JP2014120347A - イオンビーム照射装置およびイオンビーム照射装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の稼働率に支障を来すことなく、イオン源のクリーニングを行うイオンビーム照射装置を提供する。
【解決手段】イオンビーム照射装置IMは、イオン源ISと、基板4へのイオンビーム照射処理が施される処理室5と、第一のカセット7から未処理基板を取り出して処理室5内に搬送するとともに、処理室5内で未処理基板がイオンビーム照射処理された後に、処理室5から処理済基板を第一のカセット7に搬送し、第一のカセット7内に収納されるべき処理済基板が全て収納された後に、第二のカセット71から未処理基板を取り出して、再び処理室5内に搬送する基板搬送機構と、を備え、第一のカセット7もしくは第三のカセット72に収納される最後の基板に対するイオンビーム照射処理が終了してから、第二のカセット内71から取り出された初めの基板に対するイオンビーム照射処理が開始されるまでの間に、イオン源ISのクリーニングを行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は、シリコンウェーハやガラス基板へイオンビームの照射を行って、当該ウェーハや基板へのイオンビーム照射処理を実施するイオンビーム照射装置で、特に、クリーニング機能を備えたイオンビーム照射装置と当該イオンビーム照射装置の運転方法に関する。
イオン注入装置やイオンドーピング装置、イオンビーム配向装置といったイオンビーム照射装置では、イオン源からイオンビームを引出す運転を長時間続けると、イオン源の引出電極系を構成する電極やイオン源を構成するプラズマ生成容器の内部に堆積物が付着する。これを放置しておくと、引出電極系の電極間で異常放電を引き起こしてしまう。
この異常放電の発生回数が多くなると、イオン源の正常運転を維持することができなくなるので、イオン源内部を必要に応じてクリーニングするということが行われていた。
このクリーニングの例として、特許文献1には、試料に対するイオン注入時以外のときにイオン源に水素ガスを導入し、イオン源内部で水素プラズマを発生させて、イオン源内部の堆積物をクリーニングする手法が開示されている。
特許第2956412(図1)
特許文献1の手法では、試料に対するイオン注入時以外の時にイオン源内部で水素プラズマを発生させてクリーニングを行うことが記載されているが、その際にイオン注入装置の運転状態がどのような状態にあるのかが詳細には明らかにされていなかった。
例えば、イオン注入装置の運転を完全に停止させ、試料に対してイオン注入を行わない状態にしておいてイオン源の内部をクリーニングするということが考えられる。しかしながら、イオン注入装置の運転を完全に停止させてしまうと、装置の稼働率が低下してしまい、単位時間当たりに処理できる基板の処理枚数が減ってしまうといった問題が生じる。
そこで、本発明では、クリーニングを実施するタイミングを明らかにするとともに、イオンビーム照射装置の稼働率に支障を来すことなく、イオン源内部のクリーニングを行うことのできるイオンビーム照射装置およびイオンビーム照射装置の運転方法を提供する。
本発明のイオンビーム照射装置は、イオンビームを発生させるイオン源と、前記イオンビームが基板に照射される処理室と、複数枚の基板が収納された第一のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して前記処理室内に搬送するとともに、前記処理室内で未処理基板がイオンビーム照射処理された後に、前記処理室から処理済基板を同一もしくは別の第三のカセットに搬送し、前記第一のカセットもしくは前記第三のカセット内に収納されるべき処理済基板が全て収納された後に、第二のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して、再び前記処理室内に搬送する基板搬送機構と、を備えたイオンビーム照射装置であって、前記第一のカセットもしくは前記第三のカセットに収納される最後の基板に対するイオンビーム照射処理が終了してから、前記第二のカセットから取り出された最初の基板に対するイオンビーム照射処理が開始されるまでの間に、前記イオン源の運転パラメータを設定変更して、前記イオン源のクリーニングを行う制御装置を備えている。
