JP2014120279A - 燃料電池用シール部材及びその製造方法、並びに、燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用シール部材及びその製造方法、並びに、燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の耐久性及び発電性能を一層向上させることができる燃料電池用シール部材を提供する。
【解決手段】シート状の基材シートの両表面に、樹脂を含む樹脂部材を設けることによりシール部材21を構成する。この構成によれば、接着剤を用いずに、燃料電池の組立後におけるシール部材21と枠体20、及びシール部材21とセパレータ30との密着性を向上させることができ、燃料電池の耐久性及び発電性能を一層向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車などの移動体、分散発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動源として使用される燃料電池及びその製造方法に関し、特に当該燃料電池が備えるシール部材及びその製造方法に関する。
に関する。
燃料電池(例えば、高分子電解質形燃料電池)は、水素を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる装置である。
燃料電池は、一般的には複数のセル(単電池)を積層し、それらをボルトなどの締結部材で加圧締結することにより構成されている。1つのセルは、膜電極接合体(以下、MEA:Membrane-Electrode-Assemblyという)を一対の板状の導電性のセパレータで挟んで構成されている。MEAは、ハンドリング性の向上のため、その周縁部を、額縁状に成形された枠体で保持されている。ここでは、前記枠体を備えるMEAを電極−膜−枠接合体という。
MEAは、周縁部を前記枠体に支持される高分子電解質膜と、当該電解質膜の両表面に形成され且つ前記枠体より内側に配置された一対の電極層とで構成されている。一対の電極層は、高分子電解質膜の両表面に形成された白金等の触媒層と、当該触媒層上に形成された多孔質で導電性を有するガス拡散層とで構成されている。前記一対の電極層に反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)が供給されることにより、電気化学反応が起こり、電力と熱とが発生する。
また、枠体又はセパレータの表面には、反応ガスの外部への漏出を遮断又は抑制するために、セパレータと枠体との間をシールするシール部材が設けられている。
前記構造を有する燃料電池としては、例えば、特許文献1(特開2003−56704号公報)に開示されたものがある。特許文献1には、一面に接着剤が設けられたシート状の基材シートと、当該基材シートと一体化された樹脂部材とを有し、前記接着剤によって枠体やセパレータなどの相手取り付け部材に貼り付けられるシール部材が開示されている。
特開2003−56704号公報
しかしながら、従来の燃料電池においては、耐久性及び発電性能が十分でないという課題があった。
従って、本発明の目的は、耐久性及び発電性能を一層向上させることができる燃料電池用シール部材及びその製造方法、並びに、当該シール部材を備える燃料電池及びその製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明によれば、シート状の基材シートと、
前記基材シートの両表面に設けられた、樹脂を含む樹脂部材と、
を備える、燃料電池用シール部材を提供する。
本発明の燃料電池用シール部材によれば、燃料電池の耐久性及び発電性能を向上させることができる。
本発明の第1実施形態にかかる燃料電池の基本構造を模式的に示す断面図である。 図1の燃料電池が備えるシール部材の断面図である。 図1の燃料電池を複数個連結した燃料電池スタックの基本構造を示す分解斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる燃料電池の基本構造を模式的に示す断面図である 図4の燃料電池が備えるシール部材の断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる燃料電池が備えるシール部材の断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる燃料電池が備えるシール部材の断面図である。
(本発明に至った知見)
本発明者らは、従来の燃料電池においては十分な発電性能及び耐久性が得られない原因を鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
特許文献1の燃料電池においては、高分子電解質膜や触媒層の近傍の相手取り付け部材に、接着剤によってシール部材を貼り着けるようにしている。当該接着剤には、通常、コンタミネーション成分が含まれる。また、高分子電解質膜や電極層は、コンタミネーション成分の影響を受けやすい部材である。本発明者らは、接着剤に含まれるコンタミネーション成分が、高分子電解質膜を劣化させたり、触媒を被毒させたりすることにより、燃料電池の耐久性が低下することを知見した。
