JP2014116352A - チャープ制御半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ部やフィルタ部等のそれぞれの波長の相対関係を外部制御することなくほぼ一定に保つことができるチャープ制御半導体レーザを提供する。
【解決手段】回折格子を装荷した活性領域を備えたレーザ部1とレーザ部の信号光の出射側に設けられ、信号光の伝搬方向に対して回折格子の稜線が30°〜60°の角度の範囲で傾斜した回折格子を備えた傾斜回折格子部2と、その前方に波長フィルタ部3とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、チャープ制御半導体レーザに関するものであり、例えば、光ファイバ伝送方式の光源として用いるチャープ制御半導体レーザに関する。
インターネット需要の爆発的な増加に伴い、光通信/光伝送において超高速化と大容量化への取り組みが活発化している。なかでも、40Gbit/sec以上の超高速光ファイバ伝送システム、或いは、データコム、例えば25ギガビットをWDM(波長分割多重)で4波束ねた100ギガビット・イーサネット(登録商標)向けに、25Gbit/sec以上の変調が可能な半導体レーザが求められている。
この光ファイバ伝送用の光源として直接変調型のレーザと外部変調型のレーザがある。このうち、直接変調型のレーザはコンパクトでローコストなデバイスとして有用である。しかしながら、光ファイバの伝送損失がもっとも小さく長距離伝送が可能な1.55μm帯においては、直接変調時に発生する波長チャーピングと光ファイバの分散特性の影響により、伝送途中で信号波形が歪み、伝送距離が長くなるほど正常に受信できなくなる。なお、波長チャーピングとは、主に光パルスの立ち上がり部分及び立下り部分で生じる波長変動を意味する。
そこで、オンオフ変調信号に変調速度の半分のDCチャープ(adiabatic chirp)を与え、オフ側の光信号をレーザの外部に設置したフィルタでカットすることで伝送距離を延伸したチャープ制御直接変調レーザが提案されている。
図54は、従来のチャープ制御直接変調半導体レーザの説明図である。直接変調半導体レーザ111に10Gbit/secの変調信号を印加する際に、変調速度の半分のDCチャープを与え、オフ側の光信号(“0”)をフィルタ112でカットする。その結果、オン側の光信号(“1”)は、波形の歪が少なくなって長距離伝送が可能になり、ここでは、SSMF(標準単一モードファイバ)113を用いて200kmの伝送を可能にしている。
なお、フォトダイオード114はハーフミラー116で反射された直接変調半導体レーザ111からの出力光を検出し、フォトダイオード115はフィルタ112で反射された反射光をハーフミラー116を介して検出している。このフォトダイオード114の検出出力とフォトダイオード115の検出出力の比が一定になるように直接変調半導体レーザ111を温度制御して、透過波長と反射波長の相対関係を安定化している。
なお、直接変調半導体レーザ111としては、DFB(分布帰還型)半導体レーザや、活性DFB領域と受動DBR(分布ブラッグ反射器)領域を集積化したDR(分布反射型)レーザが用いられる。
特開2007−139888号公報
Matsui et al.,IEEE Photonics Technology Letters,vol.18,no.2,pp.385−387,2006
しかしながら、このレーザモジュールはレーザ部とフィルタ部が屈折率の温度依存性が異なる材料で構成されているため、上述のように環境温度変化に対してレーザの発振波長とフィルタの透過波長の相対関係を常に一定に制御する必要がある。また、フィルタなどの部品を組み合わせているため光軸調整等のコストがかさむ上、直接変調半導体レーザのメリットであるコンパクト性を犠牲にすることになる。
また、同様のコンセプトを実現できるリング共振器を用いたチャープ制御半導体レーザも提案されており(例えば、特許文献1参照)、この提案では、レーザ部とフィルタ部をモノリシックに作製可能なため光軸調整不要でコンパクトである。
この場合も、回折格子を用いたレーザ部とリング共振器では温度変化に対する共振波長の変化率が異なるため、環境温度変化に対してレーザの発振波長とフィルタの透過波長の相対関係を常に一定に制御する必要がある。しかし、フィルタ透過後の遮断光強度変動しかモニタできないため、フィルタ入射前の信号光の変動が不明で、モニタ光の変動が発光部に起因する変動かフィルタ部分に起因する変動か区別することができないという問題がある。
したがって、チャープ制御半導体レーザの温度が変化してもレーザ部やフィルタ部等のそれぞれの波長の相対関係を外部制御することなくほぼ一定に保つことを目的とする。
開示する一観点からは、回折格子を装荷した活性領域を備えたレーザ部と前記レーザ部の信号光の出射側に設けられ、前記信号光の伝搬方向に対して回折格子の稜線が30°〜60°の角度の範囲で傾斜した回折格子を備えた傾斜回折格子部と、前記傾斜回折格子部の信号光の出射側に設けられ、前記信号光が導波する主導波路に対して回折格子の稜線が90°の角度となる回折格子を備えた波長フィルタ部とを有することを特徴とするチャープ制御半導体レーザが提供される。
開示のチャープ制御半導体レーザによれば、レーザ部やフィルタ部等のそれぞれの波長の相対関係を外部制御することなくほぼ一定に保つことが可能になる。
