JP2014118294A - ベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上部ベルトコンベア1と下部ベルトコンベア2の間に設けられ、上部ベルトコンベア1から放出されたコークス5を下部ベルトコンベア2にガイドして移載するベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置100であって、上部ベルトコンベア1から放出されるコークス5の落下位置Pに、上面に板状のゴム様弾性体20が敷設された略水平に延びる突出部11を設けて落下衝撃を緩和するようにした。
【選択図】図1
Description
そして、乗り継ぎ時に上部ベルトコンベアと下部ベルトコンベアの間には、例えば5mの落差があるため、上部ベルトコンベアから放出されたコークスが下部ベルトコンベアに落下すると、コークス当接の衝撃によりベルトコンベアやシュート装置が損傷したり、コークス自体が粉化するといった問題があった。特にコークスは、その表面に凹凸が多く非常に硬い固形材料であるとともにベルトコンベアでは最大120m/minといった非常に速い速度で搬送されるため落下時の衝撃は大きい。
また、特許文献2に記載の発明は、ベルトコンベアの終端部に設けられるシュートにおいて落下するコークスが当たる壁面にストンボックスとかデッドストックと呼ばれる窪みを付けて、その窪みに堆積したコークスにより落下の衝撃を緩和したものである。
さらに、特許文献3に記載の発明は、上部ベルトコンベアで搬送されるコークスを二手に分流し、一方を下部ベルトコンベアの幅方向両端部に先に落とし、もう一方をコークスの堆積した下部ベルトコンベアの略中央部上に落とすことで落下の衝撃を緩和したものである。
コークスが粉化するとコークス粒径は小さくなり、高炉操業において高炉内部の通気性を阻害するため安定的に操業を行うことができないといった問題がある。
上部ベルトコンベア(1)から放出される前記粉粒物の落下位置(P)に、上面に板状のゴム様弾性体(20)が敷設された略水平に延びる突出部(11)を設けて落下衝撃を緩和するようにしたことを特徴とする。
このとき、上部ベルトコンベアから放出された粉粒物は、直線階段の上位段部上に堆積した粉粒物に当接するのである程度粉粒物が粉化することは避けられないが、堆積した粉粒物はゴム様弾性体上にあるので、ゴム様弾性体がない場合と比較して落下衝撃は緩和される。直線階段の上位段部を上部ベルトコンベア側に近づけるようにすると落下衝撃をさらに小さく抑えることができる。
よって、粉粒物は確実に突出部の上に留まるので、ゴム様弾性体が部分的に露出することは避けられ、粉粒物の落下でゴム様弾性体が損傷することを防止することができる。また、ゴム様弾性体の段鼻側(前側)側面は特に粉粒物によって覆われる部位ではないので損傷しやすいが、そのゴム様弾性体の段鼻側(前側)側面も鋼材で覆われるため損傷することが防止される。
上部ベルトコンベア1は、ベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置100の外郭部101の上方に形成された投入口102から内部に差し込まれ、上部ベルトコンベア1から放出されることにより落下したコークス5は、外郭部101の下方に形成された排出口103から排出されて下部ベルトコンベア2上に載せられる。
そして、最上位段部(突出部)11の上面には、図2に示すように、板状のゴム様弾性体20が敷設されていて、コークス5の落下衝撃を緩和するようにしている。
なお、直線階段11の最上位段部11より下位側の段部12,13の上面にも同様に板状のゴム様弾性体20が敷設されている。
このとき、上部ベルトコンベア1から放出されたコークス5は、直線階段10の最上位段部11上に堆積したコークス5に当接するのである程度コークス5が粉化することは避けられないが、堆積したコークス5はゴム様弾性体20上にあるので、ゴム様弾性体20がない場合と比較して落下衝撃は緩和されその結果、コークス5の粉化が抑制される。
ゴム様弾性体20としてゴム材を使用した場合のゴム材の種類による落下衝撃緩和効果を調査したのでその結果を示す。
これは、荷重(力)を電気信号に変換して出力するロードセルを備えた鉄板上にゴム材を敷き、ゴム材上に2mの高さからコークス5を落下させ、ゴム材を敷かずに落下させた場合とゴム材上に落下させた場合の衝撃値の比較を行った。落下させるコークスの試料重量は、約30g〜230gとし、材質及び厚みの異なる7つのゴム材(ゴムA,ゴムB,ゴムC,ゴムD,ゴムE,ゴムF,ゴムG)を使用して行った。ゴムA及びゴムBには使い古したベルトコンベアの切れ端を使用し、ゴムC〜ゴムGには株式会社ニッチツ社製の天然ゴムを使用した。ここでは、ゴムCにライナード(LND)50(商品名),ゴムDにライナード(LND)60(商品名),ゴムEにライナード(LND)70(商品名),ゴムFにライナテックス(LTX)12T(商品名),ゴムGにライナテックス(LTX)15T(商品名)をそれぞれ使用した。
評価方法としては、ロードセルを備えた鉄板上またはゴム材上へコークス5を落下させた場合に、図6に示す衝撃値のピーク値を最大衝撃値とし、図7に示すように、その最大衝撃値と落下させたコークス試料重量の関係から関係式を導出した。すなわち、鉄板上に落下させた場合の関係式の傾きをa、ゴム材上に落下させた場合の関係式の傾きをb、としてaとbから最大衝撃値の減少率Xを以下に示す式(1)で評価した。
X=(1−b/a)×100(%)・・・・・(1)
その結果、各種ゴム材の最大衝撃値減少率を図4にグラフで示した。最大衝撃値減少率の最も低いものはゴムAで、最大衝撃値減少率の最も高いものはゴムGであった。
これは、試験装置内部にゴムAまたは/およびコークス5を敷き詰めて行ったもので、敷き詰めたコークス5の層厚を100mmと380mmと設定し、ゴムAのみ,コークス(厚さ100mm)のみ,ゴムAおよびコークス(厚さ100mm),ゴムAおよびコークス(厚さ380mm)の4水準で行った。
