JP6923414B2 - X線コンピュータ断層撮影装置、医用画像処理装置、及びプログラム - Google Patents

X線コンピュータ断層撮影装置、医用画像処理装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、X線コンピュータ断層撮影装置、医用画像処理装置、及びプログラムに関する。
X線CT装置を用いたデュアルエネルギー撮影、又はフォトンカウンティングCT撮影等により得られた投影データに基づいて、任意の実効X線エネルギーの単色X線を用いて撮影された画像に相当する単色X線画像を再構成する手法が知られている。
単色X線画像を用いることで、例えば、画像に含まれる物質を分別することが可能となる。従来では、例えば、各X線エネルギーの単色X線画像上に設定したROI(関心領域)内の座標について解析対象値を算出し、算出した解析対象値のX線エネルギーに対する推移をグラフ化する。グラフの形状及び絶対値は、物質の種類及び密度によって異なるため、このグラフの傾向から、ROIに含まれる物質を分別することが可能である。
しかしながら、従来のグラフからは、ROI内の座標についての解析対象値の推移は確認できるが、空間的な情報は確認することができない。このため、空間的な位置関係を確認するためには、一々元画像を参照する必要があり、ユーザの負担となる。
特開2011−244875号公報
そこで目的は、各X線エネルギーの単色X線画像を観察する負担を軽減することである。
実施形態によれば、X線コンピュータ断層撮影装置は、再構成処理部、及び画像処理部を備える。再構成処理部は、投影データに対して再構成処理を実施することで、異なる実効X線エネルギーでの複数の単色X線画像データを生成する。画像処理部は、医用画像について設定された関心領域についての空間的情報と、前記複数の単色X線画像データに含まれる前記関心領域についての解析対象値の、実効X線エネルギーの変化に伴う変化を表す情報とを含むマップ画像を生成する。
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成を示す図である。 図2は、図1に示される処理回路の処理を表すフローチャートである。 図3は、肺に対して設定される線状のROIを表す図である。 図4は、図3に示されるように設定したROIについて算出した解析対象値を表す図である。 図5は、肝臓内に設定したROIについて生成したマップ画像を表す図である。 図6は、マップ画像と参照画像との表示を表す図である。 図7は、マップ画像に基づいて生成されたカラーマップ画像を表す図である。 図8は、肺に対して設定される面状のROIを表す図である。 図9は、曲面に対して実施される処理を表す図である。 図10は、曲面状のROIからマップ画像を作成する処理を表す図である。 図11は、マップ画像と参照画像との表示を表す図である。 図12は、複数の単色X線画像に基づいて作成した参照画像を表す図である。 図13は、MPR画像にマップ画像を重ね合わせた参照画像を表す図である。 図14は、第2の実施形態に係る画像処理装置を含む医用情報システムを示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置1の構成例を示す図である。第1の実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置20の天板23の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義する。図1に示されるX線CT装置1は、架台装置10、寝台装置20、及びコンソール装置30を備える。なお、図1では一管球型のX線CT装置を例として示しているが、これに限定されない。第1の実施形態に係るX線CT装置は、X線管と検出器との複数のペアを回転フレームに搭載した、いわゆる多管球型のX線CT装置であっても構わない。
架台装置10は、被検体PにX線を照射してX線検出データを収集する装置である。架台装置10は、X線管11、X線検出器12、回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17、及びデータ収集装置(DAS:Data Acquisition System)18を備える。
X線管11は、X線高電圧装置14から印加される高電圧により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射する真空管である。陰極から陽極へ向けて熱電子が照射されることにより、X線管11でX線が発生する。
X線検出器12は、X線管11で発生され、ウェッジ16及びコリメータ17により調整されて、被検体Pを通過したX線を検出する。X線検出器12は、検出したX線の線量に対応した電気信号をデータ収集装置18へ出力する。
X線検出器12は、例えば、X線管の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、X線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
また、X線検出器12は、例えば、グリッド、シンチレータアレイ、及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。光センサアレイは、シンチレータで発生された光を、その光量に応じた電気信号に変換する、例えば、光電子増倍管(PMT:フォトマルチプライヤー)等の光センサを有する。
なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15からの制御に従い、X線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とに加え、X線高電圧装置14及びデータ収集装置18をさらに支持する。データ収集装置18が生成した検出データは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオードを有する送信機から光通信によって架台装置10の非回転部分に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信される。架台装置10の非回転部分は、例えば、回転フレーム13を回転可能に支持する固定フレーム(図示せず)である。検出データは、受信機からコンソール装置30へ転送される。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分への検出データの送信方法は、光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。
