JP2014119282A - 直線性補償用ブリーダ回路および放射線検出器 - Google Patents

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尚美 小島
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Abstract

【課題】安価かつ簡易な構成にて、ワイドレンジで光電子増倍管の応答性に直線性を持たせた直線性補償用ブリーダ回路や、調整が容易で、検出精度も向上させた放射線検出器を提供する。
【解決手段】シンチレーション光の光量に応じた光電子を放出する陰極K、複数のダイノードDY[1],・・・,DY[i],・・・,DY[n]により二次電子を増倍する電子増倍部DY、増倍された二次電子を収集する陽極Pを有する光電子増倍管20に接続される直線性補償用ブリーダ回路30であり、n段までのダイノードにより増幅された出力を低線量率入力時の電圧パルスとして電圧パルス出力部Voutから出力し、また、i段までのダイノードによる増幅された出力を高線量率入力時の電流として電流出力部Aoutから出力する直線性補償用ブリーダ回路30とした。またこの直線性補償用ブリーダ回路30を搭載する放射線検出器1とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電子増倍管の入力に対する出力の直線性を確保するための直線性補償用ブリーダ回路、および、この直線性補償用ブリーダ回路を搭載して測定精度を向上させる放射線検出器に関する。
放射線検出器の従来技術について説明する。図6は従来技術の放射線検出器のブロック構成図である。放射線検出器1000は、図6で示すように、シンチレータ100、光電子増倍管200、ブリーダ回路300、信号処理部400を備える。
シンチレータ100は、入射する放射線(γ線)に応じてシンチレーション光を放出する。光電子増倍管200は複数段のダイノードを有し、ブリーダ回路300は、光電子増倍管200の複数段のダイノードに電圧を印加し、隣接する二個のダイノード間で強電界が形成されるようにしている。
このような光電子増倍管200はシンチレーション光を光電子に変換し、光電子がダイノードへ衝突して飛び出した二次電子を後段の複数段のダイノードにより増倍して、個数が増幅された二次電子が流れるようにし、最終的にブリーダ回路300がこの二次電子の流れを信号として取り出す。信号処理部400は、ブリーダ回路300からの信号により放射線に関する各種の測定を行うようにしている。
続いて、この光電子増倍管200およびブリーダ回路300の詳細の一例について図を参照しつつ説明する。図7は光電子増倍管の説明図である。図7で示す光電子増倍管200は透過型であり、シンチレーション光が透過する陰極(カソード)Kを用いている。
光電子増倍管200は、入射窓W、陰極(カソード)K、集束電極F、電子増倍部DY、陽極(アノード)P、容器CA、ステムピンSを備える。電子増倍部DYはさらにダイノードDY[1]〜DY[10]を備える。
また、図8は光電子増倍管に電気的に接続されるブリーダ回路の説明図である。図8に示すようにこの光電子増倍管200はブリーダ回路300に電気的に接続されており、ブリーダ回路300から光電子増倍管200の駆動用の電圧が供給される。
ブリーダ回路300は、分割抵抗Ra,R1〜R10,Rb、電流出力部A、高電圧電源Vをそれぞれ備えている。ブリーダ回路300の分割抵抗Ra,R1〜R10,Rbにより高電圧電源Vから印加される高電圧が分圧されており、この分割電圧が、光電子増倍管200の複数段のダイノードDY[1]〜DY[10]に供給されている。
続いて動作について説明する。図7に示す光電子増倍管200の入射窓Wへシンチレータ100からのシンチレーション光が入射されると、このシンチレーション光に応答して光電面も有する陰極(カソード)Kから光電子eが集束電極F側へ放出される。集束電極Fは、放出された光電子eを電子増倍部DYへ導く。
電子増倍部DYは、複数段のダイノードにより増倍を行うものであり、図7では具体例として10段のダイノードDY[1]〜DY[10]で構成されており、10段のダイノードによりカスケード増倍を行う。光電子eが第1番目のダイノードDY[1]へ衝突すると、ある確率(量子効率)で二次電子1個が飛び出る。その二次電子は向かいの第2番目のダイノードDY[2]に向かって加速されつつ衝突して二次電子数個を放出する。以下、後段のダイノードDY[3]〜でDY[10]で同様に衝突を繰り返していき、多数の二次電子を得る。仮に1段あたりで4倍の二次電子が生成すれば、ねずみ算的に 410≒10個に増えており、出力を大きくしている。
