JP2014115566A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性率が低い中間転写体をブレード部材でクリーニングしたときの中間転写体表面を傷やフィルミングの発生を防止する
【解決手段】中間転写体3上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、中間転写体上の転写残トナーを除去するためのブレード部材21と、を備える画像形成装置30である。中間転写体3は、伸び弾性率3500Mpa以下の樹脂ベルトであり、ブレード部材21は、先端部22eの稜線22cを中間転写体3に接触させるウレタンゴム製のクリーニングブレード222を備え、クリーニングブレード222は、稜線22cを形成する接触層224とバックアップ層225とで構成され、先端部の表面から内部に向け、アクリル樹脂とクリーニングブレードの基材との混合層を膜厚1.0μm以上、先端部22eの表面にアクリル樹脂の表面層を膜厚0.1μm以上形成した。
【選択図】図2
【解決手段】中間転写体3上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、中間転写体上の転写残トナーを除去するためのブレード部材21と、を備える画像形成装置30である。中間転写体3は、伸び弾性率3500Mpa以下の樹脂ベルトであり、ブレード部材21は、先端部22eの稜線22cを中間転写体3に接触させるウレタンゴム製のクリーニングブレード222を備え、クリーニングブレード222は、稜線22cを形成する接触層224とバックアップ層225とで構成され、先端部の表面から内部に向け、アクリル樹脂とクリーニングブレードの基材との混合層を膜厚1.0μm以上、先端部22eの表面にアクリル樹脂の表面層を膜厚0.1μm以上形成した。
【選択図】図2
Description
本発明は、中間転写体の残トナーを除去するブレード部材を備える画像形成装置に関する。
従来、感光体である像担持体にトナー像を形成し、このトナー像を循環するベルト状の中間転写体に転写し、さらに中間転写体上のトナー像を転写紙に転写する画像形成装置が、広く知られている。そして、近年、カラー化の要請に伴い、トナー像を像担持体上に形成する画像形成部を複数組有し、複数色のトナー像を一度に中間転写体上に形成するタンデム(例えば4ドラム)方式の電子写真方式の画像形成装置が広く使用されている。
これらの画像形成装置において使用される中間転写体として、ポリイミド(PI)を筆頭とする弾性率(ヤング率)の高い樹脂ベルトが用いられることが多い。一方、低コストである画像形成装置が望まれることから、低コストである中間転写体の需要が高まっており、PIより低コストであるPAI(ポリアミドイミド)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)なども使用されている。
低コストの中間転写体のすべてが低弾性率というわけではないが、現実には低コストの中間転写体は低弾性率となる。PVDF、PCが低コストである理由は、材料コストが高いにもかかわらず、連続成形である押し出し成形による高生産効率であること、また押し出し成形可能な熱可塑性樹脂であることによる。これらの中間転写体の素材である熱可塑性樹脂は耐熱性が低く、弾性率が低い。
一方、PIベルトが高コストな理由は、材料コストが高いことに加えて、遠心成形はバッチ処理のため生産効率が低いこと、耐熱性が高いため、乾燥温度が高く、生産時間が長いことによる。
特許文献1には、中間転写体上の残留トナー成分の除去を改善する目的で、中間転写体のクリーニング工程に先行して磁気ブラシを設置するような画像形成装置において、ブレード部材の中間転写体との接触面を樹脂で構成し、かつ、中間転写体の樹脂に対して表面硬度およびヤング率の値が小さい材料としたものが開示されている。
しかし、低い弾性率の中間転写体は、高弾性率の中間転写体に比べると柔らかい材料であるために傷がつきやすい。また、生産性が高いことから低コストである製法として知られる押し出し成型で製造された中間転写体、はポリイミド(PI)やポリアミドイミド(PAI)など遠心成型で製造されるものと比べると表面粗さも大きく、また成形法に起因する押し出し方向のスジが発生することがある。また、表面を研磨すること、表面に薄層を形成することも可能であるが、コストが上昇してしまう等の問題がある。
以上のように、押し出し成型で作成された樹脂ベルト製の中間転写体は、表面に傷やスジなどが発生するリスクを負いつつ使用することになる。また、弾性率の低い中間転写体(例えば3500Mpa)で低画像面積率(例えば画像面積率1%)の画像を連続して作像し、通紙を行ったところ、中間転写体の光沢度が低くなるという不具合が発生した。中間転写体の光沢度が低くなることに対処して、中間転写体上にトナーパターンを形成してプロセスコントロールと称する画像濃度制御を行うことがある。しかし、この場合に以下のような不具合が生じる。
プロセスコントロールは、中間転写体上に作成される濃度検知用トナーパターン(以下、トナーパッチともいう)のパターン濃度を光学的検知手段により検知し、その検知結果に基づいて画像形成条件を変更、具体的には、露光パワー、帯電バイアス、現像バイアス等を変更して画像を目標品質に制御するものである。
このような濃度検知用トナーパターンの検出手段は、発光素子(発光手段)としてLED(発光ダイオード)を、受光素子(受光手段)としてPD(フォトダイオード)またはPTr(フォトトランジスタ)を組み合わせた反射型光センサーが一般的に使用される。そして、反射型光センサーとしては、濃度検知用トナーパターンからの正反射光のみを検出対象とする構成、濃度検知用トナーパターンからの拡散反射光のみを検出対象とする構成、両方の反射光を検知対象とする構成などが知られる。いずれの構成においても、反射光量を正確に検知する必要があり、中間転写体表面のフィルミングや傷等により中間転写体光沢度が低くなると、検知性能が低下する場合があった。