X線高電圧装置14は、高電圧発生装置及びX線制御装置を有する。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する機能を有する。高電圧発生装置が高電圧を発生する方式は、変圧器方式であっても、インバータ方式であっても構わない。X線制御装置は、X線管11が発生するX線に応じた電圧を供給するように高電圧発生装置を制御する。X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられても、架台装置10の固定フレーム側に設けられても構わない。
制御装置15は、架台装置10及び寝台装置20の動作を制御するプロセッサ、並びに、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構を有する。制御装置15は、コンソール装置30に設けられている入力インタフェース33からの入力信号を受け、架台装置10及び寝台装置20の動作を制御する。例えば、制御装置15は、入力信号に応じ、架台装置10の回転フレーム13を回転させる制御、並びに、寝台装置20を動作させる制御を実施する。また、制御装置15は、架台装置10に設けられている入力インタフェースからの入力信号を受け、架台装置の動作を制御する。例えば、制御装置15は、架台装置10に設けられている入力インタフェースにから入力される傾斜角度(チルト角度)情報に従ってX軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させることで、架台装置10をチルトさせる制御を実施する。制御装置15は、架台装置10に設けられても、コンソール装置30に設けられても構わない。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線の線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過させて減衰させるフィルタである。例えば、ウェッジ16(ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter))は、所定のターゲット角度、及び所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等である。コリメータ17は、複数の鉛板等が組み合わされることによりスリットを形成する。
データ収集装置18は、X線検出器12に設けられる各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。データ収集装置18が生成した検出データは、回転フレーム13を経てコンソール装置30へ転送される。
寝台装置20は、スキャン対象の被検体Pを載置し、移動させる装置である。寝台装置20は、基台21、寝台駆動装置22、天板23、及び支持フレーム24を備える。基台21は、支持フレーム24を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置22は、被検体Pが載置された天板23を、天板23の長軸方向に移動させるモータ又はアクチュエータである。天板23は、被検体Pが載置される板であり、支持フレーム24の上面に設けられる。なお、寝台駆動装置22は、天板23に加え、支持フレーム24も天板23の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置30は、ユーザによるX線CT装置1の操作を受け付けると共に、架台装置10によって収集された検出データから再構成画像データを再構成する装置である。コンソール装置30は、図1に示されるように、メモリ31、ディスプレイ32、入力インタフェース33、通信インタフェース34、及び処理回路35を備える。
メモリ31は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、並びに、光ディスク等により実現される。メモリ31は、例えば、制御装置15がその機能を実現するためのプログラム、及び処理回路35がその機能を実現するためのプログラム等を記憶している。
また、メモリ31は、例えば、検出データに対して前処理が施されることで得られる投影データ、投影データに対して再構成処理が施されることで得られる再構成画像データ、及び再構成画像データを画像処理することで得られる医用画像データ等を記憶する。なお、投影データ、及び再構成画像データは、処理回路35により発生されても構わないし、PACS(Picture Archiving and Communication System)を構成する画像保管装置等から読み出されても構わない。本実施形態において、再構成画像データには、例えば、CT画像データ、物質弁別画像データ、電子密度画像データ、実効原子番号画像データ、及び単色X線画像データ等が含まれる。
ディスプレイ32は、各種の情報を出力する出力インタフェースの一例である。例えば、ディスプレイ32は、医用画像データに基づく医用画像、及びユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を、処理回路35からの指示に基づいて表示する。ディスプレイ32は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等である。
入力インタフェース33は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路35へ出力する。例えば、入力インタフェース33は、検出データを収集する際の収集条件、再構成画像データを再構成する際の再構成条件、再構成画像データに対して画像処理を施す際の画像処理条件等をユーザから受け付ける。入力インタフェース33は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、及びジョイスティック等により実現される。
通信インタフェース34は、例えば、病院内ネットワークと接続する。通信インタフェース34は、例えば、病院内ネットワークを介して画像保管装置と、投影データ及び再構成画像データ等を送受信する。
