JP2014117997A - アクスルハウジングの製造方法及びアクスルハウジング - Google Patents

アクスルハウジングの製造方法及びアクスルハウジング Download PDF

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Abstract

【課題】高い機械的強度を有するアクスルハウジングの製造方法及びそのようなアクスルハウジングを提供すること。
【解決手段】本体部の胴部の両端に延出した筒状部12の先端部を加熱しながら長手方向に押し込むことにより、前記筒状部の先端部の肉厚を大きくする据え込み加工を行った後、前記筒状部の先端部の内壁面の一部を切削して黒皮を除去し、前記筒状部の先端部の肉厚を前記据え込み加工前の肉厚と同じかそれよりも大きくする。そして、チューブエンド20を前記筒状部12に締り嵌め状に圧入し、前記筒状部の先端部をチューブエンドに溶接する。
【選択図】図5

Description

本発明は、トラック等の車両に使用されるアクスルハウジングの製造方法及びアクスルハウジングに関し、さらに詳しくは、高い強度を有するアクスルハウジングの製造方法及びそのようなアクスルハウジングに関する。
トラックをはじめとする大型車両の後車軸用に、鋼板製のアクスルハウジングが用いられる。アクスルハウジングは、プロペラシャフトの先端部とディファレンシャルギア、アクスルシャフト等を収容するとともに、積載物等の荷重を支持する役割を果たす。
アクスルハウジングの端部には、ホイールベアリングを支持し、アクスルシャフトの回転をホイールに伝達するためのパイプ状のチューブエンド(スピンドル)が取り付けられる。チューブエンドの取り付け構造の一例として、図6(a)に示すように、アクスルハウジング80の端部に同径のチューブエンド90の端縁を突きあわせて溶接Wを施した突き合わせ構造がある。また、別の例として、図6(b)に示すように、アクスルハウジング80(又はチューブエンド90)の端部に段差を形成したインロー構造に溶接Wを施したものが挙げられる。(例えば特許文献1)。
特開2010−126021号公報
車両積載物等の荷重を支持するというアクスルハウジングの機能に鑑みると、アクスルハウジングは高い機械的強度を有する必要がある。特に、溶接が施された部位において、荷重の印加によって容易に破壊されない機械的強度が求められる。しかしながら、上記のようにアクスルハウジングの本体部とチューブエンドの間の溶接部が、突き合わせ構造やインロー構造を有する場合、溶接部において高い機械的強度を得られない。突き合わせ構造の場合、本体部とチューブエンドに重なりがなく、インロー構造の場合、本体部(又はチューブエンド)の壁面の一部の肉厚が他の箇所の肉厚と比べて薄くなっているからである。溶接部が荷重の印加によって破損されると、アクスルハウジングの本来の機能が果たせなくなるうえ、走行中の車両から後車軸部が急に外れるというような事故に至る可能性もある。
本発明が解決しようとする課題は、高い機械的強度を有するアクスルハウジングの製造方法及びそのようなアクスルハウジングを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかるアクスルハウジングの製造方法は、ディファレンシャルギアを収容する胴部と前記胴部の両端に延出した筒状部とを有する本体部と、前記筒状部の先端に取り付けられたチューブエンドと、を備えるアクスルハウジングの製造方法において、前記筒状部の先端部を加熱しながら長手方向に押し込むことにより、前記筒状部の先端部の肉厚を大きくする据え込み加工を行った後、前記筒状部の先端部の内壁面の一部を切削して黒皮を除去し、前記筒状部の先端部の肉厚を前記据え込み加工前の肉厚と同じかそれよりも大きくし、前記チューブエンドを前記筒状部に締り嵌め状に圧入し、前記筒状部の先端部を前記チューブエンドに溶接することを要旨とする。
ここで、前記筒状部の先端部を前記チューブエンドに溶け込み率105%以上で溶接することが好ましい。
また、前記本体部は、前記胴部となる中央部が膨出形成され、前記筒状部となる両端が半筒形に形成された2つの本体部材を対向させて相互に溶接した後、前記胴部と前記筒状部の間の箇所において三角板を前記2つの本体部材に溶接することで形成され、前記2つの本体部材の間の溶接部及び前記2つの本体部材と前記三角板との間の溶接部は、100%の溶け込み率を有することが好ましい。
さらに、前記2つの本体部材の間の溶接及び前記2つの本体部材と前記三角板との間の溶接を、裏当て材を用いて行うと良い。