反射型光センサーは、中間転写体地肌部の正反射出力が所定の値(例えば4±0.5V)となるよう、LED電流を調整している。この調整動作を「Vsg調整」と称し、Vsg調整動作により決定されるLED電流を、「Vsg調整電流」、または「Ifsg」と定義している。中間転写体表面が経時変化で荒れる、あるいはなんらかの物質が付着するなどし、正反射光量が減った場合には、LED電流を上げて地肌部の出力を維持する。すなわち、表面変化とIfsgには相関があり、このIfsgが初期(新品中間転写体)と比較して上昇する場合の上昇率を「IF上昇率」と称している。
具体的には、パターン作像前の中間転写体の表面に発光素子LEDからの光を照射し、受光センサーが4±0.5Vになるように、LED光量を設定する(LEDへの電流量を調整することで光量を調整)場合、中間転写体表面にフィルミングが発生すると、フィルミング物質の影響(正反射光量が減少)により、LED光量(LEDへの電流量)が増大する。以下、フィルミングの経時変化をIF上昇率(:経時のIF電流量/初期のIF*100)で数値化した例を示す。
図8は従来の画像形成装置におけるフィルミングの経時変化を示す通紙枚数とIF上昇率の関係を示すグラフである。図8から通紙枚数を増やすと中間転写体の位置によりIF上昇率が関連無く上昇することが分かる。なお、図8中、F、C、Rは中間転写体の前側(Front)、中央側(Center)、奥側(Rear)の測定位置を示している。IF上昇率は、約200%以下では異常にはならないが、200%を超えると検知エラーとなる。
以上のように、従来の画像形成装置では、フィルミング発生により光量検知が正確に行われず、これにより画像濃度制御が正確に行われなくなるといった問題がある。
フィルミングは、以下の原因で発生すると考えられる。フィルミング部分の中間転写体表面を分析すると、トナーや紙粉、添加剤が検出されたが、その他中間転写体の材料成分も大きな割合で検出された。低画像面積率の画像を連続して作像しつづけると、中間転写体上のトナーがほとんど存在しないため、中間転写体とブレード部材の間で摩擦が発生し続けるためであると考えられる。そのため、単層ブレードの場合、滑り面で発生する振動現象である、スティックスリップの量が大きく、ブレードが摩耗を起こすとともに、表面をも削り取りながらその微粉を中間転写体表面にこすりつけてフィルミングを発生させていると考えられる。
図9は従来の画像形成装置のブレード部材と中間転写体との接触状態を示すものであり、(a)はブレード部材の断面図、(b)は中間転写体との接触状態を示す拡大図である。この例は、ブレード部材40を、クリーニングブレード41と、ホルダー42とで構成し、クリーニングブレード41を中間転写体に接触させたものである。この例では、クリーニングブレード41は、単層で100%モジュラス値が2.5[Mpa]のウレタンゴム製である。
図9(b)に示すように、クリーニングブレード41の強度が低いため、ブレード先端面41a変形が大きく、スティックスリップの量が大となるため、先端の挙動が不安定となる。そのため、クリーニング性が低下し、またトナーおよびトナー添加剤、紙粉などを表面にすりつけてしまい、フィルミングが発生することとなる。また、ブレード部材40の振動が大きくなり、クリーニングブレード41の摩耗量が増加することとなる。
一方、フィルミングの発生を防止する目的でブレードの接触圧を高くすると、中間転写体とブレードの摩擦力が大きくなるため、フィルミングは改善しない。さらに、ブレード材質の硬度を増したとしても、低弾性率の中間転写体であると中間転写体表面に傷がついてしまうという不具合が発生する。一方、高弾性率の中間転写体では、傷をつけないでクリーニングが可能ではあるが、前述のようにコストが上昇する。
本発明は上述の点にかんがみてなされたものであり、弾性率が低い中間転写体をブレード部材でクリーニングしても、中間転写体表面を傷やフィルミングの発生を防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、像担持体上に形成されたトナー像を転写するベルト状の中間転写体と、この中間転写体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、前記中間転写体上の転写残トナーを除去するためのブレード部材と、を備える画像形成装置において、前記中間転写体は、伸び弾性率3500Mpa以下の樹脂ベルトであり、前記ブレード部材は、前記中間転写体側に位置する先端部の稜線を前記中間転写体の表面に接触させて、前記中間転写体の表面を清掃する弾性体で形成されたクリーニングブレードを備え、前記クリーニングブレードは、前記先端部の表面から内部に向け、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂と前記クリーニングブレードの基材との混合層を、膜厚1.0μm以上に形成するとともに、前記先端部の表面に、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂からなる表面層を膜厚0.1μm以上に形成した、ことを特徴とする。
本発明によれば、低コストで弾性率が低い樹脂ベルト製の中間転写体を使用した場合であっても、清掃用のブレード部材による中間転写体表面の損傷およびフィルミングの発生が防止できる。
以下、本発明を実施するための形態に係る画像形成装置を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、中間転写体として伸び弾性率3500Mpa以下の樹脂ベルトをするものであり、以下の特徴を備える。ブレード部材は、中間転写体側に位置する先端部の稜線を中間転写体の表面に接触させて、中間転写体の表面を清掃する1層または2層の弾性体であるウレタンゴム製のクリーニングブレードを備える。そして、クリーニングブレードは、先端部の表面から内部に向け膜厚1.0μm以上のアクリル樹脂およびメタクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂と前記クリーニングブレードの基材との混合層が形成される。さらに弾性プレートの先端部の表面に0.1μm以上のアクリル樹脂およびメタクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂からなる表面層が形成される。
