(実施形態1)
以下、本実施形態の照明装置10について、図1および図2を用いて説明する。なお、図中において同じ構成要素に対しては、同じ番号を付している。
本実施形態の照明装置10は、図1および図2に示すように、光源部1と、側端部2acから入射した光源部1からの光を出射する第1主面2aaと第1主面2aaと反対側の第2主面2abとを有する導光部材2とを備えている。照明装置10は、導光部材2の第2主面2abを覆う透光性のカバー部材3を備えている。照明装置10は、光源部1の非点灯状態において、導光部材2を介して第1主面2aa側から第2主面2ab側を透視可能に構成している。本実施形態の照明装置10では、導光部材2は、光源部1からの光を外部に出射する複数の凸状部4が第2主面2ab上に形成されている。導光部材2は、凸状部4よりも第2主面2abから突出し導光部材2とカバー部材3との間隔を保持するスペーサ部5が第2主面2abの少なくとも周縁部2ad上に形成されている(図2を参照)。
これにより、本実施形態の照明装置10は、第2主面2ab側に指紋、塵芥の付着や傷が付くことを抑制可能としている。
より具体的には、本実施形態の照明装置10は、外形が矩形平板状で、大きさが100mm×170mm×4mmの導光部材2を備えている。導光部材2は、透明なアクリル樹脂より構成している。照明装置10は、矩形平板状の導光部材2における側端部2acに光源部1としてLEDを配置している。LEDは、たとえば、定格出力が0.5Wの白色LEDを10個並べて使用することができる。なお、図2では、LEDを3個例示している。LEDは、LEDチップ(図示していない)がパッケージ内に収納されたものを用いることができる。
照明装置10は、導光部材2と外形が略同じ矩形平板状であって、厚みが1.1mmのカバー部材3を備えている。カバー部材3は、透明なガラスからなり、導光部材2の第2主面2abを覆うように設けている。照明装置10は、導光部材2の第2主面2abの略全面にドット状の凸状部4を設けている。凸状部4は、導光部材2の第2主面2ab側から突出する半球状としている。凸状部4は、たとえば、アクリル樹脂で形成することができる。導光部材2は、導光部材2における側端部2ac側から入射された光源部1からの一部の光が、導光部材2の第2主面2ab側に形成された凸状部4で反射や散乱され、導光部材2の第1主面2aa側から出射される。
なお、照明装置10は、導光部材2における側端部2ac側から入射された光源部1からの一部の光を、導光部材2の第1主面2aa側からのみ出射するものではなく、第2主面2ab側からも出射する。照明装置10は、光源部1が出射する光の発光波長、光出力や導光部材2に対する光源部1の位置などに基づいて、凸状部4の形状、凸状部4の大きさ、凸状部4の数や隣接する凸状部4の間隔を設定している。照明装置10は、凸状部4の形状などを適宜に設定することにより、第1主面2aa側から出射される光の強度と第2主面2abから出射される光の強度とを適宜調節することが可能となる。
照明装置10は、たとえば、第1主面2aa側から出射する光の強度と、第2主面2ab側から出射する光の強度とを同程度としてもよい。また、照明装置10は、第1主面2aa側から出射する光の強度と比較して、第2主面2ab側から出射する光の強度を、より大きくしてもよい。
導光部材2とカバー部材3との間には、導光部材2とカバー部材3との隙間を所定の間隔で保持するスペーサ部5を備えている。本実施形態の照明装置10では、図2に示すように、導光部材2の周縁部2adのうち、矩形平板状の導光部材2の四隅部にスペーサ部5を設けている。照明装置10は、透光性を備えたスペーサ部5により、導光部材2とカバー部材3との間が、空間を介して所定の間隔で保持されている。スペーサ部5は、たとえば、エポキシ樹脂などを用いて形成することができる。
本実施形態の照明装置10は、導光部材2の第2主面2abにおける略全面に、インクジェット印刷により微滴化した液滴状の樹脂材料を直接吹きつけた後、硬化させて凸状部4を形成している。また、照明装置10は、インクジェット印刷により微滴化した液滴状の樹脂材料を直接吹き付けさせて、矩形平板状の導光部材2の第2主面2abにおける周縁部2ad上に、透明なスペーサ部5を形成している。言い換えれば、照明装置10では、凸状部4およびスペーサ部5は、導光部材2の第2主面2abに吐出された液滴状の樹脂材料により形成している。照明装置10では、スペーサ部5は、導光部材2の第2主面2ab上において、凸状部4よりも第2主面2abから突出している。なお、本実施形態の照明装置10では、導光部材2およびカバー部材3の外周部に、導光部材2やカバー部材3を挟持し、内部に光源部1を収容する枠体6を設けている。
本実施形態の照明装置10では、光源部1の非点灯状態において、導光部材2を介して、第1主面2aa側から第2主面2ab側を透視可能としている。照明装置10において、透視可能とは、視認者が導光部材2を介して、導光部材2の反対側にある物体の輪郭を判別できる程度の透光性を備えていればよい。本実施形態の照明装置10では、凸状部4を備えた導光部材2は、たとえば、視認者が導光部材2を介して導光部材2の反対側にある物体の輪郭を明確に判別できるように透明としていることが、より好ましい。この場合、照明装置10は、非点灯状態において、導光部材2の存在感を小さくすることが可能となる。したがって、照明装置10は、視認性が要求される種々の用途に適用することが可能となる。