一方、本発明にかかるアクスルハウジングは、ディファレンシャルギアを収容する胴部と前記胴部の両端に延出した筒状部とを有する本体部と、前記筒状部の先端に取り付けられたチューブエンドと、を備えるアクスルハウジングにおいて、前記筒状部の先端部は、加熱しながら長手方向に押し込んで肉厚を大きくする据え込み加工と、内壁面の一部の切削による黒皮の除去とを施されており、前記黒皮を除去された部位がそれ以外の部位と同じかそれよりも大きい肉厚を有し、前記チューブエンドが、前記筒状部に締り嵌め状に圧入され、前記筒状部の先端部が前記チューブエンドに溶接されていることを要旨とする。
ここで、前記筒状部の先端部は、前記チューブエンドに溶け込み率105%以上で溶接されていると良い。
また、前記本体部は、前記胴部となる中央部が膨出形成され、前記筒状部となる両端が半筒形に形成された2つの本体部材が対向されて相互に溶接され、前記胴部と前記筒状部の間の箇所において三角板が前記2つの本体部材に溶接されることによって形成され、前記2つの本体部材の間の溶接部及び前記2つの本体部材と前記三角板との間の溶接部は、100%の溶け込み率を有することが好ましい。
上記発明にかかるアクスルハウジングの製造方法によると、据え込み加工後に黒皮の除去を行うことで、筒状部の先端部の黒皮を除去された部位の肉厚が、加工前と同じかそれよりも大きくなる。よって、黒皮を除去した後の状態においても、筒状部を構成する鋼板が加工前の強度を保つ。さらに、筒状部にチューブエンドが締り嵌め状に圧入されたうえで溶接されることで、本体部に対してチューブエンドが強固に結合される。これらの結果、本体部とチューブエンドの間の接続部において、高い機械的強度を有するアクスルハウジングを製造することができる。
ここで、前記筒状部の先端部を前記チューブエンドに溶け込み率105%以上で溶接すれば、溶接部においてさらに高い機械的強度を達成することができる。
また、前記本体部が、前記胴部となる中央部が膨出形成され、前記筒状部となる両端が半筒形に形成された2つの本体部材を対向させて相互に溶接した後、前記胴部と前記筒状部の間の箇所において三角板を前記2つの本体部材に溶接することで形成される場合に、2つの本体部材の間の溶接部及び2つの本体部材と三角板との間の溶接部においても、高い機械的強度が得られる。
さらに、前記2つの本体部材の間の溶接及び前記2つの本体部材と前記三角板との間の溶接を、裏当て材を用いて行う場合には、溶融金属の流出を避けて100%の溶け込み率を達成しやすくなる。ここで、裏当て材は、溶接時に発生するスパッタ及びドロス等がアクスルハウジング内部に侵入するのを防止する用途も兼ね備える。
一方、本発明にかかるアクスルハウジングによると、筒状部の先端部の黒皮を除去された部位が、それ以外の部位と同じかそれよりも大きい肉厚を有するので、鋼板の強度がそれ以外の箇所と同等かそれよりも高い水準に維持されている。また、チューブエンドが筒状部に締り嵌め状に圧入されて溶接されているので、チューブエンドが本体部に対して強く結合されている。これらの効果により、本体部とチューブエンドの間の接続部において、高い機械的強度が得られる。
本発明の一実施形態にかかるアクスルハウジングの一例を示す概略斜視図である。 本体部材の製造方法を示す概略図であり、(a)〜(c)の順に加工が行われる。 本体部材と三角板の溶接方法を示す概略図であり、(a)は全体の斜視図、(b)はA−A断面図である。 本体部の筒状部の据え込み加工及び切削加工の方法を示す概略図であり、(a)は据え込み加工後の斜視図、(b)は据え込み加工後のB−B断面図、(c)は切削加工後のB−B断面図である。 本発明の一実施形態にかかるアクスルハウジングについて、本体部の筒状部とチューブエンドの接続部の構造を示す断面図である。(a)は筒状部の先端部を示し、(b)は溶接部を拡大して示している。 従来一般のアクスルハウジングについて、本体部の筒状部とチューブエンドの接続部の構造を示す断面図であり、(a)は突き合わせ構造、(b)はインロー構造を示している。
以下、本発明の一実施形態にかかるアクスルハウジングの製造方法及びアクスルハウジングについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1に本発明にかかるアクスルハウジング1の概略を示す。アクスルハウジング1は、トラック等の大型車両の後車軸用等に用いられ、ディファレンシャルギア等を収容するギアボックスとして機能するとともに、車両積載物等の荷重を支持する役割を果たす。
アクスルハウジング1の本体部10は、トランスミッションから動力を伝達するプロペラシャフトの先端部とディファレンシャルギア等を収容する胴部11を中央に有する。胴部11は、鋼板が半筒形(断面略U字形又は断面略コの字形)に曲げられ、略円環状に膨出形成されている。
