JP2014121935A - 車載機器の支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着シート体をしっかりと貼着することができるシート体配置部を備えた車載機器の支持装置を提供する。
【解決手段】レーダー探知機のような車載機器をアーム部15先端の機器ホルダー16に取り付け、粘着シート体を貼着したベースプレート2を車両内に設置するようにした支持装置1において、アーム部15を支持するボールジョイント機構が配設された収納ケース3の下方に形成されたベースプレート2の裏面2cに露出する開口部5を蓋7によって封塞し、粘着シート体を貼着するための貼着面を面一に構成するようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、車載機器を車両の任意の配置位置、例えばダッシュボード、フロントウィンドウ、コンソールボックス等の位置に配置させるための車載機器の支持装置に関するものである。
表示部を有する車載機器、例えばナビゲーション装置、レーダー探知装置等ではユーザーの見やすい位置にその表示部が配置されるように車両内の任意の位置、例えばダッシュボード上に支持装置を設置し、車載機器を支持させるようにしている。このような車載機器(特に電子機器)の支持装置の一例を特許文献1に示す。
この特許文献1の車載機器の支持装置では例えばその図4に示すように台座部11の裏面のシート体配置部としての凹所14a内に粘着シート体を貼着し、車両内の任意の位置に配置してこの粘着シート体を介して固定するようにしている。
特開2011−116207号公報
しかし、引用文献1の車載機器の支持装置における凹所14a内の形状は粘着シート体を貼着するのに必ずしも好適とはいえない。その図4に示すように、凹所14a内にはボール保持部12をカバー部15内に収容する際の入り口となる開口部やリブ17が形成されている。そのため、凹所14a内に粘着シート体を貼着する場合に平面として現れている領域について粘着シート体はしっかりと接着されるものの、開口部領域ではまったく接着されず、リブ17領域では接着される部分とそうでない部分が混在するため、リブ17領域全体としては接着力は有するもののそれは上記の平面として現れている領域よりは劣ることとなる。そのため、例えば、上記開口部領域での固定力は低いので凹所14aの付近は粘着シート体が剥がれやすい部分ということとなる。このように従来では粘着シート体が配設される面が領域(場所)によって被接着能力が一定ではなかったため、結果として車両側に対する車載機器の支持装置の固定力に領域によってバラつきが発生することとなっていた。
しかし、このように固定力にバラつきがあると、粘着シート体自体の粘着性は変わらなくとも、取り付けられた車載機器の重量の偏倚(重量バランスの崩れ)や取り付け位置の傾斜と取り付ける向き等の諸条件によって粘着シート体が剥がれやすくなったり剥がれにくくなったりすることとなり、粘着シート体自体にどのくらいの粘着性能を与えるかの判断が困難となってしまう。また、そもそも粘着シート体をシート体配置部に貼着した際に剥がれにくい領域と剥がれやすい領域が混在するのは好ましいものではない。
本発明は、上記諸問題を解消するためになされたものであり、その目的は、粘着シート体をしっかりと貼着することができるシート体配置部を備えた車載機器の支持装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、車載機器を直接的又は間接的に装着するための機器取付部を備え、車両側に対してはベース部を介して固定される車載機器の支持装置において、前記ベース部には前記車両側との間に介在される固定用の粘着シート体を貼着するためのシート体配置部を形成し、前記シート体配置部は連続した滑らかな面で形成された接着良好領域と、連続した滑らかな面ではない接着非良好領域とを備え、少なくとも前記接着非良好領域の一部を封塞する蓋部材を配設して前記シート体配置部を略面一に構成するようにしたことをその要旨とする。
このような構成においては、シート体配置部は蓋部材を配設することによって接着非良好領域が封塞されて略面一に構成されるため、シート体配置部において粘着シート体がしっかりと貼着されることとなり、車両に対する支持装置の固定力が向上する。
ここに「車載機器を直接的又は間接的に装着するための機器取付部」とは、例えば車載機器を機器側取付部にそのまま取り付けるようにしてもよく、例えばホルダーのような中間的な介在体を介して車載機器を装着するようにしてもよいことを意図している。
「粘着シート体」とは支持装置を車両側に固定する際に両者間に介在されて使用される部材であって、種々の材質や形状や厚みで使用することが可能である。また「シート体」とは薄板や紙のような平べったい外観を呈する部材を広くいうものであって、可撓性があってもなくても構わない概念である。例えば木製や金属製のシート体であっても構わない。また、そのシート体の厚さは例えば所定方向に向かうにつれて一定の割合で厚さが増すものとするなど、一定でなくてもよいが、できる限り一定とすると特によい。また、シート体の厚さは不均一でもよい。つまり連続した面の連なりではなく、凹凸かあってもよいができる限り均一であるほうがよい。シート体の厚さは任意であるが、シートがベース部の例えば底部に設けた突起体に包囲されたシート体配置部に収容される場合には突起体よりも突出する厚さとすることが必要である。
このような粘着シート体の例として、素材自体に粘着性を有するようなゲル材から構成された両面に粘着性を有するようにしたゲルマット、両面テープ、例えばフェルト材やスポンジ材のようなクッション材の両面に粘着剤層を有する部材、シート状の基材の両面に粘着剤やテープを有する部材等が挙げられる。
「シート体配置部」はベース部の外面部分に形成され、接着良好領域と、接着非良好領域とを備えている。ここに、「接着良好領域」は良好に粘着シート体が接着される領域であり、「接着非良好領域」は「接着良好領域」に対して相対的に接着が良好ではない領域である。従って「接着非良好領域」はまったく接着がされないような(例えば上記特許文献1の開口部のような)場合も、「接着良好領域」ほどの接着作用はなくとも接着される場合も含む概念である。「連続した滑らかな面」とは粘着シート体が接着されないような例えば段差のような不連続な部分がなく平面や曲面を問わず粘着シート体が密着されうるような面である。
ここに、すべて接着良好領域とすればよいように思えるところをわざわざ接着非良好領域を形成するのは、例えば次のような理由による。
