JP2010172590A - X線ct装置および画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 デュアルエネルギー撮影による被検体の物質抑制画像を精度よく求める。
【解決手段】 デュアルエネルギー撮影により得られた管電圧が異なる2つの断層像を重み付け減算処理して、被検体の所定の物質の成分が抑制された物質抑制画像を求める際に、画素ごとに、その画素の位置と対応付けられた重み係数を用いる。重み係数は、例えば、対象となる断層像Gにおける画像再構成領域の中心ISOからの画素gまでの距離rに応じて変化する、上記所定の物質のデュアルエネルギー比Rに基づく値とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置および画像処理装置に関し、特にデュアルエネルギー(dual energy)撮影によって得られる画像の処理に関する。
従来、X線CT装置により被検体をデュアルエネルギー撮影して得られた、X線管の管電圧(照射するX線のエネルギー分布)が異なる2つの画像を重み付け減算処理することにより、所定の物質の成分が抑制された物質抑制画像(所定の物質の成分を抑制することにより他の物質の成分が強調されることから物質強調画像ともいうが、ここでは、以下、物質抑制画像という呼称で統一する)を求める画像処理方法が知られている(例えば、特許文献1,図5等参照)。
このようにして求められた物質抑制画像は、そのまま画像診断に供されたり、別の画像を求めるための元になる画像として用いられたりする。
特開2008−154784号公報
しかし、上記の画像処理方法では、各画素について同一の重み係数を用いて重み付け減算処理するため、被検体に照射されるX線ビーム(beam)の線質が空間的な位置によって異なることによる影響が排除されておらず、求める物質抑制画像の精度向上の余地を残している。
本発明は、上記事情に鑑み、デュアルエネルギー撮影により得られた管電圧が異なる2つの画像に基づいて、被検体の物質抑制画像を精度よく求めることが可能なX線CT装置および画像処理装置を提供することを目的とする。
第1の観点では、本発明は、X線管とX線検出器とを有しており、被検体を第1の管電圧と前記第1の管電圧とは異なる第2の管電圧とによりX線CT撮影して投影データを収集する撮影手段と、前記第1の管電圧による投影データに基づく第1の画像と前記第2の管電圧による投影データに基づく第2の画像とを画像再構成する画像再構成手段と、前記第1および第2の画像における互いに対応する画素の画素値同士を、前記画素の位置に応じて異なる重み係数を用いて重み付け減算処理することにより、画像を求める重み付け減算手段とを備えるX線CT装置を提供する。
第2の観点では、本発明は、前記撮影手段が、通過するX線の線質を空間的に変化させるX線フィルタ(filter)を有しており、前記X線管から発生するX線ビームを、前記X線フィルタを介して前記被検体に照射する上記第1の観点のX線CT装置を提供する。
第3の観点では、本発明は、前記撮影手段が、X線吸収特性が異なる複数のX線フィルタを有し、前記X線ビームを前記複数のX線フィルタの中から選択されたX線フィルタを介して前記被検体に照射しており、前記重み付け減算手段が、前記選択されたX線フィルタに応じた重み係数を用いて重み付け減算処理する上記第2の観点のX線CT装置を提供する。
第4の観点では、本発明は、前記重み係数が、前記第1および第2の画像における画像再構成領域の中心から前記対応する画素までの距離に応じて変化する上記第1の観点から第3の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第5の観点では、本発明は、前記重み係数が、前記画像再構成領域の中心部よりも周辺部の方が大きくなる上記第4の観点のX線CT装置を提供する。
第6の観点では、本発明は、前記X線検出器が、前記被検体の体軸方向に複数の検出素子列を有しており、前記第1および第2の画像が、前記被検体の体軸方向における前記X線検出器に対する所定の位置の画像であり、前記重み付け減算手段が、前記所定の位置に応じた重み係数を用いて重み付け減算処理する上記第1の観点から第5の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第7の観点では、本発明は、前記重み係数が、前記撮影手段を用いて前記第1の管電圧によりX線CT撮影した場合に得られる画像の前記対応する画素と同じ位置の画素における前記所定の物質に相当する第1の画素値と、前記撮影手段を用いて前記第2の管電圧によりX線CT撮影した場合に得られる画像の前記対応する画素と同じ位置の画素における前記所定の物質に相当する第2の画素値との比に基づく上記第1の観点から第5の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第8の観点では、本発明は、前記重み付け減算手段が、第1の物質に応じた重み係数を用いる重み付け減算処理により、前記第1の物質の成分が抑制された第1の物質抑制画像を求めるとともに、第2の物質に応じた重み係数を用いる重み付け減算処理により、前記第2の物質の成分が抑制された第2の物質抑制画像を求めており、前記第1の物質抑制画像と前記第2の物質抑制画像とを重み付け加算することにより第3の画像を求める重み付け加算手段をさらに備える上記第1の観点から第7の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第9の観点では、本発明は、前記第1および第2の物質の一方が水であり、他方がヨウ素である上記第1の観点から第8の観点のいずれか1つの観点のX線CT装置を提供する。
