JP2014121810A - 画像形成装置、メンテナンス制御方法、及びプログラム - Google Patents

画像形成装置、メンテナンス制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】変化する状況に応じて適時に、ノズル面を清掃するメンテナンスを実施する。
【解決手段】液滴吐出手段から液滴を吐出して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、液滴吐出手段から液滴を吐出する前に記録媒体の表面電位を測定する第1表面電位測定手段と、液滴吐出手段から吐出される液滴の大きさごとに吐出回数を計測する吐出回数計測手段と、第1表面電位測定手段により測定された表面電位と吐出回数計測手段により計測された吐出回数に基づいて、液滴吐出手段の吐出面の汚染量を算出する汚染量算出手段と、汚染量算出手段により算出された吐出面の汚染量と、吐出面の汚染の態様に応じて設定された汚染許容閾値との比較に基づいて、吐出面を清掃するタイミングを判定するタイミング判定手段とを備える。
【選択図】図14

Description

本発明は、記録媒体を静電搬送しながら記録液を吐出して画像を形成する画像形成装置、メンテナンス制御方法、及びプログラムに関する。
従来から、記録媒体の搬送方式において、帯電させたベルトで記録媒体を搬送することや、記録媒体とその支持部品が摩擦することで発生する静電気により、記録媒体表面に電荷が誘起され、局所的に表面電位が高くなる領域が生じることが知られている。
また、印刷に使用する多くの記録媒体の中には、記録媒体全体の表面電位が高くなるものも存在する。そのため、記録媒体の表面電位の高い領域に、吐出されたインク滴が近づくと、インク滴内の電荷が分極して、記録媒体表面と同電位の部分が反発力を生じてインク滴が分裂することにより、電荷を持ったミストが発生する。
そして、記録媒体表面の電荷と逆の電荷を持ったミストは、記録媒体と電気的に反発し、インクを吐出したノズル面に戻ってノズル面を汚すことによって、不吐出や吐出曲がりなどの異常吐出を発生する原因となる、という問題があった。
上記に関し、特許文献1には、高粘度液滴と静電搬送を用いる画像形成装置において、インクのミストによるノズル面の汚れを効果的に除去して画像品質を向上することを目的として、印字モード、環境条件、記録媒体の種類、記録液の種類、両面印字の有無の条件、及び液滴の吐出回数から、ノズル面のメンテナンスを実施するタイミングを決定するという技術が開示されている。
特許文献1に開示された画像形成装置によれば、静電搬送に伴って生じるミストによるノズル面の汚れを効果的に除去し、画像品質を向上することができる。
しかし、特許文献1に開示された画像形成装置においては、同じ種類の記録媒体でも、生産時期、ロット、保管状態などが異なることにより、印刷時の表面電位に大きな違いが生じるなど、「記録媒体ごとのバラつき」が考慮されていない。
また、特許文献1に開示された画像形成装置においては、吐出されるインク滴の大きさが小さいほど記録媒体の表面電位の影響を受けてミスト化しやすくノズル面を汚しやすい、ということが考慮されていない。つまり、インク滴の大きさに起因してミスト化傾向に差が出てくる、ということが考慮されていない。
そのため、ノズル面が汚れて吐出に影響が出ているにも関わらずメンテナンスが実施されないといった、メンテナンス不良が起こり得る。逆に、ノズル面が汚れていないにも関わらずメンテナンスを実施してインクが無駄に消費されるといった、過剰なメンテナンスが起こり得る。つまり、変化する状況に応じた適時なメンテナンスとなっていない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、変化する状況に応じて適時に、ノズル面を清掃するメンテナンスを実施する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、記録液の液滴を吐出する液滴吐出手段と、電荷が付与されることで記録媒体を静電吸着して搬送する搬送手段とを備え、液滴吐出手段から液滴を吐出して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、液滴吐出手段から液滴を吐出する前に記録媒体の表面電位を測定する第1表面電位測定手段と、液滴吐出手段から吐出される液滴の大きさごとに吐出回数を計測する吐出回数計測手段と、第1表面電位測定手段により測定された表面電位と吐出回数計測手段により計測された吐出回数に基づいて、液滴吐出手段の吐出面の汚染量を算出する汚染量算出手段と、汚染量算出手段により算出された吐出面の汚染量と、吐出面の汚染の態様に応じて設定された汚染許容閾値との比較に基づいて、吐出面を清掃するタイミングを判定するタイミング判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、変化する状況に応じて適時に、ノズル面を清掃するメンテナンスを実施することが可能となる。
本発明の実施形態の画像形成装置の概略斜視図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における機構部の概略構成図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における機構部の概略平面図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における搬送ベルトの模式図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における搬送ベルトの模式図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における液滴吐出ヘッドの液室長手方向に沿う概略断面図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における液滴吐出ヘッドの液室短手方向に沿う概略断面図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における維持回復機構の模式図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における制御部を示す概略ブロック図である。 本発明の実施形態の画像形成装置におけるタイミング判定処理ブロック図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における表面電位センサの取付位置を示す模式図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における表面電位センサの取付位置を示す模式図である。 本発明の実施形態の画像形成装置における表面電位センサの取付位置を示す模式図である。 本発明の第1実施形態におけるメンテナンス動作のタイミング判定処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態におけるメンテナンス動作のタイミング判定処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態におけるメンテナンス動作のタイミング判定処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態におけるメンテナンス動作のタイミング判定処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態におけるメンテナンス動作のタイミング判定処理手順を示すフローチャートである。
本発明の実施形態の画像形成装置について以下図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら本実施形態に限定されるものではない。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
本発明について、その概略を以下に説明する。本発明は、用紙等の記録媒体の表面電位が局所的に高いことが原因となってインク滴が分裂して発生する電荷を帯びたミストが、記録媒体上の電荷と反発してノズル面を汚すことで生じる抜けや曲りなどの異常吐出を防ぐ手段に際して、次の特徴を有する。