処理回路35は、X線CT装置1全体の動作を制御するプロセッサである。処理回路35は、メモリ31に記憶されているプログラムを実行することで、実行したプログラムに対応する機能を実現する。例えば、処理回路35は、スキャン制御機能351、前処理機能352、再構成処理機能353、画像処理機能354、参照画像生成機能355、及び表示制御機能356を実行する。
スキャン制御機能351は、入力インタフェース33を介してユーザから受け付けた入力操作に基づき、スキャンを実行するためにX線CT装置1を制御する機能である。
前処理機能352は、データ収集装置18により生成された検出データを補正する機能である。この補正は、例えば、対数変換処理、オフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、及びビームハードニング補正処理等である。本実施形態では、前処理が施された検出データを投影データと称する。
再構成処理機能353は、前処理機能352で生成された投影データに対して、再構成処理を実施する機能である。処理回路35は、例えば、フィルタ補正逆投影法、及び逐次近似再構成法等を用い、投影データに基づいてCT画像データを生成する。
また、処理回路35は、例えば、2種類の異なる管電圧から得られた2つの投影データを、予め設定した2つの基準物質それぞれの投影データ(線積分データ)に分離することで、基準物質の存在率に基づく画像(基準物質画像)を再構成する。処理回路35は、2つの基準物質画像を用いて重み付け計算処理を行うことで、物質弁別画像データ、電子密度画像データ、実効原子番号画像データ、及び単色X線画像データを生成する。
画像処理機能354は、入力インタフェース33を介してユーザから受け付けた入力操作に従い、再構成処理機能353によって生成された再構成画像データに基づき、ユーザが所望する態様の医用画像データを生成する機能である。処理回路35は、例えば、公知の方法により、CT画像データを任意断面の断層像データ、及び3次元画像データに変換する。また、処理回路35は、例えば、複数の単色X線画像データについて、実効X線エネルギー(keV)の変化に伴う解析対象値の変化を可視化したマップ画像データを生成する。本実施形態において、解析対象値は、CT値、及びCNR(Contrast to Noise Ratio)値等、解析の対象となる値を表す。なお、マップ画像データについては後に詳述する。
参照画像生成機能355は、画像処理機能354により生成された医用画像データに基づいて参照画像データを生成する機能である。
表示制御機能356は、画像処理機能354により生成された医用画像データ、及び参照画像生成機能355により生成された参照画像データに基づく画像を表示するようにディスプレイ32を制御する機能である。
次に、上記のように構成されるX線CT装置1における画像処理機能354、及び参照画像生成機能355の処理について具体的に説明する。なお、以下の説明では、再構成処理機能353により、CT画像データと、複数の実効X線エネルギーそれぞれと対応する複数の単色X線画像データとが生成されるものとする。処理回路35は、医用画像に設定した線状、又は面状のROI内の解析対象値を、複数の実効X線エネルギー(keV)に対応する各単色X線画像において算出する。処理回路35は、空間的情報と、実効X線エネルギーの変化に伴う解析対象値の変化に関する情報(keV軸方向の情報)とを合わせてユーザに提示する。以下では、線状のROIが設定される場合と、面状のROIが設定される場合とにおいて、処理回路35がマップ画像データを生成し、生成したマップ画像データに基づくマップ画像を表示する場合を説明する。
(線状のROIに対するマップ画像の作成及び表示)
図2は、図1に示される処理回路35の処理の例を表すフローチャートである。
まず、ディスプレイ32上に表示されている医用画像に対し、ユーザがマウス等の入力インタフェース33を介して線状のROIを入力する。このとき、ディスプレイ32に表示されている医用画像は、断層像データに基づく断層画像であってもよいし、3次元画像データに基づく3次元画像であってもよいし、いずれかの単色X線画像データに基づく単色X線画像であってもよい。また、ユーザにより入力される線状のROIは、曲線、直線、及び折れ線であっても構わない。
ユーザにより線が入力されると、処理回路35は、画像処理機能354を実行する。画像処理機能354において、処理回路35は、入力された線をROIとして設定する(ステップS1)。具体的には、処理回路35は、入力された線上の点に対応する座標をメモリ31に記憶させる。また、処理回路35は、位置合わせ処理等により、記憶した座標と対応する座標を、複数の実効X線エネルギーにそれぞれ対応する単色X線画像データに対して算出し、算出した座標をそれぞれ対応付けてメモリ31に記憶させる。
上記例ではユーザにより入力されたROIを設定する例を説明したが、処理回路35がROIを自動で設定してもよい。例えば、入力インタフェース33を介し、ユーザから医用画像における所定の部位が指定されると、処理回路35は、画像処理機能354を実行する。ここで、所定の部位とは、例えば、既存の領域抽出技術により領域を抽出可能な心臓の主要血管、及び肺等の主要臓器を指す。画像処理機能354において、処理回路35は、例えば、複数の単色X線画像データに対し、血管抽出処理等、管状形状及びその芯線を自動で抽出する既存の管状形状抽出アルゴリズムを用いて、管状形状領域及びその芯線の分布を抽出する。処理回路35は、例えば、抽出した管状形状領域の画素数が最大となる単色X線画像データを選択する。処理回路35は、選択した単色X線画像データにおいて抽出された芯線を線状のROIとして設定する。
また、例えば、処理回路35は、複数の実効X線エネルギーに対応する単色X線画像データの各画素の最大の画素値を抽出する。処理回路35は、抽出した最大の画素値を各画素に割り当てたMIP(Maximum Intensity Projection)画像を作成する。処理回路35は、作成したMIP画像に基づいて抽出した芯線を線状のROIとして設定する。