また、特許文献1の燃料電池においては、樹脂部材が一体化された基材シートを接着剤により相手取り付け部材に貼り着けるようにしている。本発明者らは、この構成では、燃料電池の組立後における基材シートと相手取り付け部材との密着性が低く、反応ガスの漏洩が発生して、燃料電池の発電性能が低下することを知見した。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、基材シートの両表面に、樹脂を含む樹脂部材を設けることによりシール部材を構成することで、接着剤を用いずに、燃料電池の組立後におけるシール部材と相手取り付け部材との密着性を高められることを見出した。これらの点を踏まえて、本発明者らは以下の発明に至った。
本発明の第1態様によれば、シート状の基材シートと、
前記基材シートの両表面に設けられた、樹脂を含む樹脂部材と、
を備える、燃料電池用シール部材を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記基材シートには、貫通孔が設けられ、
前記基材シートの一方の表面に設けられた樹脂部材と、前記基材シートの他方の表面に設けられた樹脂部材とが、前記貫通孔を通じて接合されている、
第1態様に記載の燃料電池用シール部材を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記基材シートの一方の表面に設けられた樹脂部材の頂部が平坦に形成されている、第1又は2態様に記載の燃料電池用シール部材を提供する。
本発明の第4態様によれば、第1〜3態様のいずれか1つに記載の燃料電池用シール部材を備える燃料電池を提供する。
本発明の第5態様によれば、電極−膜−枠接合体と、
前記電極−膜−枠接合体を挟む第1及び第2セパレータと、
前記電極−膜−枠接合体の周縁部と前記第1セパレータとの間をシールする第1燃料電池用シール部材と、
前記電極−膜−枠接合体の周縁部と前記第2セパレータとの間をシールする第2燃料電池用シール部材と、
を備え、
前記第1及び第2燃料電池用シール部材は、請求項1又は2に記載の燃料電池用シール部材であり、
前記第1及び第2燃料電池用シール部材の互いに対向する樹脂部材の一方が凹部を有し、他方が当該凹部に対応する凸部を有する、
燃料電池を提供する。
なお、ここで「電極−膜−枠接合体」とは、膜電極接合体の周縁部に枠体が成形されたものをいう。
本発明の第6態様によれば、シート状の基材シートの両表面に、樹脂を含む樹脂部材を成形することを含む、燃料電池用シール部材の製造方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、前記基材シートには、貫通孔が設けられており、
前記基材シートの一方の表面に樹脂部材を成形するとともに、当該基材シートの一方の表面に成形した樹脂部材に前記貫通孔を通じて接合されるように、前記基材シートの他方の表面に樹脂部材を成形することを含む、第6態様に記載の燃料電池用シール部材の製造方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、第6又は7態様に記載の製造方法により燃料電池用シール部材を製造し、
前記製造した燃料電池用シール部材を、電極−膜−枠接合体の周縁部とセパレータとの間をシールするように配置することを含む、燃料電池の製造方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、前記製造した燃料電池用シール部材を、前記電極−膜−枠接合体が備えるガス拡散層の外形に沿うように切断した後、当該ガス拡散層の外周側面に接触するように配置することを含む、第8態様に記載の燃料電池の製造方法を提供する。
本発明の第10態様によれば、第6又は7態様に記載の製造方法により、凹部を有する第1燃料電池用シール部材を製造するとともに、前記凹部に対応する凸部を有する第2燃料電池用シール部材を製造し、
前記凸部が前記凹部に向けて電極−膜−枠接合体の周縁部を変形させるように、前記第1及び第2燃料電池用シール部材を、電極−膜−枠接合体の周縁部とセパレータとの間に配置することを含む、燃料電池の製造方法を提供する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態にかかる燃料電池について説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる燃料電池の基本構造を模式的に示す断面図である。
本第1実施形態にかかる燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気などの酸素を含む酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる高分子電解質形燃料電池である。なお、本発明は、高分子電解質形燃料電池に限定されるものではなく、種々の燃料電池に適用可能である。
図1に示すように、本第1実施形態にかかる燃料電池1は、電極−膜−枠接合体2と、電極−膜−枠接合体2を挟んで配置される一対の板状のセパレータ30,40とを備えている。電極−膜−枠接合体2は、MEA(膜電極接合体)10と、MEA10の外周領域(周縁部)上に設けられた額縁状の枠体20とを備えている。
MEA10は、高分子電解質膜11と、当該高分子電解質膜11の両表面に形成された一対の電極層12,12とを備えている。一対の電極層12の一方はアノード電極であり、他方はカソード電極である。電極層12は、触媒層13とガス拡散層14とを備えている。触媒層13は、高分子電解質膜11の表面に形成され、当該触媒層13上にガス拡散層14が形成されている。
