JP2014117720A - アーク溶接ロボットシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来は、単一のアーク溶接ロボットのモニタ値しか管理することができなかった。
【解決手段】
各ロボット制御装置RC1等は、溶接作業工程の開始及び終了時に溶接作業工程に関する工程区画情報をネットワーク20を介してモニタ装置PCに対して送信する。溶接作業工程中は実行状態が変化する毎に、実行状態情報を制御対象の溶接機に送信する。各溶接機Y1等は溶接作業工程中に取得したモニタ値を時系列でRAM23に記憶し、モニタ装置PCに送信する。モニタ装置PCは取得情報にタイムスタンプを付けて記憶装置34に保存する。モニタ装置と複数のロボットがネットワーク接続された生産ラインで1つのワークに対して同時に溶接加工を行う場合、ライン全体のモニタ値を一元管理することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、アーク溶接ロボットシステムに関するものである。
近年の省人化、或いは無人化されたアーク溶接ラインにおいては、個々の溶接ワークの各溶接部位に対して、全ての溶接施工データ(指令値と実値)を確実に記録しておき、事後に追跡できるようにしておく、いわゆるトレーサビリティの確保が、品質管理において重要となっている。前述したアーク溶接ラインにおいては、生産効率を上げるために1つの溶接ワークに対して複数のアーク溶接ロボットで同時に溶接施工を行うことも多い。このような場合に、トレーサビリティを確保するためには、同時にアーク溶接を行った全てのアーク溶接ロボットの溶接施工データを一元的に管理しておく必要がある。
また、アーク溶接ロボットによるアーク溶接において、アーク切れや溶着などの溶接異常、溶け込み不足や溶接ビードなどの施工不良が発生した場合、その原因を究明するために微小な時間領域での溶接現象を解析することも多い。この場合、前記現象が発生した部分において、高い周波数でサンプリングした実溶接電流と実溶接電圧が少なくとも必要となる。それらに加え、実ワイヤ送給速度や実ガス流量などの付加情報があれば、原因究明に有効となる。
特許文献1では、アーク溶接中の溶接電流、溶接電圧及び各種センサにより波形データと、ロボットの動作軌跡とを同期させて記憶し、ディスプレイ上に表示するアーク溶接モニタが提案されている。このモニタ装置では、溶接異常判定も行うことができ、異常があった部分は表示色が変わるようにされている。また、特許文献1では、溶接電流及び溶接電圧の検出手段は、ロボット制御装置外であって、かつ、アーク溶接機外に独立して設置されている。
特許文献2では、アーク溶接中の溶接電流出力平均値、溶接電圧出力平均値などの計測データをプログラム名、溶接箇所とともに履歴情報として保存できるアーク溶接ロボットが開示されている。特許文献2では履歴として保存できるのが、溶接電流と溶接電圧の教示ステップ間の平均値であるため、記憶装置の記憶容量は少なくて済む利点がある。ここでの履歴のタイミングは、全ての溶接条件変更時、または異常発生時のいずれかから選択可能にされている。
特許文献3では、外部機器を用いることなく、溶接作業時の波形データの収集や表示をアーク溶接ロボット単独で行う技術が開示されている。特許文献3の技術では、収集されたデータの保存先は、アーク溶接ロボットの制御装置に内蔵されたRAM、またはティーチペンダントに接続された外部メモリとなっている。
特開平11−58007号公報 特開2006−26655号公報 特開2006−26640号公報
ところが、特許文献1では、下記の(1)及び(2)の問題がある。
(1) 1つのワークに対して複数のアーク溶接ロボットで同時に溶接施工を行う場合、トレーサビリティを確保するためには、全ての溶接ロボットの施工データを一元的に管理する必要がある。しかし、特許文献1の技術では、個々のアーク溶接ロボットの施工データをモニタすることはできるが、複数のアーク溶接ロボットのデータを一元的に管理することができない。
(2) 特許文献1の技術では全ての溶接施工に対して、同じ周波数でサンプリングした波形データを履歴として保存する。このため、高周波数のサンプリングにした場合、高速でアクセスできる大容量の不揮発性記憶装置がロボット制御装置毎に必要となり、システムが非常に高価となる。
特許文献2においても、上記(1)の問題がある。
特許文献3では、ロボット制御装置とアーク溶接機外に検出手段を設ける必要はないが、上記(1)及び(2)の問題がある。
本発明の目的は、1つのワークに対して複数台のロボットに作業を行わせるロボットシステムにおいて、モニタ値及び指令情報を含むモニタ関連情報を確実に保存してトレーサビリティを確保できるとともに、一元管理することもできるアーク溶接ロボットシステムを提供することにある。
上記問題点を解決するために、アーク溶接ロボットシステムは、モニタ装置と、複数のアーク溶接ロボットをそれぞれ制御する複数のロボット制御装置と、前記ロボット制御装置毎に設けられて、溶接作業工程中に前記ロボット制御装置からの溶接に関する指令情報に応じて制御対象のアーク溶接ロボットの溶接トーチに溶接電流を供給する複数の溶接機とが共通のネットワークを介して接続されたアーク溶接ロボットシステムにおいて、各ロボット制御装置は、前記溶接作業工程の開始及び終了時には、それぞれ前記溶接作業工程に関する工程区画情報を前記モニタ装置に対して送信するとともに、前記溶接作業工程中に実行状態が変化する毎に、前記実行状態の情報(以下、実行状態情報という)を制御対象の溶接機に送信する送信部を備え、前記各溶接機は、前記溶接作業工程中に取得したモニタ値、前記指令情報、及び前記実行状態情報(以下、これらを取得情報という)を時系列で記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶した取得情報を前記モニタ装置に送信する溶接機送信部とを備え、前記モニタ装置は、前記各ロボット制御装置から送信される工程区画情報及び前記各溶接機から送信される前記取得情報にタイムスタンプを付けて保存するモニタ記憶部を備えるものである。
