮袋100を、事前に電柱の上端に設けておいた開口から挿入するものである。なお、この工程の事前準備として、電柱の上端を切断し開口を形成しておくものとする。
まず、クレーンで図2に示す圧縮袋100に封入された補強シート10をワイヤー部分で吊るして、図3(a)に示すように電柱T内に挿入する。この際、圧縮袋100の下端は切り取って上部から取り出せるようにしておく。なお、補強シート10を電柱に挿入する前に、必要に応じて、上部開口から電柱の底に溜まっている水をポンプで吸出し、また、電柱の内側面に接着剤のためのプライマーを塗布しておいてもよい。
次に、圧縮袋100の上端を切り開いて図3(b)に示すように圧縮袋100を上方から引き出し、図3(c)に示すように風船体20を内部に保持する補強シート10のみをワイヤーで吊るした状態とする。以上で、補強シート挿入工程は完了する。
この工程では、挿入された補強シート10を電柱内壁に貼り付ける。まず、空気注入バルブ21に連通する管にエアポンプを接続して空気を入れ、風船体20を膨らませる。これにより、図3(d)に示すように風船体20は膨らんで、接着剤が含浸された補強シート10の外周面が電柱Tの内壁に押し付けられ、補強シート10が電柱Tの内壁に接着することになる。以上で補強シート貼付工程は完了する。その後、エアポンプとの接続を解除し、空気注入バルブ21を電柱Tの上端に入れて、電柱上端を再び塞げば、電柱の補強は完了する。なお、風船体20の空気は長時間置いておくと自然に風船体表面から抜けるが、その際には接着剤が既に硬化しているので問題はない。
なお、ここでは風船体20を入れたまま電柱Tの上端を塞いでいるが、風船体20を取り出すようにしてもよい。この際、風船体20の外表面は補強シート10と電柱T内壁を接着する接着剤に接着しにくい加工を施しておくことが望ましく、接着剤が適度に硬化してから風船体20を取り出すことが望ましい。
また、本実施形態では、補強シート10に予め接着剤を含浸させているが、補強シート10を電柱Tに挿入する前に、電柱Tの上端開口を介して接着剤を電柱T内壁に塗布するようにしてもよい。
そして、上記実施形態では、補強シート10は圧縮袋100内で接着剤を含浸させた状態のまま電柱Tに挿入しているが、電柱Tの外で圧縮袋100から取り出して補強シート10のみを電柱Tに挿入してもよく、接着剤の含浸は接着剤を入れた槽などに浸けることで行ってもよい。
さらに、上記実施形態では、風船体20を最初から補強シート10内に入れた状態で、電柱T内に挿入しているが、風船体20を予め入れていない補強シート10を電柱T内に挿入した後に、補強シート10の上端から細長く折りたたんだ風船体20を差し入れることで補強シート10の内部に入れるようにすることもできる。
それから、風船体20が伸びた状態で空気を入れるために、風船体20に空気を入れる前に風船体20内に水などの液体を入れるようにしたり、予め風船体20の下端に錘を固定したりしてもよい。
次に実施形態2に係る中空パイプ体補強工法について説明する。本実施形態では、実施形態1に係る中空パイプ体補強工法において、さらに、風船体の内部にモルタルを充填するものである。本実施形態に係る中空パイプ体補強工法は、(1)補強シート挿入工程(2)補強シート貼付工程、(3)モルタル注入工程からなる。(1)補強シート挿入工程と、(2)補強シート貼付工程は実施形態1と同じなので説明は省略する。
前記図3(d)に示すように電柱T内に補強シート10貼付が完了したら、ある程度接着剤が硬化するのを待ち、その後、図4(a)に示すように風船体20の上部を切り開く。そして、図4(b)に示すように電柱Tの上部から風船体20の内部にモルタルを注ぎ入れ充填する。充填するモルタルは短繊維を混入したものや、無収縮性のものを用いることが望ましい。図4(c)に示すように一定量のモルタルを注入したら、モルタル注入工程は完了する。その後、電柱Tの頭部を塞ぎ、モルタルが硬化すれば電柱の補強は完了する。
なお、上記実施形態ではモルタルを電柱Tの下端側のみに注入しているが、モルタルの注入量は任意であり、電柱Tの上端にまで注入してもよい。
次に実施形態3に係る中空パイプ体補強工法について説明する。本実施形態では、実施形態1に係る中空パイプ体補強工法において、さらに、風船体を抜いて、補強シートの内部にモルタルを充填するものである。本実施形態に係る中空パイプ体補強工法は、(1)補強シート挿入工程(2)補強シート貼付工程、(3)風船体排出工程、(4)下部封止工程、(5)モルタル注入工程からなる。(1)補強シート挿入工程と、(2)補強シート貼付工程は実施形態1と同じなので説明は省略する。
前記図3(d)に示すように電柱T内に補強シート10貼付が完了したら、ある程度接着剤が硬化するのを待ち、その後、図5(a)に示すように風船体20の空気を抜いて、風船体20を補強シート10から取り出す。以上により、風船体排出工程は完了する。なお、風船体20の外表面は補正シート10と電柱T内壁を接着する接着剤が接着しにくい加工を施しておくことが望ましい。
