JP2014121103A - 半導体装置及びスイッチング電源装置 - Google Patents

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弘和 河越
Yasuhiro Kosaka
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Abstract

【課題】誘導性負荷を駆動したときの半導体装置の誤動作を防止する。
【解決手段】
本半導体装置(10)は、半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域(20)内のP型の第2ウェル領域(21)に形成されるローサイドのNチャネル型の第1トランジスタ(LS_PWTR)と、ハイサイドの第2トランジスタ(HS_PWTR)と、第1及び第2トランジスタが同時にオン状態にならないようにタイミングをずらして交互にオン・オフさせる制御部(11)とを有する。前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域は、少なくとも第1トランジスタがオフ状態に遷移してから第2トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間(200)はグラウンド端子に接続される。また、前記第1ウェル領域は、少なくとも第2トランジスタがオフ状態に遷移してから第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間(201)はグラウンド端子と遮断される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に誘導性負荷を駆動するためのローサイドトランジスタを含む半導体装置に適用して有効な技術に関する。
コイル等の誘導性負荷を駆動するための半導体装置は、誘導性負荷の駆動時に、負荷が接続される出力端子に大きな正電圧や負電圧が印加される虞がある。このような電圧が発生すると、出力端子に接続される出力トランジスタが破壊されたり、半導体装置内の寄生トランジスタがオンすることにより内部回路が誤動作したりする虞がある。このような問題に対処するため、誘導性負荷を駆動するための半導体装置では、従来から様々な工夫がなされてきた。例えば、特許文献1には、誘導性負荷を駆動する半導体集積回路において、負荷を駆動するための出力端子に接続されるロー(Low)側のバイポーラトランジスタと並列に出力電圧のクランプ用バイポーラトランジスタを設け、そのクランプ用バイポーラトランジスタにベース・エミッタ間の順方向電圧よりも低いバイアス電圧を印加する手法が開示されている。これにより、出力端子に印加される負電圧が、上記バイアス電圧とクランプ用バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間の順方向電圧とに基づいて決定される電圧に制限され、出力端子周りの寄生トランジスタがオンすることを防止している。
特開平5−63534号公報
コイル等の誘導性負荷を駆動するための半導体装置として、例えば、降圧DC/DCコンバータを制御するための電源ICが知られている。例えば同期整流型の降圧DC/DCコンバータを制御する電源ICは、誘導性負荷(コイル)を駆動するための出力端子に接続されたハイサイドのPチャネル型のパワーMOSトランジスタ及びローサイドのNチャネル型のパワーMOSトランジスタと、それらのパワーMOSトランジスタを制御するための制御回路とが1つの半導体基板に形成される。
近年、電源ICは、例えば半導体基板(P型)とグラウンドノードとを分離するため、P型の半導体基板に深いN型拡散層(以下、「ボトムNウェル」と称する。)を形成するとともに、その領域内にP型拡散層(以下「Pウェル」と称する。)を形成し、そのPウェル内にNチャネル型のMOSトランジスタを形成した構造(以下、「ボトムNウェル構造」と称する。)のものが増えつつある。
このようなボトムNウェル構造の電源ICでは、原則として、ボトムNウェルは電源ノードに接続され、ボトムNウェル内のPウェルはグラウンドノードに接続されるが、例外的に、誘導性負荷を駆動するための出力端子に接続されるローサイドのNチャネル型のパワーMOSトランジスタが形成されるボトムNウェルにはグラウンドノードが接続される。その理由は、ローサイドのパワーMOSトランジスタがオンからオフに遷移するときのインパクトイオン化現象によって、当該パワーMOSトランジスタのPウェルの電位が持ち上がることにより、当該パワーMOSトランジスタのドレイン電極を形成するN拡散層と、そのPウェルと、そのボトムNウェルとによって形成される寄生NPNトランジスタがオンすることを防止するためである。
しかしながら、本願発明者が本願に先立って検討したところ、上記のようにローサイドのパワーMOSトランジスタのボトムNウェルをグラウンドノードに接続した構造の電源ICによって同期整流型の降圧DC/DCコンバータを制御した場合、以下のような問題があることが明らかとされた。
一般に同期整流型の降圧DC/DCコンバータでは、ハイサイドのパワーMOSトランジスタとローサイドのパワーMOSトランジスタが同時にオン状態となることによる貫通電流を防止するため、双方のパワーMOSトランジスタがオフする期間(デッドタイム)を設けている。そのため、例えばハイサイドのパワーMOSトランジスタがオン状態からオフ状態に遷移してからローサイドのパワーMOSトランジスタがオン状態となるまでの期間において、出力端子に負電圧が発生する。この負電圧は、DC/DCコンバータの負荷が大きくなるほど、大きくなる傾向がある。出力端子に大きな負電圧が発生すると、出力端子周辺の寄生NPNトランジスタ(ローサイドのパワーMOSトランジスタのドレイン電極(N拡散層)をエミッタとし、そのパワーMOSトランジスタのPウェルをベースとし、そのパワーMOSトランジスタのボトムNウェルをコレクタとする寄生NPNトランジスタ)がオンし、他の回路ブロックの動作に悪影響を及ぼす虞がある。例えば、電源IC内には、各種基準電圧を生成するため、シリコンのバンドギャップ値に基づく電圧を生成するバンドギャップレファレンス(以下、「BGR(Bandgap reference)」と称する。)回路が形成される。このBGR回路の基本構成要素であるダイオード(ダイオード接続されたバイポーラトランジスタ)は、例えば、ボトムNウェルをコレクタ、そのボトムNウェル内のPウェルをベース、そのPウェル内のN型拡散層をエミッタとしたNPNトランジスタのコレクタ・ベース間を短絡することにより形成される。前記ダイオードのアノード(ボトムNウェル)には、そのダイオードのボトムNウェルをコレクタとし、P型基板をベースとし、ローサイドのパワーMOSトランジスタのボトムNウェルをエミッタとする寄生NPNトランジスタが接続される。例えば、出力端子に大きな負電圧が発生した場合、先ず、出力端子周辺の寄生NPNトランジスタがオンし、当該寄生NPNトランジスタのコレクタ(ローサイドのパワーMOSトランジスタのボトムNウェル)の電位が低下する(負電圧に引かれる)と、BGR回路におけるダイオードに接続される寄生NPNトランジスタがオンする。これにより、BGR回路におけるダイオードのアノード側と出力端子との間に電流経路が形成され、本来BGR回路を構成するダイオードに流れるべき電流の一部が基板を介して出力端子に流れてしまう。その結果、BGR回路によって生成される基準電圧が上昇し、当該基準電圧に基づいて制御されるDC/DCコンバータの出力電圧が上昇してしまうという問題がある。