本発明の実施の形態のチャープ制御半導体レーザの説明図である。 本発明の実施の形態のチャープ制御半導体レーザの各部の特性の説明図である。 本発明の実施の形態の他のチャープ制御半導体レーザの説明図である。 本発明の実施の形態の他のチャープ制御半導体レーザの各部の特性の説明図である。 本発明の実施の形態のさらに他のチャープ制御半導体レーザの説明図である。 本発明の実施の形態のさらに他のチャープ制御半導体レーザの各部の特性の説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図7以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図8以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図9以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図10以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図11以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図12以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図13以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図14以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図15以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図16以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図17以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図18以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図19以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図20以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図21以降の説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図23以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図24以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図25以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図26以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図27以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図28以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図29以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図30以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図31以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図32以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図33以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図34以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図35以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図36以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図37以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図38以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図39以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図40以降の説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図42以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図43以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図44以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図45以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図46以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図47以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図48以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図49以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図50以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図51以降の途中までの説明図である。 本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程の図52以降の説明図である。 従来のチャープ制御直接変調半導体レーザの説明図である。
ここで、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態のチャープ制御半導体レーザを説明する。本発明の実施の形態のチャープ制御半導体レーザは、回折格子を装荷した活性領域を備えたレーザ部1と、信号光の出射方向に対して回折格子の稜線が30°〜60°の角度の範囲で傾斜した回折格子を備えた傾斜回折格子部2を備えている。また、傾斜回折格子部2の信号光の出射側には、信号光が導波する主導波路に対して回折格子の稜線が90°の角度となる回折格子を備えた波長フィルタ部3を備えている。
