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Description
更に、めっき槽に付属して、劣化要因となる物質がカソード室に拡散しないようにカソード室とアノード室を隔膜又は隔壁によって分離した補助槽を設け、この補助槽において、アノード室内のめっき液(陽極液)にSnイオンを補給するようにしたSn−Ag合金めっき方法が提案されている(特許文献3参照)。
本発明の好ましい一態様において、前記めっき槽には、前記カソード室をオーバフローしためっき液を溜めるオーバフロー槽と、該オーバフロー槽内のSn合金めっき液を前記カソード室に戻して循環させるめっき液循環ラインが備えられている。
これにより、カソード室内のSn合金めっき液を、めっき液循環ラインを通して循環させて攪拌することができる。
これにより、カソード室内のSn合金めっき液を、めっき液循環ラインを通して循環させて攪拌することができる。
本発明のSnめっき方法は、基板の表面にSnとSnより貴な金属との合金を電析させるSn合金めっき方法において、アニオン交換膜で内部をカソード室とアノード室とに隔離しためっき槽を用意し、前記カソード室の内部にSn合金めっき液を収容するとともに、該Sn合金めっき液に浸漬させて基板を配置し、前記アノード室の内部にSnイオン及び2価のSnイオンと錯体を形成する酸を含むアノード液を収容するとともに、該アノード液に浸漬させてSnを材質としたSnアノードを配置し、前記アノード室内のアノード液のSnイオン濃度が所定値以上で、かつ前記酸の濃度が許容値よりも下がらないように前記アノード室内に電解液を供給し、この電解液の供給に伴って増加した前記アノード室内のアノード液をSn合金めっき液に供給しながら、前記カソードと前記Snアノードとの間に電圧を印加して、基板の表面にSn合金めっきを行う。
本発明の好ましい一態様において、Sn合金めっき方法は、前記アノード液の前記酸の濃度を、初期のアノード液の前記酸の濃度、前記Snアノードでの電解量及び電流効率、電解液の供給量、及びアニオン交換膜を透過してカソード室からアノード室へ移動してくる酸の透過率から求める。
電解液供給ライン24は、アノード槽10の側部に沿って下方に延び、その下端の電解液(メタンスルホン酸水溶液)をアノード室14に供給する電解液供給口24aは、アノード槽10の底部に達して水平方向に開口している。純水供給ライン26も、アノード槽10の側部に沿って下方に延び、その下端の純水をアノード室14に供給する純水供給口26aは、アノード槽10の底部に達して水平方向に開口している。なお、電解液供給口24a及び純水供給口26aを下方に向けて開口するようにしてもよい。そして、この電解液供給口24a及び純水供給口26aと隔壁10aの越流用切欠き10bは、アノード槽10の水平投影面において、互いに対角線状に位置するようになっている。これにより、純水供給ライン26を通して純水が、あるいは電解液供給ライン24を通して電解液がアノード室14に供給された時に、Snイオンを含むアノード液Eは、供給された純水あるいは電解液で十分に撹拌された後、越流用切欠き10bからオーバフローしてカソード室12に供給される。
アノード室14の上方には、アノード室14内のアノード液Eの液面を検知することで、アノード室14内のアノード液Eの蒸発による液量減少を検知する液面検知センサ82が設けられている。これにより、アノード液Eの蒸発による液量減少を検知した時に、純水供給ライン26からアノード室14内のアノード液Eに純水を補充ことで、アノード室14内のアノード液Eの液面を常に一定となし、カソード室12へのSnイオンの供給量をアノード室14への純水あるいは電解液の供給量で管理することができる。
つまり、カソード室12内のめっき液Qの遊離酸としてのメタンスルホン酸濃度も、Snアノード32での電解量及び電流効率、アノード液Eのオーバフローによる供給量、めっき液循環ライン46からの排液(ドレインアウト)量、アニオン交換膜54のメタンスルホン酸の透過率によって変動する。カソード室12のめっき液Qのメタンスルホン酸濃度が約250g/Lを超えると、基板Wへのめっきの面内均一性が悪くなる傾向がある。そこで、カソード室12内のめっき液Qのメタンスルホン酸濃度が上限値を上回ったことを、メタンスルホン酸濃度測定器76によって検知した時に、めっき液Qからメタンスルホン酸を除去する透析槽62を有するめっき液透析ライン68に沿ってめっき液Qを流し、このメタンスルホン酸を除去しためっき液Qをオーバフロー槽36に戻す。これによって、めっきに使用されるめっき液Qのメタンスルホン酸濃度を、例えば60〜250g/Lの好ましい範囲内に、さらに好ましくは、90〜150g/Lの範囲内に調整することができる。
