以下、本発明の実施の形態に係る電球形ランプ及び照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。したがって、各図同士において厳密には一致していない部分も存在する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る照明器具の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態1に係る照明器具と当該照明器具に接続される周辺部材(点灯装置及び端子台)との外観斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る照明器具1は、例えば住宅等の天井に埋込配設されることにより下方(廊下や壁等)に光を照明するダウンライト等の埋込型照明器具である。照明器具1は、LED光源10と、基部20及び枠体部30を結合してなる略有底筒状の器具本体2と、器具本体2に配置された、反射板40、透光カバー50及び透光パネル60とを備える。以下、照明器具1における各構成部材について詳細に説明する。
まず、LED光源10について説明する。LED光源10は、発光素子を有する発光モジュールであって、所定の光を放射状に放出する。LED光源10は、白色光を放出するように構成されており、基板11と、基板11上に実装された複数のLED(ベアチップ)12と、LED12を封止する封止部材13とを備える。なお、本実施の形態において、LED光源10の光軸は鉛直方向である。
基板11は、LED12を実装するための実装基板であって、例えば樹脂基板、セラミックス基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板等である。また、基板11としては、例えば平面視が矩形形状である平面を有する板状の基板を用いることができる。基板11は、基部20の凹部20bにおける突出する底面に取付固定されている。これにより、LED12が発する熱は基板11を介して基部20に伝導する。なお、LED12が発する熱を効率良く基部20に伝導させるために、基板11としては、基部20に密着させる面に金属材料が形成された基板やメタルベース基板を用いることが好ましい。なお、図示しないが、基板11には、LED12を発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成されている。
LED12は、発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。本実施の形態におけるLED12は、通電されれば青色光を発する青色発光LEDチップである。また、LED12は、基板11の一方の面(表面)にマトリクス状に複数個配置されている。LED12は、基板11にパターン形成された金属配線(不図示)やワイヤ(不図示)によって互いに電気的に接続されている。
封止部材13は、基板11上に複数のLED12を一括封止するように形成されている。封止部材13は、光波長変換材である蛍光体を含み、LED12からの光を波長変換する波長変換層として機能する。封止部材13としては、例えば、シリコーン樹脂に所定の蛍光体粒子と光拡散材とを分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。
蛍光体粒子としては、LED12が青色光を発光する青色発光ダイオードである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体粒子を用いることができる。これにより、LED12が発した青色光の一部は、封止部材13に含まれる黄色蛍光体粒子によって黄色光に波長変換される。つまり、黄色蛍光体粒子は、LED12が発する青色光(励起光)によって励起され、青色光に対して補色の関係にある黄色光を蛍光発光する。そして、黄色蛍光体粒子に吸収されなかった青色光と、黄色蛍光体粒子によって波長変換された黄色光とは、封止部材13中で拡散及び混合されることにより、封止部材13から白色光となって出射される。光拡散材としては、シリカなどの粒子が用いられる。
なお、演色性を高めるために、封止部材13内に、黄色蛍光体粒子に加えて赤色蛍光粒子を混合しても構わない。また、封止部材13は、必ずしもシリコーン樹脂によって形成する必要はなく、フッ素系樹脂などの有機材のほか、低融点ガラスやゾルゲルガラス等の無機材によって形成してもよい。また、封止部材13は、全てのLED12を一括封止してもよく、また、LED12の列ごとに直線状に封止しても構わない。
