JP2014117879A - 耐プレートアウト性の評価方法、塩化ビニル樹脂組成物及び押出成形方法 - Google Patents

耐プレートアウト性の評価方法、塩化ビニル樹脂組成物及び押出成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金型を用いて樹脂組成物を押出成形する場合に、用いる樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できる耐プレートアウト性の評価方法及び押出成形方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法では、金型を用いて押出成形される樹脂組成物の耐プレートアウト性を評価する。本発明に係る押出成形法では、金型を用いて樹脂組成物を押出成形する。本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法及び押出成形方法では、上記金型として、上記樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用いる。本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法では、上記金型を用いて上記樹脂組成物を押出成形して、上記段差部におけるプレートアウト物の状態を評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金型を用いて押出成形される樹脂組成物の耐プレートアウト性の評価方法に関する。また、本発明は、金型を用いて樹脂組成物を押出成形する押出成形方法に関する。また、本発明は、金型を用いて押出成形される塩化ビニル樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物は、押出成形することで、各種の成形品に加工されている。
上記熱可塑性樹脂に相当する塩化ビニル樹脂は、一般に、機械的強度、耐候性及び耐薬品性に優れている。このため、塩化ビニル樹脂を含む塩化ビニル樹脂組成物は、各種の成形品に加工されており、多くの分野で使用されている。
塩化ビニル樹脂を含む塩化ビニル樹脂組成物を押出成形する場合に、プレートアウトが生じることがある。
下記の特許文献1には、押出成形時において、プレートアウト現象を少なくし、成形加工性を高めることができる組成物が開示されている。具体的には、特許文献1には、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、ヒドロキシ脂肪酸と脂肪酸塩とを質量比率で1:9〜9:1で含み、かつヒドロキシ脂肪酸と脂肪酸塩との合計添加量が0.05〜2.0質量部である塩化ビニル樹脂組成物が開示されている。
下記の特許文献2には、塩化ビニル樹脂100重量部と、安定剤0.5〜5重量部と、炭酸カルシウム3〜10重量部とを含む塩化ビニル樹脂組成物が開示されている。この塩化ビニル樹脂組成物では、上記炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム75〜90重量%と膠質炭酸カルシウム25〜10重量%とを含む。
特開2008−208345号公報 特開2003−138081号公報
従来、樹脂組成物がプレートアウトしやすいか否かについては、樹脂組成物を長時間押出成形して、成形体を実際に生産することで判別している。しかしながら、このような判別方法では、用いる樹脂組成物が耐プレートアウト性に優れるか否かを短時間で判別することができない。このため、樹脂組成物の種類を変えるごとに、プレートアウトのしやすさを判別するために、長時間連続生産しなければならない。
本発明の目的は、金型を用いて樹脂組成物を押出成形する場合に、用いる樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できる耐プレートアウト性の評価方法及び押出成形方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、金型を用いて押出成形される樹脂組成物の耐プレートアウト性の評価方法であって、前記金型として、前記樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用い、前記金型を用いて前記樹脂組成物を押出成形して、前記段差部におけるプレートアウト物の状態を評価する、耐プレートアウト性の評価方法が提供される。
本発明の広い局面によれば、金型を用いて樹脂組成物を押出成形する押出成形方法であって、前記金型として、前記樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用いる、押出成形方法が提供される。
前記段差部を構成する2つの面のなす角度が90°±20°であることが好ましい。前記樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂を含む塩化ビニル樹脂組成物であることが好ましい。前記樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、カルシウム−亜鉛系安定剤とを含むことが好ましい。
本発明の広い局面によれば、金型を用いて押出成形される塩化ビニル樹脂組成物であって、上述した耐プレートアウト性の評価方法又は上述した押出成形方法で、前記金型を用いて塩化ビニル樹脂組成物を5時間押出成形したときに、前記段差部におけるプレートアウト物が固体ではない、塩化ビニル樹脂組成物が提供される。
本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法は、樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用い、上記金型を用いて上記樹脂組成物を押出成形して、上記段差部におけるプレートアウト物の状態を評価するので、用いる樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できる。