ところで、一般照明では、導光部材2を備えた照明装置の場合、使用者などが導光部材2の第1主面2aaや第2主面2abの表面に直接触れる可能性がある。一般照明では、使用者などが導光部材2に触れることで、導光部材2に指紋、塵や芥や傷などが付着すると、照明装置の見栄えや光利用効率の低下を生ずる恐れがあり好ましくない。特に、導光部材2では、光源部1からの光を面状に広げて出射する凸状部4を備える場合、指紋、塵や芥などの汚れが付着しやすく、汚れが取り除きがたい傾向にある。インクジェット印刷で形成された凸状部4を有する導光部材2では、凸状部4を導光部材2との一体成形により形成したものと比較して、凸状部4に汚れや傷がつきやすい傾向にある。また、一般照明では、使用者が凸状部4を備えた導光部材2に直接触れないように、ガラスやアクリルなどの透光性に優れた薄板のカバー部材3を設ける場合、カバー部材3自体が撓みやすく、外力によりカバー部材3に割れが生ずる恐れもある。
本実施形態の照明装置10では、導光部材2に対向してカバー部材3を取り付けることにより、導光部材2の凸状部4を保護することが可能としている。
本実施形態の照明装置10は、第2主面2ab上の凸状部4と、カバー部材3とが接触しないよう、照明装置10の光学特性や照明装置10の形成工程を考慮したスペーサ部5を第2主面2abの少なくとも周縁部2adに形成している。また、本実施形態の照明装置10では、カバー部材3が撓んでも、スペーサ部5でカバー部材3を支えることができるので、カバー部材3の外形形状を維持することができる。本実施形態の照明装置10は、インクジェット印刷で形成された凸状部4を有する導光部材2の透光性を保ったまま、指紋、汚れや傷から導光部材2の第2主面2ab側を保護することが可能となる。本実施形態の照明装置10では、インクジェット印刷で形成された凸状部4を有する導光部材2の第2主面2abに指紋、塵や芥や傷などが付着することを抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態の照明装置10では、凸状部4の第2主面2abからの高さがスペーサ部5と比較して小さいため、カバー部材3と凸状部4とが接触することを抑制することができる。照明装置10は、カバー部材3と凸状部4との接触に伴い生ずる照明装置10からの光の配光特性の変化を抑制することが可能となる。また、本実施形態の照明装置10は、スペーサ部5を、導光部材2の第2主面2ab上に形成し、スペーサ部5の高さを比較的自由に制御できることにより、照明装置10全体の厚みが厚くなることを抑制しつつ、カバー部3を保持することができる。
また、本実施形態の照明装置10では、凸状部4は、導光部材2の屈折率と略同じか若干大きい屈折率とすることができる。これにより照明装置10は、光源部1からの光を外部に効率よく出射させて発光輝度の低下を抑制することができる。
照明装置10では、導光部材2とカバー部材3とをスペーサ部5を介して挟持する場合、スペーサ部5は、カバー部材3側からの荷重が掛かり、樹脂からなるスペーサ部5の形状が変形などする場合も考えられる。照明装置10では、スペーサ部5の形状変化により、スペーサ部5が光源部1からの光を導光部材2から出射する発光起点となる場合がある。スペーサ部5は、スペーサ部5の形状が変形する場合、スペーサ部5を透過する光により、照明装置10からの配向特性が変化する恐れがある。照明装置10は、スペーサ部5が発光起点となると、照明装置10の視認者に違和感を生じさせる恐れがある。照明装置10は、導光部材2から導光部材2よりも屈折率が小さい突起へ光が入射する場合、入射光の臨界角が小さくなるため、導光部材2と突起との界面で反射する光が増える。スペーサ部5は、導光部材2より屈折率が小さくすることで、スペーサ部5から導光部材2の第1主面2aa側へ出射する光を抑制することができる。
照明装置10では、カバー部材3自体の自重により、撓みやすいガラスなどを用いる場合、スペーサ部5の数を適宜に増やすことができる。また、本実施形態の照明装置10では、カバー部材3の撓みに伴うカバー部材3の変形を考慮して、導光部材2の第2主面2abから突出するスペーサ部5の高さを高くすることもできる。
本実施形態の照明装置10は、カバー部材3を備えており、導光部材2の第2主面2ab上に形成された凸状部4が外部に露出していない。そのため、本実施形態の照明装置10では、塵や芥などが凸状部4に付着することを抑制することが可能となる。また、本実施形態の照明装置10は、たとえば、使用者の掃除などにより、凸状部4が配置される面が傷付くことに起因する配光特性の変化が生ずることを避けることも可能となる。
以下、本実施形態の照明装置10の各構成について説明する。
光源部1は、照明光を出射可能なものである。本実施形態の照明装置10は、光源部1として、複数個のLEDを用いている。照明装置10は、導光部材2と光源部1とを一体として固定しているものでもよいし、導光部材2から光源部1を交換可能に取り付けるものでもよい。また、光源部1は、LEDだけに限られない。光源部1は、導光部材2に対して十分に小型で高効率に発光可能なものとして、たとえば、LD(Laser diode)、冷陰極管などの蛍光灯を利用することもできる。