図1は、レーザ部1として、分布帰還型レーザの少なくとも信号光の出射側に分布ブラッグ反射器4を備えた分布反射型レーザを用いた場合の概念的平面図であり、ここでは、両側に分布ブラッグ反射器4,5を備えた例として示している。分布帰還型レーザの回折格子周期と分布ブラッグ反射器の回折格子周期は同じΛである。波長フィルタ部3の回折格子周期はΛであり、Λ>Λとする。また、傾斜回折格子部2の信号光の伝搬方向の回折格子周期Λは、Λ=Λ・21/2とする。
図2(a)は、波長フィルタ部3の透過特性図である。透過率がレーザの無変調時の発振波長λoffに対して0%〜25%となり、レーザの無変調時の発振波長λoffに対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長λonに対して75%〜100%となるように、Λを設定する。
図2(b)は傾斜回折格子部2における反射特性図である。無変調時の発振波長λoffに対して35%〜100%となり、レーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長λonに対して0%以上10%以下となるように、Λを設定する。
図2(c)は、レーザ部1の前方に設けた分布ブラッグ反射器4の反射特性図である。無変調時の発振波長λoff及びレーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長λonに対してほぼ同程度の70%程度の反射率を有している。
図3は、レーザ部1として、分布帰還型レーザを用いた場合の概念的平面図であり、ここでは、傾斜回折格子部2との間に戻り光低減のために光アイソレータ6を設けた例を示している。なお、傾斜回折格子部2の反射率を大きくすれば、光アイソレータ6を設けなくともレーザ部1への戻り光を5%以下にすることは可能である。ここでも、分布帰還型レーザの回折格子周期はΛで、波長フィルタ部3の回折格子周期はΛであり、傾斜回折格子部2の信号光の伝搬方向の回折格子周期はΛであり、Λ>Λ、Λ=Λ・21/2とする。
図4(a)は、波長フィルタ部3の透過特性図である。透過率がレーザの無変調時の発振波長λoffに対して0%〜25%となり、レーザの無変調時の発振波長λoffに対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長λonに対して75%〜100%となるように、Λを設定する。
図4(b)は傾斜回折格子部2における反射特性図である。無変調時の発振波長λoffに対して35%〜100%となり、レーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長λonに対して0%以上10%以下となるように、Λを設定する。
図5は、レーザ部1として、分布帰還型レーザを用いた場合の概念的平面図であり、ここでは、傾斜回折格子部2の反射率を大きくして、光アイソレータを設けなくともレーザ部1への戻り光を5%以下にするようにしたものである。ここでも、分布帰還型レーザの回折格子周期はΛで、波長フィルタ部3の回折格子周期はΛであり、傾斜回折格子部2の信号光の伝搬方向の回折格子周期はΛであり、Λ>Λ、Λ=Λ・21/2とする。
図6(a)は、波長フィルタ部3の透過特性図である。透過率がレーザの無変調時の発振波長λoffに対して0%〜25%となり、レーザの無変調時の発振波長λoffに対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長λonに対して75%〜100%となるように、Λを設定する。
図6(b)は傾斜回折格子部2における反射特性図である。無変調時の発振波長λoffに対して70%〜100%となり、レーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長λonに対して0%以上10%以下となるように、Λを設定する。
また、図1、図3或いは図5に示すように、傾斜回折格子部2において生じる回折光の導波する分岐導波路7,8が主導波路に接続される。また、図1或いは図3に示すように、分岐導波路7,8の主導波路から3μm以上離れた位置に光吸収層を備えた受光部9,10を設けることが望ましい。なお、3μm以下の距離に受光部9,10を配置すると、主導波路を導波する信号光のエンべロープ部分を吸収する虞がある。
また、波長フィルタ部3及び傾斜回折格子部2には電流注入或いは電圧印加のための電極を設けることが望ましく、電流注入或いは電圧印加によって、波長フィルタ部3及び傾斜回折格子部2の屈折率を制御することができる。
レーザ部1が分布ブラッグ反射器を有するレーザであるか、或いは、レーザ部1が分布ブラッグ反射器を有しないレーザであって、レーザ部1に設けた回折格子が位相シフト領域を有する回折格子の場合には、レーザ部1の出射側と反対側の端面と、波長フィルタ部3の出射側の端面に無反射コート膜を設けることが望ましい。
また、レーザ部1が分布ブラッグ反射器を有しないレーザであって、レーザ部1に設けた回折格子が周期が均一な回折格子の場合には、レーザ部1の出射側と反対側の端面に反射率が40%以上100%以下の高反射コート膜を設けることによって光出力を増大させることが可能になる。なお、波長フィルタ部3の出射側の端面には無反射コート膜を設けることが望ましい。
本発明の実施の形態においては、レーザ部1、傾斜回折格子部2及び波長フィルタ部3をほぼ同じ材料系でモノリシックに形成しているので、温度が変化してもレーザ部1や波長フィルタ部3等のそれぞれの波長の相対関係をほぼ一定に保つことができる。その結果、チャープ制御半導体レーザ(CML)としても動作が可能になる。
また、受光部9,10を設けた場合には、2つの受光部9,10で受信する信号を制御信号として用いることにより、更なる精密な波長制御や光出力モニタが可能になる。また、波長フィルタ部3へ入射前の信号光の変動と波長フィルタ部3を経由した信号光の変動の両方を同時にモニタ可能なため、レーザ部1に起因する変動と波長フィルタ部3に起因する変動を区別することが可能となり、フィードバック制御をより精密に行なえる。
以上の構成を用いることで従来の直接変調レーザモジュールとほぼ同じフォームファクターが実現でき、チャープ・マネジメント直接変調レーザのコストダウンと小型化が可能となる。