第一のカセットまたは第三のカセットに収納される最後の基板に対するイオンビーム照射処理が終了してから、第二のカセットから取り出された最初の基板に対するイオンビーム照射処理が開始されるまでの間は、イオンビーム照射装置としては基板搬送機構が駆動しているが、イオンビーム照射処理の対象となる基板が処理室内に存在していないため、イオン源はどのような運転状態であってもいい。このような期間に着目し、イオン源の運転パラメータを通常のものからクリーニング用の運転パラメータに設定変更して、イオン源のクリーニングを行うようにしたので、装置の稼働率に支障を来すことなく、十分にイオン源のクリーニングを行うことができるといった格別な効果を有している。
また、前記第一のカセット内の基板と、第二のカセット内の基板に対するイオンビーム照射処理の条件は異なっていてもいい。
また、前記制御装置によってクリーニング時に行われる前記イオン源の運転パラメータの設定変更機能を入り切りできるように構成されていることが望ましい。
イオン源の運転状態によっては、上述したクリーンニングが必要になるとは限らない。例えば、イオン源が新品である場合、堆積物の量がほとんどないため、クリーニングを行う必要がない。また、イオンビーム照射装置のオペレーターがクリーニング時にイオン源の運転パラメータの設定値をリアルタイムに変更できるようにしておくには、制御装置によってイオン源の運転パラメータの設定変更が自動的に切り替わらないようにしておく必要がある。このような点を考慮すると、制御装置によるクリーニングの自動化を入り切りできるような構成にしておくことが望まれる。
クリーニングを自動化で行う場合、前記イオン源のクリーニング時の運転パラメータが蓄積された記憶装置を備えていて、クリーニング時には、前記制御装置は前記記憶装置より運転パラメータを読み出して、前記イオン源の運転パラメータの設定変更を行うように構成しておくことが望ましい。
このようにしておくと、イオン源のクリーニングを簡単に自動化することができる。
また、イオン源の運転状態に応じて、クリーニングの条件を変えるようにしておいてもいい。その場合、前記記憶装置には前記クリーニング用の運転パラメータが複数格納されていて、前記記憶装置からの前記運転パラメータの読み出しは、前記イオン源の運転時間、イオンビーム照射条件、あるいは、前記イオン源で発生した放電回数のいずれかに基づいて行われるように構成しておくことが望ましい。
また、イオンビーム照射装置の運転方法としては、イオンビームを発生させるイオン源と、前記イオンビームが基板に照射される処理室と、複数枚の基板が収納された第一のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して前記処理室内に搬送するとともに、前記処理室内で未処理基板がイオンビーム照射処理された後に、前記処理室から処理済基板を同一もしくは別の第三のカセットに搬送し、前記第一のカセットもしくは前記第三のカセット内に収納されるべき処理済基板が全て収納された後に、第二のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して、再び前記処理室内に搬送する基板搬送機構と、を備えたイオンビーム照射装置であって、前記第一のカセット内に収納される最後の基板に対するイオンビーム照射処理が終了してから、前記第二のカセット内に収納される最初の基板に対するイオンビーム照射処理が開始されるまでの間に、前記イオン源のクリーニングが行われる。
第一のカセットまたは第三のカセットに収納される最後の基板に対するイオンビーム照射処理が終了してから、第二のカセットから取り出された最初の基板に対するイオンビーム照射処理が開始されるまでの間は、イオンビーム照射装置としては基板搬送機構が駆動しているが、イオンビーム照射処理の対象となる基板が処理室内に存在していないため、イオン源はどのような運転状態であってもいい。このような期間に着目し、イオン源の運転パラメータを通常のものからクリーニング用の運転パラメータに設定変更して、イオン源のクリーニングを行うようにしたので、装置の稼働率に支障を来すことなく、十分にイオン源のクリーニングを行うことができるといった格別な効果を有している。