光源部1は、たとえば、LEDを用いる場合、発光層に青色光が出射可能なInGaNなどの窒化ガリウム系化合物半導体を備えたLEDチップを用いることができる。LEDは、たとえば、青色光を吸収して補色となる黄色光などを出射する蛍光体が含有された封止部材で、LEDチップを封止する白色LEDであってもよい。蛍光体は、たとえば、Euで付活された(Sr,Ba)2SiO4などの希土類でドープされた珪酸塩系の蛍光体、Ceで付活されたY3Al5O12やCeで付活されたTb3Al5O12などの希土類でドープされたアルミネート系の蛍光体などが挙げられる。封止部材は、蛍光体をシリコーン樹脂、エポキシ樹脂やガラスなどの透光性材料中に含有するものを用いることができる。これにより、光源部1は、たとえば、LEDチップからの青色光と、封止部材に含有された蛍光体からの黄色光との混色により、白色光などを出射させることができる。なお、LEDチップは、青色光を出射するものだけに限られず、たとえば、紫外線を出射するものでもよい。この場合、封止部材の蛍光体は、青色光を吸収して黄色光を出射するものの代わりに、紫外線を吸収し、青色光を出射する青色蛍光体、緑色光を出射する緑色蛍光体および赤色光を出射する赤色蛍光体を用いるものであってもよい。さらに、光源部1は、蛍光体を含有する封止部材を用いる代わりに、蛍光体を含有しない透光性材料で、赤色光を発光する赤色LEDチップ、緑色光を発光する緑色LEDチップおよび青色光を発光する青色LEDチップを覆ったものでもよい。なお、LEDは、LEDチップのベアチップでもよいし、LEDチップを合成樹脂などのパッケージで被覆させ外部に給電のためのリード端子が設けられた表面実装型発光ダイオードなどを用いてもよい。また、LEDは、金属製のキャンパッケージやセラミックパッケージ内にLEDチップを実装させたものを用いてもよい。
光源部1は、たとえば、実装基板の一表面上に複数個の白色LEDを実装させ、各白色LEDを実装基板の一表面側の導電体パターンなどを用いて電気的に直列接続させたものを用いることもできる。複数個の白色LEDは、実装基板の一表面側の導電体パターンを用いて電気的に並列接続や直並列接続させてもよい。また、光源部1は、異なる色調の光を発光する複数種のLEDそれぞれが個別に制御されて発光可能なものでもよい。
光源部1は、照明装置10の形状や大きさに合わせて、導光部材2の側端部2acに沿って複数個のLEDを設ければよい。また、光源部1は、矩形状の導光部材2の隅部だけに光源部1を設けるものでもよい。光源部1は、導光部材2の対向する側端部2acに設けてもよい。光源部1は、導光部材2の内部に光が出射できればよい。したがって、光源部1は、光源部1と光結合した光ファイバーを介して導光部材2の内部に光を入射させるものでもよい。光源部1は、照明装置10の大きさ、形状などに応じて、LEDの個数、設置間隔や設置箇所を適宜設定することができる。
導光部材2は、光源部1からの光を導入し、導光部材2の第1主面2aaから光を外部に出射することが可能なものである。導光部材2は、導光部材2の材料として、たとえば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂や石英ガラスなどを用いることができる。導光部材2は、たとえば、アクリル樹脂を射出成形により成形することで形成することができる。導光部材2は、導光部材2とカバー部材3とが対向する第2主面2ab側に凸状部4を設けている。照明装置10は、第2主面2ab側に凸状部4を設けることにより、導光部材2の凸状部4が外部に露出しないようにしている。導光部材2の第1主面2aaは、導光部材2における凸状部4が設けられた第2主面2ab側よりも平滑な表面としている。照明装置10は、凸状部4が設けられる第2主面2ab側と比較して、外部に露出する導光部材2の第1主面2aa側に指紋、塵や芥などの汚れが付着しても、汚れを取り除くことが比較的簡単となっている。
導光部材2は、照明装置10の形状に合わせて適宜の形状に形成することができる。したがって、導光部材2は、平面視が矩形状のものだけに限られず、ライン状、三角形状、円形状、楕円形状、円環状などであってもよいし、他の形状であってもよい。導光部材2は、光源部1となる複数個の白色LEDそれぞれを、個別に挿入可能な複数個の凹部を導光部材2の側端部2ac側に備えてもよい。
なお、導光部材2は、導光部材2の内部に光を拡散させる粒子を含んでいてもよい。この場合、照明装置10は、光を拡散させる粒子と凸状部4とにより、導光部材2から出射する光量を調節することが可能となる。光を拡散させる粒子は、たとえば、ガラスビーズ、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルクやシリカ粉末などを用いることができる。
また、導光部材2は、導光部材2の側端部2acのうち、光源部1を配置している部分以外に反射部を備えていてもよい。この場合、照明装置10は、光源部1を配置している部分以外の導光部材2の側端部2ac側に向かう光を、反射部で反射させることができる。照明装置10は、反射部を設けていなければ外部に漏れる光を反射部が活用して、光の有効利用を図ることが可能となる。照明装置10は、たとえば、図2に示す導光部材2の4辺の側端部2acのうち、光源部1を配置している部分以外の3辺に反射部を形成してもよい。反射部は、たとえば、Agなどの金属膜を利用して形成することができる。
カバー部材3は、複数の凸状部4が突出する導光部材2の第2主面2ab側に指紋、塵芥の付着や傷が付くことを抑制可能なものである。カバー部材3は、カバー部材3の材料として、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂や石英ガラスなどを用いることができる。カバー部材3は、導光部材2の材料と同じ材料を用いて形成させてもよいし、異なる材料を用いて形成させてもよい。カバー部材3は、照明装置10の形状に合わせて適宜の形状に形成することができる。また、照明装置10では、カバー部材3は、平面視が矩形状のものだけに限られず、ライン状、三角形状、円形状、楕円形状、円環状であってもよいし、他の形状であってもよい。カバー部材3は、導光部材2と必ずしも同じ形状に形成させる必要もない。なお、カバー部材3は、導光部材2よりも硬い材料であることが好ましい。この場合、照明装置10は、カバー部材3がスペーサ5を介して導光部材2の強度を補強することにより、導光部材2の撓みをカバー部材3により抑制することが可能となる。