前記各ロボット制御装置の送信部は、前記工程区画情報の送信時に併せて送信元のIDコードを前記モニタ装置に対して送信し、前記各溶接機は、前記取得情報を送信元のIDコードを付与して前記モニタ装置に対して送信することが好ましい。
前記溶接機送信部は、前記溶接作業工程中は単位時間当たりに送信するデータ量を少なくして通信を行い、前記溶接作業工程後は単位時間当たりに送信するデータ量を増大して行うことが好ましい。
また、前記溶接機は、前記溶接電流を供給する溶接電源を制御するとともに前記溶接機送信部を制御する制御部を備え、前記溶接機送信部は、前記溶接作業工程中は前記制御部によるバックグラウンド処理により通信を行うとともに前記溶接作業工程後は前記制御部によるフォアグラウンド処理により通信を行い、前記制御部は前記フォアグラウンド処理での負荷を前記バックグラウンド処理での負荷よりも大きくして前記溶接機送信部に通信を行わせることが好ましい。
本ロボットシステムによれば、1つのワークに対して複数台のロボットに作業を行わせるロボットシステムにおいて、モニタ値及び指令情報を含むモニタ関連情報を確実に保存してトレーサビリティを確保できるとともに、一元管理することもできる効果を奏する。
一実施形態のアーク溶接ロボットシステムのネットワーク図。 ロボット制御装置、溶接機及びモニタ装置の電気ブロック図。 ロボット制御装置が実行するモニタ処理プログラムのフローチャート。 溶接機が実行するモニタ処理プログラムのフローチャート。 作業プログラムの説明図。 他の実施形態のアーク溶接ロボットシステムのネットーワーク図。
以下、本発明をアーク溶接ロボットシステムに具体化した一実施形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すようにアーク溶接ロボットシステム10は、アーク溶接を行うように構成された複数のロボットR1〜RNと、各ロボットを制御するロボット制御装置RC1〜RCN及びモニタ装置PCを有する。
ロボット制御装置RC1〜RCN(N=1,2……)がそれぞれ制御するロボットR1〜RNは公知の多関節ロボットであるため、簡略して説明する。ロボットを構成するマニピュレータは、フロア等の適当な箇所に固定されるベース部材と、それに複数の関節を介して連結された複数のアームと、各アームを駆動する図示しない駆動モータとによって構成されている。前記駆動モータには、図示しないロータリエンコーダを備え、前記駆動モータの現在位置の検出が可能である。マニピュレータ先端の手首部の先端には、被溶接物であるワーク(図示しない)に対してアーク溶接を行う溶接トーチ(図示しない)が取付けられている。
また各ロボット制御装置RC1〜RCNには、作業者が各ロボットR1〜RNを操作するためのティーチペンダント(図示しない)及び溶接機Y1〜YNがそれぞれ接続されている。
図1に示すように、ロボット制御装置RC1〜RCN、溶接機Y1〜YN及びモニタ装置PCは、有線のネットワーク20を介して互いに接続されている。前記ネットワーク20は、例えばLAN方式のイーサネット(登録商標)にて構成されている。なお、ネットワーク20は、LAN方式のイーサネットに限定されるものではなく、他のネットワークで構成されていてもよい。
前記ネットワーク20では、情報通信及び制御指令の通信を行うことが可能である。例えば、ロボット制御装置間での情報交換のための通信、溶接機間での情報交換のための通信、ロボット制御装置とモニタ装置PC間の情報通信、及びロボット制御装置と制御対象の溶接機との通信が可能である。
(ロボット制御装置)
次に、ロボット制御装置及び溶接機を説明する。なお、ロボット制御装置RC1〜RCNの構成は同じのため、代表してロボット制御装置RC1の構成を説明する。
図2に示すようにロボット制御装置RC1は、CPU(中央処理装置)11、ROM12、RAM13、ネットワーク通信部14、記憶装置15、及び主制御部16等を備え、各部は図示しないバスを介して相互に接続されている。
前記ROM12には、前記制御装置自体のシステムプログラムが格納されている。RAM13は、揮発性のメモリであって、後述する作業プログラム等の各種プログラムを実行するときの作業メモリとなる。ネットワーク通信部14は、ネットワーク20を介して他のロボット制御装置RC2〜RCN、及びモニタ装置PCと通信を行う。ネットワーク通信部14は、送信部に相当する。
前記記憶装置15は、書き込み読出し可能なメモリであって、例えばハードディスク、半導体メモリ等からなる。記憶装置15は、ロボットの作業プログラム及び後述するモニタ関連情報が記憶される。
主制御部16は、図示しないティーチペンダントで教示された後述する作業プログラムの各教示ステップを解析する解析部16aと、解析部16aが解析した解析報等に基づき公知の方法で軌道計画及び補間演算を行い、前記マニピュレータの関節に設けられた図示しない前記ロータリエンコーダからの現在位置情報等に基づき制御値を生成する実行部16bを備えている。実行部16bは、前記制御値を図示しないサーボドライバを介して、前記マニピュレータの各関節に設けられた図示しない駆動モータを回転制御し、前記マニピュレータの手首部の前記溶接トーチを移動する。