第10の観点では、本発明は、X線管とX線検出器とを有する撮影手段により、被検体を第1の管電圧と前記第1の管電圧とは異なる第2の管電圧とによりX線CT撮影して収集された投影データに基づいて画像再構成された、前記第1の管電圧による第1の画像と前記第2の管電圧による第2の画像とを受け取る画像受取手段と、前記第1および第2の画像における互いに対応する画素の画素値同士を、前記画素の位置に応じて異なる重み係数を用いて重み付け減算処理することにより、画像を求める重み付け減算手段とを備える画像処理装置を提供する。
本発明によれば、管電圧が異なる2つの画像を、対応する画素ごとにその位置に応じた適正な重み係数を用いて重み付け減算処理することができ、X線ビームの線質が空間的な位置によって異なることによる影響を低減して、被検体の物質抑制画像を精度よく求めることができる。
本発明の実施例1に係るX線CT装置の構成を示す図である。 走査ガントリ(gantry)の撮影系の主要部をz方向に見たときの図である。 走査ガントリの撮影系の主要部をx方向に見たときの図である。 中央処理装置の構成を示す図である。 所望の管電圧相当の画像を生成するためのデータ(data)処理の過程を示す図である。 再構成される画像の各スライス(slice)位置を示す図である。 所定の管電圧によるX線のスペクトル(spectrum)を示す図である。 所定の物質におけるX線フォトンエネルギー(x-ray photon energy)とX線吸収係数との関係を示す図である。 画像再構成領域の中心から対象画像までの距離とデュアルエネルギー比との関係を示す図である。 断層像の中央部におけるヨウ素のデュアルエネルギー比の測定例を示す図である。 断層像の周辺部におけるヨウ素のデュアルエネルギー比の測定例を示す図である。 断層像のz方向の位置とデュアルエネルギー比との関係を示す図である。 ヨウ素のデュアルエネルギー比における断層像のz方向の位置Zに対する変化を示す図である。
本発明の実施例1に係るX線CT装置の動作の一例を示すフロー(flow)図である。 本発明の実施例2に係る画像処理装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
実施例1に係るX線CT装置について説明する。このX線CT装置は、デュアルエネルギー撮影により投影データを収集し、収集された投影データに基づいてX線管の管電圧が異なる2つの断層像を画像再構成し、これら2つの断層像の重み付け減算処理(加重減算処理ともいう)により、所定の物質の成分が抑制されて別の物質の密度分布を表す2つの物質密度画像(物質抑制画像)を求め、これら2つの物質密度画像の重み付け加算処理(加重加算処理)により所望の管電圧相当の断層像を生成する。そして、その特徴は、これら物質密度画像を求めるための重み付け減算処理に用いる重み係数(加重係数ともいう)を、画素の位置等を含む諸条件によって変化させ、精度のよい物質密度画像を生成することにある。
図1は、実施例1に係るX線CT装置100の構成を示す図である。
X線CT装置100は、操作コンソール(console)1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ(撮影手段)20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者からの入力を受け付ける入力装置2と、デュアルエネルギー撮影を行うための各部の制御や画像を生成するためのデータ処理等を行う中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ(buffer)5と、画像を表示するモニタ(monitor)6と、プログラム(program)やデータ等を記憶する記憶装置7とを具備している。
撮影テーブル10は、被検体40を載せて走査ガントリ20の開口部Bに入れ出しするクレードル(cradle)12を具備している。クレードル12は、撮影テーブル10に内蔵するモータ(motor)で昇降および水平直線移動される。なお、ここでは、被検体40の体軸方向すなわちクレードル12の直線移動方向をz方向、鉛直方向をy方向、z方向およびy方向に垂直な水平方向をx方向とする。
走査ガントリ20は、回転部15と、回転部15を回転可能に支持する本体部20aとを有する。回転部15には、X線管21と、X線管21を制御するX線コントローラ(controller)22と、X線管21から発生したX線ビームXbをコリメート(collimate)して整形するコリメータ(collimator)23と、コリメータ23により整形されたX線ビームXbの線質や強度を調整するX線フィルタ部28と、被検体40を透過したX線ビームXbを検出するX線検出器24と、X線検出器24の出力を投影データに変換して収集するDAS(Data Acquisition System)(データ収集装置ともいう)25と、X線コントローラ22,コリメータ23,DAS25,X線フィルタ部28の制御を行う回転部コントローラ26とが搭載される。本体部20aは、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10と通信する制御コントローラ29を具備する。回転部15と本体部20aとは、スリップリング(slip ring)30を介して電気的に接続されている。
走査ガントリ20における撮影系の主要部の構成について説明する。
図2は、撮影系の主要部をz方向に見たときの図であり、図3は、撮影系の主要部をx方向に見たときの図である。
X線管21とX線検出器24とは、図2に示すように、走査ガントリ20の開口部Bを挟むように相対向して配置されている。
X線管21は、図3に示すように、陰極フィラメント(filament)21cと回転陽極21aとを有しており、陰極フィラメント21cから放出された電子eが、電極間に印加された管電圧により加速されて回転陽極21aに衝突し、X線ビームXbを発生する。