また、例えば、処理回路35は、複数の単色X線画像データに対し、臓器等を既存の領域抽出処理で抽出する。処理回路35は、抽出した領域の画素数が最大となる単色X線画像データを選択する。処理回路35は、選択した単色X線画像データにおいて抽出された領域の軸となる線を算出し、算出した線をROIとして設定する。算出する領域の軸は、主成分分析で算出した主軸を用いてもよいし、抽出した領域の体軸方向に垂直あるいは平行な断面の重心を繋げた曲線を用いてもよい。
図3は、肺に対して設定された軸がROIとして設定される場合の例を表す図である。図3によれば、処理回路35は、軸上の点に対応する座標をメモリ31に記憶させる。
続いて、処理回路35は、複数の実効X線エネルギーにそれぞれ対応する単色X線画像データを対象に、ステップS1でメモリ31に記憶した座標において、解析対象値を算出する(ステップS2)。解析対象値は、例えば、CT値であってもよいし、基準となる領域に対するROI上の各点のCNR値であってもよい。CNR値は、例えば、(ROI上の点のCT値−基準領域のCT値の平均値)/基準領域のCT値のSD値、により算出される。
図4は、図3に示されるように設定したROIについて算出した解析対象値を表す図である。図4では、解析対象値としてROI上の各点の画素値(CT値)が算出され、算出されたCT値の、A:0mmからB:160mmまでの推移が表されている。なお、解析対象となる値は、ROI上の各点の画素1つから算出してもよいし、ROI上の各点近傍にある複数の画素の平均値又は最大値等から算出してもよい。
解析対象値としてCNR値を用いる場合、基準となる領域はマウス等の入力インタフェース33を介してユーザが指定してもよいし、ステップS1で設定したROI近傍の領域であってもよいし、ROI設定の際に抽出した領域及びその近傍領域であってもよい。
続いて、処理回路35は、ROIの座標(空間的情報)、単色X線画像データ毎の実効X線エネルギー、及び各実効X線エネルギーの単色X線画像データに対して算出した解析対象値に基づき、マップ画像を作成する(ステップS3)。なお、マップ画像は、空間的情報と実効X線エネルギーの変化に伴う解析対象値の変化に関する情報とを含む画像と換言しても構わない。
具体的には、処理回路35は、各実効X線エネルギーの単色X線画像に設定したROIの一方の端点から他方の端点への進行方向をx軸方向とし、実効X線エネルギーの値(keV)の増加方向をy軸方向とした2次元画像を規定する。処理回路35は、この2次元画像の各画素値として、ステップS2で算出した解析対象値を割り当てることでマップ画像を生成する。つまり、処理回路35は、単一の実効X線エネルギーの単色X線画像におけるROIの進行方向に沿って算出される解析対象値をx軸に平行に配置したものを、実効X線エネルギーの大きさ順でy軸に平行に並べて配置することで、マップ画像を生成する。図5は、肝臓内に設定したROI ABについて生成したマップ画像の例を表す図である。
マップ画像データを生成すると、処理回路35は、参照画像生成機能355を実行する。参照画像生成機能355において、処理回路35は、生成したマップ画像データに基づく参照画像データを作成する(ステップS4)。本実施形態において、参照画像は、マップ画像と対応付けられ、マップ画像で示される空間的情報、及び実効X線エネルギーの変化に伴う解析対象値の変化の直感的な理解を補助する画像である。具体的には、例えば、処理回路35は、マップ画像データが生成されると、代表的な実効X線エネルギーを選択し、その実効X線エネルギーにおける単色X線画像データを参照画像データとする。図6は、マップ画像と参照画像との表示例を表す図である。図6において、左側には参照画像としての単色X線画像が表示され、右側にはマップ画像が表示されている。
処理回路35は、参照画像に対応する実効X線エネルギーを、例えば、ユーザから入力される指示に基づいて決定する。具体的には、例えば、処理回路35は、ユーザが特定の実効X線エネルギーの値(keV)を直接指定すると、その実効X線エネルギーを選択する。また、処理回路35は、ディスプレイ32上に表示されているマップ画像上の画素がユーザによりクリックされると、その画素に対応する実効X線エネルギーを選択してもよい。このとき、参照画像上において、ユーザによりクリックされている位置と対応するROI上の位置を認識可能に表示しても構わない。また、処理回路35は、マップ画像上で注目したい画素がユーザにより指定されると、その画素を基準点とした領域抽出処理をした上で、抽出した領域のx軸方向の長さが最大となる実効X線エネルギーを選択してもよい。
また、処理回路35は、参照画像に対応する実効X線エネルギーを自動的に決定してもよい。具体的には、例えば、処理回路35は、ディスプレイ32に表示されているマップ画像のx軸(ROIの進行方向に沿った軸)方向における解析対象値の総和、又はマップ画像のx軸方向における解析対象値の最大値を算出し、その値が最大となる実効X線エネルギーを選択してもよい。また、処理回路35は、CNR値、又はマップ画像のx軸方向における解析対象値の変化量を算出し、その値が最大となる実効X線エネルギーを選択してもよい。マップ画像のx軸方向における解析対象値の変化量は、例えば、マップ画像に勾配(1回微分)フィルタ、又はラプラシアン(2回微分)フィルタをかけ、フィルタ後のマップ画像のx軸方向における画素値の絶対値の総和として表現できる。
また、処理回路35は、単一の実効X線エネルギーだけでなく複数の実効X線エネルギーに対応する単色X線画像の各画素の加重平均、又は最大画素値を計算し、計算した値を各画素の画素値に割り当てた画像を参照画像として用いてもよい。例えば、処理回路35は、ユーザが入力インタフェース33から指定した範囲に含まれる複数の実効X線エネルギーに対応する単色X線画像の各画素の加重平均、又は最大画素値を、各画素の画素値に割り当てた画像を参照画像として用いる。
また、処理回路35は、マップ画像をカラーマップ表示したカラーマップ画像データを生成し、このカラーマップ画像データを参照画像データとしても用いても構わない。図7は、マップ画像に基づいて生成されたカラーマップ画像を表す図である。
図5に示される所定の実効X線エネルギーの単色X線画像だけではROI AB上に存在する組織を判別することは困難である。一方、図6、及び図7に示されるようにマップ画像、及び参照画像を表示することで、ユーザは、空間的情報と、keV軸方向の情報とを、より直感的に理解することが可能となる。例えば、図6に示される代表的な実効X線エネルギーの単色X線画像、及びマップ画像、並びに図7に示されるカラーマップ画像によれば、ROI ABの中ほどに画素値の傾向の異なる領域が存在することを確認することが可能となる。