今後、システムの低消費電流化のために電源IC内の内部回路の回路電流を更に減らした場合、上記のような負電圧の印加による電流のリークが電源ICの内部回路に与える影響が更に大きくなることが予想されることから、負電圧が印加された場合の誤動作を防止するための新たな技術が必要であると、本願発明者は考えた。
このような課題を解決するための手段等を以下に説明するが、その他の課題と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本半導体装置は、半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域内のP型の第2ウェル領域に形成されるローサイドのNチャネル型の第1トランジスタと、ハイサイドの第2トランジスタと、第1及び第2トランジスタが同時にオン状態にならないようにタイミングをずらして交互にオン・オフさせる制御部とを有する。前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域は、少なくとも前記第1トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第2トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間はグラウンド端子に接続される。また、前記第1ウェル領域は、少なくとも第2トランジスタがオフ状態に遷移してから第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間はグラウンド端子と遮断される。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本半導体装置によれば、誘導性負荷を駆動したときの半導体装置の誤動作を防止することができる。
図1は、実施の形態1に係るスイッチング電源装置を例示するブロック図である。 図2は、ローサイドトランジスタLS_PWTRの縦構造を例示する図である。 図3は、制御信号SW_GATEのタイミングを例示する図である。 図4は、BGR回路1101の内部構成を例示する図である。 図5は、電源ICが形成される半導体基板の縦構造を例示する図である。 図6は、実施の形態2に係るスイッチング電源装置を例示するブロック図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕(ローサイドトランジスタのボトムNウェルとグラウンドノードと接続と遮断を所定のタイミング切り替える半導体装置)
本願の代表的な実施の形態に係る半導体装置(10)は、出力端子(LOUT)と、グラウンド電圧を入力するためのグラウンド端子(PVSS)と、電源電圧(VIN)を入力するための電源端子(PVDD)と、出力端子に接続される負荷(L)を駆動するための駆動回路と、駆動回路を制御するための制御部(11)とが1つの半導体基板(P−SUB)に形成される。前記駆動回路は、前記出力端子と前記グラウンド端子との間に接続され、前記半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域(20)内のP型の第2ウェル領域(21)に形成されるローサイドのNチャネル型の第1トランジスタ(LS_PWTR)と、前記電源端子と前記出力端子との間に接続されるハイサイドの第2トランジスタ(HS_PWTR)とを有する。前記制御部は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが同時にオン状態にならないようにタイミングをずらして、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを交互にオン・オフさせる。前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域は、少なくとも前記第1トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第2トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間(200)は前記グラウンド端子に接続される。また、前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域は、少なくとも前記第2トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間(201)は前記グラウンド端子と遮断される。
例えば、本半導体装置を同期整流型の降圧DC/DCコンバータの電源ICとして適用し、出力端子に接続したコイル(誘導性負荷)を第1トランジスタ及び第2トランジスタによって駆動した場合を考える。この場合、本半導体装置は、少なくとも前記第1トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第2トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間は、前記第1トランジスタが形成される第1ウェル領域を前記グラウンド端子に接続する。これにより、前記第1ウェル領域にグラウンド電圧が供給されるので、前記第1トランジスタがオンからオフに遷移するときに発生するインパクトイオン化現象によって出力端子周辺の寄生NPNトランジスタがオンすることを防止できる。また、本半導体装置は、少なくとも前記第2トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間は、前記第1トランジスタが形成される第1ウェル領域を前記グラウンド端子から遮断する。これにより、前記第1ウェル領域に対するグラウンド電圧の供給が停止されるので、ローサイドのトランジスタとハイサイドのトランジスタが共にオフ状態となったときに出力端子に発生する負電圧によって、出力端子周辺の寄生NPNトランジスタがオンすることを防止できる。すなわち、本半導体装置によれば、誘導性負荷を駆動したときの本半導体装置の内部回路の誤動作を防止することができる。
〔2〕(スイッチトランジスタ)
項1の半導体装置において、前記駆動回路は、前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子との間に接続されるスイッチトランジスタ(SWTR)を有する。前記制御部は、少なくとも前記第1トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第2トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間(200)は前記スイッチトランジスタをオン状態にし、少なくとも前記第2トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間(201)は前記スイッチトランジスタをオフ状態にする。