すなわち、本発明を概略的に説明すると、センサで測定した「媒体上の表面電位の強さ」と、印刷時に吐出される「液滴の大きさごとの吐出回数」に基づいて吐出面の汚れ度合を計算し、その結果からメンテナンス動作を実施するタイミングを判定するということになる。これにより、吐出面の汚れによる異常吐出が引き起こされる前にメンテナンスを実行することや、過剰なメンテナンス動作の実行を防ぐことができるのである。
[画像形成装置の概略]
図1は本発明の実施形態の画像形成装置の一例を前方側から見た斜視図である。この画像形成装置は、装置本体1と、装置本体1に装着された用紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体1に着脱自在に装着されて画像が形成された用紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。
さらに、装置本体1の前面の一端部側、つまり給排紙トレイ部の側方には、前面から装置本体1の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
カートリッジ装填部4には、色の異なる記録液として、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能としている。
また、カートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開くカートリッジカバー6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向に並べて装填する構成としている。
カートリッジカバー6は、その全体が透明又は半透明の部材で形成されている。これにより、カートリッジカバー6を閉じた状態で、カートリッジ装填部4内に装填されている複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができる。なお、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができれば、カートリッジカバー6を一部が透明又は半透明の部材で形成されている構成とすることもできる。
また、操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置に対応する位置に、各色の残量表示部11k、11c、11m、11yを配置している。これにより、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示する。さらに、操作/表示部5には、電源ボタン12、用紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
次に、この画像形成装置の機構部について図2及び図3を参照して説明する。フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3で矢示で示すキャリッジ主走査方向に移動走査する。
キャリッジ33には、前述したようにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口としてのノズルを形成したノズル面34aを主走査方向と交叉する方向に配列し、インク吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、この記録ヘッド34にはドライバICが搭載され、図示しない制御部との間でフレキシブルプリントケーブル等のハーネス22を介して接続されている。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、前述したように、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。
なお、カートリッジ装填部4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
一方、本実施形態の画像形成装置は、給紙トレイ2の圧板、つまり用紙積載部41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、給紙コロ43と分離パッド44を備えている。給紙コロ43は、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ等が代表的である。また、分離パッド44は、給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなり、給紙コロ43側に付勢されている。
そして、本実施形態の画像形成装置は、給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備える。また、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
搬送ベルト51は無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向、つまり副走査方向に周回するように構成され、周回移動しながら帯電ローラ56によって帯電される。
搬送ベルト51としては、図4に示すように1層構造のベルトでも良く、又は図5に示すよう2層以上の複層構造のベルトでもよい。1層構造の搬送ベルト51の場合には、用紙42や帯電ローラ56に接触するので、層全体を絶縁材料で形成している。また、複層構造の搬送ベルト51の場合には、用紙42や帯電ローラ56に接触する側は絶縁層51Aで形成し、用紙42や帯電ローラ56と接触しない側は導電層51Bで形成することが好ましい。
1層構造の搬送ベルト51を形成する絶縁材料や複層構造の搬送ベルト51の絶縁層51Aを形成する絶縁材料としては、例えばPET、PEI、PVDF、PC、ETFE、PTFEなどの樹脂又はエラストマーで導電制御材を含まない材料であることが好ましい。また、体積抵抗率は1012Ωcm以上、好ましくは1015Ωcmなるように形成する。
また、複層構造の搬送ベルト51の導電層51Bを形成する材料としては、上記の樹脂やエラストマーにカーボンを含有させて体積抵抗率が105〜107Ωcmとなるように形成することが好ましい。
帯電ローラ56は、例えば複層構造のベルトの場合、搬送ベルト51の表層をなす絶縁層51Aに接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、軸の両端に加圧力をかけている。この帯電ローラ56は、体積抵抗率が106〜109Ω/□の導電性部材で形成している。この帯電ローラ56には、後述するように、高圧電源としてのACバイアス供給部315から例えば2kVの正負極のACバイアスが印加される。ACバイアスは、正弦波や三角波でもよいが、方形波の方がより好ましい。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。ガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ、つまり搬送ローラ52とテンションローラ53の接線よりも記録ヘッド34側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによって駆動ベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図3のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ3までの高さは排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。
維持回復機構81は、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82dと、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
そして、維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナ85で除去されたインク、空吐出受け94に空吐出されたインクは、図2に仮想線で示す廃液収容容器である廃液タンク100に排出されて収容される。