次に、図7乃至及び図22を参照して、本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザの製造工程を説明する。図7に示すように、まず、n型InP基板31の表面に電子ビームレジスト(ZEP520:日本ゼオン製商品型番)を塗布し、電子ビーム露光法により回折格子マスク32,32,32を形成する。
ここで、DRレーザ部となる回折格子マスク32の回折格子周期は239.408nmで、領域長は225μmとする。波長フィルタ兼アイソレータ部となる斜め45°の回折格子マスク32の回折格子周期は339.710nmで、領域長は100μmとする。波長フィルタ部となる回折格子マスク32の回折格子周期は239.284nmで、領域長は450μmであり、その領域の中央とそこから両側に150μm離れた位置にπラジアン(λ/4)の位相シフトを配置する。
次いで、図8示すように、このレジスト回折格子32,32,32をマスクとしてエタン/水素混合ガスによるリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を用いて、n型InP基板31の表面に回折格子パターン33,(33),33を転写する。このときの回折格子の深さは120nmである。
次いで、図9に示すように、回折格子マスク32,32,32を剥離する。次いで、図10に示すように、全面に、有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いてn型GaInAsPガイド層34、n型InP層35、量子井戸活性層36及びp型InPクラッド層37を積層する。
n型GaInAsPガイド層34は、組成波長が1.25μmで厚さを160nmとし、n型InP層35の厚さは20nmとし、p型InPクラッド層37の厚さは200nmとする。また、量子井戸活性層36は、厚さが6nmで圧縮歪量が1.2%のアンドープAlGaInAs井戸層と、組成波長が1.25μmで厚さが10nmのアンドープAlGaInAsバリア層を交互に積層して形成する。アンドープAlGaInAs井戸層の層数は12層であり、発光波長は1550nmである。
また、この量子井戸活性層36は波長組成が1.15μmで、厚さが20nmのアンドープAlGaInAs-SCH(光閉込層)で挟まれている。次いで、通常の化学気相堆積法(CVD法)を用いて 全面に厚さが300nmのSiO膜38を堆積する。
次いで、図11に示すようにフォトリソグラフィを用いて、DRレーザの活性領域となる長さが75μmの領域を覆うようにSiO膜38をエッチングしてSiOマスク39を形成する。次いで、図12に示すように、SiOマスク39をエッチングマスクとして、p型InPクラッド層37からn型InP層35の表面までエッチングする。
次いで、図13に示すように、SiOマスク39を選択成長マスクとして、MOVPE法により、組成波長1.35μm、厚さ210nmのアンドープAlGaInAs層40及び厚さ200nmでZnドープのp型InP層41を順次成長する。このとき、選択成長効果によってSiOマスク39の上には成長せずエッチングによって除去された部分にのみ成長する。次いで、図14に示すように、SiOマスク39を剥離したのち、再びCVD法を用いて、全面に厚さが300nmのSiO膜42を堆積する。
次いで、図15に示すように、フォトリソグラフィを用いて、SiO膜42の表面に受光素子を形成する領域の真上に60μm角の穴43,43を形成する。次いで、図16に示すように、穴43,43を形成したSiO膜42をエッチングマスクとしてn型InP層35に達するまでエッチングして穴44,44を形成する。
次いで、図17に示すように、SiO膜42を選択成長マスクとして、MOVEP法により穴44,44の中に厚さ210nmのアンドープGaInAs層45,45及び厚さ200nmのZnドープp型InP層46,46を順次成長する。
次いで、図18に示すように、SiO膜42を剥離したのち、再び、MOVPE法を用いて、全面に厚さが2.5μmのZnドープのp型InPクラッド層47、厚さが300nmのZnドープのp型GaInAsコンタクト層48を順次成長させる。次いで、CVD法を用いて全面に厚さが400nmのSiO膜49を堆積する。
次いで、図19に示すように、フォトリソグラフィにより、幅1.5μmの十字型のSiOマスク50を形成する。この十字型のSiOマスク50は、その十字の交点が45°傾斜した回折格子33の直上になり、横に延びた腕の部分が受光層となるアンドープGaInAs層45,45の真上に位置するように形成する。
次いで、図20に示すように、SiOマスク50をエッチングマスクとしてドライエッチングによりn型InP基板31を0.7μm掘り込んだ深さまでエッチングして十字状のメサを形成する。
次いで、図21に示すように、SiOマスク50を選択成長マスクとしてMOVPE法により、Feドープ半絶縁性InP埋込層51を成長させて、十字状のメサを埋め込む。
次いで、図22に示すように、SiOマスク50をフッ酸で除去する。次いで、領域長225μmのDRレーザ部の活性領域となる部分、45°斜め回折格子フィルタの部分、波長フィルタ部分、2個の受光素子となる部分以外のp型GaInAsコンタクト層48を通常のフォトリソグラフィとエッチングを用いて除去する。
次いで、全面にSiO膜からなるパッシベーション膜52を形成し、先ほどの手順で残したp型GaInAsコンタクト層48の部分のみに窓を開けるように通常のフォトリソグラフィとエッチングを用いてパッシベーション膜52を選択的に除去する。
次いで、パッシベーション膜52から露出したp型GaInAsコンタクト層48にp側電極53,53,53,53,53を形成するとともに、n型InP基板31の裏面にn側電極54を形成する。 次いで、DRレーザ部の露出端面及び波長フィルタ部の露出端面に無反射コート膜55,55を形成することで本発明の実施例1のチャープ制御半導体レーザが完成する。
この実施例1のチャープ制御半導体レーザにおいては、波長フィルタ部の透過特性、45°回折格子フィルタ部の透過特性、DRレーザ部の前側DBRの反射特性は、上述の図2(a)に示したような特性となる。したがって、無変調時に1550nmで発振するDRレーザ部を40Gbit/secで直接変調すると、出力端において波長1550nmのオフレベルの信号光は10%以下しか出力されず、波長1549.84nmのオンレベルの信号光はほとんどカットされずに出力される。これによりCML動作が実現されるため、長距離伝送が可能となる。なお、変調時には変調速度の半分のDCチャープ(adiabatic chirp)を与えるような駆動条件を用いてレーザを動作させる。