次に、基部20について説明する。基部20は、LED光源10が取り付けられる取付台であるとともに、LED光源10で発生する熱を放熱するヒートシンクである。基部20は、金属材料を用いて略円柱状に形成されており、本実施の形態ではアルミダイカスト製である。
基部20の上部(天井側部分)には、上方に向かって突出する複数の放熱フィン20aが一方向に沿って互いに一定の間隔をあけて設けられている。これにより、LED光源10で発生する熱を効率よく放熱させることができる。また、基部20の下部(地面側部分)には、上方(天井側)に向かって窪んだ凹部20bが設けられている。
基部20は、LED光源10を取り付けるための光源取付部20cを有する。本実施の形態において、光源取付部20cは、凹部20bの中央部を下方(地面側)に突出させるようにして構成されている。LED光源10は、この光源取付部20c(凹部20bの突出内底面)に固定されている。これにより、LED光源10が基部20に保持される。
なお、本実施の形態において、LED光源10は基部20に直接固定したが、凹部20bの内底面に放熱基台(ヒートシンク)を載置し、LED光源10を、この放熱基台の上(下面)に固定してもよい。
次に、枠体部30について説明する。枠体部30は、内面に反射面を有する略円筒状のコーン部31と、コーン部31が取り付けられる枠体本体部32とを有する。コーン部31は、金属材料を用いて成形されており、例えば、アルミニウム合金等を絞り加工またはプレス成形することによって作製することができる。枠体本体部32は、硬質の樹脂材料又は金属材料によって成形されている。枠体部30は、枠体本体部32が基部20に取り付けられることによって固定されている。
枠体部30(コーン部31)の上部には、反射板40の内部を直接又は反射して通過したLED光源10からの光が入射する入射口31aが設けられている。また、枠体部30(コーン部31)の下部には、枠体部30に入射した光を外部に出射させる出射口31bが設けられている。これら入射口31a及び出射口31bは円形状に開口されており、出射口31bの開口径は入射口31aの開口径よりも大きくなっている。また、コーン部31の内周面は、光を反射する反射面(第3反射面)31cとなっており、本実施の形態における反射面31cは、金属反射面である。反射面31cは、入射口31aから入射した光が当該反射面31cで反射して出射口31bから出射されるように構成されている。なお、出射口31bから出射する光の角度は反射面31cの形状によって適宜調整することができる。本実施の形態における反射面31cは、入射口31aから入射した光がほぼ鉛直下方に反射するように構成されている。
なお、コーン部31は、反射板40から鉛直方向に所定の間隔をあけて配置されている。また、コーン部31の入射口31aの開口径は、後述する反射板40の出射口40bの開口径と略同等となっている。
枠体本体部32の下端部には、径方向の外向きに突出するフランジが周方向に亘って一体に形成されている。また、図2に示すように、枠体本体部32の外周壁には、径方向の外向きに突出する複数の放熱フィン32aが設けられている。さらに、枠体本体部32の外周壁には、取付ばね70を取付固定するためのばね取付部32bが周方向に沿って一定の間隔をあけて3つ設けられている。取付ばね70は、例えば矩形板状のステンレス鋼板の長手方向の一端部をV字状に折り曲げしてなり、当該一端部がばね取付部32bに取付固定される。取付ばね70は、ばね取付部32bに取付固定された状態で外向きに付勢されており、器具本体2の外面と当接する位置と、器具本体2の外面から離れた位置との間で撓み自在となっている。
次に、反射板40について説明する。反射板40は、反射機能を有する第1反射部材であって、透光カバー50を透過したLED光源10からの光が入射する開口である入射口(第1開口)40aと、入射口40aから入射した光が反射板40から出射する開口である出射口(第2開口)40bとを有する。反射板40は、内径が入射口40aから出射口40bに向かって漸次大きくなるように構成された円環枠状(漏斗状)であり、例えばアルミニウム等の金属材料を用いて形成することができる。
反射板40の内周面は、LED光源10からの光を反射する反射面(第2反射面)40cとなっており、本実施の形態における反射面40cは、金属反射面である。反射面40cは、入射口40aから入射した光を反射させて出射口40bから出射させるように構成されている。