電子増倍部DYはこのように光電子eをカスケード増倍する。そして、増倍された二次電子は、陽極(アノード)Pに吸い込まれ、容器CAを貫通するように設けられたステムピンPを介しての電子の流れ、つまり電流として出力される。光電子増倍管200から入力された電流がブリーダ回路300の電流出力部Aを通じて出力される。そして、信号処理部400は、電流出力部Aからの出力を入力して各種の計測を行うことになる。
このような放射線検出器では、線量率が高くなるにつれて直線性を失うという問題がある。この点につき図を参照しつつ説明する。図9は光電子増倍管の入力に対する出力を説明する出力特性図である。図9でも示すように、電子増倍管200は、線量率が低いうちは線量率に比例した電流を出力するものであったが、ある線量率上限を超えると直線性を失うという問題があった。線量率上限は方式・機種により異なる。このような線量率上限が生じる理由であるが、ダイノードの段数が増えるに従い電流は増倍されるが、陰極から陽極まで電圧差は外部からの高圧電源Vで固定されている。このため、高線量になるに従い後段のダイノード間の電圧が低下する。結果として陽極(アノード)Pからの出力電流は直線性を失い、出力電流の低下を経た後飽和する。
従って、直線性を失った高線量率時の信号処理では信号処理部400での数値の調整が必要になるが、直線性がない光電子増倍管200の出力に直線性を持たせる調整は容易ではなかった。
また、光電子増倍管200自体の感度は一定ではなくばらつきが大きい部品であるため、同じ型番であっても個々の光電子増倍管に応じて調整する必要もあり、この点でも調整が容易ではないという問題があった。
加えて、調整により出荷試験のリードタイムを取られてしまい、生産性の点でも問題があった。
低線量率時や高線量率時に拘わらず、光電子増倍管の出力の直線性を確保したいという要請があった。
なお、本出願人も、高線量率時の出力改善に関する発明について特許出願を行っており、例えば、特許文献1(特開2003−35779号公報、発明の名称「放射線検出器」)が開示されている。この放射線検出器では、低線量率場ではパルスアンプ回路の出力から求めた線量率または線量を採用し、高線量率場では直流電流計測回路の出力から求めた線量率または線量を採用するというものである。
特開2003−35779号公報(段落[0012]〜[0021],図1,図2等)
特許文献1に記載の放射線検出器は、低線量率場および高線量率場で検出を可能としたものであり優れているが、高線量率場における光電子増倍管の非直線的な感度に対応する調整については考慮されていなかった。低線量率時や高線量率時に拘わらず、光電子増倍管の出力の直線性を確保した上で後段の計測を行いたいという要請があった。
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価かつ簡易な構成にて、低線量率時および高線量率時にまたがるワイドレンジで光電子増倍管の応答性に直線性を持たせるような直線性補償用ブリーダ回路を提供することにある。加えて、この直線性補償用ブリーダ回路を搭載することで調整が容易であり、また、検出精度も向上させた放射線検出器を提供することにある。
本発明の請求項1に係る直線性補償用ブリーダ回路は、
入射するシンチレーション光の光量に応じた光電子を放出する陰極、複数(1,2,・・・,i,i+1,・・・,n)のダイノードを有しており第1段のダイノードで光電子から生成した二次電子を後段のダイノードで増倍する電子増倍部、および、電子増倍部によって増倍された二次電子を収集する陽極をそれぞれ有する光電子増倍管に接続されて、光電子増倍管の陰極、複数のダイノードおよび陽極に所定の電位勾配を与える直線性補償用ブリーダ回路であって、
n段までのダイノードにより増幅された出力を低線量率入力時の電圧パルスとして出力し、また、i段までのダイノードにより増幅された出力を高線量率入力時の電流として出力することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る放射線検出器は、
入射するシンチレーション光の光量に応じた光電子を放出する陰極、複数(1,2,・・・,i,i+1,・・・n)のダイノードを有しており第1段のダイノードで光電子から生成した二次電子を後段のダイノードで増倍する電子増倍部、および、電子増倍部によって増倍された二次電子を収集する陽極をそれぞれ有する光電子増倍管と、