<実施形態1>
本発明に係る画像形成装置の実施形態1に係る画像形成装置について説明する。実施形態1に係る画像形成装置では、2層のウレタンゴム製のクリーニングブレード222を備える。また、この画像形成装置ではプロセスコントロールを行う。まず、画像形成装置の基本構成について説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す全体構成図である。この画像形成装置30は、タンデム型のカラープリンタであり、装置本体31内に配置された複数の像担持体、すなわち第1ないし第4の4つの感光体1a、1b、1c、1dを備える。
本発明に係る画像形成装置の実施形態1に係る画像形成装置について説明する。実施形態1に係る画像形成装置では、2層のウレタンゴム製のクリーニングブレード222を備える。また、この画像形成装置ではプロセスコントロールを行う。まず、画像形成装置の基本構成について説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す全体構成図である。この画像形成装置30は、タンデム型のカラープリンタであり、装置本体31内に配置された複数の像担持体、すなわち第1ないし第4の4つの感光体1a、1b、1c、1dを備える。
各感光体1a、1b、1c、1dには互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。各感光体1a、1b、1c、1dには、それぞれブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像およびイエロートナー像がそれぞれ形成される。なお、図1に示した各感光体1a、1b、1c、1dはドラム状に形成されているが、複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体を用いることもできる。
感光体1a、1b、1c、1dに対向して樹脂ベルト製の中間転写体3が配置されており、各感光体1a、1b、1c、1dは、中間転写体3の表面に接触している。中間転写体3は、環状であり、支持ローラ4、テンションローラ5、バックアップローラ6、入口ローラ7に巻き掛けられている。各ローラのうちの1つ、例えば支持ローラ4が駆動源(図示せず)によって駆動される駆動ローラとして構成され、このローラの駆動により中間転写体3が矢印A方向に回転駆動される。
中間転写体3は、多層構造、単層構造のいずれでもよいが、少なくとも表面をヤング率3500Mpa以下の樹脂で形成されている。中間転写体3の素材としては、PVDF、PC、PI、PAI、PPS、PEI等を用いることが好適である。
感光体1a、1b、1c、1dへのトナー像の形成と、各トナー像の中間転写体3への転写は、実質的に各感光体1a、1b、1c、1dにおいてすべて同一であり、形成されるトナー像の色が異なるだけである。このため、感光体1aへのブラックトナー像の形成と、等がトナー像の中間転写体3への転写についてだけを説明する。
感光体1aは、図1中において矢印Cに示すように時計方向に回転駆動され、このとき感光体1a表面に図示していない除電装置からの光が照射され、感光体1aの表面電位が初期化される。初期化された感光体1aは帯電装置8によって所定の極性、この例ではマイナス極性に一様に帯電される。この帯電面に、露光装置9から出射する光変調されたレーザービームLが照射され、感光体1aの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1に示した画像形成装置においてはレーザービームを出射するレーザー書き込み装置よりなる露光装置9が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
感光体1aに形成された静電潜像は、現像装置10でブラックトナー像として可視像化される。一方、中間転写体3の内側には、その中間転写体を挟んで感光体1aに対向した位置に転写ローラ11が配置されている。この転写ローラ11が中間転写体3の裏面に接触し、感光体1aと中間転写体3との適正な転写ニップが形成される。
転写ローラ11には、感光体1a上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性、この例ではプラス極性の転写電圧が印加される。これにより、感光体1aと中間転写体3との間に転写電界が形成され、感光体1a上のブラックトナー像が、感光体1aと同期して回転駆動される中間転写体3上に静電的に転写される。ブラックトナー像を中間転写体3に転写した後の感光体1a表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置12によって除去され、感光体1aの表面が清掃される。
同様にして、他の各感光体1b、1c、1dには、シアントナー像、マゼンタトナー像およびイエロートナー像がそれぞれ形成され、その各色のトナー像は、ブラックトナー像の転写された中間転写体3上に順次重ねて静電転写される。
本画像形成装置30は、4色のトナー像を使うフルカラーモードと黒単色のみを使う黒単色モードの2種類のモードで駆動される。フルカラーモード時には、中間転写体3と感光体1a、1b、1c、1dが接触して、4色のトナー像が中間転写体上に転写される。一方、黒単色モードでは、感光体1aのみが中間転写体3に接触し、ブラックトナーのみが中間転写体3に転写される。このとき、中間転写体とシアン、マゼンタ、イエローの各感光体1b、1c、1dは接触しておらず、図示しない接離機構により一次転写ローラ11b、11c、11dが感光体から離間する。その際、確実に中間転写体をシアン、マゼンタ、イエローの各感光体1b、1c、1dから離間するためにバックアップローラ6を移動させて、中間転写体3のプロファイルを変化させる。
