JP2014120716A - 半導体発光装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線電極の光吸収による光取り出し効率の低下を招くことなく、半導体層との低抵抗化を図り、光取り出し効率がよく且つ大電流投入デバイスとして利用することができる半導体発光装置を提供する。
【解決手段】発光層を挟んで第一半導体層及び第二半導体層を備え、第一半導体層の上に電極金属層が形成された半導体発光装置であって、電極金属層は、第一半導体層から順に第一金属層及び第二金属層を有し、第二金属層の面積は、第一金属層と第一半導体層との接触面積よりも大きい。或いは電極金属層と第一半導体層との接触部を除く、電極金属層と第一半導体層との間にギャップが形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】発光層を挟んで第一半導体層及び第二半導体層を備え、第一半導体層の上に電極金属層が形成された半導体発光装置であって、電極金属層は、第一半導体層から順に第一金属層及び第二金属層を有し、第二金属層の面積は、第一金属層と第一半導体層との接触面積よりも大きい。或いは電極金属層と第一半導体層との接触部を除く、電極金属層と第一半導体層との間にギャップが形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体発光装置とその製造方法に関し、特に半導体素子の表面に形成される配線電極に特徴がある半導体発光装置とその製造方法に関する。
従来の窒化ガリウムを用いたフェイスアップ型半導体装置は、サファイア基板上にn型の窒化物半導体層、活性層、p型の窒化物半導体層を順次積層した構造を有し、p型半導体層と活性層の一部を除去することにより露出したn型半導体層の上にn側電極を、p型半導体層の上にp側電極を形成している。このような構造のフェイスアップ型半導体装置では、n側電極とp側電極が同一面に形成されているため、電極パッドによる光吸収があり、光の取り出し効率が低下する問題や、直列抵抗が増加することに伴う駆動電圧の上昇などの問題がある。さらにサファイア基板は、熱伝導率が低く放熱性に劣り、大電流投入するデバイスには不向きである。
そこで近年、サファイア基板を除去し、露出したn型半導体上にn側電極を形成することにより、n側電極とp側電極を、半導体層を挟んで対向配置する構造のフェイスアップ型半導体装置が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2など)。この発光装置では、p側電極は発光領域全域に形成され、n側電極は露出したn型半導体層の一部に形成され、光はn型半導体層側から取り出される。
大電流を投入するデバイスでは、n側電極の配線抵抗を下げることが要求される。このためn側電極とn型半導体層との接触面積を広くとると、光取り出し面を占めるn側電極の面積が増え、n側電極による光吸収が増え、光取り出し効率が低下する。またn側電極の接触面積を増やすことなく配線抵抗を下げるために、n型電極の厚みを厚くした場合には、Au等電極材料の成膜時間が長くなり材料効率が低下する。また電極の厚みが厚くなると、その側面、すなわち光取り出し面と直交する面の面積が大きくなり、この面における光の吸収により外部量子効率を低下させる。
本発明は、配線電極の光吸収による光取り出し効率の低下を招くことなく、n側電極の成膜時間を短縮して材料効率を向上させた、大電流投入デバイスとして利用することができる半導体発光装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の半導体発光装置は、発光層を挟んで第一半導体層及び第二半導体層を備え、前記第一半導体層の上に電極金属層が形成された半導体発光装置であって、前記電極金属層は、前記第一半導体層から順に第一金属層及び第二金属層を有し、前記第二金属層の面積は、前記第一金属層と前記第一半導体層との接触面積よりも大きいことを特徴とする。或いは前記電極金属層と前記第一半導体層との接触部を除く、前記電極金属層と前記第一半導体層との間にギャップを有することを特徴とする。