例えば特許文献1のような金型による成型品において、台座部11の上方にカバー部15を形成するためには金型としてどうしてもカバー部15を成形した後に金型を離型させるための移動方向を設ける必要がある。つまり台座部11の裏面側に形成された開口部はボール保持部12の入り口であるが、一方で必ず金型を抜く際に必然的に形成される金型の通り道でもある。そのため、支持装置の形状によってはこの開口部のような接着非良好領域を有さざるを得ない場合がある。
また、成型品においては軽量化、薄型化のために強度がどうしても十分でない場合があるそのためにシート体配置部に特許文献1のようなリブ17を形成しなくてはならず、そのために接着非良好領域を有さざるを得ない場合がある。更に、成型品では部材に表側に異形の部分(例えば盛り上がっていたり、凹んでいたり突起していたりする部分)を有する場合がある。つまり、一見して厚みの異なる部分を成形する場合がある。しかし、その場合には厚い部分の肉のいわゆる「引け」(肉の厚みが違う場合に厚い部分が凹む現象)が生じやすい。そのため実際には「引け」ができないように表面の形状に対応させて裏面を成形するようにしている。しかし、それでは裏面が表面の形状のような異形になってしまう。そのため、特許文献1の図4に示すように、裏面部分にリブ17を形成させ、リブ17の高さを凹所14a内の平面高さに揃えて粘着シート体を貼着させる場合があるからである。
ここに「蓋部材」は接着非良好領域の一部を封塞すればよいが、特に接着非良好領域の全部を封塞するとよい。また「蓋部材」は接着非良好領域のみを封塞しても、接着非良好領域以外までも(つまり接着良好領域も)封塞してもどちらでも構わない。少なくとも接着非良好領域の一部を封塞することで粘着シート体が接着されにくい領域の少なくとも一部は隠されるからである。「蓋部材」の材質はベース部と同じでも異なる材質でもどちらでも構わない。また、少なくとも接着非良好領域を封塞して、シート体配置部を略面一とすることができるような形状であれば外観は特に限定されるものではない。
また、ここに「略面一に構成する」とはまったく継ぎ目なく蓋部材がシート体配置部を覆う場合はもちろん、わずかな隙間や段差があっても、例えば弾性のある粘着シート体の厚みによって吸収される程度のものであって支持装置がなんら不具合なく車両の任意の位置に配設されるようであれば略面一の概念に含まれるものである。
「車載機器」としては、例えばナビゲーション装置、レーダー探知装置、ドライブレコーダーのような電子機器や、電子機器以外では追加ミラー(例えばレーダー探知装置のような電子機器を組み込んでも良い)、カップホルダー等が挙げられる。
請求項2の発明では請求項1の発明の構成に加えて、前記蓋部材は配設状態で前記接着良好領域と略面一に接続されて前記シート配置部を略面一に構成することをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、少なくとも接着非良好領域は蓋部材によって封塞され、その蓋部は接着良好領域と略面一に接続されてシート配置部を略面一に構成するため、シート体配置部において粘着シート体がしっかりと貼着されることとなり、車両に対する支持装置の固定力が向上する。「略面一に構成する」の定義は上記と同様である。
請求項3の発明では請求項1又は2の発明の構成に加えて、前記シート体配置部を突起体によって包囲したことをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、粘着シート体を配置する領域が画定されることとなり、粘着シート体を配置しやすくなる。粘着シート体は少なくとも突起体によって包囲される領域よりも同一又はそれ以下の大きさの外形形状とされる。
ここに「突起体」はシート体配置部を包囲していることが分かり、シート体配置部の基準となる面から突出している形状であればよく、例えば、堤状に形成される突条形状で包囲したり、ドット状に突起する多数のピン体よって包囲したりすることが可能である。突条形状で包囲する場合には途中に包囲していない切れ目があっても(もちろん、なくても)構わない。上記のように粘着シート体を配置した状態で粘着シート体は突起体の高さよりも厚くなければならない。
請求項4の発明では請求項3に記載の発明の構成に加えて、前記突起体を前記ベース部の外郭線よりも内側位置に配置したことをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、ベース部を目視した際に突起体があっても実際に突起体の突起量を含んだ厚みほどには厚く見えないという視覚効果を生むこととなる。
例えば、突起体がベース部の外郭線に沿って突条形状で形成されているとすると、その突起体の厚み分を含めた厚みとしてベース部が認識されてしまう。ここでは一例として突条形状を挙げるが突条形状ではなくともともかく突起体が目視できるならばベース部がそれだけ厚いと感じる要素となる。そのため、このように外郭線よりも内側位置に突起体を配置することで、突起体が目視されないような角度領域が増えることから突起体が目視されないことで上記のような視覚効果を生むこととなる。
請求項5の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記接着非良好領域は前記ベース部の表側に突起する中空ケース部の裏面側開口部であって、前記機器取付部を前記ケース部内に収容された支持部によって変位可能に直接的又は間接的に支持することをその要旨とする。
これは、接着非良好領域が支持装置に形成される具体的な場合を構成したものである。ベース部の表側に突起する中空ケース部がベース部の裏面側に対して裏面側開口部を有するというものである。ケース部内には支持部が収容され、機器取付部は支持部によって変位可能に直接的又は間接的に支持されることとなる。裏面側開口部は支持部を中空ケース部内に収容する際の入り口となるものであるが、そもそも上記で説明したように金型による成型品では成型後に金型を離型する必要があるため、金型を離型する際の金型の通り道をそのまま支持部の入り口としたものでもある。ここに「直接的又は間接的」とは、機器取付部が他の部材を介して支持部に支持されるケースを意図している。例えば、後述するアーム部を有するような場合である。
請求項6の発明では請求項5の発明の構成に加えて、前記中空ケース部は前記ベース部の後方側に配設されていることをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、中空ケース部が後方に配設されることでその裏面側開口部もベース部の裏面側において後方側に配置されることになる。そして、裏面側開口部は蓋部材で塞がれているので、粘着シート体が裏面側開口部位置にもしっかりと貼着されることとなり、車両に対する支持装置の固定力がこの裏面側開口部位置で低下してしまうことがない。
