JP2014115938A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで信頼性の高いフリップチップ実装が可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、メタルストリップ10と、メタルストリップ10に搭載した熱可塑性フィルム20と、熱可塑性フィルム20を介してメタルストリップ10の上にフリップチップ実装された半導体デバイス30と、半導体デバイス30とメタルストリップ10との間を電気的に接続するバンプ40とを有し、バンプ40は熱圧着により熱可塑性フィルム20を破ってメタルストリップ10と電気的に接続される。
【選択図】図2
【解決手段】半導体装置は、メタルストリップ10と、メタルストリップ10に搭載した熱可塑性フィルム20と、熱可塑性フィルム20を介してメタルストリップ10の上にフリップチップ実装された半導体デバイス30と、半導体デバイス30とメタルストリップ10との間を電気的に接続するバンプ40とを有し、バンプ40は熱圧着により熱可塑性フィルム20を破ってメタルストリップ10と電気的に接続される。
【選択図】図2
Description
本発明は、フリップチップ実装の半導体チップを備えた半導体装置に関する。
従来から、半導体チップにバンプ(電気接続用の突起部)を形成し、このバンプを基板上に形成された金属パターンに接続させることにより、フリップチップ実装を行う構成が知られている。フリップチップ実装を行う場合には、半導体チップと基板との間の空間にアンダーフィル材を充填することにより、バンプ接続における接続信頼性を向上させている。
例えば特許文献1には、半導体チップと配線基板とをバンプを介して接続してバンプ接合体を製造する方法に関し、アンダーフィル樹脂を介在させて2つの接合部材を接合させる方法が開示されている。
ところで、従来から、ID情報が書き込まれたタグからリーダライタを使用し、無線通信を介して情報のやり取りを行うRFIDタグ(無線ICタグ)が広く用いられている。例えば特許文献2には、封止樹脂内におけるアンテナの位置を制御可能なRFIDタグの製造方法が開示されている。特許文献2の製造方法によれば、小型で耐性のある高性能なRFIDタグを提供することができる。
しかしながら、特許文献1に開示されたバンプ接合体のように、2つの接合部材の間にアンダーフィル樹脂を充填させると、電気接続性能の確保は困難であり、コストを要する。また、短絡防止や信頼性の観点から、接合部の周囲に空隙が存在する場合、アンダーフィル樹脂を用いたフリップチップ実装は困難である。このような問題は、特許文献2に開示されたRFIDタグの半導体デバイスに対してフリップチップ実装を行う場合にも生じうる。このため、低コストで信頼性の高いフリップチップ実装可能なRFIDタグ(半導体装置)を実現することが困難である。
そこで本発明は、低コストで信頼性の高いフリップチップ実装が可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の一側面としての半導体装置は、基板と、前記基板に搭載した熱可塑性フィルムと、前記熱可塑性フィルムを介して前記基板の上にフリップチップ実装された半導体デバイスと、前記半導体デバイスと前記基板との間を電気的に接続するバンプとを有する。
本発明の他の側面としての半導体装置の製造方法は、基板に熱可塑性フィルムを搭載する工程と、前記熱可塑性フィルムを介して前記基板の上に半導体デバイスをフリップチップ実装する工程とを有し、前記半導体デバイスのバンプは、前記熱可塑性フィルムを破って前記基板と電気的に接続される。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、低コストで信頼性の高いフリップチップ実装が可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1および図2を参照して、本実施例における半導体装置の構成およびその製造方法について説明する。図1は、半導体装置の製造工程図であり、平面図を示している。図2は、半導体装置の製造工程図であり、拡大断面図を示している。なお本実施例では、半導体装置の一例として、RFIDタグ(Radio Frequency Identification)について説明する。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、他の種類の半導体装置にても広く適用可能である。
図1(a)は、本実施例におけるRFIDタグ(半導体装置)のアンテナとして用いられるメタルストリップ10(金属基板)の平面図である。なお、本実施例は金属基板について説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば樹脂系の多層基板であってもよい。このため、以下、これを総称して基板という。メタルストリップ10は、例えば0.15mmの厚さを有する銅系又は鉄系の金属からなり、スタンピング(プレス加工)又はエッチング加工により形成される(メタルストリップ抜き加工)。メタルストリップ10は、このメタルストリップ抜き加工により、無線通信を行うRFIDタグのアンテナとして機能するアンテナ部10a、および、アンテナ部10aを保持するための連結部10bを備えて構成される。アンテナ部10aは、連結部10bを介して、外枠10cと繋がっている。またメタルストリップ10には、後述のように、半導体デバイス30を実装するための実装部10dが設けられている。このように本実施例では、まず、このような構成を有するメタルストリップ10(金属基板)を準備する。