また本発明の半導体発光装置の製造方法は、発光層を挟んで第一半導体層及び第二半導体層を備え、前記第二半導体層の上に透明電極及び反射層を形成し、前記第一半導体層の上に金属電極層を形成した半導体発光装置を製造する方法であって、前記第一半導体層の上に、第一金属層を成膜するステップ(1)と、前記第一金属層の上に、前記第一金属層とは異なる材料からなる第二金属層を成膜するステップ(2)と、前記第一金属層の一部を除去し、前記第二金属層と前記第一半導体層との間に空隙を形成するステップ(3)と、を含み、前記第一金属層と当該第一金属層よりも面積の大きい第二金属層とからなる金属電極層を有する半導体発光装置を製造する方法である。
本発明の半導体発光装置によれば、光取り出し面となる第一半導体層に形成される配線電極を少なくとも2層の金属層で形成し、第一半導体層に接続される第一金属層よりもその上に形成される第二金属層の面積を大きくし、第二金属層と第一半導体層との間にギャップを形成した構造とすることにより、半導体層との接触面積を小さく保ち且つ配線電極の厚みを増加させずに低抵抗化を図ることができる。また配線電極が光を吸収する面積を極力小さくすることができ光の取り出し効率を高めることができる。
以下、本発明の半導体発光装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態の半導体発光装置の断面図、図2の(a)は図1の要部を示す図、(b)は従来装置の対応する部分を示す図である。図3は、第一実施形態の半導体発光装置の平面図である。
図1は、第一実施形態の半導体発光装置の断面図、図2の(a)は図1の要部を示す図、(b)は従来装置の対応する部分を示す図である。図3は、第一実施形態の半導体発光装置の平面図である。
図示する半導体発光装置100は、Si基板等の支持体10の上に半導体チップ20が接合された構造を有し、半導体チップ20の両面に電極(n電極、p電極)31、33が形成されている。半導体チップ20は、n型半導体層(以下、n層という)21とp型半導体層(以下、p層という)23を、活性層22を挟んで上下に配置した構造を有し、p層23側が支持体10に接合され、n層21は活性層22から発する光を取り出す光取り出し側となっている。
支持体10は、例えばSi基板の表面にAu/Sn交互積層11を成膜したもので、半導体チップ20は、Au/Sn交互積層と共晶を形成する共晶層40を介して、支持体10の表面(Au/Sn交互積層11)に接合されている。共晶層40としては、例えばTi/Pt/Au等の金属積層が用いられる。
半導体チップ20は、特に限定されるものではないが、例えばAlInGaNから構成される層で、n層21としてSiドープされたGaN層、活性層22として多重量子井戸構造を持つInGaN/GaN層、p層23として、AlGaNクラッド層とMgドープされたp型GaN層を積層した層を有する。このような構造の半導体チップは両面に設けた電極に電圧を印加することにより、活性層22が発光し、光として取り出される。
p層23の、支持体10と対向する表面は、その外周に沿って絶縁膜50が形成されるとともに、絶縁膜50で囲まれた内側にp電極33が形成されている。絶縁膜50は二酸化ケイ素(SiO2)等からなる。p電極33は、ITO等の透明導電性材料からなる透明電極で、Ag等の高反射性の材料(高反射膜35)で覆われている。高反射膜35によって、活性層22からp層23側に向かう光は反射され、光取り出し側であるn層21の表面から取り出される。
n層21、活性層22及びp層23は、公知の手法によって、C面サファイア成長基板上に成膜することにより形成した層であり、活性層22が発光層である。n層21は、図2(a)に示すように、n側電極31が形成される部分にエッチングによって凹部25が形成されており、この凹部25内にn側電極31が接続されている。凹部25の形状は、断面が逆台形であってn型半導体層の表面側の開口面積よりも底面25aの面積が小さく、側面25bが傾斜している。電極が形成される部分を平坦な表面ではなく、このような凹部形状とすることにより、n型半導体層21表面と凹部25の側面から光が取り出されることになり、実効的な光取り出し面の面積を増加することができる。なお凹部25の形状は、断面が長方形、台形等であってもよい。