光電子増倍管の陰極、複数のダイノードおよび陽極に所定の電位勾配を与え、n段までのダイノードにより増幅された出力を電圧パルスとして出力し、また、i段までのダイノードにより増幅された出力を電流として出力する直線性補償用ブリーダ回路と、
低線量率で入力された場合にn段までのダイノードにより増幅された出力である電圧パルスを入力して計測を行い、また、高線量率で入力された場合にi段までのダイノードにより増幅された出力である電流を入力して計測を行う信号処理部と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、安価かつ簡易な構成にて、低線量率場および高線量率場にまたがるワイドレンジで光電子増倍管の応答性に直線性を持たせるような直線性補償用ブリーダ回路を提供することができる。
加えて、この直線性補償用ブリーダ回路を搭載することで調整が容易であり、また、検出精度も向上させた放射線検出器を提供することができる。
本発明の実施の形態の放射線検出器のブロック構成図である。 光電子増倍管に電気的に接続される直線性補償用ブリーダ回路の内部構成の説明図である。 電圧パルス出力部Voutからの出力をパルスアンプ回路へ入力し演算処理を加えた出力特性図である。 電流出力部Aoutからの出力を直流電流計測回路へ入力し演算処理を加えた出力特性図である。 高線量率入力時におけるn段までのダイノードにより増幅された出力と低線量率入力時におけるn段までのダイノードによる増幅された出力とを組み合わせた合成出力特性図である。 従来技術の放射線検出器のブロック構成図である。 光電子増倍管の説明図である。 光電子増倍管に電気的に接続されるブリーダ回路の説明図である。 光電子増倍管の入力に対する出力を説明する出力特性図である。
続いて、本発明の直線性補償用ブリーダ回路および放射線検出器について一括して説明する。なお、先に説明した従来技術と重複する箇所もあるが、説明を明瞭にするため、再掲する。以下、図を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施の形態の放射線検出器のブロック構成図である。この放射線検出器1は、シンチレータ10、光電子増倍管20、直線性補償用ブリーダ回路30、信号処理部40を備えている。特に光電子増倍管20、直線性補償用ブリーダ回路30は図2で示すような構造を有しているが、図8に示した従来技術と比較すると、図2において、光電子増倍管20の構造は従来技術とそのまま同じであるが、直線性補償用ブリーダ回路30ではn段までのダイノードにより増幅された出力を低線量率入力時の電圧パルス信号(Vout)として出力し、また、i段までのダイノードによる増幅された出力を高線量率入力時の電流(Aout)として出力する点が新規な点である。
続いて、本発明の特徴をなすものであり、n段までのダイノードにより増幅された出力を電圧パルスとして電圧パルス出力部Voutから出力し、また、i段までのダイノードにより増幅された出力を電流として電流出力部Aoutから出力する理由について説明する。図3は電圧パルス出力部Voutからの出力をパルスアンプ回路へ入力し演算処理を加えた出力特性図である。また、図4は電流出力部Aoutからの出力を直流電流計測回路へ入力し演算処理を加えた出力特性図である。
電圧パルス出力部Voutからの出力は、図3でも明らかなように、低線量率(バックグラウンド〜10μGy/h)や高線量率(10〜10μGy/h)では入力に対して比例した出力となって直線性を確保しているが、更なる高線量率(10〜10μGy/h)では非直線になっており、従来では光電子増倍管20を使用する場合には已む終えないものとして対処していた。
本発明者は、n段のダイノードを有する場合に後段のダイノードで電荷が飽和するが、その途中の段までは二次電子が少ないため高線量率でも電荷が飽和しない点に着目した。高線量率が入力された時でも電荷が飽和しない最大であるi段のダイノードを選択し、このi段のダイノードDY[i]までで増幅された出力を、図2で示すようにダイノードDY[i]から取り出し、電流出力部Aoutから出力するようにした。電流出力部Aoutからの出力を直流電流計測回路へ入力し演算処理を加えた出力は、図4の出力特性図で示すように、バックグラウンドを含む低線量率(〜10μGy/h)程度では電流出力部Aoutからの電流が微小すぎるため出力である指示値は0になるものの、それ以上の低線量率(10〜10μGy/h)および高線量率(10〜10μGy/h)にまたがってワイドレンジで直線性を確保している。