高分子電解質膜11は、触媒層13及びガス拡散層14よりもサイズが大きく、外周領域が触媒層13及びガス拡散層14からはみ出すように設けられている。この高分子電解質膜11の外周領域(周縁部)上に枠体20が設けられている。
セパレータ30は、一方のガス拡散層14上に設けられている。セパレータ40は、他方のガス拡散層14上に設けられている。セパレータ30と枠体20との間、及びセパレータ40と枠体20との間には、それぞれシール部材21が設けられている。
シール部材21は、環状に形成され、セパレータ30と枠体20の両方、又はセパレータ40と枠体20の両方に接触するように設けられている。セパレータ30,40及び枠体20に対するシール部材21の接触圧力は、燃料電池1の内部に供給された反応ガスが外部へ流れようとする圧力よりも高くなっている。これにより、反応ガスの外部への漏出が防止される。
次に、図2を用いて、シール部材21の構成についてより詳しく説明する。図2は、シール部材21の断面図である。
図2に示すように、シール部材21は、シート状の基材シート22と、基材シート22の両表面に設けられた、樹脂を含む樹脂部材23,24とを備えている。ここでは、基材シート22のセパレータ側の表面に設けられた樹脂部材を第1樹脂部材23といい、基材シート22の枠体側の表面に設けられた樹脂部材を第2樹脂部材24という。第2樹脂部材24は、図2に示すように、頂部24aが平坦に形成されている。本第1実施形態において、第1及び第2樹脂部材23,24は、基材シート22の両表面に直接接するように設けられている。
次に、シール部材21の製造方法の一例について説明する。
まず、基材シート22の両表面に、例えば、トランスファー成形や射出成形などの熱を伴う成形により、第1及び第2樹脂部材23,24を形成する。
次いで、ガス拡散層14の外形に沿うように各シール部材21を切断する。
以上のようにして、図2に示すシール部材21が製造される。
本第1実施形態によれば、基材シート21の両表面に樹脂部材23,24が設けられているので、シール部材21は、接着剤を用いることなく、セパレータ30と枠体20の両方、又はセパレータ40と枠体20の両方に密着することができる。これにより、反応ガスの漏洩を抑えて、燃料電池の発電性能を一層向上させることができる。また、接着剤を用いないので、高分子電解質膜11の劣化や触媒の被毒を抑えることができ、燃料電池の耐久性を一層向上させることができる。
また、本第1実施形態によれば、シール部材21が基材シート22を備えているので、基材シート22が補強材の役割を果たすことにより、シール部材21の剛性を向上させることができる。これにより、枠体20やセパレータ30,40にあらかじめシール部材21を成形する必要がなく、シール部材21を単独で取り扱うことができるなど、シール部材21の取扱い性を向上させることができる。
なお、基材シートを有さないシール部材(例えば、Oリング)は、剛性が低いために取扱い性が悪く、配置に時間がかかったり、捩れた状態で取り付けられたりするおそれがある。また、MEA10の電極層12の近傍の枠体20にシール部材を直接成形しようとすると、成形時に発生する熱により、高分子電解質膜11が劣化したり、収縮したりして、燃料電池の耐久性及び発電性能が低下するおそれがある。また、接着剤を用いてシール部材を枠体20又はセパレータ30,40に貼り着けた場合には、当該シール部材を剥がす必要が生じたときに、当該シール部材をうまく剥がせないなどの不具合がある。
また、本第1実施形態によれば、基材シート22の両表面に第1及び第2樹脂部材23,24を成形した後、シール部材21を切断するようにしているので、所望の形状のシール部材21を精度良く作製することができる。なお、当該切断は、図2の点線で示すように基材シート22のみを切断する位置で行われてもよいし、基材シート22と第1及び第2樹脂部材23,24を切断する位置で行われてもよい。この場合、基材シート22の切断面と第1及び第2樹脂部材23,24の切断面とが一致することになる。
また、本第1実施形態によれば、ガス拡散層14の外形に沿うようにシール部材21を切断するようにしているので、燃料電池の組立後(図1に示す状態)において、シール部材21をガス拡散層14の外周側面に隙間無く接触させることができる。これにより、反応ガスが発電に寄与せずに、シール部材21とガス拡散層14の外周側面との隙間を通じて流れることを抑えることができ、燃料電池の発電性能を一層向上させることができる。
また、本第1実施形態によれば、第2樹脂部材24の頂部24aが平坦に形成されるので、シール部材21を枠体20上に配置したときに、シール部材21が倒れにくく、取扱いを容易にすることができる。なお、第1樹脂部材23の頂部を平坦に形成してもよい。この場合、シール部材21をセパレータ30,40上に配置したときに、シール部材21が倒れにくく、取扱いを容易にすることができる。
なお、第1及び第2樹脂部材23,24の材料としては、例えば、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ブチルゴムなどの熱可塑性のゴムを用いることができる。