光取り出し面となるn型半導体層21表面21aと凹部25の側面25bは、さらに光の取り出し効率を高めるための処理、例えばマイクロコーン27等の凹凸形状が施されていてもよい。マイクロコーンは、光を取り出しやすい凸部を多数配置した構造で、形成方法及び形成条件を適切に選択することにより凸部形状を制御し、光の取り出し効率を向上することができる。マイクロコーンが形成されない凹部25の底面は、活性層22から出た光を全反射するように平滑面になっている。全反射された光はn型半導体層21及びp型半導体層22に戻り、各層の界面やp側電極で反射されて、n型半導体層21の光取り出し面から出射される。
n側電極31は、少なくとも2種の異なる金属の層(第一電極層311、第二電極層312)からなり、第二電極層312が第一電極層311を介してn層21に接続された構造となっている。第二電極層312は、導電性が高く耐腐食性の高い金属、典型的にはAuからなる。第一電極層311を構成する金属は、n層21と十分に接合でき且つエッチングにより除去可能な導電性金属からなり、2種以上の金属からなる多層構造や合金であってもよい。具体的には、Ti、Alの積層膜が用いられる。なお第二電極層を構成する金属と第一電極層を構成する金属とが合金を形成しないようにするため、第一電極層と第二電極層との間にバリア層を設けてもよい。バリア層として、第二電極層がAu、第一電極層はTiの場合、例えばPt層を設けることができる。
また第二電極層312は、n層21に直接接している第一電極層311に比べ、n層21に対向する面312aの面積が大きい。このため、第二電極層312とn層21表面との間には空隙(エアギャップ)70が形成されている。空隙70は空気の層であってもよいし、n層21よりも屈折率の低い絶縁性材料(SiN、SiOx、ITOなど)で埋められていてもよい。第二電極312とn層21表面との間が空気層或いは低屈折率層であることによって、n層21と第一電極層311との接触部分よりも、n層21との屈折率差を大きくすることができ、これによりn層21と空隙70との界面で活性層22から出た光を確実に全反射させることができる。すなわち、第一電極層311との界面では光の一部は第一電極層311によって吸収されるが、この第一電極層311との接触面を少なくして第一電極層311による光の吸収を極力少なくすることができる。その上、第一電極層311の上に形成される第二電極層311の面積を大きくすることができるので、接触面積と同面積のn側電極を形成する場合(図2(b))に比べて、同じ体積であれば厚み(側面の面積)を薄くすることができ、電極側面による光吸収を低減し、光取り出し効率を高めることができる。また厚みを薄くできるので第二電極層311を形成するための成膜時間を厚みの減少割合に応じて短縮することができる。接触面積と同じ面積のn側電極の場合と同じ厚みにするのであれば電極の体積を大きくすることができるので、大電流化に対応できる。
空隙70の厚み、すなわちn層21と第二電極層312との間の間隔(=第一電極層311の厚み)は、特に限定されるものではないが、1000Å〜数1000Å(10μm〜数10μm)程度である。また第一及び第二電極層の幅方向の空隙70の幅は、第一電極層311と第二電極層312の幅で決まる。第一及び第二電極層の幅は、[第二電極層の幅W2]>[第一電極層の幅W1]であり且つ安定した電極構造を保つために、[第二電極層の幅W2]は[第一電極層の幅W1]の1.2倍〜4倍程度であることが好ましい。空隙70の幅は、第一及び第二電極層の幅が上述した関係を満たすように決められ、例えば、第一電極層の幅が10μmの場合、その両側に1μm〜15μm程度、好ましくは5μm〜10μm程度の空隙が形成されることが好ましい。
n型電極31のパターンは、特に限定されるものではないが、例えば図3(a)に示すように四角形の二辺を二本の平行な線で結んだ格子のパターンで、四角形の二つの角に電極パッドが形成されている。図3(a)に示すものの他、図3(b)、(c)に示すように、放射状に並ぶ線の中心に一つの電極パッドを形成したもの、クモの巣形状のパターンの中心に電極パッドを形成したものなど、面積を抑制できれば任意のパターンでよい。