ここでもし、接着非良好領域である裏面側開口部位置の裏面側開口部が蓋部材によって塞がれていないのであれば、この裏面側開口部には粘着シート体が貼着できないこととなり、支持装置の固定力がこの箇所だけ低下することなる。しかも、この裏面側開口部位置は車載機器を機器取付部に取り付けた状態の支持装置のベース部を粘着シート体を介して車両側に固定した場合には、特に粘着シート体を引き剥がす力がかかりやすい後方側にあるため、この位置で支持装置の固定力が劣るのは好ましくない。しかし、本請求項5の発明であればそのような不具合が生じることはない。
請求項7の発明では請求項1〜6のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記蓋部材は少なくとも車載機器の重心位置と離れた位置にある前記接着非良好領域を閉塞することをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、次のような作用・効果が奏される。
車載機器が重心位置と離れた位置にある場合に、支持装置が固定されていなければ車載機器の重量によってその車載機器の方向に支持装置は倒れてしまうこととなる。しかし、重心位置と離れた位置に接着非良好領域が形成されている場合、例えば上記のように車載機器はベース部の前方に配置され、裏面側開口部(接着非良好領域)が形成された中空ケース部がベース部の後方に配設されるような場合では、裏面側開口部には粘着シートが粘着できないことからベース部全体の固定力が低下し、車載機器の方向に支持装置は倒れてしまう可能性がある。
しかし、このように蓋部材によって重心位置と離れた位置にある前記接着非良好領域を封塞することで、ベース部全体の固定力が向上し、車載機器の方向に支持装置は倒れてしまうということがない。車両内では車両走行に伴って車両に加速度、車両振動や車両の熱等の粘着シートが剥がれやすくなる要素があるものの、このようにベース部全体の固定力が増すことから支持装置は安定して車両内で固定されることとなる。
請求項8の発明では請求項1〜7のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記車載機器をその表示部側が前方を指向するように前記機器取付部に取り付けた際に、前記車載機器は前記ベース部の前方に配置され、前記蓋部材は前記ベース部の少なくとも中心よりも後方に配置されて前記接着非良好領域の少なくとも一部を封塞することをその要旨とする。
この構成は、請求項7の車載機器が重心位置と離れた位置にある場合をより具体化した構成を示したものである。車載機器は一般に支持装置よりも重量があり、かつ表示部のある前側が車載機器では重いわけであるため、このようにベース部の中心を挟んで車載機器が前方に配置されるような機器取付部への取り付けである場合には、接着非良好領域が蓋で覆われて粘着シートが粘着できるようでないと、特に支持装置は車載機器の方向に倒れてしまう可能性が高いが、請求項8の発明のように構成すれば、そのような不具合は生じにくい。
請求項9の発明では請求項5〜8のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記中空ケース部の前方壁部に前方側開口部を形成し、前記機器取付部を前記前方側開口部から露出する前記支持部によって変位可能に直接的又は間接的に支持するようにしたことをその要旨とする。
これは、支持装置において支持部によって支持される機器取付部をより具体化した構成を説明したものである。「直接的又は間接的」については上記と同義である。
請求項10の発明では請求項9の発明の構成に加えて、前記前方壁部の前面(以下、前方壁面)は平面に形成された前記ベース部表面に対して垂直で、かつ前後直線方向に対して直交する面を基準として上方側が後方傾斜していることをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、前方壁面の上方側が後方に傾斜しているため、車両機器を機器取付部に取り付けた状態で上方側へ機器取付部を変位させると、前方壁面が垂直に配置されている場合に比べて機器取付部が中空ケース部により干渉しにくくなり、上方側への機器取付部の変位量が多くなる。つまり、車両機器を任意の向きでセットする際に前方壁面が垂直に配置されている場合に比べて特に上方側へのよりバリエーションのある向きでセットすることが可能となる。
請求項11の発明では請求項9又は10の発明の構成に加えて、前記中空ケース部の前記前方壁面と、同前方壁面に隣接する左右壁面とによってなすコーナー部分を斜めカット状に形成したことをその要旨とする。
このように構成することで、上記作用に加え、前方壁面と、前方壁面に隣接する左右壁面とによってなすコーナー部分を斜めカット状に形成することで、車両機器を機器取付部に取り付けた状態で左右いずれかの側へ機器取付部を変位させると、このようなコーナー部分を斜めカット状に形成していない場合に比べて機器取付部が中空ケース部により干渉しにくくなり、左右方向への機器取付部の変位量が多くなる。
請求項12の発明では請求項5〜11のいずれか発明の構成に加えて、前記中空ケース部の後方壁部の前面を前記ベース部の後端位置に略一致するように配置したことをその要旨とする。
このような構成とすることで、上記作用に加え、中空ケース部をスペース的に最も無駄のない状態でベース部の後方位置に配置させることとなり、同じ容積の中空ケース部をベース部上に形成する際に中空ケース部の前方のベース部上の領域を広く確保することができる。このような構成とすることで機器取付部に取り付ける車両機器をより支持装置の重心寄りに配置させるような設計が可能となり、支持装置の固定状態で車両機器を安定して支持することができる。ここに「略一致」とは完全に一致する場合だけでなく若干の誤差を含んでもよい意である。
請求項13の発明では請求項5〜12のいずれかの発明の構成に加えて、前記支持部を自在継ぎ手機構によって前記中空ケース部側に対して揺動自在に保持したことをその要旨とする。
このような構成とすることで、上記作用に加え、機器取付部は自在継ぎ手機構によって揺動自在に保持された支持部によって無段階に様々な姿態で車両機器をセットすることが可能となる。
請求項14の発明では請求項13の発明の構成に加えて、前記自在継ぎ手機構は前記中空ケース部内に配置された前記支持部としてのボール部と、前記中空ケース部内に配置された前記ボール部が嵌合される凹部を備えたボール保持部から構成されていることをその要旨とする。