反射板40と基部20の光源取付部20cとは、LED光源10の光軸方向において所定の隙間をあけて配置されている。具体的には、反射板40の入射口40a側の端面と基部20の光源取付部20cの表面との間には、所定の距離の空間が設けられている。
また、反射板40は、基部20の凹部20b内に取付固定されている。本実施の形態において、反射板40は、入射口40aから上方に向かって折り曲げるように形成された折曲部40dを有する。反射板40は、折曲部40dの端部が基部20の凹部20bの底面に取り付けられることで、基部20に固定されている。
なお、反射板40は、金属材料ではなく、硬質の白色樹脂材料によって形成してもよい。あるいは、樹脂製の反射板40の内面に、反射面40cとして、銀やアルミニウム等の金属材料からなる金属蒸着膜(金属反射膜)を形成してもよい。
次に、透光カバー50について説明する。透光カバー50は、透光性を有する第1透光部材であって、LED光源10(LED12)を覆うようにLED光源10の光出射側に設けられる。透光カバー50によって、LED光源10が保護されている。本実施の形態における透光カバー50は、基部20の凹部20bの内底面に固定される。透光カバー50は、透光性材料を用いて形成されており、例えばPMMA(アクリル)やポリカーボネート等の透明樹脂材料又はガラス材料等の絶縁性を有する透明材料を用いて形成することができる。
ここで、透光カバー50について、図1を参照しながら、図3を用いて詳述する。図3は、本発明の実施の形態1に係る照明器具における透光カバーの斜視図である。
図3に示すように、透光カバー50は、入射した光を透過させる透光部材51と、入射した光を反射させる反射部材52とを有する。本実施の形態における反射部材52は透光カバー50の一部であり、透光部材51と反射部材52とは同一材料によって透光カバー50として一体成形されている。なお、本実施の形態において、透光カバー50は光拡散機能を有していない。
透光部材51は、透光カバー50における光透過部であって、透光カバー50の一の面(内側面)から入射したLED光源10の光を当該一の面に対向する他の面(外側面)に透過させる。図1に示すように、透光部材51は、反射板40の入射口40aから反射板40の内部に向かって突出するように略ドーム状に構成されている。つまり、透光部材51の断面形状はアーチ状である。本実施の形態において、透光部材51は、薄肉半球状に構成されており、その断面形状は円弧形状である。なお、透光部材51は、LED光源10からの光に対して集光作用及び発散作用のレンズ機能を有していないが、レンズ機能を有するように形状等を適宜変更しても構わない。
反射部材52は、透光カバー50の光反射部であって、透光カバー50に入射したLED光源10の光を反射させる。本実施の形態において、反射部材52は透光部材51と同一材料によって構成されているので、反射部材52も透光性を有する。つまり、反射部材52は、入射したLED光源10の光を当該反射部材52の内部を導光させるとともに反射させるように構成されている。具体的に、反射部材52は、LED光源10からの光を反射させて反射板40の入射口40aに入射させる反射面(第1反射面)52aを有する。反射面52aは、反射部材52の外側面と空気層との境界面であって、反射部材52を透光した光を反射させる。本実施の形態において、反射面52aは、湾曲面として構成されている。これにより、後述するように、反射部材52の内側面から入射したLED光源10の光は、反射部材52の内部を通って反射面52aで反射し、再び反射部材52の内部を通って、その後、反射部材52(透光カバー50)から出射して反射板40の入射口40aに入射する。
また、反射部材52は、透光部材51の周囲に円環状に設けられている。本実施の形態における反射部材52は、図3に示すように、透光部材51の周縁から外方に突出するように形成されている。また、反射部材52は、図1に示すように、LED光源10と反射板40との間に設けられている。より具体的に、反射部材52は、LED光源10の光軸方向において、反射板40の入射口40a側の端面と基部20の光源取付部20cの表面との間に配置されている。
本実施の形態において、反射面52aは、反射部材(透光カバー50)と空気層との屈折率差を利用した反射面となっているが、これに限らない。例えば、反射面52aとして、反射部材52の外表面にコートされた白レジスト等の光反射膜を用いてよい。この場合、LED光源10との絶縁性を確保するために、反射面52aである光反射膜は絶縁性の非金属材料を用いて形成することが好ましい。また、反射面52aは、全ての光を反射する全反射面であることが好ましいが、全反射面でなくても構わない。なお、LED光源10から出射した光のうち、反射板40と基部20(光源取付部20c)との間の隙間に向かう光をどの程度まで反射させるかは、反射部材52(透光カバー50)の材料及び反射面52aの形状によって適宜設定することができる。