n側電極31とマイクロコーンが形成されたn層21の上面は、SiO2等の光透過性の絶縁性材料からなる保護膜80で覆われている。
本実施形態の半導体発光装置によれば、n層21の光取り出し面に形成される配線電極を少なくとも2層の金属層(第一電極層311、第二電極層312)で形成し、n層に接続される第一電極層311よりもその上の第二電極層312の面積を大きくし、第二電極層312とn層21との間に空隙70を形成した構造とすることにより、電極と対向するn層表面において光の全反射を実現することができ、電極により吸収される光の割合を減らすことができる。また、第二電極層312の厚みを薄くした代わりに幅を太くしたことにより、第二金属層312の総体としての断面積を確保し、配線抵抗の上昇を抑制している。これにより電極側面による光吸収の増加を防止でき、高い光の取り出し効率が得られる。
次に上記構成の半導体発光装置の製造方法を、図4に示すフロー及び図5〜図7の工程図を参照して説明する。図5〜図7は、各製造工程における材料の断面図を示している。また図5は複数の素子の処理工程を示し、図6及び図7では素子分離された一つの素子について処理工程を示している。
この半導体発光装置の製造方法は、サファイア基板上に半導体層を成膜し、最上層となる半導体層(p層)の上に電極、反射膜等を形成し、サファイア基板を残した状態で複数の素子に分割するまでの工程(図5)と、分割後の各素子について、n層の表面を加工する工程(図6)と、加工されたn層表面に電極等を形成し完成品とする工程(図7)とを含む。以下、工程毎に詳細を説明する。
<素子分離までの工程>
半導体膜形成工程401から素子分離工程406までは公知の半導体発光装置の製造方法と同様であり、概略を説明する。
半導体膜形成工程401から素子分離工程406までは公知の半導体発光装置の製造方法と同様であり、概略を説明する。
まず図5(a)に示す半導体膜形成工程401では、MOCVD装置を用いて、C面サファイア成長基板200に、n型半導体層21、活性層22及びp型半導体層23を順次積層する。各層は、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される半導体からなり、必要に応じてn型ドーパントとしてSi、p型ドーパントとしてMgなどが添加される。半導体層の構成は上記3種類の層に限らず、発光効率を向上させるために電流拡散層、クラッド層、コンタクト層などを挿入することも可能である。また活性層を多層膜で構成することも可能である。例えば、活性層をInGaN井戸層とGaN障壁層とを交互に積層した多重量子井戸構造としてもよい。
次に最上層であるp型半導体層23表面の所定の位置(個々のチップに対応する位置)に、フォトリソグラフィおよびスパッタ法を用いて、ITO等の透明導電材料を成膜しパターニングを行う(ステップ402、図5(b))。図5では、3つのチップに対応する位置に、それぞれ透明導電膜(p側電極33)を形成した状態を示し、詳細なパターンの図示は省略しているが、個々の透明導電膜のパターンは、後述するn側電極の電極パターンとネガポジの関係になっていて、n側電極が形成されない部分に対応するp側の部分に透明導電膜33が形成される。この透明導電膜33は、p型半導体層23のコンタクト層となる層で厚みは約100〜200Åである。その後、各チップの周囲に、フォトリソグラフィおよびスパッタ法を用いて絶縁膜50を形成する(ステップ403、図5(c))。絶縁膜を形成する材料としては、例えばSiO2が用いられ、膜の厚みは約100〜200Åである。
次いで、フォトリソグラフィ及び電子ビーム蒸着法を用いて、各チップに対応する領域の透明導電膜の上に高反射層35を形成する(ステップ404、図5(c))。高反射層35は、透明導電膜とともにp側電極33を構成するものであり、反射性が高く且つ導電性の金属、例えばAgからなる。厚みは約2000Åである。この高反射層35全体と絶縁膜50の一部を覆うように共晶膜40を形成する(ステップ405、図5(d))。共晶膜40は、後の工程で支持体と半導体チップとを強固に接合するために設けられる膜で、例えばTi/Pt/Auの多層膜から成り、フォトリソグラフィおよびスパッタ法、電子ビーム蒸着法などを用いて形成する。厚みは、半導体層21〜23の総膜厚よりも厚くする必要があり、例えばTi:500Å、Pt:2000Å、Au:12000Åとする。