また、図3に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
次に、本実施形態の画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例について図6及び図7を参照して説明する。
この液滴吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板101と、この流路板101の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズル板103とを接合して積層し、これらによって液滴を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び液室106、液室106にインクを供給するための共通液室108に連通するインク供給口109などを形成している。
また、振動板102を変形させて液室106内のインクを加圧するための圧力発生手段である電気機械変換素子としての2列の積層型圧電素子121と、この圧電素子121を接合固定するベース基板122とを備えている。なお、図示の都合上、図6においては積層型圧電素子121は1列のみを示している。
なお、圧電素子121の間には支柱部123を設けている。この支柱部123は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子121と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。また、圧電素子121には図示しない駆動回路、つまり駆動ICに接続するためのFPCケーブル22を接続している。
そして、振動板102の周縁部をフレーム部材130に接合し、フレーム部材130には、圧電素子121及びベース基板122などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部131及び共通液室108となる凹部、この共通液室108に外部からインクを供給するためのインク供給穴132を形成している。フレーム部材130は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
ここで、流路板101は、例えば結晶面方位〔110〕の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものである。しかし、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板102は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法、すなわち電鋳法で作製しているが、この他、金属板や金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板102に圧電素子121及び支柱部123を接着剤接合し、さらにフレーム部材130を接着剤接合している。
ノズル板103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤接合している。ノズル板103は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
圧電素子121は、圧電材料151と内部電極152とを交互に積層したPZT等の積層型圧電素子である。この圧電素子121の交互に異なる端面に引き出された各内部電極152には個別電極153及び共通電極154が接続されている。
なお、本実施形態では、圧電素子121の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内インクを加圧する構成としているが、圧電素子121の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内インクを加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板122に1列の圧電素子121が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子121に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子121が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することになる。そして、液室106内にインクが流入し、その後圧電素子121に印加する電圧を上げて圧電素子121を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出される。
そして、圧電素子121に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、液滴吐出ヘッドの駆動方法については上記の引き−押し打ちの例に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
次に、維持回復機構81の概要について図8を参照して説明する。維持回復機構81には、吸引及び保湿用キャップ82aと保湿用キャップ82bを保持する保持機構を含むキャップホルダ201Aと、保湿用キャップ82cと保湿用キャップ82dを保持する保持機構を含むキャップホルダ201Bが配置されている。
また、維持回復機構81には、記録ヘッド34のノズル面34aを清浄化する、つまり拭き取るための弾性体からなるワイパーブレード83を保持するブレードホルダ203と、記録ヘッド34から印字に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作を行うための空吐出受け84が配置されている。
ここで、印字領域に最も近い側の吸引用及び保湿用キャップ82aには可撓性チューブ210を介して吸引手段である吸引ポンプとしてチュービングポンプ211を接続している。したがって、記録ヘッド34の維持回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド34をキャップ82aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、キャップホルダ201A、201Bの下方にはフレーム212に回転自在に支持したカム軸213を配置し、このカム軸213には、キャップホルダ201A、201Bを昇降させるためのキャップカム214A、214Bと、ブレードホルダ203を昇降させるためのワイパーカム215をそれぞれ設けている。
そして、チュービングポンプ211及びカム軸213を回転駆動するために、モータ221の回転をモータ軸221aに設けたモータギヤ222に、チュービングポンプ211のポンプ軸211aに設けたポンプギヤ223を噛み合わせている。さらに、ポンプギヤ223と一体の中間ギヤ224に中間ギヤ225を介して一方向クラッチ227付きの中間ギヤ226を噛み合わせ、中間ギヤ226と同軸の中間ギヤ228に中間ギヤ229を介してカム軸213に固定したカムギヤ230を噛み合わせている。
維持回復機構81においては、モータ221が正転することによってモータギヤ222、中間ギヤ224、ポンプギヤ223、中間ギヤ225、226までが回転し、チュービングポンプ211の軸211aが回転することでチュービングポンプ211が作動して、吸引用キャップ82a内を吸引する。この動作を「キャップ内吸引」又は「ヘッド吸引」という。その他のギヤ228以降は一方向クラッチ227によって回転が遮断されるので動作しない。
また、モータ221が逆転することによって、一方向クラッチ227が連結されるので、モータ221の回転が、モータギヤ222、中間ギヤ224、ポンプギヤ223、中間ギヤ225、226、228、229を経てカムギヤ230に伝達され、カム軸213が回転する。このとき、チュービングポンプ211はポンプ軸211aの逆転では作動しない構造となっている。カム軸213の回転によってキャップカム214A、214B及びワイパーカム215がそれぞれ所定のタイミングで上昇、下降する。
