JP2014117568A - X線ct装置及び画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents

X線ct装置及び画像処理装置及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】着目する物質の同定を行なうための画像化を操作者が簡易な操作で行なうこと。
【解決手段】実施形態のX線CT装置は、収集部と、再構成制御部と、表示制御部とを備える。収集部は、X線管から照射されて被検体を透過したX線に由来する光子を計数し、当該計数した光子のエネルギーを計測した結果を計数結果として収集する。再構成制御部は、物質を特定可能なパラメータの入力を操作者から受け付けた場合に、受け付けたパラメータに該当する物質に固有のエネルギー成分を、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルに関する情報を記憶するデータベースから取得する。そして、再構成制御部は、取得したエネルギー成分に基づいて、前記計数結果から画像データを画像再構成部に再構成させる。そして、表示制御部は、前記画像データを表示部に表示させる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、X線CT装置及び画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
近年、フォトンカウンティング方式の検出器を用いてフォトンカウンティングCT(Computed Tomography)を行なうX線CT装置の開発が進められている。従来のX線CT装置で用いられている積分型の検出器と異なり、フォトンカウンティング方式の検出器は、被検体を透過したX線に由来する光子を個々に計数可能な信号を出力する。従って、フォトンカウンティングCTでは、SN比(Signal per Noise)の高いX線CT画像を再構成可能となる。
また、フォトンカウンティング方式の検出器が出力した信号は、計数した個々の光子のエネルギーの計測(弁別)に用いることができる。従って、フォトンカウンティングCTでは、1種類の管電圧でX線を照射することで収集されたデータを複数のエネルギー成分に分けて画像化することができる。例えば、フォトンカウンティングCTでは、K吸収端の違いを利用した物質の同定が可能となる画像を生成することができる。かかる物質としては、造影剤や、組織を特異的に標識できる化学的標識物質等が挙げられる。
しかし、かかる画像を参照しても、医師等の観察者は、エネルギー成分と物質との関連性は一目では分からない。
特開2012−34901号公報
本発明が解決しようとする課題は、着目する物質の同定を行なうための画像化を操作者が簡易な操作で行なうことができるX線CT装置及び画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することである。
実施形態のX線CT装置は、収集部と、再構成制御部と、表示制御部とを備える。収集部は、X線管から照射されて被検体を透過したX線に由来する光子を計数し、当該計数した光子のエネルギーを計測した結果を計数結果として収集する。再構成制御部は、物質を特定可能なパラメータの入力を操作者から受け付けた場合に、受け付けたパラメータに該当する物質に固有のエネルギー成分を、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルに関する情報を記憶するデータベースから取得する。そして、再構成制御部は、取得したエネルギー成分に基づいて、前記計数結果から画像データを画像再構成部に再構成させる。そして、表示制御部は、前記画像データを表示部に表示させる。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る検出器の一例を説明するための図である。 図3は、K吸収端を説明するための図である。 図4は、従来のフォトンカウンティングCTで表示される画像データの一例を示す図である。 図5は、図1に示すデータベースが記憶するデータ構成の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係る制御処理の一例を示すシーケンス図(1)である。 図7は、第1の実施形態に係る制御処理の一例を示すシーケンス図(2)である。 図8は、第1の実施形態に係る画像再構成部が行なう処理の一例を示す図である。 図9は、第1の実施形態に係るGUIの一例を示す図である。 図10は、第1の実施形態に係るX線CT装置の処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図11は、第2の実施形態に係る再構成制御部を説明するための図(1)である。 図12は、第2の実施形態に係る再構成制御部を説明するための図(2)である。 図13は、第2の実施形態に係る再構成制御部を説明するための図(3)である。 図14は、第2の実施形態において、条件変更により行なわれる処理の一例を説明するための図である。 図15は、第2の実施形態に係るX線CT装置の処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図16は、第3の実施形態を説明するための図(1)である。 図17は、第3の実施形態を説明するための図(2)である。 図18は、第3の実施形態を説明するための図(3)である。 図19は、第3の実施形態に係るX線CT装置の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、X線CT装置の実施形態を詳細に説明する。
以下の実施形態で説明するX線CT装置は、フォトンカウンティングCTを実行可能な装置である。すなわち、以下の実施形態で説明するX線CT装置は、従来の積分型(電流モード計測方式)の検出器ではなく、フォトンカウンティング方式の検出器を用いて被検体を透過したX線を計数することで、SN比の高いX線CT画像データを再構成可能な装置である。
フォトンカウンティングCTでは、光子の数を計数することで、光(X線)の量を測定する。単位時間当たりの光子数が多いほど、強い光(X線)となる。また、個々の光子は、異なるエネルギーを有するが、フォトンカウンティングCTでは、光子のエネルギー計測を行なうことで、X線のエネルギー成分の情報を得ることができる。すなわち、フォトンカウンティングCTでは、1種類の管電圧でX線を照射することで収集されたデータを複数のエネルギー成分に分けて画像化することができる。
ここで、物質固有のエネルギー成分として、吸収端がある。吸収端(K吸収端やL吸収端)のエネルギーは、吸収原子と励起される内殻電子の量子数および価電子帯の電子配置によって決まる。例えば、フォトンカウンティングCTでは、K吸収端の違いを利用した物質の同定が可能となる画像データを得ることができる。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線CT装置は、架台装置10と、寝台装置20と、コンソール装置30とを有する。
架台装置10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を計数する装置であり、高電圧発生部11と、X線管12と、検出器13と、収集部14と、回転フレーム15と、架台駆動部16とを有する。
回転フレーム15は、X線管12と検出器13とを被検体Pを挟んで対向するように支持し、後述する架台駆動部16によって被検体Pを中心した円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
X線管12は、後述する高電圧発生部11により供給される高電圧により被検体PにX線ビームを照射する真空管であり、回転フレーム15の回転にともなって、X線ビームを被検体Pに対して照射する。
高電圧発生部11は、X線管12に高電圧を供給する装置であり、X線管12は、高電圧発生部11から供給される高電圧を用いてX線を発生する。すなわち、高電圧発生部11は、X線管12に供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。
架台駆動部16は、回転フレーム15を回転駆動させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線管12と検出器13とを旋回させる。
検出器13は、被検体Pを透過したX線に由来する光を計数するための複数の検出素子を有する。一例を挙げれば、第1の実施形態に係る検出器13が有する各検出素子は、テルル化カドミウム(CdTe)系の半導体である。すなわち、第1の実施形態に係る検出器13は、入射したX線を光に直接変換して、X線に由来する光を計数する直接変換型の半導体検出器である。