X線検出器24は、図2および図3に示すように、複数のX線検出素子24sをチャネル方向CHに配置した検出素子列24rを、スライス方向であるz方向に複数有する多列検出器である。なお、本実施例では、X線検出器24は、図3に示すように、検出素子列番号jをz方向に32A,…,1A,1B,…,32Bとする64列分の検出素子列24rを有している。また、各検出素子列24rは、図2に示すように、チャネル番号iをチャネル方向CHに1〜1000とする1000チャネル分のX線検出素子24sを有している。
コリメータ23およびX線フィルタ部28は、図2および図3に示すように、X線管21と開口部Bとの間に配置される。
コリメータ23は、X線管21で発生したX線ビームXbをチャネル方向およびスライス方向(z方向)にコリメートしてファンビーム状に整形する。
X線フィルタ部28は、コリメータ23により整形されたX線ビームXbの線質および強度を空間的に調整するビーム形成X線フィルタを有する。ビーム形成X線フィルタは、X線ビームXbのチャネル方向における中心部が最も薄く、周辺部に近づくにつれ厚くなる凹面形状を有しており、中心部よりも周辺部の方がX線をより吸収するよう設計されている。これにより、円形または楕円形に近い断面形状を有する被検体の体表面に過剰なX線が照射されないようにする。
本実施例では、X線フィルタ部28は、空間的なX線吸収特性が異なる複数のビーム形成X線フィルタ28L,28M,28Sを有している。そして、これらの中から被検体の大きさ等に基づいて選択されたいずれかのビーム形成X線フィルタを、X線ビームXbの照射経路内に挿入する。なお、X線フィルタ部28が有するX線フィルタは、ビーム形成X線フィルタに限定されない。
X線管21から発生するX線ビームXbは、コリメータ23で整形された後、X線フィルタ部28で空間的に線質および強度が調整され、開口部B内に搬送される被検体40に照射される。被検体を透過したX線ビームXbは、X線検出器24で検出される。
なお、X線管21からX線ビームXbを照射しながら回転部15を回転中心ISOの周りに回転させたときに全方向からX線ビームが照射される領域が撮像視野SFOVである。また、断層像の画像再構成領域は、回転中心ISOを中心とする撮像視野SFOVに含まれる領域である。
図4は、中央処理装置3の構成を示す図である。中央処理装置3は、撮影条件設定部31と、スキャン制御部32と、画像再構成部33と、重み付け減算部34と、重み付け加算部35と、表示制御部36とを有する。なお、これらの構成要素は、中央処理装置3の機能により実現される。
撮影条件設定部31は、操作者からの入力に応じてデュアルエネルギー撮影の撮影条件を設定する。撮影条件としては、例えば、デュアルエネルギー撮影における設定管電圧である高い管電圧HV(第1の管電圧)と低い管電圧LV(第2の管電圧)、撮影に用いるビーム形成X線フィルタの種類FL、撮影範囲、スライス厚、スキャン1回転時間等がある。なお、設定管電圧は、例えば、高い管電圧HVを140kV、低い管電圧LVを80kVとする。
スキャン制御部32は、設定された撮影条件に従ってデュアルエネルギー撮影を実行するよう走査ガントリ2および撮影テーブル10を制御する。例えば、X線管21の管電圧を高い管電圧HV(または低い管電圧)に設定して所定の回転角度であるビュー(view)角度分に相当する複数ビューの投影データを収集し、次いで、X線管21の管電圧を低い管電圧LV(または高い管電圧)に設定して同ビュー角度分に相当する複数ビューの投影データを収集するよう、走査ガントリ2および撮影テーブル10を制御する。あるいは、X線管21の管電圧を1または数ビュー単位にて高い管電圧HVと低い管電圧LVとに繰り返し切り換えながら管電圧毎に所定のビュー角度分に相当する複数ビューの投影データを収集するよう、走査ガントリ2および撮影テーブル10を制御する。これにより、高い管電圧による所定のビュー角度分に相当する複数ビューの投影データPHV(view,j,i)と、低い管電圧による所定のビュー角度分に相当する複数ビューの投影データPLV(view,j,i)とが収集される。ここで、viewはビュー番号(view=1,2,…,2000程度)、jは検出素子列番号(j=32A,…,1A,1B,…,32B)、iはチャネル番号(i=1,2,…,1000)である。なお、後者の方法を用いる場合、収集された投影データをビュー方向に重み付け加算処理するなどして、欠落したビューの投影データを補ってもよい。上記所定のビュー角度分は、例えば2π〔rad〕、またはπ+X線ビームXbのファン角α〔rad〕である。
画像再構成部33は、デュアルエネルギー撮影によって収集された投影データを基に高い管電圧の断層像(第1の画像)と低い管電圧の断層像(第2の画像)とを画像再構成する。すなわち、図5に示すように、高い管電圧による投影データPHV(view,j,i)を基に高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)を画像再構成し、低い管電圧による投影データPLV(view,j,i)を基に低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)を画像再構成する。本実施例では、図6に示すように、回転部15の回転中心(軸)ISO上でX線管21からX線検出器24に照射されるX線ビームXbの通過領域におけるz方向の各位置z1〜z64を各スライス位置とするスライスSL1〜SL64について、高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)および低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)(z=z1,z2,…,z64)を画像再構成する。なお、画像再構成には、例えば、フィルタ逆投影法(filtered back-projection)等を用いる。