下部封止工程は、電柱Tの下端位置の内壁を塞ぐ大きさを有する小型の風船からなる封止用風船を使用する。図6に封止用風船30の斜視図を示す。封止用風船30は、やや縦長の側周面に滑り止めが設けられる風船本体31、風船の下端に設けられる風船本体31の内部に連通するムシゴムからなる空気注入口32、空気注入口32に連通する、先端にムシゴムに挿入されて固定される空気針が連結される可撓性を有するパイプからなる空気注入管33から構成される。なお、空気注入管33の先端の空気針は空気注入口32に刺さっているので、空気注入管33を強く引張ることで、空気注入口32から取り外せるようになっている。
このような構成を有する封止用風船30を風船本体31がしぼんだ状態で、図5(b
)に示すように電柱T上端開口から吊り下げるようにして挿入し、補強シート10の下端側の適当な所に位置づける。この状態で、空気注入管33から風船本体31内に空気を入れて風船本体31を膨らませ、風船本体31の外面が補強シート10内面を挟んで電柱T内壁を押さえつけることで風船本体31が固定されるようにする。この状態で、空気注入管33を上方へ引張って、空気注入管33を電柱Tから取り出すと、図5(c)に示すように封止用風船30の風船本体31が補強シート10の下端を塞ぐように固定される。以上で、下部封止工程は完了する。
下部封止工程が完了したら、ある程度接着剤が硬化するのを待ち、その後、図7(a)に示すように電柱Tの上部から補強シート10内部にモルタルを注ぎ入れ充填する。充填するモルタルは短繊維を混入したものや、無収縮性のものを用いることが望ましい。注入したモルタルは、封止用風船30の位置で止まり、ここから上方へ充填されていく。図7(b)に示すように一定量のモルタルを注入したら、モルタル注入工程は完了する。その後、電柱Tの頭部を塞ぎ、モルタルが硬化すれば電柱の補強は完了する。
このようにモルタルを注入することで電柱Tの強度が増し、また、補強シート10にモルタルが直接接触して結合することでさらに強度が高くなる。そして、封止用風船30により下端を塞ぐことでモルタルの使用量を低減することができる。
それから、上記実施形態では、モルタルを電柱Tの上端開口から注入しているが、後述する実施形態4で示すように、電柱T側面の適当な箇所に開口を形成するととともに、補強シート10側面の当該開口に重なる位置に、予めもしくは当該開口を通じて開口をあけ、これらの開口を通じてモルタルを補正シート10内に注入するようにしてもよい。
さらに、封止用風船30は補正シート10の下端よりも下の位置に固定してもよく、この場合は、補正シート挿入工程よりも前に下端封止工程を行うことができる。また、予め封止用風船30を補強シート10の風船体20の下端に固定しておけば、風船排出工程や補正シート貼付工程の前に下端封止工程を行うことができる。
次に実施形態4に係る中空パイプ体補強工法について説明する。本実施形態は、補強シート内に袋体が形成され、この袋体内にモルタルを充填するものである。図8に本実施形態で使用する補強シート10Aの一部破断斜視図を示し、図9に補強シート10Aの模式的な縦断面図を示す。なお、図8、9に示す補強シート10Aは内部に長尺の風船体20が内装されており、風船体20が膨らんだ状態を示している。又、図9は薄いシート状の部材を認識しやすいように実際よりも厚く表している。
モルタル注入工程は補強シート10Aの内部型枠40内にモルタルを充填する工程である。具体的には、図10(b)に示すように、ガイドパイプ45にロートを取り付け、これにモルタルを注ぐことで、モルタルを内部型枠40内に流し入れて充填する。充填するモルタルは短繊維を混入したものや、無収縮性のものを用いることができる。モルタルが充填できたらガイドパイプ45を引き抜くことで、ガイドパイプ25の入り口は電柱T側面開口より下にあるので、この入り口は自然に電柱Tの内壁に塞がれることになる。
なお、モルタルは硬化前は液状であるので、不織布からなるモルタル浸透障壁21にも含浸するが繊維密度が高いので、モルタルが通りにくく、大量のモルタルが補強シート本体10にまで浸透し、接着剤を流し落としてしまうことを抑制することができる。その一方で、モルタルの一定量は、モルタル浸透障壁21を通して補強シート本体10に達するので、モルタルが硬化すると補強シート本体10とモルタルとは一体に結合することとなる。以上でモルタル抽入工程は完了する。その後、電柱T側面の開口及び上端開口を塞ぎ、さらに接着剤及びモルタルの硬化が完了すれば、中空パイプ体補強工法は完了する。
なお、上記実施形態では、電柱Tの側面に開口を設けて、ここから内部型枠40内にモルタルを注入するようにしているが、図11(a)に示すように、風船体20の上端から内部型枠40内部に達する管22を内部の気密性が保持できるように風船体20内部に通しておき、電柱Tの上端開口からこの管22を介して内部型枠内にモルタルを注入するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、内部型枠40の側外周面は不織布により形成しているが、織物や編み物繊維で形成してもよく、網や液体を通さないシートに複数の穴を開けたものなどで形成してもよく、また、補強シート10の内周面を内部型枠20の外周面とすることもできる。