なお、記録ヘッド34のノズル面34aを清掃するときにはワイパーブレード83を上昇させた状態にして、記録ヘッド34をワイパーブレード83に相対的に移動させることによってノズル面34aをワイピングする。
このように構成した本実施形態の画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、さらに先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、後述する制御部のACバイアス供給部315から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたパターンが形成される。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。
また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。なお、後述するように、本実施形態の画像形成装置では、ノズル面汚染許容閾値、記録媒体の表面電位、環境条件およびインク吐出回数のカウント値に基づいて、ワイパーブレード83によって記録ヘッド34のノズル面34aを清掃するメンテナンス動作を行う。
[制御ブロック]
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図9を参照して説明する。制御部300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、不揮発性メモリ304と、ASIC305とを備えている。
CPU301は装置全体の制御を司る。また、ROM302は、CPU301が実行するプログラム、本実施形態において使用する所定インク吐出に対するノズル面汚染度合の値及びノズル面汚染許容閾値、駆動波形データ、その他の固定データを格納する。また、RAM303は画像データ等を一時格納する。また、不揮発性メモリ304は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するためのNVRAM等である。さらに、ASIC305は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理する。
また、この制御部300は、ホストI/F306と、駆動波形生成部307と、ヘッドドライバ308と、主走査モータ駆動部311と、副走査モータ駆動部313と、ACバイアス供給部315と、維持回復機構駆動部317と、I/O318と、エンコーダ321と、環境センサ322と、表面電位センサ323などを備えている。
ホストI/F306は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行う。また、駆動波形生成部307は、記録ヘッド34の圧力発生手段を駆動制御するための駆動波形を生成する。また、主走査モータ駆動部311は主走査モータ310を駆動し、副走査モータ駆動部313は副走査モータ312を駆動する。また、ACバイアス供給部315は帯電ローラ56にACバイアスを供給する。維持回復機構駆動部317は維持回復機構81のモータ221を駆動する。
さらに、エンコーダ321は搬送ベルト51の移動量及び移動速度に応じた検知信号を出力する。さらに、I/O318は、環境温度または環境湿度を検出する環境センサ322、用紙の表面電位を計測する表面電位センサ323からの検知信号、および図示しない各種センサからの検知信号を入力する。なお、制御部300には、本実施形態の画像形成装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作/表示部5が接続されている。
制御部300は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはインターネット等を介してホストI/F306で受信する。
そして、CPU301は、ホストI/F306に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行う。そして、記録ヘッド34の1行分に相当する画像データとしてのドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ308にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号や制御信号をヘッドドライバ308に送出する。
そして、CPU301は、ホストI/F306に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッドドライバ308に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM302にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
駆動波形生成部307は、駆動波形のパターンデータをD/A変換するD/A変換器等で構成され、1の駆動パルス又は複数の駆動パルスで構成される駆動波形をヘッドドライバ308に対して出力する。
ヘッドドライバ308は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて駆動波形生成部307から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の圧力発生手段に印加して記録ヘッド34を駆動する。
さらに、制御部300は、帯電ローラ56に対してACバイアス供給部315から供給するACバイアスのON/OFF制御を行うことで、搬送ベルト51上の帯電パターンを制御する。
[タイミング判定処理ブロック]
次に、本実施形態の画像形成装置におけるメンテナンス動作に係るタイミング判定処理ブロックについて図10を参照して説明する。本実施形態の画像形成装置は、タイミング判定処理を行うための構成として、液滴吐出手段としての液滴吐出部501と、吐出回数計測手段としての液滴吐出回数計測部502と、第1表面電位測定手段または第2表面電位測定手段としての表面電位測定部503と、汚染量算出手段としての汚染量算出部504と、タイミング判定手段としてのタイミング判定部505と、メンテナンス手段としてのメンテナンス部506とを備える。
また、本実施形態の画像形成装置は、液滴吐出部501から吐出される液滴の大きさ等を検知する吐出検知手段としての吐出検知部507と、装置周りの環境を測定する環境測定手段としての環境測定部508と、記録液の種類を判定する記録液判定手段としての記録液判定部509と、吐出面を清掃する度合を示すメンテナンス頻度を判定するメンテナンス頻度判定手段としてのメンテナンス頻度判定部510とを備える。
液滴吐出部501は、記録液、つまりインクの液滴を吐出する、例えば上述した記録ヘッド34である。液滴吐出回数計測部502は、液滴吐出部501から吐出される液滴の大きさごとに吐出回数を計測する。また、表面電位測定部503は、液滴吐出部501から液滴を吐出する前に記録媒体の表面電位を測定する、例えば上述の表面電位センサ323である。また、汚染量算出部504は、表面電位測定部503により測定された表面電位と液滴吐出回数計測部502により計測された吐出回数に基づいて、液滴吐出部501の吐出面の汚染量を算出する。
そして、タイミング判定部505は、汚染量算出部504により算出された吐出面の汚染量と、吐出面の汚染の態様に応じて設定された汚染許容閾値との比較に基づいて、吐出面を清掃するタイミングを判定する。なお、メンテナンス部506は、タイミング判定部505により判定されたタイミングで液滴吐出部501の吐出面の清掃を実施する、例えば上述の維持回復機構81に相当する。
次に、本発明の実施形態の画像形成装置における表面電位センサ323の取付位置の一例について、図11を参照して説明する。図11(a)は、表面電位センサ323を、矢印Dで示す記録ヘッド34の走査方向の片側に設置する場合を示した例である。表面電位センサ323は、記録ヘッド34に同期して同一の走査方向に移動する。なお、本図では、表面電位センサ323の取付位置の説明として、記録媒体を搬送ベルト51で搬送する場合を例として示す。