重み付け減算部34は、高い管電圧の断層像と低い管電圧の断層像とを重み付け減算処理して2つの異なる物質密度画像を求める。すなわち、図5に示すように、高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)と低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)とを重み付け減算処理することにより、被検体40の水の密度分布を表す水密度画像W(x,y,z)(第1の物質抑制画像)と、被検体40のヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像Io(x,y,z)(第2の物質抑制画像)とを求める。本実施例では、スライスSL1〜SL64の各々について、水密度画像W(x,y,z)とヨウ素密度画像Io(x,y,z)(z=z1,z2,…,z64)とを求める。
ここで、重み付け減算部34による重み付け減算処理について詳細に説明する。
図7は、所定の管電圧によるX線のスペクトル(エネルギー分布)を示す図である。この図において、SP80は管電圧80kVによるX線のスペクトル、SP140は管電圧140kVによるX線のスペクトルを示す。また、図8は、所定の物質におけるX線フォトンエネルギーとX線吸収係数との関係を示す図である。この図において、μaは物質aのX線吸収係数、μbは物質bのX線吸収係数を示す。
X線のスペクトルは、図7に示すように、そのX線を発生するX線管の管電圧によって異なる。また、物質のX線吸収係数は、図8に示すように、X線フォトンエネルギーに応じて変化し、その変化曲線は物質を構成する元素の種類またはその組合せによって異なる。
一方、被検体の投影データまたは断層像は、2つの異なる物質の密度分布およびそのX線吸収係数により近似的に表現できる。
この近似モデルに基づき、水密度画像W(x,y,z)とヨウ素密度画像Io(x,y,z)とを求めることができる。つまり、管電圧が異なる2つの画像GHV(x,y,z)とGLV(x,y,z)を、ヨウ素の成分を抑制し、水の成分を強調すべく、ヨウ素に相当する画素の画素値が零になるよう重み付け減算処理することにより、水の密度分布を表す水密度画像W(x,y,z)を求めることができる。同様に、管電圧が異なる2つの画像GHV(x,y,z)とGLV(x,y,z)を、水の成分を抑制し、ヨウ素の成分を強調すべく、水に相当する画素の画素値が零になるよう重み付け減算処理することにより、ヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像Io(x,y,z)を求めることができる。
具体的には、例えば次の数式に従って重み付け減算処理を行う。
Figure 2010172590
ここで、kwは水密度画像の画素値W(x,y,z)を水の密度〔mg/ml〕を表す値に変換するための変換係数、kioはヨウ素密度画像Ioの画素値(x,y,z)をヨウ素の密度〔mg/ml〕を表す値に変換するための変換係数、Rioは高い管電圧HVと低い管電圧LVとにおけるヨウ素のデュアルエネルギー比、Rwは高い管電圧HVと低い管電圧LVとにおける水のデュアルエネルギー比である。
水密度画像W(x,y,z)を求めるための重み付け減算処理を表す数式1において、低い管電圧の断層像の画素値GLV(x,y,z)に乗算する重み係数はkwであり、高い管電圧の断層像の画素値GHV(x,y,z)に乗算する重み係数はkw・Rioである。また、ヨウ素密度画像Io(x,y,z)を求めるための重み付け減算処理を表す数式2において、低い管電圧の断層像の画素値GLV(x,y,z)に乗算する重み係数はkioであり、高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)の画素値に乗算する重み係数はkio・Rwである。
さらに、デュアルエネルギー比Rioは、低い管電圧LVによるX線を用いて撮影した場合に得られる断層像GCLV(x,y,z)上のヨウ素に相当する画素値(CT値)GCio,LV(x,y,z)を、高い管電圧HVによるX線を用いて撮影した場合に得られる断層像GCHV(x,y,z)上のヨウ素に相当する画素値GCio,HV(x,y,z)で除算してなる値(画素値の比)としている。また、デュアルエネルギー比Rwは、断層像GCLV(x,y,z)上の水に相当する画素値GCw,LV(x,y,z)を、断層像GCHV(x,y,z)上の水に相当する画素値GCw,140(x,y,z)で除算してなる値としている。
これらのデュアルエネルギー比Rは、X線管の管電圧と物質の種類に応じて変化するが、実際にはこれらに加え、次に示すような他の条件に応じても変化する。
第一に、デュアルエネルギー比Rは、断層像内の画素の位置に応じて変化し、特に図9(a)に示すように、断層像Gにおける画像再構成領域の中心ISOから画素g(x,y,z)までの距離rに応じて変化するという特徴を有する。すなわち、デュアルエネルギー比Rが同じ値を取る画素の位置を線で繋げると、図9(b)に示すように、画像再構成領域の中心ISOを中心とする同心円に近い分布として表される。これは、被検体40に照射されるX線ビームXbの線質が、チャネル方向CHに変化すること、またはビーム形成X線フィルタのX線透過経路がチャネル方向CHに変化することなどによるものと考えられる。
X線管21から発生するX線ビームXbは、X線管21を構成する回転陽極21aの構造に起因して、図2に示すように、チャネル方向CHの中心部では軟らかいX線ビームXsとなり、チャネル方向CHの周辺部では硬いX線ビームXhとなることが知られている。軟らかいX線ビームとは、低いX線エネルギー成分が多い、すなわちX線実効エネルギーが比較的低いX線ビームのことであり、硬いX線ビームとは、高いX線エネルギー成分が多い、すなわちX線実効エネルギーが比較的高いX線ビームのことである。また、ビーム形成X線フィルタは、X線フォトンエネルギーが低いX線の吸収量が多く、チャネル方向CHの周辺部に近いほどそのフィルタの厚さが増してX線の吸収量が増えるため、ビーム形成X線フィルタを通過したX線ビームXbは、さらにこの傾向が強くなると考えられる。