次に実施形態5に係る中空パイプ体補強工法について説明する。本実施形態は、実施形態3に係る中空パイプ体補強工法において、風船体を抜き取ることに代えて風船体を短くすることで風船体を残すものである。図12に短い風船体20Bを内装した補強シート10Bの一部破断斜視図を示す。風船体20Bは補強シート10Bの3分の2程度の長さである点を除いて実施形態1に係る風船体20と同じである。風船体20Bは補強シート20Bの下端側を空けて上端側に挿入されている。また、補正シート10Bの風船体20Bの下端よりやや下に内部に至る連通口11が形成されている。
本実施形態に係る中空パイプ体補強工法は、(1)補強シート挿入工程(2)補強シート貼付工程、(3)下部封止工程、(4)モルタル注入工程からなる。(1)補強シート挿入工程(2)補強シート貼付工程は実施形態1と同じなので説明は省略する。ただし、事前準備として、電柱Tの側面の補強シート10Bの連通口11に重なる予定の位置には、予め開口を形成しておく。また、補強シート貼付工程の前に補強シート10Bの連通口11が電柱Tの側面開口に向くようにフックで引っ掛けて位置を固定しておく。補強シート貼付工程においては、風船体20Bが短いので図13(a)に示すように、風船体20Bが達していない補強シート10Bの下端側は電柱T内壁から離れた状態となる。
下部封止工程では、実施形態3で用いた封止用風船30を用いる。まず、図13(b)に示すように封止用風船30を風船本体31がしぼんだ状態で、電柱Tの側面開口から補強シートの連通口11に通して下方へ下ろして、補強シート10Bの下端側の適当な所に位置づける。この状態で、空気注入管33から風船本体31内に空気を入れて風船本体31を膨らませ、風船本体31の外面が補強シート10内面を挟んで電柱T内壁を押さえつけることで風船本体31が固定されるようにする。この状態で、空気注入管33を上方へ引張って、空気注入管33を電柱Tから取り出すと、図13(c)に示すように封止用風船30の風船本体31が補強シート10の下端を塞ぐように固定される。以上で、下部封止工程は完了する。
下部封止工程が完了したら、ある程度接着剤が硬化するのを待ち、その後、図13(a)に示すように電柱Tの側部開口及び補正シート10の連通口11を介して補強シート10B内部にモルタルを注ぎ入れ充填する。充填するモルタルは短繊維を混入したものや、無収縮性のものを用いることが望ましい。注入したモルタルは、封止用風船30の位置で止まり、ここから上方へ充填されていく。図14(b)に示すように一定量のモルタルを注入したら、モルタル注入工程は完了する。その後、電柱Tの頭部を塞ぎ、モルタルが硬化すれば電柱の補強は完了する。
このようにモルタルを注入することで電柱Tの強度が増し、また、補強シート10にモルタルが直接接触して結合することでさらに強度が高くなる。さらに、風船体20Bを抜かないことからモルタルの加重を風船体20Bが電柱T内壁を押圧する力によって受けることができる。さらに、封止用風船30により下端を塞ぐことでモルタルの使用量を低減することができる。
また、封止用風船30を使わずに、補強シート10の下端面及びこれに連なる円筒部分をモルタルが通らない素材で形成することで下端側を塞ぐようにもできる。
そして、上記実施形態では、電柱Tの側面開口からモルタルを注入するようにしているが、図10(b)に示すように、風船体20Bの上端から下端に達する管22を内部の気密性が保持できるように風船体20B内部に通しておき、電柱Tの上端開口からこの管22を介して補強シート10B下端側にモルタルを注入するようにしてもよい。
また、本実施形態は実施形態3において風船体を短くすることで、風船体を抜かなくてもよくしたものであるが、本実施形態において風船体を抜くようにすることも可能である。
上記実施形態2、3において、モルタルを注入するまえに、補強シート10内に内部型枠を上部から挿入し設置するようにすることができる。図18に挿入する内部型枠の一例を示す。内部型枠50は下方に頂点が形成される逆円錐形であり、内部に逆円錐形の風船体51を有し、この側周面に補強シート10と同じ高強度シート52を巻きつけ固定したものである。なお、高強度シート52はなくても内部型枠として機能する。この内部型枠50を、例えば実施形態3において設置するには、下部封止工程の後に、図19(a)に示すように内部型枠50を電柱Tの上部開口から挿入し固定する。なお、内部型枠50内部の空気は挿入前に入れておいてもよく、挿入後に入れてもよい。また、次のモルタル抽入工程のために、内部型枠50の上面側部からパイプPsを通しておく。その後、パイプPsを介して、図19(b)に示すように補強シート10と内部型枠50との間にモルタルを一定量注入すればモルタル注入工程が完了する。なお、パイプPsはモルタル注入後に抜き取る。
