本発明の一実施形態であるワイヤーハーネス製造システム1について、図1乃至図13を参照して詳細に説明する。本実施形態のワイヤーハーネス製造システム1は、電線Dの両端に端子Tが圧着された端子付電線TDや、端子付電線TDの両端にコネクタのハウジングHを取付けたサブハーネスSを、複数束ねたワイヤーハーネスW(図13を参照)を製造するためのものである。
本実施形態のワイヤーハーネス製造システム1は、端子付電線TDに着色された識別パターンPに対応したコネクタのハウジングHに必要数の端子付電線TDを接続したサブハーネスS(図11を参照)、又は、サブハーネスSとして完成していない未完成品s1,s2,s3(図12を参照、以下単に未完成品sとも記載する)を作成することが可能な電線加工ユニット2と、電線加工ユニット2によって作成されたサブハーネスSや未完成品sを運搬する運搬ユニット3と、運搬ユニット3によって運搬されたサブハーネスSや未完成品sから完成させたサブハーネスSをワイヤーハーネスWとして束ねるための束線板4と、電線加工ユニット2及び運搬ユニット3等を制御する制御装置5と、を備えている。
このワイヤーハーネス製造システム1は、複数の電線加工ユニット2を備えており、夫々の電線加工ユニット2で作成されたサブハーネスS又は未完成品sを、運搬ユニット3によって、夫々の電線加工ユニット2の近傍の受取位置3Aから束線板4の近傍の受渡位置3Bまで運搬することができる。
まず、電線加工ユニット2について説明する。電線加工ユニット2は、図2に示すように、芯線を被覆材で被覆した電線Dを供給する電線供給装置10と、電線供給装置10から供給された電線Dに対して所定の識別パターンPを着色する電線着色装置20と、電線着色装置20によって着色された電線Dを所定長さに切断すると共に電線Dの両端の被覆材を剥離させて芯線を露出させ、露出した芯線に端子Tを圧着して端子付電線TDを作成する切断圧着装置100と、切断圧着装置100によって作成された端子付電線TDを送るコンベア110と、コンベア110の先端側及び後端側に夫々配置され端子付電線TDの両端に着色された識別パターンPに対応したコネクタのハウジングHを供給する複数のハウジング供給装置120と、電線着色装置20及び切断圧着装置100に対して次の端子付電線TDの作成を許可する一対の許可ボタン130A,130Bと、サブハーネスS又は未完成品sの作成状態を作業者に知らせるための終了ランプ135と、制御装置5と接続された電線加工ユニット側端末140と、を備えている。
まず、電線供給装置10は、電線Dが巻き取られた電線ドラム11を、着脱可能及び回転可能に支持している。また、電線供給装置10は、電線着色装置20へ供給する電線Dの高さを調整する高さ位置調整機構12と、電線着色装置へ延びだした電線Dにかかるテンションを調整するテンション調整機構13を備えている。本実施形態では、被覆材が白色の電線Dを巻き取った電線ドラム11が、電線供給装置10に支持されている。なお、本実施形態では、電線供給装置10として公知の装置を用いることができる。
次に、電線着色装置20は、図3及び図4等に示すように、紫外線硬化型塗料からなるインクを貯留したインク貯留部材21と、インク貯留部材21に貯留されたインクを送給するインク送給機構30と、インク送給機構30によって送給されたインクが供給され、電線Dにインクを付着させて着色する着色ユニット40と、着色ユニット40に対してインクを付着させるための駆動力を供給する着色駆動機構60と、着色ユニット40によって電線Dに付着されたインクに対して紫外線を照射して硬化させるインク硬化装置65と、を備えている。
また、電線着色装置20は、インク貯留部材21に貯留されたインクを撹拌可能な撹拌片26と、撹拌片26を移動させてインクを撹拌する撹拌駆動機構70と、複数のインク貯留部材21と複数の着色ユニット40を夫々着脱可能に保持すると共に、複数のインク送給機構30と複数の着色駆動機構60、及び撹拌駆動機構70が取付けられたユニットベース80と、ユニットベース80に取付けられインク貯留部材21、インク送給機構30、及び着色ユニット40を覆う遮光性のユニットカバー90と、ユニットカバー90を貫通して取付けられ電線Dを案内する電線案内部材95と、を備えている。
インク貯留部材21は、一端に小径の注出口22aが形成されたインクシリンダ22と、インクシリンダ22内に水密且つ摺動可能に挿入されたピストン23と、インクシリンダ22の他端部に取付けられインクシリンダ22の軸方向に対して直角方向へ延びた角棒状の保持部24と、インクシリンダ22の一端に取付けられ注出口22aから注出されたインクを着色装置へ送給するための可撓性の送給管25と、インク貯留部材21に貯留されたインクを撹拌可能な撹拌片26と、を備えている。ピストン23は、インクシリンダ22の他端から外方へ延出する棒状のロッド部23aを備えている。
インク貯留部材21は、インクシリンダ22及びピストン23によって一般的な注射器の形態を呈している。このインク貯留部材21は、インクシリンダ22内の注出口22aとピストン23との間にインクが貯留されており、ピストン23をインクシリンダ22の一端側へ摺動させることによって注出口22aからインクを注出することができる。なお、インク貯留部材21は、注出口22aの下側にピストン23が位置する状態で、ユニットベース80に対して着脱可能に保持される。
インク送給機構30は、図3に示すように、ユニットベース80におけるインク貯留部材21を着脱可能に保持する部位の下側に取付けられている。インク送給機構30は、ユニットベース80に保持されたインク貯留部材21のピストン23におけるロッド部23aの下端と当接可能な当接部材31と、当接部材31から下方へ延出した長尺状のスライダ32と、スライダ32を上下方向へのみ移動可能に支持しユニットベース80に取付けられたスライダガイド部材33と、当接部材31と螺合し上下方向へ延びた雄ネジ部材34と、雄ネジ部材34を回転させユニットベース80に取付けられた送給モータ35と、を備えている。
撹拌片26は、インク貯留部材21のインクシリンダ22内における注出口22aとピストン23との間に移動可能に収容され、鉄等の磁性体によって形成されている(図4を参照)。本実施形態の撹拌片26は、穴の開いた円盤状に形成されている。
インク送給機構30の当接部材31は、ピストン23のロッド部23aの下端が当接する部位から離反した位置に上下方向へ貫通し雄ネジ部材34が螺合される雌ネジ孔31aを備えている。スライダ32は、当接部材31におけるロッド部23aが当接する位置と雌ネジ孔31aとの間の位置から下方へ延出している。雄ネジ部材34は、下端が送給モータ35の回転軸に連結されている。このインク送給機構30は、送給モータ35によって雄ネジ部材34を回転させることで、当接部材31を昇降させることができる。
着色ユニット40は、図4及び図5に示すように、平板状で略中央に電線Dが挿通される挿通孔41aが形成され、ユニットベース80に着脱可能に取付けられるベースプレート41と、ベースプレート41に取付けられインク貯留部材21の送給管25が接続されるインク受部42と、インク受部42に受けられたインクが供給されると共にベースプレート41における挿通孔41aから遠ざかった位置に取付けられ多孔質で柔軟性を有したインク受渡部材43と、インク受渡部材43とインク受部42とを連絡しインクが流通する流通管44と、インク受渡部材43を介してインク貯留部材21の注出口22aから注出されたインクが供給されると共にベースプレート41の挿通孔41aに挿通された電線Dに対してインクを付着可能とされた付着機構45と、付着機構45がベースプレート41の挿通孔41aに挿通された電線Dに当接する着色位置と付着機構45が電線Dから遠ざかりインク受渡部材に当接する退避位置との間で付着機構45を移動させる着色移動機構50と、を備えている。
着色ユニット40は、ベースプレート41の一方の面側に、インク受部42、インク受渡部材43、付着機構45、及び着色移動機構50が配置されている。また、着色ユニット40は、図示するように、ベースプレート41の挿通孔41aを中心としてベースプレート41の長辺方向両側にインク受渡部材43が配置されていると共に、各インク受渡部材43に対応した付着機構45が挿通孔41aを中心として対称に配置されている。
ベースプレート41は、金属板によって長方形状に形成されており、短辺方向の中央で、長辺方向の中央から一方側(図4及び図5において下側)へ寄った位置に挿通孔41aが形成されている。また、ベースプレート41は、長辺側の側面における挿通孔41aよりも一方側(図5において左側)の位置に固定用の切欠部41bが形成されている。
インク受部42は、ベースプレート41における長辺方向の他方側の端部で短辺方向の中央に取付けられており、送給管25の先端を着脱可能に接続されている。
インク受渡部材43は、合成樹脂製の織布、不織布、スポンジ、等によって形成されており、本実施形態では一対備えられている。一対のインク受渡部材43は、ベースプレート41における挿通孔41aを中心として長辺方向へ略同じ距離の位置に、ブラケット(図示は省略)によってベースプレート41に取付けられている。
付着機構45は、図6に示すように、外形が略長方形で平板状の本体部材46と、本体部材46に形成されインクが収容されると共に外部に連通した開口部を有するインク収容凹部47と、インク収容凹部47内に移動可能に複数支持されると共に開口部との間に隙間を形成した状態で先端が開口部から突出可能な薄板状の着色可動部材48と、着色可動部材48が開口部から突出する方向への移動位置を規制しインク収容凹部47内に配置された移動規制部材49と、を備えている。
本体部材46は、長辺の一方の側面から先端が台形状に膨出した膨出部46aを備えている。また、本体部材46は、図示は省略するが、膨出部46aの先端面に複数の凹凸部が形成されている。更に、本体部材46は、台形状に膨出した膨出部46aの一対の斜辺付近から夫々短辺方向へ矩形状に延びた貫通口46bと、貫通口46bよりも外側で短辺方向へ延びた長穴状に形成され本体部材46を着色移動機構50に取付けるための一対の取付孔(図示は省略)と、を備えている。