凸状部4は、導光部材2の内部を導光する光源部1の光の一部の進路を変え外部に取り出すことが可能なものである。凸状部4は、たとえば、導光部材2に設けた半球状の凸状部4を用いることができる。凸状部4は、半球状の凸状部4だけに限られず、導光部材2の内部を導光する光の一部の進路を変え外部に取り出すことができる限り、他の形状でもよい。照明装置10では、光を効率よく導光部材2の第1主面2aa側から出射させるため、凸状部4は、第2主面2abに沿う方向に長軸を備えた半楕円体形状であることがより好ましい。半楕円体形状の凸状部4は、短軸を回転軸とする回転体を構成していることが好ましい。
本実施形態の照明装置10では、凸状部4は、たとえば、平面視において、凸状部4の直径を数十μmないし百数十μmに形成することが好ましい。凸状部4は、導光部材2の第2主面2abから突出する突出高さを、たとえば、数十μmとすることが好ましい。本実施形態の照明装置10では、凸状部4は、たとえば、約数十μmの径で、高さが10μmオーダーの大きさとすることができる。凸状部4は、導光部材2と同じ材料で形成させてもよいし、異なる材料で形成させてもよい。また、凸状部4は、導光部材2と異なる材料で形成させる場合、導光部材2の材料との屈折率差を調整することにより、導光部材2から出射する光の光取出し方向を調整することができる。凸状部4は、光源部1が出射する光の発光波長、光出力や導光部材2に対する光源部1の位置などによって、凸状部4の形状、凸状部4の大きさ、凸状部4の数や隣接する凸状部4の間隔を適宜に設定すればよい。
凸状部4は、凸状部4の基礎となる材料を導光部材2の第2主面2ab上にドット状に直接形成するインクジェット印刷法やシルク印刷法などにより形成させることができる。照明装置10は、インクジェット印刷により凸状部4を形成する場合、紫外線で硬化する樹脂材料をインクとして用いることができる。凸状部4は、インクジェット印刷に用いられる凸状部4の材料として、たとえば、ポリエステルメタアクリレートと、光重合性モノマーと、光重合開始剤とを含有するものを用いることができる。本実施形態の照明装置10は、凸状部4の形状、配置や密度を適宜に設定することにより、導光部材2の透光性を大きく損なわずに導光部材2の第1主面2aaから出射する光量を制御することが可能となる。
スペーサ部5は、導光部材2とカバー部材3との隙間を所定の間隔で保持することが可能なものである。スペーサ部5は、たとえば、導光部材2に設けた半球状のスペーサ部5を用いることができる。スペーサ部5は、半球状のスペーサ部5だけに限られず、第2主面2abに沿う方向に長軸を備えた半楕円体形状とすることもできる。半楕円体形状のスペーサ部5は、短軸を回転軸とする回転体を構成していることが好ましい。スペーサ部5は、導光部材2における第2主面2abの少なくとも周縁部2ad上に形成され、カバー部材3側と当接可能としている。スペーサ部5は、たとえば、平面視において、スペーサ部5の直径を約300μmないし1.5mmの大きさで形成することができる。スペーサ部5は、たとえば、第2主面2abから200μmないし300μmオーダーの突出高さとすることができる。本実施形態の照明装置10では、スペーサ部5は、凸状部4と同様に微滴化した樹脂材料を導光部材2に吐出することによって形成しているが、吐出する滴数を凸状部4よりも増やすことによってスペーサ部5の高さを、凸状部4より高く形成している。スペーサ部5は、たとえば、スペーサ部5の材料として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂材料や水ガラスなどの無機材料を用いて形成することができる。スペーサ部5は、透光性材料を用いることで、スペーサ部5が光を吸収することや光を反射させることを抑制することができる。スペーサ部5は、たとえば、屈折率が約1.5のメタクリル酸メチル樹脂からなる導光部材2に対して、屈折率がより低い約1.43のシリコーン樹脂からなるものを用いることもできる。スペーサ部5は、インクジェット印刷により形成する場合、紫外線で硬化する樹脂材料をインクとして用いることができる。スペーサ部5は、インクジェット印刷に用いられる凸状部4の材料として、たとえば、ポリエステルメタアクリレートと、光重合性モノマーと、光重合開始剤とを含有するものを用いることができる。特に、スペーサ部5は、凸状部4と同じ樹脂材料を用いて形成する場合であれば、吐出する滴数を増やすだけで、スペーサ部5を形成するため別途にスペーサ部5の形成する工程が必要ないという利点がある。
スペーサ部5は、導光部材2とカバー部材3とを空間を介して、所定の間隔で対向して配置できるように設けられている。スペーサ部5は、導光部材2とカバー部材3との隙間を所定の間隔で保持のため、導光部材2の第2表面2ab上に、少なくとも3箇所以上に形成することが好ましい。スペーサ部5は、複数個のスペーサ部5を用いて導光部材2とカバー部材3との隙間を所定の間隔で保持する場合、たとえば、複数個のスペーサ部5を等間隔で設けることができるが、必ずしも等間隔に形成する場合だけに限られない。スペーサ部5は、導光部材2の少なくとも周縁部2adにあればよい。