次に、透光パネル60について説明する。透光パネル60は、光拡散性及び透光性を有する第2透光部材であって、反射板40の出射口40bを閉塞するように配置される。透光パネル60は、反射板40と枠体部30との間に配置された平板プレートであり、反射板40に取り付けられている。透光パネル60は、例えばアクリルやポリカーボネート等の透明樹脂材料によって円盤状に形成することができる。透光パネル60は、円環状のパッキン(不図示)を介して載置されている。透光パネル60の光拡散機能は、例えば、外面をシボ処理して表面に凹凸を形成したり、シリカ等の光拡散材を含ませた光拡散膜を形成したり、光拡散材を透光パネル60の内部に混合させたりすることで実現することができる。
なお、透光パネル60は設けなくても構わない。透光パネル60を設けない構成とすることにより、照明器具としての光束を向上させることができる。
本実施の形態に係る照明器具1は、このようにして構成される。また、図2に示すように、照明器具1には、LED光源10に点灯電力を給電する点灯装置81と、商用電源からの交流電力を点灯装置81に中継する端子台82とが接続される。
点灯装置81及び端子台82は、器具本体2とは別体に設けられた取付板91に取付固定される。取付板91は、金属材料からなる矩形板状の部材を折り曲げて形成されており、その長手方向の一端部の下面に点灯装置81が取付固定されるとともに、他端部の下面に端子台82が取付固定される。
そして、取付板91は、器具本体2の基部20の上部に取付固定された天板92と互いに連結される。天板92は、金属材料からなる矩形板状に形成されており、その長手方向の一端部には、下方に向かって突出する一対の矩形状の側片93が互いに対向する形で一体に形成されている。
また、取付板91の他端部には、下方に向かって突出する一対の矩形状の取付片94が互いに対向する形で一体に形成されている。これら取付片94と天板92の各側片93とは、各部に設けられた挿入孔(不図示)に固定ねじ95を締め付けることで互いに連結される。そして、取付板91は、天板92に対して固定ねじ95の軸を中心として回動自在となっている。このように、取付板91が天板92に対して回動自在に構成されているので、照明器具1を天井に埋込配設する際、天井に設けられた埋込孔に挿入し易くなっている。なお、本実施の形態において、取付板91及び天板92は、いずれも亜鉛めっき鋼板である。
次に、図4A及び図4Bを用いて、本実施の形態に係る照明器具1の光学特性について、従来の照明器具100の光学特性と比較しながら説明する。図4Aは、従来の照明器具の一部拡大断面図である。図4Bは、本発明の実施の形態1に係る照明器具の一部拡大断面図である。
図4Aに示すように、従来の照明器具100は、本実施の形態に係る照明器具1において、透光カバー50を設けない構成である。同図に示すように、従来の照明器具100の構成では、導電部(充電部)を有するLED光源10と金属を含む反射板40との絶縁性を確保するために、LED光源10と反射板40との間には空間(隙間)が設けられている。
この場合、図4Aの光線L1で示すように、LED光源10から出射した光の一部は、反射板40内に入射せずに、LED光源10と反射板40との間の空間(隙間)から漏れ出してしまう。これにより、光損失が発生して光束が低下する。
また、反射板40の入射口40aの端部は、加工上、端面エッジになりやすい。このため、図4Aの光線L2で示すように、LED光源10から出射した光の一部が入射口40aの端部(開口内周縁)に当たって反射して、これにより照射ムラが発生する。特に、壁面照射時の場合、光の照度差によるスジとして現われ、照射面ムラが発生する。この場合、透光パネル60に光拡散機能(凹凸等)を持たせることによって照射ムラを緩和することは可能であるが、光拡散機能によって光束が低下してしまう。
このように、従来の照明器具100では、光束が低下したり照射ムラが発生したりするという問題がある。
一方、図4Bに示すように、本実施の形態に係る照明器具1では、LED光源10と反射板40との間であって透光部材51の周囲に、反射面52aを有する反射部材52が設けられている。これにより、図4Bの光線L1、L2に示すように、LED光源10から出射する光は、反射部材52の反射面52aで反射して反射板40内に入射する。