装置本体31の下部には、図1に示すように、給紙装置14が配置されている。給紙装置14は、給紙ローラ15の回転によって、例えば転写紙よりなる記録媒体Pが矢印B方向に送り出される。送り出された記録媒体Pは、レジストローラ対16によって、所定のタイミングで支持ローラ4に巻き掛けられた中間転写体3の部分と、これに対応配置された転写装置である、2次転写ローラ17との間に搬送される。このとき、2次転写ローラ17には所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写体3上に重ねて転写されたトナー像が記録媒体Pに2次転写される。
トナー像が2次転写された記録媒体Pは、さらに上方に搬送されて定着装置18を通る。このとき記録媒体P上のトナー像が定着装置18により、熱と圧力により定着される。定着装置18を通過した記録媒体Pは、排紙部に設けられた排紙ローラ対19により画像形成装置外に排出される。
次に中間転写体3について説明する。中間転写体3は例えば次の構成を備え、押し出し成形されている。
・中間転写体#1
材質:ポリイミド
ヤング率:3500MPa
厚さ寸法:80μm
線速:256mm/s
テンション:1.3N/cm
材質:ポリイミド
ヤング率:3500MPa
厚さ寸法:80μm
線速:256mm/s
テンション:1.3N/cm
・中間転写体#2
材質:ポリアミドイミド
ヤング率:3500MPa
厚さ寸法:80μm
中間転写体線速:256mm/s
テンション:1.3N/cm
材質:ポリアミドイミド
ヤング率:3500MPa
厚さ寸法:80μm
中間転写体線速:256mm/s
テンション:1.3N/cm
・中間転写体#3
材質:PPS
ヤング率:3200MPa
厚さ寸法:80μm
線速:256mm/s
テンション:1.3N/cm
材質:PPS
ヤング率:3200MPa
厚さ寸法:80μm
線速:256mm/s
テンション:1.3N/cm
・中間転写体#4
材質:PVDF
ヤング率:950MPa
厚さ寸法:140μm
線速:120mm/s
テンション:1.3N/cm
材質:PVDF
ヤング率:950MPa
厚さ寸法:140μm
線速:120mm/s
テンション:1.3N/cm
次に実施形態1に係る画像形成装置30に使用するトナーについて説明する。実施形態1に係る画像形成装置30で用いるトナーは、画質向上のために、高円形化、小粒径化がしやすい懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法により製造された重合トナーを用いることが好ましい。特に、円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]以下の重合トナーを用いるのが好ましい。平均円形度が0.97以上、体積平均粒径5.5[μm]のものを用いることにより、より高解像度の画像を形成することができる。
ここでいう「円形度」は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製、商品名)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中のあらかじめ不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5[g]程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度が3000〜1[万個/μl]となるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状および分布を測定する。そして、この測定結果に基づき、実際のトナー投影形状の外周長をC1、その投影面積をSとし、この投影面積Sと同じ面積を示す真円の外周長をC2としたときのC2/C1を求め、その平均値を円形度とした。
また、カラープリンタに好適に使用されるトナーは、以下の手法で得られる。すなわち、少なくとも窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマーと、ポリエステルと、着色剤と、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液とを、水系溶媒中で架橋および伸長反応の少なくとも一方の反応をさせる。
次に実施形態1に係る画像形成装置30におけるプロセスコントロールについて説明する。実施形態1に係る画像形成装置30では、上記のような通常の画像形成モードとは別に、電源投入時、またはある所定枚数通紙後に各色の画像濃度を適正化するためにプロセスコントロール動作が実行される。このプロセスコントロール動作では、各色のトナーを対象とした階調パターンを構成された標準被検知物に相当する濃度検知用トナーパターン(以下、Pパターンと記載する)を、帯電バイアス、現像バイアスを適当なタイミングで順次切り替えることにより中間転写体上に作像する。このときこれら濃度検知用トナーパターンの出力電圧を、中間転写体3の駆動ローラのうち、1つの近傍の位置で、各感光体が並置されている位置を中間転写体3が通過した位置の外部に配置された濃度検知センサー(図示しない)により検知する。そして、その出力値を付着量変換アルゴリズム(粉体付着量変換方法)により付着量変換して、現在の現像能力を表す(現像γ、Vk)の算出し、この算出値に基づき、現像バイアス値およびトナー濃度制御目標値の変更をする制御を行う。
濃度検知センサーは、本実施形態による現像濃度制御方法を実行するために用いられる部材であり、素子ホルダーに内蔵されたLEDと、正反射受光素子と、拡散反射受光素子とを備える。そして、濃度検知センサーは、検知対象面に形成されたトナーパターンが用いられる濃度検知用トナーパターンに対して発光素子が照射した光の反射光(照射された光の反射成分)をそれぞれの受光素子により検出する。なお、受光素子としては、フォトトランジスタやフォトダイオードを用いる。
