JP2014115485A - 通信線固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光受信機の内部に光ケーブルを固定するための通信線固定構造であって、光受信機の内部に設けられた受容空間部50であって、光受信機の引き込み口を介して当該光受信機の外部から内部に至るように引き込まれた光ケーブルを受容するための受容空間部50と、受容空間部50に突出する押圧突起51〜54であって、受容空間部50に受容された光ケーブルを押圧固定する押圧突起51〜54を備え、押圧突起51〜54を、光ケーブルに近づくに連れて引き込み口から遠ざかる傾斜状に形成した。
【選択図】図9
Description
まず、本実施の形態の基本的概念について説明する。この実施の形態は、概略的に、通信機器の内部に通信線を固定するための通信線固定構造に関する。この「通信機器」の具体的な種類や構造は任意であるが、例えば、上述した光受信機や、屋内における光ファイバの終端装置(ONU:Optical Network Unit)が該当する。また、この通信機器に固定する「通信線」の具体的な種類や構造も任意であるが、例えば、光ケーブルを挙げることができる。以下の実施の形態においては、光受信機に光ケーブルを固定する場合について説明する。
以下に添付図面を参照して、本実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、光受信機の通信関連機能を説明するため、光受信機における信号の伝送経路について説明する。図1は、光受信機における信号の伝送経路を概念的に示す信号系統図である。この図1に示すように、概略的には、映像信号及び通信信号を伝送するための光ケーブルOC1が、光受信機の外部から内部に引き込まれ、あるいは、通信信号を伝送するための光ケーブルOC2が、光受信機の内部から外部に引き出される。以下では、これら光ケーブルOC1、OC2を、相互に区別する必要がない場合には、光ケーブルOCと総称する。
次に、光受信機1の基本構成を説明する。図2は、本実施の形態に係る光受信機1を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、図3は、後述するカバー部12を取り外した状態における図2の光受信機1の正面図、図4は、後述する光ファイバトレイ40を取り外した状態における図3の光受信機1の正面図である。なお、以下の説明においては、図2に示す各方向を基準として、X方向を左右方向、Y方向を上下方向、Z方向を前後方向と称する。これら図2〜4に示すように、光受信機1は、筐体10の内部に、電源ユニット20、光電変換ユニット30、及び、光ファイバトレイ40を着脱自在に収めて構成されている。
次に、光ファイバトレイ40のケーブル固定部41、42の詳細について説明する。図9は、図7のケーブル固定部周辺の拡大図であり、(a)は図7(a)の拡大図、(b)は図7(b)の拡大図である。図10は、図9(a)の各部の断面図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。これら各図に示すように、光ファイバトレイ40には、左右方向に沿って2つのケーブル固定部41、42が並設されている。なお、説明の便宜上、図9(a)においては、一方のケーブル固定部41には光ケーブルOC1を固定した状態を示し、他方のケーブル固定部42には光ケーブルOC2を固定していない状態を示している。これら2つのケーブル固定部41、42は、相互に同一の構造にて構成することが可能であり、ケーブル固定部42に関する説明は、ケーブル固定部41に関する説明において、光ケーブルOC1を光ケーブルOC2と読み替えると共に、引き込み口13を引き込み口14と読み替えること等によって説明することができるため、以下では、片方のケーブル固定部41の構造のみを説明する(なお、図9(a)においては、図示の便宜上、A−A、B−B、C−Cの矢視断面位置を、ケーブル固定部42の位置として示しているが、ケーブル固定部41の位置であるとして説明する)。このケーブル固定部41は、受容空間部50、複数の押圧突起51〜54、第1保持部55、第2保持部56、及び作業表示部57を備えて構成されている。
