JP2014114091A - ロール紙支持機構、及びプリンター - Google Patents
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Abstract
【課題】記録紙の供給負荷を安定させる。
【解決手段】ロール紙Rの中心である管5に挿通される支持軸42と、前記支持軸42の前記ロール紙Rの幅方向の両側に配置されるとともに、前記ロール紙Rを両側から位置決めするロール紙位置決め部材50と、前記ロール紙位置決め部材50を、前記支持軸42の軸線Lに沿って相反する方向に移動させる位置決め部材移動手段60とを備え、前記ロール紙位置決め部材50は、前記ロール紙R側に突出し前記管5に係合する円錐面を有する管固定面53が形成され、前記支持軸42に同軸上に配置される管固定部材52と、前記管固定部材52を前記支持軸42の軸線L方向で固定する固定手段70と、前記管固定部材52の前記管固定面53に、前記支持軸42の前記軸線Lと交差する方向に配置され、前記ロール紙Rの側面をガイドするフランジ80とを有することを特徴とするロール紙支持機構40。
【選択図】図2
【解決手段】ロール紙Rの中心である管5に挿通される支持軸42と、前記支持軸42の前記ロール紙Rの幅方向の両側に配置されるとともに、前記ロール紙Rを両側から位置決めするロール紙位置決め部材50と、前記ロール紙位置決め部材50を、前記支持軸42の軸線Lに沿って相反する方向に移動させる位置決め部材移動手段60とを備え、前記ロール紙位置決め部材50は、前記ロール紙R側に突出し前記管5に係合する円錐面を有する管固定面53が形成され、前記支持軸42に同軸上に配置される管固定部材52と、前記管固定部材52を前記支持軸42の軸線L方向で固定する固定手段70と、前記管固定部材52の前記管固定面53に、前記支持軸42の前記軸線Lと交差する方向に配置され、前記ロール紙Rの側面をガイドするフランジ80とを有することを特徴とするロール紙支持機構40。
【選択図】図2
Description
本発明は、ロール紙支持機構、及びそれを備えたプリンターに関する。
従来から、長尺の記録紙の印刷において、記録紙をロール状に巻いたロール紙をプリンター内に回転自在に収容し、このロール紙から記録紙を引き出して印刷するプリンターが知られている。ロール紙の収容方法としては、ロール紙をロール紙収容部に回転自在に投げ込み、記録紙の紙送りに従ってロール紙から記録紙を引き出す投げ込み方式のものがある(例えば、特許文献1参照)。または、ロール紙の巻き芯に支持軸を挿入し支持軸の両端を支持することによってロール紙を回転可能に支持する軸受け方式のものがある(例えば、特許文献2参照)。この種のロール紙収容方法では、ロール紙の幅方向をロール紙収納部の側壁でガイドしたり、支持軸の幅方向にフランジ等の位置決め部材を設けたりしてロール紙の幅方向の位置決めをしている。このように、ロール紙を位置決めすることで、記録紙の搬送位置ずれ等、記録紙搬送時のトラブルを抑制している。
近年、この種のプリンターの用途が拡大しており、記録紙の種類も多岐にわたる。例えば、記録される情報量の増加に対応して幅の広い記録紙からなるロール紙が適用されたり、ロール紙の交換頻度を低減させるため大径のロール紙が適用されたりしている。また、複数種の紙幅のロール紙を使用したいとの要望もある。さらには、ロール紙から引き出した記録紙を再度ロール紙に巻き取る動作が必要になる場合もある。例えば、記録紙の位置合わせのための逆送り等によって記録紙の弛みが大きくなった場合、記録紙をロール紙に再度巻き取ることが要望される。
しかしながら、幅の広い記録紙や大口径のロール紙では、ロール紙の重量が重くなる。上述の投げ込み方式では、ロール紙の回転負荷が大きくなったり、記録紙の残量によってロール紙の重量が変化したりして記録紙の供給負荷が変動する虞があった。上述の軸受け方式では、ロール紙が支持軸に対し回転自在になっているためロール紙の回転負荷は低減できるが、支持軸を介してロール紙を逆回転し記録紙をロール紙に再度巻き取ることができないため記録紙の弛みを除去できない。そのため、弛みに起因する記録紙の供給負荷が変動する虞があった。すなわち、記録紙の供給負荷の安定が困難であるという課題があった。
