JP2014121760A - 自動締結機 - Google Patents

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慶一 安積
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Abstract

【課題】前記ビット12と前記頭部51との未嵌合状態あるいは嵌合状態に拘わらずビット12の回転数の切り替えを前記頭部51が座座する直前に行うことのできる自動締結機の提供を目的とする。
【解決手段】頭部51に嵌合可能なビット12およびこのビット12に回転を伝達する駆動軸31を備えるとともに前記ビット12を常時付勢するばね14を配した締結ツール10と、この締結ツール10を往復移動自在に支持した昇降部20と、この昇降部20および前記昇降部20の高さcに基づき前記ビット12の回転数を切り替え駆動制御する制御手段と、から構成される。また、前記締結ツール10には、前記ビット12に挿通され前記頭部51に当接する当接部材11を前記駆動軸31の一端に固定する。これにより、前記頭部51の上面高さを基準にして前記ビット12の回転数を低速へ切り替えることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、予めワークに仮締めされた締結部品の一例であるボルトあるいはナットの締結を行う自動締結機に関する。
ワークに螺入されるねじ部および凸状の頭部をそれぞれ一体に備えるボルトは、一般的に特許文献1に示すボルト締結機により締結されることが公知となっている。この従来のボルト締結機は、一端に前記ボルトの頭部と嵌合可能な嵌合穴および他端に断面多角形等からなる係合穴を備えたビットと、このビットを摺動可能に支持するとともにビットの上部を内包した中空軸と、この中空軸に内包され前記ビットの係合穴に係合し回転駆動源等の回転により駆動する駆動軸と、この駆動軸に挿通され前記ビットの上部端面に当接し前記ビットを常時下方へ付勢するばねと、を備えてなる。また、前記回転駆動源は、エアシリンダの伸縮動作により昇降可能であるため、前記前記ビットは、前記回転駆動源とともに下降可能に構成される。これにより、ボルト締結機は、予めワークに仮締めされたボルトの頭部に前記ビットの先端が接触するため、前記ばねが撓むとともに前記ボルトに回転が付与されボルトを締結する。ところで、このばねは、下降する前記ビットの先端がボルトの頭部に当接した際、いきなりボルト頭部にエアシリンダの推力が負荷されないようにするものでもあり、ボルト締結機に前記ばねを組み込むことはボルト締結機の一般的な構造としても広く知られている。
また、近年市場からは、ワークに締結したねじの高さを高精度に検出できるねじ締め装置が求められており、それを実現するためのねじ締め装置として特許文献2に示すものが公知となっている。この従来のねじ締め装置は、前記回転駆動源の駆動軸に接続されたビットと、前記回転駆動源を支持し所定の昇降位置まで移載する移載部と、前記移載部および前記回転駆動源を駆動制御する制御装置と、から構成される。前記移載部は、ボールねじ軸とACサーボモータとを備えており、予め前記制御装置に設定されたねじ締め高さ位置まで前記ビットを所定の推力にて下降できる。また、前記制御装置には、正常にねじ締めを完了した際のビットの高さ位置について範囲設定がなされているため、制御装置は、ねじ締め完了後のビットの高さが予め設定した範囲であるか否かを判定できる。つまり、従来のねじ締め装置は、ねじ締め後のねじの浮き状態を前記移載部の高さから判定している。
そこで、弊社では、前述した従来のボルト締結機を従来のねじ締め装置に組み合わせた自動締結機を提供している。この従来の自動締結機101は、図4および図5に示すものであり、締結部品の一例であるボルト50の頭部51に嵌合可能な嵌合穴13を備えるとともに回転およびクッションするビット12を備えた締結ツール110と、この締結ツール110を昇降自在に支持した昇降部20と、を備えてなる。前記締結ツール110は、従来のボルト締結機であり、前記昇降部20は、前述の移載部であるため、それぞれの詳細な説明については割愛する。また、前記駆動軸31を備えたモータ30および前記昇降部20には、それぞれ前述の制御装置に相当する制御手段(図示せず)が接続されている。なお、前記締結ツール110は、前述した通り、ビット12を上方へ撓ませるばね14を備えているが、このばね14は、前記制御手段に設定された前記推力の値よりも小さな力で撓むように設定されている。