また、2つの受光素子の一方にはDRレーザ部からのオフレベルの信号光の一部が導かれ、もう一方には波長フィルタ部から反射された光の一部が導かれる。したがって、2つの受光素子から出力される電気信号の変動を検知することで、DRレーザ部と波長フィルタ部の間の相対的な波長変動を検知できる。その結果に基づいて、波長フィルタ部に装荷した電極53に電流注入或いは逆バイアスの印加によって波長フィルタ部の波長特性をチューニングすることで、DRレーザ部と波長フィルタ部の相対的波長関係を一定に保つことが可能となる。
次に、図23乃至図41を参照して、本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザの製造工程を説明する。図23に示すように、n型InP基板61の表面に電子ビームレジスト(ZEP520:日本ゼオン製商品型番)を塗布し、電子ビーム露光法により回折格子マスク62,62,62を形成する。
ここで、DFBレーザ部となる回折格子マスク62の回折格子周期は239.593nmで、領域長は150μmであり、領域の中央にはπラジアン(λ/4)の位相シフトが配置されている。波長フィルタ兼ディテクタへの光分岐ミラーとなる斜め45°の回折格子マスク62の回折格子周期は339.710nmで、領域長は100μmである。波長フィルタ部となる回折格子マスク62の回折格子周期は239.508nm で、領域長は300μmであり、その領域の中央とそこから両側に100μm離れた位置にπラジアンの位相シフトが配置されている。
次いで、図24に示すように、回折格子マスク62,62,62をエッチングマスクとして、エタン/水素混合ガスによるリアクティブ・イオン・エッチングを用いて、n型InP基板61の表面に回折格子パターン63,(63),63を転写する。このときの回折格子の深さは120nmである。
次いで、図25に示すように、回折格子マスク62,62,62を剥離する。次いで、図26に示すように、MOVPE法により、n型GaInAsPガイド層64、n型InP層65、量子井戸活性層66及びp型InPクラッド層67を積層する。
n型GaInAsPガイド層64は、組成波長が1.25μmで厚さを160nmとし、n型InP層65の厚さは20nmとし、p型InPクラッド層67の厚さは200nmとする。また、量子井戸活性層66は、厚さが4.2nmで圧縮歪量が1.2%のアンドープGaInAsP井戸層と、組成波長が1.25μmで厚さが10nmのアンドープGaInAsPバリア層を交互に積層して形成する。アンドープGaInAsP井戸層の層数は15層であり、発光波長は1550nmである。
また、この量子井戸活性層66は波長組成が1.15μmで、厚さが20nmのアンドープGaInAsP-SCH(光閉込層)で挟まれている。次いで、通常のCVD法を用いて 全面に厚さが300nmのSiO膜68を堆積する。
次いで、図27に示すようにフォトリソグラフィを用いて、DFBレーザの活性領域となる長さが150μmの領域を覆うようにSiO膜68をエッチングしてSiOマスク69を形成する。次いで、図28に示すように、SiOマスク69をエッチングマスクとして、p型InPクラッド層67からn型InP層65表面までエッチングする。
次いで、図29に示すように、SiOマスク69を選択成長マスクとして、MOVPE法により、厚さ210nmのアンドープGaInAs層70及び厚さ200nmでZnドープのp型InP層71を順次成長する。このとき、選択成長効果によってSiOマスク69の上には成長せずエッチングによって除去された部分にのみ成長する。
次いで、図30に示すように、SiOマスク69を剥離したのち、再び、CVD法を用いて、全面に厚さが300nmのSiO膜72を堆積する。次いで、フォトリソグラフィを用いて、SiO膜72の表面に光アイソレータを形成する部分に、長さ75μm、幅3μmの穴73を形成する。
次いで、図31に示すように、穴73を形成したSiO膜72をエッチングマスクとしてドライエッチングにより、アンドープGaInAs層70の側面が45°になるようにn型InP基板61に達するまでエッチングして傾斜穴74を形成する。次いで、図32に示すように、SiO膜72を選択成長マスクとして、MOVEP法により傾斜穴74の中に厚さ410nmのアンドープInP層75を成長させる。
次いで、図33に示すように、SiO膜72を剥離したのち、再び、CVD法を用いて、全面に厚さが300nmのSiO膜76を堆積する。次いで、図34に示すように、SiO膜76にフォトリソグラフィを用いて、DFBレーザ部、光アイソレータ部、2つの受光素子部を保護するSiOマスク77を形成する
次いで、図35に示すように、SiOマスク77をエッチングマスクとして、n型InP基板61が露出するまでエッチングする。次いで、図36に示すように、SiOマスク77を選択成長マスクとして、MOVPE法により、組成波長1.35μm、厚さ210nmのアンドープGaInAsP層78及び厚さ200nmでZnドープのp型InP層79を順次成長する。
次いで、図37に示すように、SiOマスク77を剥離したのち、MOVPE法を用いて,全面に厚さが2.5μmのZnドープのp型InPクラッド層80、厚さが300nmのZnドープのp型GaInAsコンタクト層81を順次成長させる。次いで、CVD法を用いて全面に厚さが400nmのSiO膜82を堆積する。
次いで、図38に示すように、フォトリソグラフィにより、幅1.5μmの十字型のSiOマスク83を形成する。この十字型のSiOマスク83は、その十字の交点が45°傾斜した回折格子63の直上になり、横に延びた腕の部分が受光層となるアンドープアンドープGaInAs層70の真上に位置するように形成する。
次いで、図39に示すように、SiOマスク83をエッチングマスクとしてドライエッチングによりn型InP基板61を0.7μm掘り込んだ深さまでエッチングして十字状のメサを形成する。