次にベルトクリーニング装置20について説明する。トナー像転写後において中間転写体3上に付着する転写残トナーはベルトクリーニング装置20によって除去される。実施形態に係る画像形成装置30では、ベルトクリーニング装置20にブレード部材21を使用する。以下ブレード部材21について説明する。図2は同画像形成装置のブレード部材を示すものであり、(a)は断面図、(b)は拡大断面図、(c)は斜視図である。
ブレード部材21は、金属、硬質プラスチック等の剛性材料からなる長方形状のホルダー221と、長方形状のクリーニングブレード222とで構成されている。クリーニングブレード222は、ホルダー221の一端側に接着剤等により固定されており、ホルダー221の他端側は、ベルトクリーニング装置20のケースに片持ち支持されている。
クリーニングブレード222は、複数の層を備える構造、本形態では2層の構造を備える。すなわちクリーニングブレード222は、図2に示すように、中間転写体3側に配置され中間転写体3に接触する稜線22cが形成された接触層224と、この接触層224に重ねられ、ホルダー221に接続されるバックアップ層225とを備える。
図3はブレード部材の基材を示す側面図である。クリーニングブレード222は、接触層224とバックアップ層225の2層から構成された基材23の先端部22eに混合層22dおよび表面層223を形成して製造される。
基材23を構成する接触層224およびバックアップ層225はウレタンゴムで形成される。接触層224は、バックアップ層225より強度を高く設定する。そして、接触層224は、100%モジュラス値がバックアップ層225より大きい。これにより、ブレード部材21のエッジが安定化し、クリーニング性能を向上させることができる。
本形態では、接触層224に100%モジュラス(23℃)が6Mpa〜12Mpa、好ましくは6〜7MPaのウレタンゴム材料を用い、バックアップ層225に4〜5MPaのウレタンゴム材料を使用することができる。なお、クリーニングブレード222は2層に限らず3層以上とすることができる。このとき、複数層の100%モジュラス値を異なるものとし、接触層の100%モジュラス値が前記複数の層中で最大とする。
また、接触層224とバックアップ層225はウレタンゴムで構成し、ゴム硬度で測定して接触層224は80度(JISA)、バックアップ層225はゴム硬度75度(JISA)のものを使用すると、同様の作用効果を得ることができる。
なお、接触層224とバックアップ層225の特性は、トナーや中間転写体速度等により変更することができる。また、接触層224の厚さは0.5mm、バックアップ層225の厚さは1.3mmとできるが、両者の厚みの比率はゴム硬度の選択により変更することができる。
バックアップ層225が接触層224に比べて低強度であるため、長期使用によるへたりや、接触圧低下を防止することができる。このため、長期にわたって良好なクリーニング性能を得ることができる。
混合層22dは、クリーニングブレード222のうち中間転写体3に接触する側の先端面22aから所定の寸法まで、先端部22eの表面から内側に向けてクリーニングブレード222の長手方向に沿って形成される。この例では、混合層22dは、先端部22eの3面に膜厚1.0μm以上となるよう形成される。
また、表面層223は、クリーニングブレード222の先端部22eにおいて、混合層22dの表側において、ブレード先端面22aと、中間転写体3に接触する側であるブレード下面22bとの2面にクリーニングブレード222の長手方向に沿って形成される。表面層223は、膜厚0.1μm以上となるよう形成される。
次にクリーニングブレード222の製造方法について説明する。まず、基材23として接触層224とバックアップ層225を接合する。ついで、基材23の先端面22aから所定の寸法までの先端部22eに混合層22dを形成する。混合層22dは、接触層224およびバックアップ層225を構成するウレタンゴムと、アクリル樹脂との混合層、ウレタンゴムとメタクリル樹脂との混合物、またはウレタンゴムとアクリル樹脂およびメタクリル樹脂との混合物で構成する。
混合層22dを形成するには、基材23の先端部22eを、混合層22dを構成する材料中に所定時間にわたり浸漬させる。これにより、基材23のウレタンゴムとアクリル樹脂およびメタクリル樹脂の少なくとも一方の樹脂との混合層22dが形成される。混合層を構成する材料は、例えばアクリレートモノマーおよび重合開始材を溶媒に混合したものである。混合層22dの厚さ寸法は、浸漬時間を制御することにより行う。なお、先端部22eの架橋反応は、表面層223の被膜後に、熱および光エネルギーを加えることにより行う。
表面層223は、混合層22dを形成した基材23に、表面層223の材料液をスプレー塗工することにより行う。表面層223の材料液は、例えばアクリレートモノマーおよび重合開始材を溶媒に混合したものである。これにより、混合層22dを形成した基材23にアクリル樹脂およびメタクリル樹脂の少なくとも一方の樹脂の層を作成する。表面層223は、紫外線照射による光架橋反応、または加熱による熱架橋反応を行った。表面層223の膜厚は、スプレー塗工条件(吐出量、塗工速度)を制御して制御する。
次に実施形態1に係る画像形成装置におけるブレード部材21の挙動について説明する。図4は実施形態1に係る画像形成装置のブレード部材の中間転写体との接触状態を示すものであり、(a)はブレード部材の断面図、(b)は中間転写体との接触状態を示す拡大図である。また、図5は同実施形態1に係る画像形成装置におけるフィルミングの経時変化を示す通紙枚数とIF上昇率との関係を示すグラフである。なお、図5は、Y、M、C、Kの各色トナーが低画像面積率(1%)の画像を40000枚連続して作像、通紙する過程で測定した。図5に示すように、IF上昇率はF、C、Rの各位置で極めて低く抑えられていることが分かる。図5の測定は、上述した中間転写体#1で行ったが、他の中間転写体#2〜#4でも同様の結果を得た。