この内部型枠60も使用方法は内部型枠50と同様であり、例えば実施形態3において設置する場合、下部封止工程の後に、図22(a)に示すように内部型枠60を電柱Tの上部開口から挿入し固定する。なお、パーツ60X同士の連結は挿入前に行なっていてもよく、挿入しながら組み立てるようにしてもよい。挿入過程で突っ張り棒52は電柱Tの内壁に押されて閉じるので、外方に広がる力を発生し、これにより本体61は電柱Tの中央位置に保持されることとなる。その後、図22(b)に示すように補強シート10と内部型枠60との間にモルタルを一定量注入すればモルタル注入工程が完了する。
また、当初から補強部材12を固定しておくのではなく、図16(a)に示すように補強シート10Dに縦に細長い袋体13を形成しておき、補強シート挿入工程の後、補強シート貼付工程の後又は風船体排出工程の後などに当該袋体13に補強部材12を挿入するようにしてもよい。また、補強部材12のような棒体を固定するのではなく、図16(b)に示すように補強シート10Eの一定範囲14を3重、4重とより補強シートを重ねることにより強度を高めるようにすることもできる。
それから、内部の補強に加えて、外部を補強するようにしてもよい。例えば、図23(a)に示すような市販されている電柱バンドBを、図23(b)に示すように電柱Pの外周に巻きつけてテンションをかけて固定するようにすることができる。なお、電柱バンドBは、市販のものでなく専用に設計したものを用いてもよい。
また、上記実施形態では、電柱内部に補強シートを貼り付ける場合を例示したが、中空の鉄管や、塔どの立ったパイプ体であれば種々のものに適用できる。
11 連通孔
12 補強部材
13 細長い袋体
20、20A、20B、20C 風船体
21 空気注入バルブ
30 封止用風船
40、50、60 内部型枠
T 電柱
Claims (23)
- 立設された中空パイプ体の補強工法であって、以下の(101)〜(105)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(101) 高強度繊維で形成された布からなる筒状の補強シートの内側に当該補強シートの略全長に渡る長尺の風船体を挿入した状態で細く折りたたんだものを使用する。
(102) 前記補強シートには予め接着剤が含浸されているか、もしくは、前記中空パイプの内壁に予め接着剤が塗布されている。
(103) 前記中空パイプ体の上端には予め開口が形成されている。
(104) 前記中空パイプ体の上端の開口から前記中空パイプ体内に前記折りたたんだ補強シートを下端側から挿入する補強シート挿入工程を有する。
(105) 前記補強シート挿入工程の後に、前記風船体に空気を注入して前記風船体を膨らませ、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。 - 請求項1に記載の中空パイプ体補強工法において、以下の(202)の要件を備え、さらに、前記(101)の要件に代えて以下の(201)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(201) 高強度繊維で形成された布からなる筒状の補強シート細く折りたたんだものを使用する。
(202) 前記補強シート挿入工程の後に、前記補強シートの略全長に渡る長尺の風船体を細く折りたたんだものを、補強シートの上端から内部に挿入する風船体挿入工程を有する。 - 請求項1又は2に記載の中空パイプ体補強工法において、以下の(301)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(301) 前記補強シート貼付工程の後に、前記風船体内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。 - 請求項1又は2に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(401)〜(403)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(401) 前記補強シートの長手方向に関する所定範囲の内周面には袋体が形成されるとともに、当該袋体の前記補強シートの中心軸が通る位置に前記風船体が通る筒状の穴が形成されている。
(402) 前記袋体には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(403) 前記補強シート挿入工程の後に、前記袋体内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。 - 請求項1又は2に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(501)(502)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(501) 前記補強シート貼付工程の後に、前記風船体の空気を抜き、前記風船体を補強シート内から取り出す風船体排出工程を有する。