また、双方とも幅方向にロール紙が回転するためのスペースが必要になるため、ロール紙が幅方向でがたつく。そのため、ロール紙の幅方向の位置決めが困難であるという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)記録紙の幅とほぼ同等の長さを有する管を中心にロール状に巻かれた長尺の前記記録紙からなるロール紙を支持し、回転に伴って前記記録紙を供給するロール紙支持機構であって、前記ロール紙の中心である前記管に挿通される支持軸と、前記支持軸における前記ロール紙の幅方向の両側に配置されるとともに、前記ロール紙を両側から位置決めする一対のロール紙位置決め部材と、一対の前記ロール紙位置決め部材を、前記支持軸の軸線に沿って相反する方向に連動して移動させる位置決め部材移動手段と、を備え、前記ロール紙位置決め部材は、前記ロール紙側に突出し前記管の内径部分と係合する円錐面を有する管固定面が形成されるとともに、前記支持軸に対して同軸上に配置される管固定部材と、前記管固定部材を前記支持軸の軸線方向で固定する固定手段と、前記管固定部材の前記管固定面に、前記支持軸の前記軸線と交差する方向に配置され、前記ロール紙の側面をガイドする板状のフランジと、を有することを特徴とするロール紙支持機構。
この構成によれば、ロール紙支持機構は、ロール紙の管に挿通される支持軸に沿って互いに相反する方向に連動して移動可能な一対のロール紙位置決め部材によって、ロール紙の管を両側から挟み込んだ状態で支持軸の中央部分でロール紙を位置決めすることができる。また、ロール紙の記録紙部分の両面をフランジによってガイドすることができ、巻き取り、もしくは繰り出される記録紙部分がロール紙の幅方向にずれることを低減することができる。その結果、ロール紙を中央基準で位置決めすることできる。
また、このとき、ロール紙の管の両端の内径部分に、管固定部材の円錐面を有する管固定面が当接するため、押圧力を集中させることができる。その結果、強い力でロール紙の管を挟み込むことができる。そして、固定手段で管固定部材を支持軸に固定することによって支持軸とロール紙とを一緒に回転させることができる。そのため、記録紙の弛みの発生を低減させることができ、記録紙の供給負荷のばらつきを低減させることができる。
(適用例2)前記フランジは中央部分に中心に向かう少なくとも1つの突起部を有する穴部が形成され、前記フランジは、前記管固定部材の前記管固定面に形成された少なくとも1つの溝に、前記穴部の前記突起部が係合しながら前記軸線方向に移動可能に取り付けられるとともに、弾性部材によって前記ロール紙側に付勢されていることを特徴とする上記のロール紙支持機構。
この構成によれば、ロール紙位置決め部材により中央基準に固定されたロール紙から繰り出し、もしくは巻き取られる記録紙は、幅方向への動きをフランジで規制される。その結果、中央基準で安定して記録紙を繰り出し、もしくは巻き取ることができる。また、フランジは、軸線方向にスライド可能であり、ロール紙側に付勢されている。そのため、例えば、ロール紙の管の口径や長さのばらつきがあって管固定部材の管への侵入長さが異なっても、常に記録紙の端面にフランジを押し当てることができる。
(適用例3)前記位置決め部材移動手段は、前記支持軸内の設けられた2つのラックギアー及び2つの前記ラックギアーに係合し所定の位置で回転するピニオンギアーを有するラックピニオン機構であって、2つの前記ラックギアーのそれぞれは、一対の前記ロール紙位置決め部材の前記管固定部材のどちらか一方にそれぞれ連結されていることを特徴とする上記のロール紙支持機構。
この構成によれば、位置決め部材移動手段は、一対のロール紙位置決め部材の管固定部材のそれぞれを、支持軸の軸線に沿って相反する方向に連動して移動させることができる。そのため、ロール紙の管を、支持軸の中央部分で両側から均等な力で挟み込み位置決めすることができる。
(適用例4)前記固定手段は、一対の前記ロール紙位置決め部材のいずれか一方に設けられ、前記管固定部材の前記管固定面と反対側の面に軸線方向の内側の端面が固定されるとともに、前記支持軸の外周に装着され周方向に複数に分割されている内側分割筒体と、前記内側分割筒体の外周に装着される外側筒体と、を備え、前記外側筒体の内周面及び前記内側分割筒体の外周面のそれぞれには、両筒体の軸線方向の外側に向かうに従って径が小さくなるテーパ状のねじ面が設けられ、前記外側筒体及び前記内側分割筒体における前記ねじ面の傾きは、前記内側分割筒体を締め付けるように前記外側筒体を回したとき、前記外側筒体及び前記ロール紙位置決め部材が軸線方向の内側に向かう方向に移動するように設定されていることを特徴とする上記のロール紙支持機構。