また、基材シート22は、第1及び第2樹脂部材24の成形時に必要な耐熱性(例えば、100℃以上の耐熱性)を有するシート状部材であればよい。基材シート22の厚さは、例えば、10〜200μmである。また、基材シート22は、シール部材21の取扱い性を向上させるため、通常の取扱いで伸びの少ないシート状部材であることが好ましい。このような部材としては、例えば、SUSシートなどの金属シート、ポリイミド系フィルム、エステル系フィルム、アミド系フィルム、イミド系フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などの樹脂フィルム、織布、不織布などが挙げられる。
なお、基材シート22として、例えば、樹脂フィルムを用いた場合には、割れなどが発生するおそれがないので、型締め力を大きく設定することができる。これにより、成形バリが多量に発生することを抑えることができる。また、成形バリが発生したとしても、前述したシール部材21の切断時に成形バリを切断することにより、成形バリの無いシール部材21を得ることができる。
次に、燃料電池1を構成する各部材についてより詳しく説明する。
高分子電解質膜11は、好ましくは、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子膜である。高分子電解質膜11としては、特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(登録商標)、旭化成(株)製のAciplex(登録商標)、旭硝子(株)製のFlemion(登録商標)など)や各種炭化水素系電解質膜を使用することができる。高分子電解質膜11の材料は、水素イオンを選択的に移動させるものであればよい。高分子電解質膜11の形状は、特に限定されるものではないが、本第1実施形態では略矩形とする。
高分子電解質膜11を構成する高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、又はスルホンイミド基を有するものが好ましい。なお、それらのうちスルホン酸基を有する高分子電解質が、水素イオン伝導性の観点からさらに好ましい。このスルホン酸基を有する高分子電解質は、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/gであることが好ましい。前記イオン交換容量が0.5meq/g以上であると、得られた触媒層13の抵抗値が発電時に上昇する恐れがない。一方、前記イオン交換容量が1.5meq/g以下であると、得られた触媒層13の含水率が増大せず、膨潤し易くならず、細孔が閉塞する恐れが無い。なお、前記イオン交換容量は、0.8〜1.2meq/gであることがさらに好ましい。
また、高分子電解質膜11を構成する高分子電解質は、CF=CF−(OCFCFX)−O−(CF)n−SOH(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)で表されるパーフルオロビニル化合物に基づく重合単位と、CF=CFで表されるテトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含むパーフルオロカーボン共重合体であることが好ましい。なお、前記フルオロカーボン重合体は、例えば、エーテル結合性の酸素原子などを含んでもよい。
前記パーフルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。但し、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF=CFO(CF−SOH ・・・(1)
CF=CFOCFCF(CF)O(CF−SOH ・・・(2)
CF=CF(OCFCF(CF))O(CF−SO ・・・(3)
また、高分子電解質膜11を構成する高分子電解質は、一種又は複数種の高分子電解質で構成されてもよい。また、当該高分子電解質は、内部に補強体(充填材)を含んでもよい。前記補強体の配置(例えば疎密の程度、規則性など)は特に限定されない。前記補強体を構成する材料としては、例えば、ポリテトラフルオルエチレン、ポリフルオロアルコキシエチレンなどを使用することができる。前記補強体としては、例えば、内部に高分子電解質(水素伝導性を有するもの)を充填可能な孔を有する多孔体、フィブリル状の繊維などが挙げられる。なお、フィブリル状の繊維とは、表面に存在するフィブリル(小繊維)が毛羽立ち、ささくれた状態(フィブリル化した状態)となっている繊維をいい、各フィブリルの間に微細な空気溝(孔)が形成されている繊維をいう。例えば、セルロース系繊維は、フィブリルが多数集まった束であり、各フィブリルの間には微細な空気溝(孔)がある。
触媒層13は、好ましくは、水素又は酸素の酸化還元反応に対する触媒を含む層である。また、触媒層13は、特に限定されるものではないが、例えば、金属触媒を坦持した導電性炭素粒子と陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質とを主成分とした多孔質部材により構成することができる。また、触媒層13には、ポリテトラフルオロエチレンなどの撥水材料が含まれてもよい。触媒層13は、導電性を有し、且つ水素及び酸素の酸化還元反応に対する触媒能を有するものであればよい。触媒層13の形状は、特に限定されるものではないが、本第1実施形態では略矩形とする。