図2は、第1の実施形態に係る検出器の一例を説明するための図である。例えば、第1の実施形態に係る検出器13は、図2に示すように、テルル化カドミウムにより構成される検出素子131が、チャンネル方向(図1中のY軸方向)にN列、体軸方向(図1中のZ軸方向)にM列配置された面検出器である。検出素子131は、光子が入射すると、1パルスの電気信号を出力する。検出素子131が出力した個々のパルスを弁別することで、検出素子131に入射したX線に由来する光子(X線光子)の数を計数することができる。また、個々のパルスの強度に基づく演算処理を行なうことで、計数した光子のエネルギーを計測することができる。
なお、以下では、検出器13が直接変換型の半導体検出器である場合について説明するが、第1の実施形態は、例えば、シンチレータと光電子増倍管とにより構成される間接変換型の検出器が検出器13として用いられる場合でも適用可能である。
収集部14は、検出器13の出力信号を用いた計数処理の結果である計数結果を収集する。収集部14は、X線管12から照射されて被検体Pを透過したX線に由来する光子を計数し、当該計数した光子のエネルギーを計測した結果を計数結果として収集する。そして、収集部14は、計数結果を、コンソール装置30に送信する。
具体的には、収集部14は、検出素子131が出力した各パルスを弁別して計数したX線光子の入射位置(検出位置)と、当該X線光子のエネルギー値とを計数結果として、X線管12の位相(管球位相)ごとに収集する。収集部14は、例えば、計数に用いたパルスを出力した検出素子131の位置を、入射位置とする。また、収集部14は、例えば、パルスのピーク値とシステム固有の応答関数とからエネルギー値を演算する。或いは、収集部14は、例えば、パルスの強度を積分することで、エネルギー値を演算する。
計数結果は、例えば、『管球位相「α1」では、入射位置「P11」の検出素子131において、エネルギー「E1」を有する光子の計数値が「N1」であり、エネルギー「E2」を有する光子の計数値が「N2」である』といった情報となる。或いは、計数結果は、例えば、『管球位相「α1」では、入射位置「P11」の検出素子131において、エネルギー「E1」を有する光子の単位時間当たりの計数値が「n1」であり、エネルギー「E2」を有する光子の単位時間当たりの計数値が「n2」である』といった情報となる。なお、上記のエネルギー「E1」は、例えば、エネルギー範囲「E1〜E2」とされる場合であっても良い。かかる場合、計数結果は、例えば、『管球位相「α1」では、入射位置「P11」の検出素子131において、エネルギー範囲「E1〜E2」を有する光子の計数値が「NN1」である』といった情報となる。エネルギー範囲は、収集部14がエネルギーの値を、所定の粒度のエネルギー範囲に弁別して振り分けるためのエネルギー弁別域となる。
寝台装置20は、被検体Pを載せる装置であり、天板22と、寝台駆動装置21とを有する。天板22は、被検体Pが載置される板であり、寝台駆動装置21は、天板22をZ軸方向へ移動して、被検体Pを回転フレーム15内に移動させる。
なお、架台装置10は、例えば、天板22を移動させながら回転フレーム15を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。または、架台装置10は、天板22を移動させた後に被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム15を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。または、架台装置10は、天板22の位置を一定間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行なうステップアンドシュート方式を実行する。
コンソール装置30は、操作者によるX線CT装置の操作を受け付けるとともに、架台装置10によって収集された計数情報を用いてX線CT画像データを再構成する装置である。コンソール装置30は、図1に示すように、入力装置31と、表示装置32と、スキャン制御部33と、前処理部34と、投影データ記憶部35と、画像再構成部36と、画像記憶部37と、システム制御部38と、データベース39とを有する。
入力装置31は、X線CT装置の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、システム制御部38に転送する。例えば、入力装置31は、操作者からX線CT画像データを再構成する際の再構成条件や、X線CT画像データに対する画像処理条件等を受け付ける。
表示装置32は、操作者によって参照されるモニタであり、システム制御部38による制御のもと、X線CT画像データを操作者に表示したり、入力装置31を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。第1の実施形態において表示されるGUIについては、後に詳述する。
スキャン制御部33は、後述するシステム制御部38の制御のもと、高電圧発生部11、架台駆動部16、収集部14及び寝台駆動装置21の動作を制御することで、架台装置10における計数情報の収集処理を制御する。
前処理部34は、収集部14から送信された計数結果に対して、対数変換処理、オフセット補正、感度補正、ビームハードニング補正等の補正処理を行なうことで、投影データを生成する。
投影データ記憶部35は、前処理部34により生成された投影データを記憶する。すなわち、投影データ記憶部35は、X線CT画像データを再構成するための投影データ(計数結果)を記憶する。
画像再構成部36は、投影データ記憶部35が記憶する投影データを逆投影処理することで、X線CT画像データを再構成する。逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。また、画像再構成部36は、X線CT画像データに対して各種画像処理を行なうことで、画像データを生成する。画像再構成部36は、再構成したX線CT画像データや、各種画像処理により生成した画像データを画像記憶部37に格納する。
ここで、フォトンカウンティングCTで得られる計数結果から生成された投影データには、被検体Pを透過することで減弱されたX線のエネルギーの情報が含まれている。このため、画像再構成部36は、例えば、特定のエネルギー成分のX線CT画像データを再構成することができる。また、画像再構成部36は、例えば、複数のエネルギー成分それぞれのX線CT画像データを再構成することができる。
また、画像再構成部36は、例えば、各エネルギー成分のX線CT画像データの各画素にエネルギー成分に応じた色調を割り当て、エネルギー成分に応じて色分けされた複数のX線CT画像データを重畳した画像データを生成することができる。また、画像再構成部36は、物質固有のK吸収端を利用して、当該物質の同定が可能となる画像データを生成することができる。画像再構成部36が生成する他の画像データとしては、単色X線画像データや密度画像データ、実効原子番号画像データ等が挙げられる。
データベース39は、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルに関する情報を記憶する記憶部である。すなわち、データベース39は、分析化学的情報を記憶するデータベースである。データベース39は、外部の分析化学データベースの情報を用いて、分析化学的な様々な情報を更新して保持することが可能である。
システム制御部38は、架台装置10、寝台装置20及びコンソール装置30の動作を制御することによって、X線CT装置の全体制御を行う。具体的には、システム制御部38は、スキャン制御部33を制御することで、架台装置10で行なわれるCTスキャンを制御する。また、システム制御部38は、前処理部34や、画像再構成部36を制御することで、コンソール装置30における画像再構成処理や画像生成処理を制御する。また、システム制御部38は、画像記憶部37が記憶する各種画像データを、表示装置32に表示するように制御する。
ここで、システム制御部38は、図1に示すように、再構成制御部38aと表示制御部38bとを有する。再構成制御部38aは、画像再構成部36が行なう画像再構成処理や画像生成処理を制御する制御部であり、表示制御部38bは、画像データの表示制御や、GUIの表示制御を行なう制御部である。なお、第1の実施形態において、再構成制御部38aと表示制御部38bとが行なう制御処理については、後に詳述する。