つまり、本図では、矢印Cの搬送方向に搬送ベルト51が駆動されており、搬送ベルト51上を矢印Dで示す走査方向に記録ヘッド34が移動する。なお、ここでは、記録ヘッド34が図示上、奥側から手前方向に移動するときに、インクを吐出する走査を行い、図示上、手前から奥方向に移動するときに、インクを吐出しない走査を行う。ただし、これに限定されず、インク吐出と不吐出の走査が逆であってもよい。
また、図示上、右下方向には、搬送ベルト51に上述した帯電パターンを形成する帯電ローラ56が、記録ヘッド34が移動する主操作方向と平行に搬送ベルト51に対置されている。なお、帯電ローラ56は矢印E方向に回転し、中心軸に沿って上述したACバイアス供給部315を有している。
本実施形態では、表面電位センサ323を矢印Dで示す記録ヘッド34の走査方向の片側、本図では記録ヘッド34がインクを吐出する走査方向、つまり図示上、記録ヘッド34の手前側に設置する。これにより、インクの吐出直前の記録媒体の表面電位を測定することができるため、吐出するインク滴によるノズル面汚染量を精度よく算出することができる。
一方、図11(a)において、図示上、手前から奥側へ記録ヘッド34を走査してインクを吐出する場合、記録ヘッド34がインクを吐出する走査方向とは逆側である、記録ヘッド34の手前側に表面電位センサ323を設置するとする。そして、先に、インクを吐出しない走査方向、つまり図示上、奥側から手前方向に記録ヘッド34を移動して記録媒体の表面電位を測定する。
これにより、次の走査で吐出するインク滴がミスト化しやすいかどうかの演算時間に余裕が生まれることとなるため、余分な演算時間をかけずに精度のいいノズル面汚染量を求めることができる。
また、図11(b)は、表面電位センサ323を、矢印Dで示す記録ヘッド34の走査方向の両側に設置する場合を示した例である。ここでは、図示上、記録ヘッド34の手前側に表面電位センサ323aを設置し、記録ヘッド34の奥側に表面電位センサ323bを設置する。これにより、上述した2つのメリットに加え、例えば、記録ヘッド34を往復動作させて印刷を行ういわゆる「双方向印刷」にも利用することができる。
次に、本発明の実施形態の画像形成装置における表面電位センサ323の取付位置の他の例について、図12を参照して説明する。図12は、記録ヘッド34がインクを吐出する走査方向に表面電位センサ323を複数個設置する場合について説明するものである。ここでは、例えば、図示上、記録ヘッド34の手前側に表面電位センサ323c及び表面電位センサ323dを設置している。
また、図示上、右側の記録媒体が搬送されてくる矢印S方向を「給紙方向」とし、図示上、左側の記録媒体が排出されていく矢印T方向を「排紙方向」とする。本例では、表面電位センサ323cを記録媒体が搬送されてくる給紙側となる「給紙方向」に設置し、表面電位センサ323dを「排紙方向」に設置する。
ここで、一般的なインクジェットプリンタにおいては、印刷画像の解像度を高めるために、記録媒体を少しずつ搬送しながら複数回の走査を行うことによって印刷を行う、例えば高精細でかつ低速設定の作像モードが存在する。また、記録媒体にインク滴が着弾した領域は、インクの水分で濡れるために表面電位が低くなることが知られている。
複数回の走査を伴う上記の作像モードでは、排紙側では走査回数が増えてインクの付着量が多くなるために表面電位が低くなるが、給紙側では常に乾いた媒体が送られてくるために、表面電位は常に高い状態となっている。そのため、給紙側ではインク滴がミスト化しやすいが、逆に、排紙側ではミスト化し難いため、ノズル面の汚れ方に差が生じる場合がある。
そこで、図12で示した本例では、以上のような作像方式に起因する問題を解決するために、上述のように表面電位センサ323cを「給紙方向」に設置し、表面電位センサ323dを「排紙方向」に設置する。これにより、複数回の走査を伴う高解像度の画像を印刷する場合でも、インク滴がミスト化しやすい「給紙方向」側から搬送される記録媒体の表面電位を測定できるため、給紙側で異常吐出が発生する前にメンテナンス動作を実行することができることに繋がるのである。
また、「排紙方向」に設置された表面電位センサ323dは、記録媒体が搬送される方向が逆方向であるとき、つまりここでの「排紙方向」が「給紙方向」である場合に用いられる。これにより、インク滴がミスト化しやすい「給紙方向」側から搬送される記録媒体の表面電位を測定できるため、給紙側で異常吐出が発生する前にメンテナンス動作を実行することができる。なお、本発明は、上述の実施形態に係る表面電位センサ323c及び表面電位センサ323dのように複数のセンサを設置することに限定されず、何れか一つのセンサを設置することとしてもよい。
次に、本発明の実施形態の画像形成装置における表面電位センサ323の取付位置のさらに他の例について、図13を参照して説明する。図13は、表面電位センサ323の取付位置を記録ヘッド34と同期させずに固定する場合について説明するものである。つまり、表面電位センサ323を記録ヘッド34と同期させずに独立させて設置することで、上述した各例のように、キャリッジ走査ごとに記録媒体の表面電位を計測する必要がない。このため、画像形成装置の処理能力が低い場合でも本発明を実現可能とすることができる。
図13(a)は、矢印Sで示す「給紙方向」側であって、搬送ベルト51により矢印Cで示す搬送方向へ搬送されてきた記録媒体が記録ヘッド34に到達するまでの間の搬送ベルト51上に、表面電位センサ323eを設置する場合を示した例である。
一方、図13(b)は、矢印Sで示す「給紙方向」側であって、搬送ベルト51により矢印Fで示す搬送方向へ搬送されてきた記録媒体が記録ヘッド34に到達するまでの間の搬送ベルト51上に、表面電位センサ323fを設置する場合を示した例である。
つまり、図13(a)及び(b)のいずれにおいても、記録媒体の帯電後であって、かつ、搬送方向を基準として、記録ヘッド34の上流側に表面電位センサ323を設置していることになる。これにより、ACバイアスで帯電された搬送ベルトと記録媒体が接触することで記録媒体表面に誘起される記録媒体ごとに異なる表面電位を測定することができる。
なお、図13(a)及び(b)に示すように、表面電位センサ323の取付位置について、それぞれ個別に説明しているが、例えば表面電位センサ323e及び表面電位センサ323fを両方設置してもよい。また、本例の表面電位センサの構成に加えて、上述した図11及び図12における各例に示した表面電位センサそれぞれを組み合わせることもできる。
さらに、記録媒体を搬送する手段として、本例の搬送ベルト51に代えて、搬送ローラなどで搬送した場合でも、上述した本例で示した位置に表面電位センサ323を設置することにより、摩擦や剥離によって帯電した記録媒体の表面電位をインク吐出前に測定することができる。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係るメンテナンス動作のタイミング判定処理手順について、図14を参照して説明する。まず、本実施形態の画像形成装置は、制御部300において、上述したホストI/F306を介して、あるいはユーザによる操作/表示部5による印刷命令を受信する(ステップS1)。
これを受けて駆動された搬送ベルト51により搬送された記録媒体の表面電位を表面電位測定部503により測定する(ステップS2)。そして、液滴吐出回数計測部502により、記録ヘッド34の各ノズルから吐出されるインク滴の大きさごとに吐出回数を計測する(ステップS3)。
汚染量算出部504は、表面電位測定部503により測定された記録媒体の表面電位と、液滴吐出回数計測部502により計測されたインク滴の大きさごとの吐出回数に基づいて演算処理を行い、走査ごとにノズル面の汚染量を算出する(ステップS4)。なお、以下では、算出された値を便宜的にノズル面汚染量とする。
演算処理としては、例えば、「インク滴の大きさごとの吐出回数」×「表面電位の測定値に応じた係数」の掛け算により行う。そして、走査を重ねるごとに、上式で計算する値を加算していき、加算した値が別途汚染許容設定された閾値を超えた場合に後述のメンテナンス動作を実施することになる。