なお、処理回路35は、マップ画像及び参照画像に対し、一般的な画像処理を適用可能である。例えば、処理回路35は、ウィンドウ幅(WW)/ウィンドウレベル(WL)の調整、スムージング等の画像フィルタ処理、指定した画素の解析対象値の表示、及び指定した画素を基準点とした領域抽出処理等が可能である。
(面状のROIに対するマップ画像の作成及び表示)
処理回路35は、図2と同様の処理により、マップ画像データを生成し、生成したマップ画像データに基づくマップ画像を表示する。
まず、ディスプレイ32上に表示されている医用画像に対し、ユーザがマウス等の入力インタフェース33を介して面状のROIを入力する。このとき、ユーザにより入力される面状のROIは、曲面、及び平面のいずれであっても構わないし、断面、及び表面のいずれであっても構わない。また面全体がROI領域である必要はなく、例えば、臓器部分のみ等、面内の任意の領域だけであってもよい。
ユーザにより面が入力されると、処理回路35は、画像処理機能354を実行する。画像処理機能354において、処理回路35は、入力された面をROIとして設定する(ステップS1)。具体的には、処理回路35は、入力された面内の点に対応する座標をメモリ31に記憶させる。また、処理回路35は、位置合わせ処理等により、記憶した座標と対応する座標を、複数の実効X線エネルギーにそれぞれ対応する単色X線画像データに対して算出し、算出した座標をそれぞれ対応付けてメモリ31に記憶させる。
上記例ではユーザにより入力されたROIを設定する例を説明したが、処理回路35がROIを自動で設定してもよい。例えば、入力インタフェース33を介し、ユーザからマップ画像を作成する旨の指示が入力されると、処理回路35は、画像処理機能354を実行する。画像処理機能354において、処理回路35は、例えば、複数の単色X線画像データに対し、臓器又は血管等を既存の領域抽出処理で抽出する。処理回路35は、抽出した臓器又は血管等の画素数が最大となる単色X線画像データを選択する。処理回路35は、選択した単色X線画像データにおいて、抽出した臓器又は血管等の形状をよく示す断面を算出し、算出した断面を面状のROIとして設定する。算出する断面は、主成分分析で算出した主軸を通る面を用いてもよいし、体軸に平行又は直行する断面であってもよい。図8は、肺に対して、肺領域の断面をROI領域として設定した場合の例を表す図である。
また、例えば、処理回路35は、複数の実効X線エネルギーに対応する単色X線画像データの各画素の最大の画素値を抽出する。処理回路35は、抽出した最大の画素値を各画素に割り当てたMIP(Maximum Intensity Projection)画像を作成する。処理回路35は、作成したMIP画像から、臓器又は血管等を既存の領域抽出処理で抽出する。処理回路35は、抽出した臓器又は血管等の形状をよく示す断面を算出し、算出した断面を面状のROIとして設定する。
続いて、処理回路35は、複数の実効X線エネルギーにそれぞれ対応する単色X線画像データを対象に、ステップS1でメモリ31に記憶した座標において、解析対象値を算出する(ステップS2)。解析対象値は、例えば、CT値であってもよいし、基準となる領域に対するROI上の各点のCNR値であってもよい。
続いて、処理回路35は、ROIの座標(空間的情報)、単色X線画像データ毎の実効X線エネルギー、及び各実効X線エネルギーの単色X線画像データに対して算出した解析対象値に基づき、マップ画像を作成する(ステップS3)。
具体的には、例えば、処理回路35は、各実効X線エネルギーの単色X線画像に設定した面状のROIの接線方向をx軸方向及びy軸方向とし、実効X線エネルギーの値(keV)の増加方向をz軸方向とした3次元画像を規定する。処理回路35は、この3次元画像の各画素値として、ステップS2で算出した解析対象値を割り当てることでマップ画像を生成する。つまり、処理回路35は、単一の実効X線エネルギーの単色X線画像における、面状のROIに沿った解析対象値をx−y面に平行な面に配置したものを、実効X線エネルギーの大きさ順でz軸に平行に並べて配置することで、3次元のマップ画像を生成する。
図9は、曲面に対してx軸及びy軸を設定する例を表す図である。図9によれば、設定された曲面の接線方向にx軸及びy軸が割り当てられ、割り当てられた座標系に基づき、曲面に含まれる各点における座標が算出される。そして、算出された各座標を直交座標系へ射影することで、設定された曲面が直交座標系の2次元平面へ変換される。
図10は、心筋領域を曲面状のROIとした場合に3次元のマップ画像を作成する例を表す図である。図10によれば、例えば、図9に示される処理により、心筋形状が直交座標系の2次元平面へ変換される。実効X線エネルギー毎に算出された心筋上の解析対象値が、それぞれ対応する画素に割り当てられる。そして、実効X線エネルギー毎に作成された解析対象値の2次元分布が、実効X線エネルギーの大きさ順でz軸に平行に並べられる。なお、図9及び図10では、面状のROIに含まれる各点の座標が直交座標系へ射影される場合を例に説明したが、直交座標系への射影処理は必須ではない。面状のROIに含まれる各点に割り当てられた座標に基づき、マップ画像データを生成してもよい。
マップ画像データを生成すると、処理回路35は、参照画像生成機能355を実行する。参照画像生成機能355において、処理回路35は、生成したマップ画像データに基づく参照画像データを作成する(ステップS4)。具体的には、例えば、処理回路35は、マップ画像データが生成されると、代表的な実効X線エネルギーにおける単色X線画像データを参照画像データとする。また、例えば、処理回路35は、3次元のマップ画像の断面に対応するMPR画像データを参照画像データとする。図11は、マップ画像と参照画像との表示例を表す図である。図11において、左上には3次元のマップ画像が表示され、右上には参照画像としての単色X線画像が表示され、下の左右にはマップ画像の断面に対応するMPR画像が表示されている。MPR画像は、図5に示されるように、アキシャル断面画像上に線状のROIを設定して得られるマップ画像に相当する画像である。