なお、一例として、ヨウ素が中央部あるいは周辺部に配置されたファントムを撮影した場合における、管電圧80kVと140kVの断層像の中央部におけるヨウ素のデュアルエネルギー比Rioの測定例を図10に、管電圧80kVと140kVの断層像の周辺部におけるヨウ素のデュアルエネルギー比Rioの測定例を図11に示す。この測定例では、ヨウ素のデュアルエネルギー比Rioは、断層像の中央部(r=0cm)で1.70、断層像の周辺部(r=25cm)で1.80となり、距離rが大きくなるとデュアルエネルギー比Rioも大きくなる傾向があることが分かる。
第二に、デュアルエネルギー比Rは、撮影に使用するビーム形成X線フィルタの種類、すなわちその形状やX線吸収特性に応じて変化するという特徴を有する。ビーム形成X線フィルタの種類が異なれば、そのフィルタが有する空間的なX線吸収特性も異なるため、ビーム形成X線フィルタを通過したX線ビームXbの線質も空間的に変化するからである。
第三に、デュアルエネルギー比Rは、図12に示すように、重み付け減算処理の対象となる断層像の、X線検出器24に対するz方向の位置Zに応じて変化するという特徴を有する。X線管21から発生するX線ビームXbは、X線管21を構成する回転陽極21aの構造に起因して、図3に示すように、z方向の陰極フィラメント21c寄りの周辺部においては軟らかいX線ビームXsとなり、z方向の回転陽極21a寄りの周辺部においては硬いX線ビームXhとなることが知られている。デュアルエネルギー比Rにおける断層像のz方向の位置Zに対する依存性は、このようなX線ビームXbのz方向における線質の違いによるものと考えられる。
なお、一例として、ヨウ素のデュアルエネルギー比Rioにおける断層像のz方向の位置Zに対する変化を図13に示す。デュアルエネルギー比Rは、この例で示すように、断層像のz方向の位置Zがフィラメント陰極21c側から回転陽極21a側へ近づくにつれて大きくなる傾向があることが分かる。
本実施例では、被検体40の水密度画像W(x,y,z)および要素密度画像Io(x,y,z)を精度よく求めるため、デュアルエネルギー比Rに関するこれらの特徴を考慮して、次のような構成を取る。
記憶装置7は、物質の種類Mと、管電圧HV,LVと、ビーム形成X線フィルタの種類FLと、断層像のz方向の位置Z(これにスライス厚を加えてもよい)とによる組合せ別に、断層像における各画素の座標(x,y)または断層像における画像再構成領域の中心ISOから各画素までの距離rとデュアルエネルギー比Rとの関係を表す情報RTを記憶する。
組合せを構成する各要素の選択肢としては、例えば、物質M=水,ヨウ素、管電圧HV,LV=(140kV,80kV),(120kV,60kV)、ビーム形成X線フィルタの種類FL=28L,28M,28S、断層像のz方向の位置Z=z1,z2,…,z64などとする。
また、各組合せ毎の情報RTとしては、例えば、断層像における画素とその画素でのデュアルエネルギー比Rとを画素毎に対応付けて表す情報とする。また例えば、デュアルエネルギー比Rを、断層像の中心部から周辺部に向かって連続的にあるいは段階的に大きくなるものとして規定する情報とする。すなわち、低い管電圧の断層像と高い管電圧の断層像との重み付け減算処理に用いる重み係数を、断層像の中心部より周辺部の方が大きくなるように設定する。デュアルエネルギー比の情報RTの形式は、数式でもテーブル(table)でもよい。
なお、デュアルエネルギー比Rの値は、ヨウ素や水などの物質がxy平面内の各位置に配置されたファントム(phantom)を、実際に走査ガントリ20を用いて撮影することにより得られた断層像の画素値から求めたり、理論計算に基づくシミュレーションによって求めたりすることができる。上記の情報RTは、このようにして求めた値に基づいて決定することができる。この際、多項式近似などの計算方法を用いて決定してもよい。
重み付け減算部34は、抑制しようとする物質の種類Mと、設定された管電圧HV,LVと、撮影に使用されたビーム形成X線フィルタの種類FLと、重み付け減算処理の対象となる断層像のz方向の位置Zとによる組合せに応じたデュアルエネルギー比の情報RT(M,HV,LV,FL,Z)を記憶装置7から読み出す。次いで、高い管電圧の断増像GHV(x,y,z)と低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)との間で互いに対応する画素ごとに、その画素の位置に応じたデュアルエネルギー比Rを、先に読み出したデュアルエネルギー比の情報RT(M,HV,LV,FL,Z)に基づいて特定する。そして、特定したデュアルエネルギー比Rを、上記の数式1および数式2に示すような重み付け減算処理の数式に代入して、対応する画素の画素値同士を重み付け減算処理する。つまり、重み付け減算部34は、物質の種類M,管電圧HV,LV、X線フィルタの種類FL、断層像のz方向の位置Z、および画素の座標(x,y)あるいは距離rに応じた重み係数を用いて重み付け減算処理を行う。
重み付け加算部35は、2つの異なる物質密度画像を重み付け加算処理して他の管電圧相当の断層像(第3の画像)を求める。すなわち、図5に示すように、水密度画像W(x,y,z)とヨウ素密度画像Io(x,y,z)とを重み付け加算処理することにより、所望の管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)を求める。本実施例では、スライスSL1〜SL64の各々について、管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)(z=z1,z2,…,z64)を求める。