つまり、タイミング判定部505が、上式で算出されたノズル面汚染量がノズル面の汚染許容閾値よりも大きいと判定したとき(ステップS5、YES)、つまり、インク滴のミスト化によるノズル面の汚れが異常吐出を引き起こす状態となっているため、ノズル面を清掃するタイミングであると判断されたとき、メンテナンス部506によりメンテナンス動作、つまりノズル面の清掃が行われる(ステップS6)。
一方、タイミング判定部505が、上式で算出されたノズル面汚染量がノズル面の汚染許容閾値よりも小さいと判定したとき(ステップS5、NO)、つまり、インク滴のミスト化によるノズル面の汚れの程度は異常吐出となる範囲ではないため、ノズル面を清掃するタイミングでないと判断されたとき、メンテナンスを実施することなく、処理を終了する(END)。
ここで、汚染量の演算処理は、具体的には、上式で導出される「記録媒体の表面電位とインク滴の大きさごとの吐出回数によるノズル面汚染度合」にさらに「その他の因子によって決まる補正係数」を掛け算することによって得られる値を累積するという方法が挙げられるが、これに限るものではない。その他の因子とは、例えば、温度や湿度、媒体とヘッドとの距離すなわちインクの飛翔距離、及びインクの成分などが挙げられる。その他の因子を利用した処理手順については後述する他の実施形態において説明する。
なお、「インク滴の大きさごとの吐出回数」例として、本実施形態では、大滴・中滴・小滴の3種類のインク滴を吐出する回数を計測することとしている。また、「表面電位の測定値に応じた係数」の具体例として、以下の表1で示すテーブルを使用する。
Figure 2014121810
表1に示すように、「表面電位の測定値に応じた係数」では、例えば100[V]のように、表面電位が大きいほど、ノズル面にインクが跳ね返ってノズル面が汚れやすくなるため、小滴の場合、表面電位が10[V]の計数1.0より大きい係数2.5となる。
上述したように「ノズル面汚染量」の値は各走査ごとに加算されていくことになるが、上述した汚染許容閾値の設定は次のように行う。例えば、設計段階で、「ノズル面汚染量」が10000の場合に、吐出に影響を与えるノズル面の汚れレベルとなることが確認できたとき、算出された10000を汚染量許容閾値に設定する。
より具体的には、1回の走査で、表面電位30[V]で中滴を100回吐出することにより、「ノズル面汚染量」が100ずつ加算されていく作像モードで印刷する場合を想定する。この場合、100回の走査が終わった時点で「ノズル面汚染量」が閾値として設定した10000を超えるため、メンテナンス動作を実施することになる。
ここで、ノズル面汚染量の許容値は、それ以上のノズル面が汚れると抜け、曲がり、混色などの異常吐出を発生する状態になる、という値として、ノズル面汚染量と同様の手法で数値化したものである。これにより、ノズル面がインク滴のミスト化により汚れることによる異常吐出の発生前にメンテナンス動作を実行できる。また、逆にノズル面がインク滴のミスト化により汚れていないときには、メンテナンスを実施しない、という動作を実現できる。
また、ノズル面汚染量の許容値は、表面電位とミスト化するインク滴の大きさについて、設計段階で評価した結果から数値化した値を保持しておいてもよく、また、ユーザが実際に使用する状態の評価結果を数値化して保持できるようにしておく、という方法をとることもできる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るメンテナンス動作のタイミング判定処理手順について、図15を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の手順については、説明を省略する。ここでは、測定した表面電位ではミスト化しないインク滴、言い換えれば分裂しない大きさの液滴を吐出する場合の処理手順を説明する。
ステップ103において、本実施形態の画像形成装置に係る吐出検知部507は、液滴吐出回数計測部502によりインク滴の大きさごとの吐出回数をカウントした後、測定された表面電位の値ではミスト化しないインク滴が存在するかどうかについて判別を行う(ステップS104)。
ここで、ミスト化しない大きさのインク滴が存在すると判別された場合には(ステップS104、YES)、該当するインク滴の吐出回数をリセット、つまり計測対象から除外する(ステップS105)。一方、全てのインク滴がミスト化すると判別された場合には(ステップS104、NO)、通常通りにノズル面汚染量の演算と更新を行う(ステップS106)。これにより、ノズル面汚染量の演算にかかる時間を短縮することができる。
なお、ミスト化しない大きさのインク滴が存在するかどうかの判別は、例えば画像形成装置に光学カメラや赤外線カメラなどを搭載し、インク滴を直接観測することでミストの有無を判定するなどにより行う。また、設計時にミスト化しないインク滴を予め評価しておく方法をとることも可能である。さらに、実際の演算処理としては、「ミスト化係数」などの係数を設定して、ミスト化しないインク滴の係数の値を0として、毎回の走査で計算する手法をとることもできる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るメンテナンス動作のタイミング判定処理手順について、図16を参照して説明する。なお、第1実施形態や第2実施形態と同様の手順については、説明を省略する。ここでは、表面電位、及び温度ならびに湿度などの環境条件、つまり上述したその他の因子を加えてノズル面汚染量を計算する場合の処理手順を説明する。
本実施形態においては、上述した第2実施形態のようにステップS206においてミスト化しないインク滴の吐出回数をリセットした後、汚染量算出部504は、環境測定部508により測定された環境条件によるミスト化への影響を考慮した加速係数を読込む(ステップS207)。そして、汚染量算出部504は、読み込まれた加速計数を加えた演算処理を行う(ステップS208)。ここで、環境条件とは、上述した温度・湿度をはじめとした、画像形成装置が設置された環境から受ける影響を数値化したものを言う。
具体的には、上述した環境条件を加えた演算は、例えば以下の表2から表9で示される環境条件テーブルを使用して行われる。つまり、上述の式「インク滴の大きさごとの吐出回数」×「表面電位の測定値に応じた係数」で得られた値に、環境条件テーブルにある係数を掛け算することで、「ノズル面汚染量」の値を取得する。環境条件としては、例えば、上述した温度・湿度に加え、水平度・振動・粉塵量・気流・磁力を想定する。そして、環境条件等に基づいて各テーブルの参照先を変化させる。このテーブルは、上記で挙げた掛け算を行う係数全てで設定する。
Figure 2014121810
表2では、列として湿度を、行として温度をとった場合の係数を示してある。例えば、温度が10℃で湿度が20%以下のとき、係数4を加速係数として読込む。
Figure 2014121810
表3は、画像形成装置が設置されている場所での温度が低く、滴サイズが小さいほどノズル面が汚れる場合の温度係数テーブルの例を示したものである。例えば、小滴サイズの場合、温度が10℃未満と低いときの係数が2.5であるように、温度が40℃以上のときの係数1.0と比較して大きい値に設定されている。
Figure 2014121810
表4は、画像形成装置が設置されている場所での湿度が低く、滴サイズが小さいほどノズル面が汚れる場合の湿度係数テーブルの例を示したものである。例えば、小滴サイズの場合、湿度が10%未満と低いときの係数が2.5であるように、湿度が70%以上のときの係数1.0と比較して大きい値に設定されている。
Figure 2014121810
表5は、画像形成装置が設置されている場所での傾きが大きく、滴サイズが小さいほど、ノズル面が汚れる場合の水平度係数テーブルの例を示したものである。例えば、小滴サイズの場合、傾きが5度以上と大きいときの係数が2.0であるように、傾きが1度未満のときの係数1.0と比較して大きい値に設定されている。
Figure 2014121810
表6は、画像形成装置が設置されている場所での振動が大きく、滴サイズが小さいほど、ノズル面が汚れる場合の振動係数テーブルの例を示したものである。例えば、小滴サイズの場合、加速度で表される振動が1.0G以上と大きいときの係数が2.0であるように、振動が0.5G未満のときの係数1.0と比較して大きい値に設定されている。
