JP3158867U - 衣服 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、学生服は、新陳代謝が激しく運動量も豊富な若者が毎日着用するものであり、汚れやすく、自宅で洗濯を行うことができればという要望が大きなものであった。
一方、ジャケットやスーツ、学生服の上衣について、前身頃の前端から縫い目を排除することにより、家庭用の洗濯乾燥機にて洗濯や乾燥を行っても前身頃の前端の外観形状を保持し縫い目周辺のしわやつれの発生を抑えたものが提案されている(特許文献1)。
家庭用の洗濯乾燥機において洗濯から乾燥までを行うとしても、日々汚れることが多い学生服では、少しでもその乾燥時間を短縮することが望まれており、型崩れを防止するのみでは、乾燥し難い衣服を家庭で頻繁に洗濯することは現実的ではなかった。
本願の考案者は、このような問題点を鑑み、水切りが良いとされる周知の生地を学生服の裏地に用いることを想起し、その研究を行った。ところが、周知の乾燥性の高い水きりの良い生地は、摩擦抵抗が大きいものが多く、学生服の裏地に用いると腕を袖に通す際に裏地に引っ掛かったりする場合が有り、着用をスムーズに行なうことが困難になったり、着心地が低下するおそれがあった。
上部裏地は乾燥性の低い低乾燥性生地にて形成され、
下部裏地及び脇下裏地は、上記低乾燥性生地よりも乾燥性の高い速乾性生地にて形成されたことを特徴とする衣服を提供する。
本願の請求項4に係る考案では、上記の速乾性生地がメッシュ地又はトリコット地で構成され、上記の高滑性生地はツイル地、タフタ地、スレーキ地、サテン地、カルゼ地、フランス綾地の少なくとも何れか一つにて構成されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の衣服を提供する。
本願の請求項2の考案では、胴部を覆う身頃部について、速やかに乾くものとし、特に、着易さを損なうことなく速乾性を高め、衣服全体として、速乾性と着易さの確保をより一層推し進めたものである。
具体的には、前身頃の裏において、乾き難い下方に位置する裏地と脇下の裏地を上記速乾性生地として身頃の速乾性を高めた。
本願の請求項3の考案は、上記効果に加えて、腕や身体との接触が比較的多い部位に当てられた低乾燥生地について、上記高滑性生地を採用することにより、衣服を袖通しや身にまとうことを円滑に行えるものとした。即ち、袖部へ腕を通す際に手先や腕との接触が比較的少ない袖谷側部の裏地を速乾性生地として速乾性を確保しつつも、腕を通した際に手先や腕との接触することが多い袖山側部の裏地を上記高滑性生地とすることにより、袖通しの円滑さを損なうことがない衣服を提供することができたものである。更に、上述したように、袖山側部の裏地は袖谷側部の裏地よりも乾燥しやすい部位であるため、袖谷側部の裏地を速乾性生地とし、袖山側部の裏地を上記高滑性生地とすることで、袖全体としての乾燥時間は、袖の全部の裏地を速乾性生地にした場合に比して、さほど長くなることはなく、速乾性と着心地の良好性とを両立し得る衣服を提供したものである。
また、本願の請求項3の考案は、袖に腕を通す際に手が最初に当ることが多く、尚かつ、袖を通した後ボタンを止めるために身体の胸部に沿って伸ばされることが多い、前身頃の上部裏地についても、上記高滑性生地とすることにより、衣服の上衣をより一層円滑に袖通しや身にまとうことができるものとした。
本願の請求項4に記載の考案では、上記請求項1乃至3の考案の効果に加えて、速乾性生地についてより好ましいものを採用した衣服を提供し得た。
本願の請求項5に記載の考案では、上記請求項2乃至4の考案の効果を、台場を備えた衣服について得ることができる。
本願の請求項6に記載の考案では、上記請求項5の考案の効果に加えて、衣服の上衣の裏について、表地と同じ生地で形成され速乾性に劣る見返し部の広さを比較的小さなものとし、その分速乾性生地にて形成される下部裏地が当てられる範囲を広く確保して、衣服全体として速乾性に優れたものとした。また、下部裏地が折り重ねられて水分が溜まりやすくなる裾ヘムをより小さなものとして、衣服の上衣をより速やかに乾燥するものとした。