イオンビーム照射装置の一例を表す平面図である。 カセットからの基板搬送の一例を表す平面図である。 カセットからの基板搬送の別の例を表す平面図である。 クリーニングが行われるタイミングについての説明図である。 制御装置周りの構成を表す模式図である。
本発明に係るイオンビーム照射装置およびその運転方法に関し、図面を参照して以下に説明する。
イオンビーム照射装置の例として、図1にはイオン注入装置IMが描かれている。簡単にこのイオンビーム照射装置IMについて説明する。このイオンビーム照射装置IMは、プラズマ生成容器1にイオンビーム3の発生源となるドーパントガス9(例えば、三フッ化ホウ素やホスフィン等)を導入して、図示されない複数の陰極から放出された熱電子によりこのガスを電離させ、プラズマ生成容器1に隣接配置された引出電極系2(加速電極2a、引出電極2b、抑制電極2c、接地電極2d)を通して、X方向に長いリボン状のイオンビーム3を引出す構成のイオン源ISを備えた装置である。なお、プラズマ生成容器1は、図示されるX方向に長くY方向に短い略立方体形状の外形を有していて、Z方向に開口部を有する容器である。
イオン源ISを構成するプラズマ生成容器1と引出電極系2を通して引出されたイオンビーム3は、質量分析電磁石12と分析スリット13を通過することで所望のイオンのみを含むイオンビームに質量分析される。その後、処理室5内に配置された基板4(例えば、シリコンウェーハやガラス基板等)に照射される。
X方向において、イオンビーム3の長さ寸法は、同方向における基板4の長さ寸法に比べて長い。この為、基板4を図示される矢印の方向に往復搬送させることで、基板4の全面にイオンビーム照射処理が施される。
処理室5の壁面には、イオンビーム電流計測器14が設けられている。基板4へのイオンビーム照射処理に先立って、このイオンビーム電流計測器14での計測結果をもとに、イオン源ISの運転パラメータ(ドーパントガス9の流量や引出電極系2やプラズマ生成容器1に印加される電圧値、質量分析電磁石12を構成するコイルに流す電流量、図示されない複数の陰極に印加される電圧値等)の調整が行われる。この調整により、所望する特性のイオンビーム3が基板4に照射される。
処理室5の外側に配置された第一のカセット7には複数枚の基板4が収納されている。第一のカセット7から第一の搬送ロボット8で基板4(未処理基板)を取り出して、第一の真空予備室6内に搬入する。次に、第一の真空予備室6内を真空雰囲気にした後、処理室5内へ基板4の搬入が行われる。基板4にイオンビーム照射処理が施された後、処理済の基板4(処理済基板)は処理室5から搬出されて、再び第一の真空予備室6内に搬入される。その後、第一の真空予備室6内の雰囲気を大気圧にして、第一の真空予備室6から第一の搬送ロボット8で基板4が取り出されて、第一のカセット7内に収納される。
第一の真空予備室6と処理室5との間、第一の真空予備室6の大気側の面(図示される処理室5と反対側の面)には、2つの空間を仕切る図示されないバルブが設けられていて、第一の真空予備室6内の雰囲気に基づいて開け閉めがなされるように構成されている。また、第一の真空予備室6には室内の真空度を調整する機構として図示されない真空ポンプ等が取り付けられている。さらに、第一の真空予備室6と処理室5とのいずれか一方には、基板4を搬送する為に、図示されない真空ロボット等の搬送手段が設けられている。
第一のカセット7内に収納されている全ての基板(未処理基板)に対して、イオンビーム照射処理が行われて、第一のカセット7内に全ての処理済基板が搬入されると、第二のカセット71から新たな基板(未処理基板)の搬送が行われる。この未処理基板の搬送の際、第二の搬送ロボット81によって、第二の真空予備室61を通じて処理室5内に未処理基板の搬送が行われる。