これは上記の自在継ぎ手機構をより具体化した構成である。このように自在継ぎ手機構をボール部とボール部が嵌合される凹部を備えたボール保持部から構成することで、ボール部表面が凹部に面着して、ボール部はしっかりとボール保持部に嵌合(保持)されることとなる。ボール部とボール保持部は少なくともいずれか一方が弾性のある素材、例えばゴム素材や弾性プラスチック、エラストマー等で構成することが保持能力の向上のためによい。ボール部とボール保持部の少なくともいずれか一方を弾性のある素材で形成する場合には密着性を向上させるために、ボール部の径よりも凹部の径を若干小さく構成することがよい。
請求項15の発明では請求項14の発明の構成に加え、前記ボール保持部の前記凹部の前縁部と前記前方側開口部の前縁部の形状は円形であってそれらの中心が一致することをその要旨とする。
このような構成とすることで、上記作用に加え、凹部の前縁部と前方側開口部の前縁部とはどの方向についてもそれらの中心からの距離は一定となるため、支持部に支持されている機器取付部のある部分(例えば、後述するアーム部)がそれらの前縁部に干渉する場合でも、支持部の揺動可能範囲は360度どの方向にも均等となるため、方向によって揺動量が異なることがない。
凹部の前縁部と前方側開口部の前縁部とは少なくとも中空ケース部内に収容されているボール保持部側の凹部の前縁部が小径で外側に配置される中空ケース部側の前方側開口部の方が大径であることがよい。中空ケース部には厚みがあるが、なるべく支持部の揺動可能範囲が大きくなるように中空ケース部に形成される前方側開口部は厚み方向において外方(前方)ほど大径とする(つまり、外側が拡開されている)ことがよい。ボール保持部も同様である。その場合に中空ケース部の前方側開口部の内周位置の径は凹部の前縁部の最も外方(前方)の径と同径であることが前縁部が滑らかに接続されるためによい。
請求項16の発明では請求項15の発明の構成に加え、前記ボール保持部の前記凹部の前縁部と前記前方側開口部の前縁部は垂直方向に対して後方に略同一の角度で傾斜して配置されていることをその要旨とする。
このような構成とすることで、2つの前縁部の傾斜角度が略一致し、異なる部材が滑らかに接続されることとなる。また、特に前縁部形状を厚み方向において外方(前方)ほど大径に構成する場合には角度が異なると滑らかな接続が困難である。ここに「略同一」とは同一と、同一ではないが同一と解してよい程度の誤差があってもよいという意である。
請求項17の発明では請求項14〜16の発明の構成に加えて、前記ボール保持部には外部と前記凹部側とを連通する連通孔を形成したことをその要旨とする。
このような構成とすることで、上記作用に加え、凹部内にボール部を嵌合した際に放出されずに凹部内に残ってしまった空気が圧縮される際の空気の圧力をこの連通孔を通じて外部に逃がすことができる。もし、この連通孔がないと圧縮空気の圧力の逃げ場がなく、場合によっては嵌合されたボール部が凹部内から押し出されてしまうような不具合が発生する可能性が生じる。
連通孔を形成する際には一般にボール部が金型による成型品であるので、連通孔も金型によって形成することがよく、その場合には金型を離型させる際の離型方向に沿って連通孔は形成されることがよい。
請求項18の発明では請求項13〜17のいずれかの発明の構成に加えて、軸線が前記支持部の揺動中心位置を通るように前記支持部から前方に向かってアーム部を形成し、前記アーム部の前端に前記機器取付部を設けるようにしたことをその要旨とする。
このようなアーム部を介して機器取付部を設けることで、支持部からのからの離間距離を取ることができ、機器取付部に取り付けた車載機器を支持部(ボール部)を揺動させた際に中空ケース部に干渉しにくくすることができる。アーム部は長ければそれだけ車載機が中空ケース部に干渉しにくくなるが、車載機器は前方に片持ち梁状に支持されているため、あまり支持装置の重心位置から遠くに配置されるとそれだけ支持装置は剥がれやすくなる。そのため、アーム部は前方水平に(ベース部上面に平行に)延出させた際に車載機器がベース部から前方に突出しない程度の長さで設計することがよい(そのためにもなるべく中空ケース部は後方にあることがよい)。
「アーム部」の形状は特に限定されるものではない。例えば「アーム部」は支持部と別体で構成してもよいが、「アーム部」は支持部(例えば、ボール部)と一体成型によって成形させることがよい。
請求項19の発明では請求項18の発明の構成に加えて、前記アーム部の軸線方向に対して直交する面を基準面とし、前記機器側取付部の取り付け面の面方向を前記基準面に対して傾斜して配置するようにしたことをその要旨とする。
このような構成とすることで上記作用に加え、支持部(ボール部)の可動範囲が広くなる。例えば、このような傾斜を設けていない場合では支持部(ボール部)を、例えば支持部を最も下方に振った位置に配置した場合に取り付け面の面方向を下側に向ければより下方に車載機器を配置させることができ、逆に支持部を最も上方に振った位置に配置した場合にはより上方に車載機器を配置させることができるわけである。また、このように支持部を上下反転させて使用すると車載機器の位置が変わるため位置のバリエーションが増すこととなる。
上記各請求項の発明によれば、シート体配置部は蓋部材を配設することによって接着非良好領域が封塞されて略面一に構成されるため、シート体配置部において粘着シート体がしっかりと貼着されることとなり、車両に対する支持装置の固定力が向上する。
本発明にかかる実施の形態の車載機器の支持装置の斜視図。 同じ実施の形態の車載機器の支持装置の分解斜視図。 同じ実施の形態の車載機器の支持装置において(a)は側面図、(b)は(a)のA−A断面図。 同じ実施の形態の車載機器の支持装置におい(a)は機器取り付け面が垂直でかつアーム部が上向きとなるようにボール部を配置した状態の断面図、(b)は機器取り付け面が垂直でかつアーム部が下向きとなるようにボール部を配置した状態の断面図。 同じ実施の形態の車載機器の支持装置において(a)は底面図、(b)は蓋を外した状態でのその蓋と車載機器の支持装置の底面図。 同じ実施の形態の車載機器の支持装置において取り付けた車載機器を仮想線で示す平面図。 同じ実施の形態の車載機器の支持装置において取り付けた車載機器を仮想線で示す正面図。 (a)は図4(a)の状態のアーム部の機器ホルダーにレーダー探知機を取り付けた側面図、(b)は図4(b)の状態のアーム部の機器ホルダーにレーダー探知機を取り付けた側面図。 ベースプレート2の端部形状の一部破断拡大断面図。
以下、本発明の車載機器の支持装置の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1〜図8に示すように、車載機器(電子機器)として、例えばレーダー探知機用の支持装置1はベース部としてのベースプレート2と、ベースプレート2と中空ケース部としての収納ケース3とを備えている。ここで支持装置1に支持されるレーダー探知機の表示画面の大きさは1.5インチ程度〜3.5インチ程度が特に好適である。