しかしながら、このようにi段のダイノードまで増幅された出力をそのまま採用できない。なぜならば、電流出力部Aoutからの出力は、ダイノードの段数が少ないため、この電流出力部Aoutからの出力が低線量率では低電流のため指示値が0.1I以下であり、図3の出力のI〜100Iと比較しても、電流が大幅に少ないため指示値が小さく、そのまま利用できるわけではない。
そこで、低線量率でも電流が大きいようなn段までのダイノードにより増幅された出力を低線量率検出用のパルスアンプ入力として採用し、また、低線量率では電流が小さいが高線量率では電流が大きいとともに線形性が確保されたi段までのダイノードにより増幅された電流出力を高線量率検出用の直流電流計測回路入力として採用するようにした。i段までのダイノードにより増幅された電流出力を用いる指示値でも高線量率では0.1I〜10Iというように比較的高い指示値が得られるため利用可能である。低線量率検出用の出力および高線量率検出用の出力を適宜選択することで光電子増倍管の出力が直線となるように補償した。
このときの見かけ状の光電子増倍管の出力特性は図5で示すようになる。低線量時ではn段までのダイノードにより増幅された出力を用い、また、高線量時ではi段までのダイノードにより増幅された出力を採用して線形性を確保している。なお、i段までのダイノードにより増幅された電流出力に対し、この出力をさらに増幅等し、低線量率検出用の出力および高線量率検出用の出力を整合するような調整を行う。
なお、実際は低線量時では電圧パルスによりカウント値を取得し、また、高線量時では電流をIF変換することでカウント値を得ている。特に高線量時は入射する放射線が離散的ではなくなって、光電子増倍管20からの出力電流信号が連続的な直流成分を含むようになるが、電流信号の直流成分をその電流値に比例する出力信号に変換して出力する直流成分の大きさは、入射した放射線の線量率に比例することが経験的に解っているのでIF変換したカウント値を演算することにより放射線の線量率を算出することができる。例えば、校正時に線量率が増加するにつれてカウント値が比例的に増加するように増幅率を調整することで、低線量率(バックグラウンド〜10μGy/h)および高線量率(10〜10μGy/h)にまたがってワイドレンジの直線性を確保することができる。
続いて直線性補償用ブリーダ回路および放射線検出器の詳細について説明する。
シンチレータ10は、例えば、微量のタリウム(Tl)を含むヨウ化ナトリウム(NaI)の結晶からなるNaI(Tl)シンチレータである。シンチレータは円柱状に形成されている。このシンチレータ10は、入射する放射線(γ線)に応じて数μsの時定数でパルス状のシンチレーション光を放出する。
光電子増倍管20は、図2や図7の光電子増倍管の内部構成の説明図で示すように、入射窓W、陰極(カソード)K、集束電極F、電子増倍部DY、陽極(アノード)P、容器CA、ステムピンSを備える。電子増倍部DYはさらにダイノードDY[1],DY[2],・・・,DY[i−1],DY[i],DY[i+1],DY[i+2],・・・,DY[n−1],DY[n]を備える。電子増倍部DYはn段のダイノードが構成されている。nの具体例としては、例えば図7で示すよう10段のダイノードが採用される。
また、図2に示すようにこの光電子増倍管20は直線性補償用ブリーダ回路30に電気的に接続され、直線性補償用ブリーダ回路30から光電子増倍管20の駆動用の電圧が供給される。
直線性補償用ブリーダ回路30は、分割抵抗Ra,分割抵抗R[1],R[2],・・・,R[i],R[i+1],R[i+2],・・・,R[n],分割抵抗Rb、負荷抵抗RL、デカップリングコンデンサC[i+2],・・・,C[n],Cb、電圧パルス出力部Vout、電流出力部Aout、高電圧電源V1,V2をそれぞれ備えている。
直線性補償用ブリーダ回路30の分割抵抗R[1],R[2],・・・,R[i]により高電圧電源V1から印加される高電圧が分圧されており、この分割電圧が、光電子増倍管20の複数段のダイノードDY[1],DY[2],・・・,DY[i−1],DY[i]に供給されている。つまり1段からi段までのダイノードに電圧を供給している。
同様に、分割抵抗R[i+1],R[i+2],・・・,R[n]により高電圧電源V2から印加される高電圧が分圧されており、この分割電圧が、光電子増倍管20の複数段のダイノードDY[i+1],DY[i+2],・・・,DY[n−1],DY[n]に供給されている。つまりi+1段からn段までのダイノードに電圧を供給している。また、R[i+2],・・・,R[n],RbにはデカップリングコンデンサC[i+2],・・・,C[n],Cbが並列接続されている。