枠体6は、光源部1を収納可能なものである。枠体6は、導光部材2とカバー部材3との周縁部2adを保持できることが好ましい。枠体6は、スペーサ部5を挟んだカバー部材3と導光部材2とを挟持することができる。照明装置10は、たとえば、導光部材2とカバー部材3との外周を挟持する断面視C字形状の枠体6を用いることができる。照明装置10は、枠体6により照明装置10の外部から導光部材2とカバー部材3との間に塵や芥などが侵入することを抑制することも可能となる。照明装置10は、枠体6で挟まれている部分にスペーサ部5が設けられていることが、より好ましい。この場合、照明装置10は、枠体6により導光部材2とカバー部材3との隙間を所定の間隔で保持しやすくすることができる。
また、照明装置10は、導光部材2とカバー部材3の外周部に沿って設けられた枠体6で、導光部材2とカバー部材3とで囲まれる空間を気密封止するように構成してもよい。この場合、照明装置10は、導光部材2とカバー部材3とで囲まれる空間に水分などが侵入して、導光部材2の表面に付着することを抑制することが可能となる。
(実施形態2)
図3に示す本実施形態の照明装置11は、図1に示す実施形態1の矩形平板状の導光部材2における長手方向の中央部2eaにスペーサ部5を追加した点が主として異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明装置11では、図3および図4に示すように、導光部材2は、光源部1からの光を外部に出射する複数の凸状部4が第2主面2ab上に形成されている。凸状部4は、導光部材2の内部を導光する光の一部の進路を変え導光部材2の第1主面2aa側から導光部材2の外部に光を取り出させることができる。本実施形態の照明装置11では、凸状部4は、導光部材2の第2主面2abに沿う方向に長軸を備えた半楕円体形状としている。凸状部4は、短軸を回転軸とする回転体を構成している。また、本実施形態の照明装置11では、導光部材2は、導光部材2とカバー部材3との間隔を保持するスペーサ部5が第2主面2abの周縁部2ad上に形成されている。スペーサ部5は、凸状部4よりも第2主面2abから突出している。本実施形態の照明装置11では、スペーサ部5は、導光部材2の第2主面2abに沿う方向に長軸を備えた半楕円体形状としている。スペーサ部5は、短軸を回転軸とする回転体を構成している。
本実施形態の照明装置11では、たとえば、凸状部4は、導光部材2の第2主面2abからの高さが、7.4μm、平面視における直径が28.6μmの半楕円体形状とすることができる。凸状部4は、半楕円体形状
の直径と、高さとの比を適宜に調整することで、導光部材2から出射される光の配向特性を制御することが可能となる。
凸状部4は、インクジェット印刷を利用して凸状部4を形成させることで、比較的簡単に、第2主面2abに沿う方向に長軸を備えた半楕円体形状とすることができる。同様に、スペーサ部5は、インクジェット印刷を利用してスペーサ部5を形成させることで、比較的簡単に、第2主面2abに沿う方向に長軸を備えた半楕円体形状とすることができる。照明装置11は、導光部材2における側端部2acから入射した光源部1からの光が、導光部材2の第2主面2ab上に形成された凸状部4で反射・散乱され、導光部材2の第1主面2aa側から出射することができる。
照明装置11は、導光部材2の凸状部4を形成する第2主面2ab側にカバー部材3を備えている。本実施形態の照明装置11では、凸状部4とスペーサ部5のうち、光源部1からの光を面状に広げる凸状部4よりも第2主面2abから突出してスペーサ部5を形成している。本実施形態の照明装置11は、導光部材2とカバー部材3との間隔をスペーサ部5で保持している。本実施形態の照明装置11では、スペーサ部5は、導光部材2における第2主面2abの周縁部2abに加え、導光部材2における長手方向の中央部2eaにも形成している。照明装置11では、たとえば、導光部材2およびカバー部材3が平面視において、200mm×1200mm以上にもなる大型のものを用いる場合、カバー部材3などが撓みやすく、割れやすい傾向にある。本実施形態の照明装置11は、導光部材2における第2主面2abの周縁部2adに加え、中央部2aeにスペーサ部5を形成しているため、導光部材2とカバー部材3との間隔を、より均一に保持することが可能となる。
本実施形態の照明装置11は、導光部材2における第2主面2abの中央部2aeに形成するスペーサ部5からの発光がスペーサ部5の周りと比較して強い場合、スペーサ部5を導光部材2より屈折率の小さい材料で形成することができる。照明装置11では、導光部材2の材料と比較して、スペーサ部5の材料の屈折率が小さいと、導光部材2とスペーサ部5との境界で光の反射が増える。照明装置11では、導光部材2からスペーサ部5へ入射する光の量を抑制することが可能となる。また、スペーサ部5は、半楕円体形状とすることにより、導光部材2およびカバー部材3との接触面積が増え、導光部材2とカバー部材3との間隔を安定して保持することが可能となる。
本実施形態の照明装置11は、図3および図4に示すように、第2主面2abの周縁部2ad上で、且つ矩形平板状の導光部材2の中央部2ea上に形成したスペーサ部5を備えている。本実施形態の照明装置11aは、図5に示すように、図4に示す照明装置11のスペーサ部5に加え、第2主面2abの周縁部2ad以外であって、矩形平板状の導光部材2の中央部2ea上に形成したスペーサ部5を備えてもよい。図4に示す本実施形態の照明装置11は、図5に示す本実施形態の照明装置11aと比較して、スペーサ部5による光の屈折などの影響を、より少なくすることが可能となる。図5に示す本実施形態の照明装置11aは、図4に示す本実施形態の照明装置11と比較して、スペーサ部5によりカバー部材3とスペーサ5との間隔を、所定の間隔でより保持することが容易となる。
(実施形態3)