インク収容凹部47は、本体部材46の膨出部46aを本体部材46の長辺方向へ貫通すると共に、膨出部46aの先端面に開口した状態に形成されている。
付着機構45の着色可動部材48は、インク収容凹部47の幅(本体部材46の厚味方向)よりも薄い金属板によって形成されている。着色可動部材48は、詳細な図示は省略するが、帯板状の本体部と、本体部の長手方向両端における一方の長辺側から他方の長辺側へ向かって切欠かれた一対の切欠部と、本体部の長手方向両端における他方の長辺側から長手方向に対して直角方向へ突出した一対の脚部と、各脚部の突出端から互いに接近する方向へ細く延びた一対の弾性部と、を備えている。
移動規制部材49は、詳細な図示は省略するが、インク収容凹部47の長さと略同じ長さで棒状の棹部と、棹部の中央から一方側へ突出した突部と、棹部の両端から突部が突出した方向と同じ方向へ夫々延出した一対の延出部と、一対の延出部における突出端側から互いに接近する方向へ夫々突出した一対の規制部と、棹部の両端から延出部とは反対側へ夫々延出した一対の係止部と、を備えている。
この付着機構45は、着色可動部材48の弾性部の自由端を移動規制部材49の突部に当接させると共に、着色可動部材48の切欠部内に移動規制部材49の規制部を位置させることで、着色可動部材48の弾性部が本体部側へ弾性変形し、その弾性変形の付勢力によって切欠部が規制部に当接し、着色可動部材48が一方側の移動端に位置した状態となる。この状態では、着色可動部材48の脚部と移動規制部材49の棹部との間に隙間があり、弾性部の付勢力に抗して着色可動部材48を他方側へ移動させると、脚部が棹部に当接して移動が規制され、着色可動部材48が他方側の移動端に位置した状態となる。従って、移動規制部材49によって着色可動部材48を、移動可能に支持することができると共に、移動範囲を規制することができる。
付着機構45は、移動規制部材49に複数(本例では3個)の着色可動部材48を支持させた状態で、移動規制部材49をインク収容凹部47内へ挿入し、棹部をインク収容凹部47の底部に当接させると共に、一対の係止部を本体部材46の膨出部における台形状の斜辺に当接させる。これにより、インク収容凹部47における本体部材46の長辺方向両端の開口が移動規制部材49の延出部によって閉鎖された状態となると共に、着色可動部材48が移動規制部材49を介してインク収容凹部47内に移動可能に支持された状態となる。なお、本実施形態では、移動規制部材49が本体部材46に対して接着固定されている。
付着機構45は、組立てた状態で、着色可動部材48における本体部の一方側の端部が、インク収容凹部47の開口部から突出しており、弾性部の付勢力に抗して着色可動部材48を他方側へ移動させると、本体部がインク収容凹部47内へ没入することができる。また、付着機構45は、着色可動部材48とインク収容凹部47の開口部との間と、着色可動部材48同士の間に、毛細管現象が生じる隙間が形成されている。
着色移動機構50は、ベースプレート41の長辺方向へ延び、ベースプレート41における挿通孔41aの中心を通る長辺方向へ延びた軸線に対して対称に取付けられた一対のレール部材51と、各レール部材51によってスライド可能に支持された一対のスライダ52と、各スライダ52に取付けられると共に付着機構45が取付けられ、互いに対向する側面にベースプレート41の長辺方向へ延びたラックギア53aが形成された一対のラック部材53と、一対のラック部材53におけるラックギア53aに夫々噛合しベースプレート41に回転可能に支持された平歯車状の伝達ギア54と、を備えている。
また、着色移動機構50は、ラック部材53に当接することでラック部材53に取付けられた付着機構45の移動範囲を規制しベースプレート41に取付けられたストッパ部材55と、一端側がラック部材53に係止されると共に他端側がベースプレート41に係止され、ラック部材53に取付けられた付着機構45を退避位置へ復帰させる復帰バネ56とを備えている。
一対のレール部材51は、ベースプレート41の挿通孔41aの中心からペースプレート31における短辺方向の距離がインク受渡部材43よりも遠い位置に、ベースプレート41に対して取付けられている。
一対のラック部材53は、ベースプレート41における長辺方向へ延びた形態とされ、長手方向の中央よりもベースプレート41における長辺方向の一方側にラックギア53aが形成されており、長手方向の中央よりもラックギア53aが形成された側とは反対側に付着機構45が取付けられる。また、一対のラック部材53は、ベースプレート41における長辺方向の他方側の端部に、ストッパ部材55に当接可能なストッパ部53bを備えている。
一対のラック部材53における片方のラック部材53は、ベースプレート41における長辺方向の一方側の端部に、着色駆動機構60によって駆動される被駆動部53cを備えている。また、一対のラック部材53における他方のラック部材53は、ベースプレート41における長辺方向の一方側の端部付近に、復帰バネ56の一端が係止される係止部53dを備えている。この他方のラック部材53は、係止部53dに復帰バネ56が係止されることで、復帰バネ56によりベースプレート41における長辺方向の他方側へ付勢された状態となる。
伝達ギア54は、ベースプレート41の挿通孔41aの中心を通る長辺方向へ延びた軸線上で、挿通孔41aの中心からインク受渡部材43よりも遠くベースプレート41における長辺方向の一方側の端部付近の位置に支持されている。着色移動機構50は、片方のラック部材53を移動させると、一対のラック部材53のラックギア53aと伝達ギア54との作用によって他方のラック部材53を相反する方向へ移動させることができる。
また、着色移動機構50は、ラック部材53との間で付着機構45を摺動可能に挟持する板状の挟持部材57を備えている。この挟持部材57は、ラック部材53に対して付着機構45における本体部材46の取付孔(図示は省略)を通して取付けられている。これにより、付着機構45が、ラック部材53の長手方向に対して直角方向へ摺動することができる。
更に、着色移動機構50は、挟持部材57を介してラック部材53に取付けられた付着機構45を、ラック部材53の長手方向に対して直角方向で且つベースプレート41の挿通孔41aに接近する方向へ付勢する接近バネ58と、接近バネ58の基端側を支持しラック部材53に取付けられたバネ保持部材59と、を備えている。接近バネ58及びバネ保持部材59は、ラック部材53に付着機構45を取付けた状態で、本体部材46の貫通口46b内に位置し、接近バネ58の先端が貫通口46b内における膨出部46aに近い側の内面に当接すると共に、接近バネ58の基端側を支持するバネ保持部材59が貫通口46b内における膨出部46aから遠ざかった内面付近に取付けられている。なお、バネ保持部材59は、接近バネ58内へ延びて接近バネ58が貫通口46b内から脱落するのを防止する保持棹を有している。
この着色移動機構50は、一対のラック部材53のラックギア53aと伝達ギア54とによって、片方のラック部材53が移動すると、他方のラック部材53が相反する方向へ移動する。従って、図5に示すように、着色移動機構50は、片方のラック部材53のストッパ部53bを対応するストッパ部材55に当接させた時に、他方のラック部材53のストッパ部53bが対応するストッパ部材55から最も遠ざかった位置となる。一方、他方のラック部材53のストッパ部53bを対応するストッパ部材55に当接させた時には、片方のラック部材53のストッパ部53bが対応するストッパ部材55から最も遠ざかった位置となる。なお、一対のラック部材53は、夫々のストッパ部53bがストッパ部材55から離れた状態では、ストッパ部53bとは反対側の端部が、ベースプレート41における短辺よりも外側へ延出した状態となる。
また、着色移動機構50は、片方のラック部材53のストッパ部53bを対応するストッパ部材55に当接させた状態では、ラック部材53における付着機構45が取付けられる部位がベースプレート41の挿通孔41aに接近した位置となり、他方のラック部材53のストッパ部53bを対応するストッパ部材55に当接させた状態では、ラック部材53における付着機構45が取付けられる部位がベースプレート41の挿通孔41aから遠ざかった位置となる。これにより、着色移動機構50は、各ラック部材53に着色機構40を取付けることで、一対の着色機構40を、挿通孔41aに接近して電線Dに当接可能な着色位置と、挿通孔41a(電線D)から遠ざかった退避位置との間で移動させることができる。
更に、着色移動機構50は、一対のラック部材53に対して、付着機構45が、夫々のインク収容凹部47の開口部が互いに対向可能な向きに取付けられている。従って、着色移動機構50は、ベースプレート41の挿通孔41aに挿通された電線Dに対して、付着機構45の開口部から突出した着色可動部材48の先端を、接線方向へ移動させて当接させることができる。これにより、着色移動機構50は、一対の付着機構45によって電線Dを挟持させることができると共に、着色可動部材48(膨出部46aの先端)に沿って電線Dを転動させることができる。
また、着色移動機構50は、ラック部材53と挟持部材57とによって付着機構45をラック部材53の長手方向に対して直角方向へ摺動可能に取付けていると共に、接近バネ58及びバネ保持部材59によって付着機構45をベースプレート41の挿通孔41aへ接近する方向へ付勢している。つまり、着色移動機構50は、付着機構45を電線Dの接線方向に対して直角方向へ摺動可能に支持していると共に、付着機構45を電線Dへ接近する方向へ付勢しているため、挿通孔41aに挿入された電線Dの外径が変化しても、着色機構40の着色可動部材48の先端を確実に電線Dに当接させることができる。