これによれば、前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子の間の接続と遮断を容易に切り替えることができる。
〔3〕(ワンショット回路)
項2の半導体装置において、前記制御部は、前記第1トランジスタを駆動するための第1駆動信号(N_GATE)と、前記第2トランジスタを駆動するための第2駆動信号(P_GATE)とを生成する駆動信号生成部(111)と、前記スイッチトランジスタのオン・オフを制御するための制御信号(SW_GATE)を生成する制御信号生成部(112)と、を含む。前記駆動信号生成部は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを交互にオン・オフさせ、且つ一方のトランジスタがオフしてから所定の遅延時間の経過後に他方のトランジスタがオンするように前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成する。前記制御信号生成部は、前記第2トランジスタをオフ状態に遷移させる前記第2駆動信号が生成されてから前記第1トランジスタをオン状態に遷移させる前記第1駆動信号が生成されるまでの期間(201)に前記スイッチトランジスタをオフさせ、それ以外の期間に前記スイッチトランジスタをオンさせる制御信号を生成する。
これによれば、前記第2トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間に前記第1ウェル領域を前記グラウンド端子から遮断することが容易となる。
〔4〕(スイッチトランジスタのバックゲートに接続される抵抗)
項2又は3の半導体装置(30)において、前記スイッチトランジスタはNチャネル型のMOSトランジスタである。前記スイッチトランジスタのバックゲートは抵抗(RSW)を介して前記グラウンド端子に接続される。
これによれば、前記スイッチトランジスタがオフしたときに、前記スイッチトランジスタのドレイン・バックゲート間に存在する寄生ダイオードを介してグラウンド端子から前記第1ウェル領域に電流が流れたとしても、その電流値を前記抵抗によって制限することができるから、出力端子周辺の寄生NPNトランジスタがオンし難くなる。
〔5〕(ローサイドトランジスタのボトムNウェルとグラウンド端子の接続と遮断が切り替え可能にされる半導体装置)
本願の代表的な実施の形態に係る半導体装置(10、30)は、出力端子(LOUT)と、グラウンド電圧を入力するためのグラウンド端子(PVSS)と、前記出力端子に接続される負荷(L)を駆動するための駆動回路(HS_PWTR、LS_PWTR)と、前記駆動回路を制御するための制御部(11)とが1つの半導体基板(P−SUB)に形成される。前記駆動回路は、前記出力端子と前記グラウンド端子との間に接続され、前記半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域(20)内のP型の第2ウェル領域(21)に形成されるローサイドのNチャネル型の第1トランジスタ(LS_PWTR)を有する。前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子の間の接続と遮断が切り替え可能にされる。
これによれば、例えば、出力端子に誘導性負荷(コイル)を接続した場合において、ローサイドの第1トランジスタがオンからオフに遷移するときには前記第1ウェル領域をグラウンド端子に接続しておき、ローサイドの第1トランジスタがオフした状態で出力端子に負電圧が発生するタイミングでは前記第1ウェル領域をグラウンド端子から切り離すように制御することが可能となる。上記のように第1ウェル領域の接続を制御すれば、寄生NPNトランジスタのオン動作を防止することが可能となる。
〔6〕(スイッチトランジスタ)
項5の半導体装置において、前記駆動回路は、前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子との間に接続されるスイッチトランジスタ(SWTR)を有する。
これによれば、前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子の間の接続と遮断を容易に切り替えることができる。
〔7〕(ボトムNウェルをグラウンド端子から遮断するタイミング)
項6の半導体装置において、前記制御部は、前記第1トランジスタを駆動するための第1駆動信号(N_GATE)と、ハイサイドのトランジスタを駆動するための第2駆動信号(P_GATE)を生成する駆動信号生成部(111)と、前記スイッチトランジスタのオン・オフを制御するための制御信号(SW_GATE)を生成する制御信号生成部(112)とを含む。前記駆動信号生成部は、前記第1トランジスタ及び前記ハイサイドのトランジスタを交互にオン・オフさせ、且つ一方のトランジスタがオフしてから所定の遅延時間の経過後に他方のトランジスタがオンするように前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成する。前記制御信号生成部は、前記ハイサイドのトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させる前記第2駆動信号が生成されるタイミング(t2)に応じて前記スイッチトランジスタをオフさせ、前記第1トランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させる前記第1駆動信号が生成される前のタイミング(t0)で前記スイッチトランジスタをオフさせるように前記制御信号を生成する。
例えば、本半導体装置を同期整流型の降圧DC/DCコンバータのローサイド及びハイサイドのトランジスタの駆動回路に適用した場合、本半導体装置は、前記ハイサイドのトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させる前記第2駆動信号が生成されるタイミングに応じて前記スイッチトランジスタをオンさせる。これにより、前記第1ウェル領域にグラウンド電圧が供給されるので、前記第1トランジスタがオンからオフに遷移するときに発生するインパクトイオン化現象によって出力端子周りの寄生NPNトランジスタがオンすることを防止することができる。また、本半導体装置は、前記第1トランジスタをオン状態からオフ状態に遷移する前に前記スイッチトランジスタをオフさせる。これにより、前記第1ウェル領域に対するグラウンド電圧の供給が停止されるので、ローサイドの前記第1トランジスタとハイサイドのトランジスタが共にオフ状態となったときに出力端子に発生する負電圧によって、出力端子周辺の寄生NPNトランジスタがオンすることを防止することができる。
〔8〕(ワンショット回路)
項7の半導体装置において、前記スイッチトランジスタは、前記制御信号が第1論理レベル(ハイレベル)である場合にオン状態にされ、前記制御信号が前記第1論理レベルの反転の第2論理レベル(ローレベル)である場合にオフ状態にされる。前記制御信号生成部は、前記ハイサイドのトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させる前記第2駆動信号が生成されてから前記第1トランジスタをオフ状態からオン状態に遷移させる前記第1駆動信号が生成されるまでの期間(201)に前記制御信号を前記第2論理レベルにし、それ以外の期間に前記制御信号を前記第1論理レベルにする。