次に個別のチップに分離できるように、素子相当領域の間に溝を設ける(ステップ406、図5(e))。素子分離エッチングは、素子相当領域にレジストが残るようにパターニングした後(図示省略)、ドライエッチング装置により、レジストがない領域すなわち素子相当領域と素子相当領域との間の領域の半導体層及びその他の層を除去することにより行う。レジストの厚みは半導体膜厚に応じて適宜選択する。これにより、素子相当領域と素子相当領域との間に溝が形成され、後のサファイア基板剥離工程や最終的なチップ分割工程を容易にすることができる。
<n層加工工程>
分離後の各チップを張り合わせ装置を用いて支持体に接合する(ステップ407、図6(a))。支持体としては、例えば導電性Si基板を用いることができ、共晶膜40との接合を強固にするために、表面に共晶膜40と共晶を生成しやすい材料、例えばAu/Snを交互に積層して成膜した支持体を用いることが好ましい。Au/Sn層を合わせた支持体の厚みは、例えば、1μmである。張り合わせ装置では、Au/Sn層とチップ表面に形成された共晶膜40とを窒素雰囲気化で熱圧着することにより共晶を形成し接合する。熱圧着の条件は、例えば、圧力が約300〜500N/cm2、温度が約280℃〜370℃、圧着時間が約10分間である。
分離後の各チップを張り合わせ装置を用いて支持体に接合する(ステップ407、図6(a))。支持体としては、例えば導電性Si基板を用いることができ、共晶膜40との接合を強固にするために、表面に共晶膜40と共晶を生成しやすい材料、例えばAu/Snを交互に積層して成膜した支持体を用いることが好ましい。Au/Sn層を合わせた支持体の厚みは、例えば、1μmである。張り合わせ装置では、Au/Sn層とチップ表面に形成された共晶膜40とを窒素雰囲気化で熱圧着することにより共晶を形成し接合する。熱圧着の条件は、例えば、圧力が約300〜500N/cm2、温度が約280℃〜370℃、圧着時間が約10分間である。
次いでサファイア基板200を剥離し、n型半導体層21を露出させる(ステップ408、図6(b))。サファイア基板の剥離は公知のLLO(レーザーリフトオフ)法で行うことができる。通常、レーザーとしては248nmのKrFエキスマレーザーを用い、レーザーのパワーは約850mj/cm2である。レーザーのエネルギーがサファイア基板とn型半導体層との間で吸収され、吸収されたエネルギーが熱に変換されることにより、GaN層が金属GaとN2ガスに分解され、サファイア基板が剥離される。
露出したn型半導体層21の表面のn側電極形成領域に、溝状に凹部25を形成し、電極形成に適した低抵抗層を露出させる(ステップ409、図6(c))。また凹部25を形成することによって、光取り出し面より下側に電極を形成し、n型半導体層表面から放出された光がn側電極側面などで吸収されるのを防止する。凹部の形成はレジストを用いたパターニングと、ドライエッチングにより行うことができる。凹部のパターンは、例えば、図3(a)に示すような四角形の格子形状である。凹部の形状は、開口よりも底面25aの面積が小さく側面25bが傾斜し、断面が逆台形の形状である。凹部を形成する際にn型半導体層21表面に形成するフォトレジストの露光条件やベーキング温度・時間等を制御し、その断面を逆テーパ形状にした上でエッチングすることで、このような形状の凹部とすることができる。なお凹部の大きさは、加工精度やn型半導体層の面積によって異なるが、一例として底面の幅は約10〜30μm、深さは1〜数μm程度である。
次に凹部の底面を除く部分に微細な凹凸形状(マイクロコーン)27を形成する。このためまず凹部の底面に保護膜(最終的に素子上面に設けられる保護膜80と区別してPassivation膜という)60を形成する(ステップ410、図6(d))。Passivation膜60はマイクロコーンを形成する際に凹部25の底面が荒らされるのを防止し、底面の平面性(全反射性)を維持するために設けられるものであり、マイクロコーン形成処理によって容易に冒されない材料例えばSiO2等が用いられる。このような材料のPassivation膜は、スパッタ法により成膜することができる。凹部の底面のみにPassivation膜を形成する場合、凹部のパターニングで用いたレジストをそのまま残しておく。これによりセルフアラインメントでPassivation膜を形成することができる。その後、レジストを除去する。