本例では、図4(b)に示すように、クリーニングブレード222の先端の変形、振動が小さく、最小化され、ニップ挙動が非常に安定する。
そのため、低コストで弾性率が低い樹脂ベルト製の中間転写体を使用した場合であっても、清掃用のブレード部材による中間転写体の表面損傷およびフィルミングの発生が防止できる。そして、非常に良好なクリーニング性が得られるとともに、振動が最小化されるため、中間転写体の削れ量、ブレード摩耗量が最小化される。
<実施形態2>
次に本発明の実施形態2に係る画像形成装置について説明する。実施形態2に係る画像形成装置では、図6(a)に示すように、クリーニングブレード222としてウレタンゴム製の一枚の板部材を使用する。そして、クリーニングブレード222にウレタンゴムとアクリル樹脂との混合層22dと、アクリル樹脂製の表面層223とを形成する。その他の構成は実施形態1に係る画像形成装置と同じである。
次に本発明の実施形態2に係る画像形成装置について説明する。実施形態2に係る画像形成装置では、図6(a)に示すように、クリーニングブレード222としてウレタンゴム製の一枚の板部材を使用する。そして、クリーニングブレード222にウレタンゴムとアクリル樹脂との混合層22dと、アクリル樹脂製の表面層223とを形成する。その他の構成は実施形態1に係る画像形成装置と同じである。
以下、クリーニングブレード222の作成方法について説明する。クリーニングブレード222の基材23は以下の素材を使用して作成した。
[基材]
ウレタンゴム:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業製)
[基材]
ウレタンゴム:硬度72度、反発弾性率31[%](東洋ゴム工業製)
混合層22dは以下の材料を使用して形成した。
[混合層材料]
モノマー : PETIA(ダイセル・サイテック社) 10部
重合開始剤 : イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 1部
溶媒 : テトラヒドロフラン 149部
[混合層材料]
モノマー : PETIA(ダイセル・サイテック社) 10部
重合開始剤 : イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 1部
溶媒 : テトラヒドロフラン 149部
表面層223は以下の材料を使用して形成した。
[表面層材料]
モノマー : PETIA(ダイセル・サイテック社) 10部
重合開始剤 : イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 1部
溶媒 : 2−ブタノン 89部
[表面層材料]
モノマー : PETIA(ダイセル・サイテック社) 10部
重合開始剤 : イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 1部
溶媒 : 2−ブタノン 89部
[形成方法]
基材23を混合層材料に60秒間にわたり浸漬させ、さらに表面層材料を0.8μm膜厚となるようスプレー塗工した後、ウシオ電機社製メタルハライドランプを用いて2J/cm2の紫外線照射により紫外線硬化させた。なお、実施形態1に係るブレード部材21は、接触層224と、バックアップ層225とを異なる硬度のウレタンゴムで作成して接合して基材23を形成する点を除いて、この方法で作成することができる。
基材23を混合層材料に60秒間にわたり浸漬させ、さらに表面層材料を0.8μm膜厚となるようスプレー塗工した後、ウシオ電機社製メタルハライドランプを用いて2J/cm2の紫外線照射により紫外線硬化させた。なお、実施形態1に係るブレード部材21は、接触層224と、バックアップ層225とを異なる硬度のウレタンゴムで作成して接合して基材23を形成する点を除いて、この方法で作成することができる。
上記方法で形成されたブレード部材21を用いることにより、接触するクリーニングブレード222の稜線22cが中間転写体3表面移動方向に変形するのを抑制することができる。さらに、経時表面層摩耗によって内部が露出したときもエッジ層内部に混合層が形成されていることにより、同様に変形を抑制することができる。
表面層223としては、鉛筆硬度7H以上の材料を被覆するのが好ましい。また、表面層223は、クリーニングブレード222よりも硬度が高い部材とすることで、剛直なため、変形し難く、ブレード部材21の稜線22cのめくれを抑制することができる。ここでいう硬度は、例えばFischer社の微小硬度計H−100などを用いて測定するマルテンス硬度を用いることができる。本実施形態では、クリーニングブレード222が1[N/mm2]程度であるのに対し、表面層223に用いる鉛筆硬度7H〜9Hの材料をガラス基板上で硬化して測定したところ、100〜300[N/mm2]となり、100倍以上の硬さとなった。
次に実施形態2に係る画像形成装置におけるブレード部材21の挙動について説明する。図6は実施形態2に係る画像形成装置のブレード部材の中間転写体との接触状態を示すものであり、(a)はブレード部材の断面図、(b)は中間転写体との接触状態を示す拡大図である。図7は同実施形態2に係る画像形成装置におけるフィルミングの経時変化を示す通紙枚数とIF上昇率との関係を示すグラフである。なお、図7は、Y、M、C、Kの各色トナーが低画像面積率(1%)の画像を40000枚連続して作像、通紙する過程で測定した。
実施形態2に係るブレード部材21でもIF上昇率はF、C、Rの各位置で低く抑えられていることが分かる。なお、図7の測定は、上述した中間転写体#1で行ったが、他の中間転写体#2〜#4でも同様の結果を得た。本例では、図6(b)に示すように、クリーニングブレード222の先端の変形、振動が小さく、ニップ挙動が安定する。
そのため、低コストで弾性率が低い樹脂ベルト製の中間転写体を使用した場合であっても、清掃用のブレード部材による中間転写体の表面損傷およびフィルミングの発生が防止できる。そして、非常に良好なクリーニング性が得られるとともに、振動が最小化されるため、中間転写体の削れ量、ブレード摩耗量が低減される。