図6に示す本実施形態の照明装置12は、実施形態2の照明装置11における導光部材2の第1主面1aa側にカバー部7を備えた点が主として異なる。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明装置12は、図6に示すように、光源部1と、側端部2acから入射した光源部1からの光を出射する第1主面2aaと第1主面2aaと反対側の第2主面2abとを有する導光部材2とを備えている。照明装置12は、導光部材2の第2主面2abを覆う透光性のカバー部材3を備えている。照明装置12は、光源部1の非点灯状態において、導光部材2を介して第1主面2aa側から第2主面2ab側を透視可能に構成している。本実施形態の照明装置12では、導光部材2は、光源部1からの光を外部に出射する複数の半球状の凸状部4が第2主面2ab上に形成されている。導光部材2は、凸状部4よりも第2主面2abから突出し導光部材2とカバー部材3との間隔を保持する半球状のスペーサ部5が第2主面2abの少なくとも周縁部2ad上に形成されている。本実施形態の照明装置12では、導光部材2およびカバー部材3の中央部にもスペーサ部5を形成している。本実施形態の照明装置12は、外部応力などにより導光部材2とカバー部材3とが接触することで第2主面2ab側に傷や破損が生ずることを、スペーサ部5により抑制することが可能となる。本実施形態の照明装置12では、導光部材2の中央部にスペーサ部5を設ける場合でも、スペーサ部5に透光性を備えた材質を用いることで、照明装置12の透光性を阻害する要因を低下させることが可能となる。なお、光源部1は、白色LEDを実装基板1a上に実装している。
本実施形態の照明装置12では、導光部材2の凸状部4は、導光部材2の第2主面2ab側から突出する半球状の凸状部4を用いている。導光部材2は、導光部材2における側端部2ac側から入射された光源部1からの一部の光が、導光部材2の第2主面2ab側に設けた半球状の凸状部4により、導光部材2の第1主面2aa側から出射される。同様に、導光部材2では、導光部材2における側端部2ac側から入射された光が、導光部材2における第2主面2ab上の中央部に形成する半球状のスペーサ部5を透過して、第1主面2aa側から光を出射させることも可能となる。本実施形態の照明装置12は、導光部材2の第2主面2abとは反対側の第1主面2aaから、導光部材2より取り出された光を出射可能としている。
本実施形態の照明装置12は、凸状部4とスペーサ部5とが形成されていない導光部材2の第1主面2aa側に防汚などの理由で、ガラスなどからなる透光性のカバー部7を備えている。本実施形態の照明装置12は、第1主面2aaにガラス板からなるカバー部7を密着して配置し、アクリル樹脂からなる導光部材2の第1主面2aa側が外力などにより傷が付くことを抑制させることができる。カバー部7は、導光部材2と密着することなく、導光部材2と隙間を空けて設けてもよい。カバー部7は、接着剤などにより導光部材2と密着して設けてもよい。照明装置12は、カバー部7と導光部材2との間に隙間を空けずにカバー部7を設ける場合、照明装置12全体の厚みを薄くすることが可能となる。
なお、導光部材2では、図7および図8に示すように、導光部材2から放出する光源部1からの光を全面均一にさせるため、光源部1からの光が入射される側端部2acから離れるにつれ、凸状部4を設ける密度を高くしている。すなわち、本実施形態の照明装置12では、導光部材2の第2主面2abでは、光源部1付近の凸状部4のドットの密度を小さくし、光源部1から比較的遠い箇所の凸状部4のドットの密度を大きくしている。本実施形態の照明装置12では、凸状部4のドットの密度を調整することによって、導光部材2全体の輝度の均一化を図っている。
(実施形態4)
図9および図10に示す本実施形態の照明器具20は、図1に示す実施形態1と同様な積層構成で外形形状が異なる照明装置13を備えて構成している。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明器具20は、図9および図10に示すように、円盤状の照明装置13を備えている。照明装置13は、中心部に円板状のベース部22と、ベース部22を囲むように、円環状の導光部材2とを備えている。ベース部22は、円板状の外周縁に沿って複数個(ここでは、16個)の光源部1を備えている。ベース部22に備えられた光源部1は、円板状のベース部22の外周縁から外方に向かって光を出射する。照明装置13では、光源部1からの光が円環状の導光部材2の内周縁に沿った側端部2acから入射する。照明装置13では、光源部1からの光が円環状の導光部材2の第1主面2aaから主として出射する。照明装置13は、導光部材2の第2主面2abを覆う透光性のカバー部材3を備えている。照明装置13は、光源部1の非点灯状態において、導光部材2を介して第1主面2aa側から第2主面2ab側を透視可能に構成している。
円環状の導光部材2は、光源部1からの光を外部に出射する複数の凸状部4が第2主面2ab上に形成されている。導光部材2は、円環状の導光部材2の外周に沿って、凸状部4よりも第2主面2abから突出し導光部材2とカバー部材3との間隔を保持する複数個(ここでは、4個)のスペーサ部5を第2主面2abの少なくとも周縁部2ad上に形成している。本実施形態の照明器具20では、ベース部22は、図示していない天井材側に配置できるように、簡易取付式の引掛シーリング21を備えている。ベース部22は、内部に制御回路部(図示していない)を備えている。枠体6は、円環状の導光部材2および円環状のカバー部材3を保持できるように金属板の折り曲げ加工や樹脂成形品により円環の枠状に形成している。