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係るX線CT装置は、フォトンカウンティングCTにより、物質固有のエネルギー成分を利用した画像データの再構成処理や生成処理を行なう。
ここで、物質に固有のエネルギー成分の一例であるK吸収端について、図3を用いて説明する。図3は、K吸収端を説明するための図である。図3では、様々な物質のX線吸収スペクトルを示している。なお、図3の横軸は、エネルギー(単位:keV)であり、図3の縦軸は、線減弱係数(単位:cm−1)である。
図3では、ヨード系の造影剤が混在した血液(Iodine-mixed blood)のX線吸収スペクトルと、ガドリウム系の造影剤が混在した血液(Gd-mixed blood)のX線吸収スペクトルと、ビスマス系の造影剤が混在した血液(Bi-mixed blood)のX線吸収スペクトルとを示している。また、図3では、水(Water)、下肢(Rib)、脊椎(Spi)のX線吸収スペクトルも合わせて示している。
図3に例示するように、K吸収端の前後では、減弱係数が急激に上昇する。例えば、K吸収端が「33.16keV」のヨウ素を着目物質とすると、ヨード系の造影剤が存在する組織を透過したX線光子の計数値は、「33.16keV」の前後のエネルギー範囲で、大きく異なる。従って、上述した「エネルギー成分に応じて色分けされた複数のX線CT画像データを重畳した画像データ」を参照することで、例えば、医師は、造影剤が存在する範囲や、組織特異的に取り込まれる化学標識物質が存在する範囲を観察することができる。
しかし、かかる画像データを参照しても、医師は、容易に自身が着目する物質が存在する領域を視認することができない。また、医師は、自身が着目する物質が存在する領域を視認可能な画像データを生成するために必要となる情報を容易に検索することができない。この点について、図4を用いて説明する。図4は、従来のフォトンカウンティングCTで表示される画像データの一例を示す図である。
図4の(A)に示す画像データ100は、エネルギー成分に応じて色分けされた複数のX線CT画像データを重畳した画像データである。また、図4の(A)に示すカラーバー200は、エネルギー成分に応じて割り当てられた色調を観察者が確認するために、画像データ100の横に表示される。しかし、医師等の観察者は、カラーバー200と画像データ100とを参照しても、エネルギー成分と物質との関連性は一目では分からない。例えば、観察者は、自身が着目する物質に固有のエネルギー成分のエネルギー値を調べ、調べたエネルギー値に対応する色調をカラーバー200で確認する必要がある。そして、更に、観察者は、画像データ100を参照して、カラーバー200で確認した色調が、どの位置に存在しているのかを確認する必要がある。
このため、図4の(B)に示すように、X線吸収スペクトルの横軸のスケールにカラーバー200のスケールを合わせたカラーバー200aを、X線吸収スペクトルの横軸の下に横向きに配置した画像データを表示させることも考えられる。しかし、かかる場合でも、例えば、観察者は、自身が着目する物質に固有のエネルギー成分を、X線吸収スペクトルを参照して確認し、確認したエネルギー値に対応する色調をカラーバー200aで確認する必要がある。
このように、特定の物質に注目する場合は、特定の物質の特定のエネルギー成分を取得する必要がある。しかし、化学物質は多種多様であり、各物質の特性もそれぞれ異なるので、着目すべき物質が判明しても、医師は、即時に、どのエネルギーに着目すべきかを判断することができない。また、今後、新規の造影剤や化学的標識物質が開発された場合には、新規物質を同定可能な画像データを表示するために、新規のエネルギー成分を設定するためのデータ更新が必要となるが、かかる更新には手間がかかる。
そこで、第1の実施形態に係るX線CT装置は、着目する物質の同定を行なうための画像化を、観察者である操作者が簡易な操作で行なうことができるように、以下、詳細に説明するデータベース39を用いた再構成制御部38aの制御処理と、表示制御部38bの制御処理とを行なう。
まず、再構成制御部38aは、物質を特定可能なパラメータの入力を操作者から受け付けた場合に、受け付けたパラメータに該当する物質に固有のエネルギー成分をデータベース39から取得する。そして、再構成制御部38aは、取得したエネルギー成分に基づいて、計数結果から画像データを画像再構成部36に再構成させる。そして、表示制御部38bは、画像データを表示装置32に表示させる。
すなわち、再構成制御部38aは、データベース39を用いて、物質に固有のエネルギー成分の検索処理を行なう。図5は、図1に示すデータベースが記憶するデータ構成の一例を示す図である。
例えば、データベース39は、図5の(A)に示すように、「物質名:A」と「商品名:A’」と「X線吸収スペクトル:S(A)」とを対応付けて記憶する。図5の(A)に例示するデータベース39は、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルを、物質を特定可能なパラメータである物質名と商品名とに関連付けたデータ構造となる。
或いは、データベース39は、図5の(B)に示すように、「物質名:A」と「商品名:A’」と「K吸収端:E(A)」と「L吸収端:E(A)」とを対応付けて記憶する。図5の(B)に例示するデータベース39は、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルを特徴付けるエネルギー成分(特性エネルギー値)を、物質を特定可能なパラメータである物質名と商品名とに関連付けたデータ構造となる。
このように、データベース39は、造影剤及び化学標識物質を含む物質の名前(物質名や商品名)に対応付けて、該当する物質のX線吸収係数及び特性エネルギー値の少なくとも一方を記憶する。
なお、第1の実施形態では、データベース39がX線CT装置内(コンソール装置30内)に設置される場合について説明するが、第1の実施形態は、データベース39が、X線CT装置(コンソール装置30)の外部に設置される場合であっても良い。かかる場合、コンソール装置30とデータベース39とは、有線通信網や無線通信網により接続される。
図6及び図7は、第1の実施形態に係る制御処理の一例を示すシーケンス図である。図6に示すように、システム制御部38(再構成制御部38a)は、操作者が入力したパラメータを送信して、データベース39に問い合わせを行なう。例えば、再構成制御部38aは、「物質名:AAA、エネルギー成分:K吸収端」を、データベース39に問い合せる。ここで、「物質名:AAA」がキセノン系の造影剤名であるとする。データベース39は、「物質名:AAA、エネルギー成分:K吸収端」を検索キーワードとして、自身が記憶するデータを検索し、検索結果をシステム制御部38(再構成制御部38a)に回答する。例えば、データベース39は、図6に示すように、「物質名:AAA」がキセノン系の造影剤名であることから、キセノンのK吸収端「E=34.56keV」を再構成制御部38aに回答する。
第1の実施形態では、再構成制御部38aは、自装置の内部に設置されたデータベース39に対して問い合せを行なう。そして、データベース39は、再構成制御部38aからの問い合せに対して、パラメータに対応する物質のK吸収端等の特性エネルギー値を、物質固有のエネルギー成分として回答する。なお、データベース39が自装置外に設置される場合、再構成制御部38aは、自装置の外部に設置されたデータベース39に対して通信網を介して問い合せを行なう。
すなわち、第1の実施形態では、データベース39が検索機能を有する。第1の実施形態では、再構成制御部38aは、操作者が入力したパラメータをキーワードとするエネルギー成分の検索要求を行ない、データベース39は、再構成制御部38aの問い合わせに付加されているパラメータをキーワードとするエネルギー成分の検索を行ない、検索結果を回答する。なお、データベース39は、検索の結果、パラメータに対応するデータが存在しない場合、例えば、「Not Found」等のメッセージを回答する。
ただし、第1の実施形態は、再構成制御部38aが検索を行なう場合であっても良い。かかる場合、再構成制御部38aは、操作者が入力したパラメータをキーワードとして、データベース39を検索して、パラメータに対応する物質に固有のエネルギー成分(例えば、K吸収端)を取得する。
また、上記では、物質名とともにエネルギー成分の種類が検索用のパラメータとして用いられる場合について説明したが、第1の実施形態は、物質名や商品名を検索用のパラメータとして用い、エネルギー成分の種類を検索用のパラメータとして用いない場合であっても良い。この場合、データベース39は、複数種類のエネルギー成分を再構成制御部38aに回答し、表示装置32は、表示制御部38bの制御により、例えば、種類が明記された複数のエネルギー成分のテーブルを表示する。操作者は、テーブルを参照した後、入力装置31等を用いて物質同定に用いるエネルギー成分を指定する。