次いで、図40に示すように、SiOマスク83を選択成長マスクとしてMOVPE法により、Feドープ半絶縁性InP埋込層84を成長させて、十字状のメサを埋め込む。
次いで、図41に示すように、SiOマスク83をフッ酸で除去する。次いで、領域長150μmのDFBレーザ部、45°斜め回折格子フィルタの部分、波長フィルタ部分、2個の受光素子となる部分以外のp型GaInAsコンタクト層81を通常のフォトリソグラフィとエッチングを用いて除去する。
次いで、全面にSiO膜からなるパッシベーション膜85を形成し、先ほどの手順で残したp型GaInAsコンタクト層81の部分のみに窓を開けるように通常のフォトリソグラフィとエッチングを用いてパッシベーション膜85を選択的に除去する。
次いで、パッシベーション膜85から露出したp型GaInAsコンタクト層81にp側電極86,86,86,86,86を形成するとともに、n型InP基板61の裏面にn側電極87を形成する。 次いで、DFBレーザ部の露出端面及び波長フィルタ部の露出端面に無反射コート膜88,88を形成することで本発明の実施例2のチャープ制御半導体レーザが完成する。
この実施例2のチャープ制御半導体レーザにおいては、波長フィルタの透過特性、45°回折格子フィルタの透過特性が図4に示すような特性となる。したがって、無変調時に1550nmで発振するDFBレーザ部を40Gbit/secで直接変調すると、出力端において波長1550nmのオフレベルの信号光は10%以下しか出力されない。一方、波長1549.84nmのオンレベルの信号光はほとんどカットされずに出力される。これによりCML動作が実現されるため、長距離伝送が可能となる。なお、変調時には変調速度の半分のDCチャープ(adiabatic chirp)を与えるような駆動条件を用いてレーザを動作させる。
また、2つの受光素子の一方にはDFBレーザ部からのオフレベルの信号光の一部が、もう一方には波長フィルタ部から反射された光の一部が導かれる。したがって、2つの受光素子から出力される電気信号の変動を検知することで、DFBレーザ部と波長フィルタ部の間の相対的な波長変動を検知できる。
検出結果に基づいて、波長フィルタ部に装荷した電極86に電流注入、或いは逆バイアスの印加によって波長フィルタ部の波長特性をチューニングすることで、DFBレーザ部と波長フィルタ部の相対的波長関係を一定に保つことが可能となる。なお、この実施例の場合には光アイソレータを用いているので、このチャープ制御半導体レーザを用いた光モジュール等の内部にはチャープ制御半導体レーザに磁場を印加する永久磁石等を用いる必要がある。
次に、図42乃至図53を参照して、本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザの製造工程を説明する。まず、図42に示すように、まず、n型InP基板91の表面に電子ビームレジスト(ZEP520:日本ゼオン製商品型番)を塗布し、電子ビーム露光法により回折格子マスク92,92,92を形成する。
ここで、DFBレーザの部分となる回折格子マスク92の回折格子周期は239.593nmで、領域長は150μmで、中央にはπラジアンの位相シフトを配置する。波長フィルタとアイソレータの部分となる斜め45°の回折格子マスク92の回折格子周期は339.710nmで、領域長は150μmとする。波長フィルタの部分となる回折格子マスク92の回折格子周期は239.508nmで、領域長は300μmであり、その領域の中央とそこから両側に100μm離れた位置にπラジアンの位相シフトを配置する。
次いで、図43に示すように、このレジスト回折格子92,92,92をマスクとしてエタン/水素混合ガスによるリアクティブ・イオン・エッチングを用いて、n型InP基板91の表面に回折格子パターン93,(93),93を転写する。このときの回折格子の深さは120nmである。
次いで、図44に示すように、回折格子マスク92,92,92を剥離する。次いで、図45に示すように、全面に、MOVPE法を用いてn型GaInAsPガイド層94、n型InP層95、量子井戸活性層96及びp型InPクラッド層97を積層する。
n型GaInAsPガイド層94は、組成波長が1.25μmで厚さを160nmとし、n型InP層95の厚さは20nmとし、p型InPクラッド層97の厚さは200nmとする。また、量子井戸活性層96は、厚さが4.2nmで圧縮歪量が1.2%のアンドープGaInAsP井戸層と、組成波長が1.25μmで厚さが10nmのアンドープAlGaInAsバリア層を交互に積層して形成する。アンドープGaInAsP井戸層の層数は15層であり、発光波長は1550nmである。
また、この量子井戸活性層96は波長組成が1.15μmで、厚さが20nmのアンドープAlGaInAs-SCH(光閉込層)で挟まれている。次いで、通常の化学気相堆積法(CVD法)を用いて 全面に厚さが300nmのSiO膜98を堆積する。
次いで、図46に示すようにフォトリソグラフィを用いて、DFBレーザの活性領域となる長さが150μmの領域を覆うようにSiO膜98をエッチングしてSiOマスク99を形成する。次いで、図47に示すように、SiOマスク99をエッチングマスクとして、p型InPクラッド層97からn型InP層95表面までエッチングする。
次いで、図48に示すように、SiOマスク99を選択成長マスクとして、MOVPE法により、組成波長1.35μm、厚さ210nmのアンドープGaInAsP層100及び厚さ200nmでZnドープのp型InP層101を順次成長する。
次いで、図49に示すように、SiOマスク99を剥離したのち、再び、MOVPE法を用いて,全面に厚さが2.5μmのZnドープp型InPクラッド層102、厚さが300nmのZnドープのp型GaInAsコンタクト層103を順次成長させる。次いで、CVD法を用いて全面に厚さが400nmのSiO膜104を堆積する。
次いで、図50に示すように、フォトリソグラフィにより、レーザの共振器方向の幅が1.5μmで、それと直交する方向の幅が150μmの十字型のSiOマスク105を形成する。この十字型のSiOマスク105は、その十字の交点が45°傾斜した回折格子93の直上になる。