(作業プログラムの例)
図5に作業プログラムの例を示す。図5に示す作業プログラムでは、作業プログラム番号、ワーク番号及び複数の教示ステップ番号001〜nが記述されている。前記ワーク番号は、複数のロボットR1〜RNにより同時に加工を行うワークを識別するための情報であって、識別しやすいようにユーザが付与しておく情報である。
上記ワーク番号は、図示するように作業プログラム内に記憶するようにしてもよいが、作業プログラム番号とワーク番号とをテーブル等の手段により関連付けて記憶装置15に記憶しておいたり、作業プログラムを起動する前に図示しないティーチペンダント等を用いてワーク毎にワーク番号を入力するなど、別の手段によりワーク番号を定めるようにしてもよい。また、ワークを識別するための情報として、上記したワーク番号ではなく、名称やアルファベットから構成されるID等、他の識別情報を用いてもよい。以下では、作業プログラムにワーク番号が記憶されているものとして説明する。
図5で例示した教示ステップ004は、溶接を開始する教示ステップであり、溶接開始命令が記述されている。同じく例示した教示ステップ008は、溶接を終了する教示ステップであり、溶接終了命令が記述されている。
前記溶接開始命令が記述された教示ステップ004では、さらに、溶接電流、溶接電圧及び移動速度(速度指令)(図5の例では、それぞれ200A,18.0V及び50cm/min)が記述されている。ここで、前記溶接開始命令とともに記述されている前記溶接電流、溶接電圧、及び移動速度(速度指令)が溶接開始のときの溶接条件の例である。
また、溶接終了命令が記述された教示ステップ008では、さらに、溶接電流、及び溶接電圧(図5の例では、180A,17.0V)が記述されている。前記溶接終了命令とともに記述されている溶接電流、及び溶接電圧が溶接終了のときの溶接条件の例である。
また、教示ステップ001〜003では、位置決め命令と移動速度(速度指令)が記述されている。教示ステップ005〜007では、直線補間命令と移動速度が記述されている。なお、移動命令が記述された教示ステップでは、教示点が記憶装置15に記憶されている。
前記位置決め命令、及び直線補間命令は、移動命令の例である。なお、図5の例では図示されていないが、移動命令は、位置決め命令、直線補間命令以外にも円弧補間命令等がある。これらの移動命令が記述された教示ステップには、図5に示すように当該教示ステップの教示点へ移動するときの溶接トーチの移動速度も記述されている。
ここで、作業プログラムの教示ステップにおいて、溶接開始命令が記述された教示ステップでの教示点と、溶接終了命令が記述された教示ステップの教示点の間でアーク溶接が行われ、両教示点間で行われる作業工程が溶接作業工程に相当する。
(溶接機)
次に図2に戻り、溶接機について説明する。溶接機Y1〜YNの構成は同じであるため、代表して溶接機Y1の構成を説明する。
溶接機Y1は、CPU(中央処理装置)21、ROM22、RAM23、ネットワーク通信部24、及び溶接制御部25等を備えており、各部は図示しないバスを介して相互に接続されている。
また、溶接機Y1は、溶接電源28を備えている。溶接電源28は、図示しないデジタルインバータ制御回路を備え、外部から入力される商用電源(たとえば3相200V)をインバータ制御回路によって高速応答で精密な溶接電流波形制御が行われる。すなわち溶接電源28の出力側は、図示しない電源ケーブルを介して溶接トーチとワークとの間に溶接電圧を供給する。
前記CPU21は、溶接機Y1の前記各部のコントロール及び図示しない溶接トーチへ供給する溶接ワイヤ送給装置のワイヤ送給制御等を行う。例えば、CPU21は、ロボット制御装置RC1から溶接開始命令を受けた場合、溶接開始命令に基づいて、溶接制御部25をコントロールする。また、CPU21は、ネットワーク通信部24を制御する。ROM22は、溶接機Y1が備える溶接制御部25(もしくは溶接電源28)や図示しないワイヤ送給装置等の動作を制御するための制御ソフトウェアを格納する。RAM23は、揮発性のメモリであって、CPU21に対して作業領域を提供するものであり、計算データ、ロボット制御装置RC1から受信した各種データ(溶接に関する指令情報、実行状態情報)及びモニタ値等を一時的に記憶する。
溶接制御部25は、ロボット制御装置RC1から送信される溶接条件に応じて、溶接電源28を制御して溶接電流を前記溶接トーチへ供給する。ネットワーク通信部24は、ネットワーク20を介してロボット制御装置RC1及びモニタ装置PCと通信が可能である。ネットワーク通信部24は、溶接機送信部に相当する。
溶接電源28の出力側は、電流検出部26及び電圧検出部27を備えている。前記電流検出部26により、図示しない溶接ワイヤに流れる溶接電流を検出する。また、電圧検出部27により、前記図示しない溶接ワイヤの先端とワークとの間に印加した溶接電圧を検出する。電流検出部26及び電圧検出部27による検出データ(すなわち、溶接電流、溶接電圧)は、モニタ値として同じサンプリング周期で検出され、RAM23に記憶される。前記RAM23は、記憶部に相当する。
(モニタ装置)