マイクロコーンは、サファイア基板剥離後のn型半導体層表面からの光取り出しを向上させるために形成するもので、高さ及びピッチが1μmオーダーの凹凸である。このような凹凸は、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、KOHなどの薬液処理、フォトリソグラフィ、RIE(反応性ドライエッチング)等の方法で形成することができる(ステップ411、図6(e))。処理条件を調整することにより凹凸の高さや形状を調整することができる。一例として、TMAHを用い、70℃で5分間処理することにより高さ1μmのマイクロコーンを形成することができる。その後、凹部底面に形成したPassivation膜をドライエッチング等により除去し、凹部底面に平坦なn型半導体層を露出させる(ステップ412)。
<n側電極形成工程>
n側電極の形成は、主として第一金属層形成ステップ413、第二金属層形成ステップ414及び空隙形成ステップ415の3つのステップから成る(図7(a)、(b))。
n側電極の形成は、主として第一金属層形成ステップ413、第二金属層形成ステップ414及び空隙形成ステップ415の3つのステップから成る(図7(a)、(b))。
第一金属層形成ステップ413及び第二金属層形成ステップ414では、それぞれ、異なる金属の層を電子ビーム蒸着法等の方法で形成する(図7(a))。これらは同一処理装置内で連続して行うことができる。まず金属層の成膜に先立って、フォトリソグラフィ等により、電極形成領域、すなわち凹部底面が開口したフォトレジストマスクを形成する。次いで電極金属を順次形成する。第一金属層に用いる金属は、n型半導体層との密着性に優れ且つ空隙形成ステップ415で用いる処理液によって除去可能な金属であり、1種の金属のみならず2種以上の金属を積層した層であってもよい。例えばTi/Alの積層膜やTi/Al/Tiの積層膜とすることができる。第二金属層に用いる金属は、導電性に優れ且つ空隙形成ステップで用いる処理液によって冒されない金属である。典型的にはAuが用いられる。第一金属層と第二金属層との間には両者の合金形成を防止するための金属、例えばPt等のバリア層を挿入してもよい。
第一金属層の厚みは、第二金属層とn型半導体層との間に形成される空隙の間隔を決めるものであり、1000Å〜数1000Åが好ましい。第二金属層の厚みは、特に限定されるものではないが、凹部の厚みと同程度かそれより若干厚い程度とする。具体的には、1〜3μm(10000Å〜30000Å)程度である。
第一金属層及び第二金属層を形成した後、n側電極が形成されたn型半導体層の表面を、第一金属層の金属を溶解する処理液に浸漬し、第一金属層を両側面から溶解し、n型半導体層に接合した中央の一部を残し、所定の幅の空隙70を形成する(図7(b))。処理液としては、例えばTMAHやTMAH含有現像液などのアルカリ溶液を用いることができ、処理時間を調整することにより、所望の幅の空隙70を形成することができる。空隙70の幅(片側の幅)は、好適には、n型半導体層に接合した中央部の幅の1/3〜1/1程度である。第二金属層のサイズ等によっても異なるが、具体的には、3μm〜10μm程度である。処理時間の調整は、例えば、次のように行うことができる。まずn型半導体層の表面に凹部形成加工やマイクロコーン形成加工がなされていない同形状の半導体チップや透明基板をリファレンスとして用意し、リファレンスの上に上述したように金属層(第一金属層及び第二金属層)を形成する。次いで金属層側をアルカリ液に浸漬してエッチングを行い、第一金属層のエッチング幅の時間変化をp型半導体層側或いは透明基板から監視する。これにより、所定の幅となる処理時間を決めることができる。第一金属層の厚みや用いるアルカリ液によっても異なるが、処理時間は通常数分〜10数分程度である。