ベースプレート2及び収納ケース3は金型によって一体成形された硬質のポリカーボネート製の成型品である。尚、本実施の形態では特記ない限り前方向とは図3(a)及び(b)において図の左方をいい、後方向とは同右方向をいうものとする。
ベースプレート2は一辺47mmの正方形の中実の板体形状を構成している。ベースプレート2の上面(表面)2aは滑らかな平面に構成されており、上面2aの後方位置には収納ケース3が形成されている。ベースプレート2の上面2aと収納ケース3の接続部分は滑らかに接続されている。ベースプレート2の上面2aと外縁2bとの接合部分(つまり表側のベースプレート2の角部)は滑らかに面取り状に接合されている。ベースプレート2の裏面2cも滑らかな平面に構成されており、裏面2cの後方位置には接着非良好領域としての開口部5が形成されている。
図5(a)及び(b)に示すように、ベースプレート2の裏面2cであって、ベースプレート2の外縁2bから若干内方に寄った位置にはシート体包囲部4が形成されている。シート体包囲部4で包囲される面は後述する粘着シート体Sが貼着される領域となる。シート体包囲部4はベースプレート2の外縁2bに沿ってベースプレート2の裏面2のほぼ全域を包囲する途中に切れ目のない断面長方形形状の突条体である。
本実施の形態では図9に示すように、シート体包囲部4はベースプレート2の外縁2bから1.5mmの位置を中心として0.8mm幅で構成され、外側における裏面2cからのシート体包囲部4の先端面からの下方側への突出量0.5mm、内側における裏面2cからのシート体包囲部4の先端面からの下方側への突出量1.0mmとされており、ベースプレート2の裏面2cはシート体包囲部4に包囲された内側が外側よりわずかに深く形成されている。以下の実施の形態では裏面2cのうち、シート体包囲部4に包囲された内側を貼着面とする。
図5(b)に示すように、開口部5はベースプレート2の前後方向を通る中央線pを基準として鏡像対称の略半月形状に形成され、収納ケース3の内部に連通されている。開口部5は金型によって成形された収納ケース3から金型を離型する際に形成される金型の通り道でもあるため、収納ケース3の内周面の最下端部分がすなわち開口部5とされ、収納ケース3内への通路となっている。図5(b)に示すように、開口部5の湾曲した前端5a位置はベースプレート2の中央よりもわずかに後方に配置されており、直線形状の後端5bはベースプレート2の後方側の外縁2bと平行に配置されている。図4(a)及び(b)に示すように、前記開口部5の後端5bはベースプレート2の後方側の外縁2bに沿って延出されるシート体包囲部4の内側面と面一に配置される。開口部5内周の前端5a及び後端5bには蓋7側と係合するための係合手段としての係合爪6が形成されている。
図2、図4(a)及び(b)並びに図5(a)及び(b)に示すように、開口部5には硬質のポリカーボネート製の蓋7が嵌合されている。蓋7は開口部5の形状に対応した略半月形状の板状部材である。蓋7の前端7a及び後端7bには開口部5に形成された係合爪6と係合関係を構成する係合手段としての係合凹部8が形成されている。開口部5に対して蓋7を押しつけることで各係合凹部8が係合爪6に無理嵌め状に係合され、開口部5は蓋7によって閉塞される。図4(a)及び(b)に示すように、蓋7は閉塞状態でベースプレート2の裏面2とその外面が面一に配置されることとなる。また、図5(a)に示すように、蓋7の外郭は若干開口部5の内周よりも小さく、そのためごく小さな隙間が両者間に形成されるが、この程度は隙間がない場合と使用上の差はないため面一の範囲と判断する。
収納ケース3は前記中央線pを基準として鏡像対称に形成されている。収納ケース3は所定の厚みで成形された中空体であって、収納ケース3内外に連通する前面開口部10が形成された前面壁3aと、前面壁3aと背中合わせに配置され平面に構成された表面を有する後面壁3bと、前面壁3aと後面壁3bの間に配置され左右〜上方に及んだ湾曲した帯状の面を構成する側面壁3cとによって基本的な外周形状が構成されている。前面開口部10は真円形状に開口されており、前面壁3aの厚み方向において前方(外方)ほど大径となるように前方に向かって拡開して形成されている。
収納ケース3の形状についてより詳しく説明する。
収納ケース3は図3(a)に示す側方からの正視において前面壁3aの平面に構成された表面側(以下、前方壁面A)がベースプレート2の上面2aに対して上方側が後方に傾斜して配置されている(本実施の形態では垂直方向に対して20度の角度)。同様に平面に構成された後面壁3cの表面側(以下、後方壁面B)がベースプレート2の上面2aに対して上方側が前方に傾斜して配置されている(但し、後方壁面Bは垂直方向に対して5度の角度とされているため、外観的にはほとんど垂直に起立しているイメージとなる)。前方壁面Aが後傾で後方壁面Bが前傾であるため側面壁3cは下方側(ベースプレート2側)ほど幅広で上方にいくほど幅狭に形成される。このような構成であるため、収納ケース3を成型した金型が離型しやすくなる効果がある。
図7に示す前方からの正視において側面壁3cの表面側(以下、側方壁面C)は上方がすぼまった二次関数のグラフの頂点付近を切り取ったような形状とされている。収納ケース3の最大左右幅はベースプレート2の左右幅よりも狭い(本実施の形態では左右それぞれ8mmずつベースプレート2の左右の外縁2bから内方に位置する)。
図6に示す上方からの正視(平面視)及び図3(b)に示す断面図において、前方壁面Aと側方壁面Cの交差するコーナー部にはこの位置の下方域2/3ほどを垂直にあたかも切り取ったように構成される面取り状のコーナー面Dが形成されている。図3(b)の断面図に示すように、コーナー面Dは外側に凸となるように緩やかなカーブ状に構成されている。ここに、もし、仮にこのようなコーナー面Dが形成されずに前面方向に正対する前方壁面Aと側方壁面Cがそのまま交差するとなると、図3(b)の仮想線qの位置に交差位置が配置されることとなり、収納ケース3はかなりベースプレート2の前方位置に張り出すこととなる。
図2、図3(b)、図4(a)及び(b)並びに図5(b)に示すように、収納ケース3の前面壁3aと側面壁3cの内面側には後述するボールホルダー13の補強を兼ねた位置決め用のリブ12が形成されている。
尚、前方壁面A、後方壁面B、側方壁面C、コーナー面Dの各面同士の接合される接合部分は不連続的ではなく、滑らかに面取り状に接合されている。
収納ケース3内にはボール保持部としてのボールホルダー13と、ボールホルダー13に保持されたボール部14が配設されている。ボールホルダー13とボール部14によってボールジョイント機構が構成される。ボール部14にはアーム部15を介して機器ホルダー16が一体的に形成されている。ボールホルダー13は可撓性のある合成ゴム製の金型成型品であり、ボール部14、アーム部15及び機器ホルダー16は金型によって一体成形された硬質のポリカーボネート製の成型品である。