具体的には、反射面52aは、LED光源10から出射した光のうち、基部20の光源取付部20cと反射板40との間の隙間(空間)に向かう光を反射させるように構成されている。すなわち、図4Bの光線L1に示すように、反射部材52がなければ反射板40内に入射されずに基部20の光源取付部20c(LED光源10)と反射板40との間の隙間から外部に漏れ出してしまうLED光源10の光は、反射部材52によって、当該反射部材52の内部を通って反射面52aで反射した後、反射部材52(透光カバー50)から出射して反射板40内に入射する。この結果、LED光源10から出射する光がLED光源10と反射板40との間の隙間から漏れ出してしまうことを抑制することができる。したがって、漏れ光による光の損失を低減することができるので、光束が低下してしまうことを抑制することができる。なお、本願発明者らの光学シミュレーションによれば、本実施の形態における照明器具1は、従来の照明器具100に対して、最大で9%光束を向上させることができることが確認できた。
また、反射面52aは、LED光源10から出射した光のうち、反射板40の入射口40aの端部に向かう光を反射させるようにも構成されている。すなわち、図4Bの光線L2に示すように、反射部材52がなければ反射板40の入射口40aの端部に当たって反射してしまう光は、反射部材52の反射面52aで反射して反射板40内に入射する。この結果、LED光源10から出射する光が反射板40の入射口40aの端部に当たることを減少させることができるので、照射ムラの発生を大幅に抑制することができる。つまり、反射板40の入射口40aの端部を実質的に目立たなくすることができる。また、入射口40aの端部における光反射を抑制することで、壁面照射時の場合であっても、光のスジの発生を大幅に低減することができるので、照射面ムラを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、反射部材52の反射面52aは、LED光源10からの光の全てを反射板40に入射させることができるように構成されている。つまり、反射部材52がなければLED光源10と反射板40との間の隙間(空間)から漏れ出したり反射板40の入射口40aの端部に当たったりする光の全てを反射板40に入射させることができる。
次に、本実施の形態に係る照明器具1と従来の照明器具100の壁面照射時における照射パターンについて、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5Aは、本発明の実施の形態1に係る照明器具を天井に埋設して点灯させたときの状態を示す図である。図5Bの(a)は、従来の照明器具における壁面照射時の照射パターンを示す図であり、図5Bの(b)は、本発明の実施の形態1に係る照明器具における壁面照射時の照射パターンを示す図である。
照明器具1によって壁面3を照射した時の照射パターンは、例えば、図5Aで示すように、照明器具1を壁面3近傍の天井4に設置して点灯させることで得ることができる(図5Aの破線で囲まれる領域)。なお、図5Aでは、本実施の形態に係る照明器具1を設置している状態を示しているが、従来の照明器具100でも同様にして照射パターンを取得している。なお、いずれの場合も、透光パネル60を設けない構成としている。
その結果、図5Bの(a)に示すように、従来の照明器具100では、壁面照射時の照射パターンに光ムラが発生していることが分かる。一方、図5Bの(b)に示すように、本実施の形態に係る照明器具1では、壁面照射時の照射パターンに光ムラが発生しておらず、照射ムラのないきれいな照射パターンになっていることが分かる。
以上、本発明の実施の形態1に係る照明器具1によれば、反射部材52の反射面52aによって、漏れ光やエッジ端面反射光が発生しないようにLED光源10の出射光を制御している。これにより、光束の低下を抑制するとともに照射ムラの発生を抑制することができる照明器具を実現することができる。
(実施の形態1の変形例1)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1に係る照明器具について、図6を用いて説明する。図6は、本変形例に係る照明器具における反射板及び透光カバーの構成を示す図である。なお、図6に示す構成以外の構成は、図1の構成と同じである。