本発明に係る押出成形方法では、樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用いるので、用いる樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る耐プレートアウト性の評価方法及び押出成形方法に用いられる金型の形状の一例を説明するための断面図である。 図2(a)及び(b)は、図1に示す金型に用いられる偏芯リングを示す断面図である。 実施例、比較例及び参考例において、押出成形に用いられる金型を説明するための断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(耐プレートアウト性の評価方法及び押出成形方法)
本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法では、金型を用いて押出成形される樹脂組成物の耐プレートアウト性を評価する。本発明に係る押出成形法では、金型を用いて樹脂組成物を押出成形する。本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法及び本発明に係る押出成形方法では、上記金型として、上記樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用いる。本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法では、上記金型を用いて上記樹脂組成物を押出成形して、上記段差部におけるプレートアウト物の状態を評価する。
上記段差部におけるプレートアウト物の状態を評価するために、プレートアウト物があるか否か、並びにプレートアウト物が固体であるか否かを観察することができる。プレートアウト物が固体である場合には、耐プレートアウト性が低いと判別できる。プレートアウト物が無い場合、並びにプレートアウト物が固体ではない場合には、耐プレートアウト性が高いと判別できる。
流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用いることで、該段差部を有さない金型を用いた場合と比べて、金型内を樹脂組成物が流れる際に、段差部においてプレートアウト物が比較的生じやすくなる傾向がある。このため、金型を用いて樹脂組成物を押出成形する場合に、用いる樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できる。
なお、樹脂組成物の流路で上記段差部が部分的に設けられている場合、及び上記段差部における段差が部分的に異なる場合には、上記段差は最大段差を意味する。すなわち、上記段差部における最大段差が0.5mm以上、10mm以下であればよい。なお、段差が0.5mm以上、10mm以下の範囲内にある段差部の幅(距離)は、20mm以上であることが好ましい。
上記段差部の段差が0.5mm未満又は10mmを超えると、樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別することが困難になる。
上記金型の流路の内面に上記段差部を設ける方法は特に限定されない。上記段差部は、金型自体が内面に段差部を有するように加工されていてもよく、段差部を形成するための部材が金型の内面に取り付けられていてもよい。また、上記段差部を設ける具体的な方法としては、金型の流路径を拡大又は縮小する方法、金型の流路の一部の領域を楕円形化する方法、及び金型の内面をテーパー加工する方法等が挙げられる。
上記段差部は、金型の流路径が拡大する前部分の表面と該表面に連なる流路径が拡大している部分の側面とにより構成されている。上記段差部を構成する2つの面のなす角度が90°±20°の範囲内であることが好ましい。金型の流路径が拡大する前部分の表面と該表面に連なる流路径が拡大している部分の側面とのなす角度が上記範囲内であることが好ましい。上記角度が上記範囲内であると、樹脂組成物の耐プレートアウト性をより効率的に判別できる。
上記金型の素材としては特に限定されないが、ステンレス鋼が好ましく、HPM38がより好ましい。上記金型の素材は炭素鋼であってもよい。金型の内面を、ブラストショットなどで荒らしてもよい。
上記耐プレートアウト性の評価方法及び上記押出成形方法では、押出成形時の押出速度は、好ましくは10kg/h以上、好ましくは40kg/h以上である。
上記耐プレートアウト性の評価方法及び上記押出成形方法では、押出成形時の塩化ビニル樹脂組成物の押出温度は、好ましくは185℃以上、好ましくは205℃以下、特に好ましくは195℃である。なお、塩化ビニル樹脂以外の熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の押出温度は、用いる熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜変更可能である。
成形に用いる成形機としては特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、及び二軸同方向押出機等が挙げられる。
図1に、本発明の一実施形態に係る耐プレートアウト性の評価方法及び押出成形方法に用いられる金型の形状の一例を模式的に断面図で示す。
図1に示す金型1は、金型1の内面1aにより囲まれた流路1bを有する。流路1bの断面形状は円形である。流路1bにおいて、樹脂組成物は矢印Xで示す方向に流れる。金型1は、流路1bの内面に、流路径が拡大するように段差h0.5mm以上、10mm以下の段差部1cを有する。段差部1cを構成する2つの面のなす角度αは90°である。
金型1は、金型本体1Aと、偏芯リング1Bと、金型本体1Aに偏芯リング1Bを取り付けるための取り付け部材1Cとを備える。偏芯リング1Bは、段差部1cを形成するための部材である。ここでは、2つの取り付け部材1Cが、偏芯リング1Bの両側で用いられている。
図2(a)に、図1に示す偏芯リング1Bを拡大して示す。図2(b)に、図2(a)中のI−I線に沿う断面図を示す。偏芯リング1Bは、円環状である。偏芯リング1Bでは、外径芯1Baと、内径芯1Bb(穴芯)との位置が異なる。