Sn合金めっき装置を長期間運転させると、アノード室14内のアノード液EのSnイオン及びメタンスルホン酸の濃度が予測濃度からずれていく可能性がある。その場合は、めっき液QのSnイオン及びメタンスルホン酸の濃度をSnイオン濃度測定器74及びメタンスルホン酸濃度測定器76により測定して、その変化を記録し、運転条件から想定される濃度よりも濃度が高くなる、あるいは、低くなる傾向があれば、Snイオンの場合であれば、濃度予測に用いている溶解効率を、メタンスルホン酸の場合であれば、膜の透過率をそれぞれ変えて、Snイオン及びメタンスルホン酸の濃度管理を継続する。
図12は、本発明の他の実施形態のSn合金めっき装置の概要図である。この例の図1に示す例と異なる点は、アノード槽10と一体の内槽220の周囲をオーバフロー槽36で囲繞してめっき槽16bを形成し、このアノード槽10のオーバフロー槽36に隣接する隔壁10eを、アノード室14内のアノード液Eを堰止め、この隔壁10eの上端をオーバフローしたアノード液Eがオーバフロー槽36内に流入する越流堰としての役割を果たすようにしている点にある。すなわち、アノード室14内には、隔壁(越流堰)10eに堰き止められて、所定の水位H(図9参照)のアノード液Eが保持され、この水位Hを超えると、この超えた量のアノード液Eが、隔壁10eの上端をオーバフローして、めっき槽16bの周囲を囲繞するオーバフロー槽36内に流入するようになっている。オーバフロー槽36に供給されたSnイオンは、めっき液循環ライン46を経てカソード室12へ供給される。
図14は、本発明の他の実施形態のSn合金めっき装置の概要図である。この例の図1に示す例と異なる点は、図1に示すめっき槽16の排液ライン28と補助電解槽100の電解液供給ライン112とを、内部にポンプ240設置した連結ライン242で結び、更に、補助電解槽100のアノード室104から延びるSnイオン補給ライン114をめっき槽16のアノード室14の上部に接続した点にある。
図15は、複数のめっき槽を有する本発明の更に他の実施形態のSn合金めっき装置の概要図である。図15に示すように、このSn合金めっき装置は、図1に示すめっき槽16と同様の構成を有する複数のめっき槽250と、単一のリザーバ槽252とを有している。そして、各めっき槽250のアノード室とリザーバ槽252とは、アノード液供給ライン254とアノード液回収ライン256でそれぞれ結ばれている。アノード液供給ライン254には、1台のポンプ258aが設置され、アノード液供給ライン254は、ポンプ258aの下流側で各めっき槽250毎に分岐し、この各分岐部に切替バルブ260aが設置されている。アノード液回収ライン256にも、1台のポンプ258bが設置され、アノード液回収ライン256は、ポンプ258bの上流側で各めっき槽250毎に分岐し、この各分岐部に切替バルブ260bが設置されている。
この例では、2台ポンプ258a,258bを備え、切替バルブ260a,260bを切替ることで、リザーバ槽252と1台のめっき槽250のアノード室との間でアノード液が循環するようにしている。これにより、各めっき槽250のアノード室の液管理が容易となる。なお、各めっき槽250のアノード室とリザーバ槽252との間でアノード液を循環させるためのポンプをそれぞれ設けて、他のめっき槽250のアノード室と独立してアノード液を循環させるようにしてもよい。
Claims (16)
- 基板の表面にSnとSnより貴な金属との合金を電析させるSn合金めっき装置において、
めっき槽の内部を、内部にSn合金めっき液を保持し該Sn合金めっき液にカソードとなる基板を浸漬させて配置するカソード室と、内部にSnイオン及び2価のSnイオンと錯体を形成する酸を含むアノード液を保持し、Snを材質としたSnアノードを前記アノード液に浸漬させて配置するアノード室とに隔離するアニオン交換膜と、
前記アノード室内に前記酸を含む電解液を供給する電解液供給ラインとを有し、
前記アノード室内のアノード液のSnイオン濃度が所定値以上で、かつ前記酸の濃度が許容値よりも下がらないように、前記電解液供給ラインを通して前記アノード室内に前記電解液を供給し、この電解液の供給に伴って増加した前記アノード室内のアノード液を前記Sn合金めっき液に供給することを特徴とするSn合金めっき装置。 - 前記電解液供給ラインを通して前記アノード室内に前記電解液を供給することで増加したアノード液を、前記アノード室をオーバフローさせてSn合金めっき液に供給することを特徴とする請求項2に記載のSn合金めっき装置。