イオンビーム照射装置IMは、ドーパントガス9の他にクリーニングガス10を封入したガスボンベを有している。後述するクリーニング時には、制御装置20は、受信した処理情報W(基板に対するイオンビーム照射処理が終了したことを示す情報を含む)に基づいて、ガスの切り換えを行う信号S1と信号S2、図示されない陰極への印加電圧やプラズマ生成容器1への印加電圧を変化させる信号S3、引出電極系2への印加電圧を変化させる信号S4をそれぞれ出力するように構成されている。
図2と図3には、基板搬送に関する構成例が記載されている。図2の例は、図1の説明で述べた基板搬送の構成例と同一である。基板4は、第一のカセット7から第一の搬送ロボット8で取り出されて、第一の真空予備室6を通じて、処理室5内に搬入される。これが図示されるL1での処理に相当する。その後、基板4は図示されるY軸周りに約90度回転させられて、その面がX軸とほぼ平行な姿勢になる。これが図示されるL2での処理に相当する。なお、処理室5には、基板を回転させるための図示されない回転機構が設けられている。
基板4の面がX軸とほぼ平行な姿勢にされた後、イオンビーム3を横切る方向に往復搬送されて、基板4の全面にイオンビーム照射処理が施される。これが図示されるL3での処理に相当する。イオンビーム照射処理後の処理済基板は、処理室5に搬入された経路とは逆の経路をたどり、第一のカセット7内に搬入される。これが図示されるL4での処理に相当する。
第一のカセット7内に未処理基板がなければ、第二のカセット71の未処理基板が、第二の搬送ロボット81、第二の真空予備室61を通じて処理室5内に搬送される。これが図示されるL5での処理に相当する。このように、カセットから未処理基板を取り出して処理室5内に搬入し、処理室5内でイオンビーム3を横切るように未処理基板を往復搬送させて基板4の全面にイオンビーム照射処理を施し、処理済基板を処理室5からカセットに戻す一連の基板搬送に用いられる構成を、本発明では基板搬送機構と呼んでいる。
この基板搬送機構の構成は、図3のように構成してもよい。図にL1〜L3で記載されている処理は、図2で同じ符号を付けて説明した処理と同じ処理になるため、ここではその説明を省略する。この例では第一のカセット7から搬送された基板4に、イオンビーム照射処理が施された後、図示されない回転機構で約90度回転させる。これが図示されるL21の処理に相当する。その後、第二の真空予備室61と第二の搬送ロボット81を通じて、第三のカセット72に搬送される。これが図示されるL4の処理に相当する。
第一のカセット7内の全ての未処理基板が処理室5でイオンビーム照射処理されて、第三のカセット72に収納された後、第二のカセット72から未処理基板の搬送が行われる。この際、第三のカセット72への処理済基板の搬入と並行して、空になった第一のカセット7と複数の未処理基板が収納された第二のカセット71との交換が行われる。このカセット交換に係る処理が、図示されるL5に相当する。
図4は、クリーニングを実施するタイミングについての説明図である。この図では、図2で説明した第一のカセット7から未処理基板を取り出して、第一のカセット7に処理済基板を返す構成の基板搬送機構が想定されている。
図示される基板1は第一のカセット7にある最後の未処理基板であって、基板2は第二のカセット71にある最初に処理される未処理基板である。基板1、基板2から延びる矢印は時間軸を表し、時間軸上のA〜F点、IBF点、IBS点はそれぞれある時間における基板の位置を表している。
まず、基板1の経路について説明する。A点で未処理基板が第一のカセット7から取り出される。その後、第一の搬送ロボット8によって搬送された未処理基板はB点で第一の真空予備室6内に搬入され、C点で第一の真空予備室6から取り出される。その後、未処理基板は処理室5内に搬入される。処理室5内に搬入された未処理基板にはイオンビーム照射処理が施され、IBF点に到達したときに未処理基板へのイオンビーム照射処理が完了する。その後、処理済基板はD点で処理室5から第一の真空予備室6内に搬送され、E点で第一の真空予備室6から搬出される。そして、F点で第一のカセット7に収納される。