身頃部1は、胴部前側を覆う左右の前身頃1a,1bと、胴部の背側を覆う後見頃1cとを縫製することにより前開きの詰襟の上衣を形成するものである。
図1において、左袖を除いて、左前身頃1aを開いた状態に描いてある。
袖山側部21と袖谷側部22は、夫々裏地23,24が当てられている。
図2へ示すように、袖山側部21の裏地23は、袖山側部21の形状に対応し、袖山側部21の裏面を覆う。袖谷側部22の裏地24は、袖谷側部22の形状に対応し、袖谷側部22の裏面を覆う。
具体的には、図2へ示すように、人の肩に位置する袖山側部21の上端辺(基端辺)の形状と対応する、袖山側部21の裏地23の基端辺23aは、上方に凸状の凸曲線を描く。人の脇に位置する袖谷側部22の上端辺(基端辺)の形状と対応する、袖谷側部22の裏地24の基端辺24aは、上方に凹状の凹曲線を描く。袖口を構成する袖山側部21と袖谷側部22の形状に対応する、夫々の裏地23,24の先端辺23b,24bは、略横方向に伸びる直線である。また、筒状とすべく袖山側部21と袖谷側部22の両側辺同志が縫い合わされることにより、両裏地23,24の側辺23c,24c,23d,24d同士も付き合わされる。
一方、袖山側部21の上記裏地23は、袖谷側部22の裏地24よりも乾燥性が低い低乾燥生地ではあり且つ、袖谷側部22の裏地24よりも、滑りの良い高滑性生地にて形成される。この高滑性生地は、ツイル地、タフタ地、スレーキ地、サテン地、カルゼ地、フランス綾地の少なくとも何れか一つにて構成されたものである。
腕を通す際に手先や腕との接触が比較的少ない袖谷側部24の裏地22を上記の速乾性生地として速乾性を確保しつつも、腕を通した際に手先や腕との接触が頻繁に起こる、袖部2の袖山側部23の裏地21を上記高滑性生地とすることにより、袖通しの円滑さを損なわない。
詰襟の学生服として、特に、袖谷側部24の裏地22を速乾性の高いメッシュ地とした場合、袖通しの円滑さを損なわないために、袖山側部23の裏地21をツイル地とするのが好ましい。但し、このような生地の組み合わせに限定するものではない。
尚、図1及び図2において、上記の速乾性生地にて形成された裏地を斜線で示し、上記の高滑性生地にて形成された裏地を格子状の細線で示す。
図1及び図3へ示す通り、左右の前身頃1a,1bの表地4の裏は、夫々、見返し部5と、下部裏地6と、脇下裏地7と、上部裏地8とを備える。
脇下裏地7は衣服を着用する人の脇下と対応する位置に設けられて、下部裏地6と隣接し、上端辺が、袖部2の基端と縫い合わされる。
下部裏地6と脇下裏地7とは、袖部2の袖谷側部22の裏地24と同様の上記速乾性生地にて形成される。
上部裏地8は、前身頃の裏において上記台場50の上方に位置し、側辺の一方が見返し部5の懐奥側の側辺に縫い合わされ、側辺の他の一方が袖部2の基端に縫い合わされ、下辺に台場50の上部が縫い合わされる。
上部裏地8は、袖部2の袖山側部21の裏地23と同様の上記高滑性生地にて形成される。
後見頃1cの表地の裏において、この例では、いわゆる背抜きと呼ばれる衣服の上衣に一般的な、衿から肩背面を覆う、背側上部裏地9が当てられている。背側上部裏地9の左右側辺は、左右の袖部2,2の基端に縫い合わされる。
この背側上部裏地9は、袖部2の袖山側部21の裏地23と同様の上記高滑性生地にて形成される。
袖部と同様、身頃部の裏地について、背裏や胸裏など、着心地や肌触りの重要な部位にツイル地を採用し、前裾の裏や細腹の裏(脇下の裏)など水の溜まりやすい部位にメッシュ地を採用するのが好ましい。
身頃部1及び袖部2の各裏地の素材について、ポリエステル繊維やキュプラ、綿、絹等を採用するのが好ましい。裏地を軽量化する場合、フィラメントを太くして、表面積を抑えるのが有効である。また、表地の素材については、ウール、綿、麻、絹、合成繊維などの、表地として通常使用可能なものを使用する。
尚、衿止まりxにおける見返し部5の横幅は、1cmより小さくなるとボタンやボタン穴をつけるのが困難となるので、上記の通り1cmは確保する。また、見返し部5の最下部の横幅も、1cmより小さくなるとボタンやボタン穴をつけるのが困難となるので、上記の通り1cmは確保する。更に、内ポケットの奥側端部における見返し部の上下の幅は、1cmより小さいと内ポケットの口の縫製が困難となるので、1cmは確保する。