処理回路35は、参照画像に対応する実効X線エネルギーを、例えば、ユーザから入力される指示に基づいて決定する。具体的には、例えば、処理回路35は、ユーザが特定の実効X線エネルギーの値(keV)を直接指定すると、その実効X線エネルギーを選択する。また、処理回路35は、ディスプレイ32上に表示されているマップ画像上の画素がユーザによりクリックされると、その画素に対応する実効X線エネルギーを選択してもよい。このとき、参照画像上において、ユーザによりクリックされている位置と対応するROI上の位置を認識可能に表示しても構わない。また、処理回路35は、マップ画像上で注目したい画素がユーザにより指定されると、マップ画像に対して、その画素を基準点とした領域抽出処理をした上で、抽出した領域のx軸又はy軸方向の長さが最大となる実効X線エネルギー、又は抽出した領域の面積が最大となる実効X線エネルギーを選択してもよい。
また、処理回路35は、参照画像に対応する実効X線エネルギーを自動的に決定してもよい。具体的には、例えば、処理回路35は、ディスプレイ32に表示されているマップ画像のx軸及びy軸方向(ROIの接線方向)における解析対象値の総和、又はマップ画像のx軸及びy軸方向における解析対象値の最大値を算出し、その値が最大となる実効X線エネルギーを選択してもよい。また、処理回路35は、CNR値、又はマップ画像のx軸及びy軸方向における解析対象値の変化量を算出し、その値が最大となる実効X線エネルギーを選択してもよい。マップ画像のx軸及びy軸方向における解析対象値の変化量は、例えば、マップ画像に勾配(1回微分)フィルタ、又はラプラシアン(2回微分)フィルタをかけ、フィルタ後のマップ画像のx軸及びy軸方向における画素値の絶対値の総和として表現できる。
また、処理回路35は、単一の実効X線エネルギーだけでなく複数の実効X線エネルギーに対応する単色X線画像の各画素の加重平均、又は最大画素値を計算し、計算した値を各画素の画素値に割り当てた画像を参照画像として用いてもよい。例えば、処理回路35は、ユーザが入力インタフェース33から指定した範囲に含まれる複数の実効X線エネルギーに対応する単色X線画像の各画素の加重平均、又は最大画素値を、各画素の画素値に割り当てた画像を参照画像として用いる。図12は、35keV〜135keVの単色X線画像の各画素の最大画素値を計算し、各画素の画素値に割り当てた画像として参照画像を作成した例である。
参照画像は、時相画像におけるTime To Peak画像(時相画像において各画素の画素値の値が最大となる時刻、又は基準となる時刻からの経過時間そのものを画素値として割り当てたもの)での時間軸の代わりにkeV軸を用いて、指定した断面の各座標において解析対象値が最大となる実効X線エネルギーの値を参照画像の各画素の画素値として割り当てた画像を作成して表示してもよい。
また、処理回路35は、3次元のマップ画像をMPR画像に重ね合わせて参照画像を生成しても構わない。図13は、MPR画像に3次元のマップ画像を重ね合わせた参照画像の例を表す図である。なお、3次元マップ画像を重ね合わせる画像はMPR画像に限定されない。
なお、処理回路35は、マップ画像及び参照画像に対し、一般的な画像処理を適用可能である。例えば、処理回路35は、ウィンドウ幅(WW)/ウィンドウレベル(WL)の調整、カラーマップ表示、及びスムージング等の画像フィルタ処理、指定した画素の解析対象値の表示、及び、指定した画素を基準点とした領域抽出処理等が可能である。
以上のように、第1の実施形態では、処理回路35は、画像処理機能354により、医用画像に設定されたROIについての空間的情報と、実効X線エネルギーの変化に伴う解析対象値の変化を表す情報とを含むマップ画像を作成するようにしている。これにより、複数の実効X線エネルギーの単色X線画像における実効X線エネルギーの推移に伴う解析対象値の変化を1枚の画像で表すことが可能となり、対象値の変化をより効率よく、かつ見やすく表示することができ視認性が向上する。このため、本実施形態に係るマップ画像を参照すれば、例えば、実効X線エネルギーの推移に伴う解析対象値の変化が通常の臓器と病巣部位で異なるような状況において、特定の実効X線エネルギーの単色X線画像、又は通常のCT画像だけでは病巣の有無を確認しにくい場合でも、病巣の検出漏れを削減可能となると共に、検出する際の作業コストを削減することが可能となる。
また、本実施形態に係るマップ画像は、臓器及び血管の物質分別及び性状分析にも活用できる。例えば、血管プラークでは、石灰化及び繊維性プラークは低keVほどCT値が上昇し、脂質性プラークは低keVほどCT値が低下する傾向がある。血管芯線上にROIを設定して本実施形態に係るマップ画像を作成した場合、石灰化又は繊維性プラークと、脂質性プラークとはマップ画像上で異なる特性を示すことになる。すなわち、不安定プラークかどうかの判断等、プラークの性状分析に利用することが可能である。
また、第1の実施形態では、処理回路35は、例えば、ユーザにより観測したい領域にROIが設定されると、又は領域抽出が可能な部位がユーザにより指定されると、空間的情報を含むマップ画像を生成するようにしている。これにより、ユーザは、一々元画像を参照しなくても、マップ画像からROI内の空間的な情報を認識することが可能となる。また、ユーザは、病巣部位等の位置を予め把握しておかなくても、病巣部位等の存在を表すマップ画像を容易に取得することが可能となる。また、マップ画像中に気になる部位が存在する場合には、マップ画像に含まれる空間的情報を確認すれば、気になる部位の位置を容易に認識することが可能となる。
したがって、第1の実施形態に係るX線CT装置1によれば、各X線エネルギーの単色X線画像を観察する負担を軽減することができる。
また、第1の実施形態では、処理回路35は、参照画像生成機能355により、マップ画像データに基づいて参照画像データを生成するようにしている。これにより、病巣部位等、ユーザが注目したい領域を判別しやすい、特定の実効X線エネルギーの単色X線画像(例えばベストCNR画像)、又は、複数の実効X線エネルギーの単色X線画像から算出した画像を参照画像として提示することが可能となる。このため、診断精度の向上、及び診断コストの削減を期待することが可能となる。
なお、第1の実施形態では、X線検出器12が積分型の検出器である場合について説明した。しかし、上記の実施形態で説明した画像処理方法は、X線検出器12が、被検体Pを透過したX線に由来する光を個々に計数するフォトンカウンティング方式の検出器である場合であっても適用可能である。