Figure 2014121810
表7は、画像形成装置が設置されている場所での粉塵量が大きく、滴サイズが小さいほど、ノズル面が汚れる場合の粉塵量テーブルの例を示したものである。例えば、小滴サイズの場合、粉塵量が100個/m3以上と大きいときの係数が2.0であるように、粉塵量が1個/m3未満のときの係数1.0と比較して大きい値に設定されている。なお、粉塵量は、0.5μm以上の粒子の個数で示す。
Figure 2014121810
表8は、画像形成装置が設置されている場所で、インク吐出部にあたる気流が強いが大きく、滴サイズが小さいほど、ノズル面が汚れる場合のテーブルの例を示したものである。例えば、小滴サイズの場合、気流が1.0m/s以上と大きいときの係数が2.0であるように、気流が0.5m/s未満のときの係数1.0と比較して大きい値に設定されている。
Figure 2014121810
表9は、画像形成装置が設置されている場所での磁力が大きく、滴サイズが小さいほど、ノズル面が汚れる場合のテーブルの例を示したものである。例えば、小滴サイズの場合、磁力が10-8テスラ以上と大きいときの係数が2.0であるように、磁力が10-9テスラ未満のときの係数1.0と比較して大きい値に設定されている。
なお、上述したノズル面汚染量の演算で加える「環境条件によるノズル面汚染加速係数」は、設計段階での評価結果から求めた値を予め設定しておいてもいいし、ユーザの設置環境に応じて評価した値を設定する、という方法をとることとしてもよい。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るメンテナンス動作のタイミング判定処理手順について、図17を参照して説明する。なお、第1実施形態から第3実施形態と同様の手順については、説明を省略する。ここでは、表面電位、温度ならびに湿度などの環境条件、に加えてインクの種類に応じてノズル面汚染量を計算する場合の処理手順を説明する。
本実施形態においては、上述した第2実施形態のようにステップS306においてミスト化しないインク滴の吐出回数をリセットした後、汚染量算出部504は、測定した環境条件、及び記録液判定部509により判定されたインクの種類によるミスト化への影響を考慮した加速係数を読込む(ステップS307)。そして、汚染量算出部504は、読み込まれた加速計数を加えた演算処理を行う(ステップS308)。
インクの種類の詳細については省略するが、ここでは、以下の表10に記載するインクX、インクY、インクZの3種類のインクを例示して説明する。
Figure 2014121810
表10に示すように、例えば、インクXが温度によるミスト化のしやすさの違いがないインクであるとしたき、係数は1.0のままとなる。一方、インクYは、低温ではミスト化しにくいため係数は低く、高温ではミスト化しやすいため係数が高くなるインクであるとする。例えば、10℃未満のときは係数が0.5であり、30℃以上のときは係数が3.0である。
また、逆に、インクZはインクYとは逆特性であるインクであるとしたとき、低温では係数が高く、高温では係数が低くなることになる。例えば、10℃未満のときは係数が3.0であり、30℃以上のときは係数が0.5である。なお、本実施形態では、インクの種類と温度との関係に特化した事例を説明したが、これに限定されず、上述した他の環境条件との関係においても同様なテーブルを作成して係数を設定することとしてよい。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係るメンテナンス動作のタイミング判定処理手順について、図18を参照して説明する。なお、第1実施形態から第4実施形態と同様の手順については、説明を省略する。ここでは、ノズル面を清掃するメンテナンス動作を、前回の清掃からの印刷頻度に応じて選択することにより、印刷頻度に応じて最適なメンテナンス動作を実施する場合の処理手順を説明する。
本実施形態では、ステップS405においてタイミング判定部505が、上述の第1実施形態で示した式にて算出されたノズル面汚染量がノズル面の汚染許容閾値よりも大きいと判定したとき(ステップS5、YES)、次にメンテナンス頻度判定部510により、メンテナンス頻度が予め設定された閾値よりも高いか否かを判定する(ステップS406)。本実施形態では、このメンテナンス頻度により2通りのメンテナンス動作のうち、いずれを実施するかを判定、言い換えればメンテナンス内容を変更する。
メンテナンス頻度は、前回いつメンテナンスを実施したかを、例えば前回のメンテナンスからの印刷枚数や時間により、その高低を判定する指標である。具体的には、例えばメンテナンス頻度の閾値を1000枚とし、前回のメンテナンスからの印刷枚数が閾値である1000枚より少なければ、メンテナンス頻度は高く、逆に前回のメンテナンスからの印刷枚数が閾値である1000枚より多ければ、メンテナンス頻度は低いということになる。
印刷枚数が少なく、メンテナンス頻度が低い場合は、ノズル面に付着したインクミストは乾燥して増粘している可能性が高い。そのため、本実施形態では、メンテナンス動作として、初めにインク吸引を実施して増粘インクを吸引した後に、ノズル面のワイピングを行い、その後に空吐出を行う、という動作を要する。
一方、印刷枚数が多く、メンテナンス頻度が高い場合は、ノズル面に付着したインクミストは乾いていない。このため、本実施形態では、メンテナンス動作として、初めにノズル面のワイピングを行ってノズル面に付着したインクを除去し、その後に空吐出を行う、という動作で済むことになる。
本実施形態の処理手順の説明に戻り、メンテナンス頻度が閾値よりも低いときは(ステップS406、NO)、メンテナンス部506により、まず、インク吸引を実施した後、ワイピングを行い、その後に空吐出を行うメンテナンスが実施される(ステップS408)。このメンテナンス動作によって、メンテナンス頻度が低く、ノズル面のインクが増粘している可能性がある場合でも、確実に回復させることができる。
一方、メンテナンス頻度が閾値よりも高いときは(ステップS406、YES)、メンテナンス部506により、ワイピングを行い、その後に空吐出を行うメンテナンスが実施される(ステップS407)。このメンテナンス動作により、インク吸引を行う動作を実施する必要がないため、メンテナンス動作に要する時間とインク量を少なくすることができる。
また、上述した2通りのメンテナンス動作のどちらを実行するかを判定するためのメンテナンス頻度の閾値は、印刷に使用するインク種類や環境条件などに応じて、予め設計段階で評価した結果を元に設定しておいてもよい。また、ユーザが実際の使用環境条件に合わせてメンテナンスでの回復度合を評価することを通じて、ユーザ自身がメンテナンス頻度の設定値を求める、という方法をとることとしてもよい。
なお、本実施形態では、メンテナンス頻度の判定は、メンテナンス動作が実施されるときに判定される例を提示しているが、これに限定されず、例えば印刷処理を開始するときに予め判定しておくという手法をとってもよい。
なお、上述では、設定する「メンテナンス頻度」の数値として、前回のメンテナンスからの印刷枚数を設定する例を説明したが、これに代えて前回のメンテナンスからの経過時間、例えば前回のメンテナンスから1週間などを設定してもよい。
また、上記のメンテナンス頻度は、通常、設計段階で環境条件による係数テーブルを作成し、ノズル面の汚れ方を評価することによって、メンテナンスを実施するノズル面汚染量閾値とともに設定する。なお、メンテナンス頻度を、ユーザが画像形成装置本体の操作/表示部5を操作することによって変更できるようにしておいてもよい。これにより、ユーザ自身がメンテナンスの頻度を設定することができる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述した本実施形態の画像形成装置を構成する各部における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。なお、リムーバブル記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することになる。
また、本実施形態における画像形成装置は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