受容空間部50は、光受信機1の内部に設けられた空間部であって、光受信機1の筐体10に形成された引き込み口を介して、当該光受信機1の外部から内部に至るように引き込まれた光ケーブルOC1を受容するための空間部である。具体的には、受容空間部50は、図8、9に示すように、光ファイバトレイ40における引き込み口13の近傍位置(本実施の形態においては、光ファイバトレイ40の左下方側の隅部の位置)において、光ファイバトレイ40の底板40aと側板40d、40eによってその一部を区画された空間部であって、光ケーブルOC1を、ケーブル固定部41に固定するために必要な所定長さ以上に渡って、底板40aに沿って配置可能な空間部として形成されている。なお、以下では、引き込み口13から光受信機1の内部に至る方向(本実施の形態においては上下方向と同一方向)を「引き込み方向」と称する。
次に、ケーブル固定部41の第1保持部55について説明する。図9(b)において、この第1保持部55は、押圧突起51〜54にて押圧固定された光ケーブルOC1を、当該押圧突起51〜54における押圧固定方向から光ファイバOF1を中心として約90度回転させた方向で保持可能な第1保持手段である。この第1保持部55を設ける理由は、以下の通りである。すなわち、光ケーブルOC1を湾曲させる場合、一対の補強材SMの並設方向に直交する面内においては、これら一対の補強材SMを重複して湾曲させる必要がないため、光ケーブルOC1を比較的湾曲させることは容易であるが、一対の補強材SMの並設方向に平行になる面内においては、これら一対の補強材SMを重複して湾曲させる必要があるため、光ケーブルOC1を湾曲させることが比較的困難である。しかし、本実施の形態においては、上述のように、光ケーブルOC1をほぼ均一の押圧力で押圧固定することを可能にする観点から、光ケーブルOC1を一対の補強材SMの並設方向に対して直交する方向から押圧突起によって押圧することとしているので、この方向のまま、光ケーブルOC1を引き込み口に挿通させた場合には、一対の補強材SMの並設方向が前後方向に一致することになり、前後方向に平行になる面内において光ケーブルOC1を湾曲させることが困難になってしまう。このため、光ケーブルOC1を光通信機1の前方側から上方側に湾曲させて引き込み口13に差し入れる際に、光ケーブルOC1を湾曲させることが困難になり、作業性が低下する可能性がある。この問題を防止するため、本実施の形態では、光ケーブルOC1を、押圧突起51〜54における押圧固定状態から光ファイバOF1を中心として約90度回転させた状態で第1保持部55にて保持することとしている。
次に、ケーブル固定部41の第2保持部56について説明する。図9(a)において、この第2保持部56は、押圧突起51〜54にて押圧固定された光ケーブルOC1を、当該押圧突起51〜54における押圧固定方向から光ファイバOF1を中心として約45度回転させた方向で保持可能な第2保持手段である。この第2保持部56を設ける理由は、以下の通りである。すなわち、光ファイバOF1を中心とした角度としては、押圧突起51〜54における固定角度に対して、第1保持部55における固定角度を約90度回転させることが好ましいが、作業員が不慣れな場合や、光ケーブルOC1の補強材SMや被覆線CLの反発力が大きい場合には、光ケーブルOC1を回転させる際の作業性が低下する可能性がある。そこで、第2保持部56において、光ケーブルOC1を中間的な角度である約45度で保持可能とすることで、光ケーブルOC1を回転させる際の作業性が低下することを防止している。