次にモニタ装置PCを説明する。モニタ装置PCは、コンピュータからなり、CPU(中央処理装置)31、ROM32、RAM33、記憶装置34及びネットワーク通信部35等を備えている。CPU31は、モニタ装置PC自体のシステムをコントロールする。ROM32は、前記モニタ装置自体のシステムのプログラムが格納されている。RAM33は、揮発性のメモリであって、各種プログラムを実行するときの作業メモリとなる。記憶装置34は、書き込み読出し可能なメモリであって、例えばハードディスク、半導体メモリ、磁気抵抗RAM等からなる。なお、記憶装置34が半導体メモリの場合には、バックアップ電源が不要な不揮発性のメモリが好ましいが、限定されるものではなく、バックアップ電源が必要な半導体メモリでもよい。記憶装置34はモニタ記憶部に相当する。
ネットワーク通信部35は、ネットワーク20を介して各ロボット制御装置RC1〜RCN及び溶接機Y1〜YNと通信を行う。ネットワーク通信部35は、通信部に相当する。また、モニタ装置PCには、出力装置50が接続されている。出力装置50は、例えば表示装置或いはプリンタから構成されている。
(実施形態の作用)
上記のように構成されたアーク溶接ロボットシステムの作用を図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。各ロボット制御装置RC1〜RCNのモニタ処理は同様であり、また、各溶接機Y1〜YNのモニタ処理も同様であるため、以下では、ロボット制御装置RC1及び溶接機Y1が実行するモニタ処理について説明する。
(ロボット制御装置のモニタ処理)
図3は、ロボット制御装置RC1の主制御部16が、実行するモニタ処理プログラムのフローチャートであり、前記モニタ処理プログラムは、前記作業プログラムに基づき図示しないマニピュレータ及び溶接機Y1を制御する際に、マルチタスクで処理される。作業プログラムを解釈してマニピュレータ及び溶接機Y1を制御するための各種指令信号を出力する処理は公知であるため、この処理については説明を省略し、以下では、この処理と並行して行われるモニタ処理プログラムの処理内容についてのみ説明する。より具体的には、主制御部16の実行部16bが溶接開始や溶接終了の各タイミング及び溶接中に実行するモニタ関連の処理について説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図3及び図4のフローチャートの「ステップ」にはSを付し、作業プログラムの「教示ステップ」にはSを付さないものとする。
(ステップS1) S1では、前記作業プログラムの実行が完了しているか否かを判定する。前記作業プログラムの実行が完了している場合には、このフローチャートの処理を終了し、前記作業プログラムの実行が完了していない場合には、S2に移行する。
(ステップS2) S2では、命令の実行タイミングで実行する命令が溶接開始命令か否かを確認し、溶接開始命令でない場合にはS1に戻り、溶接開始命令である場合にはS3に移行する。
(ステップS3) S3では、作業プログラムに記述されたワーク番号と、今から溶接開始を行う旨の開始トリガをモニタ装置PCに通知する。このとき、送信元のIDコードを付与して通知する。
ロボット制御装置RC1からモニタ装置PCに送信される開始トリガは、工程区画情報に相当する。
(ステップS4) S4では、実行部16bは、溶接が終了したか否かを確認する。溶接が終了していない場合はS6に移行し、溶接が終了した場合はS5に移行する。
(ステップS5) S5では、溶接が終了した旨の終了トリガに送信元のIDコードを付与してモニタ装置PCに通知し、S1に戻る。ここで、ロボット制御装置RC1から、モニタ装置PCに送信される終了トリガは、工程区画情報に相当する。
(ステップS6) S6では、実行部16bは、溶接区間において、現在実行中の作業プログラムが他の作業プログラム番号に切り替わったか、或いは、溶接区間において、現在実行中の作業プログラムの教示ステップ番号が切り替わったかどうかを確認する。
なお、溶接区間は、溶接開始命令が記述された教示ステップ番号での教示点と溶接終了命令が記述された教示ステップ番号での教示点間である。図5の作業プログラムの例では、溶接開始命令の教示ステップ番号004での教示点と溶接終了命令の教示ステップ番号008での教示点間が溶接区間となる。従って、溶接区間の教示ステップ番号は、溶接区間での実行が進むにつれて、切り替わることになる。
また、作業プログラム番号は、現在実行中の作業プログラムにおいて、溶接区間中にプログラム呼び出し命令があった場合に、そのプログラム呼び出し命令とともに記述されたプログラム番号に基づいて切り替わる。
S6で、作業プログラム番号又は教示ステップ番号が切り替わった場合には、S7に移行し、作業プログラム番号又は教示ステップ番号が切り替わっていない場合には、S8に移行する。
(ステップS7) S7では、実行部16bは、切り替わった後の作業プログラム番号、又は教示ステップ番号に送信元のIDコードを付与して溶接機Y1に通知する。この後、S8に移行する。
なお、図3において、最初に溶接開始命令がS2で「YES」、S4で「NO」、S6で「YES」とそれぞれ判定された場合、溶接開始命令が記述された教示ステップに切り替わっていることになるため、この溶接開始命令が記述された作業プログラム番号及び教示ステップ番号が実行状態の情報(以下、実行状態情報という)として溶接機Y1に通知されることになる。また、この教示ステップに記述されている溶接開始命令及び溶接条件が、溶接に関する指令情報として溶接機Y1に送信されることになる。
また、後述するS8又はS9からS4にリターンして、S4で「NO」、S6で「YES」となりS7の処理が行われる場合であって、教示ステップに新たな溶接条件が記述されている場合は、その新たな溶接条件を溶接に関連する指令情報として溶接機Y1に送信されることになる。