触媒層13を構成する高分子電解質は、前述した高分子電解質膜11を構成する高分子電解質と同種のものであっても、異種のものであってもよい。
触媒層13を構成する金属触媒は、特に限定されるものではないが、電極反応の活性化の観点から、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミニウム、イリジウム、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、及びスズからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、触媒層13を構成する金属触媒の平均粒径は、1〜5nmであることが好ましい。平均粒径1nm以上の金属触媒は、工業的に調製が容易である。一方、平均粒径5nm以下の金属触媒は、金属触媒質量当たりの活性をより十分に確保しやすくなるため、燃料電池のコストダウンにつながる。
前記導電性炭素粒子の比表面積は50〜1500m/gであることが好ましい。導電性炭素粒子の比表面積が50m/g以上であると、金属触媒の担持率を向上させ易く、カソード側触媒層及びアノード側触媒層の出力特性が低下する恐れがない。一方、導電性炭素粒子の比表面積が1500m/g以下であると、細孔が微細過ぎずに前記高分子電解質による被覆がより容易となる。このため、触媒層13の出力特性をより十分に確保することができる。なお、導電性炭素粒子の比表面積は、200〜900m/gであることがさらに好ましい。
また、導電性炭素粒子の平均粒径は、0.1〜1.0μmであることが好ましい。導電性炭素粒子の平均粒径が0.1μm以上であると、触媒層13中のガス拡散性をより十分に確保し易くなり、フラッディングをより確実に抑えることができる。一方、導電性炭素粒子の平均粒径が1.0μm以下であると、高分子電解質による金属触媒の被覆状態を良好な状態にし易くなり、高分子電解質による金属触媒の被覆面積を大きくして十分な電極性能を確保し易くなる。
ガス拡散層14は、好ましくは、導電性を有する多孔質の部材である。例えば、ガス拡散層14として、ガス透過性を持たせるために、高表面積のカーボン微粉末、造孔材、カーボンペーパー、又はカーボンクロスなどを用いて作製された多孔質構造を有する導電性基材を用いることができる。また、ガス拡散層14に排水性を持たせるために、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層14の中に分散させてもよい。さらに、ガス拡散層14に電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維、又はカーボン微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層14を構成してもよい。ガス拡散層14は、導電性を有し、且つ反応ガスが拡散できるものであればよい。ガス拡散層14の形状は、特に限定されるものではないが、本第1実施形態では、板状で、略矩形とする。
なお、ガス拡散層14は、カソード電極側及びアノード電極側において同じ構造のガス拡散層を用いても、異なる構造のガス拡散層を用いてもよい。
枠体20は、触媒層13の外側に露出した高分子電解質膜11を保護するように設けられている。枠体20は、例えば、樹脂フィルムや汎用樹脂で形成されている。枠体20は、高分子電解質膜11が酸素や一酸化炭素などの酸化ガスに触れることによる化学劣化を抑えるとともに、締結や組立中に、高分子電解質膜11に過度な力や突き刺しなどの力が加わることを抑える。また、枠体20は、組立時の取扱い性を向上させる役割も果たす。枠体20の形状は、特に限定されるものではないが、本第1実施形態では略矩形環状とする。
セパレータ30,40は、好ましくは、MEA10を機械的に固定するとともに、複数のMEA10を積層して用いる場合には、隣接するMEA10同士を互いに電気的に直列に接続するための部材である。
セパレータ30のガス拡散層14と接触する表面(以下、電極面という)には、反応ガス(燃料ガス)が供給されるとともに、電極反応により生成された生成物や未反応の反応物を含むガスをMEA10の外部に運び去るためのガス流路31が設けられている。また、セパレータ40のガス拡散層14と接触する表面(以下、電極面という)には、反応ガス(酸化剤ガス)が供給されるとともに、電極反応により生成された生成物や未反応の反応物を含むガスをMEA10の外部に運び去るためのガス流路41が設けられている。ガス流路31を通じて一方の電極層12に燃料ガスが供給され、ガス流路41を通じて他方の電極層12に酸化剤ガスが供給されることで、電気化学反応が起こり、電力と熱とが発生する。
セパレータ30,40は、好ましくは、カーボンを含む材質や金属を含む材質で構成される。セパレータ30,40がカーボンを含む材質で構成される場合、セパレータ30,40は、カーボン粉末と樹脂バインダとを混合した原料粉を金型内に供給し、当該金型内に供給された原料粉に圧力と熱を加えることによって形成することができる。セパレータ30,40が金属を含む材質で構成される場合、セパレータ30,40は、金属プレートからなるものであってもよい。また、セパレータ30,40として、チタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。また、セパレータ30,40は、導電性を有する多孔質のプレートであってもよい。