次いで、図51に示すように、SiOマスク105をエッチングマスクとしてドライエッチングによりn型InP基板91を0.7μm掘り込んだ深さまでエッチングして十字状のメサを形成する。次いで、図52に示すように、SiOマスク105を選択成長マスクとしてMOVPE法により、Feドープ半絶縁性InP埋込層106を成長させて、十字状のメサを埋め込む。
次いで、図53に示すように、SiOマスク105をフッ酸で除去する。次いで、領域長150μmのDFBレーザ部の活性領域となる部分、45°斜め回折格子フィルタの部分、前端面の波長フィルタ部分となる部分以外のp型GaInAsコンタクト層103を通常のフォトリソグラフィとエッチングを用いて除去する。
次いで、全面にSiO膜からなるパッシベーション膜107を形成し、先ほどの手順で残したp型GaInAsコンタクト層103の部分のみに窓を開けるように通常のフォトリソグラフィとエッチングを用いてパッシベーション膜107を選択的に除去する。
次いで、パッシベーション膜107から露出したp型GaInAsコンタクト層103にp側電極108,108,108を形成するとともに、n型InP基板91の裏面にn側電極109を形成する。 次いで、DFBレーザ部の露出端面及び波長フィルタ部の露出端面に無反射コート膜110,110を形成することで本発明の実施例3のチャープ制御半導体レーザが完成する。
この実施例3のチャープ制御半導体レーザにおいては、波長フィルタの透過特性、45°回折格子フィルタの透過特性は図6に示すような特性となる。したがって、無変調時に1550nmで発振するDFBレーザ部を40Gbit/secで直接変調すると、出力端において波長1550nmのオフレベルの信号光は10%以下しか出力されない。一方、波長1549.84nmのオンレベルの信号光はほとんどカットされずに出力される。これによりCML動作が実現されるため、長距離伝送が可能となる。なお、変調時には変調速度の半分のDCチャープ(adiabatic chirp)を与えるような駆動条件を用いてレーザを動作させる。
なお、上記の実施例1は量子井戸活性層をAlGaInAs系で構成し、実施例2ではGaInAsP系で構成し、実施例3では GaInAsP系井戸層とAlGaInAs系バリア層で構成しているが、互いに異なった量子井戸活性層を用いても良い。さらに、活性領域は量子井戸構造に限られるものではなく、バルク半導体を用いても良い。
また、ペルチェ素子などによって素子温度が一定に保たれるような使用環境に対しては2つの受光素子部分がなくても各領域の相対的な波長関係は保たれるため、この素子の動作に問題ないことは明白である。
また、実施例2及び実施例3においてはDFBレーザを用いているが、実施例1と同様に、DRレーザを用いても同様の効果が得られるとは明白である。また、実施例1においては回折格子に位相シフトのない構造を用いているが、任意の量の位相シフトを任意の位置に配置する設計自由度があることは明白である。
また、実施例2においては回折格子に値がπラジアンの位相シフトを有する構造を用いているが、位相シフトの量や位置に設計自由度があることは明白である。さらに、位相シフトがない構造にしても後ろ端面側に高反射膜を設置すれば単一モードで発振させることが可能であることも明白である。
また、DRレーザ、DFBレーザの活性領域や分布反射鏡の長さは実施例に記載の数値に縛られるものでは無く、要求される素子特性に対して設計自由度があるのも明白である。また、回折格子周期の、光導波方向に沿ったそれぞれの機能部分における違いについても実施例に記載の数値に縛られるものではない。
さらに、波長フィルタ部には3個の位相シフトを導入した構造を用いているが、位相シフトの位置や値、その有無に関しても素子設計次第では自由度があることは明白である。45°回折格子についても、その角度は45°に限られるものではなく、30°から60°の範囲に設定され、受光素子による制御が必要な場合には該回折格子によって回折される光を導波する導波路が回折角の方向に作り付けられていれば良い。
また、上記の各実施例では n型半導体基板を用いているが、p型半導体基板を用いても良いものであり、その場合には、基板上に成長する各半導体層の導電型を逆にすれば良い。また、半絶縁性の基板上に作製しても良いし、さらには、例えば、シリコン基板の上に貼り合わせの方法で作製しても同様の効果が得られることは明白である。
また、埋め込み構造に関しても実施例ではFeドープの半絶縁性材料を用いた電流狭窄埋め込み構造を用いているが、pnpn サイリスタ構造の電流狭窄構造を適用しても良い。さらに、本実施例では埋め込み型の導波路の例を示しているが、リッジ型導波路など、他の導波路構造のレーザにも適用可能であることは明白である。
また、上記の各実施例においては回折格子の構造に関しても表面回折格子構造を採用しているが、埋め込み型の回折格子構造を適用しても良い。また、上記の各実施例では活性層に対して基板側に回折格子構造を装荷しているが、基板と反対側の成長層側に回折格子を装荷しても同様の効果が得られることは明白である。
また、上記の各実施例においては素子全体の回折格子の結合係数の値は同じとしているが、素子設計によっては異なっていても何ら構わない。また、上記の各実施例においては回折格子の山谷比が50%の構造を示しているが、素子の設計によってはその山谷比が変化していても良い。
ここで、実施例1乃至実施例3を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)回折格子を装荷した活性領域を備えたレーザ部と前記レーザ部の信号光の出射側に設けられ、前記信号光の導波方向に対して回折格子の稜線が30°〜60°の角度の範囲で傾斜した回折格子を備えた傾斜回折格子部と、前記傾斜回折格子部の信号光の出射側に設けられ、前記信号光が導波する主導波路に対して回折格子の稜線が90°の角度となる回折格子を備えた波長フィルタ部とを有することを特徴とするチャープ制御半導体レーザ。
(付記2)前記回折格子を装荷した活性領域を備えたレーザ部が、分布帰還型レーザ、或いは、分布帰還型レーザの少なくとも前記信号光の出射側に分布ブラッグ反射器を備えた分布反射型レーザのいずれかからなることを特徴とする付記1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