この着色ユニット40は、一対の付着機構45が、着色移動機構50の一対のラック部材53に対して、夫々のインク収容凹部47の開口部が互いに対向可能な向きに取付けられている。そして、着色ユニット40は、一対の付着機構45を、ベースプレート41の挿通孔41aを中心としてインク収容凹部47の開口部が互いに対向し開口部から突出した着色可動部材48が挿通孔41aに挿通された電線Dに当接する着色位置と、挿通孔41a(電線D)から遠ざかりインク収容凹部47の開口部から突出した着色可動部材48がインク受渡部材43に当接する退避位置との間で移動させることができる。
着色駆動機構60は、公知のエアシリンダとされ、ユニットベース80における着色ユニット40が取付けられる位置の下側に取付けられている。着色駆動機構60は、ユニットベース80に取付けられた着色ユニット40における片方のラック部材53の被駆動部53cに上端が当接し、昇降する棒状の駆動ロッド61を備えている。なお、着色駆動機構60は、ユニットベース80に取付可能な着色ユニット40の数と同じ数だけ取付けられている。この着色駆動機構60は、加圧されたエアの供給により駆動ロッド61を昇降させることができ、駆動ロッド61の上端に当接した被駆動部53cを介して着色移動機構50を駆動させることができる。
インク硬化装置65は、図示は省略するが、電線Dが挿通可能な挿通孔を有したブラケットと、ブラケットに取付けられ挿通孔の中心へ向って紫外線を照射する複数(本例では4個)の紫外線LEDとを備えている。インク硬化装置65は、着色ユニット40に用いるベースプレート41に対して、付着機構45や着色移動機構等が配置される側とは反対側の面に取付けられている。また、インク硬化装置65は、その挿通孔がベースプレート41の挿通孔41aと同軸上に取付けられている。
このインク硬化装置65は、紫外線LEDを電線Dに対して可及的に近い位置に配置していると共に、挿通孔内でその中心へ向って紫外線を照射しているため、紫外線LEDから照射された紫外線が挿通孔から外部へ漏れ難く、インク貯留部材21内や着色ユニット40内のインクが硬化するのを防止することができる。
撹拌駆動機構70は、図3及び図4に示すように、ユニットベース80に保持されたインク貯留部材21のインクシリンダ22に接近した位置に配置された磁石71と、複数の磁石71を左右方向へ列設した状態で保持する横長の磁石保持部材72と、磁石保持部材72における左右方向の略中央に取付けられたスライダ73と、スライダ73を昇降可能に支持し上下方向へ延びると共に下端がユニットベース80に取付けられた昇降レール74と、昇降レール74の下端に取付けられスライダ73を昇降駆動させるための昇降駆動モータ75と、昇降駆動モータ75によって回転する駆動プーリ76と、昇降レール74の上端に回転可能に支持された従動プーリ77と、従動プーリ77と駆動プーリ76とに巻き掛けられたベルト78と、を備えており、ベルト78に一部にスライダ73が取付けられている。
撹拌駆動機構70は、磁石保持部材72が、ユニットベース80における複数のインク貯留部材21を保持する間隔と同じ間隔で、複数の磁石71を保持している。なお、本実施形態では、磁石71は、公知の永久磁石とされている。
この撹拌駆動機構70は、昇降駆動モータ75によってベルト78を回転させることでスライダ73を介して磁石71を昇降させることができる。また、撹拌駆動機構70は、ユニットベース80に保持されたインク貯留部材21のインクシリンダ22内の撹拌片26に対して、磁石71からの磁力を作用させることができる。従って、磁石71を昇降駆動モータ75によって昇降させることで、インクシリンダ22内の撹拌片26を磁石71に吸引させて磁石71と共に移動(昇降)させることができ、撹拌片26によってインクシリンダ22内のインクを撹拌させることができる。
ユニットベース80は、図2、図3及び図4に示すように、床面等に載置され上下方向へ延びた箱状の本体81と、本体81の前面上部から前面に対して直角方向へ延びた板状の支持棚82と、支持棚82の前端に開口しインク貯留部材21の保持部24を挿入可能な挿入口83と、挿入口83内に突出し挿入口83外へ弾性変形可能とされた板状の弾性片84と、を備えている。
ユニットベース80の支持棚82は、電線着色装置20の左右方向へ延びている。また、挿入口83は、左右方向へ複数(本例では10個)列設されている。また、支持棚82の上面には、撹拌駆動機構70が取付けられている。
弾性片84は、挿入口83内へ挿入された保持部24に対して弾性力を作用させて保持部24が挿入口83から容易に抜けるのを防止することができる。これにより、ユニットベース80は、挿入口83と弾性片84とによってインク貯留部材21を着脱可能に保持することができる。
また、ユニットベース80は、本体81における支持棚82の下側に取付けられると共に、内部にインク送給機構30が取付けられ、上側が開放された箱状の送給機構取付部材85を備えている。送給機構取付部材85は、図示は省略するが、平面視の大きさが支持棚82と略同じ大きさとされ、図4に示すように側面視では上下方向へ延びている。送給機構取付部材85は、前壁部85aの内側で上下方向の略中央の位置にインク送給機構30のスライダガイド部材33が取付けられていると共に、後壁部85bの内側でスライダガイド部材33の下端よりも下側の位置に送給モータ35が取付けられている。また、送給機構取付部材85は、前壁部85aにおけるスライダガイド部材33が取付けられた位置よりも上側に形成され、インク送給機構30の当接部材31が通過可能な上下方向へ延びたスリット86を備えている。
更に、ユニットベース80は、本体81の上面に固定され着色ユニット40におけるベースプレート41の長辺の長さの約半分の高さで左右方向へ延びた保持ブロック87を備えている。保持ブロック87は、前後方向の幅が着色ユニット40におけるベースプレート41の短辺よりも狭く左右方向へ略全長に渡って延び、上下に貫通した開口87aを備えている。また、保持ブロック87は、開口87a内における前後方向に対向した内面に、ベースプレート41の厚さと略同じ幅で上下方向へ延びた保持溝87bを夫々備えている。互いに対向した保持溝87bの底面同士の間隔は、ベースプレート41の短辺の長さよりも若干広い間隔に形成されている。これにより、互いに対向した保持溝87bにベースプレート41の長辺側を挿入することで、ベースプレート41の面が左右方向へ向いた状態に保持することができる。また、保持溝87bは、図3に示すように、左右方向へ一定間隔に複数(本例では13組)備えられており、複数の着色ユニット40を保持することができる。
更に、保持ブロック87は、着色ユニット40のベースプレート41の長辺に形成された二つの切欠部41bが挿通孔41aよりも下側に位置した状態でベースプレート41を保持溝87bに保持させた時に、切欠部41bと同じ高さで保持ブロック87の前側から開口87aへ向って貫通した二つの固定孔87cを備えている。これら固定孔87cは、内周面に雌ネジが形成されている。これにより、保持ブロック87の前側から固定孔87cにボルト88を螺合させて、ボルト88の先端をベースプレート41の切欠部41bの底部に当接させることで、ベースプレート41を後方へ押し付けることができると共に、ベースプレート41が上方へ移動するのを阻止することができる。また、複数の着色ユニット40を、ベースプレート41における付着機構45や着色移動機構50が配置された面が正面視右方向へ向いた状態で、確実に固定することができる。
なお、本体81は、上面における保持ブロック87によって着色ユニット40が保持される位置と対応した位置に、上下へ貫通した開口81aを備えている(図4を参照)。この開口81aを通して、保持ブロック87に保持された着色ユニット40のラック部材53が、本体81の上面よりも下方へ延出することができる。
また、ユニットベース80は、本体81内に取付けられ着色駆動機構60が取付けられる取付ブラケット89を備えている。この取付ブラケット89により、保持ブロック87によって着色ユニット40が保持される位置と対応した位置に、複数の着色駆動機構60を取付けることができる。
ユニットカバー90は、ユニットベース80に保持されたインク貯留部材21及び着色ユニット40を覆い、板材によって箱状に形成されたカバー本体91と、カバー本体91の上面及び前面にかけて貫通した開口部92と、開口部92を閉鎖しカバー本体91に開閉可能に取付けられた開閉扉93と、開閉扉93に取付けられた取っ手94とを備えている。このユニットカバー90は、開閉扉93によってカバー本体91の開口部92を閉鎖することで、ユニットベース80に保持されたインク貯留部材21や着色ユニット40等に対して外部から光が照射されるのを防止することができる。
電線案内部材95は、図3に示すように、電線Dが通過可能な案内孔95aを有し、全体が細長い円筒状に形成されている。この電線案内部材95は、ユニットカバー90におけるカバー本体91の左右両側面に、夫々取付けられている。また、二つの電線案内部材95は、ユニットベース80の保持ブロック87に保持されたベースプレート41の挿通孔41aの中心軸に対して、案内孔95aの中心軸が同軸上となる位置に、夫々取付けられている。これら電線案内部材95によって、ユニットカバー90内で電線Dを真っ直ぐに案内することができる。
この電線着色装置20は、複数(本実施形態では10個)の着色ユニット40が、ユニットベース80の保持ブロック87に保持されている。なお、保持ブロック87における電線Dの最も下流側(図3において右側)の保持溝87bには、ベースプレート41にインク硬化装置65のみを取付けた専用インク硬化ユニット66が保持されている。これにより、各ベースプレート41の挿通孔41aが、電線案内部材95の案内孔95aと同軸上に位置する。また、本実施形態では、保持ブロック87に保持された複数の着色ユニット40のうち、最も左側にはインク硬化装置65が取付けられていない着色ユニット40が保持されている。
また、電線着色装置20は、ユニットベース80の保持ブロック87に保持させた着色ユニット40の数と同じ数のインク貯留部材21が、ユニットベース80に保持されている。これらインク貯留部材21は、夫々異なる色のインクが貯留されていると共に、上端から延出した送給管25が後側に保持された対応する着色ユニット40のインク受部42に接続されている。