次に、本第1実施形態にかかる燃料電池1の製造方法について説明する。
まず、電極−膜−枠接合体2と、セパレータ30,40と、2つのシール部材21,21を用意する。
次いで、電極−膜−枠接合体2の周縁部を挟んで互いに対向するように2つのシール部材21を配置した状態で、電極−膜−枠接合体2と各セパレータ30,40とを締結する。これにより、各シール部材21が弾性変形し、一方のシール部材21が枠体20とセパレータ30に密着するとともに、他方のシール部材21が枠体20とセパレータ40に密着する。また、各シール部材21がガス拡散層14の外周側面に対して隙間なく接触する。
以上のようにして、図2に示す燃料電池1が製造される。
また、前記では、燃料電池1の組立後において、シール部材21がガス拡散層14の外周側面に対して隙間なく接触するものとしたが、本発明はこれに限定されない。反応ガスが発電に寄与せずに、シール部材21とガス拡散層14の外周側面との隙間を通じて流れることを抑えられる構造であればよい。
次に、図1に示す燃料電池(単電池)1を複数個直列に連結して、いわゆる燃料電池スタックとして使用する場合の構造について説明する。図3は、燃料電池1を複数個連結した燃料電池スタック3の基本構造を示す分解斜視図である。
複数個の燃料電池1を燃料電池スタック3として使用する場合、ガス流路31,41に反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)を供給するためには、反応ガスを供給する配管を、セパレータ30,40の枚数に対応する数に分岐し、それらの分岐先をガス流路31,41につなぐマニホールドが必要となる。
このため、本第1実施形態では、図3に示すように、枠体20及び一対のセパレータ30,40にそれぞれ、燃料ガスが供給される一対の貫通孔である燃料ガスマニホールド孔22,32,42が設けられている。また、枠体20及び一対のセパレータ30,40にはそれぞれ、酸化剤ガスが流通する一対の貫通孔である酸化剤ガスマニホールド孔23,33,43が設けられている。枠体20及び一対のセパレータ30,40が燃料電池1として連結された状態では、燃料ガスマニホールド孔22,32,42が連結され、燃料ガスマニホールドが形成される。同様に、枠体20及び一対のセパレータ30,40が燃料電池1として連結された状態では、酸化剤ガスマニホールド孔23,33,43が連結され、酸化剤ガスマニホールドが形成される。
また、枠体20及び一対のセパレータ30,40には、冷却媒体(例えば、純水やエチレングリコール)が流通するそれぞれ二対の貫通孔である冷却媒体マニホールド孔24,34,44が設けられている。枠体20及び一対のセパレータ30,40が燃料電池1として連結された状態では、冷却媒体マニホールド孔24,34,44が連結され、二対の冷却媒体マニホールドが形成される。
また、枠体20及び一対のセパレータ30,40には、それぞれの角部の近傍に4つのボルト孔50が設けられている。各ボルト孔50に締結ボルトが挿通され、当該締結ボルトにナットが結合することによって複数個の燃料電池1が締結される。
ガス流路31は、一対の燃料ガスマニホールド32,32間を結ぶように設けられている。ガス流路41は、一対の酸化剤ガスマニホールド43,43間を結ぶように設けられている。なお、図3では、ガス流路31,41をサーペンタイン型の流路として示したが、その他の形態(例えば、直線型)の流路であってもよい。
また、セパレータ30の電極面とは反対側の表面及びセパレータ40の電極面とは反対側の表面には、図示していないが、好ましくは、発電中の電池温度をほぼ一定に調整するために、冷却流体(冷却水等)を導入するための冷却媒体流路が形成されている。冷却媒体流路は、二対の冷却媒体マニホールド孔34,44間を結ぶように形成されている。すなわち、冷却媒体がそれぞれ供給側の冷却媒体マニホールドから冷却媒体流路に分岐して、それぞれ排出側の冷却媒体マニホールドに流通するように構成されている。これにより、冷却媒体の伝熱能力を利用して、燃料電池1を電気化学反応に適した所定の温度に保つようにしている。
なお、前記では、セパレータ30,40に燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水の各マニホールド孔を設け、積層した際に燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水の各供給マニホールドが形成されるように構成した、いわゆる内部マニホールド方式の燃料電池を例示して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、燃料電池スタック3の側面に燃料ガス、酸化剤ガス、及び冷却水の各供給マニホールドを設けた、いわゆる外部マニホールド方式の燃料電池であってもよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
また、前記では、セパレータ30,40にガス流路31,41を設けるようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一方のガス拡散層14にガス流路31を設け、他方のガス拡散層14にガス流路41を設けるようにしてもよい。また、セパレータ30と一方のガス拡散層14の両方にガス流路31を形成するようにしてもよい。また、セパレータ40と他方のガス拡散層14の両方にガス流路41を形成するようにしてもよい。