(付記3)前記レーザ部と前記傾斜回折格子部との間に光アイソレータを有することを特徴とする付記1または付記2に記載のチャープ制御半導体レーザ。
(付記4)前記傾斜回折格子部における反射率の波長依存性が、無変調時の発振波長に対して35%以上100%以下であり、且つ、レーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長に対して0%以上10%以下となることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
(付記5)前記波長フィルタ部における透過率の波長依存性が、レーザの無変調時の発振波長に対して0%以上25%以下であり、且つレーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長に対して75%以上100%以下となることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
(付記6)前記波長フィルタ部における波長に対する透過率が、レーザの無変調時の発振波長に対して0%以上20%以下であることを特徴とする付記5に記載されたチャープ制御半導体レーザ。
(付記7)前記傾斜回折格子部において生じる回折光の導波する分岐導波路が前記主導波路に接続され、前記分岐導波路の前記主導波路から3μm以上離れた位置に光吸収層を備えた受光部を有することを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
(付記8)前記波長フィルタ部及び前記傾斜回折格子部の少なくとも一方に、電流注入或いは電圧印加のための電極を有することを特徴とする付記1乃至付記7のいずれか1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
(付記9)前記レーザ部に設けた回折格子が位相シフト領域を有する回折格子であり、前記レーザ部の前記信号光の出射側と反対側の端面と、前記波長フィルタ部の出射側の端面に無反射コート膜を有することを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
(付記10)前記レーザ部に設けた回折格子が周期が均一な回折格子であり、前記波長フィルタ部の出射側の端面に無反射コート膜を有するとともに、前記レーザ部の前記信号光の出射側と反対側の端面に反射率が40%以上100%以下の高反射コート膜を有することを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
1 レーザ部
2 傾斜回折格子部
3 波長フィルタ部
4,5 分布ブラッグ反射器
6 光アイソレータ
7,8 分岐導波路
9,10 受光部
31、61,91 n型InP基板
32,32,32,62,62,62,92,92,92 回折格子マスク
33,33,33,63,63,63,93,93,93 回折格子パターン
34,64,94 n型GaInAsPガイド層
35,65,95 n型InP層
36,66,96 量子井戸活性層
37,67,97 p型InPクラッド層
38,68,98 SiO
39,69,99 SiOマスク
40,100 アンドープAlGaInAs層
41,101 p型InP層
42 SiO
43,43
44,44
45,45 アンドープGaInAs層
46,46 p型InP層
47,80,102 p型InPクラッド層
48,81,103 p型GaInAsコンタクト層
49,82,104 SiO
50,83,105 SiOマスク
51,84,106 Feドープ半絶縁性InP埋込層
52,85,107 パッシベーション膜
53,53,53,53,53,86,86,86,86,86,108,108,108 p側電極
54,87,109 n側電極
55,55,88,88,110,110 無反射コート膜
70 アンドープGaInAs層
71 p型InP層
72 SiO
73 穴
74 傾斜穴
75 アンドープInP層
76 SiO
77 SiOマスク
78 アンドープGaInAsP層
79 p型InP層
111 直接変調半導体レーザ
112 フィルタ
113 SSMF
114,115 フォトダイオード
116 ハーフミラー

Claims (5)

  1. 回折格子を装荷した活性領域を備えたレーザ部と
    前記レーザ部の信号光の出射側に設けられ、前記信号光の伝搬方向に対して回折格子の稜線が30°〜60°の角度の範囲で傾斜した回折格子を備えた傾斜回折格子部と、
    前記傾斜回折格子部の信号光の出射側に設けられ、前記信号光が導波する主導波路に対して回折格子の稜線が90°の角度となる回折格子を備えた波長フィルタ部と
    を有することを特徴とするチャープ制御半導体レーザ。
  2. 前記レーザ部と前記傾斜回折格子部との間に光アイソレータを有することを特徴とする請求項1に記載のチャープ制御半導体レーザ。
  3. 前記傾斜回折格子部における反射率の波長依存性が、無変調時の発振波長に対して35%以上100%以下であり、且つ、レーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長に対して0%以上10%以下となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチャープ制御半導体レーザ。
  4. 前記波長フィルタ部における透過率の波長依存性が、レーザの無変調時の発振波長に対して0%以上25%以下であり、且つレーザの無変調時の発振波長に対して変調周波数の半分に相当する波長だけ短波長の波長に対して75%以上100%以下となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチャープ制御半導体レーザ。
  5. 前記傾斜回折格子部において生じる回折光の導波する分岐導波路が前記主導波路に接続され、前記分岐導波路の前記主導波路から3μm以上離れた位置に光吸収層を備えた受光部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のチャープ制御半導体レーザ。
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