ここで、本実施形態の電線着色装置20による電線Dへの着色について説明する。まず、電線供給装置10から繰り出された被覆材が白色の電線Dの先端を、図4における左側の電線案内部材95からユニットカバー90内へ進入させた上で、複数の着色ユニット40の挿通孔41aを通して反対側の電線案内部材95からユニットカバー90の外部へ延出させた状態とする。そして、ユニットカバー90から外部へ延出させた電線Dの先端を、後述する切断圧着装置100の電線送り機構101により引っ張って電線Dをピンと張った状態にする。
続いて、インク送給機構30の送給モータ35により当接部材31を上昇させ、当接部材31の上面に当接したロッド23aを介してピストン23を上方へ押圧し、インク貯留部材21に貯留されたインクを、送給管25を介して着色ユニット40のインク受部42へ送給する。そして、インク受部42に送給されたインクは、流通管44を流通してインク受渡部材43へ供給され、多孔質のインク受渡部材43に含浸した状態となる。
この着色ユニット40では、付着機構45が退避位置に位置した状態ではインク収容凹部47の開口部から突出した着色可動部材48の先端が、インク受渡部材43に当接している。これにより、インク受渡部材43に含浸されたインクが、開口部と着色可動部材48との間や着色可動部材48同士の間の隙間による毛細管現象によって、インク収容凹部47内へ吸い込まれ、インク収容凹部47内がインクで満たされた状態となる。なお、退避位置では、付着機構45における膨出部46aの先端もインク受渡部材43に当接するため、膨出部46aの先端にもインクが付着した状態となる。
この状態で着色駆動機構60の駆動ロッド61を上昇させると、着色ユニット40における片方のラック部材53の被駆動部53cが上方へ押され、片方のラック部材53が上昇すると共に、各ラック部材53のラックギア53a及び伝達ギア54によって他方のラック部材53が下降する。これにより、一対のラック部材53に取付けられた付着機構45が、退避位置から電線Dに当接する着色位置へ互いに接近する方向に移動する。なお、付着機構45がインク受渡部材43から離れると、インク収容凹部47の開口部が露呈した状態となるが、開口部と着色可動部材48との間の隙間のインクに作用する表面張力により、インクの漏出が阻止される。
そして、付着機構45における着色可動部材48の先端が電線Dに当接すると、着色可動部材48が弾性部の付勢力に抗してインク収容凹部47内へ没入する。この着色可動部材48の没入により、インク収容凹部47内に収容されたインクが開口部との隙間から外部へ押出され、電線D(被覆材)の表面にインクが付着する。
更に詳しく説明すると、着色位置へ移動する一対の着色機構40は、互いに反した方向から接線方向へ電線Dに対して当接するため、一対の着色機構4における着色可動部材48の先端が突出した膨出部46aの先端によって、電線Dが挟持される。この膨出部46aの先端には凹凸部が備えられているため、凹凸部の抵抗によって電線Dがその中心軸を中心として回転する。これにより、着色機構40における膨出部46aの先端が、電線Dの周方向全体に亘って当接することとなり、膨出部46aの先端の幅で電線Dの全周にインクを付着させることができる。
そして、電線Dにインクを付着させたら、着色駆動機構60の駆動ロッド61を下降させることで、復帰バネ56の付勢力によって一対のラック部材53に取付けられた各付着機構45が、着色位置から退避位置へ移動することができる。
その後、切断圧着装置100の電線送り機構101より電線Dを右方向へ移動させ、インクを着色した部位を、平面視右側に保持されたベースプレート41に取付けられたインク硬化装置65の挿通孔内に位置させて停止させる。そして、インク硬化装置65の紫外線LEDを発光させて電線Dに付着させたインクを硬化させることで、電線Dに対して所望の色を着色することができる。
なお、本実施形態では、ユニットベース80に保持された10個の着色ユニット40は、電線供給装置10に近い側から、黒、茶、赤、橙、黄、緑、青、紫、灰、白、を着色することができる。従って、所望の色を着色する着色ユニット40に対応した着色駆動機構60を駆動させることで、電線Dに所望の色で着色することができる。また、切断圧着装置100における電線送り機構101を適宜制御することで、電線Dの長手方向に対して、所望の位置に着色することができる。これにより、一つの電線Dに対して、単一の色を着色することができるだけでなく、複数の色を位置が異なる状態で着色したり、着色する位置の数や着色する位置の間隔等を異ならせてバーコードのような識別パターンPに着色したりすることができる。
なお、白を着色する着色ユニット40は、インク貯留部材21から黒色のインクが供給されると共に、付着機構45におけるインク収容凹部47内に収容される着色可動部材48を省略した構成としている。従って、着色機構40におけるインク収容凹部47の開口部の両側に位置した膨出部46aの先端のみが電線Dに当接するため、インク受渡部材43によって膨出部46aの先端に付着したインクにより、電線Dに開口部の幅だけ離間した一対の黒色の線を付着させることができる。これにより、一対の線の間に電線Dの被覆材の白色が現れることによって、白色を着色したこととしている。
また、電線着色装置20では、インク貯留部材21のピストン23がインクシリンダ22内での上方への移動端に到達する(インクがなくなる)と、当接部材31がこれ以上は上昇することができないため、送給モータ35に係る負荷が高くなる。そして、制御装置5では、送給モータ35に係る負荷を検知することによって、インク貯留部材21内のインクがなくなったことを検知し、その旨を作業者に知らせてインク(インク貯留部材21)の交換を促すことができる。
また、電線着色装置20は、撹拌駆動機構70における昇降駆動モータ75を、定期的に正転・逆転を繰り返させて磁石71を往復昇降させる。これにより、磁石71の磁力により吸引されたインクシリンダ22内の撹拌片26が昇降し、撹拌片26によってインクシリンダ22内のインクを撹拌させることができる。
続いて、切断圧着装置100は、図2に示すように、電線Dを送る電線送り機構101と、電線Dの端部に端子を圧着する圧着機構102と、電線Dを切断すると共に電線Dの端部の被覆材を除去する切断機構(図示は省略)と、切断された電線Dをコンベア側へ送る排出機構(図示は省略)と、電線送り機構101、圧着機構102、切断機構、及び排出機構を支持し床面上に配置される箱状の本体103と、を備えている。
電線送り機構101は、本体103の上面における一辺の端部付近に支持されている。電線送り機構101は、電線Dを挟持する一対のローラと、ローラを回転させる送りモータと、モータの回転数を検知するエンコーダと、を備えている。電線送り機構101は、エンコーダによって一対のローラにより送られた電線Dの長さを検知(測定)することができる。また、電線送り機構101は、一対のローラによって電線Dを送ることで、電線着色装置20を通して電線供給装置10の電線ドラム11から電線Dを繰り出させることができる。
圧着機構102は、電線Dの先端に端子Tを圧着する第一圧着機構102Aと、電線Dの後端に端子Tを圧着する第二圧着機構102Bと、を備えている。これら第一圧着機構102A及び第二圧着機構102Bは、本実施形態では略同じ構成である。圧着機構102は、図示は省略するが、本体103の上面に取付けられ電線送り機構101によって送られた電線Dが通過する切欠きを有した逆L字状のフレーム部材と、フレーム部材における切欠き内に配置され電線Dに端子Tを圧着するためのアプリケータと、を備えている。このアプリケータは、端子Tの屈曲を支持する凹型状のアンビルと、端子Tをアンビルへ押圧する凸型状の押圧部材とで構成されている。
圧着機構102は、アプリケータの押圧部材を有し電線Dよりも上側に配置された上側ユニットと、アプリケータのアンビルを有し電線Dよりも下側で上側ユニットと対向した位置に配置された下側ユニットと、フレーム部材に取付けられ上側ユニットを電線Dへ向って昇降させる上側昇降機構と、本体103に取付けられ下側ユニットを電線Dへ向って昇降させる下側昇降機構と、下側ユニットのアンビルに端子Tを搬送する端子搬送機構と、を備えている。この圧着装置102は、上側ユニットの押圧部材と、下側ユニットのアンビルとが互いに対向している。また、圧着機構102は、上側ユニット及び下側ユニットが、上側昇降機構及び下側昇降機構によって夫々別々に昇降することができ、互いに接近させることで押圧部材とアンビルとの間の端子Tを電線Dに圧着することができると共に、互いに離間させることで上側ユニットと下側ユニットとの間で電線Dを良好に通過させることができる。
また、圧着機構102は、上側ユニット及び下側ユニットが、上側昇降機構及び下側昇降機構に対して夫々着脱可能に支持されている。これにより、圧着する端子Tの種類に応じて、対応する押圧部材及びアンビルを有した上側ユニット及び下側ユニットに交換することができる。更に、圧着機構102は、端子搬送機構によって複数の端子Tが繋がった状態でアンビルに供給され、押圧部材とアンビルとを互いに接近させて端子Tを電線D圧着させると圧着された端子Tが切り離される。
切断機構は、図示は省略するが、電線Dの被覆材を除去するために上下方向に配置された一対の切込刃と、電線Dを切断するために上下方向に配置された一対の切断刃と、一対の切込刃及び一対の切断を互いに接近又は離反させる駆動モータと、を備えている。一対の切込刃は、電線Dの延びた方向へ離間して二組備えられており、それらの間に一対の切断刃が配置されている。これら一対の切込刃と一対の切断刃は、電線Dを挟んで夫々が一体的に形成されている。従って、本実施形態の切断機構は、一対の切断刃によって先の電線Dと後の電線Dとに切断することができると同時に、二組の一対の切込刃によって先の電線Dの後端側と後の電線Dの先端側の被覆材を除去するための切込みを入れることができる。