胴部11の両端部には、中空の筒状部12が形成されている。筒状部12には、アクスルシャフトが挿通される。また、胴部11と筒状部12の間に形成されている空隙部には、略三角形板状の三角板13が取付けられている。アクスルハウジング1の本体部10には、計4枚の三角板13が備えられている。
本体部10の筒状部12の先端には、筒状の構造を有するチューブエンド20が同軸状に取り付けられている。チューブエンド20は、ホイールベアリングを支持し、アクスルシャフトからの動力をホイールに伝達する役割を果たす。
次に、上記アクスルハウジング1の構造の詳細を、その製造方法とともに説明する。
アクスルハウジング1の本体部10は、鋼板をプレス加工等して得た2つの本体部材10aを主体として形成される。使用する鋼板としては、高い強度と、プレス加工、溶接等の工程における高い加工性を有するものであれば、いかなるものであっても構わないが、例えば特開平4−66648号公報に開示された鋼材を例示することができる。
本体部材10aをプレス加工等によって形成する方法の一例を図2に示す。まず、図2(a)のように、シャーリング等によって、必要な寸法の短冊状の鋼板30を切り出す。
その後、図2(b)のように、胴部11となる位置に、ドレイン穴14として貫通孔を形成する。アクスルハウジング1の胴部11の両端面11a(図1参照)には、最終的にフランジ及びカバー(不図示)が取り付けられ、気密にされた空間に機械油が注入されるが、ドレイン穴14はこの機械油を抜くために使用されるものである。図2(b)において短冊状の鋼板30に形成するドレイン穴14は、楕円形としておく。
さらに、プレス加工によって、本体部材10aの外形を打ち抜くとともに、同時に、半筒形(断面略U字形又は断面略コの字形)で、中央部に胴部11となる膨出部30aを形成するように鋼板を曲げ、本体部材10aを成形する。この時、平板上に楕円形に形成されていたドレイン穴14が、曲げを受けて円形となる。
なお、後述する据え込みの工程において、本体部10の筒状部12の長さが当初よりも短くなる。よって、このプレス加工の段階では、筒状部12となる半筒形部30bの長さを、据え込み工程で短くなる分を勘案して、最終的に必要な長さよりも長く成形しておくことが必要である。
外形の打ち抜き(ブランキング)と曲げ(フォーミング、リストライキング)を独立した工程として実行すること、あるいは曲げまで行ったうえでドレイン穴を形成することも可能ではあるが、上記のように、外形の打ち抜きと曲げを同時に行い、一度のプレス加工で本体部材10aを形成することで、高い生産性が達成される。また、曲げ加工を終えてから円形のドレイン穴を形成するよりも、平板状の鋼板に楕円形のドレイン穴14を形成してから曲げ加工を行って円形とする方が、ドレイン穴14の寸法及び位置の精度、そして生産性に優れる。
以上のようなプレス加工の後、エアプラズマ切断のような切断手段を用いて、余剰の鋼材を除去する。この工程を水中にて行えば、付着物(ドロス)の発生を抑制することができる。
次に、図3(a)に示すように、上記で得た2つの本体部材10aの溶接を行う。2つの本体部10aを、半筒形状が向き合うように対向させて突き合わせるとともに、胴部11となる箇所と筒状部12となる箇所の間の空隙に、別途形成した三角板13を、2辺が本体部材10aの端縁に突き当たるように配置する。
そして、筒状部12となる部位において、2つの本体部材10aの端縁が突き合わせられた箇所(直線部)に対して、溶接を行う。また、三角板13の2辺が本体部材10aの端縁と突き合わせられた箇所に対して、溶接を行う。これらの溶接の溶け込み率は、100%であることが望ましい。溶け込み率とは、溶融金属の浸入深さ/溶接母材の厚さ×100として算出される。図3(b)に筒状部12の長手方向に垂直なA−A方向の断面図を示すように、直線部において溶融金属(W)が溶接母材(筒状部12を構成する鋼板)の厚さの全領域にわたって侵入しており、溶け込み率100%が達成されている。直線部だけでなく、三角板の溶接部も同様に、100%の溶け込み率を有する。このように、溶け込み率を100%とすることで、100%未満の溶け込み率しか有さない場合に比べ、溶接部において、高い機械的強度が達成され、荷重が印加されても破壊を受けにくい。