一方、基板1が第一のカセット7に収納されるのとほぼ同時に、基板2はA点で第二のカセット71から取り出される。その後、第二の搬送ロボット81によって搬送された基板4はB点で第二の真空予備室61内に搬入され、C点で第二の真空予備室61から取り出されて、処理室5内に搬入される。処理室5内に搬入された基板4にはイオンビーム照射処理が施され、IBS点に到達したときに未処理基板へのイオンビーム照射処理が開始される。その後、イオンビーム照射処理を経た処理済基板はD点で処理室5から第二の真空予備室6内に搬送され、E点で第二の真空予備室6から搬出される。そして、F点で第二のカセット7に収納される。
ここで本発明では図示されるクリーニング期間の間に、クリーニングが実施されている。このクリーニング期間の間、基板搬送機構は運転状態にあるが、イオン源ISは運転状態でなくてもいい。これはイオンビーム照射処理の対象となる基板が処理室5内に存在していないためである。
このように、イオンビーム照射装置を完全に停止させずにイオン源ISのクリーニングを実施することができるので、イオンビーム照射装置の稼働率を維持させることができる。なお、このクリーニング期間の間、イオン源ISのクリーニングは常に行われていない。イオンビーム3を停止させたり、イオンビーム3を再立上げさせたり、クリーニングガス10とドーパントガス9を切り替えたりする時間が必要となるため、このようなクリーニングや基板へのイオンビーム照射処理のための準備期間を考慮に入れた上で、残りの期間がクリーニングに使用される。
クリーニングの手法については、様々な手法が考えられるが、もっとも簡単で効果的な手法としては、次に述べる手法が挙げられる。
イオンビーム照射処理用のイオンビーム3を生成するドーパントガス9とは別に、図1に描かれているようなクリーニングガス10(例えば、水素ガスやアルゴンガス等)を封入したガスボンベを設けておく。このような構成のもと、基板4へのイオンビーム照射処理の終了後、即座にイオンビーム3の発生を停止させる。イオンビーム3の発生を停止させるには、例えば、ドーパントガス9の供給を停止させ、引出電極系2に接続されている図示されない電源の出力を停止し、図示されない陰極に接続されている電源の出力を停止するといったことを行えばいい。その後、イオンビーム照射装置の運転パラメータをクリーニング用の運転パラメータに切り換える。この運転パラメータの切り換えについては、図1に記載の制御装置20を用いて行う。
クリーニング用の運転パラメータに切り換わると、クリーニングガス10がプラズマ生成容器1内に供給される。そして、プラズマ生成容器1内の図示されない陰極から放出された熱電子によってクリーニングガス10がプラズマ生成容器1内で電離されてプラズマ状態になる。このプラズマによって、プラズマ生成容器1の内部や引出電極系2を構成する加速電極2aや引出し電極2b等の表面に付着した堆積物の引き剥しが行われる。このようなクリーニング方法はプラズマクリーニングと呼ばれており、従来からよく用いられている。
クリーニングの開始から所定時間経過後、新たな基板4へのイオンビーム照射処理を行う為に、イオンビーム照射装置の運転パラメータが通常運転時の運転パラメータに切り換えられる。このようにして、基板4の搬送状態に応じて通常運転時の運転パラメータとクリーニング時の運転パラメータを交互に切り換えてやることで、隙間の時間を利用して、イオンビーム照射装置内部のクリーニングを実現することができる。
クリーニングの手法としては、種々の方法が考えられるが、イオンビーム照射装置の通常運転時の運転パラメータとは別に、最適なクリーニングができるイオン源ISの運転パラメータを前もって実験等で求めておき、これを制御装置20に記憶させておいても良い。
通常、イオンビーム照射装置には装置の運転を制御する制御装置20が設けられているので、この制御装置20内の一部に記憶装置としての機能を設けるようにしておくか、制御装置20とは別に記憶装置を設けておくことが考えられる。図5には、制御装置20と記憶装置32が別々に設けられている例が記載されている。