従来の自動締結機101の作用について以下に説明する。従来の自動締結機101は、前記制御手段の指令を受けて前記ビット12および前記ACサーボモータが駆動する。これにより、前記ビット12が図3の状態から所定の回転数で高速回転するとともに、前記昇降部20が所定の速度および推力にて下降する。下降しながら回転する前記ビット12は、図5(a)および図5(b)に示すように、前記ボルト50の頭部51の上面に当接し、前記昇降部20の推力により前記ばね14が撓む。これにより、前記ビット12は、前記駆動軸31に案内され奥深く嵌り込み、前記ばね14が大きく撓む。つまり、前記ビット12の摺動代がなくなるため、ビット12の先端には前記ばね14の撓みによる荷重と予め設定した推力とが負荷される。また、前記駆動軸31の回転数は、前記昇降部20の高さが所定の位置に到達すると、高速から低速に切り替えられる。したがって、前記ビット12の回転数が切り替えられるのは、図5(a)および図5(b)に示す高さcに前記昇降部20の下端が位置した時点である。よって、前記自動締結機101は、前記昇降部20が前記高さcに到達すると、前記ビット12の回転数を高速回転から低速回転へ切り替え、前記ボルト50をゆっくりとワークに螺入して着座させ所定のトルクにより締結する。
実開昭63-107535号公報 特開2003-181727号公報
従来の自動締結機101は、図5(a)に示すように、前記ビット12がボルト50の頭部51の上面に乗り上げ、完全に嵌合しない状態(以下、未嵌合状態という)になることがしばしばあった。この未嵌合状態のままボルト50の締結が進むと、ビット12の回転数が高速から低速に切り替わらないまま、前記頭部51が前記ワークの上面に着座する。よって、従来の自動締結機101は、未嵌合状態であると前記頭部51の着座までに低速へ切り替わらず高い衝撃トルクが発生し、ボルト50を精度よいトルクにて締結できない問題があった。また、この問題を解決するため、前記高さcを嵌合状態に合わせて異なる高さに設定し、前記未嵌合状態あるいは嵌合状態を確認できるセンサ(図示せず)をビット12の先端に配し、このセンサの信号から未嵌合状態および嵌合状態を判断するとともに、この判断に基づきビット12の回転数を切り替える前記高さcを選択することが考えられる。しかしながら、センサおよびこのセンサの配置に掛かる費用の増大、あるいは、前記高さcの複数設定によりビット12の回転数を切り替えるための制御が煩雑となる問題がある。さらに、この問題を解消するため、従来の自動締結機101は、ビット12の回転数の切り替えを行う前記昇降部20の位置を前記高さcよりも上方に設定変更することが考えられる。しかしながら、正規に嵌合した状態であると、かなり早い段階でビット12の回転数が低速へ切り替えられることになり、ボルト50とワークとが着座するまでに時間がかかり、締付時間が大幅に増大する問題もあった。
本発明は上記課題に鑑みて創成されたものであり、前記ビットと前記頭部との前記未嵌合状態あるいは前記嵌合状態に拘わらずビットの回転数の切り替えを前記頭部が座座する直前に行うことのできる自動締結機の提供を目的とする。この目的を達成するため、本発明は、締結部品に嵌合可能なビットおよびこのビットに回転を伝達する駆動軸を備えてなり前記ビットおよび前記駆動軸にそれぞれ常時当接する弾性部材を配し前記ビットを摺動自在に支持した締結ツールと、この締結ツールを往復移動自在に支持した昇降部と、この昇降部および前記昇降部の高さに基づき前記ビットの回転数を切り替え駆動制御する制御手段と、からなる自動締結機において、前記締結ツールは、前記ビットに挿通され前記締結部品に当接する当接部材を備え、この当接部材を前記駆動軸に固定したことを特徴とする。なお、前記当接部材は、その軸線方向に延びワークから突出した部位を覆う逃げ穴を配してもよい。