管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)は、例えば次の数式に従って重み付け加算処理を行うことにより求めることができる。
Figure 2010172590
ここで、keV1は管電圧NVによるX線の実効エネルギー、μw(keV1)は実効エネルギーkeV1における水のX線吸収係数、μio(keV1)は実効エネルギーkeV1におけるヨウ素のX線吸収係数、kcは管電圧NV相当の断層像の画素値をCT値を表す値に変更するための変更係数である。なお、CT値は、周知の通り、物質のX線吸収の程度を示す値であり、空気のCT値は−1000〔HU〕、水のCT値は0〔HU〕で表される。
管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)を求めるための重み付け加算処理を表す数式5において、水密度画像W(x,y,z)に乗算する重み係数はkc・μw(keV1)であり、ヨウ素密度画像Io(x,y,z)に乗算する重み係数はkc・μio(keV1)である。
表示制御部36は、高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)、低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)、水密度画像W(x,y,z)、ヨウ素密度画像Io(x,y,z)、管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)等を操作者の求めに応じて、あるいは自動でモニタ6の画面に表示するための制御を行う。
これより、本発明の実施例1に係るX線CT装置の動作について説明する。
図14は、本発明の実施例1に係るX線CT装置の動作の一例を示すフロー図である。
ステップ(step)ST1では、撮影条件を設定する。ここで、撮影条件設定部31が、操作者が入力装置2を介して入力した情報を基に、デュアルエネルギー撮影に必要な撮影条件を設定する。
ステップST2では、設定された撮影条件に従ってデュアルエネルギー撮影を行う。ここで、スキャン制御部32が、撮影条件に従って走査ガントリ20と撮影テーブル10とを制御してデュアルエネルギー撮影を実行し、低い管電圧による投影データPLV(view,j,i)と高い管電圧による投影データPHV(view,j,i)とを収集する。
ステップST3では、画像再構成処理を行う。ここで、画像再構成部33が、スライスSL1〜SL64の各々について、低い管電圧による投影データPLV(view,j,i)に基づいて低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)を画像再構成するとともに、高い管電圧による投影データPHV(view,j,i)に基づいて高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)を画像再構成する。
ステップST4では、重み付け減算処理を行う。ここで、重み付け減算部34が、抑制しようとする物質の種類Mと、設定された高い管電圧HVおよび低い管電圧LVと、撮影に使用されたビーム形成X線フィルタの種類FLと、重み付け減算処理の対象となる断層像のz方向の位置Zとによる組合せに応じたデュアルエネルギー比の情報RT(M,HV,LV,FL,Z)を記憶装置7から読み出す。次いで、高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)と低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)との間で互いに対応する画素ごとに、その画素の位置に応じたデュアルエネルギー比を、先に読み出したデュアルエネルギー比の情報RT(M,HV,LV,FL,Z)に基づいて特定する。そして、その対応する画素の画素値同士を、数式1または数式2に従って重み付け減算処理する。これにより、スライスSL1〜SL64の各々について、水密度画像W(x,y,z)およびヨウ素密度画像Io(x,y,z)を求める。
ステップST5では、重み付け加算処理を行う。ここで、重み付け加算部35が、スライスSL1〜SL64の各々について、数式5に従って、水密度画像W(x,y,z)とヨウ素密度画像Io(x,y,z)とを重み付け加算処理することにより、所望の管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)を求める。
ステップST6では、表示制御部36が、モニタ6を制御して、求められた管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)をモニタ6の画面に表示させる。
このように、実施例1に係るX線CT装置100によれば、高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)と低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)とを、画素の位置を含む諸種の条件に応じたデュアルエネルギー比Rを考慮した適正な重み係数を用いて重み付け減算処理することができ、被検体に照射するX線ビームXbの線質が空間的な位置よって異なることによる影響を低減して、被検体の水密度画像W(x,y,z)やヨウ素密度画像Io(x,y,z)などの物質密度画像、さらには所望の管電圧相当の断層像GNV(x,y,z)を精度よく求めることができる。