フォトンカウンティング方式の検出器は、X線光子が入射するごとに、当該X線光子のエネルギー値を計測可能な信号を出力する。仮に、図1に示すX線CT装置が、フォトンカウンティングCTを実行可能な装置であるとする。かかる場合、フォトンカウンティング方式の検出器である検出器12は、X線光子が入射するごとに、当該X線光子のエネルギー値を計測可能な電気信号を出力する。そして、データ収集装置18は、検出器12から出力される個々の信号を弁別して、X線光子の入射位置(検出位置)と、当該X線光子のエネルギー値とを計数情報として、X線管11の位相(管球位相)ごとに収集する。そして、処理回路35は、データ収集装置18から送信された計数情報に対して対数変換処理等を行なって、投影データを生成する。
すなわち、フォトンカウンティングCTで収集される投影データには、X線光子のエネルギー情報が含まれている。したがって、処理回路35は再構成処理機能353において、所定のエネルギー範囲の投影データから、CT画像データを再構成することが可能である。換言すると、処理回路35は、各実効X線エネルギーと対応する単色X線画像データと等価なCT画像データを再構成することができる。このようなことから、フォトンカウンティングCTに適用する場合においても、本実施形態に係るマップ画像を生成することができる。
また、上記の実施形態で説明した画像処理方法は、実効X線エネルギーが高速に切り替えられて照射されるX線に基づいて取得される単色X線画像データに対しても適用可能である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、マップ画像がX線CT装置1で生成される場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。マップ画像は、画像処理装置2により生成されても構わない。
図14は、第2の実施形態に係る画像処理装置2を含む医用情報システムの例を示す図である。図14に示される医用情報システムは、X線CT装置1a、画像処理装置2、及び画像保管装置3を備える。X線CT装置1a、画像処理装置2、及び画像保管装置3は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)により、直接的、又は間接的に相互に通信可能に接続されている。例えば、画像保管装置3がPACSを構成する場合、X線CT装置1a、画像処理装置2、及び画像保管装置3は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則って、例えば、再構成画像データ、及び医用画像データを相互に送受信する。
X線CT装置1aは、被検体を撮影することで、再構成画像データ、及び医用画像データを生成する装置である。なお、X線CT装置1aは、一管球型のX線CT装置であってもよいし、多管球型のX線CT装置であっても構わない。また、フォトンカウンティングCTであっても構わない。
画像保管装置3は、再構成画像データ、及び医用画像データを保管するデータベースである。画像保管装置3は、例えば、X線CT装置1aで生成された再構成画像データ、及び医用画像データを、内部に設けられている記憶回路に記憶する。また、画像処理装置2で生成されたマップ画像データ、及び参照画像データを記憶回路に記憶する。
画像処理装置2は、X線CT装置1aで生成された再構成画像データ、又は画像保管装置3から読み出された再構成画像データに対して画像処理を施す装置である。図14に示される画像処理装置2は、メモリ41、出力インタフェース42、入力インタフェース43、通信インタフェース44、及び処理回路45を有する。
メモリ41は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、並びに、光ディスク等により実現される。メモリ41は、例えば、処理回路45がその機能を実現するためのプログラム等を記憶している。また、メモリ41は、例えば、X線CT装置1a、又は画像保管装置3から読み出されたCT画像データ、及び各実効X線エネルギーに対応する複数の単色X線画像データを記憶している。
出力インタフェース42は、処理回路45に接続され、処理回路45から供給される信号を出力する。出力インタフェース42は、例えば、ディスプレイにより実現される。ディスプレイは、例えば、医用画像データに基づく医用画像、及びユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI等を、処理回路45からの指示に基づいて表示する。
入力インタフェース43は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路45へ出力する。例えば、入力インタフェース43は、再構成画像データに対して画像処理を施す際の画像処理条件等をユーザから受け付ける。
通信インタフェース44は、例えば、病院内ネットワークと接続する。通信インタフェース44は、例えば、病院内ネットワークを介してX線CT装置1a、及び画像保管装置3から、再構成画像データ等を受信する。
処理回路45は、画像処理装置2全体の動作を制御するプロセッサである。処理回路45は、メモリ41に記憶されているプログラムを実行することで、実行したプログラムに対応する機能を実現する。例えば、処理回路45は、画像取得機能451、画像処理機能452、参照画像生成機能453、及び表示制御機能454を実行する。
画像取得機能451は、X線CT装置1a、又は画像保管装置3から、CT画像データ、及び各実効X線エネルギーに対応する複数の単色X線画像データを取得する機能である。
画像処理機能452は、第1の実施形態に係る画像処理機能354と同様の処理により、設定されたROIについてのマップ画像を、複数の実効X線エネルギーそれぞれと対応する複数の単色X線画像データに基づいて生成する機能である。
参照画像生成機能453は、第1の実施形態に係る参照画像生成機能355と同様の処理により、マップ画像データに基づいて参照画像データを生成する機能である。
表示制御機能454は、画像処理機能452により生成されたマップ画像データ、及び参照画像生成機能453により生成された参照画像データに基づく画像を表示するようにディスプレイを制御する機能である。