図9(a)に示すように、このように構成されたケーブル固定部41を用いた光ケーブルOC1の固定作業の作業性を一層向上させるため、光ファイバトレイ40には、作業表示部57が設けられている。この作業表示部57は、光ファイバトレイ40の底板40aの表面における凹凸として形成された刻印であって、ケーブル固定部41にて固定された光ケーブルOCから補強材SM及び被覆線CLを切除等することで光ファイバOF1のみを引き出す際における、光ケーブルOC1の端部に対応する位置(光ファイバを引き出す位置)に、光ケーブルOC1の外径に対応する形状で形成されている。このような作業表示部57を設けることで、例えば、予め補強材SM及び被覆線CLの切除作業を行うことで光ファイバOF1を引き出した光ケーブルOC1を、ケーブル固定部41に仮固定し、この光ケーブルOC1の端部が作業表示部57に合致する位置まで、光ケーブルOC1を引き出し方向に沿って光通信機1の内部に向けて引き込むことで、光ケーブルOC1を最適な位置に容易に配置することが可能になる。なお、外被把持型コネクタを使用する場合には、光ケーブルOC1から補強材SM及び被覆線CLを切除等する必要がないため、この作業表示部57を意識することなく、所望の長さだけ光ケーブルOC1を光通信機1の内部に向けて引き込めばよい。
最後に、図3を参照しつつ、筐体10に設けた引き込み口開閉部60について説明する。この引き込み口開閉部60は、引き込み口を開閉するための引き込み口開閉手段である。この引き込み口開閉部60を設ける理由は、以下の通りである。すなわち、上述したように、筐体10には、一対の引き込み口13、14が形成されている。一方の引き込み口(本実施の形態においては、図3の左側の引き込み口)13は、多重化された映像信号及び通信信号を伝送するための光ケーブルOC1を光通信機の内部に向けて引き込むための開口部であり、他方の引き込み口(本実施の形態においては、図3の右側の引き込み口)14は、通信信号を伝送するための光ケーブルOC2を光通信機の外部に向けて引き出すための開口部である。しかし、伝送経路によっては光ケーブルOC2が不要な場合もあり、この場合には、後者の引き込み口14が不要になるため、この引き込み口14を介して水や埃等が光通信機1の内部に侵入することを防止する観点から、この引き込み口14については引き込み口開閉部60によって開閉自在に閉じることが好ましい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
本発明の適用対象は、上述したような光受信機1には限られず、光ファイバ収納箱や光コンバータ、その他、通信線を固定する必要がある通信機器であれば、どの様な通信機器に対しても同様に適用可能である。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、通信線の固定構造を簡素化できない場合においても、従来と同様の効果を従来と異なる手段で達成できている場合には、本発明の課題が達成されている。
押圧突起の傾斜角度である角度αは、上記実施の形態に示した角度に限定されず、小さく又は大きくしてもよい。さらに、傾斜角度を調整可能な構造を採用することもでき、例えば、押圧突起51〜54を光ファイバトレイ40の底板40aに対してネジ止めにより固定する構造を採用した上で、押圧突起51〜5をネジを中心として回転させた後に、ネジを締めて押圧突起51〜5を回転不能に固定することで、傾斜角度を調整可能としてもよい。
離脱防止突起58は、例えば、左右一対の押圧突起51〜54のいずれか一方のみに形成してもよい。また、離脱防止突起58は、押圧突起51〜54の前方側の端面に限らず、押圧突起51〜54の側面の位置の中で、当該押圧突起51〜54によって押圧固定された光ケーブルOCよりも前方側に位置する位置に形成してもよい。あるいは、離脱防止突起58を省略してもよい。
通信線を、一対の補強材SMの並設方向に対して平行な方向から、押圧突起51〜54にて押圧可能としてもよい。また、一対の補強材SMの並設方向に対して直交する方向から押圧する場合においても、第1保持部55又は第2保持部56のうち、いずれか一方又は両方を省略してもよい。あるいは、第2保持部56に加えて、押圧突起51〜54にて押圧固定された通信線を当該押圧突起51〜54における押圧固定方向から光ファイバOFを中心として約10度回転させた方向で保持可能な保持手段、当該通信線を光ファイバOFを中心として約20度回転させた方向で保持可能な保持手段、当該通信線を光ファイバOFを中心として約30度回転させた方向で保持可能な保持手段のように、約45度や約90度以外の回転角度で保持する保持手段を設けてもよい。第1保持部55や第2保持部56を設ける場合においても、その形状は変更可能であり、例えば、図15の変形例に示すように、第2保持部56の上下方向の長さを長くすることで、光ファイバOFを一層安定的に保持することができるようにしてもよい。