以上の3つのステップ413〜415により、n側電極とn型半導体層との間に空隙70が形成された電極構造を製造することができる。その後、チップ表面をSiO2等の保護膜80で被覆する(ステップ416、図7(c))。保護膜80の形成はスパッタ法等により行うことができ、たとえば、3000Åの保護膜を形成する。次いで電極パッド上をパターニングして、パッド上の保護膜を除去する(ステップ417)。最後に、レーザースクライブ、ダイシング等により各チップに分割し、本実施形態の半導体発光装置を得る。
なお以上説明した製造方法は、本実施形態の半導体発光装置の製造方法の一例であり、ステップによってはその順序を適宜変更することが可能である。例えば、図4では素子分離ステップの前にp側電極形成ステップを行っているが、素子分離ステップ406後にp側電極形成ステップ402を行うことも可能である。またパターニング処理やフォトリソグラフィにおいて使用されるレジストやレジストマスクについては、図示や説明を一部を省略しているが、適宜、レジスト等を用いることは言うまでもない。
さらに各ステップで例示した各層の材料は一例であって、それと同様の機能を持つ材料であれば公知の材料を用いることができる。同様に各ステップで説明した各層の厚みについても発光装置の大きさや用途に応じて適宜変更できる。
本実施形態の半導体発光装置の製造方法によれば、n側電極とn型半導体層との間に空隙を持つ半導体発光装置を容易に製造することができる。
以上、本発明の半導体発光装置とその製造方法の一実施形態を説明したが、本発明の半導体発光装置は、光取り出し面に形成される配線電極の形状に特徴があり、その特徴を持つものであれば、上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
例えば、図1及び図2では、光取り出し側となるn層21の表面の、配線電極が形成される部分に凹部25を形成した実施形態を説明したが、図8に示すように、n層21の表面はフラットであってもよい(第二実施形態)。この場合にもn側電極の第一電極層が接続された部分とその周囲のエアギャップの部分とを除き、n層21の表面は光取り出し構造(マイクロコーン等)が形成されていることが好ましい。
また以上の実施形態では、n側電極は所定のパターンで形成された配線電極からなる場合を説明したが、図9に示すように、n側電極として第一金属層311の上に透明電極312を形成した構造についても本発明を適用することができる(第三実施形態)。
実施例として、図4に示す製造工程に従い、図1に示す構造の半導体製造装置を作製した。また比較例として、n側電極の幅が1/2、厚みが2倍で、その他の構造は実施例と同様の半導体製造装置を作製した。実施例及び比較例の電極及び半導体層の材料と膜厚は下記のとおりである。
実施例のn側電極:Ti(10Å)/Al(2000Å)/Ti(1000Å)/Pt(2000Å)/Au(20000Å)
比較例のn側電極:Ti(10Å)/Al(2000Å)/Ti(1000Å)/Pt(2000Å)/Au(40000Å)
実施例及び比較例共通
n型半導体層:Siドープn型GaN層(7μm)
活性層:InGaN/GaNの交互層(5周期)(150Å)
p型半導体層:p型AlGaNクラッド層(15Å)/Mgドープp型GaN(ドーパントCP2Mg:ビスシクロペンタディエニルマグネシウム)(1500Å)
p側電極:透明導電層(ITO)(150Å)/高反射膜(Ag)(2000Å)
比較例のn側電極:Ti(10Å)/Al(2000Å)/Ti(1000Å)/Pt(2000Å)/Au(40000Å)
実施例及び比較例共通
n型半導体層:Siドープn型GaN層(7μm)
活性層:InGaN/GaNの交互層(5周期)(150Å)
p型半導体層:p型AlGaNクラッド層(15Å)/Mgドープp型GaN(ドーパントCP2Mg:ビスシクロペンタディエニルマグネシウム)(1500Å)
p側電極:透明導電層(ITO)(150Å)/高反射膜(Ag)(2000Å)
実施例のn側電極はAu層の厚みが比較例の厚みの1/2であるため、Au成膜時間(成膜速度:10Å/秒)が比較例の34分に対し17分に短縮された。
また実施例の半導体製造装置と比較例の半導体製造装置に電力( 1W )を供給し、発光量を計測した。その結果、実施例の発光装置は、比較例に対して5%程度発光量が増加した。