以下、再構成制御部38a及び表示制御部38bが行なう制御処理の一例について、詳細に説明する。以下に説明する制御処理は、K吸収端の違いを利用した物質の同定が可能となる画像データを、操作者に負担をかけることなく、自動的に生成する場合に適用される処理である。
まず、再構成制御部38aは、データベース39から取得したエネルギー成分に基づいて、計数結果を第1計数結果と第2計数結果とに分割するための第1エネルギー範囲と第2エネルギー範囲とを設定する。これにより、画像再構成部36は、第1計数結果から第1画像データを再構成し、第2計数結果から第2画像データを再構成する。そして、画像再構成部36は、第1画像データと前記第2画像データとの差分画像データを生成する。
そして、表示制御部38bは、差分画像データを表示装置32に表示させる。或いは、表示制御部38bは、差分画像データを第1画像データに重畳させた画像データを表示装置32に表示させる。或いは、表示制御部38bは、差分画像データを第2画像データに重畳させた画像データを表示装置32に表示させる。或いは、表示制御部38bは、差分画像データを、分割前の計数結果から再構成された画像データに重畳させた画像データを、表示装置32に表示させる。
上記の処理について、図7のシーケンス図とともに、図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係る画像再構成部が行なう処理の一例を示す図である。図8は、キセノン系の造影剤の分布を同定可能な画像データとして、キセノンのK吸収端「E=34.56keV」を用いた差分画像データを生成する場合を例示している。なお、図8に示すX線吸収スペクトルの縦軸は、質量減弱係数である。
図7に示すように、システム制御部38(再構成制御部38a)は、画像再構成部36に対して、データベース39から取得したK吸収端前後でのサブトラクション実施を指示する。これにより、画像再構成部36は、図7に示すように、差分画像データを生成する。例えば、図8に示すように、再構成制御部38aは、キセノンのK吸収端「E=34.56keV」より小さいエネルギー範囲(E<E)を第1エネルギー範囲R1と設定し、Eより大きいエネルギー範囲(E>E)を第2エネルギー範囲R2として設定する。
これにより、画像再構成部36は、投影データ記憶部35が記憶する計数結果(投影データ)を、第1エネルギー範囲R1の計数結果(投影データ)である第1計数結果と、第2エネルギー範囲R2の計数結果(投影データ)である第2計数結果とに分割する。そして、画像再構成部36は、第1計数結果(第1投影データ)から第1画像データ101を再構成し、第2計数結果(第2投影データ)から第2画像データ102を再構成する。
そして、画像再構成部36は、図8に示すように、第2画像データ102から第1画像データ101を差分して、差分画像データ103を生成する。或いは、画像再構成部36は、第1画像データ101から第2画像データ102を差分して、差分画像データ103を生成する。差分画像データ103では、第1エネルギー範囲R1と第2エネルギー範囲R2とで計数値が大きく異なる領域が主に描出されることとなる。
そして、システム制御部38(表示制御部38b)は、図7に示すように、画像再構成部36に対して重ね合わせを指示し、画像再構成部36は、重畳画像データを生成する。例えば、画像再構成部36は、図8に示すように、差分画像データ103と第2画像データ102とを重畳した重畳画像データ104を生成する。重畳画像データ104には、差分画像データ103で画素値が埋め込まれた画素には、特定の色調が割り当てられ、差分画像データ103で画素値が埋め込まれていない画素には、第2画像データ102の画素値に応じたグレースケールの色調が割り当てられている。そして、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、重畳画像データ104を表示する。なお、重畳を行なうか否かの設定、また、重畳対象となる画像データの設定は、例えば、操作者により任意に変更可能である。また、設定によっては、表示装置32は、差分画像データ103と重畳画像データ104と並列表示しても良い。
なお、差分画像データ生成用の各種設定は、計数結果の収集後(スキャン終了後)に行なわれる場合であっても、計数結果の収集前(スキャン開始前)に行なわれる場合であっても良い。また、計数結果の収集前に差分画像データ生成用の各種設定が行なわれる場合、収集部14は、スキャン制御部33を介した再構成制御部38aの制御により、検出器13からの出力信号を第1計数結果と第2計数結果とに弁別して、コンソール装置30に送信しても良い。
以上の制御が行なわれることで、操作者は、着目物質を特定可能なパラメータ入力という簡単な操作だけで、着目物質を確実に同定可能な自動画素化処理を行なうことができる。次に、上記の操作を行なうために表示されるGUIについて、図9を用いて説明する。図9は、第1の実施形態に係るGUIの一例を示す図である。
例えば、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、撮影終了後、図4の(A)に示す画像データ100及びカラーバー200を表示する。画像データ100及びカラーバー200が表示される領域を「画像表示領域」と以下記載する。「画像表示領域」に表示されている画像データ100を参照することで、操作者は、撮影が完了したことを確認する。そして、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図9の(A)に例示するように、操作者がパラメータを入力するための入力用GUI300を表示する。
図9の(A)に例示する入力用GUI300には、操作者がパラメータを入力するためのボックス301が配置される。操作者は、ボックス301をマウスで選択し、キーボードを用いて、例えば、図9の(B)に示すように、パラメータ「AAA」をボックス301に入力する。そして、操作者は、入力したパラメータを確認後、例えば、検索要求用のショートカットキーを押下する。これにより、図6及び図7を用いて説明した検索処理や画像生成制御処理が自動的に開始される。
更に、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、再構成制御部38aが画像再構成部36の制御に用いる設定値を取得するように、操作者が指示するための操作ボタンを表示する。図9の(A)に例示する入力用GUI300には、ショートカット用の操作ボタン群302(操作ボタン302a〜302d)が配置される。操作ボタン302aは、図9の(C)に例示するように、再構成制御部38aが「AAA」のエネルギー成分を取得して、「AAA」の第1エネルギー範囲R1及び第2エネルギー範囲R2を設定するためのショートカット用の操作ボタンである。操作者は、例えば、図9の(C)に示すように、「AAA」の文字が記載された操作ボタン302a上にカーソルを移動し、マウスでクリックすることで、「AAA」の差分画像データを表示させることができる。
或いは、操作ボタン302aは、図9の(B)に示すパラメータの手入力により、差分画像データ103が生成表示された後に、操作者が行なった履歴情報として、表示制御部38bが入力用GUI300に自動的に生成表示される場合であっても良い。或いは、操作者の履歴保存要求により、操作ボタン302aが生成表示される場合であっても良い。
このように、表示制御部38bは、化学物質を同定可能な画像データの生成表示を行なうために必要となる操作を、操作者が簡易に行なえるように、ショートカット用の操作ボタン群302を表示させる。ここで、操作ボタン群302により指定される化学物質は、医師が実際に解析用に用いた実績のある化学物質だけでなく、医師が解析用に頻繁に用いる可能性のある化学物質であっても良い。解析用に頻繁に用いる可能性のある化学物質用の操作ボタン群302の設定は、例えば、医師やサービスマン等により行なわれる。
また、操作ボタン群302が押下された場合、再構成制御部38aは、データベース39への問い合わせを行なって、設定値を取得する。或いは、履歴情報として設定された操作ボタンについては、再構成制御部38a内のメモリに取得済みの設定値を格納しておいても良い。かかる場合、操作ボタン群302が押下されると、再構成制御部38aは、自装置内のメモリから、「E=34.56keV、第1エネルギー範囲:E<E、第2エネルギー範囲:E<E)を取得する。また、解析実績のない化学物質の設定値についても、予め、データベース39へ問い合わせを行なって、再構成制御部38a内のメモリに取得済みの設定値を格納しておいても良い。