これによれば、前記ハイサイドのトランジスタがオフ状態に遷移してから前記第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間に前記第1ウェル領域を前記グラウンド端子から遮断することが容易となる。
〔9〕(内蔵されたハイサイドトランジスタ)
項7又は8の半導体装置は、電源電圧(VIN)を入力するための電源端子(PVDD)を更に有する。前記駆動回路は、前記出力端子と前記電源端子との間に接続され、前記第2駆動信号によって駆動される第2トランジスタ(HS_PWTR)を更に有する。
〔10〕(スイッチトランジスタのバックゲートに接続される抵抗)
項6乃至9の何れかの半導体装置において、前記スイッチトランジスタはNチャネル型のMOSトランジスタである。前記スイッチトランジスタのバックゲートは抵抗(RSW)を介して前記グラウンド端子に接続される。
これによれば、項4と同様に、前記スイッチトランジスタのドレイン・バックゲート間に存在する寄生ダイオードを介してグラウンド端子から前記第1ウェル領域に電流が流れたとしても、出力端子周辺の寄生NPNトランジスタがオンし難くなる。
〔11〕(スイッチング電源装置)
本願の代表的な実施の形態に係るスイッチング電源装置(1、3)は、入力された直流電圧(VIN)を降圧して出力するための同期整流型のスイッチング電源装置である。本スイッチング電源装置は、コイル(L)と出力容量(COUT)とを含み入力された直流電圧を降圧して出力するための電圧コンバータ回路(12)と、前記電圧コンバータ回路によって生成される電圧が目標とする電圧になるように、前記コイルに流れる電流を制御するための半導体装置(10、30)と、を有する。前記半導体装置は、前記コイルを駆動するためのローサイドの第1トランジスタ(LS_PWTR)及びハイサイドの第2トランジスタ(HS_PWTR)と、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを制御するための制御回路(11)と、が1つの半導体基板(P−SUB)に形成される。前記制御部は、前記電圧コンバータ回路の出力電圧(VOUT)に基づいて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが同時にオン状態にならないようにタイミングをずらして、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを交互にオン・オフさせる。前記第1トランジスタは、前記半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域(20)内のP型の第2ウェル領域(21)に形成されたNチャネル型のMOSトランジスタである。前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域は、前記第1トランジスタがオフする前にバイアス電圧としてグラウンド電圧が供給され、前記第2トランジスタがオフする前に前記グラウンド電圧の供給が停止される。
これによれば、項1と同様に、同期整流型の降圧DC/DCコンバータにおいて、前述したインパクトイオン化現象に起因する寄生NPNトランジスタのオン動作と、出力端子に大きな負電圧が印加された場合の寄生NPNトランジスタのオン動作の両方を防止することができ、半導体装置(電源IC)における内部回路の誤動作を防止することができる。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係るスイッチング電源装置を例示するブロック図である。同図に示されるスイッチング電源装置1は、例えば、同期整流型の降圧DC/DCコンバータであり、入力電圧VIN(例えば12V)を所望の電圧VOUT(例えば、3.3V)に降圧して出力する。出力電圧VOUTは、例えば負荷(RL)2の電源電圧として供給される。負荷2としては、例えば、マイクロコントローラ等が挙げられる。
スイッチング電源装置1は、具体的に、電源IC10と電圧コンバータ回路12を含んで構成される。電圧コンバータ回路12は、例えば、降圧のDC/DCコンバータを実現するためのコイルLと出力容量COUTとを含む。電圧コンバータ回路12は、コイルLに流れる電流IOUTによって発生した電圧を出力容量COUTによって平滑化し、出力電圧VOUTとして負荷2に供給する。
電源IC10は、電圧コンバータ回路12の出力電圧VOUTが目標とする電圧になるように、コイルLに流れる電流IOUTを制御する。特に制限されないが、電源IC10は、公知のCMOS集積回路の製造技術によって1個の単結晶シリコンのような半導体基板に形成された半導体集積回路である。電源IC10は、具体的に、ハイサイドトランジスタHS_PWTR、ローサイドトランジスタLS_PWTR、スイッチトランジスタSWTR、制御部11、及び複数の外部端子を含んで構成される。なお、説明の便宜上、同図には、複数の外部端子のうち端子PVDD、PVSS、LOUT、FBが代表的に例示されている。
ハイサイドトランジスタHS_PWTR、ローサイドトランジスタLS_PWTR、及びスイッチトランジスタSWTRは、電圧コンバータ回路11のコイルLを駆動するための駆動回路を構成する。ハイサイドトランジスタHS_PWTRは、入力電圧(電源電圧)VINの供給を受ける電源端子PVDDと、負荷(コイルL)を接続するための出力端子LOUTとの間に設けられる。ハイサイドトランジスタHS_PWTRは、例えば、Pチャネル型のパワーMOSトランジスタであり、そのソースが電源端子PVDDに接続され、そのドレインが出力端子LOUTに接続される。ローサイドトランジスタLS_PWTRは、グラウンド電圧の供給を受けるグラウンド端子PVSSと、出力端子LOUTとの間に設けられる。なお、ローサイドトランジスタLS_PWTR及びスイッチトランジスタSWTRの詳細については後述する。
制御部11は、出力電圧VOUTが目標とする電圧と等しくなるように、ハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRのオン・オフを制御する。特に制限されないが、制御部11は、電源端子PVDDとは異なる端子(図示せず)から供給された電源電圧又は端子PVDDに供給された電圧に基づいて生成された内部電源電圧を動作電源AVDDとし、端子PVSSとは異なる端子(図示せず)に供給されたグラウンド電圧AVSSを基準として動作する。