- 前記めっき槽には、前記カソード室をオーバフローしためっき液を溜めるオーバフロー槽と、該オーバフロー槽内のSn合金めっき液を前記カソード室に戻して循環させるめっき液循環ラインが備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載のSn合金めっき装置。
- 前記アノード室には、内部に純水を供給する純水供給ラインが接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のSn合金めっき装置。
- 前記アノード室内のアノード液中の前記酸の濃度を測定する酸濃度測定器を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のSn合金めっき装置。
- 前記カソード室からSn合金めっき液の一部を引抜き、Sn合金めっき液生から前記酸の少なくとも一部を除去して前記カソード室に戻す透析槽を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のSn合金めっき装置。
- 前記アノード室内のアノード液に窒素ガスをバブリングするN2ガス供給ラインを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のSn合金めっき装置。
- アニオン交換膜で隔離されたアノード室とカソード室とを有し、前記アノード室内のアノード液中に浸漬させたSnを材質としたSnアノードと前記カソード室内のカソード液に浸漬させたカソードとの間に電圧を印加してSnイオン濃度を高めた前記アノード室内のアノード液を前記Sn合金めっき液に補給する補助電解槽を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のSn合金めっき装置。
- 基板の表面にSnとSnより貴な金属との合金を電析させるSn合金めっき方法において、
アニオン交換膜で内部をカソード室とアノード室とに隔離しためっき槽を用意し、
前記カソード室の内部にSn合金めっき液を収容するとともに、該Sn合金めっき液に浸漬させて基板を配置し、
前記アノード室の内部にSnイオン及び2価のSnイオンと錯体を形成する酸を含むアノード液を収容するとともに、該アノード液に浸漬させてSnを材質としたSnアノードを配置し、
前記アノード室内のアノード液のSnイオン濃度が所定値以上で、かつ前記酸の濃度が許容値よりも下がらないように前記アノード室内に電解液を供給し、この電解液の供給に伴って増加した前記アノード室内のアノード液をSn合金めっき液に供給しながら、前記カソードと前記Snアノードとの間に電圧を印加して、基板の表面にSn合金めっきを行うことを特徴とするSn合金めっき方法。 - 前記アノード室内に前記電解液を供給することで増加したアノード液を、前記アノード室をオーバフローさせてSn合金めっき液に供給することを特徴とする請求項9に記載のSn合金めっき方法。
- 前記カソード室内のSn合金めっき液を循環させることを特徴とする請求項9または10に記載のSn合金めっき方法。
- 前記アノード室内のアノード液の前記酸の濃度により、前記アノード室への前記電解液または純水の供給量を制御することを特徴とする請求項請求項9乃至11のいずれか一項に記載のSn合金めっき方法。
- 前記アノード液の前記酸の濃度を、初期のアノード液の前記酸の濃度、前記Snアノードでの電解量及び電流効率、電解液の供給量、及びアニオン交換膜を透過してカソード室からアノード室へ移動してくる酸の透過率から求めることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載のSn合金めっき方法。
- 前記カソード室からSn合金めっき液の一部を引抜き、Sn合金めっき液から前記酸の少なくとも一部を除去して前記カソード室に戻すことを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項に記載のSn合金めっき方法。
- 前記アノード室内のアノード液中に窒素ガスをバブリングすることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか一項に記載のSn合金めっき方法。
- 補助電解槽のアノード室内のアノード液中に浸漬させたSnを材質としたSnアノードと、前記アノード室とアニオン交換膜で隔離されたカソード室内のカソード液に浸漬させたカソードとの間に電圧を印加してSnイオン濃度を高めた前記補助電解槽の前記アノード室内のアノード液を前記Sn合金めっき液に補給することを特徴とする請求項9乃至15のいずれか一項に記載のSn合金めっき方法。
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