JP2014114528A - 衣類 - Google Patents
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Abstract
【課題】接触冷感生地の放熱性を高めて、着用者が継続的に接触冷感を感じることができる衣類を提供する。
【解決手段】少なくとも後身頃5の身生地2のうち着用者の背部に相対する肌側領域に、肌が触れると冷感を与える接触冷感生地8が配され、身生地2と接触冷感生地8との間に空気が通流するように、接触冷感生地8の下縁部8a、左右のアームホール側縁部8b,8c、または首側縁部8dのうち、少なくとも二箇所に開口部9が形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】少なくとも後身頃5の身生地2のうち着用者の背部に相対する肌側領域に、肌が触れると冷感を与える接触冷感生地8が配され、身生地2と接触冷感生地8との間に空気が通流するように、接触冷感生地8の下縁部8a、左右のアームホール側縁部8b,8c、または首側縁部8dのうち、少なくとも二箇所に開口部9が形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、衣類に関し、特に肌に接触したときに冷感を感じる接触冷感生地が配された衣類に関する。
通常、夏季用の衣類の一例である寝衣は、綿天竺や綿ブロード等の綿系統の通気性がいい素材を用いて構成されているが、日本のような高温高湿の気候では、このような夏季用の素材で構成された寝衣を着ても、蒸し暑く快適な睡眠が得られない場合が多い。
そこで、特許文献1には、湿潤時の不快感を防止することができ、風合いや肌触りに優れ、接触冷感を発揮する繊維として、ポリアミド系エラストマーまたはポリエステル系エラストマーでなる熱可塑性エラストマーと無機フィラーを含有する繊維が提案されている。
例えば、このような熱可塑性エラストマーと無機フィラーを含有する繊維で構成された接触冷感生地を用いて衣類を構成すれば、優れた接触冷感が得られる快適な衣類となるが、非常に高価な素材であるため、現実的には綿等の通気性のよい素材で構成された身生地の肌側面、特に暑さを強く感じる肩口から背中にかけた部位に接触冷感生地を配置し、接触冷感生地の縁部を身生地に縫着する構成が考えられている。
しかし、このような接触冷感生地は、優れた熱伝導性によって肌への接触時に着用者に冷感を与えるが、常時肌に接触していると接触冷感生地が肌と同じ温度になるため持続的に冷感を与えることができないという問題があった。また、接触冷感生地が肌から離れても接触冷感生地の保有熱が放出されない限り、再度肌に接触しても冷感を与えることができないという問題もあった。特に寝衣に採用した場合には、就寝時に同じ姿勢が維持されると、接触冷感が失われて蒸し暑さを感じ、容易に寝付けなかった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、接触冷感生地の放熱性を高めて、着用者が継続的に接触冷感を感じることができる衣類を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による衣類の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、少なくとも後身頃の身生地のうち着用者の背部に相対する肌側領域に、肌が触れると冷感を与える接触冷感生地が配され、前記接触冷感生地の下縁部、左右のアームホール側縁部、または首側縁部のうち、少なくとも二箇所に開口部が形成されている点にある。
接触冷感生地の下縁部、左右のアームホール側縁部、または首側縁部のうちの二箇所に開口が形成されていると、着用者の姿勢の変化等に起因する身生地の撓みによって、それら開口部を基点にして身生地と接触冷感生地との間に開放空間が形成される。そして、一方の開口部から他方の開口部に向けて、身生地と接触冷感生地との間の空間に空気が通流し、この通流経路を流れる空気によって接触冷感生地の反肌側表面からの放熱が促されるようになる。その結果、接触冷感生地に肌が接触していると冷感が継続し、接触冷感生地が肌から離隔しており、その後接触冷感生地が肌に接触すると再度冷感を感じるようになる。通常、体温よりも室温が低いため、このような通流経路ができると、高温の空気が通流経路の上方の開口部に向かって流れ、低温の外気が通流経路の下方の開口部から流入するようになるのである。