溶接に際して裏当て材を使用すると、100%の溶け込み率を達成しやすい。つまり、溶接は本体部材10aの外側から行うが、その反対側に、平板状の裏当て材40、41を密着させた状態で溶接を行う。裏当て材40、41を使用することで、溶融金属が下方に流出して溶接ビードが切れることが防止され、100%の溶け込み率が達成されやすくなる。直線部には直線状の裏当て材40を使用し、三角板13の部分には略V字形の裏当て材41を使用すればよい。裏当て材40、41は、鋼板や溶融金属に固着しにくい材質のものが好ましく、カーボン材よりなるものが特に好適である。溶接の完了後、裏当て材40、41は除去する。なお、裏当て材40、41は、溶接時に発生するスパッタやドロスが本体部10内に侵入するのを防止する役割も果たす。
4か所の直線部の溶接と4枚の三角板13の溶接が同様に行われ、2つの本体部材10aと4枚の三角板13が一体に溶接された本体部10が形成される。
次に、図4に示すように、筒状部12の先端部12aに対して、据え込み加工を行う。つまり、高周波誘導加熱等の方法によって筒状部12の先端部12aを均一に加熱しながら、プレス等の手法によって加熱された部分を外側から叩くように押し込む。これにより、図4(b)のように、最終的に必要な筒状部12長さよりも長く形成された余剰部12bの金属材を軟化させた状態で筒状部12の内側に移動させ、先端部12aに、壁面の肉厚が当初よりも内壁面側に大きくなった厚肉部12cが形成される。据え込み加工前には、筒状部12の壁面は均一な厚さを有していたので、厚肉部12cの肉厚は、その他の部位の肉厚よりも大きくなっている。
その後、図4(c)のように、厚肉部12cの内壁面を切削し、表面の黒皮(酸化被膜)を除去し、黒皮除去部12dを形成する。材料の表面を一部切削するので、切削前と比較して切削後の鋼材の厚さは小さくなる。しかし、本体部10においては、上記のように、筒状部12の先端部12aに対して据え込み加工が行われ、厚肉部12cの壁面を厚くした上で切削を行っている。よって、切削する厚さを、据え込み加工によって増加した分の厚さ以下としておけば、黒皮除去部12dの肉厚を、据え込み加工前の先端部12aの肉厚と同じかそれよりも大きくすることができる。つまり、黒皮除去部12dの肉厚を、黒皮除去部12d以外の領域の肉厚と同じかそれよりも大きくすることができる。このように、黒皮除去部12dについて、肉厚を据え込み加工前と同じかそれよりも大きくし、そして据え込みと黒皮除去を受けていない箇所と同じかそれよりも大きい肉厚を確保することで、肉厚が小さくなることによる、筒状部12の先端部12aにおける機械的強度の低下を回避することができる。
先端部12aの加工の寸法についての具体例としては、据え込み加工前の肉厚を6mmとし、据え込み加工によって厚肉部12cの肉厚を8mmとする構成を挙げることができる。そして、厚肉部12cの内壁面を2mm切削して黒皮を除去し、黒皮除去部12dの肉厚を6mmとすればよい。
なお、このような据え込み加工と黒皮の除去は、2つの本体部材12aを相互に溶接する前に行うことも可能ではあるが、上記のように、2つの本体部材12aを溶接して、筒状部12を筒形状に形成してから行う方が、正確な仕上がり寸法を確保することができる。特に黒皮除去部12dの内径寸法の精度は、後述するように、チューブエンド20を締り嵌め状に圧入して固定することに鑑みると重要である。
本体部10の両端の筒状部12に上記のような据え込み加工と黒皮の除去を行った後、筒状部12にチューブエンド20を取り付ける。チューブエンド20は、本体部10とは別に鍛造材を用いて製造しておく。この際、チューブエンド20の端部の外径は、筒状部12の先端部12aの内径、つまり黒皮除去部12d内径よりもわずかに大きく形成しておく。
そして、本体部10の筒状部12の中空部内に、チューブエンド20を締り嵌め状に圧入する。この際、チューブエンド20の端部と筒状部12は、黒皮除去部12dの少なくとも一部に重なるようにする。チューブエンド20を筒状部12に締り嵌め状に圧入することで、チューブエンド20が本体部10に対して強固に結合される。
次いで、図5に示すように、筒状部12の先端部12a端縁の、チューブエンド20の外壁に接する箇所に、溶接Wを施し、本体部10とチューブエンド20の間を固定する。この際、溶接の溶け込み率を105%以上とすることが好ましい。つまり、チューブエンド20が筒状部12に対して締り嵌め状に圧入されているとはいえ、チューブエンド20の外壁面と、筒状部12の内壁面との間には、不可避的に有限の空隙Gが存在するが、図5(b)のように、溶融金属Wがこの隙間Gにも侵入している。そして、その浸入深さをH、筒状部12の先端部12aの肉厚(つまり黒皮除去部12dの肉厚であり、上記例では6mm)をtとすると、H/t×100≧105となっている。このように高い溶け込み率を有することで、筒状部12とチューブエンド20の間の溶接Wの箇所において、高い機械的強度が達成される。