次に、ブレード部材21のクリーニングブレード222に混合層22dを設けた理由について詳細に説明する。この理由は実施形態1に係る画像形成装置に使用したブレード部材21にも同様に当てはまる。上述したように、実施形態2のブレード部材21は、クリーニングブレード222よりも硬い表面層223を設け、稜線22cと中間転写体3表面との摩擦係数の低減を図っている。比較のため、クリーニングブレード222の基材23に混合層22dを形成せず、基材23よりも硬度の硬い表面層223だけを形成した場合について説明する。
表面層223だけを設けて摩擦係数を低減させたとしても、経時において表面層223は摩耗し減少する。このとき、長期使用に耐え得るように、表面層223を厚くすると、クリーニングブレード222の稜線22cにおける弾性変形を阻害して、クリーニング不良となるおそれがある。一方、クリーニングブレード222の稜線22cにおける弾性変形を阻害しないように、表面層223を薄くすると、短時間で基材が露出する程度に表面層223が摩耗する。硬度の低い基材が露出して中間転写体3の表面に直接接触すると、ブレード部材21と中間転写体3表面との摩擦係数が大きくなり、異常摩耗や異音が発生する。
ブレード部材21は、硬度の高い表面層223を有する内側のクリーニングブレード222の基材に対してアクリル樹脂およびメタクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂が傾斜性を持つように存在する。これにより、基材となるウレタンゴムの機械強度や剛性が適度に強化され、中間転写体3表面との摺動においてブレード先端部の挙動を適度に抑えることができる。そして良好なクリーニングを行うことができ、異常摩耗や異音の発生を抑えることで、高い耐摩耗性を発揮させることが可能となる。
また、クリーニングブレード222の基材に硬度の高い表面層223のみを設けると、高硬度層と基材層との境目で硬度が急激に変化して応力が集中し、クリーニングブレード222が破損するおそれがある。これに対して、クリーニングブレード222の基材に含有量に傾斜性を生じさせることで、高硬度層と基材層との境目で硬度が急激に変化することを抑制し、応力集中に起因してクリーニングブレード222が破損することを防止できる。
これと比較して、特許文献2には、表面層だけを設ける構成、または、クリーニングブレードの基材に樹脂材料を含浸させるのみの構成が記載されている。表面層のみを設ける構成であると、上述した不具合が生じる。また、樹脂材料を含浸させるのみの構成であると、使用開始当初のブレード部材の像担持体と接触する部分の硬度が表面層を設けるものほどの硬度を得ることができず、耐摩耗性が不十分となる。また、使用する樹脂が鉛筆硬度B〜6Hのものであり、これを表面層として用いても鉛筆硬度が十分ではなく、耐久性に劣る。この耐久性を補うために、表面層を厚膜にすると、エッジ(稜線)の姿勢制御が損なわれ、耐久性が低下する。
また、特許文献3には、クリーニングブレードの基材にシリコーン含有架橋樹脂が傾斜性を持って含浸され、クリーニングブレードの表面が同樹脂で覆われた構成が記載されている。
さらに、特許文献4に記載のブレード部材は、含浸させる架橋樹脂でクリーニングブレードの表面を覆っているため、含浸させるものとは、別に、表面層を設ける本実施形態のブレード部材21とは異なる。また、シリコーン含有架橋樹脂は、本実施形態の表面層に用いる樹脂に比べ、耐久性に劣る。さらに、特許文献4に記載の含浸操作のように、含浸を12時間も行うと、架橋樹脂の含浸量が過剰となり、基材ゴムが膨潤しすぎてゴムの網目構造が破壊され、機械強度が低下し、耐久性が低下する。
実施形態2に係るブレード部材21は、表面を鉛筆硬度7H以上の樹脂からなる表面層223で覆われ、さらに、クリーニングブレード222の基材をなすウレタンゴムの内部に混合層22dとしてアクリル樹脂が傾斜性を有しつつ存在している。クリーニングブレード222に樹脂を含有させて硬度上昇させているため、表面層223の厚みを薄くしても経時の耐久性を確保することができる。表面層223についての非常に薄い膜厚と、高い鉛筆硬度により、稜線22cの姿勢制御と耐久性付与とを同時に発現することが可能となる高耐久化を図ることができる。また、クリーニングブレード222に含有させる樹脂の含有量を抑制することで、基材ゴムの膨潤によるゴム機械強度低下と、高硬度な樹脂材料の浸潤による網目構造の強化との両立を図ることができる。
上述したように、クリーニングブレード222の稜線22cに混合層22dを有することにより硬度を上昇させているため、クリーニングブレード222の稜線22cが変形しにくくなっている。クリーニングブレード222のブレード下面22bの全面にクリーニングブレード222よりも硬度が高い表面層223を形成すると、ブレード下面22bに形成した表面層223が、クリーニングブレード222の稜線22cの像担持体表面への弾性変形を阻害してしまう。このため、稜線22cにおいて中間転写体3表面への接触圧を高める向きに働く弾性変形に対する復元力がほとんど得られなくなってしまう。
その結果、稜線22cが中間転写体3の偏心や微小なうねりに対して追随できなくなってしまい、中間転写体3に対する接触圧が変動してしまう。このため、連続的なベタ画像形成時等、稜線22cにせきとめたトナーから大きな押圧力を受けるなどの厳しい条件において、接触圧が低下したときに、トナーがブレード部材21からすり抜けてクリーニング不良を生じるおそれがある。
このような問題に対して、クリーニングブレード222のブレード下面22bに表面層223を形成しないことも考えられる。しかし、ブレード下面22bに表面層223を形成しなかった場合は、クリーニングブレード222の稜線22cが中間転写体3の表面移動方向へ大きく弾性変形して、稜線22cがめくれてしまい、めくれ摩耗が生じるおそれがある。