図2〜図4(b)に示すように、ボールホルダー13は収納ケース3の側面壁3cの湾曲した形状に対応する形状の板状の本体部17と、本体部17の前方に突出するフランジ部18とから構成されている。フランジ部18の前縁部20の形状は真円形状とされている。ボール部14の入り口(挿入口)となる前縁部20はフランジ部18の厚み方向において前方(外方)ほど大径となるように前方に向かって拡開して形成されている。ボールホルダー13の内部、つまりフランジ部18の内周面と本体部17の内周面には球状に構成された凹部としてのボール保持面19が形成されている。ボール保持面19は湾曲面が半球よりも小さい球面で構成されてしまうと嵌合されたボール部14が容易に抜け落ちてしまうため、半球よりも大きい球面で構成されている。フランジ部18の前縁部20の面方向は垂直方向に対して20度の角度とされている。これは収納ケース3の前方壁面Aの傾斜角度と一致させたものである。
ボール保持面19には前縁部20側からボール部14を挿入する場合に無理嵌めされたボール部14によってフランジ部18全体が押し広げられてボール部14の嵌合とボール部14のボール保持面19に対する無段階の回動を許容できる程度の球面量と球面の径が設定されている。図3、図4(a)及び(b)の図示における仮想線rがボール部14によって押し広げられる前のボール保持面19の位置である(押し広げられることでボール保持面19はボール部14の外周面と一致する)。
ボール保持面19から本体部17の裏面側にかけて1本の連通孔23が形成されている。本実施の形態では連通孔23の直径は1.2mmとされ、連通孔23の軸線方向は前縁部20の中心方向とされている。本実施の形態では連通孔23はボールホルダー13を成形する際の金型のボールホルダー13からの離型方向と一致するように軸線方向が設定されている。
ボール部14は中実の真球体であって(但し、成形時の湯口のバリをカットしているため、尻部は平面として現れている)、ボール部14の表面から断面円形の中実のアーム部15が延出されている。アーム部15の軸線方向s(以下、単に軸線方向s)はボール部14の中心を通る直線と一致する。アーム部15の先端に形成された機器ホルダー16は板状のホルダー本体21と、横長に配置されたホルダー本体21の左右寄りに形成されたレーダー探知機に係合される係合フック22から構成されている。ホルダー本体21の前面はレーダー探知機と正対して密着する機器取り付け面21aとされている。
図4(a)及び(b)に示すように、軸線方向sに対してホルダー本体16aの機器取り付け面21aの面方向tは軸線方向sの直交方向の面(基準面)に対してある1方向に向かって所定の角度で傾斜させられている(本実施の形態では軸線方向sに直交する方向に対して12度の角度)。
ボールホルダー13は前記開口部5から収納ケース3内に収納される。ボールホルダー13を収納ケース3内に収納した状態で、蓋7によって開口部5を封塞する。この状態でボールホルダー13は収納ケース3内でしっかりと固定される。このとき、図4(a)及び(b)に示すように、収納ケース3の前面壁3aに形成された前面開口部10とボールホルダー13のフランジ部18の前縁部20とは中心が一致し、中心軸も一致した状態で配置される。かつ、前方に向かって拡開させた前面開口部10の先端位置に対して前縁部20の後端位置は全周に渡ってほぼ滑らかに接続されている。
ボール部14はボールホルダー13が収納ケース3内に収納された状態で、収納ケース3の前面開口部10からボールホルダー13のボール保持面19内に嵌合される。ボール部14はボールホルダー13に保持された状態で図4(a)及び(b)に示すようにアーム部15及びホルダー16が収納ケース3前方に露出(突出)される。ボール部14はアーム部15の周方向に回動自在であるとともに、アーム部15の外周が収納ケース3の前面開口部10の内周に当接する位置を最大に揺動自在とされる。
次に、このように構成された支持装置1の作用について説明する。
支持装置1の裏面2cの貼着面に粘着マットM(本実施の形態では両面テープで貼着する3mm厚のマットを使用)を貼着し、例えば車両のダッシュボードのような目視に好適な任意の位置に固定するものとする。貼着状態でシート体包囲部4はベースプレート2の外縁2bから若干内側に配置されるため、外縁2bに正対する真横方向あるいはそれに近い角度から目視しない限りシート体包囲部4は確認できない。そのため、通常のベースプレート2上方の位置からベースプレート2の外縁2bを目視した場合にシート体包囲部4の突出量を含んだ厚みほどには厚く見えないという視覚効果を生むこととなる。
図6〜図8(b)は、機器ホルダー16に対して一例として横長のレーダー探知機を長手方向が水平方向となるように取り付けた状態である。図7のようにレーダー探知機を横長に配置した状態で、ホルダー本体16aは横長に配置され、レーダー探知機の裏面下部位置に形成された図示しないスリット状の係合部に係合フック22をスライドさせて差し込んで連結する。その連結状態で機器取り付け面21aはレーダー探知機の平面下部位置に密着させられる。
図6に示すように、アーム部15を上記中央線p(図5(b)に図示)に沿った前方方向に延出させた状態では、アーム部15を上下に揺動させても常にレーダー探知機の前面はベースプレート2の前方側の外縁2bからはみ出ることはない。つまり、レーダー探知機の重量がいくらあっても支持装置1とのトータルの重量の重心位置は常にベースプレート2内に存在することとなる。
また、図6に示すようにレーダー探知機が比較的下方に配置される場合(例えば、アーム部15が水平あるいは水平よりも下方向きに延出される場合)では、矢印のようにレーダー探知機を揺動させた場合にコーナー面Dに干渉するまで左右方向に揺動させることが可能となる。
図7の矢印のように、レーダー探知機は自身がベースプレート2あるいは支持装置1が固定された車両側に当接するまでアーム部15の周方向に回動が可能である。
図8(a)はボール保持面19が図4(a)において軸線方向sを水平に配置した場合に機器取り付け面21aが下方を向いた機器ホルダー16に対してレーダー探知機を取り付けた状態である。一方、図8(b)は図4(b)において軸線方向sを水平に配置した場合に機器取り付け面21aが上方を向いた機器ホルダー16に対してレーダー探知機を取り付けた状態である。本実施の形態では軸線方向sに直交する方向に対するボール保持面19の傾斜方向はこのように上下方向に配置する。図8(a)のようにレーダー探知機を取り付けることで、このような角度を設けない場合に比較してレーダー探知機をよりベースプレート2から離間した上方位置に配置させることができる。一方、図8(b)のようにレーダー探知機を取り付けることで、このような角度を設けない場合に比較してアーム部15を最も下方に揺動させた場合でもレーダー探知機をベースプレート2に当接させずに、かつ比較的ベースプレート2に接近した位置に配置することが可能となる。