本実施形態の照明器具20では、照明装置13における導光部材2の第2主面2ab側に指紋、塵芥の付着や傷が付くことを抑制可能としている。
本実施形態の照明器具20では、円盤状のベース部22側だけに複数個の光源部1を設けることで、照明器具20のベース部22と対向する導光部材2の先端部側に設けている円環の枠体6の外形形状を小さくさせることができる。照明装置20は、導光部材2を導光する光源部1からの光を枠体6で反射させ、第1主面2aa側から出射させるのに有効利用することができる。また、本実施形態の照明器具20では、枠体6自体を透光性の樹脂などにより形成することもできる。
本実施形態の照明器具20では、外部の交流電源(たとえば、商用交流電源)と図示していないケーブルを介して電気的に接続された制御回路部へ交流電力が供給される。照明器具20は、制御回路部が商用交流電源からの交流電力を光源部1の点灯に適した電力に変換して光源部1側に供給している。
制御回路部は、たとえば、商用交流電源からの交流電力に混入しているノイズを除去するフィルタ回路部と、光源部1を点灯させるのに適した電力を供給する電力供給回路部と、光源部1の点灯を制御する出力制御部とを備えた構成とすることができる。フィルタ回路部は、ノイズを遮断するACラインフィルタなどを用いて構成することができる。電力供給回路部は、フィルタ回路部からの交流電力を所定の直流電力に変換して出力することができる。電力供給回路部は、図示していないが、たとえば、交流電力を直流電力に整流する整流回路と、交流電力の力率を改善する力率改善回路と、整流回路で整流された直流電力の電圧から光源部1に適した電圧に変換する電圧変換回路などにより構成することができる。
本実施形態の照明装置13では、光源部1の非点灯状態において、透光性の導光部材2を介して第1主面2aa側から第2主面2ab側を透視可能にするため、導光部材2を覆って光を散乱反射させる拡散シートや光を反射させる反射シートを備えていない。したがって、本実施形態の照明装置13では、導光部材2およびカバー部材3の透光性を保持したまま、点状の光源部1たるLEDからの光を円環状に拡げて発光させることができる。本実施形態の照明器具20では、視認者にとって照明装置13の存在感を小さく感じさせ、照明器具20のデザイン性を高めることができる。
本実施形態の照明器具20では、図11に示すように、街路灯として照明器具20に用いる場合、支柱23の先端部23aをベース部22側に固定して利用することができる。図11に示す照明器具20は、屋外や半屋外で使用する場合、光源部1の点灯による発熱で生ずる温度と外気温との温度差などにより生ずる結露水が生ずる場合がある。照明器具20では、照明装置14は、結露水が排出可能な排水口6aを枠体6に設けている。
なお、本実施形態の照明器具20は、実施形態2や実施形態3の照明装置11,12を用いて構成してもよい。
(実施形態5)
図13に示す本実施形態の照明器具20aは、図9の実施形態4に示す照明器具20が円環状の導光部材2の中心部に光源部1を備えるのに対し、円盤状の導光部材2の外周部に光源部1を備える点が主として異なる。なお、実施形態4と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明器具20aは、図12および図13に示すように、円盤状の照明装置15を備え、円環状の枠部6に光源部1を収納し鉛直方向に沿って導光部材2およびカバー部材3を天井材c側にワイヤ23により吊り下げる構成としている。本実施形態の照明器具20aは、平板円形状の内周側に向かって光を出射する複数個(ここでは、16個)の光源部1を円環状の枠体6に略等間隔で備えている。
照明器具20aは、図12に示す、構造物の天井側に取り付ける取付部25と、取付部25側の保持金具26aに一端23a側が保持される吊材23と、吊材23の他端23b側を枠体6側の保持金具26aで保持し吊持ちされる照明装置15とを有している。図12に示す照明器具20aでは、床面側から照明装置15を視認者が視認した場合、光源部1の非点灯状態において、導光部材2を介して導光部材2の第2主面2ab側である天井側を視認することができる。
取付部25は、構造物の天井側に取り付け可能なものである。取付部25は、吊材23の一端23a側を保持し吊材23で枠体6を吊持ち可能なものである。取付部25は、有底円筒状の筒状部25aと、矩形状の平板部25bとを有している。平板部25bは、平面視において、各辺の長さを筒状部25aの外径よりも大きい大きさとしている。取付部25は、有底円筒状の筒状部25aの開口端を封止するように矩形状の平板部25bが筒状部25aに固定されている。取付部25は、天井側に設置した状態では、天井材cの貫設孔c1に有底円筒状の筒状部25aを収容させ、平板部25bを貫設孔c1の周部の天井材cに当接している。
取付部25は、内部に、天井材cの裏面側(図12の紙面の上側)で図示していない電源ユニットから延びる電源コードのコネクタと電気的に接続させるコネクタ27を内蔵している。なお、電源ユニットは、コネクタ27と電気的に接続させ照明装置15に給電可能なものであり、天井材cの裏面側に配置している。取付部25は、上記電源ユニットからの電源コードを挿入し上記電源ユニット側と照明装置15側とを電気的に接続させることができるように構成している。