金型本体1Aと偏芯リング1Bとの間に、取り付け部材1Cが配置されている。金型本体1Aと偏芯リング1Bと取り付け部材1Cとの全体により、金型1の内面1aが形成されている。金型本体1Aと取り付け部材1Cとの内径は等しい。このため、金型本体1Aと取り付け部材1Cとの境界で、金型1は、内面1aに段差部を有さない。偏芯リング1Bの外径芯1Baと内径芯1Bbとの位置が異なることから、取り付け部材1Cと偏芯リング1Bとの境界で、金型1は、内面1aに段差部1cを有する。取り付け部材1Cの内面と、該内面に連なる(偏芯リング1Bに連なる)取り付け部材1Cの側面とで、段差部1cが形成されている。この金型1を用いて樹脂組成物を押出成形した場合には、段差部1cの下流側で、すなわち図1における偏芯リング1Bの下面上(Yを付して示す部位)に、プレートアウト物が生じやすい。
以下、本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法及び本発明に係る押出成形方法に用いられる樹脂組成物の詳細を説明する。
(樹脂組成物)
上記樹脂組成物に含まれる樹脂は特に限定されず、押出成形される各種の熱可塑性樹脂を使用可能である。上記熱可塑性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及び(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は、塩化ビニル樹脂であることが好ましい。上記樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂を含む塩化ビニル樹脂組成物であることが好ましい。上記塩化ビニル樹脂組成物を用いた場合には、プレートアウトが問題になりやすい。上記塩化ビニル樹脂組成物を用いた場合に、本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法及び本発明に係る押出成形方法は、塩化ビニル樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できることから、より一層有効に用いることができる。
上記塩化ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニルモノマーの単独重合体、塩化ビニルモノマーと塩化ビニルと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。該共重合体は、50重量%以上の塩化ビニルモノマーと50重量%以下の塩化ビニルと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であることが好ましい。
上記塩化ビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマーとしては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、ビニルエーテル、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、フッ化ビニル及びマレイミド等が挙げられる。上記ビニルモノマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
樹脂組成物の押出成形時の熱安定性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物は、安定剤を含むことが好ましい。
上記安定剤としては特に限定されず、有機錫系安定剤、鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、カドミウム−バリウム系安定剤及びポリオール等が挙げられる。上記安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
樹脂組成物において有機錫系安定剤及び鉛系安定剤の使用を避ける観点からは、上記安定剤は、亜鉛系安定剤を含むことが好ましく、カルシウム−亜鉛系安定剤を含むことがより好ましい。上記亜鉛系安定剤及び上記カルシウム−亜鉛系安定剤は、亜鉛原子を含む。上記カルシウム−亜鉛系安定剤は、カルシウム原子を含む。上記カルシウム−亜鉛系安定剤として、カルシウム系安定剤と亜鉛系安定剤とを併用してもよい。
上記亜鉛系安定剤及び上記カルシウム−亜鉛系安定剤を用いた場合には、有機錫系安定剤及び鉛系安定剤の使用を避けることができる一方で、プレートアウトが生じやすくなる傾向がある。これは、押出成形時に反応生成物として、塩化亜鉛が生じるためである。塩化亜鉛は、亜鉛焼けの原因となり、樹脂組成物の分解を促進する。
これに対して、上記亜鉛系安定剤又は上記カルシウム−亜鉛系安定剤を用いた場合に、本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法及び本発明に係る押出成形方法は、塩化ビニル樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できることから、より一層有効に用いることができる。
上記有機錫系安定剤としては、例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート及びジブチル錫ラウレートポリマー等が挙げられる。上記鉛系安定剤としては、ステアリン酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛及び三塩基性硫酸鉛等が挙げられる。
上記樹脂組成物は、ポリオールを含むことが好ましい。ポリオールは安定剤である。ポリオールを用いた場合には、上記亜鉛系安定剤又は上記カルシウム−亜鉛系安定剤を用いていても、亜鉛焼けが生じ難くなり、樹脂組成物の分解を抑制できる。
上記亜鉛系安定剤又は上記カルシウム−亜鉛系安定剤と上記ポリオールとを用いた場合に、本発明に係る耐プレートアウト性の評価方法及び本発明に係る押出成形方法は、樹脂組成物の耐プレートアウト性を短時間で判別できることから、より一層有効に用いることができる。
上記ポリオールとしては、ソルビトール、マンニトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリシリトール等が挙げられる。