また、化学物質を同定可能な画像データの生成表示を行なうために必要となる操作を、操作者が簡易に行なうためのGUIとしては、操作ボタン群302以外にも、以下のようなものが挙げられる。例えば、GUIとして、ボックス301をクリックすることで、複数の化学物質の名前の一覧が表示されるプルダウンメニューが表示される場合でも良い。かかる場合、操作者は、プルダウンメニューに表示されている名前をマウスでクリックすることで、パラメータの入力を行なう。
ボックス301や操作ボタン302aを用いた操作が行なわれると、表示装置32の画像表示領域には、図9の(D)に示すように、「AAA」の差分画像データを用いた重畳画像データ105が表示される。重畳画像データ105には、「AAA」の差分画像データで画素値が埋め込まれた画素には、特定の色調が割り当てられ、「AAA」の差分画像データで画素値が埋め込まれていない画素には、重畳対象の画像データの画素値に応じたグレースケールの色調が割り当てられている。
そこで、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図9の(D)に示すように、「AAA」のK吸収端を中心とする近傍領域に、上記の特定の色調を割り当て、他の領域にはグレースケールの色調が割り当てたカラーバー200bを、カラーバー200の代わりに表示する。操作者は、カラーバー200bを参照することで容易に着目物質の特性エネルギー値を把握し、重畳画像データ105により着目物質の同定を行なうことができる。
次に、図10を用いて、第1の実施形態に係るX線CT装置の処理について説明する。図10は、第1の実施形態に係るX線CT装置の処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図10に示すフローチャートでは、上記の操作ボタン302a等をショートカットボタンと記載している。また、図10に示すフローチャートでは、ショートカットボタンに対応する設定値がデータベース39から取得済みであり、撮影用のスキャンが終了している場合の処理を例示する。
図10に例示するように、第1の実施形態に係るX線CT装置のシステム制御部38は、操作者からパラメータの入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、パラメータの入力を受け付けない場合(ステップS101否定)、システム制御部38は、パラメータの入力を受け付けるまで待機する。
一方、パラメータの入力を受け付けた場合(ステップS101肯定)、再構成制御部38aは、パラメータの入力がショートカットボタンによる受付けか否かを判定する(ステップS102)。ショートカットボタンによる受け付けである場合(ステップS102肯定)、再構成制御部38aは、自装置内のメモリから特性エネルギー値に基づく差分用のエネルギー範囲を取得する(ステップS106)。
一方、ショートカットボタンによる受け付けでない場合(ステップS102否定)、再構成制御部38aは、データベース39に対する問い合わせを行ない(ステップS103)、回答を受信したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、回答を受信しない場合(ステップS104否定)、再構成制御部38aは、回答を受信するまで待機する。
一方、回答を受信した場合(ステップS104肯定)、再構成制御部38aは、回答が特性エネルギー値であるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、回答が特性エネルギー値でない場合(ステップS105否定)、再構成制御部38aは、操作者が着目する物質の分析化学的データがデータベース39に登録されていないと判断して、処理を終了する。なお、かかる場合、再構成制御部38aは、外部のデータベースに再度、問い合わせを行なっても良い。
一方、回答が特性エネルギー値である場合(ステップS105肯定)、再構成制御部38aは、特性エネルギー値に基づいて、差分用のエネルギー範囲を設定する(ステップS107)。そして、ステップS106又はステップS107の後、再構成制御部38aの制御により、画像再構成部36は、差分画像データを生成する(ステップS108)。そして、表示制御部38bの制御により、画像再構成部36は、重畳画像データを生成する(ステップS109)。
そして、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、重畳画像データを表示し(ステップS110)、処理を終了する。
上述したように、第1の実施形態では、データベース39を用いた自動検索により、操作者が着目する物質固有のエネルギー成分を取得し、取得したエネルギー成分を用いた画像再構成及び画像生成等が自動的に実行される。例えば、第1の実施形態では、K吸収端に基づく差分画像データの生成が、パラメータ入力操作や、ショートカットボタン押下といった簡単な操作により、自動的に行なわれる。従って、第1の実施形態では、着目する物質の同定を行なうための画像化を操作者が簡易な操作で行なうことができる。
また、第1の実施形態では、着目する物質の同定を行なうための画像化を操作者が簡易な操作で行なうことができるため、重要な情報の見過ごしを回避して、検査の効率化を進めることができる。
なお、上記では、1つの物質に固有のエネルギー成分に基づく画像化を自動で行なう場合について説明したが、第1の実施形態は、複数の物質それぞれに固有のエネルギー成分に基づく画像化が自動で行なわれる場合であっても良い。かかる場合、再構成制御部38aは、複数の物質それぞれを特定可能な複数のパラメータの入力を操作者から受け付けた場合に、受け付けた各パラメータのエネルギー成分をデータベースから取得する。そして、再構成制御部38aは、取得した各エネルギー成分に基づいて、計数結果から複数の物質それぞれに対応する画像データを画像再構成部36に再構成させる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、再構成制御部38aが画像再構成部36の制御用に自動的に設定値が、操作者により調整される場合について説明する。
なお、第2の実施形態に係るX線CT装置は、図1を用いて説明した第1の実施形態に係るX線CT装置と同様に構成される。第2の実施形態では、再構成制御部38a及び表示制御部38bは、操作者の操作により、更に、以下の制御処理を行なう。
第2の実施形態に係る再構成制御部38aは、データベース39から取得したエネルギー成分の変更を操作者から受け付けた場合、変更後のエネルギー成分に基づく設定値を画像再構成部36に通知する。また、第2の実施形態に係る再構成制御部38aは、第1エネルギー範囲及び第2エネルギー範囲の少なくとも一方の変更を操作者から受け付けた場合、変更後のエネルギー範囲に基づく設定値を画像再構成部36に通知する。図11、図12及び図13は、第2の実施形態に係る再構成制御部を説明するための図である。
例えば、図8に示す差分画像データ103や重畳画像データ104を表示する際、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図11の(A)に示すように、キセノンのK吸収端「E=34.56keV」が明示されたキセノンのX線吸収スペクトルを表示する。更に、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図11の(A)に示すように、キセノンのX線吸収スペクトルとともに、図4の(B)で説明したカラーバー200aを表示する。ここで、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図11の(A)に示すように、カラーバー200aにおいて「E=34.56keV」に対応する位置に、マウスで移動可能な矢印303を表示する。矢印303は、特性エネルギー値の調整用のGUIであり、操作者は、特性エネルギー値の変更を行ないたい場合、図11の(A)に示すように、矢印303をマウスで移動させる。
或いは、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図11の(B)に示すように、図4の(A)や図9の(A)で説明したカラーバー200において「E=34.56keV」に対応する位置に、マウスで移動可能な矢印304を表示する。矢印304は、特性エネルギー値の調整用のGUIであり、操作者は、特性エネルギー値の変更を行ないたい場合、図11の(B)に示すように、矢印304をマウスで移動させる。なお、矢印304は、図9の(D)に示すカラーバー200bにて表示される場合であっても良い。