以上のように、本体部10の筒状部12とチューブエンド20との間の接続部位において、(i)黒皮除去に先立って据え込み加工を行うことで、加工前の肉厚が維持されていること、(ii)チューブエンド20が締り嵌め状に圧入されていること、(iii)溶接の溶け込み率が105%以上であること、の効果により、高い機械的強度が達成される。これにより、車両積載物等からアクスルハウジング1が荷重を受けた場合にも、その荷重による筒状部12とチューブエンド20の間の接続箇所における機械的損傷を回避することができる。さらに、上記のように、2つの本体部材10aの間及び本体部材10aと三角板13の間の溶接箇所において、溶け込み率が100%以上とされている場合には、アクスルハウジング1全体の機械的強度が一層高くなる。
チューブエンド20を取り付けた後、フランジ及びカバーの取り付け、サポート部材の取り付け等の工程を経て、最終的なアクスルハウジングが完成される。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、本発明が実現されるものであれば、工程の詳細や順序は、上記したものに限られない。
1 アクスルハウジング
10 本体
10a 本体部材
11 胴部
12 筒状部
12a 先端部
12b 余剰部
12c 厚肉部
12d 黒皮除去部
13 三角板
14 ドレイン穴
20 チューブエンド
W 溶接(溶融金属)

Claims (7)

  1. ディファレンシャルギアを収容する胴部と前記胴部の両端に延出した筒状部とを有する本体部と、前記筒状部の先端に取り付けられたチューブエンドと、を備えるアクスルハウジングの製造方法において、
    前記筒状部の先端部を加熱しながら長手方向に押し込むことにより、前記筒状部の先端部の肉厚を大きくする据え込み加工を行った後、前記筒状部の先端部の内壁面の一部を切削して黒皮を除去し、前記筒状部の先端部の肉厚を前記据え込み加工前の肉厚と同じかそれよりも大きくし、
    前記チューブエンドを前記筒状部に締り嵌め状に圧入し、前記筒状部の先端部を前記チューブエンドに溶接することを特徴とするアクスルハウジングの製造方法。
  2. 前記筒状部の先端部を前記チューブエンドに溶け込み率105%以上で溶接することを特徴とする請求項1に記載のアクスルハウジングの製造方法。
  3. 前記本体部は、前記胴部となる中央部が膨出形成され、前記筒状部となる両端が半筒形に形成された2つの本体部材を対向させて相互に溶接した後、前記胴部と前記筒状部の間の箇所において三角板を前記2つの本体部材に溶接することで形成され、
    前記2つの本体部材の間の溶接部及び前記2つの本体部材と前記三角板との間の溶接部は、100%の溶け込み率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクスルハウジングの製造方法。
  4. 前記2つの本体部材の間の溶接及び前記2つの本体部材と前記三角板との間の溶接を、裏当て材を用いて行うことを特徴とする請求項3に記載のアクスルハウジングの製造方法。
  5. ディファレンシャルギアを収容する胴部と前記胴部の両端に延出した筒状部とを有する本体部と、前記筒状部の先端に取り付けられたチューブエンドと、を備えるアクスルハウジングにおいて、
    前記筒状部の先端部は、加熱しながら長手方向に押し込んで肉厚を大きくする据え込み加工と、内壁面の一部の切削による黒皮の除去とを施されており、前記黒皮を除去された部位がそれ以外の部位と同じかそれよりも大きい肉厚を有し、
    前記チューブエンドが、前記筒状部に締り嵌め状に圧入され、前記筒状部の先端部が前記チューブエンドに溶接されていることを特徴とするアクスルハウジング。
  6. 前記筒状部の先端部は、前記チューブエンドに溶け込み率105%以上で溶接されていることを特徴とする請求項5に記載のアクスルハウジング。
  7. 前記本体部は、前記胴部となる中央部が膨出形成され、前記筒状部となる両端が半筒形に形成された2つの本体部材が対向されて相互に溶接され、前記胴部と前記筒状部の間の箇所において三角板が前記2つの本体部材に溶接されることによって形成され、
    前記2つの本体部材の間の溶接部及び前記2つの本体部材と前記三角板との間の溶接部は、100%の溶け込み率を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のアクスルハウジング。
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