10・・・支持体、20・・・半導体層、21・・・n型半導体層(第一半導体層)、21a・・・光取り出し面、22・・・活性層、23・・・p型半導体層(第二半導体層)、25・・・凹部、25a・・・凹部底面、25b・・・凹部側面、31・・・n側電極、33・・・p側電極、35・・・高反射膜(p側電極)、40・・・共晶膜、50・・・絶縁膜、70・・・空隙、80・・・保護膜、100・・・半導体発光装置、200・・・成長基板、211・・・マイクロコーン、311・・・第一金属層、312・・・第二金属層
Claims (11)
- 発光層を挟んで第一半導体層及び第二半導体層を備え、前記第一半導体層の上に電極金属層が形成された半導体発光装置であって、
前記電極金属層は、前記第一半導体層から順に第一金属層及び第二金属層を有し、前記第二金属層の面積は、前記第一金属層と前記第一半導体層との接触面積よりも大きいことを特徴とする半導体発光装置。 - 請求項1に記載の半導体発光装置であって、
前記第一金属層と前記第二金属層は異なる材料からなることを特徴とする半導体発光装置。 - 発光層を挟んで第一半導体層及び第二半導体層を備え、前記第一半導体層の上に電極金属層が形成された半導体発光装置であって、
前記電極金属層と前記第一半導体層との接触部を除く、前記電極金属層と前記第一半導体層との間に空隙を有することを特徴とする半導体発光装置。 - 請求項3に記載の半導体発光装置であって、前記空隙は前記接触部の周囲に形成されていることを特徴とする半導体発光装置。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の半導体発光装置であって、
前記第一半導体層は、前記電極金属層が形成される面に凹部を有し、前記電気金属層は前記凹部に形成されていることを特徴とする半導体発光装置。 - 請求項5に記載の半導体発光装置であって、
前記凹部の底面は、前記第一半導体層から出射される光を全反射させる全反射面であることを特徴とする半導体発光装置。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の半導体発光装置であって、
前記第二半導体層の、前記第一半導体層と対向する面と反対側の面に、透明電極層を有することを特徴とする半導体発光装置。 - 発光層を挟んで第一半導体層及び第二半導体層を備え、前記第二半導体層の上に透明電極及び反射層を形成し、前記第一半導体層の上に金属電極層を形成した半導体発光装置を製造する方法であって、
前記第一半導体層の上に、第一金属層を成膜するステップ(1)と、
前記第一金属層の上に、前記第一金属層とは異なる材料からなる第二金属層を成膜するステップ(2)と、
前記第一金属層の一部を除去し、前記第二金属層と前記第一半導体層との間にエアギャップを形成するステップ(3)と、を含み、
前記第一金属層と当該第一金属層よりも面積の大きい第二金属層とからなる金属電極層を有する半導体発光装置の製造方法。 - 請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法であって、
前記第一金属層は、Ti層、Al層、またはTi及びAlの積層された層からなり、前記第二金属層は、Au層からなることを特徴とする半導体発光装置の製造方法。 - 請求項8または9に記載の半導体発光装置の製造方法であって、
前記ステップ(3)は、前記第一金属層を構成する材料を溶解するが前記第二金属層を溶解しないエッチング液を用いてエッチングするステップを含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。 - 請求項10に記載の半導体発光装置の製造方法であって、
前記エッチング液が、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、塩化第二鉄水溶液、リン酸硝酸混合液、及び水酸化ナトリウムのいずれかを含むことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
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