なお、ここで、モニタ装置PCではなく溶接機Y1に切り替わった後の作業プログラム番号又は教示ステップ番号を通知する理由は、図4のフローチャートで詳細を説明するが、溶接機Y1からモニタ装置PCへ、後記取得情報が必ずしもリアルタイムで送信されないからである。
また、作業プログラム及び教示ステップを、後述する実行中のモニタ値と正確に対応させるために、切り替わった作業プログラム番号、教示ステップの少なくともいずれかの実行状態の情報を通知するのである。溶接機Y1では、通知された実行状態の情報を、後述するモニタ値とともにRAM23へ時系列に記憶しておく。
(ステップS8) S8では、実行部16bは、異常が発生しているか否かを確認する。異常が発生している場合は、S9に移行し、異常が発生していない場合にはS4に戻る。ここで、異常とは、例えば、アーク切れなどの溶接施工異常や、或いは溶接トーチがジグ或いはワークと干渉した場合に、検出される異常である。これらの異常の検出は、アーク切れは、溶接機Y1の電流検出部26の検出により行われて、溶接機Y1からのネットワーク20を介しての通信により通知される。また、溶接トーチによるジグ或いはワークとの干渉は、ロボット制御装置RC1での制御中の公知の方法で検出できるため説明を省略する。
(ステップS9) S9では、実行部16bは、検出した異常内容に送信元のIDコードを付与してモニタ装置PCに送信し、S4に戻る。
(溶接機のモニタ処理)
次に、溶接機Y1のモニタ処理を図4のフローチャートを参照して説明する。
図4は、溶接機Y1のCPU21が実行するモニタ処理プログラムのフローチャートであり、ロボット制御装置RC1が前記作業プログラムの実行時に、ロボット制御装置RC1からの起動信号の入力に応じて該モニタ処理プログラムは起動される。
(ステップS100) S100では、CPU21は、ロボット制御装置RC1からの溶接開始命令を受信したか否かを確認する。溶接開始命令を受信していない場合には、S109にジャンプし、溶接開始命令を受信していた場合には、S101に移行する。
(ステップS101) S101では、CPU21は、受信した溶接条件と溶接開始命令に送信元のIDコードを付与してモニタ装置PCに通知した後、S102に移行する。なお、溶接開始命令のモニタ装置PCへの通知は、ロボット制御装置RC1からも溶接開始命令を通知しているため、省略してもよい。しかし、溶接機Y1から溶接開始命令を通知することにより、モニタ装置PCにおいて、ロボット制御装置RC1と溶接機Y1の両者から同じ溶接開始命令が通知されたか否かを照合できるため、好ましい。
(ステップS102) S102では、CPU21は、データのサンプリングタイミングになったか否かを確認し、データのサンプリングタイミングになっている場合は、S103に移行する。データのサンプリングタイミングになっていない場合は、S104に移行する。なお、サンプリングタイミングの計時は、溶接機Y1が備えている図示しないタイマカウンタにて行っており、前回のサンプリングタイミングからオペレータが予め設定した時間が経過した場合、CPU21はサンプリングタイミングになったと判定するのである。
(ステップS103) S103では、CPU21は、電流検出部26と電圧検出部27によりそれぞれ溶接電流及び溶接電圧をサンプリング(計測)して、サンプリング順にRAM23に記憶した後、S104に移行する。本実施形態では、計測して得られた溶接電流及び溶接電圧をモニタ値としている。
(ステップS104) S104では、モニタ装置PCへの送信タイミングになったか否かを確認し、送信タイミングになっている場合は、S105に移行し、送信タイミングになっていない場合は、S106に移行する。なお、送信タイミングの計時は、溶接機Y1が備えている図示しないタイマカウンタにて行っており、前回の送信タイミングからオペレータが予め設定した時間が経過した場合、CPU21は送信タイミングになったと判定するのである。
(ステップS105) S105では、CPU21は、RAM23に記憶されていたデータのうち、記憶順に、すなわち、古いデータから単位時間毎に規定容量分を送信元のIDコードを付与してモニタ装置PCに送信した後、S106に移行する。また、CPU21は、S105で、送信を完了したデータは、RAM23から消去する。
S105の処理の段階で、RAM23に記憶されていたデータは、前記S103で記憶したモニタ値、後述するS107でRAMに記憶したデータ(すなわち、以前にS108からS102でリターンした後にS107でRAM23に記憶されていたデータ)を含む。前記モニタ値及び後述するS107でRAM23に記憶されるデータ(実行状態情報及び溶接に関する指令情報)は、取得情報に相当する。
本実施形態で特徴的であるのは、CPU21は、アーク溶接中に溶接制御部25の煩雑な制御を行っているため、この制御と並行して行う必要のあるモニタ装置PCへのデータ送信(S105の処理)の負荷を軽減するように、すなわち、S105で送信するデータ量が、後述するS110でモニタ装置PCへ送信するデータ量よりも少なくなるように、送信時の単位時間当たりの送信するデータを前記規定容量に制限していることである。このようにすることの利点については後述する。
(ステップS106) S106では、CPU21は、ロボット制御装置RC1から、作業プログラム番号(実行状態情報)、教示ステップ番号(実行状態情報)、或いは、溶接に関する指令情報(溶接条件)の受信の確認を行い、作業プログラム番号、教示ステップ番号、或いは、溶接に関する指令情報(溶接条件)の少なくともいずれか1つの受信があった場合は、S107に移行し、受信がない場合には、S108に移行する。