以上のように、第2の実施形態では、処理回路45は、画像処理機能452により、医用画像に設定されたROIについての空間的情報と、実効X線エネルギーの変化に伴う解析対象値の変化を表す情報とを含むマップ画像を作成するようにしている。これにより、複数の実効X線エネルギーの単色X線画像における実効X線エネルギーの推移に伴う解析対象値の変化を1枚の画像で表すことが可能となり、対象値の変化をより効率よく、見やすく表示することができ、視認性が向上する。このため、本実施形態に係るマップ画像を参照すれば、病巣の検出漏れを削減可能となると共に、検出する際の作業コストを削減することが可能となる。
したがって、第2の実施形態に係る画像処理装置2によれば、各X線エネルギーの単色X線画像を観察する負担を軽減することができる。
また、第2の実施形態では、処理回路45は、参照画像生成機能453により、マップ画像データに基づいて参照画像データを生成するようにしている。これにより、病巣部位等、ユーザが注目したい領域を判別しやすい、特定の実効X線エネルギーの単色X線画像(例えばベストCNR画像)、又は、複数の実効X線エネルギーの単色X線画像から算出した画像を参照画像として提示することが可能となる。このため、診断精度の向上、及び診断コストの削減を期待することが可能となる。
なお、上記第1及び第2の実施形態で示される、実効X線エネルギーに対応する単色X線画像は、例えば、臓器の機能的な情報(例えば、血流情報)を、極座標系で表すブルズアイマップ又はポーラーマップであっても構わない。処理回路35は、ポーラーマップデータに基づき、上記実施形態に係るマップ画像データを生成してもよい。そして、処理回路35は、ポーラーマップデータに基づいて生成したマップ画像データから、参照画像データを生成してもよい。処理回路35は、マップ画像データに基づくマップ画像と、参照画像データに基づく参照画像とを並列して表示してもよいし、参照画像にマップ画像を重ね合わせて表示してもよい。
実施形態の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、上記各実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、上記各実施形態における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
上記実施形態における再構成処理機能353、画像処理機能354,452、参照画像生成機能355,453、及び画像取得機能451は、それぞれ対応する再構成処理部、画像処理部、参照画像生成部、及び画像取得部によって実現されるものであってもよい。なお、本実施形態において「部」として説明した構成要素は、その動作がハードウェアによって実現されるものであってもよいし、ソフトウェアによって実現されるものであってもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,1a…X線CT装置、2…画像処理装置、3…画像保管装置、10…架台装置、11…X線管、12…X線検出器、13…回転フレーム、14…X線高電圧装置、15…制御装置、16…ウェッジ、17…コリメータ、18…データ収集装置、20…寝台装置、21…基台、22…寝台駆動装置、23…天板、24…支持フレーム、30…コンソール装置、31…メモリ、32…ディスプレイ、33…入力インタフェース、34…通信インタフェース、35…処理回路、351…スキャン制御機能、352…前処理機能、353…再構成処理機能、354…画像処理機能、355…参照画像生成機能、356…表示制御機能、41…メモリ、42…出力インタフェース、43…入力インタフェース、44…通信インタフェース、45…処理回路、451…画像取得機能、452…画像処理機能、453…参照画像生成機能、454…表示制御機能

Claims (7)

  1. 投影データに対して再構成処理を実施することで、異なる実効X線エネルギーでの複数の単色X線画像データを生成する再構成処理部と、
    医用画像について設定された関心領域についての空間的情報と、前記複数の単色X線画像データに含まれる前記関心領域についての解析対象値の、実効X線エネルギーの変化に伴う変化を表す情報とを含むマップ画像を生成する画像処理部と
    を具備するX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記画像処理部は、前記医用画像に含まれる構造の分布を抽出し、前記抽出した分布に基づいて前記関心領域を設定する請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記マップ画像に基づき、前記マップ画像で示される空間的情報、及び実効X線エネルギーの変化に伴う解析対象値の変化の直感的な理解を補助する参照画像を生成する参照画像生成部をさらに具備する請求項1又は2記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記参照画像生成部は、前記マップ画像に含まれる実効X線エネルギー毎の解析対象値に基づき、前記参照画像となる単色X線画像を選択する請求項3記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記参照画像生成部は、前記複数の単色X線画像に基づいて前記参照画像を生成する請求項3記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 投影データに対して再構成処理が施されることで生成された、異なる実効X線エネルギーでの複数の単色X線画像データを取得する画像取得部と、
    医用画像について設定された関心領域についての空間的情報と、前記複数の単色X線画像データに含まれる前記関心領域についての解析対象値の、実効X線エネルギーの変化に伴う変化を表す情報とを含むマップ画像を生成する画像処理部と
    を具備する医用画像処理装置。
  7. 投影データに対して再構成処理を実施することで、異なる実効X線エネルギーでの複数の単色X線画像データを生成する処理と、
    医用画像について設定された関心領域についての空間的情報と、前記複数の単色X線画像データに含まれる前記関心領域についての解析対象値の、実効X線エネルギーの変化に伴う変化を表す情報とを含むマップ画像を生成する処理と
    を実行させるプログラム。
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