実施例2に係る画像処理装置について説明する。この画像処理装置は、X線CT装置100からデュアルエネルギー撮影により得られた低い管電圧の断層像と高い管電圧の断層像とを入力され、管電圧が異なるこれら2つの断層像の重み付け減算処理により、被検体の水の密度分布を表す水密度画像と被検体のヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像とを求め、これら2つの物質密度画像の重み付け加算処理により所望の管電圧相当の断層像を生成する。
図15は、実施例2に係る画像処理装置102の構成を示す図である。
画像処理装置102は、ワークステーション(workstation)等で構成されており、その機能として、データ受取部(画像受取手段)50と、重み付け減算部34と、重み付け加算部35と、表示制御部36とを有する。
データ受取部50は、X線CT装置100からデュアルエネルギー撮影により得られた高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)と低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)とを受け取る。
また、データ受取部50は、X線CT装置100から重み付け減算部34による重み付け減算処理に用いる重み係数を特定するための情報を受け取る。本実施例では、このような情報として、抑制しようとする物質の種類Mと、設定された管電圧HV,LVと、撮影に使用されたビーム形成X線フィルタの種類FLと、重み付け減算処理の対象となる断層像のz方向の位置Zとの組合せに応じたデュアルエネルギー比の情報RT(M,HV,LV,FL,Z)を受け取る。
重み付け減算部34は、高い管電圧の断層像GHV(x,y,z)と低い管電圧の断層像GLV(x,y,z)との間で互いに対応する画素ごとに、その画素の位置に応じたデュアルエネルギー比Rを、先に読み出したデュアルエネルギー比の情報RT(M,HV,LV,FL,Z)に基づいて特定する。そして、その対応する画素の画素値同士を、実施例1にて説明した数式1または数式2に従って重み付け減算処理する。これにより、水密度画像W(x,y,z)およびヨウ素密度画像Io(x,y,z)を求める。
重み付け加算部35は、実施例1にて説明した数式5に従って、水密度画像W(x,y,z)とヨウ素密度画像Io(x,y,z)とを重み付け加算処理することにより、所望の管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)を求める。
表示制御部36は、画像処理装置102が有する不図示のモニタを制御して、求められた管電圧NV相当の断層像GNV(x,y,z)をそのモニタの画面に表示させる。
このように、実施例2に係る画像処理装置102によれば、実施例1に係るX線CT装置100と同様に、X線ビームの線質が空間的な位置によって異なることによる影響を低減して、被検体の物質密度画像や所望の管電圧相当の断層像を精度よく求めることができる。また、このような画像を、X線CT装置が設置された場所とは異なる場所で生成することができ、これらの画像の取扱いについて自由度が広がる。
なお、従来、被検体の物質密度画像を生成する他の方法として、デュアルエネルギー撮影により得られた高い管電圧による投影データと低い管電圧による投影データとを重み付け減算処理して新たな投影データを生成し、その新たな投影データに基づいて物質密度画像を再構成する方法が知られている。また、この方法を用いる場合に、被検体に照射するX線ビームXbの線質が空間的な位置によって異なることによる影響を低減するため、投影データ空間において補正を行う方法も知られている。しかしながら、この方法は、データ処理量が多く、計算機に負担が掛かり、目的の画像が高速に得られない。
一方、実施例1,2のように、投影データから、一旦、高い管電圧の断層像と低い管電圧の断層像とを画像再構成し、これらを重み付け減算処理して被検体の物質密度画像を求める方法は、データ処理量が比較的少なく、目的の画像を高速に得ることができる。しかしながら、この方法において、被検体に照射するX線ビームXbの線質が空間的な位置によって異なることによる影響を低減する方法は、これまで確立されていなかった。
従って、実施例1に係るX線CT装置100、実施例2に係る画像処理装置102は、被検体の物質密度画像を”精度よく”かつ”高速に”得ることができるという優れた効果を発揮する。
なお、上記の実施例1,2に関しては、種々の変形が可能である。
実施例1では、単一のX線管を用いてデュアルエネルギー撮影を行っているが、X線の照射方向が互いに異なる複数のX線管を用いてデュアルエネルギー撮影を行ってもよい。この場合、第1のX線管は高い管電圧が設定され、第2のX線管は低い管電圧が設定されてもよい。
また、実施例1では、デュアルエネルギー撮影におけるスキャン方式をアキシャルスキャン(axial scan)としているが、これをヘリカルスキャン(helical scan)としてもよい。
また、実施例1,2では、重み付け減算処理を行う被検体の物質密度画像として、水密度画像とヨウ素密度画像を用いているが、この組合せに限定されない。例えば、水密度画像とカルシウム(calcium)密度画像の組合せ、ヨウ素密度画像とカルシウム密度画像の組合せであってもよい。
また、実施例1,2では、所望の管電圧相当の断層像を求めているが、物質密度画像だけでも画像診断における有用な資料となるので、上述の重み付け加算処理を実行しないで物質密度画像だけを求めてもよい。
また、実施例1では、デュアルエネルギー比の情報RTを記憶しておき、読み出されたデュアルエネルギー比Rに所定の係数を乗算してなる値を重み係数として用いて重み付け減算処理を行っているが、デュアルエネルギー比Rに基づいて定まる重み係数の情報を記憶しておき、読み出された重み係数を用いて重み付け減算処理を行ってもよい。
同様に、実施例2では、X線CT装置からデュアルエネルギー比の情報RTを受け取り、そのデュアルエネルギー比Rに所定の係数を乗算してなる値を重み係数として用いて重み付け減算処理を行っているが、デュアルエネルギー比Rに基づいて定まる重み係数の情報を受け取り、その重み係数を用いて重み付け減算処理を行ってもよい。