デカップリングコンデンサC[i+2],・・・,C[n],Cbは、信号パルスの形成期間中に光電子増倍管20に電荷を補給し、最終ダイノードと陽極間の電圧降下を抑制することで電圧パルス出力部Voutからのパルス直線性を大幅に改善している。
ここで、陰極Kに負高電圧V1、i段のダイノードDY[i]にGND、陽極Pに正高電圧V2を接続する回路とし、ダイノードDY[i]で電気的に直線性補償用ブリーダ回路を2分割した。これはi+1段のダイノード以上で負荷が飽和し、ダイノード間電圧が変化した際のダイノードDY[i]への影響を防止するためである。電圧パルス出力部Voutおよび電流出力部Aoutは後段の信号処理部40へそれぞれ出力される。
信号処理部40は、電圧入力調整部41、電流入力調整部42、中央処理部43を備えている。
電圧入力調整部41は、パルスアンプ回路として機能するものであり、例えば、信号を最適電圧に増幅する増幅機能、ノイズを除去するフィルタリング機能、電圧パルス信号をカウントするカウンタ機能を有している。電圧パルス信号は低線量率における入射放射線の離散的な信号であり、電圧入力調整部41は、電圧パルス出力部Voutから電圧パルス信号を入力して後段の信号処理部40へデジタルのカウント値を出力する。
電流入力調整部42は、直流電流計測回路として機能するものであり、例えば、入力された電流信号を最適電流に増幅する増幅機能、ノイズを除去するフィルタリング機能、電流を周波数(カウント値に相当)に変換するIF変換機能を有している。電流信号は高線量率における入射放射線によるシンチレータの光信号が連続的となって直流成分をもち、その直流成分に放射線率が比例する出力信号となっているが、電流入力調整部42は、電流出力部Aoutから電流信号を入力してIF変換し、この周波数信号に基づいて後段の信号処理部40へデジタルのカウント値を出力する。放射線検出器1の構成はこのようなものである。
続いて放射線の検出処理について説明する。さて、光電子増倍管の入射窓へシンチレータ10からのシンチレーション光が入射されると、このシンチレーション光に応答して光電面も有する陰極(カソード)Kから光電子eが集束電極F側へ放出される。集束電極Fは、放出された光電子eを電子増倍部DYへ導く。
電子増倍部DYは、複数段のダイノードにより増倍を行うものであり、複数のダイノードDY[1]〜DY[n]で構成されている。光電子eが第1番目のダイノードDY[1]へ衝突すると、ある確率(量子効率)で二次電子1個が飛び出る。その二次電子は向かいの第2番目のダイノードDY[2]に向かって加速されつつ衝突して二次電子数個を放出する。以下、後段のダイノードDY[3]〜DY[n]で同様に衝突を繰り返していき、多数の二次電子を得る。電子増倍部DYはこのようにして二次電子をカスケード増倍する。
そして、二次電子は最終の陽極(アノード)Pに吸い込まれ、容器CAを貫通するように設けられたステムピンPを介しての電子の流れ、つまり電流として出力される。この電流は、シンチレータ10に入射した光パルス信号に相当する電流パルス信号として陽極(アノード)Pに接続されるステムピンSから出力される。この電流パルス信号は負荷抵抗RLにより電圧パルス信号に変換され、電圧パルス出力部Voutを通じて出力される。電圧パルス信号のパルス数をカウントして得たカウント値により線量や線量率を計測することができる。
また、この二次電子は途中のダイノードDY[i]で取り出されるものであり、光電子増倍管20から入力された電流が直線性補償用ブリーダ回路30の電流出力部Aoutを通じて出力される。この場合電流は1段からi段までのダイノードにより増幅された出力となる。電流信号をIF変換して得たカウント値により線量や線量率を計測することができる。
ここで、例えば線量率を上昇させるにつれて比例したカウント値が取得できるように、電圧入力調整部41のゲインやオフセット、電流入力調整部42のゲインやオフセットを調整し、図5で示すように、低線量率(10〜10μGy/h)および高線量率(10〜10μGy/h)にまたがって線形性を確保する。線形であるためゲインやオフセット程度の調整で良く、簡単に調整できるという利点がある。
中央処理部43は、電圧入力調整部41および電流入力調整部42に接続されており、両者のカウント値を同時に入力している。しかしながら、信号処理時には電圧入力調整部41か電流入力調整部42か何れか一方のカウント値を選択する必要がある。