制御部11は、電圧制御回路(CNT_CIR)110と、駆動信号生成回路(PRE_DRV)111と、制御信号生成回路(OST_CIR)112とを含んで構成される。電圧制御回路110は、フィードバック端子FBを介して入力された出力電圧VOUTを検出し、出力電圧VOUTと目標電圧との誤差に応じたPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する。より具体的には、電圧制御回路110は、BGR回路によってシリコンのバンドギャップ電圧に基づく基準電圧VREFを生成し、基準電圧VREFに基づいて出力電圧VOUTの目標電圧を生成する。そして、エラーアンプによって、その目標電圧と出力電圧VOUTの検出値との誤差分に応じたエラー信号を生成し、コンパレータによって、そのエラー信号と一定周期のランプ信号とを比較し、その比較結果をPWM信号として出力する。なお、出力電圧VOUTの検出値は、例えば、出力電圧VOUTを抵抗分圧することによって生成される。抵抗分圧のための抵抗は、電源IC10の外部に設けても良いし、電源IC10の内部に設けても良く、特に制限されない。
駆動信号生成回路111は、電圧制御回路110によって生成されたPWM信号に基づいて、ハイサイドトランジスタHS_PWTRを駆動するための駆動信号P_GATE及びローサイドトランジスタLS_PWTRを駆動するための駆動信号N_GATEを生成する。なお、駆動信号P_GATE、駆動信号N_GATEは、端子PVDDに供給された電源電圧VIN及び端子PVSSに供給されたグラウンド電圧を基準に生成される。駆動信号生成回路111は、ハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRが同時にオン状態にならないようにタイミングをずらして、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが交互にオン・オフするように駆動信号P_GATE,N_GATEを生成する。駆動信号P_GATEはハイサイドトランジスタHS_PWTRのゲートに供給され、駆動信号N_GATEはローサイドトランジスタLS_PWTRのゲートに供給される。なお、参照符号“P_GATE”及び“N_GATE”は、駆動信号のみならず、その駆動信号が供給されるノードをも表すものとする。
図2は、ローサイドトランジスタLS_PWTRの縦構造を例示する図である。同図に示されるように、半導体基板P_SUB内にボトムNウェル20が形成され、そのボトムNウェル20内にPウェル21が形成される。ローサイドトランジスタLS_PWTRはそのPウェル21内に形成される。また、同図に示されるように、ローサイドトランジスタLS_PWTRは、そのドレイン電極Dが出力端子LOUTに接続され、そのソース電極Sがグラウンド端子PVSSに接続され、そのゲート電極GがノードN_GATEに接続される。また、ローサイドトランジスタLS_PWTRのバックゲート電極BGは、グラウンド端子PVSSに接続され、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェル電極BNは、スイッチトランジスタSWTRに接続される。
スイッチトランジスタSWTRは、例えばNチャネル型のMOSトランジスタである。スイッチトランジスタSWTRは、そのドレイン電極がローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェル電極BNに接続され、そのソース電極がグラウンド端子PVSSに接続される。スイッチトランジスタSWTRは、そのゲート電極に供給される制御信号SW_GATEによってオン・オフが制御される。これにより、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルBNとグラウンド端子PVSSの間の接続と遮断が切り替え可能にされる。制御信号生成回路112は、駆動信号P_GATEに基づいて制御信号SW_GATEを生成する。制御信号生成回路112は、例えばワンショットパルスを生成する回路である。以下、制御信号生成回路112によるスイッチトランジスタSWTRの制御について詳細に説明する。
図3は、制御信号SW_GATEのタイミングを例示する図である。同図において、参照符号300は駆動信号P_GATEを表し、参照符号301は駆動信号N_GATEを表し、参照符号302は出力端子LOUTの電圧を表し、参照符号303は制御信号SW_GATEを表す。
同図に示されるように、駆動信号P_GATE及び駆動信号N_GATEが共にハイレベルとなり、ハイサイドトランジスタHS_PWTRがオフ、ローサイドトランジスタLS_PWTRがオンしているタイミングt0において駆動信号N_GATEがローベルに切り替わる。これにより、ハイサイドトランジスタHS_PWTRとローサイドトランジスタLS_PWTRが共にオフ状態となり、コイルLが接続された出力端子LOUTには、安定した負電圧よりも大きな負電圧が発生する。その後、所定の時間(デッドタイム)の経過後のタイミングt1において、駆動信号P_GATEがローレベルとなることによりハイサイドトランジスタHS_PWTRがオンすると、出力端子LOUTの電圧は入力電圧VINとなる。タイミングt0からタイミングt1までの期間、すなわちハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRが共にオフ状態となる期間200では、制御信号生成回路112は制御信号SW_GATEをハイレベルに維持する。これにより、スイッチトランジスタSWTRがオン状態となり、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルBNがグラウンド端子PVSSに接続された状態となる。
その後、タイミングt2において駆動信号P_GATEがハイレベルとなることにより、ハイサイドトランジスタHS_PWTRがオフする。これにより、再びハイサイドトランジスタHS_PWTRとローサイドトランジスタLS_PWTRが共にオフ状態となり、出力端子LOUTには、より大きな負電圧が発生する。その後、所定の時間(デッドタイム)の経過後のタイミングt3において、駆動信号N_GATEがハイレベルとなることでローサイドトランジスタLS_PWTRがオンすると、出力端子LOUTの電圧はより安定した負電圧となる。制御信号生成回路112は、前述のタイミングt2において、駆動信号P_GATEの立ち上がりエッジに応じてワンショットパルスを生成し、制御信号SW_GATEを所定期間ローレベルにする。これにより、スイッチトランジスタSWTRをオフさせることにより、当該期間においてローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルBNはグラウンド端子PVSSから切り離される。なお、上記ワンショットパルスのパルス幅、すなわち制御信号SW_GATEがローレベルとなる所定期間は、特に制限されないが、ハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRが共にオフ状態となる期間201(デッドタイム)に応じて決定される。例えば、期間201が10nsである場合、制御信号SW_GATEがローレベルとなる所定期間が10nsとなるように制御信号生成回路112を設計する。これにより、ハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRが共にオフ状態となる期間201にローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルBNをグラウンド端子PVSSから切り離すことが容易となる。
スイッチトランジスタSWTRによってローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルBNの接続を切り替えることによる作用・効果について詳細に説明する。
前述したように、ハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRのオン・オフを制御する制御部11における電圧制御回路110は、BGR回路によってシリコンのバンドギャップ電圧に基づく基準電圧VREFを生成し、その基準電圧に基づいて目標電圧を生成する。上記BGR回路は、例えば、図4に示されるような回路構成とされる。同図に示されるBGR回路1101の構成要素の1つであるダイオードD1、D2は、例えば、ボトムNウェルをコレクタ、そのボトムNウェル内のPウェルをベース、そのPウェル内のN型拡散層をエミッタとしたNPNトランジスタのコレクタ・ベース間を短絡することにより形成される。このNPNトランジスタによって形成されるダイオードD1、D2は、寄生NPNトランジスタQ1、Q2を介して出力端子LOUTに接続される。
図5は、電源ICが形成される半導体基板の縦構造を例示する図である。同図には、半導体基板P−SUBに形成される回路素子のうち、出力端子LOUTに接続されるハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRとBGR回路1101内のダイオードD1の縦構造が代表的に例示される。なお、同図では、説明の便宜上、半導体基板に形成される電極LOUT,PVSS,PVDD、スイッチトランジスタSWTR、及びそれらを接続するための配線等を基板P−SUBから分離して図示している。
同図に示されるように、ローサイドトランジスタLS_PWTRのドレイン電極D(N+拡散層)をエミッタとし、同トランジスタのバックゲート電極BG(Pウェル)をベースとし、同トランジスタのボトムNウェル電極BNをコレクタとする寄生NPNトランジスタQ1が形成される。また、ダイオードD1のアノードAD_D1(ボトムNウェル)をコレクタとし、基板P−SUBをベースとし、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルをエミッタとする寄生NPNトランジスタQ2が形成される。したがって、BGR回路1101におけるダイオードD1のアノードAD_D1と出力端子LOUTは、寄生NPNトランジスタQ1、Q2を介して接続される。ここで、寄生トランジスタQ1、Q2がオンしなければ問題はないが、前述したように、何らかの原因でこれらの寄生トランジスタがオンすると、電源IC10の内部回路が誤動作し、スイッチング電源装置1の制御に影響を与える。
例えば、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェル電極BNを、通常のボトムNウェルと同様に電源ノード(電源電圧VINが供給されるノード)に固定する場合を考える。この場合、前述したように、ハイサイドトランジスタHS_PWTRがオフ、ローサイドトランジスタLS_PWTRがオンしている状態から両トランジスタがオフする状態となる期間(図3の期間200)において、インパクトイオン化現象により寄生NPNトランジスタQ1がオンし、電源ノードから寄生NPNトランジスタQ1を介して出力端子LOUTに電流が流れてしまう。これを防止するためには、例えば、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェル電極BNをグラウンドノードに固定する方法が考えられる。この方法によれば、ハイサイドトランジスタHS_PWTR及びローサイドトランジスタLS_PWTRが共にオフ状態となる期間(図3の期間200)において発生するインパクトイオン化現象によって、寄生NPNトランジスタQ1がオンすることはない。しかしながら、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェル電極BNをグラウンドノードに固定した場合、前述したように、ハイサイドトランジスタHS_PWTRがオン、ローサイドトランジスタLS_PWTRがオフしている状態から両トランジスタがオフ状態となる期間(例えば図3の期間201)において寄生NPNトランジスタQ1、Q2がオンしてしまう。具体的には、図3に示したように期間201において出力端子LOUTに大きな負電圧が発生すると、PN接合の順方向電圧よりも大きな電圧が寄生NPNトランジスタQ1のベース・エミッタ間に印加され、それによって寄生NPNトランジスタQ1がオンする。そうすると、ローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルがグラウンド電圧から負電圧に低下し、寄生NPNトランジスタQ2のベース・エミッタ間にPN接合の順方向電圧よりも大きな電圧が印加され、寄生NPNトランジスタQ2がオンする。これにより、BGR回路1101におけるダイオードD1のアノードAN_D1と出力端子LOUTの間に電流経路が形成される。その結果、BGR回路1101において抵抗R1を介してダイオードD1からグラウンドノードに流れるべき電流I1の一部が、寄生NPNトランジスタQ1、Q2を介して出力端子LOUTにリーク電流Ixとして流れてしまう。このリーク電流Ixによって、抵抗R1に流れる電流が見かけ上大きくなるため、基準電圧VREFが上昇する。そうすると、基準電圧VREFに基づいて決定される目標電圧も上昇することになり、結果としてスイッチング電源装置の出力電圧VOUTが上昇してしまう。出力電圧VOUTと理想の目標電圧とのずれ幅は、コイルLに流れる電流(負荷2の大きさ)IOUTに応じて大きくなる。これは、電流IOUTが大きくなると、両トランジスタがオフ状態となる期間に出力端子LOUTに発生する負電圧が大きくなり、その結果、リーク電流Ixが大きくなるからである。これに対し、本電源IC10によれば、期間201において、スイッチトランジスタSWTRをオフさせることによりローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルをグラウンド端子PVSSから切り離すので、寄生トランジスタQ1がオンしない。これにより、寄生NPNトランジスタQ2もオンしないので、ダイオードD1のアノードAN_D1から出力端子LOUTへのリーク電流Ixが発生せず、基準電圧VREFは変動しない。また、本電源IC10によれば、上記の期間201以外の期間はスイッチトランジスタSWTRをオンさせてローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェルをグラウンド端子PVSSに接続するので、上記期間200において発生するインパクトイオン化現象によって、寄生NPNトランジスタQ1がオンすることはない。
以上、本実施の形態に係る電源IC10によれば、インパクトイオン化現象に起因する寄生NPNトランジスタQ1のオン動作と、出力端子LOUTに大きな負電圧が印加された場合の寄生NPNトランジスタQ1のオン動作の両方を防止することができる。これにより、ローサイドトランジスタLS_PWTRと同一の半導体基板に形成される上記BGR回路をはじめとする他の周辺回路の誤動作を防止することができる。