以上のような構成の実施の形態の支持装置1では次のような効果が奏される。
(1)ベースプレート2の裏面2c(貼着面)に形成された開口部5は蓋7によって封塞され、シート体包囲部4に包囲された裏面2c全体が面一の平面に形成されることとなるため、粘着マットMは貼着面にしっかりと貼着されることとなり、ベースプレート2が車両側に設置された際の固定力が貼着面内の異なる領域間においてバラつくことがなくなり、安定した固定力で支持装置1は固定されることとなる。
(2)支持装置1はそもそもベースプレート2の前方位置に片持ち梁状に支持されたレーダー探知機の重量によってベースプレート2の前方側に重心が存在するため、ベースプレート2の後方側には常にベースプレート2を上方に持ち上げるような回転力が作用することとなる。ベースプレート2の裏面2cに形成された開口部5は大きな面積でベースプレート2の後方位置に配設された収納ケース3の下方位置に形成されているため、もし、蓋7がなければ、粘着マットMは開口部5位置では固定力を有さないこととなり、ベースプレート2の後方側の固定力が減衰することなる。その場合には、回転力に抗しきれずに粘着マットMが貼着面から剥がれて支持装置1が前方側に転倒してしまう可能性もあるが、本実施の形態ではそのようなことはない。
(3)ベースプレート2の裏面2cはシート体包囲部4によって包囲されているため、粘着マットMの貼り付け領域が明確で貼り間違えがない。更にシート体包囲部4はベースプレート2の外縁2bから若干内側位置に形成されているため、通常のベースプレート2上方の位置からベースプレート2の外縁2bを目視した場合にシート体包囲部4の突出量を含んだ厚みほどには厚く見えないという視覚効果を生むこととなる。
(4)例えばネジ穴のような小さな空間があっても、それを塞がないことはそれほど支持装置1の固定力に影響はない。しかし、上記のように開口部5はボール部14を支えられるだけの長さを収納ケース3内に確保する必要から大きな穴(開口領域)が必要になる。開口部5は貼着面の1/3程度を占めるため、このような大きな空間を塞がない場合の固定力に与える影響は大きい。本実施の形態では蓋7によってこのような大きな開口部5を封塞するため、粘着マットMの固定力が減衰することがない。
(5)収納ケース3の前方壁面Aは上方側が後方に傾斜した形状とされているため、例えば垂直に起立した前方壁面を有する場合を想定して比較すると、アーム部15先端に取り付けられたレーダー探知機が実施の形態の場合の方が上方側への揺動量が多くなる(収納ケース3に干渉しにくくなる)。これによって、例えば、車両内の低い位置に支持装置1をセットした場合に、より大きく上方にレーダー探知機の表示部を向かせることができ、配置可能な場所が増えることとなる。
(6)収納ケース3の前方壁面Aと側方壁面Cの交差する位置には面取り状にコーナー面Dを形成するようにしたため、レーダー探知機が比較的ベースプレート2に近い位置に配置されている場合に、左右方向にレーダー探知機を揺動させた場合に図3(b)のコーナー面Dを形成しない場合の仮想線q位置を想定した場合に、より大きく揺動させることができ、レーダー探知機の表示部の向きの裕度が向上する。
(7)前面開口部10と前縁部20の中心及び中心軸が一致しており、前方に向かって拡開させた前面開口部10の先端位置に対して前縁部20の後端位置は全周に渡ってほぼ滑らかに接続されているため、アーム部15が揺動可能な範囲について全周に渡って不均衡な方向がない。
(8)アーム部15を上下反転させて、例えば、上記のように図4(a)の軸線方向sを水平に配置した場合に機器取り付け面21aが下方を向いた機器ホルダー16に対してレーダー探知機を取り付けた状態と、図4(b)の軸線方向sを水平に配置した場合に機器取り付け面21aが上方を向いた機器ホルダー16に対してレーダー探知機を取り付けた状態とすることでレーダー探知機の揺動範囲が変化するため、レーダー探知機の配置位置のバリエーションが増すこととなる。
(9)収納ケース3はベースプレート2のもっとも後方寄りで、その後方壁面Bはぎりぎりベースプレート2の外縁2bに沿って配置されるように支持装置1の重心はできる限り後方よりとしている。そのため、アーム部15を比較的長めに設計することができ、そのためレーダー探知機の揺動範囲が広くなる。また、前方位置に配置されるレーダー探知機は特に前面側の表示部が重くなる傾向であるが、このように収納ケース3を極力後方に配置させたために、レーダー探知機を支持した状態での重心もベースプレート2の中心に近い位置に設定することが可能となる。重心が中心から偏在していると回転力が発生し、それがベースプレート2を引き剥がす力となるが、上記のような構成ではそのような力を抑制することができる。
(10)ボールホルダー13にはボール保持面19から本体部17の裏面側にかけて連通孔23が形成されているため、ボール保持面19にボール部14を嵌合させた場合に内部に残った空気がこの連通孔23を通じて外気に放出されることとなり、内部に残った空気によってボール部14がボール保持面19から押し出されてしまうような不具合が発生する可能性がない。
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施の形態の支持装置1の構成は一例であって、他の支持装置に応用するようにしてもよい。支持する車載機器についてもレーダー探知機以外とすることも可能である。例えばPND等でもよく、特に表示部を備える車載機器に好適である。また、保持する機器の重量は150グラム程度までが好適であるが、さらに支持強度を調整してそれ以上の重量に対応させることも可能である。
・レーダー探知機の表示画面を上記実施の形態以外のサイズで適用することも可能である。
・ベースプレート2、収納ケース3、蓋7、ボールホルダー13、ボール部14、アーム部15、機器ホルダー16等の形状、寸法、素材について上記は一例であって他の態様で実施することは自由である。
・開口部5の位置や形状は上記に限定されるものではない。
・開口部5以外の形状、例えば凹部やリブ面等が接着非良好領域として形成されていてもよく、それらを蓋部材で封塞するようにしてもよい。