排出機構は、図示は省略するが、切断機構によって切断された電線Dを把持する把持機構と、把持機構を電線Dの送り方向へ移動させる把持移動機構と、を備えている。把持機構は、切断された電線Dの後端付近を把持することができる。また、把持移動機構は、把持機構に把持された電線Dの後端を第二圧着機構102Bへ移動させることができると共に、電線Dをコンベア110側へ移動させることができる。
本実施形態の切断圧着装置100は、電線送り機構101によって電線供給装置10の電線ドラム11から電線Dを繰り出させることができる。また、電線送り機構101によって、電線Dの長さを測定することができるため、電線Dを所望の長さに切断することができる他に、切断圧着装置100と電線着色装置20との距離を設定することで、電線Dの特定位置に対して電線着色装置20により所定の色のインクを着色することができる。
また、切断圧着装置100は、電線Dの先端に第一圧着機構102Aによって端子Tを圧着した後に、電線送り機構101によって電線Dを送ることで、端子Tが圧着された電線Dの先端をコンベア110へ載置させることができる。更に、切断圧着装置100は、切断機構によって電線Dを切断し二組の一対の切込刃を電線Dの被覆材に食い込ませた状態で、電線送り機構によって電線Dを後退させると、後の電線Dの先端の被覆材を除去することができる。一方、一対の切込刃を電線Dの被覆材に食い込ませた状態で、先の電線Dを排出機構の把持機構により把持した上で、把持移動機構により先の電線Dをコンベア110側へ移動させると、先の電線Dの後端の被覆材を除去することができる。
そして、被覆材を除去した電線Dの後端を、把持移動機構によって第二圧着機構103Bへ移動させ、第二圧着機構103Bにより電線Dの後端に端子Tを圧着することで、電線Dの両端に端子Tが圧着された端子付電線TDを作成することができる。
次に、コンベア110は、詳細な図示は省略するが、無端環状のベルト111が回転するベルトコンベアとされている。このコンベア110は、ベルト111の幅方向の両側に配置され端子付電線TDを受けるトレー112を備えている。このトレー112は、図2に示すように、ベルト111と略同じ長さに形成されており、ベルト111の上面よりも低い位置で且つ作業者の作業し易い高さに配置されている。また、コンベア110は、ベルト111及びトレー112を所定高さに支持する一対の脚部113を備えている。なお、本実施形態では、コンベア110の先端側が、運搬ユニット3における受取位置3Aの近傍に位置している。
このコンベア110は、ベルト111が切断圧着装置100の電線送り機構101と連動して動くことができ、切断圧着装置100からコンベア110側へ出てきた電線Dをコンベア110の先端側(図2において右側)へ送ることで、電線Dが切断圧着装置100の先端側で滞るのを防止することができる。また、コンベア110は、ベルト111に載置された端子付電線TDの先端が、コンベア110の先端付近に到達すると、ベルト111の回転が自動で停止する。その状態で、ベルト111上の端子付電線TDを幅方向の一方側へ移動させることで、トレー112によって端子付電線TDを受けることができる。
次に、ハウジング供給装置120は、図6に示すように、上方に開放された収容部121aを周方向へ複数列設した収容部材121と、一つの収容部121aと略同じ大きさの開口122aを有し収容部材121の上側を覆う透明なカバー部材122と、収容部材121を回転させるモータ(図示は省略)と、上側で収容部材121を回転可能に支持すると共にカバー部材122を回転不能に支持し内部にモータが取付けられた箱状の本体123と、を備えている。本実施形態では、16個の収容部121aが形成されている。
このハウジング供給装置120は、図示は省略するが、複数の収容部121aのうち一つの収容部121aが空の状態とされており、残りの各収容部121aには互いに異なるハウジングHが収容されている。ハウジング供給装置120は、モータによって収容部材121を回転させることができると共に、任意の収容部121aとカバー部材122の開口122aとが一致するように収容部材121を停止させることができる。これにより、作業者に供給するハウジングHが収容された収容部121aを、カバー部材122の開口122aと一致させることで、開口122aを通して収容部121aからハウジングHを取出させることができる。従って、作業者に対して特定のハウジングHのみを供給することができる。
本実施形態のハウジング供給装置120は、コンベア110における先端側と後端側に、コンベアを挟んだ両側に夫々備えられている。つまり、一つの電線加工ユニット2おいて四つのハウジング供給装置120が備えられている。
続いて、一対の許可ボタン130A,130B及び終了ランプ135は、図示するように、コンベア110の後端側(切断圧着装置100に近い側)の上方に配置されており、コンベア110の幅方向の一方側用と他方側用に夫々一対備えられている。詳述すると、許可ボタン130Aは、図2においてコンベア110におけるベルト111の手前側(以下、単にX側と称する)に備えられており、許可ボタン130Bは、ベルト111の奥側(以下、単にY側と称する)に備えられている。これら許可ボタン130A,130Bは、作業者が押すことによって、次の端子付電線TDの作成を開始させることができる。
また、一対の終了ランプ135は、本実施形態ではコンベア110のX側が赤色のランプとされていると共に、Y側が緑色のランプとされている。これら終了ランプ135は、作成するサブハーネスSに必要な最後の端子付電線TDや、一連の端子付電線TDにおける最後の端子付電線TDの作成が開始されると点灯するものである。なお、点灯した終了ランプ135は、運搬ユニット3における後述する受取位置3AにおいてサブハーネスS又は未完成品sの受取りが検知されると、消灯する。
次に、電線加工ユニット側端末140は、切断圧着装置100における許可ボタン130及び終了ランプ135に近い位置に支持されており、入力用のキーボードと、出力用の表示装置とを備えている。この電線加工ユニット側端末140によって、作成する端子付電線TDやサブハーネスS等を確認したり、設定したりすることができる。
続いて、運搬ユニット3について、図7乃至図9を参照して詳細に説明する。運搬ユニット3は、端子付電線TD又はサブハーネスSが吊り掛けられる複数のフック150と、複数のフック150を一方向へ周回移動させるフック移動機構160と、フック移動機構160における電線加工ユニット2の近傍の受取位置3Aに取付けられフック150に対するサブハーネスS又は未完成品sの受取りを検知する受取検知センサ170と、フック移動機構160によって移動する複数のフック150の位置を検知するためのフック位置センサ155と、フック移動機構160における束線板4の近傍の受渡位置3B等に配置されフック150に吊り掛けられたサブハーネスS又は未完成品sを回収する回収機構180と、を備えている。
フック150は、上下方向へ延びた棒状の軸部151と、軸部151の下端から略水平方向へ延びた掛部152と、を備えており、略L状に形成されている。フック150の掛部152は、先端がやや上方に位置した斜めに延びだしている。フック150における掛部152に、サブハーネスS又は未完成品sが吊り掛けられる。このフック150は、掛部152の先端がフック移動機構160によるフック150の周回方向に対して後方(上流側)を向いた状態で、軸部151の上端がフック移動機構160の後述するベルト部材161に取付けられる。
フック移動機構160は、複数のフック150が取付けられる無端環状のベルト部材161と、ベルト部材161が巻き掛けられた複数(本実施形態では四つ)のスプロケット162と、スプロケット162の間に架渡されたベルト部材161を摺動可能に支持する複数のレール部材163と、レール部材163同士を連結すると共にスプロケット162を回転可能に支持する複数のコーナー部材164と、一つのコーナー部材164に取付けられ一つのスプロケット162を回転させてベルト部材161を周回させる運搬用モータ165と、複数のレール部材163を所定高さに支持する架台166と、を備えている。
フック移動機構160のベルト部材161は、図8に示すように、無端環状に繋げられたチェーンによって構成されている。このベルト部材161は、所定間隔で下方へ平板状に延出した取付部161aを備えている。ベルト部材161の取付部161aは、フック150やフック位置センサ155を取付けるためのものである。また、フック移動機構160のレール部材163は、断面形状が一定の長尺部材によって形成されている。このレール部材163は、下方へ開口すると共にベルト部材161の一部が摺動可能に挿入される摺動溝163aを有しており、摺動溝163aに挿入されたベルト部材161の下部が外部に露出した状態となる。本実施形態では、一対の長いレール部材163と、一対の短いレール部材163とを備えている。
フック移動機構160のコーナー部材164は、長いレール部材163の先端と短いレール部材の先端とを互いに直交するように連結すると共に、夫々のレール部材163の摺動溝163aの延長線に接するようにスプロケット162を回転可能に支持している。これら四つのコーナー部材164によって、四つのレール部材163が平面視四角形の枠状に組立てられていると共に、四つのスプロケット162が四角形の各頂点付近に取付けられている。これにより、無端環状のベルト部材161が、四つのレール部材163及びスプロケット162によって平面視四角形に周回することができる。
フック移動機構160の架台166は、一対の長いレール部材163同士の間を繋ぎレール部材163の長い方向に所定間隔で配置されたレール支持部材166aと、各レール支持部材166aの中央から下方へ延びた柱部材166bと、柱部材166bの下端からレール支持部材166aと平行に延びた脚部材166cと、脚部材166c同士を繋ぐ連結部材166dと、を備えている。この架台166によって、ベルト部材161に取付けられたフック150を床面から所定高さ(例えば、1500mm〜2000mm)の位置で周回させることができる。