≪実施の形態2≫
図6は、実施の形態2に係るスイッチング電源装置を例示するブロック図である。同図に示されるスイッチング電源装置3は、実施の形態1に係るスイッチング電源装置1におけるスイッチトランジスタSWTRのバックゲートとグラウンドノードの間に、抵抗を更に追加した構成とされる。なお、スイッチング電源装置3における構成要素のうちスイッチング電源装置1と同様の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
同図に示されるように、電源IC30におけるスイッチトランジスタSWTRのバックゲート電極とグラウンド端子PVSSとの間に抵抗RSWが接続される。これによれば、スイッチトランジスタSWTRがオフしたときに、スイッチトランジスタSWTRのドレイン・バックゲート間に存在する寄生ダイオードを介してグラウンド端子PVSSからローサイドトランジスタLS_PWTRのボトムNウェル電極BNに電流が流れたとしても、その電流値を抵抗RSWによって制限することができるから、寄生NPNトランジスタQ1がオンし難くなる。したがって、本実施の形態に係る電源IC30によれば、電源ICの内部回路の誤動作が起こり難くなり、より安定した動作が期待できる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、制御信号生成回路112が駆動信号P_GATEの立ち上がりに応じてワンショットパルスを生成することにより制御信号SW_GATEを生成する構成を例示したが、上記期間201にスイッチトランジスタSWTRをオフさせることができれば、別の構成でもよい。例えば、制御信号生成回路112が駆動信号P_GATEの立ち上がりに応じて制御信号SW_GATEをローレベルにし、駆動信号N_GATEの立ち上がりに応じて制御信号SW_GATEをハイレベルにするような構成でも良い。また、期間200にスイッチトランジスタSWTRがオン状態となり、期間201にスイッチトランジスタSWTRがオフ状態となっていれば、上述の寄生NPNトランジスタQ1、Q2のオン動作を防止することができる。したがって、スイッチトランジスタSWTRがオフ状態となる期間は期間201に限定されない。例えば、図3におけるタイミングt1からタイミングt2までの期間におけるどこかのタイミングで制御信号SW_GATEをハイレベルからローレベルにし、その後、駆動信号N_GATEが立ち上がりに応じて制御信号SW_GATEをローレベルからハイレベルにしても良い。
また、電源IC10、30が、ローサイドトランジスタLS_PWTR、ハイサイドトランジスタHS_PWTR、及びその他の内部回路を1つの半導体基板に形成した1チップ構成である場合を例示したが、これに限られない。例えば、ローサイドトランジスタLS_PWTR及び内部回路を1つの半導体基板に形成し、ハイサイドトランジスタHS_PWTRを別の半導体基板に形成したマルチチップ構成の電源ICであっても良い。また、ハイサイドトランジスタHS_PWTRはPチャネル型のMOSトランジスタに限られず、Nチャネル型のMOSトランジスタであっても良い。
電源IC10、30における出力段の構成(例えば、ローサイドトランジスタLS_PWTR、スイッチトランジスタSWTR、駆動信号生成回路111、及び制御信号生成回路112)は、コイルやモータ等の誘導性負荷を駆動するためのローサイドのMOSトランジスタを備える半導体装置であれば適用することができ、同期整流型の降圧DC/DCコンバータ用の電源ICに限定されない。これによれば、上記と同様に、負荷駆動時の負電圧の印加に伴う半導体装置の誤動作を防止することができる。
1 スイッチング電源装置
2 負荷
10 電源IC
AVDD 動作電源
AVSS グラウンド電圧
11 電圧コンバータ回路
110 電圧制御回路
111 駆動信号生成回路
112 制御信号生成回路
12 電圧コンバータ回路
L コイル
COUT
HS_PWTR ハイサイドトランジスタ
LS_PWTR ローサイドトランジスタ
SWTR スイッチトランジスタ
D ドレイン電極
S ソース電極
BG バックゲート電極
BN ボトムNウェル電極
SWTR スイッチトランジスタ
PVDD 電源端子
PVSS グラウンド端子
LOUT 出力端子
FB フィードバック端子
P_SUB 半導体基板
20 ボトムNウェル
21 Pウェル
300 駆動信号P_GATEの特性
301 駆動信号N_GATEの特性
302 出力端子LOUTの電圧の特性
303 制御信号SW_GATEの特性
t0〜t3 タイミング
200、201 ハイサイド/ローサイドの両トランジスタがオフする期間
1101 BGR回路
R1 抵抗
D1、D2 ダイオード
AN_D1 ダイオードD1のアノード端子
CN_D1 ダイオードD1のカソード端子
Q1、Q2 寄生NPNトランジスタ
I1 抵抗R1に流れる電流
Ix リーク電流
3 スイッチング電源装置
30 電源IC

Claims (11)

  1. 出力端子と、グラウンド電圧を入力するためのグラウンド端子と、電源電圧を入力するための電源端子と、前記出力端子に接続される負荷を駆動するための駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御部とが1つの半導体基板に形成される半導体装置であって、
    前記駆動回路は、
    前記出力端子と前記グラウンド端子との間に接続され、前記半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域内のP型の第2ウェル領域に形成されるローサイドのNチャネル型の第1トランジスタと、
    前記電源端子と前記出力端子との間に接続されるハイサイドの第2トランジスタと、を有し、
    前記制御部は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが同時にオン状態にならないようにタイミングをずらして、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを交互にオン・オフさせ、
    前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域は、少なくとも前記第1トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第2トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間は前記グラウンド端子に接続され、且つ、少なくとも前記第2トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間は前記グラウンド端子と遮断される半導体装置。
  2. 前記駆動回路は、前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子との間に接続されるスイッチトランジスタを有し、