上記安定剤の使用量は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂100重量部及び上記塩化ビニル樹脂100重量部に対して、上記安定剤の含有量は好ましくは0.5重量部以上、好ましくは2重量部以下である。
上記亜鉛系安定剤及び上記カルシウム−亜鉛系安定剤の使用量は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂100重量部及び上記塩化ビニル樹脂100重量部に対して、上記亜鉛系安定剤及び上記カルシウム−亜鉛系安定剤の各含有量は好ましくは0.5重量部以上、好ましくは2重量部以下である。
上記ポリオールの使用量は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂100重量部及び上記塩化ビニル樹脂100重量部に対して、上記ポリオールの含有量は好ましくは0.01重量部以上、好ましくは0.5重量部以下である。
上記樹脂組成物及び上記塩化ビニル樹脂組成物は、必要に応じて、充填材、滑剤、加工助剤、安定化助剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、可塑剤、補強剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、改質剤、抗菌剤、防カビ剤及び表面処理剤等の添加剤を添加してもよい。
成形体の機械的強度を効果的に高め、かつ成形体の体積を増大させ、成形体のコストを低くする観点からは、上記樹脂組成物及び上記塩化ビニル樹脂組成物は、充填材を含むことが好ましい。
上記充填材としては、無機充填材、有機充填材及び有機無機複合充填材等が挙げられる。なかでも、無機充填材が好ましい。上記充填材は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填材としては、層状珪酸塩、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、硫酸バリウム、フライアッシュ及びガラス繊維等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂100重量部及び上記塩化ビニル樹脂100重量部に対して、上記充填材の含有量は好ましくは0.1重量部以上、好ましくは50重量部以下である。上記充填材の含有量が上記下限以上であると、成形体の体積が効果的に増大し、成形体のコストが低くなる。上記充填材の含有量が上記上限以下であると、成形体中での充填材間の距離が大きくなる結果、成形体に力が加わった際に、熱可塑性樹脂又は塩化ビニル樹脂と充填材との界面を力が伝わり難くなってクラックが生じ難くなり、成形体の機械的強度がより一層高くなる。
樹脂組成物の押出成形性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物及び上記塩化ビニル樹脂組成物は、滑剤を含むことが好ましい。
上記滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフィンワックス系滑剤、ポリオレフィンワックス系滑剤、ステアリン酸系滑剤、アルコール系滑剤及びエステル系滑剤等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記滑剤の使用量は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂100重量部及び上記塩化ビニル樹脂100重量部に対して、上記滑剤の含有量は好ましくは0.3重量部以上、好ましくは3重量部以下である。
上記樹脂組成物及び上記塩化ビニル樹脂組成物の押出成形性をより一層高める観点からは、上記樹脂組成物及び上記塩化ビニル樹脂組成物は、加工助剤を含むことが好ましい。
上記加工助剤としては特に限定されず、例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート/アルキルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤等が挙げられる。上記加工助剤の具体例としては、n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、及び2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。上記加工助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記加工助剤の使用量は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂100重量部及び上記塩化ビニル樹脂100重量部に対して、上記加工助剤の含有量は好ましくは0.3重量部以上、好ましくは2.0重量部以下である。
上記安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、及びリン酸エステル等が挙げられる。上記安定化助剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系及びシアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、並びにヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系及び染料レーキ系等の有機顔料、並びに酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物−セレン化物系及びフェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。上記顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、成形時の加工性を高める目的で、上記樹脂組成物及び上記塩化ビニル樹脂組成物は、可塑剤を含んでいてもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、及びジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