例えば、立位姿勢では接触冷感生地の下縁部の開口から首側縁部の開口部に向けて、身生地と接触冷感生地の間に空気が通流して、接触冷感生地の熱が放出される。例えば、就寝時等に体側部の一方を下側にした横臥姿勢をとる場合には、背面側で身生地に撓みが生じて、身生地と接触冷感生地との間に通流経路となる空間が形成され、例えば首側縁部の開口部からアームホール側縁部に向けて外気が流れ込み、その結果、体温と略同程度の温度になった接触冷感生地から放熱が促される。例えば寝返りしたときに、このような現象が繰り返され、冷感の維持または復活が実現できるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、左右のアームホール側縁部または首側縁部に形成された開口部に抉り部が形成され、前記抉り部の両側に位置する端縁が前記身生地に縫着されている点にある。
開口に抉り部が形成されていると、開口面積が大きくなり、身生地と接触冷感生地との間に形成される通流経路に沿って通流する空気量が増加し、大きな放熱効果が得られるようになる。また、接触冷感生地を身生地に縫着する場合に、抉り部の形状、つまり抉り部の両側に位置する端縁を基準に接触冷感生地の縁部を身生地に縫着できるようになるので、縫製作業が容易になるとともに、開口部の大きさにばらつきが生じることが無い。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記身生地が布帛で構成され、前記接触冷感生地が編地で構成されている点にある。
伸縮性を備えた編地は伸縮性に乏しい布帛よりも肌に接触し易いという特性があり、そのような編地で接触冷感生地を構成すると、接触冷感生地が肌に容易に接触して体表面の熱を逃がし易くなる一方、伸縮性に乏しい布帛は肌から浮き易くなる。その結果、身生地と接触冷感生地との間に空間が形成され易くなり、上述の開口を介した空気の通流により接触冷感生地の放熱の機会が増加する。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記接触冷感生地は、ポリアミド系エラストマー及び/またはポリエステル系エラストマーを含む熱可塑性エラストマー、及び無機フィラーを含有する接触冷感繊維で構成されている点にある。
ポリアミド系エラストマー及び/またはポリエステル系エラストマーを含む熱可塑性エラストマーを紡糸して得られる繊維で構成された生地は接触冷感に優れ、またそのような繊維に無機フィラーを含有させると、湿潤時の不快感を防止することができ、且つ、優れた風合いや肌触りを付与できるので、接触冷感生地として好適に用いることができる。
以上説明した通り、本発明によれば、接触冷感生地の放熱性を高めて、着用者が継続的に接触冷感を感じることができる衣類を提供することができるようになった。
以下、本発明による衣類を寝衣に適用した例を説明する。
図1(a),(b)及び図2(a),(b)には、男性用襟なし半袖寝衣(上衣)1が示されている。当該寝衣1は、左右の前身頃3,4と、後身頃5と、左右袖部6,7を備えている。
図1(a),(b)及び図2(a),(b)には、男性用襟なし半袖寝衣(上衣)1が示されている。当該寝衣1は、左右の前身頃3,4と、後身頃5と、左右袖部6,7を備えている。
少なくとも後身頃5の身生地2のうち着用者の背部に相対する肌側領域に、肌が触れると冷感を与える接触冷感生地8が配され、身生地2と接触冷感生地8との間に空気が通流するように、接触冷感生地8の下縁部8a、左右のアームホール側縁部8b,8c、及び首側縁部8dに開口部9が形成されている。
左右のアームホール側縁部8b,8cと、首側縁部8dに形成された開口部9には抉り部9aが形成され、抉り部9aの両側に位置する端縁が身生地2に縫着されている。図1(a),(b)中、接触冷感生地8の縁部のうち、太い実線で示された部位が身生地2への縫着部位であり、細い破線で示された部位が開口部9となる。
図4(a),(b)には、本発明の別実施形態を示す男性用襟つき半袖寝衣(上衣)1が示されている。当該実施形態では、接触冷感生地8の縁部の縁部に抉り部が形成されていないが、接触冷感生地8の下縁部8a、左右のアームホール側縁部8b,8c、及び首側縁部8dに開口部9が形成されている。同様に、接触冷感生地8の縁部のうち、太い実線で示された部位が身生地2への縫着部位であり、細い破線で示された部位が開口部9となる。
前身頃3,4や後身頃5等を構成する身生地2は布帛で構成され、例えば綿ローン、綿ボイル等の平織り生地が好適に用いられる。尚、吸湿性や通気性のいい素材であれば、綿繊維に限らず麻等の天然繊維やレーヨン等の再生繊維等で構成された布帛であってもよい。
接触冷感生地8は、接触冷感を有する生地であればよく、ポリアミド系汎用繊維、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等が好適に用いられ、さらにはポリアミド系エラストマー及び/またはポリエステル系エラストマーを含む熱可塑性エラストマーを主成分とする接触冷感繊維を用いたベア天竺の緯編地が特に好適に用いられる。