このような記憶装置32にクリーニング用の運転パラメータを格納しておき、処理情報Wに基づいて、クリーニング期間の間に制御装置20によって記憶装置32に信号SSを送信して、クリーニング用の運転パラメータの情報である信号PRを読み出してくるようにしておく。そして、クリーニング用の運転パラメータの情報である信号PRに基づいて、イオン源ISの各部に対して具体的な信号S1〜S4を送信するようにしておくことが考えられる。なお、制御装置20には、基板4の搬送位置に関する情報も送信されるように構成されていて、この情報を基にして、クリーニングを終了させたり、イオンビーム3を再立上げさせたりしている。
このような手法であれば、イオン源ISのクリーニングの度に、クリーニング用の運転パラメータを一から調整する必要がない。これにより、クリーングにかける時間を十分に確保することができるので、十分なクリーニング効果を得ることができる。その結果、より安定した状態でイオンビーム照射装置の運転を継続させることができる。
さらに、制御装置20には、ユーザーインターフェース40が接続されていて、このユーザーインターフェース40を使用して、イオンビーム照射装置のオペレーターがクリーニング時に行われる制御装置20によるイオン源ISの運転パラメータの設定変更機能の入り切りができるように構成しておくことが考えられる。
イオン源の運転状態によっては、クリーンニングが必要になるとは限らない。例えば、イオン源が新品である場合、堆積物の量がほとんどないため、クリーニングを行う必要がない。このような場合は、クリーニングをする代わりに、イオン源ISのプラズマ生成容器1内でのプラズマの生成を停止させるようにしておくことが考えられる。また、記憶装置32に蓄積された運転パラメータとは違う条件で、装置のオペレーターが手動でクリーニング条件を設定してイオン源ISのクリーニングを実施することが考えられる。
このような理由から、ユーザーインターフェース40を使って、イオンビーム照射装置のオペレーターが制御装置20の機能を入り切りできるようにしておくことが望ましい。例えば、ユーザーインターフェース40への入力によって信号Rを制御装置20に送信し、制御装置20による運転パラメータの設定変更機能を停止させるように構成しておく。なお、このユーザーインターフェース40を使用して、記憶装置32にクリーニング時の運転パラメータを信号Iとして送信し、これを記憶させるように構成しておいてもよい。
また、イオン源の運転時間、イオンビーム照射条件(イオン種やイオンビーム電流量等)、あるいは、イオン源で発生した放電回数等によってクリーニングにかける時間を長くしたり、クリーニング時に発生させるプラズマ密度を濃くしたりすることが考えられる。この為、クリーニング用の運転パラメータを複数設けておき、これをイオンビーム照射装置やイオン源の状態に応じて使い分けるようにしておくことが考えられる。
イオン源ISの運転時間が長くなればそれだけイオン源IS内に堆積される堆積物の量も多くなることが考えられる。このような場合に備えて、記憶装置32にクリーニング用の運転パラメータを複数格納しておく。例えば、この場合、イオン源ISの運転時間を知らせる信号Mを制御装置20に送信して、これを制御装置20内に格納された基準時間と比較する。そして、基準時間を超えた場合には、もう一段階強いクリーニングを行う為のクリーニング用の運転パラメータを記憶装置32から読み出してくるようにしておくことが考えられる。
また、イオンビームの発生に用いられるドーパントガスの種類に応じて堆積物の種類が異なることが考えられるので、ガス種の異なる複数のクリーニングガスを設けておき、ドーパントガスの種類に応じてクリーングガスの種類を切り換えるようにしてもよい。
また、イオン源IS内部での堆積物の量が多くなると、イオン源ISの引出電極系2での放電が頻繁に発生する。そのため、引出電極系2を流れる電流値をモニターしておき、基準となる電流値から大きく変化した回数をカウントするようにして、放電頻度を算出し、この放電頻度に基づいて、複数あるクリーニング用の運転パラメータからその一つを選択するようにしてもよい。この場合も、イオン源ISの運転時間の場合と同じく、放電回数を示す信号Nを制御装置20に送信するようにしておく。