なお、実施例1,2において、デュアルエネルギー撮影における2つの設定管電圧の一方を設定可能な最小管電圧とし、他方を設定可能な最高管電圧とすることが好適である。これにより、エネルギー分離度が上がり、SN比のよい断層像が得られる。一応の目安としては、設定管電圧の一方を60kV以上、100kV以下とし、他方を120kV以上、160kV以下とする。
なお、実施例1,2では、重み係数を、抑制しようとする物質の種類Mと、設定された高い管電圧HVおよび低い管電圧LVと、撮影に使用されたビーム形成X線フィルタの種類FLと、重み付け減算処理の対象となる断層像のz方向の位置Zとに応じて変えているが、ビーム形成X線フィルタの種類FLと断層像のz方向の位置Zのいずれか一方または両方を考慮しない形態であってもよい。
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 クレードル
15 回転部
20 走査ガントリ
20a 本体部
21 X線管
22 X線コントローラ
23 コリメータ
24 X線検出器
25 DAS
26 回転部コントローラ
28 X線フィルタ部
28L,28M,28S ビーム形成X線フィルタ
29 制御コントローラ
30 スリップリング
31 撮影条件設定部
32 スキャン制御部
33 画像再構成部
34 重み付け減算部
35 重み付け加算部
36 表示制御部
40 被検体
50 データ受取部
100 X線CT装置
102 画像処理装置
B 開口部

Claims (10)

  1. X線管とX線検出器とを有しており、被検体を第1の管電圧と前記第1の管電圧とは異なる第2の管電圧とによりX線CT撮影して投影データを収集する撮影手段と、
    前記第1の管電圧による投影データに基づく第1の画像と前記第2の管電圧による投影データに基づく第2の画像とを画像再構成する画像再構成手段と、
    前記第1および第2の画像における互いに対応する画素の画素値同士を、前記画素の位置に応じて異なる重み係数を用いて重み付け減算処理することにより、画像を求める重み付け減算手段とを備えるX線CT装置。
  2. 前記撮影手段は、通過するX線の線質を空間的に変化させるX線フィルタを有しており、前記X線管から発生するX線ビームを、前記X線フィルタを介して前記被検体に照射する請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記撮影手段は、X線吸収特性が異なる複数のX線フィルタを有し、前記X線ビームを前記複数のX線フィルタの中から選択されたX線フィルタを介して前記被検体に照射しており、
    前記重み付け減算手段は、前記選択されたX線フィルタに応じた重み係数を用いて重み付け減算処理する請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記重み係数は、前記第1および第2の画像における画像再構成領域の中心から前記対応する画素までの距離に応じて変化する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  5. 前記重み係数は、前記画像再構成領域の中心部よりも周辺部の方が大きくなる請求項4に記載のX線CT装置。
  6. 前記X線検出器は、前記被検体の体軸方向に複数の検出素子列を有しており、
    前記第1および第2の画像は、前記被検体の体軸方向における前記X線検出器に対する所定の位置の画像であり、
    前記重み付け減算手段は、前記所定の位置に応じた重み係数を用いて重み付け減算処理する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  7. 前記重み係数は、前記撮影手段を用いて前記第1の管電圧によりX線CT撮影した場合に得られる画像の前記対応する画素と同じ位置の画素における前記所定の物質に相当する第1の画素値と、前記撮影手段を用いて前記第2の管電圧によりX線CT撮影した場合に得られる画像の前記対応する画素と同じ位置の画素における前記所定の物質に相当する第2の画素値との比に基づく請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  8. 前記重み付け減算手段は、第1の物質に応じた重み係数を用いる重み付け減算処理により、前記第1の物質の成分が抑制された第1の物質抑制画像を求めるとともに、第2の物質に応じた重み係数を用いる重み付け減算処理により、前記第2の物質の成分が抑制された第2の物質抑制画像を求めており、
    前記第1の物質抑制画像と前記第2の物質抑制画像とを重み付け加算することにより第3の画像を求める重み付け加算手段をさらに備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  9. 前記第1および第2の物質の一方は水であり、他方はヨウ素である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のX線CT装置。
  10. X線管とX線検出器とを有する撮影手段により、被検体を第1の管電圧と前記第1の管電圧とは異なる第2の管電圧とによりX線CT撮影して収集された投影データに基づいて画像再構成された、前記第1の管電圧による第1の画像と前記第2の管電圧による第2の画像とを受け取る画像受取手段と、
    前記第1および第2の画像における互いに対応する画素の画素値同士を、前記画素の位置に応じて異なる重み係数を用いて重み付け減算処理することにより、画像を求める重み付け減算手段とを備える画像処理装置。
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