    前記制御部は、少なくとも前記第1トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第2トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間は前記スイッチトランジスタをオン状態にし、少なくとも前記第2トランジスタがオフ状態に遷移してから前記第1トランジスタがオン状態に遷移するまでの期間は前記スイッチトランジスタをオフ状態にする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第1トランジスタを駆動するための第1駆動信号と、前記第2トランジスタを駆動するための第2駆動信号とを生成する駆動信号生成部と、
    前記スイッチトランジスタのオン・オフを制御するための制御信号を生成する制御信号生成部と、を含み、
    前記駆動信号生成部は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを交互にオン・オフさせ、且つ一方のトランジスタがオフしてから所定の遅延時間の経過後に他方のトランジスタがオンするように前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成し、
    前記制御信号生成部は、前記第2トランジスタをオフ状態に遷移させる前記第2駆動信号が生成されてから前記第1トランジスタをオン状態に遷移させる前記第1駆動信号が生成されるまでの期間に前記スイッチトランジスタをオフさせ、それ以外の期間に前記スイッチトランジスタをオンさせる制御信号を生成する請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記スイッチトランジスタはNチャネル型のMOSトランジスタであって、
    前記スイッチトランジスタのバックゲートは抵抗を介して前記グラウンド端子に接続される請求項2に記載の半導体装置。
  5. 出力端子と、グラウンド電圧を入力するためのグラウンド端子と、前記出力端子に接続される負荷を駆動するための駆動回路と、前記駆動回路を制御するための制御部とが1つの半導体基板に形成される半導体装置であって、
    前記駆動回路は、前記出力端子と前記グラウンド端子との間に接続され、前記半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域内のP型の第2ウェル領域に形成されるローサイドのNチャネル型の第1トランジスタを有し、
    前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子の間の接続と遮断が切り替え可能にされる半導体装置。
  6. 前記駆動回路は、前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域と前記グラウンド端子との間に接続されるスイッチトランジスタを有する請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第1トランジスタを駆動するための第1駆動信号と、ハイサイドのトランジスタを駆動するための第2駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記スイッチトランジスタのオン・オフを制御するための制御信号を生成する制御信号生成部と、を含み、
    前記駆動信号生成部は、前記第1トランジスタ及び前記ハイサイドのトランジスタを交互にオン・オフさせ、且つ一方のトランジスタがオフしてから所定の遅延時間の経過後に他方のトランジスタがオンするように前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を生成し、
    前記制御信号生成部は、前記ハイサイドのトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させる前記第2駆動信号が生成されるタイミングに応じて前記スイッチトランジスタをオフさせ、前記第1トランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させる前記第1駆動信号が生成される前のタイミングで前記スイッチトランジスタをオフさせるように前記制御信号を生成する請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記スイッチトランジスタは、前記制御信号が第1論理レベルである場合にオン状態にされ、前記制御信号が前記第1論理レベルの反転の第2論理レベルである場合にオフ状態にされ、
    前記信号生成回路は、前記ハイサイドのトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させる前記第2駆動信号が生成されてから前記第1トランジスタをオフ状態からオン状態に遷移させる前記第1駆動信号が生成されるまでの期間に前記制御信号を前記第2論理レベルにし、それ以外の期間に前記制御信号を前記第1論理レベルにする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 電源電圧を入力するための電源端子を更に有し、
    前記駆動回路は、前記出力端子と前記電源端子との間に接続され、前記第2駆動信号によって駆動される第2トランジスタを更に有する請求項7に記載の半導体装置。
  10. 前記スイッチトランジスタはNチャネル型のMOSトランジスタであって、
    前記スイッチトランジスタのバックゲートは抵抗を介して前記グラウンド端子に接続される請求項6に記載の半導体装置。
  11. 入力された直流電圧を降圧して出力するためのスイッチング電源装置であって、
    コイルと出力容量とを含み、入力された直流電圧を降圧して出力するための電圧コンバータ回路と、
    前記電圧コンバータ回路によって生成される電圧が目標とする電圧になるように、前記コイルに流れる電流を制御するための半導体装置と、を有し、
    前記半導体装置は、
    前記コイルを駆動するためのローサイドの第1トランジスタ及びハイサイドの第2トランジスタと、
    前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを制御するための制御回路と、が1つの半導体基板に形成され、
    前記制御部は、前記電圧コンバータ回路の出力電圧に基づいて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが同時にオン状態にならないようにタイミングをずらして、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを交互にオン・オフさせ、
    前記第1トランジスタは、前記半導体基板に形成されたN型の第1ウェル領域内のP型の第2ウェル領域に形成されたNチャネル型のMOSトランジスタであって、
    前記第1トランジスタが形成される前記第1ウェル領域は、前記第1トランジスタがオフする前にバイアス電圧としてグラウンド電圧が供給され、前記第2トランジスタがオフする前に前記グラウンド電圧の供給が停止されるスイッチング電源装置。
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