クリーニングガス10を用いてクリーニングを行っている間、基板4へのイオンビーム照射処理に用いられるイオンビーム3は発生していない。その為、クリーニング後に再びイオンビーム照射処理を行う為に、イオンビーム3を再立ち上げさせることが必要となる。このイオンビーム3の再立ち上げにあたっては、次のような工夫をすることが考えられる。
イオンビーム3の再立ち上げ時にはイオンビーム電流はしばらく不安定な状態となる。これはプラズマ生成容器1内に導入されるドーパントガス9の流量が十分に供給されていなかったり、ポンプによる排気は行ってはいるもののイオンビーム3の輸送経路にしばらくクリーニングガス10が残留していて、この残留ガスに再立ち上げされたイオンビーム3が衝突したりする等の理由による。
イオンビーム電流計測器14で不安定なイオンビーム電流を計測した場合、基板4に照射されるべき電流量のイオンビーム3が発生していないと誤認識してしまい、イオンビーム照射装置がエラー信号を発生して、装置の運転が停止されてしまう恐れがある。また、イオンビーム照射処理の実施前に装置運転に関わる各種パラメータの調整を行ってイオンビーム電流量やイオンビーム電流密度分布の調整を行う機能を備えたイオンビーム照射装置の場合、不安定なイオンビーム電流の計測によって制御がスムーズに収束しない恐れがある。
上述した問題を解決する為に、本発明ではクリーニングが終了してから所定時間経過した後にイオンビーム電流を計測するようにしている。ここで言う所定時間とは、予め実験等で求められた時間でイオンビーム電流が実質的に安定状態になるまでの時間のことを意味している。このような構成を採用することにより、クリーニングの終了後に続くイオンビームの再立ち上げ処理と再立上げされたイオンビームによるイオンビーム照射処理を支障なく実現することが可能となる。
なお、所定時間経過前にイオンビーム電流計測器14にイオンビーム3は照射されている状態であっても良い。その場合には、イオンビーム電流の計測値として所定時間経過後のものを使用するようにしておく。また、図1の例では、イオンビーム電流計測器14は処理室5の壁面に固定されていたが、これに代えて、イオンビーム3が照射される経路に出入りする移動式のイオンビーム電流計測器を用いても良い。
<その他の変形例>
これまでに述べた本発明で用いられるイオンビーム照射装置の例としては、第一のカセット7、第二のカセット71を大気側に配置しておくタイプのものであったが、これらのカセットを第一の真空予備室6、第二の真空予備室61に導入するタイプのイオンビーム照射装置にも適用できる。この場合、これまでの例と同様に基板への処理が終了した段階から、当該基板が回収用のカセットに収納されて、別のカセットから供給された基板が処理室5内でイオンビーム照射処理されるまでの間にイオン源ISのクリーニングを行うようにしておけばいい。
本発明は、特に、カセットに収納された基板へのイオンビーム照射処理条件が異なる場合に用いることが考えられる。あるイオンビーム照射処理条件で処理された基板と、別のイオンビーム照射処理条件で処理される基板とを、装置内部で混在させることは、次に処理される基板の特性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、あまり好ましくない。よって、処理済基板をカセットに戻してから、未処理基板を別のカセットから取り出すようにして、装置内部での基板の混在を避けるように構成しておく。
また、図1の例で挙げたイオンビーム照射装置は、質量分析型のイオンビーム照射装置であったが、質量分析電磁石12や分析スリット13を備えない非質量分析型のイオンビーム照射装置にも本発明を適用することができる。
さらに、これまでの実施形態で説明したイオン源ISは電子衝撃型のものであったが、高周波型のイオン源であってもよい。その場合、イオン源ISのクリーニング時には、制御信号20からの信号に応じて、アンテナに接続された高周波電源の出力値が制御されるように構成しておく。