図6に示すように、本変形例では、透光カバー50の反射部材52が反射板40と密着しており、反射板40と透光カバー50の反射部材52とが一体的に成形されている。具体的には、反射板40の入射口40aの端部と透光カバー50の反射部材52における反射板側の表面とが接触するように構成されている。透光カバー50と反射板40とは、例えば透明接着剤によって接着することができる。
これにより、実施の形態1と比べて、さらに漏れ光やエッジ端面反射光の発生を抑制することができるので、光束の低下を一層抑制することができるとともに照射ムラの発生を一層抑制することができる。
(実施の形態1の変形例2)
次に、本発明の実施の形態1の変形例2に係る照明器具について、図7A及び図7Bを用いて説明する。図7Aは、本変形例の第1例に係る照明器具における反射板及び透光カバーの一部拡大断面図である。図7Bは、本変形例の第2例に係る照明器具における反射板及び透光カバーの一部拡大断面図である。なお、図7A及び図7Bに示す構成以外の構成は、図1の構成と同じである。
図7A及び図7Bに示すように、本変形例でも、変形例1と同様に透光カバー50の反射部材52と反射板40とが密着しており、反射板40と透光カバー50の反射部材52とが一体的に成形されている。
本変形例の第1例では、図7Aに示すように、反射板40の入射口40aの端部が透光カバー50の反射部材52に嵌合するように構成されている。具体的には、金属製の反射板40と樹脂製の透光カバー50の反射部材52とはインサート成形により一体的に結合されている。
これにより、実施の形態1と比べて、さらに漏れ光やエッジ端面反射光の発生を抑制することができるので、光束の低下を一層抑制して光束を向上させることができるとともに照射ムラの発生を一層抑制することができる。また、反射板40と透光カバー50とをインサート成形によって結合しているので、反射板40と透光カバー50との結合体を容易に作製することができる。
また、本変形例の第2例では、図7Bに示すように、反射板40の透光カバー側端部の内周面と透光カバー50の反射部材52の外表面とを接触させている。なお、反射板40と透光カバー50とは、例えば透明接着剤を用いて接着することができる。
これにより、反射板40の透光カバー側端部の端面(肉厚面)による光の反射を抑制することができるので、実施の形態1及びその変形例1と比べて、さらに漏れ光やエッジ端面反射光の発生を抑制することができる。
(実施の形態1の変形例3)
次に、本発明の実施の形態1の変形例3に係る照明器具について、図8を用いて説明する。図8は、本変形例に係る照明器具の一部拡大断面図である。なお、図8に示す構成以外の構成は、図1の構成と同じである。
図8に示すように、本変形例では、透光カバー50Aが、フラット形状の透光部材51Aと反射部材52とによって構成されている。すなわち、実施の形態1では、透光部材51はドーム形状であったが、本変形例では、透光部材51Aは平板状である。
なお、透光カバー50Aは、実施の形態1と同様に、例えばPMMA(アクリル)やポリカーボネート等の透明樹脂材料又はガラス材料等の絶縁性を有する透明材料を用いて形成することができる。また、透光部材51Aと反射部材52とは同一材料によって一体成形されている。また、本実施の形態における透光部材51Aは、実施の形態1と同様に、LED光源10からの光に対して集光作用及び発散作用のレンズ機能を有していないが、レンズ機能を有するように形状等を変更しても構わない。また、本実施の形態でも、透光カバー50Aは光拡散機能を有していない。
このように、透光部材51Aがフラット形状であっても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、漏れ光やエッジ端面反射光の発生を抑制することができるので、光束の低下を抑制することができるとともに照射ムラの発生を抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る照明器具の構成について、図9A及び図9Bを用いて説明する。図9Aは、本発明の実施の形態2に係る照明器具の構成を示す断面図である。図9Bは、図9Aに示す本実施の形態に係る照明器具の一部拡大断面図である。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付している。
図9A及び図9Bに示すように、本実施の形態に係る照明器具1Aは、例えば地中に埋込配設されることにより上方に光を照射する地中埋込型照明器具である。照明器具1Aは、LED光源10と、基部20Aと、枠体部31Aと、反射板40Aと、透光カバー50と、透光パネル60Aとを備える。