本発明の自動締結機1は、前記ボルト50の頭部51の上面に当接した前記当接部材11の先端の位置を基準にしてビット12の回転数を切り替えるため、前述の嵌合状態あるいは未嵌合状態に関係なく前記頭部51の座面からワーク上面までの隙間を基準にしてビットの回転数を切り替えることができる。これにより、ビット12の回転数を着座直前に低速へ切り替えるように設定できるため、従来のような着座時の大きな衝撃トルクの発生を抑制でき、しかも、着座直前までビット12を高速にて回転駆動できる。よって、本発明の自動締結機1は、ボルト50をワークに精度良く締結でき、しかも、短時間で締結できる利点がある。また、ビット12と前記頭部51とが嵌合しているか否かを判断する必要が無いため、例えば嵌合および未嵌合を検出するセンサ等の設置も必要が無く、センサの配置に掛かる費用を抑制できるとともに、制御も簡素化できる利点もある。また、本発明の自動締結機1は、前記当接部材11の先端から軸線方向に延びる逃げ穴11aを配することができるので、前記ボルト50が図3に示すナット60に変更された場合であっても、前記逃げ穴11aにワークから突出するおねじ70を覆いつつ、前記ナット60を精度良くかつ高速にワークへ締結できる利点もある。
本発明に係る自動締結機の概略説明図である。 図1の動作状態を示す概略説明図である。また、(a)は未嵌合状態を示す一部切り欠き断面図であり、(b)は嵌合状態を示す一部切り欠き断面図である。 本発明の別の実施例の動作状態を示す概略説明図である。 従来の一実施例を示す概略説明図である。 図4の動作状態を示す概略説明図である。また、(a)は未嵌合状態を示す一部切り欠き断面図であり、(b)は嵌合状態を示す一部切り欠き断面図である。
まず、図1および図2に基づき本発明の自動締結機を以下に説明する。本発明の自動締結機1は、締結部品の一例であるボルト50に回転を付与する締結ツール10と、この締結ツール10を往復方向に移載可能な昇降部20と、前記締結ツール10および前記昇降部20をそれぞれ駆動制御する制御手段と、から構成される。
前記締結ツール10は、前記ボルト50の頭部51に嵌合可能なビット12と、このビット12に回転を付与する駆動軸31を備え回転駆動源の一例であるモータ30と、前記ビット12を常時付勢する弾性部材の一例であるばね14と、から構成される。また、前記ビット12の先端には、前記頭部51の外形に合う形状の嵌合穴13が配されており、前記頭部51に嵌合するとともに、下降する前記ビット12が前記頭部51に当接すると前記ばね14の付勢に抗して上方へ摺動可能に構成されている。さらに、前記ビット12には、前記頭部51の上面よりも小さな断面積で形成された当接部材11が内包されており、前記当接部材11は、その一端が前記駆動軸31の先端に固定されている。このため、前記当接部材11は、前記駆動軸31と一体に回転駆動可能である一方、前記ビット12は、前記駆動軸31の先端に係合しているため、前記駆動軸31の回転をそのまま付与される。つまり、前記駆動軸31、前記当接部材11および前記ビット12は、それぞれが一体となって回転するとともに、ビット12のみが上方へ摺動可能に構成される。このため、前記当接部材11は、その先端が前記ビット12を摺動させることでビット12の先端から突出可能である。なお、前記締結ツール10は、前記モータ30に替えて駆動軸31の回転角度の検出可能なエンコーダ(図示せず)を備えたACサーボモータとしてもよく、さらに、前記ビット12に掛かる負荷トルクを検出するトルクセンサ(図示せず)を備えてもよい。
前記昇降部20は、その本体から突出し往復方向へ移動自在に構成されいる。また、前記本体の内部には、ACサーボモータ(図示せず)と、このACサーボモータに接続され外周に螺旋状の溝を備えてなるボールねじ(図示せず)と、このボールねじに螺合されボールねじの軸線に沿って回転しながら往復移動する可動ナット(図示せず)と、が配されており、前記可動ナットに前記昇降部20が接続されている。これにより、前記昇降部20は、前記ACサーボモータの回転を受けて前記ボールねじの軸線に沿って往復移動可能に構成されている。また、前記昇降部20は、前記締結ツール10を支持しており、前記ビットを回転自在に支持する。
前記制御手段は、前記締結ツール10および前記昇降部20にそれぞれ接続されており、前記締結ツール10のモータ30および前記昇降部20の前記ACサーボモータをそれぞれ駆動制御可能に構成される。また、前記制御手段は、予め前記モータ30および前記ACサーボモータの回転数および回転トルクをそれぞれ設定可能に構成されており、前記昇降部20が所定の高さcに到達すると前記ビット12の回転数を高速から低速に切り換え可能に構成される。これにより、ワークに螺入されるボルト50は、前記頭部51がワークに着座する手前でゆっくりと回転するため、前記ビット12に掛かる負荷を小さくできる。すなわち、着座時に生じる衝撃トルクを低減して前記ボルト50をワークに締結できる。