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態にかかる燃料電池について説明する。図4は、本発明の第2実施形態にかかる燃料電池1Aの基本構造を模式的に示す断面図である。図5は、図4の燃料電池1Aが備えるシール部材21A,21Bの断面図である。本第2実施形態の燃料電池1Aが前記第1実施形態の燃料電池1と異なる点は、一方のシール部材(第1燃料電池用シール部材)21Aの第2樹脂部材24Aが凸部24Aaを備えるとともに、他方のシール部材(第2燃料電池用シール部材)21Bの第2樹脂部材24Bが凸部24Aaに対応する凹部24Baを備える点である。
前記第1実施形態において、2つのシール部材21のいずれかが所望の位置からずれて配置された場合には、高分子電解質膜11に過大な力が加わり、高分子電解質膜11が劣化する可能性がある。
本第2実施形態によれば、電極−膜−枠接合体2の周縁部を介して凸部24Aaと凹部24Baとを嵌め合わせることにより、シール部材21Aとシール部材21Bとをずれることなく所望の位置に配置することができる。これにより、高分子電解質膜11が劣化することを抑えることができ、燃料電池の耐久性及び発電性能を一層向上させることができる。
次に、本第2実施形態にかかる燃料電池1Aの製造方法について説明する。
まず、電極−膜−枠接合体2と、セパレータ30,40と、シール部材21A,21Bを用意する。
次いで、凸部24Aaと凹部24Baとが電極−膜−枠接合体2の周縁部を挟んで互いに対向するようにシール部材21A,21Bを配置する。その後、電極−膜−枠接合体2と各セパレータ30,40とを締結する。
これにより、シール部材21A,21Bが弾性変形し、シール部材21A,21Bが、枠体20及びセパレータ30,40に密着するとともにガス拡散層14の外周側面に対して隙間なく接触する。また、このとき、凸部24Aaが凹部24Baに向けて電極−膜−枠接合体2の周縁部を変形させ、シール部材21A,21Bが、電極−膜−枠接合体2の周縁部とセパレータ30,40との間に配置される。
以上のようにして、図4に示す燃料電池1Aが製造される。
なお、枠体20は、シール部材21Aの凸部24Aaにより押圧されてシール部材21Bの凹部24Baに向けて変形可能な厚みや材料で構成されることが好ましい。例えば、枠体20の厚みは、100μm以下であることが好ましい。
また、枠体20の材料は、ロールに巻くことができ且つそのロールに巻いた状態を解いたときに元の形状に戻ることのできる柔軟性又は可撓性を有するものであることが好ましい。この場合、ロールツーロールにより電極−膜−枠接合体2を製造することができ、生産性を向上させることができる。また、枠体20の材料は、100℃以上の耐熱性、耐酸性、耐水性を有する樹脂であるあることが好ましい。
また、枠体20の材料は、耐久性の観点から、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、フルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフィド、ポリイミド、及び、ポリイミドアミドからなる群より選択される少なくとも一以上の樹脂から構成される合成樹脂であることがより好ましい。
なお、本第2実施形態では、第2樹脂部材24Aが凸部24Aaを備え、第2樹脂部材24Bが凹部24Baを備えるようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2樹脂部材24Aが凹部を備え、第2樹脂部材24Bが凸部を備えるようにしてもよい。また、例えば、第2樹脂部材22Aが凸部と凹部とを交互に備え、第2樹脂部材24Bが前記凸部に対応する凹部、及び前記凹部に対応する凸部を備えるようにしてもよい。
《第3実施形態》
次に、本発明の第3実施形態にかかる燃料電池について説明する。図6は、本発明の第3実施形態にかかる燃料電池が備えるシール部材21Cの断面図である。本第3実施形態の燃料電池が前記第1実施形態の燃料電池1と異なる点は、シール部材21Cの基体シート22Cに貫通孔22aが設けられ、第1樹脂部材23と第2樹脂部材24とが貫通孔22aを通じて接合されている点である。
本第3実施形態によれば、第1樹脂部材23と第2樹脂部材24とが貫通孔22aを通じて接合されているので、両者をより強固に接合することができる。また、第1又は第2樹脂部材23,24に対して面方向に力が加わった場合でも、それらがずれたり、剥がれたりすることを抑えることができる。
次に、シール部材21Cの製造方法の一例について説明する。
まず、基材シート22Cに貫通孔22aを形成する。なお、貫通孔22aは、大きすぎると剛性が低くなり、シール部材21Cの取扱い性が悪くなるため、シール部材21Cの幅(図6の左右方向の幅)の2分の1以下のサイズであることが好ましい。また、貫通孔22aの形状は、円や楕円など角のない形状であることが好ましい。これにより、引張強度の低下を抑えることができる。また、貫通孔22aは、1つであっても、複数であってもよい。