基部20Aは、金属材料からなる金属基台であり、本実施の形態ではアルミダイカスト製である。基部20Aの上面にはLED光源10が固定されている。
枠体部31Aは、金属材料を用いて略円筒状に形成されており、本実施の形態ではアルミダイカスト製である。枠体部31Aの下部には、反射板40Aの内部を直接又は反射して通過したLED光源10からの光が入射する入射口31Aaが設けられている。また、枠体部31Aの上部には、枠体部31Aに入射した光を外部(本実施の形態では透光パネル60A)に出射させる出射口31Abが設けられている。これら入射口31Aa及び出射口31Abは円形状に開口されている。また、枠体部31Aの内周面は、反射面31Acとなっている。反射面31Acは、入射口31Aaから入射した光が当該反射面31Acで反射して出射口31Abから出射されるように構成されている。
反射板40Aは、反射機能を有する反射部材(第1反射部材)であって、LED光源10からの光が入射する入射口(第1開口)40Aaと、当該光が反射板40Aから出射する出射口(第2開口)40Abとを有する。反射板40Aは、内径が入射口40Aaから出射口40Abに向かって漸次大きくなるように構成された円環枠状(漏斗状)であり、例えばアルミニウム等の金属材料によって形成することができる。また、反射板40Aの内周面は、LED光源10からの光を反射する反射面40Acとなっている。反射面40Acの内面形状は、入射口40Aaから入射した光を反射させて出射口40Abから出射させるように構成されている。
なお、反射板40Aは、金属材料ではなく、硬質の白色樹脂材料によって形成してもよい。あるいは、樹脂製の反射板40Aの内面に、反射面40Acとして、銀やアルミニウム等の金属材料からなる金属蒸着膜(金属反射膜)を形成してもよい。
透光パネル60Aは、光拡散性及び透光性を有する第2透光部材であって、枠体部31Aの出射口31Abを閉塞するように配置される。透光パネル60Aは、地表付近に配置された平板プレートであって、枠体部31Aに取り付けられている。透光パネル60Aは、例えばアクリルやポリカーボネート等の透明樹脂材料又はガラス材料によって円盤状に形成することができる。透光パネル60Aの光拡散機能は、例えば、外面をシボ処理して表面に凹凸を形成したり、シリカ等の光拡散材を含ませた光拡散膜を形成したり、光拡散材を透光パネル60Aの内部に混合させたりすることで実現することができる。
なお、透光パネル60Aは設けなくても構わない。透光パネル60Aを設けない構成とすることにより、照明器具としての光束を向上させることができる。
次に、図9A、図9B、図10A及び図10Bを用いて、本実施の形態に係る照明器具1Aの光学特性について、従来の照明器具100Aの光学特性と比較しながら説明する。図10Aは、従来の照明器具の構成を示す断面図である。図10Bは、図10Aに示す従来の照明器具の一部拡大断面図である。
図10A及び図10Bに示すように、従来の照明器具100Aは、本実施の形態に係る照明器具1Aにおいて、透光カバー50の代りに透光カバー500を設けた構成である。透光カバー500は、図3に示す透光カバー50において、反射部材52を設けずに、透光部材51の周縁下部に円筒状の壁部が設けられた構成となっている。
図10Bに示すように、従来の照明器具100Aの構成では、導電部(充電部)を有するLED光源10と金属を含む反射板40Aとの絶縁性を確保するために、LED光源10と反射板40Aとの間には空間(隙間)が設けられている。
この場合、図10Bの光線L1で示すように、LED光源10から出射した光の一部は、反射板40A内に入射せずに、LED光源10と反射板40Aとの間の空間(隙間)から漏れ出してしまう。これにより、光損失が発生して光束が低下する。
また、反射板40Aの入射口40Aaの端部は、加工上、端面エッジになりやすい。このため、図10Bの光線L2で示すように、LED光源10から出射した光の一部が入射口40Aaの端部(開口内周縁)に当たって反射して、これにより照射ムラが発生する。特に、壁面照射時の場合、光の照度差によるスジとして現われ、照射面ムラが発生する。この場合、透光パネル60Aに光拡散機能(凹凸等)を持たせることによって照射ムラを緩和することは可能であるが、光拡散機能によって光束が低下してしまう。
このように、従来の照明器具100Aでは、光束が低下したり照射ムラが発生したりするという問題がある。