接触冷感生地8の下縁部8a、左右のアームホール側縁部8b,8c、または首側縁部8dのうちの少なくとも二箇所に開口部9が形成されていると、着用者の姿勢の変化等に起因する身生地の撓みによって、それら開口部9を基点にして身生地2と接触冷感生地8との間に開放空間が形成される。
例えば、図3(a),(b)に示すように、着用者が立位姿勢であると、接触冷感生地8の下縁部8aの開口部9から首側縁部8dの開口部9に向けて、身生地2と接触冷感生地8との間の空間に空気が通流し、この通流経路Cを流れる空気によって接触冷感生地8の反肌側表面からの放熱が促される。
その結果、図3(a)に示すように、接触冷感生地8に肌が接触していると肌Sに与える冷感が継続し、図3(b)に示すように、接触冷感生地8が肌Sから離隔していると、その後接触冷感生地8が肌Sに接触したときに冷感を感じるようになる。通常、体温よりも室温が低いため、このような通流経路Cができると、空間内の高温の空気が通流経路Cの上方の開口部9に向かって流れ、低温の外気が通流経路Cの下方の開口部9から流入するようになるのである。
例えば、右側体側部の一方を下側にした横臥姿勢で就寝する場合には、背中側で身生地2に撓みが生じて、身生地2と接触冷感生地8との間に通流経路となる空間が形成され、例えば首側縁部8dの開口部9から左側アームホール側縁部8cの開口部9に向けて外気が流れ込み、さらに左袖口から流出する。その結果、体温と略同程度の温度になった接触冷感生地8から放熱が促される。例えば寝返りしたときに、このような現象が繰り返され、冷感の維持または復活が実現できるようになる。
尚、下縁部8a、左右のアームホール側縁部8b,8c、または首側縁部8dのうち、少なくとも二箇所に開口部が形成されていればよく、必ずしも全てに開口9が形成されていなくてもよい。左右のアームホール側縁部8b,8cに開口部が形成される場合には、良好に空気が通流するように、半袖またはノースリーブであることが好ましい。
さらに、このような空気の通流が容易に行なわれるように、首周り、胸回り、及びアームホールのサイズを、既成寝衣の首周り、胸回り、及びアームホールのサイズよりも大きく構成することが好ましい。
具体的に、成人男子用の既成の寝衣のLサイズは、凡そ首周りが56cm、胸回りが119cm、アームホールが55cmに設定されている。これらの値を基準に、本発明による寝衣の首周りが110%〜140%、より好ましくは120〜130%の範囲、胸回りが103%〜120%、より好ましくは105〜115%の範囲、アームホールが105%〜130%、より好ましくは110〜120%の範囲に設定されている。
同様に、成人女子用の既成の寝衣のMサイズは、凡そ首周りが41cm、胸回りが100cm、アームホールが47cmに設定されている。これらの値を基準に、本発明による寝衣の首周りが120%〜150%、より好ましくは130〜140%の範囲、胸回りが103%〜120%、より好ましくは105〜110%の範囲、アームホールが130%〜170%、より好ましくは140〜160%の範囲に設定されている。
図1(a),(b)に示したように、左右のアームホール側縁部8b、8c及び首側縁部8dに形成された開口部9に抉り部9aが形成されていると、開口面積が大きくなり、身生地2と接触冷感生地8との間に形成される通流経路に沿って通流する空気量が増加し、大きな放熱効果が得られるようになる。
また、接触冷感生地8を身生地2に縫着する場合に、抉り部9aの形状、つまり抉り部9aの両側に位置する端縁を基準に接触冷感生地8の縁部を身生地に縫着できるようになるので、縫製作業が容易になるとともに、開口部9の大きさにばらつきが生じることが無い。
伸縮性を備えた編地は伸縮性に乏しい布帛よりも肌に接触し易いという特性があり、そのような編地で接触冷感生地8を構成し、布帛で身生地2を構成すると、接触冷感生地8が肌に容易に接触して体表面の熱を逃がし易くなる一方、伸縮性に乏しい布帛は肌から浮き易くなる。その結果、身生地2と接触冷感生地8との間に空間が形成され易くなり、上述の開口部を介した空気の通流により接触冷感生地8の放熱の機会が増加する。
上述した接触冷感生地8を構成する接触冷感繊維に用いるポリアミド系エラストマーとして、例えばポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリエステルアミド共重合体等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのポリアミド系エラストマーとして、例えばペバックス(アルケマ社製)、UBEナイロン(宇部興産社製)、グリロンELX、グリルアミドELY(以上、エムス昭和電工社製)、ダイアミド、ベスタミド(以上、ダイセル・デクサ社製)等が市販されている。