再構成制御部38aは、変更された特性エネルギー値に応じて、第1エネルギー範囲及び第2エネルギー範囲を再設定し、画像再構成部36に通知する。例えば、「34.56keV」が「35keV」と変更された場合、再構成制御部38aは、第1エネルギー範囲を「E<35keV」と再設定し、第2エネルギー範囲を「E>35keV」と再設定し、画像再構成部36に通知する。検出器13や収集部14の物理的特性等の要因により、計測されたエネルギーの値は、真のエネルギー値と一致しないため、上記の調整は有効である。
更に、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、差分用のエネルギー範囲調整用のGUIを表示する。例えば、図8に示す差分画像データ103等を表示する際、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図12に示すように、キセノンのK吸収端が明示されたキセノンのX線吸収スペクトルとともに、第1エネルギー範囲調整用の両矢印305と、第2エネルギー範囲調整用の両矢印306とを表示する。
操作者は、第1エネルギー範囲を調整する場合、両矢印305の長さや位置を、マウス操作により調整する。また、操作者は、第2エネルギー範囲を調整する場合、両矢印306の長さや位置を、マウス操作により調整する。なお、操作者は、両矢印305及び両矢印306を用いて、特性エネルギー値の調整を行なうこともできる。図12に例示する場合、第1エネルギー範囲R1は、「20.56keV<E<34.56keV」の第1エネルギー範囲R1’に変更され、第2エネルギー範囲R2は、「34.56keV<E<44.56keV」の第2エネルギー範囲R2’に変更されている。
再構成制御部38aは、変更された第1エネルギー範囲及び第2エネルギー範囲を、画像再構成部36に通知する。これにより、再構成制御部38aは、図13に示すように、第1エネルギー範囲R1’の第1計数結果(第1投影データ)から第1画像データ101’を再構成し、第2エネルギー範囲R2’の第2計数結果(第2投影データ)から第2画像データ102’を再構成する。そして、再構成制御部38aは、図13に示すように、第1画像データ101’と第2画像データ102’とから差分画像データ103’を生成する。
着目物質以外の物質のX線吸収スペクトルは、着目物質のK吸収端の近傍領域では、滑らかに変化しているので、差分処理によりキセノン以外の物質の情報を効率的に除去するためには、図12に例示するように、差分に用いるエネルギー範囲を狭めることが好適である。一方、差分に用いるエネルギー範囲を狭めすぎると、画像化に用いる情報が欠落して差分画像データの画質が低下するので、差分に用いるエネルギー範囲がある程度の領域に調整されることが望ましい。本実施形態では、操作者の条件変更に基づく画像データが、即座に表示される。このため、操作者は、図11や図12に例示する調整を行なって、診断に最適な画像データを生成表示させることができる。なお、本実施形態は、操作者による条件変更が、数値入力により行なわれる場合であっても良い。
また、かかる調整により再設定された設定値は、今後の診断でも流用可能なように保管されることが望ましい。そこで、第2の実施形態に係る再構成制御部38aは、操作者が行なった条件変更に基づいて画像再構成部36を制御するために再設定した設定値を該当する物質に対応付けて保存する要求をデータベース39に行なう。そして、第2の実施形態に係るデータベース39は、再構成制御部38aが行なった問い合わせに該当する物質に設定値が対応付けられている場合、当該設定値を回答する。
例えば、データベース39が、図14の(A)に示すように、「物質名:AAA」と「商品名:AAA’」と「K吸収端:E(AAA)」と「L吸収端:E(AAA)」とを対応付けて記憶しているとする。再構成制御部38aは、「商品名:AAA’」の設定値「変更K吸収端:E’(AAA)、変更第1エネルギー範囲:R1’(AAA)、変更第2エネルギー範囲:R2’(AAA)」の保存要求を通知する。かかる場合、データベース39は、図14の(A)に示すように、「物質名:AAA」と「商品名:AAA’」とに対応付けて、更に、「設定値:E’(AAA)、R1’(AAA)、R2’(AAA)」を格納する。
これにより、データベース39は、例えば、再構成制御部38aから「物質名:AAA」の問い合わせに対して、「設定値:E’(AAA)、R1’(AAA)、R2’(AAA)」を回答する。なお、再設定された設定値は、例えば、個々の医師により異なる場合があるので、データベース39は、更に、変更を行なった操作者のIDに対応付けて設定値を記憶しても良い。かかる場合、再構成制御部38aは、操作者IDとともに、パラメータを通知する。データベース39は、問い合わされたパラメータに該当する物質に、パラメータに付加された操作者IDの設定値が対応付けられている場合、当該設定値を回答する。また、データベース39は、問い合わされたパラメータに該当する物質に、パラメータに付加された操作者IDの設定値が対応付けられていない場合、エネルギー成分のみを回答しても良いし、エネルギー成分とともに設定値を参考データとして回答しても良い。また、データベース39は、問い合わされたパラメータに該当する物質に、パラメータに付加された操作者IDの設定値が対応付けられている場合でも、設定値とともに、エネルギー成分を参考データとして回答しても良い。
また、データベース39が外部データベースであり、複数のX線CT装置から送信された設定値を記憶している場合、問い合わせを行なったX線CT装置において設定値が必ずしも最適な設定値とならない場合がある。このため、データベース39は、「K吸収端:E(AAA)」と設定値とを回答しても良い。かかる場合、「K吸収端:E(AAA)」と設定値とのいずれかを用いるかは、操作者の指示に決定される。また、データベース39が外部データベースである場合、データベース39は、設定値を、変更を行なった操作者のIDと、又は、保存要求を行なったX線CT装置のIDと、又は、操作者のID及びX線CT装置のIDと対応付けて記憶しても良い。
また、データベース39に検索機能が搭載されていない場合、再構成制御部38aは、パラメータに対応するエネルギー成分を検索する際に、データベース39が設定値を記憶しているかどうかを検索し、設定値を記憶している場合、当該設定値を含めて取得する。
また、第1の実施形態で説明したように、表示制御部38bは、差分画像データ等が生成表示された後に、操作者が行なった履歴情報に基づく操作ボタン(ショートカットボタン)を表示させることができる。そこで、第2の実施形態においては、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、図14の(B)に示すように、再設定された「設定値:E’(AAA)、R1’(AAA)、R2’(AAA)」を読み出すための「操作ボタン302a’」を更に表示する。「操作ボタン302a’」には、例えば、図14の(B)に示すように、操作者によりカスタマイズされた設定値を読み出すためのショートカットボタンであることを明示するために「AAA(C)」が記載される。かかる場合、第1の実施形態で説明したように、再構成制御部38aは、「設定値:E’(AAA)、R1’(AAA)、R2’(AAA)」を自装置内に記憶しても良い。
なお、再度、操作者の条件変更により設定が変更されて、「設定値:E’’(AAA)、R1’’(AAA)、R2’’(AAA)」となったとする。かかる場合、データベース39は、図14の(C)に示すように、「設定値:E’(AAA)、R1’(AAA)、R2’(AAA)」を「設定値:E’’(AAA)、R1’’(AAA)、R2’’(AAA)」に更新する。或いは、データベース39は、「設定値:E’’(AAA)、R1’’(AAA)、R2’’(AAA)」を追加して記憶する。
次に、図15を用いて、第2の実施形態に係るX線CT装置の処理について説明する。図15は、第2の実施形態に係るX線CT装置の処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートでは、エネルギー成分に基づく画像データの生成表示が行なわれた後に、操作者が条件変更要求を行なった場合に行なわれる処理を例示する。
図15に例示するように、第2の実施形態に係るX線CT装置の再構成制御部38aは、操作者から条件変更要求を受け付けると(ステップS201)、変更要求に応じて差分用のエネルギー範囲を再設定する(ステップS202)。そして、画像再構成部36は、再構成制御部38aの制御により、再設定されたエネルギー範囲に基づいて、差分画像データを生成する(ステップS203)。そして、画像再構成部36は、表示制御部38bの制御により、重畳画像データを生成する(ステップS204)。