なお、本実施形態では、図示は省略するが、運搬用モータ165の回転軸に固定された駆動スプロケットと、スプロケット162と一体回転する従動スプロケットと、駆動スプロケットと従動スプロケットとに巻き掛けられた駆動チェーンと、を備えている。これにより、運搬用モータ165の回転駆動をスプロケット162に伝達させてベルト部材161を周回させることができる。また、運搬用モータ165は、本実施形態ではステッピングモータとされており、運搬用モータ165の回転回数を検知することができる。
更に、本実施形態では、ベルト部材161に対して、複数のフック150が所定間隔(例えば、約900mm間隔)で取付けられていると共に、任意の位置にフック位置センサ155が取付けられている。
受取検知センサ170は、フック移動機構160における電線加工ユニット2のコンベア110の先端側に近い位置に配置された受取位置3Aに取付けられている。この受取検知センサ170は、図9(a)に示すように、受取位置3Aにおけるフック移動機構160のフック150の移動方向の上流側に配置され通過するフック150及びフック150に吊り掛けられたサブハーネスS又は未完成品sを夫々検知可能な入口センサ170Aと、入口センサ170Aよりもフック移動機構160におけるフック150の移動方向の下流側に配置され通過するフック150及びフック150に吊り掛けられたサブハーネスS又は未完成品sを夫々検知可能な出口センサ170Bと、を備えている。この入口センサ170Aと出口センサ170Bとの間が、受取位置3Aとなっている。
入口センサ170A及び出口センサ170Bは、フック移動機構160におけるレール部材163に取付けられフック移動機構160に取付けられたフック150よりも下方へ延びた取付ステー171と、取付ステー171におけるフック150側を向いた面に取付けられた縦長箱状の本体172と、本体172におけるフック150の下端よりも上側の位置に取付けられ正面を通過する物体を検知可能な上側センサ173と、本体172におけるフック150の下端よりも下側の位置に取付けられ正面を通過する物体を検知可能な下側センサ174と、本体172における上側センサ173と下側センサ174との間に取付けられた作動ランプ175と、を備えている。
取付ステー171は、図9(b)に示すように、レール部材163の内周側を向いた面に取付けられている。この取付ステー171は、クランク状に屈曲した形状に形成されており、フック移動機構160におけるフック150が周回する位置から遠ざかった位置に本体172を支持することができる。
上側センサ173及び下側センサ174は、図示は省略するが、赤外線等を発光する発光部と受光部とを備えており、発光部から発光された光が、所定範囲内に位置した物体で反射して受光部により受光されることで物体の有無を検知することができる。これにより、上側センサ173ではフック150の通過を検知することができ、下側センサ174ではフック150に吊り掛けられたサブハーネスS又は未完成品sの通過を検知することができる。
この受取検知センサ170は、入口センサ170Aと出口センサ170Bとの間(受取位置3A)で、フック150がサブハーネスS又は未完成品sを受取ったか否かを検知することができる。詳述すると、入口センサ170Aにおいてフック150が通過した時に、上側センサ173が検知で下側センサ174が非検知であり、所定時間後に当該フック150が出口センサ170Bを通過した時に、上側センサ173及び下側センサ174が共に検知の場合、当該受取位置3AでサブハーネスS又は未完成品sを受取ったと判断し、フック150へのサブハーネスS又は未完成品sの受取りを検知することができる。
フック位置センサ155は、図9(a)に示すように、上端がフック移動機構160におけるベルト部材161の取付部161aに取付けられ下端が受取検知センサ170の下側センサ174の高さまで延びた細い帯板状の支持部155aと、支持部155aの下端で下側センサ174と同じ高さ位置に形成された平板状の反射部155bと、を備えている。このフック位置センサ155は、フック150と共にフック移動機構160によって周回移動し、反射部155bが受取検知センサ170や回収機構180における後述するフック検知センサ195の下側センサ174によって検知されることで、受取検知センサ170(受取位置3A)と回収機構180(受渡位置3B)との距離を検知(計測)することができると共に、フック位置センサ155を基準に各フック150の位置を計測して検知することができる。
回収機構180は、図9(c)及び(d)に示すように、フック移動機構160におけるレール部材163の外周面に取付けられレール部材163に対して直角方向へ延びたガイド部材181と、ガイド部材181によってスライド可能に支持されたスライダ182と、スライダ182に取付けられフック150に吊り掛けられたサブハーネスS又は未完成品sを回収することが可能な回収部材183と、ガイド部材181のレール部材163に近い基端側に配置された駆動プーリ184と、ガイド部材181の先端側で回転可能に支持された従動プーリ185と、従動プーリ185と駆動プーリ184とに巻き掛けられると共に一部がスライダ182に固定された環状の駆動ベルト186と、ガイド部材181の基端側に取付けられ駆動プーリ184を回転させる回収用モータ187と、ガイド部材181や回収用モータ187等を覆うカバー188と、を備えている。
また、回収機構180は、ガイド部材181の先端側から回収部材183の下端付近の高さまで下方へ延出した帯板状の取付板189と、取付板189の下部に取付けられ回収部材183によって回収されたサブハーネスS又は未完成品sを検知可能な回収検知センサ190と、取付板189の下部に取付けられサブハーネスS又は未完成品sの回収を知らせる回収ランプ191と、レール部材163の内周側で回収部材183よりもフック150の周回方向上流側に取付けられフック150の通過を検知するフック通過センサ195と、を備えている。なお、フック通過センサ195は、受取検知センサ170における入口センサ170A及び出口センサ170Bと同じ構成であるため、同一の符号を付して説明は省略する。
回収機構180の回収部材183は、上端がスライダ182に取付けられカバー188よりも下側へ延出した部位からガイド部材181の基端側(レール部材163側)へ先端が延びた支持ステー183aと、支持ステー183aの先端からフック移動機構160に取付けられたフック150よりも下方へ延出した平板状の外側壁部183bと、外側壁部183bにおけるフック150よりも下側からフック移動機構160により周回するフック150の内周側へ向ってフック150の幅よりも若干大きく延びると共に外側壁部183bよりもフック150の周回方向後方へ延びたブロック状の受棚部183cと、受棚部183cにおける外側壁部183bと対向した位置からフック150の掛部152と外側壁部183bの上端との間の位置まで上方へ延出した平板状の内側壁部183dと、を備えている。
本実施形態の回収機構180は、回収用モータ187によって駆動ベルト186を適宜の方向へ回転させることで、スライダ182を介して回収部材183を、フック移動機構160におけるフック150の周回上(周回位置の直下)の周上位置と、周回するフック150から周回外へ遠ざかった周外位置との間で移動させることができる。回収機構180は、回収部材183を周上位置に移動させると、受棚部183cが周回するフック150の直下に位置し、外側壁部183bと内側壁部183dとの間をフック150が通過することができる。
この回収機構180は、回収部材183が周上位置の時に、サブハーネスS又は未完成品sが吊り掛けられたフック150が、外側壁部183bと内側壁部183dとの間を通過すると、吊り掛けられたサブハーネスS又は未完成品sが外側壁部183b及び内側壁部183dに当接してフック150と共に移動するのが阻止された状態となり、フック150の移動(通過)に伴ってサブハーネスS又は未完成品sが掛部152の先端から抜け、抜けたサブハーネスS又は未完成品sを受棚部183dによって受取ることができる。つまり、サブハーネスS又は未完成品sをフック150から回収部材183へ受け渡すことができる。
なお、回収機構180では、フック通過センサ195によって通過するフック150にサブハーネスS又は未完成品sが吊り掛けられているか否かを検知することができるため、回収部材183の位置とフック通過センサ195によるサブハーネスS又は未完成品sの検知とによって、回収部材183にサブハーネスS又は未完成品sが受け渡されたか否かを判定することができる。
本実施形態の回収機構180は、図1及び図7に示すように、サブハーネスSを回収するサブハーネス回収機構180Aと、未完成品sを回収する未完成品回収機構180Bと、結束板4における結束作業時等でサブハーネスSに不具合が発見されたことで電線加工ユニット2において再度作成されたサブハーネスSや未完成品sを回収するための再作成回収機構180Cと、を備えている。
続いて、束線板4は、図10に示すように、平板状の本体板4aと、本体板4aの所定位置に突設されサブハーネスSを布線するための複数の布線突起4bと、本体板4aを移動可能に支持する脚部4cと、布線されたサブハーネスSの導通を試験する導通試験機4dと、を備えている。複数の布線突起4bは、一対が一組となっており、本体板4aに対して製造するワイヤーハーネスWに対応した位置に取付けられている。導通試験機4dは、図示は省略するが、束線板4の所定位置にサブハーネスSを接続するコネクタが備えられており、サブハーネスSを布線した時に、それらの端部をコネクタに接続することで、導通試験を行って断線や接続不良等を発見することができる。
この束線板4は、運搬ユニット3の回収機構180から回収されたサブハーネスS、或いは、複数の未完成品sを接続して完成させたサブハーネスSを、各々指定された布線突起4bを経由させて布線し、すべてのサブハーネスSを布線した後に、指定された箇所でそれらを束ねることで、ワイヤーハーネスWを製造することができる。なお、本実施形態では、複数の束線板4が予め用意されている。