これは、例えば、図5に着目すると低線量率ではn段までのダイノードにより増幅された電流出力が上回り、切換領域ではn段・i段の電流出力が同じ程度であり、高線量率ではi段までのダイノードにより増幅された電流出力が上回っている点に着目すると、両者を比較してカウント値が大きい方を採用すれば直線性が確保された出力を選択することができるといえる。このような選択は中央処理部40による自動的な切換や、信号処理時における大きいカウント値を選択することで対処することができる。また、切換領域で適宜切換用の線量率を設定し、この線量率を上回ったときに切換ることもできる。
また、線量率の高低を作業員が判断し、図示しない切換スイッチにより中央処理部40が切り替えるようにして、作業員の経験に応じた切換とすることもできる。このような構成でも中央処理部40ではカウント値を用いて線量率を計測することができるようになる。また、線量変換回路を内蔵して、線量を出力できるようにすることも可能である。
なお、本形態では、n段のダイノードを持ち、第i段のダイノードから電流を取り出すものとして説明した。例えばnは10、iは5が選択される。10段のダイノードを有する光電子増倍管を採用する場合、高線量を照射しても電流量が低下しないダイノード段として、5段のダイノードが適切であると評価されたためである。この場合、陽極Pに正高電圧、5段目のダイノードDY(5)にGND、陰極Kに負高電圧を接続する回路となる。ダイノード[5]で電気的に直線性補償用ブリーダ回路を2分割した。これは6段以上のダイノードで負荷が飽和し、ダイノード間電圧が変化した際のダイノード[6]への影響を防止する。なお、nやiの値は光電子増倍管や回路の実情に応じて適宜選択される。
このような本発明の直線性補償用ブリーダ回路および放射線検出器は、ワイドレンジブリーダ回路とし、高線量率の出力調整方法が簡易化されているものであり、例えば原子力発電所など放射性物質や放射線を取り扱う施設内での線量率や線量を計測して放射性物質による汚染(放射能汚染)の有無の検査分野などで有用である。
1:放射線検出器
10:シンチレータ
20:光電子増倍管
W:入射窓
K:陰極(カソード)
F:集束電極
DY:電子増倍部
DY[1],DY[2],・・・,DY[i−1],DY[i],DY[i+1],DY[i+2],・・・,DY[n],:ダイノード
P:陽極(アノード)
CA:容器
S:ステムピン
30:直線性補償用ブリーダ回路
Ra,R[1],R[2],・・・,R[i],R[i+1],R[i+2],・・・,R[n],Rb:分割抵抗
RL:負荷抵抗
C[i+2],・・・,C[n],Cb:デカップリングコンデンサ
Vout:電圧パルス出力部
Aout:電流出力部
V1,V2:高電圧電源
40:信号処理部
41:電圧入力調整部
42:電流入力調整部
43:中央処理部

Claims (2)

  1. 入射するシンチレーション光の光量に応じた光電子を放出する陰極、複数(1,2,・・・,i,i+1,・・・n)のダイノードを有しており第1段のダイノードで光電子から生成した二次電子を後段のダイノードで増倍する電子増倍部、および、電子増倍部によって増倍された二次電子を収集する陽極をそれぞれ有する光電子増倍管に接続されて、光電子増倍管の陰極、複数のダイノードおよび陽極に所定の電位勾配を与える直線性補償用ブリーダ回路であって、
    n段までのダイノードにより増幅された出力を低線量率入力時の電圧パルスとして出力し、また、i段までのダイノードにより増幅された出力を高線量率入力時の電流として出力することを特徴とする直線性補償用ブリーダ回路。
  2. 入射するシンチレーション光の光量に応じた光電子を放出する陰極、複数(1,2,・・・,i,i+1,・・・n)のダイノードを有しており第1段のダイノードで光電子から生成した二次電子を後段のダイノードで増倍する電子増倍部、および、電子増倍部によって増倍された二次電子を収集する陽極をそれぞれ有する光電子増倍管と、
    光電子増倍管の陰極、複数のダイノードおよび陽極に所定の電位勾配を与え、n段までのダイノードにより増幅された出力を電圧パルスとして出力し、また、i段までのダイノードにより増幅された出力を電流として出力する直線性補償用ブリーダ回路と、
    低線量率で入力された場合にn段までのダイノードにより増幅された出力である電圧パルスを入力して計測を行い、また、高線量率で入力された場合にi段までのダイノードにより増幅された出力である電流を入力して計測を行う信号処理部と、
    を備えることを特徴とする放射線検出器。
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