(ステップS107) S107では、CPU21は、S106で受信があったデータ(情報)をRAM23に記憶した後、S108に移行する。
(ステップS108) S108では、CPU21は、ロボット制御装置RC1からの溶接終了命令を受けて、アークエンド処理を溶接制御部25が実行したか否かを確認する。アークエンド処理が実行されていない場合には、CPU21はS102にリターンし、アークエンド処理が実行されている場合には、S109に移行する。アークエンド処理が実行されている場合には、溶接電流が0となるため、溶接電流を確認することにより、CPU21はアークエンド処理の実行確認ができる。
ここで、S102にリターンする理由は、溶接終了命令を受信してからアークエンド処理が完了するまでの時間は、アーク溶接が終了していないためである。S102にリターンするとS102〜S107の処理が実行されるため、溶接終了命令からアークエンド処理までの期間中でサンプリングされたモニタ値は、S103でRAM23に記憶されることになる。
(ステップS109) S109では、CPU21はRAM23に記憶データ、すなわち、取得情報が残っているか否かを確認し、取得情報が残っている場合には、S110に移行し、取得情報が残っていない場合には、S100に戻る。
(ステップS110) S110では、CPU21は、RAM23にアークエンド処理後にRAM23に残っている全ての取得情報を、送信元のIDコードを付与してモニタ装置PCに送信する。その後、RAM23に残っている全ての取得情報をクリアする。
本実施形態で特徴的であるのは、アークエンド終了後のモニタ装置PCへの送信では、CPU21は、溶接開始命令に基づく溶接制御部25の煩雑な制御を行っていないため、モニタ装置PCへ送信するデータ量をS105よりも増大して、すなわち、送信時の単位時間当たりの送信するデータを前記規定容量よりも増やして行うことである。
上記のように、本実施形態では、S105では、アーク溶接中にモニタ装置PCへ送信するデータ量を規定容量に制限しているが、仮に、溶接作業中のS103でのモニタ値のサンプリング周波数を高くした場合、下記の問題がある。
S103でのモニタ値のサンプリング周波数を高くすると、モニタ装置PCへの送信するモニタ値のデータ量も増加させる必要がある。それに伴って、CPU21のネットワーク通信部24をコントロールする通信処理の負荷も増加させる必要があるが、溶接作業中には、CPU21は、溶接制御部25、及び図示しない溶接ワイヤ送給装置等を制御するため、前記通信処理のために割ける処理能力は限られている。すべての溶接作業中で取得した取得情報(実行状態情報及びモニタ値)をリアルタイムにモニタ装置PCに送信しようとすると、CPU21の処理能力を超えないように、前記サンプリング周波数を低くしてモニタ装置PCへの送信のデータ量を抑制することになる。
それに対して、本実施形態では、S105では、アーク溶接中におけるモニタ装置PCへの送信時のデータ量を規定容量に制限して、CPU21の処理能力を超えないように負荷を抑えている。そして、アーク溶接中に送信しきれない取得情報は、一時的にRAM23に記憶され、アーク溶接終了後(すなわち、アークエンド終了後)に、アーク溶接中の前記各種処理から解放されたCPU21の負荷を高めて、アーク溶接中に送信できなかった取得情報(実行状態情報及びモニタ値)を送信する。このため、S103でのモニタ値のサンプリング周波数を高くすることが可能となり、かつ、一時的に取得情報を記憶しておくRAM23の記憶容量も、全取得情報をRAM23に記憶保存しておき、溶接終了後(アークエンド終了後)に一括してモニタ装置PCに送信する場合に比較して少なくすることができるとともに、溶接終了後(アークエンド終了後)のモニタ装置PCへの取得情報の送信時間も短くすることができる。
(モニタ装置PCの処理)
モニタ装置PCのCPU31は、接続されている全てのロボット制御装置RC1〜RCNと溶接機Y1〜YNからの、工程区画情報(溶接開始命令、溶接終了命令)と取得情報(実行状態情報及びモニタ値)をネットワーク通信部35を介して受信すると、受信した工程区画情報及び取得情報にそれぞれ付与された送信元のIDコードと、受信時の図示しないタイマによるタイムスタンプを前記取得情報にそれぞれメタデータとして付与して、記憶装置34にロボット制御装置毎及び溶接機毎に区分して記憶する。
従って、本実施形態では、記憶装置34に記憶された工程区画情報及び取得情報の中から、同一の時間帯での同一ワーク番号を持つ工程区画情報、及び送信元のIDコードで抽出して、タイムスタンプで順に配列すれば、それぞれが、複数のアーク溶接ロボットで溶接を行った時間順のデータとなる。なお、ワーク情報を使用しているため、ワーク情報と送信元のIDコードで抽出してタイムスタンプで順に配列すれば、それぞれが、複数のアーク溶接ロボットで溶接を行った時間順のデータとなる。
また、前述したように取得情報はリアルタイムでは溶接機Y1からモニタ装置PCには送信されないが、作業プログラム番号、教示ステップ番号が変化する毎に、変化後の作業プログラム番号、教示ステップ番号を実行状態情報としてロボット制御装置RC1から溶接機Y1に送信してもらい、溶接機Y1のRAM23に実行状態情報として、モニタ値と併せて時系列に記憶することによって、モニタ値と溶接部位との対応を正確に行うこともできるようになる。