次に、図1(b)に示されるように、メタルストリップ10の中央部において、実装部10dを含むように、接着剤を有する熱可塑性フィルム20(プラスチックテープ)を貼り付ける。すなわち、熱可塑性フィルム20をメタルストリップ10の上に搭載する。また図2は、実装部10dの周辺の拡大断面図である。図2(a)に示されるように、メタルストリップ10(実装部10d)の上方に熱可塑性フィルム20を配置させる。そして図2(b)に示されるように、メタルストリップ10(実装部10d)の上に熱可塑性フィルム20を載置して貼り付ける。
熱可塑性フィルム20は、実装部10dにおいて、半導体デバイス30の搭載側の面に貼り付けられている。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、熱可塑性フィルム20を実装部10dの両面に貼り付けてもよい。熱可塑性フィルム20をメタルストリップ10の搭載面(表面)と反対側の面(裏面)にも貼り付けることにより、熱により生じるメタルストリップ10の反りを抑制することができる。
本実施例において、熱可塑性フィルム20は、一例としてアクリル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂を基材としたものからなる。熱可塑性樹脂は、粘度が高い性質を有し、熱加工後の形状再現性が高いため、扱い易いという利点がある。熱可塑性フィルムに接着剤を添付したものを一例としているが、接着剤は必ずしも必要なものではない。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、所望の粘度が得られる場合には、熱可塑性フィルム20として熱硬化性樹脂を用いることもできる。
本実施例では、熱可塑性フィルム20として、一つの連続した熱可塑性フィルムが複数のRFIDタグ(図1(b)に示される範囲では、11個のRFIDタグ)の全てに対応する実装部10dに貼り付けられている。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、分割(切断)された熱可塑性フィルムを実装部10dのそれぞれに貼り付けてもよい。分割の熱可塑性フィルムの大きさは、少なくともバンプ接続をカバーするサイズであり、半導体デバイス30のサイズであることが好ましい。
次に、図1(c)に示されるように、メタルストリップ10の実装部10dの上に、半導体デバイス30がフリップチップ実装される。本実施例の半導体デバイス30には、予め、その四隅においてバンプ40が形成されている。バンプ40は、例えば半田や金から構成されているが、これらに限定されるものではない。
より具体的には、図2(b)に示されるように、まず、熱可塑性フィルム20を貼り付けられたメタルストリップ10(実装部10d)の上方に半導体デバイス30を配置する。そして、図2(c)に示されるように、半導体デバイス30(バンプ40)を熱可塑性フィルム20を介してメタルストリップ10の上に載置する。続いて図2(d)に示されるように、半導体デバイス30(バンプ40)とメタルストリップ10との熱圧着を行う。このとき、バンプ40の熱により、バンプ40に接する部分(周囲部分)の熱可塑性フィルム20は破られ、孔部20aが形成される。そして、このような熱圧着を行うことにより、バンプ40とメタルストリップ10は金属結合し、互いに電気的に接続される。
本実施例において、バンプ40が半導体デバイス30とメタルストリップ10の実装部10dとの間を電気的に接続することにより、半導体デバイス30は実装部10dの上にフリップチップ実装される。このとき、バンプ40は、熱圧着により、その間に介在する熱可塑性フィルム20を破って実装部10dと電気的に接続される。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、バンプ40は、バンプ40と実装部10dとの間の接着性を向上させるため、更に超音波を利用して熱可塑性フィルム20を破ってメタルストリップ10と電気的に接続されるように構成してもよい。
本実施例において、メタルストリップ10には、錫メッキ、銀メッキ、金メッキ、パラジウムメッキなどのメッキ処理が施されている。このため、金などの金属を含有するバンプ40を実装部10dの上に熱圧着させる際に、バンプ40と実装部10dとの間の金属結合、すなわち、バンプ40と実装部10dとの間の電気的接続を確実にさせることができる。
また本実施例において、熱可塑性フィルム20の厚さTは、メタルストリップ10と半導体デバイス30間に空気層ができない方が良いので、熱可塑性フィルム20の厚さTは、バンプ40の厚さ(高さH)以上(T≧H)に設定されることが好ましい。このような厚さの関係を満たすことにより、バンプ40とメタルストリップ10とが熱圧着による金属結合で接続された場合、半導体デバイス30とメタルストリップ10との間(複数のバンプ40の間)において、熱可塑性フィルム20が圧縮される。また、半導体デバイス30の下部に位置するメタルストリップ10に空隙部10fが存在する場合、空隙部10fの内部に熱可塑性フィルム20の一部が食い込む(挿入される)。これにより、空隙部10fが存在する場合でもフリップチップ実装における信頼性(絶縁性)を確保することができる。
以上のとおり、本実施例のRFIDタグ(半導体装置)では、半導体デバイス30とメタルストリップ10との間、すなわち複数のバンプ40の間の空間を確実に保護することができる。したがって、本実施例の構成によれば、アンダーフィルを用いることなく、複数のバンプ40の間の短絡などを確実に回避して信頼性を向上させることが可能となる。本実施例において、熱可塑性フィルム20の厚さは、熱可塑性フィルム20の接着層(粘着層)を含んで、例えば25μmである。なお、熱可塑性フィルム20は接着層を除いて5μmである。またバンプ40の厚さ(高さ)は、例えば20μmである。ただし本実施例はこれらに限定されるものではない。