(502) 前記風船体排出工程の後に、前記補強シート内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。 - 請求項5に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(601)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(601) 前記補強シートの下端は予め閉じられているものである。 - 請求項5又は6に記載の中空パイプ体補強工法において、以下の(702)の要件を備えるとともに、前記(501)の要件に代えて以下の(701)の要件を備え、前記(502)の要件に代えて以下の(703)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(701) 前記補強シート貼付工程の後に、前記風船体の空気を一部抜く風船体縮小工程を有する。
(702) 前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(703) 前記風船体縮小工程の後に、前記補強シート内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。 - 請求項5に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(801)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(801) 少なくともモルタル注入工程の前に、補強シートの下端又は中空パイプ体の補強シート下端より下において小型の風船体からなる封止用風船を挿入し膨らませることで補強シートの下端又は補強シートの下端より下を閉じる下部封止工程を有する。 - 請求項5、6、8のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の要件を備える中空パイプ補強工法。
(901) 前記風船体排出工程の後、前記モルタル注入工程の前に、内部が中空の長尺部材からなり、少なくとも一定範囲において前記補強シート内径よりも外径が小さい内部型枠を補強シート内部に挿入する内部型枠挿入工程を有する。
(902) 前記モルタル注入工程において前記内部型枠と前記補強シートとの間にモルタルを注入する。 - 前記内部型枠は逆円錐状のシート体からなる風船体により形成される請求項9に記載の中空パイプ補強工法。
- 前記内部型枠の外周面は高強度繊維で形成された布により形成される請求項10に記載の中空パイプ補強工法。
- 前記内部型枠は硬質な合成樹脂製のパイプにより形成される請求項9に記載の中空パイプ補強工法。
- 請求項1又は2に記載の中空パイプ体補強工法において、以下の(1301)〜(1305)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(1301)前記補強シート貼付工程の後に、前記風船体の空気を一部抜く風船体縮小工程を有する。
(1302) 前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(1303)補強シートの下端に小型の風船体からなる封止用風船が予め挿入されてたたまれ、当該封止用風船を前記補強シート挿入工程の後に膨らませることで補強シートの下端を閉じるか、もしくは、補強シートの下端より下となる位置に小型の風船体からなる封止用風船を補強シート挿入工程の前に挿入して膨らませることで補強シートの下端より下を閉じる下部封止工程を有する。
(1304) 前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(1305) 前記風船体縮小工程及び前記下部封止工程の後に、前記補強シート内にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。 - 請求項1に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(1402)〜(1404)の要件を備えるとともに、さらに、前記(101)の要件に代えて以下の(1401)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(1401) 筒状の補強シートの内側に当該補強シートよりも短い長尺の風船体を補強シートの下端側には達しないように挿入した状態で細く折りたたんだものを使用する。
(1402) 前記補強シートは予め下端が閉じられているものである。