金型を用いて押出成形される塩化ビニル樹脂組成物に関しては、上述した耐プレートアウト性の評価方法又は上述した押出成形方法で、上記金型を用いて塩化ビニル樹脂組成物を5時間押出成形したときに、上記段差部におけるプレートアウト物が固体ではないことが好ましい。このような塩化ビニル樹脂組成物の使用により、外観不良が抑制された成形体を高い生産効率で得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1〜8、比較例1,2及び参考例1〜4)
(1)塩化ビニル樹脂組成物の調製
実施例、比較例及び参考例では、下記の表1,2に示す配合成分を下記の表1,2に示す配合量で配合して、ヘンシェルミキサーにて撹拌しながら100℃まで昇温し、次にクーリングミキサーで室温(23℃)まで冷却して、塩化ビニル樹脂組成物を得た。
(2)耐プレートアウト性の評価
二軸異方向押出機(長田製作所社製「SLM50」)を用意した。この押出機は、段差部の有無及び段差hを除いて図1に示す形状の金型を備える。この金型では、金型本体に偏芯リングが、取り付け部材により取り付けられている。金型の素材はHPM38である。なお、金型本体の円環状の内径は40mmであった。
実施例1〜8、比較例2及び参考例1〜4では、金型の塩化ビニル樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように下記の表1,2に示す段差の段差部を設けた。また、実施例1〜8、比較例2及び参考例1〜4では、段差部を構成する2つの面の成す角度を下記の表1,2に示すように設定した。なお、比較例1では、段差部を設けなかった。
次に、上記押出機を用いて、得られた塩化ビニル樹脂組成物を押出速度14kg/h及び押出温度195℃で押出成形した。
押出成形を開始してから5時間後に、金型を解体して、偏芯リングを取り出した。偏芯リングを取り出してから1分後に、偏芯リングの内面上におけるプレートアウト物の状態を評価した。結果を下記の表1,2に示す。
(生産時のプレートアウト物の付着状況の評価)
二軸異方向押出機(積水工機社製「SLM90」)を用意した。この押出機では、図3に示す形状の金型51を接合させて用いた。この金型51の内面には段差部を設けなかった。
次に、上記押出機を用いて、得られた塩化ビニル樹脂組成物を押出速度150kg/h及び押出温度195℃で押出成形した。押出成形を開始してから72時間が経過するまで、図3の矢印Zを付して示す部位において、金型にプレートアウト物が付着するか否かを観察した。
結果を下記の表1,2に示す。なお、生産時のプレートアウト物の付着状況を評価した結果、実施例1〜8では、プレートアウト物の付着が無いか、又は参考例1〜4よりも付着物の量が極めて少ないことを確認した。参考例2,4では、13時間の押出成形でプレートアウト物の付着が見られたが、実施例1〜8では、13時間の連続押出成形後でもプレートアウト物の付着は見られなかった。
Figure 2014117879
Figure 2014117879
1…金型
1a…内面
1b…流路
1c…段差部
1A…金型本体
1B…偏芯リング
1Ba…外径芯
1Bb…内径芯
1C…取り付け部材

Claims (10)

  1. 金型を用いて押出成形される樹脂組成物の耐プレートアウト性の評価方法であって、
    前記金型として、前記樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用い、
    前記金型を用いて前記樹脂組成物を押出成形して、前記段差部におけるプレートアウト物の状態を評価する、耐プレートアウト性の評価方法。
  2. 前記段差部を構成する2つの面のなす角度が90°±20°である、請求項1に記載の耐プレートアウト性の評価方法。
  3. 前記樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂を含む塩化ビニル樹脂組成物である、請求項1又は2に記載の耐プレートアウト性の評価方法。
  4. 前記樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、カルシウム−亜鉛系安定剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐プレートアウト性の評価方法。
  5. 金型を用いて押出成形される塩化ビニル樹脂組成物であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐プレートアウト性の評価方法で、前記金型を用いて塩化ビニル樹脂組成物を5時間押出成形したときに、前記段差部におけるプレートアウト物が固体ではない、塩化ビニル樹脂組成物。
  6. 金型を用いて樹脂組成物を押出成形する押出成形方法であって、
    前記金型として、前記樹脂組成物が流れる流路の内面に、流路径が拡大するように段差0.5mm以上、10mm以下の段差部を有する金型を用いる、押出成形方法。
  7. 前記段差部を構成する2つの面のなす角度が90°±20°である、請求項6に記載の押出成形方法。
  8. 前記樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂を含む塩化ビニル樹脂組成物である、請求項6又は7に記載の押出成形方法。
  9. 前記樹脂組成物が、塩化ビニル樹脂と、カルシウム−亜鉛系安定剤を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の押出成形方法。
  10. 金型を用いて押出成形される塩化ビニル樹脂組成物であって、
    請求項6〜9のいずれか1項に記載の押出成形方法で、前記金型を用いて塩化ビニル樹脂組成物を5時間押出成形したときに、前記段差部におけるプレートアウト物が固体ではない、塩化ビニル樹脂組成物。
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