半導体デバイス30としては、ICチップ(ベアチップ)が用いられる。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、ICチップ(ベアチップ)を樹脂封止した半導体パッケージ(ICパッケージ)を用いることもできる。半導体パッケージとしては、例えば面実装型半導体パッケージが用いられる。半導体デバイス30として半導体パッケージを用いた場合、例えば以下の三つのメリットがある。すなわち、RFIDタグをクリーンルームで製造する必要はなく、RFIDタグの製造時における製造コストが低くなる。また、半導体デバイス30として良品のみを選択してメタルストリップ10の上に実装することができる。さらに、実装部にメッキ等の表面処理を行う必要がない。
このように本実施例では、熱可塑性フィルム20を介してメタルストリップ10(金属基板)の上に半導体デバイス30をフリップチップ実装する。この実装工程において、半導体デバイス30のバンプ40は、熱圧着などにより、熱可塑性フィルム20を破ってメタルストリップ10(実装部10d)と電気的に接続される。このため、本実施例の構成によれば、従来のフリップチップ実装された半導体装置に用いられているアンダーフィル(ACF、NCF、ACP、NCPなど)が不要となる。このため、低コストで、高い接続信頼性を有するRFIDタグを製造することができる。
本実施例のRFIDタグは、続いて、メタルストリップ10の連結部10bが切断される。そして、金型(不図示)を用いてメタルストリップ10をクランプした状態で、樹脂(エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)をメタルストリップ10の両面または片面を射出成形することにより、アンテナ部10aおよび半導体デバイス30は樹脂で封止される。樹脂成形は、ポッティング成形、トランスファモールド、または、圧縮成形により行われる。最後に、熱可塑性フィルム20を切断して樹脂(樹脂パッケージ)を個片化することにより、複数(図1では11個)のRFIDタグが製造される。
本実施例によれば、低コストで信頼性の高いフリップチップ実装が可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することができる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
例えば本実施例は、メタルストリップなどの金属基板に代えて、金属配線が形成された基板(プリント基板やセラミック基板など)の上に半導体デバイスをフリップチップ実装する場合にも適用可能である。この場合、基板上に形成された金属配線と半導体デバイスに形成されたバンプとが電気的に接続される。
10 メタルストリップ
10a アンテナ部
10b 連結部
10c 外枠
10d 実装部
20 熱可塑性フィルム
30 半導体デバイス
10a アンテナ部
10b 連結部
10c 外枠
10d 実装部
20 熱可塑性フィルム
30 半導体デバイス
Claims (6)
- 基板と、
前記基板に搭載した熱可塑性フィルムと、
前記熱可塑性フィルムを介して前記基板の上にフリップチップ実装された半導体デバイスと、
前記半導体デバイスと前記基板との間を電気的に接続するバンプと、を有することを特徴とする半導体装置。 - 前記バンプは、熱圧着により、前記熱可塑性フィルムを破って前記基板と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記バンプは金を含有し、
前記基板の表面には、錫メッキが施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。 - 前記半導体装置は、無線通信を行うRFIDタグであり、
前記基板は、アンテナ部を構成するメタルストリップであり、
前記メタルストリップの上に前記半導体デバイスが搭載されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 基板に熱可塑性フィルムを搭載する工程と、
前記熱可塑性フィルムを介して前記基板の上に半導体デバイスをフリップチップ実装する工程と、を有し、
前記半導体デバイスのバンプは、前記熱可塑性フィルムを破って前記基板と電気的に接続される、ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記バンプは、熱圧着により、前記熱可塑性フィルムを破って前記基板と電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012271165A JP2014115938A (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | 半導体装置およびその製造方法 |
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JP2014115938A true JP2014115938A (ja) | 2014-06-26 |
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JP2012271165A Pending JP2014115938A (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | 半導体装置およびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018200528A (ja) * | 2017-05-26 | 2018-12-20 | 凸版印刷株式会社 | Icモジュール、icカード、およびそれらの製造方法 |
-
2012
- 2012-12-12 JP JP2012271165A patent/JP2014115938A/ja active Pending
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