次に、制御装置5は、電線加工ユニット2、及び運搬ユニット3を制御することができる汎用のコンピュータを用いている。制御装置5は、図示は省略するが、演算及び制御を行う中央情報処理装置(CPU)と、リードオンリーメモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)からなる記憶装置と、を備えており、予め入力されたプログラムを実行させることで、電線加工ユニット2や運搬ユニット3を制御することができる。
続いて、本実施形態のワイヤーハーネス製造システム1を用いたワイヤーハーネスWの製造方法について説明する。まず、製造するワイヤーハーネスWに対応した数の電線加工ユニット2を配置する。例えば、太さの異なる電線Dを使用する場合は、電線Dの太さ毎に異なる電線加工ユニット2を配置する。各電線加工ユニット2には、四つのハウジング供給装置120の近傍に夫々作業者を一人ずつ、つまり、コンベア110のX側とY側に夫々一組ずつ配置する。一方、束線板4の近傍にも作業者を配置する。
まず、電線加工ユニット2では、電線供給装置10に、被覆材が白色の電線Dが巻き取られた電線ドラム11をセットし、その電線Dの先端を、電線着色装置20を通して切断圧着装置100の電線送り機構101に保持させる。この際に、切断圧着装置100により電線Dの先端に端子Tを圧着する位置から、電線着色装置20における各着色ユニット40までの距離を制御装置5へ入力する。これにより、電線Dに着色される識別パターンPの位置と、切断される電線Dの長さとを対応させることができる。
この状態で、ワイヤーハーネスWの製造を開始すると、まず、電線着色装置20によって、X側用となる端子付電線TDの電線Dの先端側に予め設定された識別パターンPが着色される。この識別パターンPは、電線Dの端部に最も近い着色部が、接続するコネクタのハウジングHを意味し、次の着色部がハウジングHにおける接続するピン番号を意味し、更に続く一連の着色部がサブハーネスS等の管理番号を意味している(図11(b)を参照)。
切断圧着装置100の電線送り装置101に引っ張られて電線供給装置10から電線着色装置20へ供給された電線Dは、所定の色を着色する着色部が、該当する色を着色する着色ユニット40に到達すると、電線送り機構101による送りが停止し、当該着色部に所定の色を着色する。その後、電線送り機構101によって、その着色部が次の着色ユニット40(又は専用インク硬化ユニット66)のインク硬化装置65へ位置するように電線Dを送り、紫外線を照射してインクを硬化させる。このような動作を行って、電線Dに対して所定の識別パターンPを着色する。
電線Dの先端側に対して所定の識別パターンPの着色が完了したら、電線送り機構101によって電線Dを作成する端子付電線TDに対応した長さに送って、後端側の識別パターンPを着色する。なお、作成する端子付電線TDの長さによっては、電線Dの先端が圧着機構102や切断機構等を通り過ぎてしまう場合には、後端側の着色に先立って、切断機構により電線Dの先端側の被覆材を除去した上で、第一圧着機構102Aにより電線Dの先端に端子Tを圧着する。また、後端側の識別パターンPを着色する際に、端子Tが圧着された電線Dの先端が、切断圧着装置100からコンベア110のベルト111上へ繰り出されると共に、電線送り機構101による電線Dの送りと同期してベルト111が先端方向へ回転を開始する。これにより、切断圧着装置100から繰り出された電線Dが、コンベア110の後端側で滞るのを防止することができる。
そして、電線Dの所定位置に後端側の識別パターンPを着色したら、その後側に、次のY側用となる端子付電線TDの先端側の識別パターンPを着色する。続いて、電線送り機構101によって電線Dを送り、所定の長さとなる後端側の識別パターンPと先端側の識別パターンPとの間の位置で切断機構によって切断すると共に、端部の被覆材を除去する。その後、電線Dの後端側に第二圧着機構102Bによって端子Tを圧着し、最初の端子付電線TDが作成される(図11(b)を参照)。作成されたX側用の端子付電線TDは、排出機構によりコンベア110側へ送られ、その先端側がコンベア110の先端付近に到達すると、ベルト111の回転が停止する。そして、X側に位置した一組の作業者が、ベルト111上の端子付電線TDをX側のトレー112へ移動させる。
ところで、X側用の端子付電線TDが作成される前に、X側の各作業者の近傍に配置されたハウジング供給装置120では、制御装置5の制御により収容部材121を回転させて、電線着色装置20で着色した識別パターンPのハウジングHと同じハウジングHが収容された収容部121aとカバー部材122の開口122aとを一致させる。これにより、作業者に対して端子付電線TDと対応したハウジングHを、確実に供給することができる。なお、ハウジングHを接続する必要のない端子付電線TDの場合は、空の収容部121aが開口122aと一致した状態となり、作業者に対してハウジングHを接続する必要がないことを認識させることができる。また、ハウジング供給装置120では、収容部材121が回転を開始する1秒前にブザーが鳴り、回転が停止するとブザーが止まる。これにより、作業者に対して注意を喚起させることができる。
そして、X側の作業者は、開口122aを通して収容部121aからハウジングHを取出し(図11(a)を参照)、切断圧着装置100からコンベア110のベルト111に載置されてX側のトレー112に移動させた端子付電線TDの識別パターンPと取出したハウジングHとを確認した上で、端子付電線TDの端部を、ハウジングHにおける所定のピン番号(ここでは、1番)に接続する(図11(c)を参照)。なお、図示は省略するが、収容部材121の外周には、収容部121aに収容されているハウジングHの型番と、対応する識別パターンPの色とが表示されており、上記の確認を簡単に行うことができる。端子付電線TDのハウジングHへの接続が終了したら、X側におけるコンベア110の後端側に位置した作業者が、許可ボタン130Aを押して、次の端子付電線TDの作成を許可する。なお、X側の許可ボタン130Aは、Y側の許可ボタン130Bが押された後でしか受付けられない。
一方、Y側の作業者のうちコンベア110の後端側の作業者は、ベルト111上のX側用の端子付電線TDがX側の作業者によってX側のトレー112へ移動されたのを確認したら、許可ボタン130Bを押す。これにより、電線送り機構101が作動を再開し、上述と同様の動作を行ってY側用の最初の端子付電線TDを作成し、コンベア110のベルト111に載置された状態となる。この状態で、Y側の作業者は、X側と同様に、Y側用の端子付電線TDをY側のトレー112へ移動させて、ハウジング供給装置120から供給されたハウジングHに接続し、Y側の許可ボタン130Bを押して、次の端子付電線TDの作成を許可する。
そして、X側の作業者は、Y側の許可ボタン130Bが押された後で、X側の許可ボタン130Aを押すことで、次に接続するX側の端子付電線TDの作成が開始される。その後、作成された端子付電線TDをハウジングHにおける次のピン番号に接続する(図11(e)を参照)。
このように、端子付電線TDをX側用とY側用とを交互に作成して、X側とY側とで別々のサブハーネスSを作成させる。なお、一つのサブハーネスSに必要な最後の端子付電線TDの作成が開始されると、許可ボタン130の近傍に位置した終了ランプ135が点灯し、作業者に対して最後の端子付電線TDであることを認識させることができる。そして、切断圧着装置100において作成された最後の端子付電線TDを、先のハウジングHに接続することで、サブハーネスSの作成が完了する(図11(f)を参照)。
このサブハーネスSは、各端子付電線TDに着色された識別パターンPにおける接続するピン番号を示す着色部が、ピン番号の位置に応じて異なっており、各端子付電線TDをハウジングHに正しく接続すると、図11(f)に示すように、ピン番号を示す着色部が斜めに並び、サブハーネスSが正しく作成されていることを簡単に目視で確認することができる。
そして、サブハーネスSの作成が完了したら、コンベア110の先端側に位置した作業者が、近傍に配置された運搬ユニット3の受取位置3Aにおいて、周回している空のフック150にサブハーネスSを吊り掛ける。この吊り掛けたサブハーネスSが出口センサ170Bによって検知されると、終了ランプ135が消灯する。
受取位置3Aでフック150に吊り掛けられたサブハーネスSは、フック移動機構160によって移動し、サブハーネス回収機構180Aに到達すると、回収部材183によってフック150から回収され、フック150の周回外に位置した受渡位置3Bへ送られる。受渡位置3Bに送られたサブハーネスSは、束線板4近傍の作業者によって回収部材183から外され、束線板4の対応する布線突起4bを経由するように布線されると共に、導通試験機4dによって導通試験が行われる。
ところで、運搬ユニット3では、複数のフック150と共にフック位置センサ155が周回しており、フック位置センサ155を特定の受取位置3Aの受取検知センサ170で検知されてから、フック位置センサ155が回収機構180のフック通過センサ195に検知されるまでの運搬用モータ165の回転回数から、特定の受取位置3Aから回収機構180(受渡位置3B)までの距離を検出することができる。従って、各受取位置3Aを通過したフック150を受取検知センサ170で検知することで、フック150の現在位置を知ることができる。なお、これら位置の検知は、制御装置5によって行われている。