本実施形態のアーク溶接ロボットシステムによれば、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態のアーク溶接ロボットシステムは、モニタ装置PCと、複数のアーク溶接ロボットR1〜RNをそれぞれ制御する複数のロボット制御装置RC1〜RCNと、ロボット制御装置RC1〜RCN毎に設けられて、溶接作業工程中にロボット制御装置RC1〜RCNからの溶接に関する指令情報に応じて制御対象のアーク溶接ロボットの溶接トーチに溶接電流を供給する複数の溶接機Y1〜YNとが共通のネットワーク20を介して接続されている。そして、各ロボット制御装置RC1〜RCNは、溶接作業工程の開始及び終了時には、それぞれ前記溶接作業工程に関する工程区画情報をモニタ装置PCに対して送信するとともに、溶接作業工程中に実行状態が変化する毎に、実行状態情報を制御対象の溶接機に送信するネットワーク通信部14(送信部)を備えている。
また、各溶接機Y1〜YNは、溶接作業工程中に取得したモニタ値、指令情報、及び前記実行状態情報(以下、これらを取得情報という)を時系列で記憶するRAM23(記憶部)と、RAM23に記憶した取得情報を、モニタ装置PCに送信するネットワーク通信部24(溶接機送信部)を備える。また、モニタ装置PCは、前記各ロボット制御装置RC1〜RCNから送信される工程区画情報及び各溶接機Y1〜YNから送信される取得情報にタイムスタンプを付けて保存する記憶装置34(モニタ記憶部)を備える。この結果、本実施形態によれば、1つのワークに対して複数台のロボットに作業を行わせるロボットシステムにおいて、モニタ値及び指令情報を含むモニタ関連情報を確実に保存してトレーサビリティを確保できるとともに、一元管理することもできる。また、本実施形態によれば、複数台のアーク溶接ロボットを用いて一つのワークを溶接するアーク溶接ロボットシステムにおいて、溶接施工結果のトレーサビリティを確保することもできる。
さらに、ロボット制御装置(または溶接機)毎に、実行状態情報及び取得情報の履歴を保存する大容量のストレージ(不揮発性メモリ)を設ける必要がなく、安価にシステムを構築することもできる。また、前記大容量ストレージも、高価な高速アクセスが可能な大容量ストレージ(不揮発性メモリ)を使用しなくてもよい。また、高速アクセスが可能であるが高価となる大容量ストレージを使用しなくても、高い周波数でサンプリングしたモニタ値を取得し、履歴として保存することができる。つまり、微小な時間領域での溶接現象を解析するために必要なデータを取得することができる。
また、溶接機をデジタル溶接機とすれば、デジタル溶接機に内蔵されている電流検出部、電圧検出部を利用することが可能となり、ロボット制御装置や溶接機の外部に電流/電圧検出器を設ける場合に比べ、システムが安価となり、セットアップおよびメンテナンスも簡単となる。
(2) 本実施形態のアーク溶接ロボットシステムでは、各ロボット制御装置RC1〜RCNのネットワーク通信部14(送信部)は、工程区画情報の送信時に併せて送信元のIDコードをネットワーク20を介してモニタ装置PCに対して送信し、各溶接機Y1〜YNは、取得情報を送信元のIDコードを付与してモニタ装置PCに対して送信する。この結果、本実施形態によれば、同一の時間帯での送信元のIDコードで抽出して、タイムスタンプで順に配列すれば、それぞれが複数のアーク溶接ロボットで溶接を行った時間順のデータとすることができる。
(3) 本実施形態のアーク溶接ロボットシステムでは、ネットワーク通信部24(溶接機送信部)は、溶接作業工程中は単位時間当たりに送信するデータ量を少なくして通信を行い、前記溶接作業工程後は単位時間当たりに送信するデータ量を増大して行うようにした。この結果、モニタ値のサンプリング周波数を高くすることが可能となり、かつ、一時的に取得情報を記憶しておくRAM23(記憶部)の記憶容量も、全取得情報をRAM23に記憶保存しておき、溶接終了後(アークエンド終了後)に一括してモニタ装置PCに送信する場合に比較して少なくすることができるとともに、溶接終了後(アークエンド終了後)のモニタ装置PCへの取得情報の送信時間も短くすることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように構成してもよい。
・ 図4のフローチャートにおいて、S103で溶接電流、溶接電圧(モニタ値)をサンプリングする場合、予め設定された期間の相加平均値、或いは移動平均値としてもよい。
・ 図4のフローチャートでは、CPU21のアーク溶接中の負荷を軽減するために、S105では単位時間毎に規定容量の通信を行うという手法を用いている。これを、S105ではCPU21の空き時間を使用して通信を行う、いわゆるバックグラウンド処理で行ってもよい。例えば、S105において、RAM23に記録されたデータがあればそれを読み出し、モニタ装置PCに送信するという処理を別タスク(またはスレッド)とし、溶接制御処理や溶接電流・電圧のサンプリング処理などその他の処理よりも実行優先度を低くする。そして、S110では、RAM23に記録されたデータがあれば、フォアグラウンド処理を行って、CPU21の負荷を大きくして大容量通信を行うようにする。この場合、CPU21は制御部に相当する。