取付部25は、平板部25bの中心部周りに等間隔で複数個(ここでは、3個)のワイヤーグリップからなる保持金具26bを設けている。なお、照明器具20aは、取付部25と照明装置15との間に、照明装置15側の光源部1に給電する電源ケーブル24を備えている。保持金具26bは、内部のボールベアリングを利用した金具が回転自在としている。保持金具26bは、吊材23の一端23a側を金具に固定している。保持金具26bは、吊材23の一端23a側を固定する金具が回転自在としていることにより、吊材23に曲げ荷重がかかることを抑制し傾斜吊ができるように構成している。取付部25は、保持金具26bを利用して吊材23を傾斜吊して枠体6を吊持ちしている。本実施形態の照明器具20aでは、金属製の吊材23として、たとえば、ステンレスワイヤーを用いることができる。吊材23は、吊持ちする枠体6の大きさ、重量や形状に合わせて種々選択すればよい。照明器具20aは、たとえば、取付部25の筒状体4aを天井材cの貫設孔c1に挿入し平板部25bの一部を天井材cに当接した状態で、図示していない固定螺子により、天井材に取付部25を固定できるように構成している。照明器具20aは、取付部25を固定させるには、固定螺子だけに限られない。
本実施形態の照明器具20aは、導光部材2の第1主面2aaから外部に光を出射可能としている。なお、本実施形態の照明器具20aは、導光部材2の側端部2acおよびカバー部材3の一端2a側を挟む外周部に設けた枠体6から光源部1へ給電する配線24を導出している。本実施形態の照明器具20aは、取付部25の内部に光源部1の点灯を制御する制御回路部(図示していない)を好適に内蔵することができる。
なお、照明器具20aは、屋外や半屋外で使用する場合、たとえば、光源部1の点灯による発熱で生ずる温度と外気温との温度差などにより結露水が生ずる場合がある。本実施形態の照明器具20bは、図14および図15に示すように、結露水が排出可能な排水口6aを枠体6に好適に設けた照明装置16を用いて構成してもよい。また、本実施形態の照明器具20a,20bは、実施形態1ないし実施形態4の照明装置10,11,12,13,14を用いて構成してもよい。
本実施形態の照明器具20a,20bでは、実施形態4と同様に、照明装置15,16における導光部材2の第2主面2ab側に指紋、塵芥の付着や傷が付くことを抑制可能としている。
(実施形態6)
図16に示す本実施形態の照明器具20cは、図2の実施形態1と同様の構造の照明装置17を壁面Wに固定するブラケット型に利用している。なお、実施形態1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明器具20cは、壁材Wの内部あるいは壁面に光源部1へ給電する制御回路部を収納するベース部(図示していない)を設けている。本実施形態のブラケット型の照明器具20cは、照明装置17の枠体6を壁材W側のベース部に取り付け可能に構成している。本実施形態の照明器具20cは、照明器具20cが取り付けられる壁材Wなどの鉛直面が暗くなりすぎないように、僅かに壁面の所定の領域に配光特性を備えた光を照射させて照明器具20cが配置された空間全体の明るさ感を大きくすることが可能な構成としている。
本実施形態の照明器具20cでは、図16に示すように、屋外や半屋外で使用する場合であっても、たとえば、光源部1の点灯による発熱で生ずる温度と外気温との温度差などにより生ずる結露水を枠体6から排出することができるように、長円形の排水口6aを枠体6に設けている。排水口6aの形状は、長円形のものに限らず、円形や矩形などであってもよい。排水口6aは、排水口6aの大きさが、光源部1を収容する枠体6の内部側と枠体6の外部との間で通気可能な程度のものであればよい。
また、照明器具20cは、図16に示すように、壁材Wなどに照明器具20cを取り付けた状態において、壁材Wと垂直な水平方向に向かって開口する排水口6aを設けるものだけに限られない。照明器具20cは、壁材Wなどに照明器具20cを取り付けた状態において、壁材Wと平行な垂直方向に向かって開口する排水口6aを設けてもよい。照明器具20cは、水平方向に向かって開口する排水口6aを設ける場合、枠体6の鉛直方向の上側よりも下側に排水口6aを設けることが好ましい。この場合、照明器具20cは、屋外に照明器具20cを設置した場合、雨水などが直接的に排水口6aを介して導光部材3とカバー部材4との間に侵入することを抑制することが可能となる。
本実施形態の照明器具20cでは、長期使用による汚れや使用者が照明装置17を触れることにより付着する指紋などの汚れを取り除くことが比較的に簡単なブラケット型の照明器具20cとすることができる。また、本実施形態の照明器具20cは、光源部1の点灯による発熱で生ずる温度と外気温との温度差などにより生ずる結露水が導光部材2とカバー部材3との間に付着することを抑制することができる。本実施形態の照明器具20cは、導光部材2とカバー部材3との間に付着した結露水などにより、光源部1の非点灯状態において、導光部材2を介して第1主面2aa側から第2主面2ab側を透視する透光性が低下することを抑制することが可能となる。なお、本実施形態の照明器具20cは、実施形態1ないし実施形態5の照明装置10,11,12,13,14,15と同様の構造を照明装置15に適用して構成してもよい。
以上、本発明の構成を上述の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上述の実施形態の例のみに限られるものではない。本発明は、たとえば、上述の実施形態の部分的な構成を、適宜に組み合わせてなる別の構成であってもよい。また、本発明では、上記実施形態に記載した材料、数値などは好ましいものを例示しているだけであって、これに限定されるものではない。したがって、本発明は、上述の実施形態に記載した具体例に限定されるものではない。さらに、本発明は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、実施形態の構成に適宜変更を加えることは可能である。