1 装置本体
34 記録ヘッド
51 搬送ベルト
56 帯電ローラ
81 維持回復機構
300 制御部
315 ACバイアス供給部
322 環境センサ
323 表面電位センサ
501 液滴吐出部
502 液滴吐出回数計測部
503 表面電位測定部
504 汚染量算出部
505 タイミング判定部
506 メンテナンス部
特許第4566716号公報

Claims (15)

  1. 記録液の液滴を吐出する液滴吐出手段と、電荷が付与されることで記録媒体を静電吸着して搬送する搬送手段とを備え、前記液滴吐出手段から液滴を吐出して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記液滴吐出手段から液滴を吐出する前に記録媒体の表面電位を測定する第1表面電位測定手段と、
    前記液滴吐出手段から吐出される液滴の大きさごとに吐出回数を計測する吐出回数計測手段と、
    前記第1表面電位測定手段により測定された表面電位と前記吐出回数計測手段により計測された吐出回数に基づいて、前記液滴吐出手段の吐出面の汚染量を算出する汚染量算出手段と、
    前記汚染量算出手段により算出された吐出面の汚染量と、吐出面の汚染の態様に応じて設定された汚染許容閾値との比較に基づいて、吐出面を清掃するタイミングを判定するタイミング判定手段と、
    前記タイミング判定手段により判定されたタイミングで吐出面の清掃を実施するメンテナンス手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 第1表面電位測定手段は、前記液滴吐出手段の走査方向側に設置されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 第1表面電位測定手段は、前記液滴吐出手段により液滴が吐出される走査方向側に設置されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 第1表面電位測定手段は、前記液滴吐出手段により液滴が吐出されない走査方向側に設置されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 一方の第1表面電位測定手段が前記液滴吐出手段により液滴が吐出される走査方向側に設置され、他方の第1表面電位測定手段が前記液滴吐出手段により液滴が吐出されない走査方向側に設置されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  6. 第1表面電位測定手段は、前記搬送手段により記録媒体が搬送されてくる給紙側に設置されていることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記搬送手段により搬送された記録媒体が前記液滴吐出手段に到達するまでの間の前記搬送手段上に設置されている第2表面電位測定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記液滴吐出手段により吐出された液滴を検知する吐出検知手段をさらに備え、
    前記液滴吐出回数計測部は、前記吐出検知手段により分裂しない大きさの液滴が検知されたとき、前記分裂しない大きさの液滴を計測対象から除外することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. 環境条件を測定する環境条件測定手段をさらに備え、
    前記汚染量算出手段は、前記環境条件測定手段により測定された環境条件を加えて前記液滴吐出手段の吐出面の汚染量を算出することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 記録液の種類を判定する判定手段をさらに備え、
    前記汚染量算出手段は、前記判定手段により判定された記録液の種類を加えて前記液滴吐出手段の吐出面の汚染量を算出することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の画像形成装置。
  11. 次に吐出面を清掃する度合を示すメンテナンス頻度を判定するメンテナンス頻度判定手段をさらに備え、
    前記メンテナンス手段は、前記メンテナンス頻度判定手段により判定されたメンテナンス頻度が予め設定された閾値より高いか低いかによりメンテナンス内容を変更することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記メンテナンス手段は、前記メンテナンス頻度判定手段により判定されたメンテナンス頻度が予め設定された閾値より低いとき、インク吸引、ワイピング、空吐出の順にメンテナンスを行うことを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
  13. 前記メンテナンス手段は、前記メンテナンス頻度判定手段により判定されたメンテナンス頻度が予め設定された閾値より高いとき、ワイピング、空吐出の順にメンテナンスを行うことを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
  14. 記録液の液滴を吐出する液滴吐出手段と、電荷が付与されることで記録媒体を静電吸着して搬送する搬送手段とを備え、前記液滴吐出手段から液滴を吐出して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置のメンテナンス制御方法であって、
    前記液滴吐出手段から液滴を吐出する前に記録媒体の表面電位を測定する工程と、
    前記液滴吐出手段から吐出される液滴の大きさごとに吐出回数を計測する工程と、
    前記表面電位を測定する工程において測定された表面電位と前記吐出回数を計測する工程において計測された吐出回数に基づいて、前記液滴吐出手段の吐出面の汚染量を算出する工程と、
    前記汚染量を算出する工程において算出された吐出面の汚染量と、吐出面の汚染の態様に応じて設定された汚染許容閾値との比較に基づいて、吐出面を清掃するタイミングを判定する工程と、
    前記タイミングを判定する工程において判定されたタイミングで吐出面の清掃を実施する工程とを備えることを特徴とするメンテナンス制御方法。
  15. 記録液の液滴を吐出する液滴吐出手段と、電荷が付与されることで記録媒体を静電吸着して搬送する搬送手段とを備え、前記液滴吐出手段から液滴を吐出して記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に実行させるコンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、
    前記画像形成装置は、
    前記液滴吐出手段から液滴を吐出する前に記録媒体の表面電位を測定する処理と、
    前記液滴吐出手段から吐出される液滴の大きさごとに吐出回数を計測する処理と、
    前記表面電位を測定する処理により測定された表面電位と前記吐出回数を計測する処理により計測された吐出回数に基づいて、前記液滴吐出手段の吐出面の汚染量を算出する処理と、
    前記汚染量を算出する処理により算出された吐出面の汚染量と、吐出面の汚染の態様に応じて設定された汚染許容閾値との比較に基づいて、吐出面を清掃するタイミングを判定する処理と、
    前記タイミングを判定する処理により判定されたタイミングで吐出面の清掃を実施する処理とを含むことを特徴とするプログラム。
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JP2017043005A (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 キヤノン株式会社 液体吐出装置、液体吐出装置のメンテナンス方法およびプログラム
US10173426B2 (en) 2016-08-09 2019-01-08 Seiko Epson Corporation Liquid droplet discharge apparatus

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