上述した接触冷感生地8を構成する接触冷感繊維に用いるポリエステル系エラストマーとして、例えばポリエーテルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体等を用いることができる。これらも単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのポリエステル系エラストマーとして、例えばグリラックス(大日本インキ化学工業社製)、ヌーベラン(帝人化成社製)、ペルプレン(東洋紡績社製)、ハイトレル(東レ・デュポン社製)、プリマロイ(三菱化学社製)等が市販されている。
これらの熱可塑性エラストマーのなかでも、以下の化学式で表されるポリエーテルブロックアミド共重合体は、極めて優れた接触冷感を与える繊維が得られること、紡糸性に優れること、及び、比重が軽く軽い生地、衣料、肌着等を作製できる繊維が得られることから特に好適である。このようなポリエーテルブロックアミド共重合体として、例えばペバックス(アルケマ社製)等が市販されている。尚、式中、PAはポリアミドを表し、PEはポリエーテルを表す。
接触冷感繊維として、熱可塑性エラストマーのみを含有する繊維以外に、更に無機フィラーを含有させた繊維を用いることも可能である。無機フィラーを含有することにより、繊維の表面に微小の凹凸が形成され、繊維表面が改質されることから、湿潤時のべたつき感を防止することができ、また肌触りや肌離れ性を大幅に向上させることができる。
無機フィラーとして、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム等の炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、フェライト粉末、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、窒化アルミニウム、窒化珪素、サチンホワイト、焼成ケイソウ土等のケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、無定形シリカ、非晶質合成シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、クレイ、ハイドロタルサイト、アルミノ珪酸塩、タルク、パイロフィライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等のスメクタイト、バーミキュライト、金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等のマイカ、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト、クリントナイト、マーガライト、スーライト、アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、メサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等のカオリン、デラミカオリン、焼成カオリン、セピオライト、パリゴルスカイト、イモゴライト、アロフェン、ヒシンゲライト、ペンウィサイト、活性白土、ベントナイト、セリサイト等の鉱物質顔料等を用いることができる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカを用いることが好ましい。無機フィラーの形状は、球状、針状、板状等の定型物または非定型物の何れであってもよい。
無機フィラーの平均粒子径は0.20μm〜3.00μmの範囲であることが好ましく、0.20μm未満であれば湿潤時のベトツキ等の不快感を改善する効果が不充分となり、3.00μmを超えると風合いや肌触りが損なわれ、繊維の強度が低下する。
無機フィラーの含有量は2重量%〜30重量%の範囲が好ましい。更に好ましい上限は7重量%である。2重量%未満であれば湿潤時のベトツキ等の不快感を改善する効果が不充分となり、30重量%を超えると繊維の強度が低下する。また、紡糸性が悪くなる。
接触冷感生地8は、上述の熱可塑性エラストマー及び無機フィラーを含有する繊維のみから構成されていてもよいが、肌触り等の寝衣に必要な要件を改善するために、他の繊維と交編した生地であってもよい。他の繊維として、例えばナイロン6、ナイロン12等のポリアミド系繊維やポリエステル繊維、さらには綿やレーヨン等の再生繊維を用いることができる。