ここで、本発明の自動締結機1の作用について説明する。本発明の自動締結機1は、図1に示すようにワークに予め螺入されたボルト50の上空に待機しており、前記制御手段の指令を受けて前記モータ30および前記昇降部20のACサーボモータがそれぞれ回転駆動する。これにより、前記ビット12が高速で回転するとともに、前記昇降部20が所定の速度および推力で下降するため、前記ビット12の先端は、前記ボルト50の頭部51の上面に当接する。この後も前記昇降部20は下降し続けるため、ビット12が前記ばね14を撓ませ、このビット12の内部から前記当接部材11が突出する。よって、ビット12は、図2(a)に示すようにボルト50の頭部51に未嵌合状態であっても、あるいは、図2(b)に示すようにボルト50の頭部51に嵌合状態であっても、前記当接部材11の先端と前記頭部51の上面とは接触する。このため、前述の未嵌合状態あるいは嵌合状態に拘わらず、回転駆動する当接部材11の高さと前記昇降部20の高さとの関係が一定に保たれる。よって、予め設定した高さcに昇降部20が到達してもボルト50の頭部51と、ワークの表面と、には未嵌合状態あるいは嵌合状態に拘わらず一定の隙間を有しており、この隙間を有する状態でビット12の回転数が低速へと切り替えられる。低速回転になった前記ビット12は、頭部51とワークとの隙間がなくなるまでボルト50を螺入し、所定のトルクに達するまで駆動制御される。
次に、図3に示す自動締結機1は、本発明の別の実施例を示すものであり、以下、図3に基づいて説明する。なお、上述した図1および図2に示す自動締結機1と、図3に示す自動締結機1とは、前記当接部材11の先端に逃げ穴11aが配されているか否かに違いがあり、前者は前記ボルト50をワークに螺入するものである一方、後者はワークにそびえ立つスタッドボルト70へナット60を螺入するものである。また、両者とも基本的な構造は同様であるため、ここでは異なる部位である前記逃げ穴11aの構成および作用を説明する。
前記逃げ穴11aは、前記当接部材11の先端から当接部材11の延びる方向に沿設されており、ワークから突出した前記スタッドボルト70を覆うことができるように構成される。この図3の自動締結機1は、前記スタッドボルト70の上部に螺入したナット60をワークに着座させ所定のトルクにて締め付けるため、前記制御手段の指令により締結ツール10のビット12を高速で回転させるとともに、昇降部20を所定の推力および速度で下降させる。これにより、ビット12の先端が前記ナット60の上面に当接して前記ばね14が撓み、ビット12に内包された前記当接部材11が前記ナット60の上面に当接する。つまり、前記駆動軸31に直結された前記当接部材11は、前記ナット60がワークに着座するまで常に当接しているため、螺入中のナット60の高さと前記昇降部20の高さとの関係が常に同じ関係となる。よって、ビット12の回転の切り替えは、前記ナット60の高さを基準にして行われることになり、図3の自動締結機1は、ナット60の着座時に生じる衝撃トルクを低減してナット60をワークに締結できる。なお、図3の自動締結機1は、ナット60に用いるものとしているが、前記ボルト50に用いても良いことはいうまでもない。
1 自動締結機
10 締結ツール
11 当接部材
11a 逃げ穴
12 ビット
13 嵌合穴
14 ばね
20 昇降部
30 モータ
50 ボルト
51 頭部
60 ナット
70 スタッドボルト
c 高さ

Claims (2)

  1. 締結部品に嵌合可能なビットおよびこのビットに回転を伝達する駆動軸を備えてなり前記ビットおよび前記駆動軸にそれぞれ常時当接する弾性部材を配し前記ビットを摺動自在に支持した締結ツールと、この締結ツールを往復移動自在に支持した昇降部と、この昇降部および前記昇降部の高さに基づき前記ビットの回転数を切り替え駆動制御する制御手段と、からなる自動締結機において、
    前記締結ツールは、前記ビットに挿通され前記締結部品に当接する当接部材を備え、この当接部材を前記駆動軸に固定したことを特徴とする自動締結機。
  2. 前記当接部材は、その軸線方向に延びワークから突出した部位を覆う逃げ穴が配されていることを特徴とする請求項1に記載の自動締結機。
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