(1403) 前記補強シートの前記風船体が達していない下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、当該連通路を介してモルタルが注入できるように形成されている。
(1404) 前記補強シート挿入工程の後に、前記風船体が達していない補強シート下端側内部にモルタルを注入するモルタル注入工程を有する。 - 請求項14に記載の中空パイプ体補強工法において、以下の(1502)の要件を備え、さらに、前記(1401)の要件に代えて以下の(1501)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(1501) 筒状の補強シート細く折りたたんだものを使用する。
(1502) 前記補強シート挿入工程の後に、前記補強シートよりも短い長尺の風船体を細く折りたたんだものを、補強シートの上端から補強シートの下端側に達しないように内部に挿入する風船体挿入工程を有する。 - 請求項14又は15に記載の中空パイプ補強工法において、前記(1402)の要件に代えて以下の(1601)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(1601) 補強シートの下端に小型の風船体からなる封止用風船が予め挿入され、当該封止用風船を前記補強シート挿入工程の後、前記モルタル注入工程の前に膨らませることで補強シートの下端を閉じるか、もしくは、前記補強シートの下端側内部には前記中空パイプ体の外部に連通する連通路が設けられ、前記補強シート挿入工程の後、前記モルタル注入工程の前に当該連通路を介して小型の風船体からなる封止用風船を挿入して、補強シートの下端で膨らませることで補強シートの下端より下を閉じる下部封止工程を有する。 - 請求項3から16のいずれか1項に記載の中空パイプ体補強工法において、以下の(1701)〜(1703)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(1701) 前記中空パイプ体の前記モルタルが注入される範囲より上部の側面に予め開口が形成されている。
(1702) 前記補強シートの前記中空パイプ体の側面の開口に重なる位置には、予め連通孔が形成されているか、若しくは、当該開口を介して連通孔が開けられるものである。
(1703) 前記モルタルは前記中空パイプ体の前記側面の開口から注入されるものである。 - 請求項4、7、13〜16のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(1801)(1802)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(1801) 前記風船体には内部の気密性を確保しながら上端から下端に至るパイプが連通している。
(1802) 前記モルタルは前記パイプを介して注入されるものである。 - 請求項1〜18のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(1901)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(1901) 前記補強シートの長手方向に関する少なくとも一部の範囲には、長手方向に添って1以上の棒状の補強部材が固定される。 - 請求項1〜19のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(2001)の要件を備える中空パイプ体補強工法。
(2001) 前記補強シートの長手方向に関する一部の範囲には、他の範囲よりも補強シートの厚さが厚く形成される。 - 請求項5〜13のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(2101)(2102)の要件を備える中空パイプ補強工法。
(2101) 前記風船体の下端近傍に内部の気密性を確保しながら一端が固定され、前記風船体の上端に内部の気密性を確保しながら他端が固定される紐が設けられる。
(2102) 前記風船体排出工程において、前記風船体の上端を開いて前記紐の上端を引張り上げることで前記風船体を前記補強シートから取り出す。 - 請求項1〜22のいずれか1項に記載の中空パイプ補強工法において、以下の(2201)の要件を満たす中空パイプ補強工法。
(2201) 中空パイプ体の外周面にベルト体を巻きテンションをかけた状態で固定するベルト固定工程を有する。 - 請求項12に記載の中空パイプ補強工法に用いられる内部型枠であって、
合成樹脂パイプ本体の外周回りに略等しい角度をもって基端部が回転可能に保持される、3以上の棒体からなり、弾性体によって外方に開くように付勢される位置決め部が、前記合成樹脂パイプ本体の長手方向に二以上設けられた内部型枠。
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