接触冷感生地8のqmax値の下限値は、0.20J/sec/cm2であればよく、0.21J/sec/cm2であれば好ましく、0.22J/sec/cm2であればさらに好ましい。官能試験の結果、qmax値が0.20J/sec/cm2未満であれば大半の人が接触冷感を感じないが、0.20J/sec/cm2以上であれば十分に冷感を感じることが判明している。
qmax値とは、一定面積、一定質量の熱板に所定の熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱流量のピーク値をいう。qmax値は、接触冷感生地8が肌に接したときに接触冷感生地8に奪われる体温を模擬する値であり、qmax値が大きいほど肌への接触時に奪われる体温が大きく、接触冷感が高いと評価できる。
接触冷感生地8の熱伝導率の好ましい下限は、1×10−3℃/W・m2である。熱伝導率も接触冷感に対応する重要なパラメータの1つであり、官能試験の結果、熱伝導率が1×10−3℃/W・m2未満であれば大半の人が接触冷感を感じない。
尚、熱伝導率は、試料台の上に置いた試料の上に熱板を重ね、熱板の温度を所定の温度に安定させた後の熱損失速度を測定して、下記数式により算出することができる。ここに、Wは熱流量(J/sec)、Dは試料の厚さ(cm)、Aは熱板面積(cm2)、ΔTは試料台と熱板との温度差(℃)である。
熱伝導率(W/cm/℃)=W・D/A/ΔT
熱伝導率(W/cm/℃)=W・D/A/ΔT
身生地2を構成する布帛の厚さ(JIS L1096)は、0.60mm〜0.73mmの範囲であることが好ましく、通気性(JIS L1096)は、121.9cm3/cm2/sec.から262.6cm3/cm2/sec.の範囲が好ましい。
接触冷感生地8の形状や大きさは身生地2の大きさに対応して適宜設定すればよいが、少なくとも肩口から背中にかけた部位が覆われることが好ましい。
図5(a),(b)には、本発明の別実施形態を示す半袖寝衣(上衣)1が示されている。当該実施形態では、上辺が下辺よりも長い台形形状の接触冷感生地8が採用されている。袖部6,7がアームホールに縫着される形態とは異なり、前身頃3,4に前側袖部が一体に形成され、後身頃5に後側袖部が一体に形成され、両者を脇部で縫着することにより袖部3,4が構成されている。
アームホールの縫着部が無いため、接触冷感生地8の左右上縁8eが肩継ぎ部で縫着され、左右縁部8b,8cは開放されている。また、接触冷感生地8の下縁部8aも開放され、左右縁部8b,8cと下縁部8aとの角部が身生地2に縫着され、それぞれ開口部9が形成されている。
尚、上述した実施形態では身生地2が布帛で構成されることが好ましい旨を説明したが、編地で構成される身生地2を否定するものではなく、身生地にも編地を採用してもよい。
上述した実施形態では、本発明による衣類を寝衣として具現化した例を説明したが、本発明による衣類は寝衣に限らず、肌に接触する夏季用の衣類一般に適用可能である。
上述した複数の寝衣は、何れも本発明の衣類の一例であり、該記載により本発明の範囲が限定されることはなく、各部の具体的構成(生地を構成する編地や織地の種類、糸種、熱可塑性エラストマーの種類等)は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
本発明は、男女を問わず、清涼感に優れ、継続的に接触冷感を感じることができる寝衣等の衣類として、好適に使用できる。
1:衣類(寝衣)
2:身生地
3:前身頃(左)
4:前身頃(右)
5:後身頃
6:袖部(左)
7:袖部(右)
8:接触冷感生地
8a:下縁部
8b,8c:アームホール側縁部
8d:首側縁部
9:開口部
9a:抉り部
2:身生地
3:前身頃(左)
4:前身頃(右)
5:後身頃
6:袖部(左)
7:袖部(右)
8:接触冷感生地
8a:下縁部
8b,8c:アームホール側縁部
8d:首側縁部
9:開口部
9a:抉り部
Claims (4)
- 少なくとも後身頃の身生地のうち着用者の背部に相対する肌側領域に、肌が触れると冷感を与える接触冷感生地が配され、
前記接触冷感生地の下縁部、左右のアームホール側縁部、または首側縁部のうち、少なくとも二箇所に開口部が形成されている衣類。 - 左右のアームホール側縁部または首側縁部に形成された開口部に抉り部が形成され、前記抉り部の両側に位置する端縁が前記身生地に縫着されている請求項1記載の衣類。
- 前記身生地が布帛で構成され、前記接触冷感生地が編地で構成されている請求項1または2記載の衣類。
- 前記接触冷感生地は、ポリアミド系エラストマー及び/またはポリエステル系エラストマーを含む熱可塑性エラストマー、及び無機フィラーを含有する接触冷感繊維で構成されている請求項1から3の何れかに記載の衣類。
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