・シート体包囲部4の下方への突出量やベースプレート2の外縁2bからの距離は適宜変更可能である。また、シート体包囲部4は外縁2bに沿って(つまり実施の形態では正方形に)配置したが、それ以外のパターンで形成するようにしてもよい。包囲していない切れ目があってもよい。
・連通孔23は複数形成するようにしてもよい。径の大きさも適宜変更可能である。
・上記のようなボールジョイント機構以外の自在継ぎ手機構によって車載機器を揺動可能に支持させるようにしてもよい。
・機器用アーム21の揺動手段は上記ボールジョイント機構以外の手段でもよい。
・レーダー探知機を直接機器ホルダー16に支持させずに他の機器取付部を介して取り付けるようにしてもよい。
・アーム部15を省略して実施してもよい。
・粘着シート体として上記のような粘着マットMは一例であってそれ以外に、例えばゲルマットを使用してもよく単に両面テープを使用してもよい。
・上記実施の形態における開口部5は貼着面のかなりな領域を占める大きな開口領域であった。もちろん、これよりも小さくとも、あるいは大きくとも蓋7で封塞することが可能である。例えば貼着面の数分の1よりも大きな面積を占めるなどのように大きな開口領域が存在する場合にこのように蓋7をすることが特によい。開口領域が大きいほど蓋7の必要性が高くなる。
・その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
1…支持装置、2…ベース部としてのベースプレート、2c…シート体配置部、接着良好領域としての裏面、5…接着非良好領域としての開口部、7…蓋部材としての蓋、16…機器取付部としての機器ホルダー、M…粘着シート体。

Claims (19)

  1. 車載機器を直接的又は間接的に装着するための機器取付部を備え、車両側に対してはベース部を介して固定される車載機器の支持装置において、
    前記ベース部には前記車両側との間に介在される固定用の粘着シート体を貼着するためのシート体配置部を形成し、前記シート体配置部は連続した滑らかな面で形成された接着良好領域と、連続した滑らかな面ではない接着非良好領域とを備え、少なくとも前記接着非良好領域を封塞する蓋部材を配設して前記シート体配置部を略面一に構成するようにしたことを特徴とする車載機器の支持装置。
  2. 前記蓋部材は配設状態で前記接着良好領域と略面一に接続されて前記シート配置部を略面一に構成することを特徴とする請求項1に記載の車載機器の支持装置。
  3. 前記シート体配置部を突起体によって包囲したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載機器の支持装置。
  4. 前記突起体を前記ベース部の外郭線よりも内側位置に配置したこと請求項3に記載の車載機器の支持装置。
  5. 前記接着非良好領域は前記ベース部の表側に突起する中空ケース部の裏面側開口部であって、前記機器取付部を前記ケース部内に収容された支持部によって変位可能に直接的又は間接的に支持することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車載機器の支持装置。
  6. 前記中空ケース部は前記ベース部の後方側に配設されていることを特徴とする請求項5に記載の車載機器の支持装置。
  7. 前記蓋部材は少なくとも車載機器の重心位置と離れた位置にある前記接着非良好領域を閉塞することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車載機器の支持装置。
  8. 前記車載機器をその表示部側が前方を指向するように前記機器取付部に取り付けた際に、前記車載機器は前記ベース部の前方に配置され、前記蓋部材は前記ベース部の少なくとも中心よりも後方に配置されて前記接着非良好領域の少なくとも一部を封塞することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車載機器の支持装置。
  9. 前記中空ケース部の前方壁部に前方側開口部を形成し、前記機器取付部を前記前方側開口部から露出する前記支持部によって変位可能に直接的又は間接的に支持するようにしたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の車載機器の支持装置。
  10. 前記前方壁部の前面(以下、前方壁面)は平面に形成された前記ベース部表面に対して垂直で、かつ前後直線方向に対して直交する面を基準として上方側が後方に傾斜していることを特徴とする請求項9に記載の車載機器の支持装置。
  11. 前記中空ケース部の前記前方壁面と、同前方壁面に隣接する左右壁面とによってなすコーナー部分を斜めカット状に形成したことを特徴とする請求項9又は10に記載の車載機器の支持装置。
  12. 前記中空ケース部の後方壁部の前面を前記ベース部の後端位置に略一致するように配置したことを特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載の車載機器の支持装置。
  13. 前記支持部を自在継ぎ手機構によって前記中空ケース部側に対して揺動自在に保持したことを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載の車載機器の支持装置。
  14. 前記自在継ぎ手機構は前記中空ケース部内に配置された前記支持部としてのボール部と、前記中空ケース部内に配置された前記ボール部が嵌合される凹部を備えたボール保持部から構成されていることを特徴とする請求項13に記載の車載機器の支持装置。
  15. 前記ボール保持部の前記凹部の前縁部と前記前方側開口部の前縁部の形状は円形であってそれらの中心が一致することを特徴とする請求項14に記載の車載機器の支持装置。
  16. 前記ボール保持部の前記凹部の前縁部と前記前方側開口部の前縁部は垂直方向に対して後方に略同一の角度で傾斜して配置されていることを特徴とする請求項15に記載の車載機器の支持装置。
  17. 前記ボール保持部には外部と前記凹部側とを連通する連通孔を形成したことを特徴とする請求項14〜16に記載の車載機器の支持装置。
  18. 軸線が前記支持部の揺動中心位置を通るように前記支持部から前方に向かってアーム部を形成し、前記アーム部の前端に前記機器取付部を設けるようにしたことを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載の車載機器の支持装置。
  19. 前記アーム部の軸線方向に対して直交する面を基準面とし、前記機器側取付部の取り付け面の面方向を前記基準面に対して傾斜して配置するようにしたことを特徴とする請求項18に記載の車載機器用の支持装置。
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