従って、特定の受取位置3AにおいてサブハーネスSが吊り掛けられたフック150が、サブハーネス回収機構180Aの周上位置まで到達する時間が判るため、当該フック150が、周上位置に到達する時間に合わせて回収部材183を周上位置へ移動させることで、当該フック150に吊り掛けられたサブハーネスSのみを回収することができる。なお、受渡位置3Bにおいて、束線板4側の作業者がサブハーネスSを回収部材183から受取らずに回収部材183に吊り掛けたままの状態とした場合、回収検知センサ190によって回収部材183にサブハーネスSが吊り掛けられていることを検知できるため、その状態で新たに回収すべきサブハーネスSが吊り掛けられたフック150が、サブハーネス回収機構180Bに接近しても、回収部材183が周上位置へ移動することはない。従って、回収部材183に吊り掛けられたサブハーネスSが束線板4側の作業者によって受取られるまで、新たなサブハーネスSはフック150と共に周回する。
なお、上記では、電線加工ユニット2において、同じ太さの電線Dを用いたサブハーネスSを作成した例を説明したが、サブハーネスSの中には、ハウジングHに接続する端子付電線TDの電線Dの太さが異なっている場合がある(図12(d)を参照)。このようなサブハーネスSの作成は、以下のように行われる。まず、細い電線Dを加工する電線加工ユニット2では、細い電線Dのみが接続され太い電線Dが接続されていないサブハーネスSの未完成品s1を作成する(図12(a)を参照)。この際でも、端子付電線TDの両端に着色された識別パターンPと、ハウジング供給装置120から供給されるハウジングHとによって、作業者は間違えることなく未完成品s1を作成することができる。そして、作成した未完成品s1を近傍の受取位置3Aからフック150に吊り掛ける。
一方、太い電線Dを加工する電線加工ユニット2では、両端にハウジングHを接続していない端子付電線TDのみからなる未完成品s2(図12(b)を参照)を作成すると共に終了ランプ135を点灯させ、近傍の受取位置3Aから未完成品s2をフック150に吊り掛ける。続いて、太い電線Dを加工する電線加工ユニット2では、一端側(例えば、先端側)にのみハウジングHを接続した未完成品s3を作成し(図12(c)を参照)、近傍の受取位置3Aから未完成品s3をフック150に吊り掛ける。
フック150に未完成品s1,s2,s3が吊り掛けられた運搬ユニット3では、制御装置5によって、各電線加工ユニット2で作成された未完成品s1,s2,s3、及びそれらがフック150に吊り掛けられた受取位置3Aが予め判っているため、未完成品sが吊り掛けられたフック150が未完成品回収機構180Bに接近すると、その回収部材183を周上位置へ移動させて未完成品sを回収する。この未完成品回収機構180Bでは、順次送られてくる未完成品sを回収部材183で回収する際に、回収部材183に未完成品sが吊り掛けられていても、サブハーネスSの完成に必要なすべての未完成品sが吊り掛けられるまで、回収部材183を周外位置と周上位置との間を移動させ、すべての未完成品sが吊り掛けられて周外位置に位置した時に、回収ランプ191を点灯させる。これにより、サブハーネスSに必要な未完成品sをまとめて作業者に受け渡すことができるため、束線板4側でのサブハーネスSの接続(組立)作業を行い易くすることができると共に、作業ミスを低減させることができる。
そして、束線板4側の作業者は、受け渡された各未完成品s1,s2,s3を、接続されていない端子付電線TDの端部に着色された識別パターンPに基づいて、対応するハウジングHに接続してサブハーネスSを完成させる(図12(d)を参照)。
このようにして各電線加工ユニット2で作成されたサブハーネスSや未完成品s等を、運搬ユニット3によって束線板4付近の作業者に送り、束線板4を用いてサブハーネスSを布線すると共に導通試験機4dで導通試験を行った上で、布線したサブハーネスSの所定位置で互いに束ねて束線板4から取外すことで、ワイヤーハーネスWの製造が完了する(図13を参照)。
ところで、束線板4において導通試験機4dによる導通試験の結果、サブハーネスSに不具合が発見された場合、当該束線板4を運搬ユニット3における再作成回収機構180Cの受渡位置3Bの近傍へ移動させると共に、図示しない端末から制御装置5へ入力して、不具合となったサブハーネスSと同じサブハーネスSの再作成を電線加工ユニット2に指示する。そして、指示されたサブハーネスSが電線加工ユニット2で再作成されて、運搬ユニット3の受取位置3Aでフック150に吊り掛けられると、再作成回収機構180Cの回収部材183によって回収される。そして、再作成回収機構180Cから作業者へ再作成されたサブハーネスSが受け渡されることで、不具合品と交換されて束線板4に布線される。その後、残りのサブハーネスSが布線されて、不具合のないワイヤーハーネスWを製造することができる。
このように、本実施形態のワイヤーハーネス製造システム1によれば、電線着色装置20によって端子付電線TDの両端に識別パターンPを着色しているため、端子付電線TDに着色した識別パターンPによって、用途や種類、接続するハウジングHの種類、接続するハウジングHのピン番号、等を識別させることができる。従って、従来のように複数の端子付電線TDに対して被覆材の色が互いに異なる電線Dを用いる必要がなく、切断圧着装置100へ供給する電線Dを交換する必要がないため、切断圧着装置100の稼働率を高めることができ、ワイヤーハーネスWの製造効率を高めることができる。また、着色する識別パターンPを異ならせることで用途(例えば、接続するハウジングHのピン番号)の異なる端子付電線TDを連続して作成することができるため、端子付電線TDを一本単位で作成することができ、多品種少量生産に対応することができる。
また、端子付電線TDを一本単位で作成することができるため、端子付電線TDをハウジングHのピン番号順に作成して作業者へ送ることで、従来のように指示書を見ながら接続作業をしなくても、ハウジングHへ順番に端子付電線TDを接続すれば良く、ハウジングHへの接続作業を単純化して作業効率を高めることができる。
更に、コンベア110によって送られた端子付電線TDの先端側と後端側にハウジング供給装置120を夫々配置し、一つの端子付電線TDに対して作業者が二人がかりでハウジングHへ接続する作業形態としている。これにより、端子付電線TDの一本当りの作業時間を相対的に短くすることができるため、単位時間当たりの製造数を多くすることができ、製造効率を高めることができる。
また、コンベア110を挟んで両側に一組のハウジング供給装置120を備えているため、切断圧着装置100によって作成された端子付電線TDに対して、コンベア110のX側の作業者がハウジングHに接続している時に、切断圧着装置100によって次の端子付電線TDを作成してコンベア110のY側の作業者へ送ることが可能となる。従って、切断圧着装置100の停止時間を可及的に短くすることができるため、切断圧着装置100の稼働率を高めることができ、ワイヤーハーネスWの製造効率を高めることができる。
また、太さの異なる電線Dが混在していても、電線Dの太さ毎に電線加工ユニット2を異ならせる(増やす)ことで、電線加工ユニット2の電線供給装置10において電線D(電線ドラム11)を交換する必要がなくワイヤーハーネスWの製造効率を高めることができる。この際に、上述したように、端子付電線TDの端部に識別パターンPを着色しているため、夫々の電線加工ユニット2で必要な未完成品sを作成して受取位置3Aから受渡位置3Bへ送っても、着色された識別パターンPに基づいて複数の未完成品s同士を簡単に接続してサブハーネスSを完成させることができ、簡単に多品種に対応することができる。
更に、電線加工ユニット2で作成したサブハーネスS又は未完成品sを、運搬ユニット3のフック150に吊り掛けて移動させているため、異なるサブハーネスSや未完成品sを運搬する時に、それらを吊り掛けるフック150を異ならせることで簡単に混同を避けることができると共に、サブハーネスSや未完成品sを二つ折りにしてフック150に吊り掛けることで、移動方向に対するサブハーネスSや未完成品sの長さを可及的に短くすることができる。従って、複数のフック150における移動方向の間隔を、サブハーネスSや未完成品sの長さよりも短くすることができ、単位長さ当りの運搬数を多くして運搬効率を高めることができる。
また、運搬ユニット3に、サブハーネスSを回収するサブハーネス回収機構180Aと、未完成品sを回収する未完成品回収機構180Bとを備えているため、電線加工ユニット2で作成されたサブハーネスSや未完成品sを、夫々別々に回収することができる。従って、受渡位置3B(束線板4側)において、複数の未完成品sを接続してサブハーネスSを完成させる場合、サブハーネスSと未完成品sとを別々に回収することで、それらが互いに一緒になって判り辛くなるのを防止することができ、束線板4側での作業性を高めることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、電線Dが電線供給装置10から電線着色装置20へ直接供給されるものを示したが、これに限定するものではなく、電線供給装置10と電線着色装置20との間に電線Dの巻癖を取る巻癖除去装置を配置しても良い。
また、上記の実施形態では、電線加工ユニット2のコンベア110として、ベルト111を回転させて端子付電線Dを送るものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、摩擦抵抗の低い表面を有し切断圧着装置100からの端子付電線Dを受ける長尺状の受部材を備えたコンベアとし、切断圧着装置100に備えられた電線送り機構101による電線Dの送りによって端子付電線TDを送っても良い。これにより、上述と同様の作用効果を奏する他に、電線送り機構101による電線Dの送りに同期させてベルト111を回転させる必要がなくなるため、コンベアの構成や制御装置5での制御等を簡単なものとすることができ、ワイヤーハーネス製造システム1に係るコストを低減させることができる。
また、上記の実施形態では、被覆材が白色の電線Dを用いたものを示したが、これに限定するものではなく、電線加工ユニット2毎に被覆材の色が異なる電線Dを用いても良い。これにより、例えば、接続先の異なるサブハーネスS毎に電線Dの被覆材を異ならせることができるため、ワイヤーハーネスWの使用時における識別性を高めることができる。