次いで、基材シート22Cの両表面に、例えば、トランスファー成形や射出成形などの熱を伴う成形により、第1及び第2樹脂部材23,24を形成する。なお、このとき、基材シート22Cの一方の表面側と他方の表面側の両方から樹脂を注入して、シール部材21Cを成形するようにしてもよい。また、基材シート22Cの一方(好ましくは樹脂部材の体積が大きい方)の表面側からのみ樹脂を注入し、当該樹脂を貫通孔22aを通じて他方の表面側に供給することにより、シール部材21Cを成形するようにしてもよい。
次いで、ガス拡散層14の外形に沿うように各シール部材21Cを切断する。
以上のようにして、図6に示すシール部材21Cが製造される。
《第4実施形態》
次に、本発明の第4実施形態にかかる燃料電池について説明する。図7は、本発明の第4実施形態にかかる燃料電池が備えるシール部材の断面図である。本第4実施形態の燃料電池が前記第2実施形態の燃料電池1Aと異なる点は、シール部材21D,21Eの基体シート22Cに貫通孔22aが設けられ、第1樹脂部材23と第2樹脂部材24A,24Bとが貫通孔22aを通じて接合されている点である。
本第4実施形態によれば、シール部材21Dとシール部材21Eとをずれることなく所望の位置に配置することができる。これにより、高分子電解質膜11が劣化することを抑えることができ、燃料電池の耐久性及び発電性能を一層向上させることができる。
また、第4実施形態によれば、第1樹脂部材23と第2樹脂部材24A,24Bとをより強固に接合することができるとともに、それらに対して面方向に力が加わった場合でも、ずれたり、剥がれたりすることを抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
本発明にかかる燃料電池用シール部材は、燃料電池の耐久性及び発電性能を向上させることができるので、例えば、自動車などの移動体、分散発電システム、家庭用のコージェネレーションシステムなどの駆動源として使用される燃料電池として有用である。
1,1A 燃料電池
2 電極−膜−枠接合体
3 燃料電池スタック
10 MEA(膜電極接合体)
11 高分子電解質膜
12 電極層
13 触媒層
14 ガス拡散層
20 枠体
21,21C シール部材
21A,21D シール部材(第1燃料電池用シール部材)
21B,21E シール部材(第2燃料電池用シール部材)
22 基材シート
22a 貫通孔
23 第1樹脂部材
24 第2樹脂部材
24a 頂部
24Aa 凸部
24Ba 凹部

Claims (10)

  1. シート状の基材シートと、
    前記基材シートの両表面に設けられた、樹脂を含む樹脂部材と、
    を備える、燃料電池用シール部材。
  2. 前記基材シートには、貫通孔が設けられ、
    前記基材シートの一方の表面に設けられた樹脂部材と、前記基材シートの他方の表面に設けられた樹脂部材とが、前記貫通孔を通じて接合されている、
    請求項1に記載の燃料電池用シール部材。
  3. 前記基材シートの一方の表面に設けられた樹脂部材の頂部が平坦に形成されている、請求項1又は2に記載の燃料電池用シール部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料電池用シール部材を備える燃料電池。
  5. 電極−膜−枠接合体と、
    前記電極−膜−枠接合体を挟む第1及び第2セパレータと、
    前記電極−膜−枠接合体の周縁部と前記第1セパレータとの間をシールする第1燃料電池用シール部材と、
    前記電極−膜−枠接合体の周縁部と前記第2セパレータとの間をシールする第2燃料電池用シール部材と、
    を備え、
    前記第1及び第2燃料電池用シール部材は、請求項1又は2に記載の燃料電池用シール部材であり、
    前記第1及び第2燃料電池用シール部材の互いに対向する樹脂部材の一方が凹部を有し、他方が当該凹部に対応する凸部を有する、
    燃料電池。
  6. シート状の基材シートの両表面に、樹脂を含む樹脂部材を成形することを含む、燃料電池用シール部材の製造方法。
  7. 前記基材シートには、貫通孔が設けられており、
    前記基材シートの一方の表面に樹脂部材を成形するとともに、当該基材シートの一方の表面に成形した樹脂部材に前記貫通孔を通じて接合されるように、前記基材シートの他方の表面に樹脂部材を成形することを含む、請求項6に記載の燃料電池用シール部材の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の製造方法により燃料電池用シール部材を製造し、
    前記製造した燃料電池用シール部材を、電極−膜−枠接合体の周縁部とセパレータとの間をシールするように配置することを含む、燃料電池の製造方法。
  9. 前記製造した燃料電池用シール部材を、前記電極−膜−枠接合体が備えるガス拡散層の外形に沿うように切断した後、当該ガス拡散層の外周側面に接触するように配置することを含む、請求項8に記載の燃料電池の製造方法。
  10. 請求項6又は7に記載の製造方法により、凹部を有する第1燃料電池用シール部材を製造するとともに、前記凹部に対応する凸部を有する第2燃料電池用シール部材を製造し、
    前記凸部が前記凹部に向けて電極−膜−枠接合体の周縁部を変形させるように、前記第1及び第2燃料電池用シール部材を、電極−膜−枠接合体の周縁部とセパレータとの間に配置することを含む、燃料電池の製造方法。
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