尚、ここで、衿止まりxというのは、見返し部5の見開き側の側辺5dの上端である。
また更に、従来の学生服において、3.5cm以上取っていた下部裏地6の裾ヘム60(図1)を、0.5〜3.2cmに抑える。特に、裾ヘム60を3.0cmとするのが好ましい。
上記の実施の形態では、いわゆる背抜きと呼ばれる衣服に一般的な、衿から肩背面を覆う背面側上部裏地9が当てられたものを例示したが、冬物の衣服に一般的な、更に背中の下方と対応する位置に裏地を備えるものに本願考案を実施してもよい。
また、学生服に限定するものではなく、学生服以外の、ブレザーやスーツの上衣に代表される衣服について、本願考案を実施することができる。また、学生服について本願考案を実施する場合も、詰襟に限定するものではなく、ブレザーやスーツ、セーラー服の上衣であっても実施できる。
2 袖部
5 見返し部
21 袖山側部
22 袖谷側部
23 (袖山側部)の裏地
24 (袖谷側部)の裏地
Claims (6)
- 胴体を覆う身頃部と、身頃部の左右に縫い合わされて腕を覆う袖部とを備え、袖部は、夫々別々に形成された袖山側部と袖谷側部とを、縫製することにより筒状にされたものであり、袖山側部と袖谷側部には、夫々裏地が設けられたものである衣服において、
袖山側部の裏地は、乾燥性の低い低乾燥性生地にて形成され、
袖谷側部の裏地は、袖山側部の裏地である上記低乾燥性生地よりも乾燥性の高い速乾性生地にて形成されたものであることを特徴とする衣服。 - 胴体を覆う身頃部と、身頃部の左右に縫い合わされて腕を覆う袖部とを備えた衣服において、
身頃部は、胴部前側を覆う左右の前身頃と、胴部の背側を覆う後見頃とを縫製することにより前開きの上衣を構成するものであり、
前身頃の裏は、上方に位置する前身頃の上部裏地と、下方に位置する前身頃の下部裏地と、脇下に位置する脇下裏地とを備え、
上部裏地は乾燥性の低い低乾燥性生地にて形成され、
下部裏地及び脇下裏地は、上記低乾燥性生地よりも乾燥性の高い速乾性生地にて形成されたことを特徴とする衣服。 - 上記低乾燥性生地は、速乾性生地よりも滑りの良い高滑性生地であることを特徴とする請求項1または2記載の衣服。
- 上記の速乾性生地がメッシュ地又はトリコット地で構成され、上記の高滑性生地はツイル地、タフタ地、スレーキ地、サテン地、カルゼ地、フランス綾地の少なくとも何れか一つにて構成されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の衣服。
- 台場を有する前身頃の裏は、見返し部と、上記上部裏地と、上記下部裏地と、上記脇下裏地とを備え、
台場は見返し部から横方向に延設されたものであり、上部裏地は台場の上方に位置し、下部裏地は台場の下方に位置し、
見返し部は身頃部の表地と同じ生地にて形成されたことを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の衣服。 - 台場は、内ポケットを備え、
衿止まりにおける見返し部の横幅が1〜8cmであり、見返し部の最下部の横幅が約1〜8cmであり、内ポケットの奥側端部における台場の上下の幅が1〜6cmであり、
下部裏地の裾ヘムを0.5〜3.2cmとしたことを特徴とする請求項5記載の衣服。
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JP2012102427A (ja) * | 2010-11-09 | 2012-05-31 | Teijin Fibers Ltd | 速乾性布帛および繊維製品 |
RU2693294C1 (ru) * | 2018-04-13 | 2019-07-02 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Владивостокский государственный университет экономики и сервиса" (ВГУЭС) | Способ обработки горловины в верхней двусторонней одежде |
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