そして、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、重畳画像データを表示する(ステップS205)。そして、再構成制御部38aの要求により、データベース39は、再設定された設定値の新規保存、又は、更新、又は、追加保存を行なって(ステップS206)、処理を終了する。なお、表示制御部38bは、カスタマイズされたショートカットボタンの表示制御を行なう。
上述したように、第2の実施形態では、差分処理するエネルギー範囲をマニュアルで変更することで、診断用の画像化を行なうための条件の最適化を行なうことができる。このため、第2の実施形態では、着目する物質の同定を行なうための画像化の最適化を操作者が簡易な操作で行なうことができる。また、第2の実施形態では、マニュアル指定された設定値を保管して、再利用することが可能となる。このため、第2の実施形態では、着目する物質の同定を行なうための最適な画像化を、操作者が簡易な操作で行なうことができる。
なお、第2の実施形態で説明した処理は、複数の物質それぞれ同定可能な画像化を行なう場合であっても適用可能である。また、第1の実施形態で説明した内容は、操作者によるマニュアル調整が行なわれる点以外、第2の実施形態でも適用可能である。
(第3の実施形態)
上記の第1及び第2の実施形態では、1つのスライス面における処理について説明した。しかし、上記の第1及び第2の実施形態で説明した2次元のデータに対する画像処理は、3次元のデータについても適用可能である。そこで、第3の実施形態では、CTスキャンが複数のスライス面で行なわれる場合について説明する。
すなわち、検出器13が面検出器であることから、X線CT装置は、コンベンショナルスキャンにより複数のアキシャル断面を再構成することができる。また、ヘリカルスキャンにより、X線CT装置は、広範囲で複数のアキシャル断面を再構成することができる。また、画像再構成部36は、複数のアキシャル断面それぞれで、X線CT画像データを再構成するとともに、複数のX線CT画像データから3次元のX線CT画像データを構築することができる。また、画像再構成部36は、各種レンダリング処理を行なって、表示用の2次元画像データを生成することができる。かかるレンダリング処理としては、3次元の情報が反映されたボリュームレンダリング(Volume Rendering:VR)処理や、MIP(Maximum Intensity Projection)処理、MPR(Multi Planar Reconstructions)処理等が挙げられる。
画像再構成部36は、第1及び第2の実施形態で説明した差分画像データを、複数の断面に渡って生成することが可能である。そこで、第3の実施形態に係る再構成制御部38aは、複数断面それぞれで計数結果が収集されている場合、複数断面それぞれの差分画像データを生成する旨の指示を画像再構成部36に通知する。そして、第3の実施形態に係る表示制御部38bは、複数断面それぞれの差分画像データを表示装置32に表示させる。なお、表示装置32に表示される画像データは、複数断面の差分画像データを用いた複数断面の重畳画像データであっても良い。
或いは、第3の実施形態に係る再構成制御部38aは、複数断面それぞれの差分画像データから3次元差分画像データを構築する旨の指示を画像再構成部36に通知する。そして、第3の実施形態に係る表示制御部38bは、3次元差分画像データに基づく画像データを表示装置32に表示させる。なお、表示装置32に表示される画像データは、3次元差分画像データを用いた3次元の重畳画像データであっても良い。
上記の処理の一例について、図16、図17及び図18を用いて説明する。図16、図17及び図18は、第3の実施形態を説明するための図である。
ここで、上記の処理は、CTスキャンが行なわれた全断面について行なわれる場合であっても良いが、処理負荷の低減のため、CTスキャンが行なわれた全断面の中で、操作者が処理対象となる断面を限定しても良い。かかる場合、操作者は、範囲設定のために2つの断面を指定する場合であっても、特定の部位(例えば、頭部、胸部、腹部等)を指定する場合であっても良い。例えば、被検体Pの全身スキャンが行なわれている場合に、操作者は、図16に示す人体モデルのGUIにおいて、任意の位置に、任意の大きさの矩形を設定することで、範囲の指定を行なう。図16に例示する場合、操作者は、上腹部に該当する複数断面を処理対象として指定している。
範囲指定が行なわれると、第1の実施形態で説明した処理が実行され、再構成制御部38aは、差分用のエネルギー範囲の設定を行なう。なお、第2の実施形態で説明したように、カスタマイズされた設定値の再設定が行なわれている場合、再構成制御部38aは、設定値を取得することで、差分用のエネルギー範囲の設定を取得する。
そして、画像再構成部36は、複数断面それぞれの差分画像データを生成する旨の指示を受信した場合、体軸方向に沿った複数の差分画像データを生成する。そして、画像再構成部36は、図17に例示するように、体軸方向に沿った複数の重畳画像データを生成する。なお、複数の重畳画像データの表示形態としては、操作者がトラックボール等を用いてスライスを指定することで、複数の重畳画像データがコマ送りのように表示される形態や、複数の重畳画像データがサムネール表示される形態等が挙げられる。
一方、画像再構成部36は、3次元構築の指示を受信した場合、図17に示す体軸方向に沿った複数の差分画像データから3次元差分画像データを構築する。そして、画像再構成部36は、3次元差分画像データと分割前の計数結果から再構成した3次元X線CT画像データとの3次元重畳画像データを生成する。或いは、画像再構成部36は、複数断面の重畳画像データから3次元重畳画像データを生成する。そして、画像再構成部36は、例えば、3次元重畳画像データに対して、任意の視線方向からのVR処理を行なって、図18に例示するVR画像データを生成する。図18に例示するVR画像データには、着目する物質の3次元領域が、明瞭に描出される。なお、3次元差分画像データ及び3次元重畳画像データから生成される表示用の画像データは、任意の視線方向からのMIP画像データであっても、任意の断面におけるMPR画像データであっても良い。
なお、処理対象が複数断面である点以外は、第1及び第2の実施形態で説明した内容は、第3の実施形態においても適用可能である。
次に、図19を用いて、第3の実施形態に係るX線CT装置の処理について説明する。図19は、第3の実施形態に係るX線CT装置の処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図19に示すフローチャートでは、処理対象となる断面(スライス)の指定が行なわれ、更に、差分用のエネルギー範囲の取得が行なわれた後に行なわれる処理を例示する。また、図19では、処理対象となるスライスの枚数を「N」として説明する。
図19に例示するように、第3の実施形態に係るX線CT装置の再構成制御部38aは、差分用のエネルギー範囲を取得すると(ステップS301)、スライス番号のカウンタの値を初期化して「i=1」と設定する(ステップS302)。そして、画像再構成部36は、スライス「i」の差分画像データを生成する(ステップS303)。そして、再構成制御部38aは、「i=N」であるか否かを判定する(ステップS304)。
ここで、「i=N」でない場合(ステップS304否定)、再構成制御部38aは、カウンタの値をインクリメントして「i=i+1」と設定する(ステップS305)。そして、ステップS303に戻り、画像再構成部36は、スライス「i」の差分画像データを生成する。
ここで、「i=N」である場合(ステップS304肯定)、再構成制御部38aは、操作者の要求がスライス表示であるか否かを判定する(ステップS306)。ここで、操作者の要求がスライス表示である場合(ステップS306肯定)、再構成制御部38aの制御により、画像再構成部36は、全スライスの重畳画像データを生成する(ステップS307)。一方、操作者の要求がスライス表示でなく3次元表示である場合(ステップS306否定)、再構成制御部38aの制御により、画像再構成部36は、全スライスの重畳画像データから、ボリュームデータを構築し、VR画像データを生成する(ステップS308)。
そして、表示制御部38bの制御により、表示装置32は、ステップS307、又は、ステップS308で生成された画像データを表示し(ステップS309)、処理を終了する。