落下強度試験装置は、2mの高さから供試料を任意の回数落下させることのできる装置であり、コークス試料10kgを任意の回数落下させたもので、供試料であるコークス5の粒径は75mm以上,50mm〜75mm,25mm〜50mmの3水準とした。なお、最大の落下回数はゴムAまたは/およびコークス層によって異なり、累計の落下距離が約60mとなるように設定した。
評価方法としは、落下強度試験装置にて任意の回数、コークス5を落下させた後、コークス5を篩い目75mm,50mm,25mm,15mm,10mm,5mmでふるいわけ、−10mm粉発生量(wt%),平均粒径(mm)にて評価を行った。
また、図10に示すように、コークス5の累積落下距離60mにおいて、小さい粒度のコークス5(25〜50mm)の粉発生率はゴムAを使用することにより約0.5%改善されたことがわかる。
さらに、図11に示すように、コークス5の累積落下距離60mにおいて、大きい粒度のコークス5(十75mm:75mm以上)の平均粒径はゴムAを使用することにより約10mm改善されたことがわかる。
また、図12に示すように、ゴムAにコークス5が100mm堆積している場合は鉄板にコークス5が落下する場合と比較して粉発生率は改善されたことがわかる。
また、図13に示すように、ゴムAにコークス5が380mm堆積している場合も鉄板にコークス5が落下する場合と比較して粉発生率は改善されたことがわかる。
また、図3に示すように、ゴム様弾性体20を、直線階段10の最上位段部11(下位段部12,13についても同様)の上面の段鼻部側から所定間隔Lの領域をあけて敷設するとともに、あけた領域Lに断面略L字状で幅方向に延びしかもゴム様弾性体20よりも背の高い鋼材30を溶接などによって固着するようにしてもよい。
これによれば、段部11〜13の段鼻側となる前側に鋼材30によって堰が設けられるので、コークス5は確実に段部11〜13上に留まりゴム様弾性体20が部分的に露出することが避けられる。よって、コークス5が露出したゴム様弾性体20上に落下することが避けられるのでゴム様弾性体20の損傷を防止することができる。また、図2に示したようにゴム様弾性体20の段鼻側(前側)側面は特にコークス5によって覆われる部位ではないので損傷しやすいが、図3に示すものは、そのゴム様弾性体20の段鼻側(前側)側面も鋼材30で覆われるため損傷することが防止される。
これによれば、空間Sを設けた分、ゴム様弾性体20は撓むことができるのでコークス5の落下衝撃を一層緩和することができる。
また、本発明の実施形態では、上部ベルトコンベア1と下部ベルトコンベア2の間に連続して下降する直線階段10を設けたが、一つあるいは二つ以上の段部を独立して設け、その上にゴム様弾性体20を敷設してコークス5を落下させるようにしてもよい。
さらに、本発明の実施形態では、コークス5が落下する位置Pとなる直線階段10の上位段部11だけでなくそれより下位の段部12,13にもゴム様弾性体20を敷設するようにしたが時間の経過とともにコークス5の堆積によって下位の段部12,13は埋められていくので直線階段10の上位段部11だけにゴム様弾性体20を敷設するようにしてもよい。しかし、下位の段部12,13にもゴム様弾性体20を敷設した方が敷設しない場合よりもコークス5の落下(転がりながら落下するものも含め)時の衝撃をより緩和することができる。
2 下部ベルトコンベア
5 コークス
10 直線階段
11 突出部(上位段部)
12 段部
13 段部
15 段部
20 ゴム様弾性体
30 鋼材
41 支持材
42 支持材
100 ベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置
101 外郭部
101a 上面
101b 傾斜面
101c 立設面
101d 立設面
102 投入口
103 排出口
L 所定間隔
P 落下位置
S 領域
Claims (5)
- 上部ベルトコンベアと下部ベルトコンベアの間に設けられ、上部ベルトコンベアから放出されたコークス,石炭,鉱石などの粉粒物を下部ベルトコンベアにガイドして移載するベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置であって、
上部ベルトコンベアから放出される前記粉粒物の落下位置に、上面に板状のゴム様弾性体が敷設された略水平に延びる突出部を設けて落下衝撃を緩和するようにしたことを特徴とするベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置。 - 前記突出部は、前記上部ベルトコンベアと下部ベルトコンベアの間に設けられた直線階段の上位段部であることを特徴とする請求項1に記載のベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置。
- 前記直線階段の上位段部より下位の段部の上面にも板状のゴム様弾性体を敷設したことを特徴とする請求項2に記載のベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置。
- 前記ゴム様弾性体は、前記突出部の上面から所定間隔の領域をあけて敷設されるとともに、前記領域に断面略L字状で幅方向に延び前記ゴム様弾性体よりも背の高い鋼材が固着されてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置。
- 前記ゴム様弾性体は、その略中央部と前記突出部の上面との間に空間が生じるように嵩上げされてなることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のベルトコンベアの乗り継ぎ部シュート装置。
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