また、これまでの実施形態では基板4の搬送は1枚ずつ搬送されるものであったが、複数枚の基板を一度に搬送し、これらの基板に対して順次イオンビームが照射されるような構成の装置であってもよい。さらに、基板へのイオンビーム照射時において、基板を往復搬送させずに、片道搬送させるように構成しておいてもいい。
前述した以外に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行っても良いのはもちろんである。
1・・・プラズマ生成容器
2・・・引出電極系
3・・・イオンビーム
4・・・基板
5・・・処理室
6・・・第一の真空予備室
61・・・第二の真空予備室
7・・・第一のカセット
71・・・第二のカセット
8・・・第一の基板ロボット
81・・・第二の基板ロボット

Claims (6)

  1. イオンビームを発生させるイオン源と、
    前記イオンビームが基板に照射される処理室と、
    複数枚の基板が収納された第一のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して前記処理室内に搬送するとともに、前記処理室内で未処理基板がイオンビーム照射処理された後に、前記処理室から処理済基板を同一もしくは別の第三のカセットに搬送し、前記第一のカセットもしくは前記第三のカセット内に収納されるべき処理済基板が全て収納された後に、第二のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して、再び前記処理室内に搬送する基板搬送機構と、を備えたイオンビーム照射装置であって、
    前記第一のカセットもしくは前記第三のカセットに収納される最後の基板に対するイオンビーム照射処理が終了してから、前記第二のカセットから取り出された最初の基板に対するイオンビーム照射処理が開始されるまでの間に、前記イオン源の運転パラメータを設定変更して、前記イオン源のクリーニングを行う制御装置を備えたイオンビーム照射装置。
  2. 前記第一のカセット内の基板と、第二のカセット内の基板に対するイオンビーム照射処理の条件は異なっている請求項1記載のイオンビーム照射装置。
  3. 前記制御装置によってクリーニング時に行われる前記イオン源の運転パラメータの設定変更機能を入り切りできるように構成されている請求項1または2記載のイオンビーム照射装置。
  4. 前記イオン源のクリーニング時の運転パラメータが蓄積された記憶装置を備えていて、
    クリーニング時には、前記制御装置は前記記憶装置より運転パラメータを読み出して、前記イオン源の運転パラメータの設定変更を行う請求項1乃至3のいずれかに記載のイオンビーム照射装置。
  5. 前記記憶装置には前記クリーニング用の運転パラメータが複数格納されていて、
    前記記憶装置からの前記運転パラメータの読み出しは、前記イオン源の運転時間、イオンビーム照射条件、あるいは、前記イオン源で発生した放電回数のいずれかに基づいて行われている請求項1乃至3のいずれかに記載のイオンビーム照射装置。
  6. イオンビームを発生させるイオン源と、
    前記イオンビームが基板に照射される処理室と、
    複数枚の基板が収納された第一のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して前記処理室内に搬送するとともに、前記処理室内で未処理基板がイオンビーム照射処理された後に、前記処理室から処理済基板を同一もしくは別の第三のカセットに搬送し、前記第一のカセットもしくは前記第三のカセット内に収納されるべき処理済基板が全て収納された後に、第二のカセットから未処理基板を1枚もしくは複数枚ごとに取り出して、再び前記処理室内に搬送する基板搬送機構と、を備えたイオンビーム照射装置であって、
    前記第一のカセットもしくは前記第三のカセットに収納される最後の基板に対するイオンビーム照射処理が終了してから、前記第二のカセットから取り出された最初の基板に対するイオンビーム照射処理が開始されるまでの間に、前記イオン源の運転パラメータを設定変更して、前記イオン源のクリーニングが行われているイオンビーム照射装置の運転方法。
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