上述したように、第3の実施形態では、第1及び第2の実施形態で説明した2次元の画像処理を3次元の画像処理とすることで、着目物質を3次元で同定可能な画像化を、簡易な操作により実行することができる。
ここで、第3の実施形態に係る再構成制御部38aは、複数断面それぞれの計数結果の中で、データベース39から取得したエネルギー成分、又は、設定値で設定されたエネルギー成分が含まれる計数結果を検索し、検索した計数結果に対応する断面の差分画像データを生成する旨の指示を画像再構成部36に通知しても良い。この制御を行なうことで、着目物質が存在しない断面に対する画像処理が行なわれることを回避して、再構成制御部38aの処理負荷を軽減することができる。また、表示制御部38bは、エネルギー成分が含まれる計数結果が検索されなかった断面に関する情報を、表示装置32に表示させても良い。例えば、表示制御部38bは、図16に示す人体モデル上に、検索されなかった断面を表示させても良い。
なお、上記の第1〜第3の実施形態で説明した画像処理は、フォトンカウンティングCTで生成可能な物質固有のエネルギー成分に基づく画像データ全般に対して適用可能である。また、上記の第1〜第3の実施形態で説明した画像処理は、計数結果を取得することが可能であるならば、X線CT装置とは独立に設置された画像処理装置により実行される場合であっても良い。
また、第1〜第3の実施形態で説明した画像処理方法は、予め用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上、説明したとおり、第1の実施形態〜第3の実施形態によれば、着目する物質の同定を行なうための画像化を操作者が簡易な操作で行なうことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
14 収集部
32 表示装置
36 画像再構成部
38 システム制御部
38a 再構成制御部
38b 表示制御部

Claims (14)

  1. X線管から照射されて被検体を透過したX線に由来する光子を計数し、当該計数した光子のエネルギーを計測した結果を計数結果として収集する収集部と、
    物質を特定可能なパラメータの入力を操作者から受け付けた場合に、受け付けたパラメータに該当する物質に固有のエネルギー成分を、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルに関する情報を記憶するデータベースから取得し、取得したエネルギー成分に基づいて、前記計数結果から画像データを画像再構成部に再構成させる再構成制御部と、
    前記画像データを表示部に表示させる表示制御部と、
    を備えたことを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記再構成制御部は、前記データベースから取得したエネルギー成分に基づいて、前記計数結果を第1計数結果と第2計数結果とに分割するための第1エネルギー範囲と第2エネルギー範囲とを設定し、
    前記画像再構成部は、前記第1計数結果から第1画像データを再構成し、前記第2計数結果から第2画像データを再構成し、前記第1画像データと前記第2画像データとの差分画像データを生成し、
    前記表示制御部は、前記差分画像データを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記表示制御部は、前記差分画像データを前記計数結果に基づく画像データに重畳させた画像データを、表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記再構成制御部は、前記データベースから取得したエネルギー成分の変更を前記操作者から受け付けた場合、変更後のエネルギー成分に基づく設定値を前記画像再構成部に通知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のX線CT装置。
  5. 前記再構成制御部は、前記第1エネルギー範囲及び前記第2エネルギー範囲の少なくとも一方の変更を前記操作者から受け付けた場合、変更後のエネルギー範囲に基づく設定値を前記画像再構成部に通知することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載のX線CT装置。
  6. 前記再構成制御部は、複数断面それぞれで計数結果が収集されている場合、前記複数断面それぞれの差分画像データを生成する、又は、前記複数断面それぞれの差分画像データから3次元差分画像データを構築する旨の指示を前記画像再構成部に通知し、
    前記表示制御部は、前記複数断面それぞれの差分画像データ、又は、前記3次元差分画像データに基づく画像データを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載のX線CT装置。
  7. 前記再構成制御部は、前記複数断面それぞれの計数結果の中で、前記エネルギー成分が含まれる計数結果を検索し、検索した計数結果に対応する断面の差分画像データを生成する旨の指示を前記画像再構成部に通知することを特徴とする請求項6に記載のX線CT装置。
  8. 前記データベースは、造影剤及び化学標識物質を含む物質の名前に対応付けて、該当する物質のX線吸収係数及び特性エネルギー値の少なくとも一方を記憶し、前記再構成制御部からの問い合せに対して、前記パラメータに対応する物質の特性エネルギー値を前記エネルギー成分として回答することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のX線CT装置。
  9. 前記再構成制御部は、自装置の内部に設置された前記データベースに対して問い合せを行なう、又は、自装置の外部に設置された前記データベースに対して通信網を介して問い合せを行なうことを特徴とする請求項8に記載のX線CT装置。
  10. 前記再構成制御部は、前記操作者が行なった条件変更に基づいて前記画像再構成部を制御するために再設定した設定値を該当する物質に対応付けて保存する要求を前記データベースに行ない、
    前記データベースは、前記再構成制御部が行なった問い合わせに該当する物質に設定値が対応付けられている場合、当該設定値を回答することを特徴とする請求項9に記載のX線CT装置。
  11. 前記表示制御部は、前記再構成制御部が前記画像再構成部の制御に用いる設定値を取得するように前記操作者が指示するための操作ボタンを、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のX線CT装置。
  12. 前記再構成制御部は、複数の物質それぞれを特定可能な複数のパラメータの入力を前記操作者から受け付けた場合に、受け付けた各パラメータのエネルギー成分を前記データベースから取得し、取得した各エネルギー成分に基づいて、前記計数結果から前記複数の物質それぞれに対応する画像データを画像再構成部に再構成させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載のX線CT装置。
  13. X線管から照射されて被検体を透過したX線に由来する光子を計数し、当該計数した光子のエネルギーを計測した結果を計数結果として収集する収集部から前記計数結果を取得する取得部と、
    物質を特定可能なパラメータの入力を操作者から受け付けた場合に、受け付けたパラメータに該当する物質に固有のエネルギー成分を、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルに関する情報を記憶するデータベースから取得し、取得したエネルギー成分に基づいて、前記計数結果から画像データを画像再構成部に再構成させる再構成制御部と、
    前記画像データを表示部に表示させる表示制御部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  14. X線管から照射されて被検体を透過したX線に由来する光子を計数し、当該計数した光子のエネルギーを計測した結果を計数結果として収集する収集部から前記計数結果を取得する取得手順と、
    物質を特定可能なパラメータの入力を操作者から受け付けた場合に、受け付けたパラメータに該当する物質に固有のエネルギー成分を、複数の物質それぞれのX線吸収スペクトルに関する情報を記憶するデータベースから取得し、取得したエネルギー成分に基づいて、前記計数結果から画像データを再構成させる再構成制御手順と、
    前記画像データを表示部に表示させる表示制御手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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