一方、図9Bに示すように、本実施の形態に係る照明器具1Aでは、LED光源10と反射板40Aとの間であって透光部材51の周囲に、反射面52aを有する反射部材52が設けられている。これにより、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
すなわち、図9Bの光線L1に示すように、反射部材52がなければ反射板40A内に入射されずにLED光源10と反射板40Aとの間の隙間(空間)から外部に漏れ出してしまうLED光源10の光は、反射部材52を設けることによって、当該反射部材52の反射面52aで反射して反射板40A内に入射する。この結果、LED光源10から出射する光がLED光源10と反射板40Aとの間の隙間から漏れ出してしまうことを抑制することができる。したがって、漏れ光による光の損失を低減することができるので、光束が低下してしまうこと抑制することができる。
また、図9Bの光線L2に示すように、反射部材52がなければ反射板40Aの入射口40Aaの端部に当たって反射してしまう光は、反射部材52を設けることによって、当該反射部材52の反射面52aで反射して反射板40A内に入射する。この結果、LED光源10から出射する光が反射板40Aの入射口40Aaの端部に当たることを減少させることができるので、照射ムラの発生を大幅に抑制することができる。つまり、反射板40Aの入射口40Aaの端部を実質的に目立たなくすることができる。また、入射口40Aaの端部における光反射を抑制することで、壁面照射時の場合であっても、光のスジの発生を大幅に低減することができるので、照射面ムラを抑制することができる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、反射部材52の反射面52aは、LED光源10からの光の全てを反射板40Aに入射させることができるように構成されている。
以上、本発明の実施の形態2に係る照明器具1Aによれば、実施の形態1と同様に、反射部材52の反射面52aによって、漏れ光やエッジ端面反射光が発生しないようにLED光源10の出射光を制御している。これにより、光束の低下を抑制するとともに照射ムラの発生を抑制することができる照明器具を実現することができる。なお、本実施の形態においても、上述の実施の形態1の変形例1〜3を適用することができる。
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態及び変形例において、透光部材51と反射部材52とは一体的に形成したが、これに限らない。例えば、透光部材51と反射部材52とを接触することなく分離して形成しても構わない。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LED光源10は、青色LEDと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成しても構わない。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LED12は、青色を発光するLEDを用いたが、これに限らない。LED12としては、青色以外の色を発光するLEDを用いても構わない。例えば、LED12として紫外線発光のLEDチップを用いる場合、蛍光体粒子としては、三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子を組み合わせたものを用いることができる。さらに、蛍光体粒子以外の波長変換材を用いてもよく、例えば、波長変換材として、半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を用いてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子を用いてもよい。
また、上記の実施の形態及び変形例において、LED光源10は、基板11上にLEDチップを直接実装してLEDチップを蛍光体含有樹脂によって一括封止したCOB(Chip On Board)型の構成としたが、これに限らない。例えば、樹脂成形されたキャビティの中にLEDチップを実装して当該キャビティ内に蛍光体含有樹脂を封入したパッケージ型のLED素子を用いて、このLED素子を基板上に複数個実装することで構成された表面実装型(SMD:Surface Mount Device)のLED光源を用いても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及び変形例に施したもの、又は、実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。