・ 図6に示すように、アーク溶接ロボットシステム10の構成を、高いリアルタイム性が必要な指令系のネットワーク20Aと、リアルタイム性が低くてもよい情報系のネットワーク20Bに分離された構成としてもよい。また、情報系のネットワーク20Bは、無線ネットワークとしてもよい。ネットワーク20Aでは、ロボット制御装置と溶接機間の制御指令(各種命令)の通信が行われる。ネットワーク20Bでは、ロボット制御装置RC1〜RCNと、モニタ装置PC間の情報通信と、溶接機Y1〜YNとモニタ装置PC間の情報通信が行われる。
・ 前記各実施形態ではモニタ値を、溶接電流及び溶接電圧としたが、モニタ値は溶接電流及び溶接電圧に限定するものではない。例えば、図示はしないが、溶接トーチに溶接ワイヤを供給するワイヤ供給装置によるワイヤ送り速度を検出するセンサを設けておき、そのワイヤ送り速度をモニタ値としたり、或いは、アーク溶接時に溶接トーチから溶接施工部位に吐出するシールドガスの単位時間当たりのガス流量をモニタ値としてもよい。
・ モニタ値として、溶接電流のみ、又は溶接電圧のみとしてもよい。
・ モニタ値として、溶接電流と前記ワイヤ送り速度とすること、或いは溶接電圧と前記シールドガス流量とすること、或いは溶接電圧と前記ワイヤ送り速度とすること、或いは溶接電圧と前記シールドガス流量とすること、或いは、溶接電流、前記ワイヤ送り速度及び前記シールドガス流量とすること、或いは、溶接電圧、前記ワイヤ送り速度及び前記シールドガス流量とすること、或いは、溶接電流、溶接電圧、前記ワイヤ送り速度及び前記シールドガス流量とすること。
・ 前記実施形態では、ワーク識別番号(ワーク情報)を工程区画情報(溶接開始命令、溶接終了命令)とともにモニタ装置PCに送信するようにしたが、ワーク識別番号(ワーク情報)を省略して工程区画情報(溶接開始命令、溶接終了命令)のみをモニタ装置PCに送信するようにしてもよい。この場合でも、メタデータである送信元のIDコードで抽出して同一の時間帯で、同一のロボット制御装置毎、及び同一の溶接機毎に、タイムスタンプで順に配列すれば、それぞれが複数のアーク溶接ロボットで溶接を行った時間順のデータとすることができる。
・ 前記実施形態において、図4のフローチャートにおいて、S102とS103の組み合わせ、S104とS105の組み合わせ、並びS106とS107の組み合わせの順を、相互に入れ替えても良い。例えば、S104とS105の組み合わせの間にS102とS103の組み合わせを入れてもよい。また、S104とS105の組み合わせの後に、S102とS103の組み合わせを配置してもよい。また、S106とS107の組み合わせ、S102とS103の組み合わせ、S104とS105の順に配置してもよい。
・ 前記ネットワーク20、20A、20Bは、有線で構成したが、無線ネットワークで構成してもよい。
RC1〜RCN…ロボット制御装置、Y1〜YN…溶接機、PC…モニタ装置、
10…アーク溶接ロボットシステム、
14…ネットワーク通信部(送信部)、15…記憶装置(記憶部)、
16…主制御部、17…ネットワーク通信部(通信部)、
20…ネットワーク、21…CPU(制御部)、23…RAM(記憶部)、
24…ネットワーク通信部(溶接機送信部)、
34…記憶装置(モニタ記憶部)。

Claims (4)

  1. モニタ装置と、複数のアーク溶接ロボットをそれぞれ制御する複数のロボット制御装置と、前記ロボット制御装置毎に設けられて、溶接作業工程中に前記ロボット制御装置からの溶接に関する指令情報に応じて制御対象のアーク溶接ロボットの溶接トーチに溶接電流を供給する複数の溶接機とが共通のネットワークを介して接続されたアーク溶接ロボットシステムにおいて、
    各ロボット制御装置は、前記溶接作業工程の開始及び終了時には、それぞれ前記溶接作業工程に関する工程区画情報を前記モニタ装置に対して送信するとともに、前記溶接作業工程中に実行状態が変化する毎に、前記実行状態の情報(以下、実行状態情報という)を制御対象の溶接機に送信する送信部を備え、
    前記各溶接機は、
    前記溶接作業工程中に取得したモニタ値、前記指令情報、及び前記実行状態情報(以下、これらを取得情報という)を時系列で記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶した取得情報を前記モニタ装置に送信する溶接機送信部とを備え、
    前記モニタ装置は、前記各ロボット制御装置から送信される工程区画情報及び前記各溶接機から送信される前記取得情報にタイムスタンプを付けて保存するモニタ記憶部を備えるアーク溶接ロボットシステム。
  2. 前記各ロボット制御装置の送信部は、前記工程区画情報の送信時に併せて送信元のIDコードを前記モニタ装置に対して送信し、前記各溶接機は、前記取得情報を送信元のIDコードを付与して前記モニタ装置に対して送信する請求項1に記載のアーク溶接ロボットシステム。
  3. 前記溶接機送信部は、前記溶接作業工程中は単位時間当たりに送信するデータ量を少なくして通信を行い、前記溶接作業工程後は単位時間当たりに送信するデータ量を増大して行う請求項1又は請求項2に記載のアーク溶接ロボットシステム。
  4. 前記溶接機は、前記溶接電流を供給する溶接電源を制御するとともに前記溶接機送信部を制御する制御部を備え、
    前記溶接機送信部は、前記溶接作業工程中は前記制御部によるバックグラウンド処理により通信を行うとともに前記溶接作業工程後は前記制御部によるフォアグラウンド処理により通信を行い、前記制御部は前記フォアグラウンド処理での負荷を前記バックグラウンド処理での負荷よりも大きくして前記溶接機送信部に通信を行わせる請求項1又は請求項2に記載のアーク溶接ロボットシステム。
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