引き込み口開閉部60は、全ての引き込みトレー17に設けてもよく、あるいは省略してもよい。引き込み口開閉部60の構造としては、実施の形態に示した構造以外にも様々な構造を採用することができ、例えば、引き込み口開閉部60を引き込みカバー18に設けたり、引き込みトレー17と引き込みカバー18の両方に設けたり、これら引き込みトレー17や引き込みカバー18に対して着脱自在に設けてもよい。
10、101 筐体
11 ベース部
11a、40a 底板
11b〜11e、12b〜12e、40b〜40e 側板
11f 係止部
12 カバー部
12a 表板
13、14 引き込み口
15、16 出力口
17 引き込みトレー
18 引き込みカバー
20 電源ユニット
21 電源ユニット本体
22 電源コード
23、24、31、32、34 接続端子
25 貫通孔
30、102 光電変換ユニット
33 光コネクタ
40、103 光ファイバトレイ
41、42、104 ケーブル固定部
43 スプライス固定部
44 フィルタ固定部
45 余長処理部
50 受容空間部
51〜54 押圧突起
55 第1保持部
55a、56c 保持スペース
55b 引き込みスペース
56 第2保持部
56a、56b 突起
57 作業表示部
58 離脱防止突起
60 引き込み口開閉部
OC、OC1、OC2 光ケーブル
SM 補強材
CL 被覆線
OF、OF1〜OF6 光ファイバ
MS1〜MS3 メカニカルスプライス
F1 WDMフィルタ
105 ケーブル保持部
106 折り曲げ部
107 被覆線保持部
Claims (6)
- 通信機器の内部に通信線を固定するための通信線固定構造であって、
前記通信機器の内部に設けられた受容空間部であって、前記通信機器の引き込み口を介して当該通信機器の外部から内部に至るように引き込まれた前記通信線を受容するための受容空間部と、
前記受容空間部に突出する押圧突起であって、当該受容空間部に受容された前記通信線を押圧固定する押圧突起を備え、
前記押圧突起を、前記通信線に近づくに連れて前記引き込み口から遠ざかる傾斜状に形成した、
通信線固定構造。 - 一対の前記押圧突起を相互に対向する位置に配置し、
前記通信線を、前記一対の押圧突起の相互間に挿通させた状態で、当該一対の押圧突起の各々により押圧可能である、
請求項1に記載の通信線固定構造。 - 前記押圧突起を、前記受容空間部を区画する区画面から当該受容空間部に至る突出方向に沿って突出するように形成し、
前記押圧突起には、当該押圧突起にて押圧固定した状態における前記通信線を挟んで前記区画面と対抗する位置に、前記通信線が押圧固定位置から離脱することを防止するための離脱防止突起を形成した、
請求項1又は2に記載の通信線固定構造。 - 前記通信線は、1本の光ファイバと、この光ファイバを両側から挟むように当該光ファイバに対して並設された一対の補強材とを、被覆線で覆って構成された光ケーブルであり、
前記受容空間部において、前記通信線を、前記一対の補強材の並設方向に対して直交する方向から、前記押圧突起にて押圧可能である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信線固定構造。 - 前記押圧突起よりも前記引き込み口に近い位置に形成された第1保持手段であって、前記押圧突起にて押圧固定された前記通信線を、当該押圧突起における押圧固定方向から前記光ファイバを中心として約90度回転させた方向で保持可能な第1保持手段を備える、
請求項4に記載の通信線固定構造。 - 前記押圧突起と前記第1保持手段との相互間に形成された第2保持手段であって、前記押圧突起にて押圧固定された前記通信線を、当該押圧突起における押圧固定方向から前記光ファイバを中心として約45度回転させた方向で保持可能な第2保持手段を備える、
請求項5に記載の通信線固定構造。
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