実施形態2に係るクリーニングブレード222では、ブレード先端面22aおよびブレード下面22bの両方に、稜線22cから50μmの位置において膜厚が1μm以下となるように表面層223を形成する。これにより、ブレード先端面22aにのみ表面層223を形成したものに比べて、クリーニングブレード222の稜線22cにおける弾性変形を阻害するのを抑制することができる。そして、稜線22cがめくれない程度に、クリーニングブレード222の稜線22cを中間転写体3表面移動方向へ弾性変形させることができる。
これにより、テンションローラ5に偏心などがあった場合でも、クリーニングブレード222の稜線22cの弾性変形に対する復元力により、稜線22cを中間転写体3の表面に対して追随させ、良好なクリーニング性を維持できる。
なお、表面層223の層厚は、稜線22cから50μmの距離において測定した際、1μm以下であることが好ましい。層厚が、1μmより大きいと、表面層223の剛性が強くなりすぎ、ブレード部材21の稜線22cの中間転写体3表面との摺動における挙動が小さくなりすぎるおそれがある。その結果、稜線22cに振動エネルギーが集中することにより、不快な異音が発生しやすくなる他、摩耗速度も大きくなってしまい、早期に使用不可能となるおそれがある。
さらに、この混合層22dと表面層223を設けることにより、以下のような効果を発揮する。
・トナー除去性能が大幅に向上する。
・ブレード部材の摩耗が低減され、長期にわたってクリーニング性能が維持できる。
・ブレード部材と中間転写体間の摩擦係数が低減される。
・中間転写体摩耗量が低減され、中間転写体寿命、および画像形成装置の長寿命化が図れる。
・ブレード部材が、トナーの添加剤等を中間転写体表面へすりつけないため、フィルミングの発生がない。
・トナー除去性能が大幅に向上する。
・ブレード部材の摩耗が低減され、長期にわたってクリーニング性能が維持できる。
・ブレード部材と中間転写体間の摩擦係数が低減される。
・中間転写体摩耗量が低減され、中間転写体寿命、および画像形成装置の長寿命化が図れる。
・ブレード部材が、トナーの添加剤等を中間転写体表面へすりつけないため、フィルミングの発生がない。
1a、1b、1c、1d:感光体
3:中間転写体
4:支持ローラ
5:テンションローラ
6:バックアップローラ
7:入口ローラ
8:帯電装置
9:露光装置
10:現像装置
11:転写ローラ
11b、11c、11d:一次転写ローラ
12:クリーニング装置
14:給紙装置
15:給紙ローラ
17:2次転写ローラ
18:定着装置
20:クリーニング装置
20:ベルトクリーニング装置
21:ブレード部材
22a:ブレード先端面
22b:ブレード下面
22c:稜線
22d:混合層
30:画像形成装置
31:筐体
L:レーザービーム
P:記録媒体
3:中間転写体
4:支持ローラ
5:テンションローラ
6:バックアップローラ
7:入口ローラ
8:帯電装置
9:露光装置
10:現像装置
11:転写ローラ
11b、11c、11d:一次転写ローラ
12:クリーニング装置
14:給紙装置
15:給紙ローラ
17:2次転写ローラ
18:定着装置
20:クリーニング装置
20:ベルトクリーニング装置
21:ブレード部材
22a:ブレード先端面
22b:ブレード下面
22c:稜線
22d:混合層
30:画像形成装置
31:筐体
L:レーザービーム
P:記録媒体
Claims (6)
- 像担持体上に形成されたトナー像を転写するベルト状の中間転写体と、この中間転写体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、前記中間転写体上の転写残トナーを除去するためのブレード部材と、を備える画像形成装置において、
前記中間転写体は、伸び弾性率3500Mpa以下の樹脂ベルトであり、
前記ブレード部材は、前記中間転写体側に位置する先端部の稜線を前記中間転写体の表面に接触させて、前記中間転写体の表面を清掃する弾性体で形成されたクリーニングブレードを備え、
前記クリーニングブレードは、
前記先端部の表面から内部に向け、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂と前記クリーニングブレードの基材との混合層を、膜厚1.0μm以上に形成するとともに、
前記先端部の表面に、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂のうちの少なくとも一方の樹脂からなる表面層を膜厚0.1μm以上に形成した、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニングブレードは、
前記稜線が形成される接触層を含む複数の層が重ねられて形成され、
前記複数の層は100%モジュラス値がそれぞれ異なり、
前記接触層は、100%モジュラス値が前記複数の層中で最大である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記接触層は、23℃における100%モジュラス値が6Mpa〜12Mpaの材質で形成されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードは、同一の素材で構成された一枚の弾性体で構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体の表面に光を照射する発光素子および反射光を受光する受光素子からなる反射光量検知手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体が押し出し成形で作成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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2012
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