この構成によれば、内側分割筒体を締め付けるように外側筒体を回すと、テーパ状のねじ面によって内側分割筒体は支持軸の外周面を締め付ける。そのため、内側分割筒体の内側に固定された管固定部材は支持軸に固定される。一対のロール紙位置決め部材はラックピニオン機構で連結されているため一方のロール紙位置決め部材を固定すると他方のロール紙位置決め部材も固定される。また。内側分割筒体と外側筒体の間にテーパ状のねじ面が形成されている。そのため、内側分割筒体を締め付けるときに外側筒体を支持軸の軸線方向の内側に移動させることができる。その結果、ロール紙位置決め部材を支持軸に固定するときにロール紙位置決め部材を更に内側に移動させロール紙を更に強く挟み込むことができる。
(適用例5)ロール紙から記録紙を繰り出して前記記録紙に情報を印刷するプリンターであって、前記記録紙を紙送りする紙送り機構と、紙送りされる前記記録紙に情報を印刷する印刷機構と、上記のロール紙支持機構と、前記紙送り機構に連動して前記ロール紙支持機構に支持される前記ロール紙を回転させ、前記記録紙を補助的に紙送りする補助紙送り機構と、を有することを特徴とするプリンター。
この構成によれば、ロール紙を印刷機構の中央に位置決めできるとともに、ロール紙から繰り出されたり巻き戻されたりする記録紙の幅方向のずれを低減することができる。また、ロール紙から繰り出される記録紙の供給負荷のばらつきを低減することができる。その結果、記録紙の安定走行を図ることができ、高印刷品位のプリンターを提供することができる。
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で参照する図面では、説明および図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
(プリンターの全体構成について)
まず、本発明を適用したプリンターの全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、プリンターの主要部を示す概略断面図である。なお、X方向は記録紙の紙搬送方向を示し、Y方向は、プリンターの高さ方向を、Z方向はX方向およびY方向と直交する方向を示す。
まず、本発明を適用したプリンターの全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、プリンターの主要部を示す概略断面図である。なお、X方向は記録紙の紙搬送方向を示し、Y方向は、プリンターの高さ方向を、Z方向はX方向およびY方向と直交する方向を示す。
プリンター10は、例えばインクジェットプリンターであり、長尺の記録紙Pをロール状にしたロール紙Rから記録紙Pを繰り出して記録紙Pに情報を印刷して発行する。本実施形態では、大径のロール紙Rを使用して、例えば物流や商流等の分野に使用される。
図1に示すように、プリンター10は、搬送経路15と印刷機構20と記録紙搬送機構25と補助紙送り機構30とロール紙支持機構40とを有し、これらの機構は外装ケース12に収納されている。外装ケース12には、1つの側面部に記録紙排出口14が形成されている。ロール紙支持機構40は、プリンター10の記録紙排出口14とは相反する後端部に配置され、ロール紙Rを支持するとともに記録紙Pをロール紙Rから繰り出したり巻き取ったりする。ロール紙支持機構40の詳細については後述する。
搬送経路15は、ロール紙支持機構40を始点として記録紙排出口14を終点として、ロール紙Rから繰り出される記録紙Pをプリンター10前方に向けて(X方向)搬送する経路である。
印刷機構20は、搬送経路15に沿って設けられており、印刷ヘッド22及びプラテン24を有している。印刷ヘッド22は、例えばインクを液滴として吐出するインクジェットヘッド等が好適に適用される。本実施形態では、搬送経路15の図1中のY方向上方にインクを液滴として吐出する図示しないノズルを搬送経路15側に向けて印刷ヘッド22が配置され、搬送経路15を挟んでY方向下方にプラテンが配置されている。
印刷機構20は、搬送経路15に沿って設けられており、印刷ヘッド22及びプラテン24を有している。印刷ヘッド22は、例えばインクを液滴として吐出するインクジェットヘッド等が好適に適用される。本実施形態では、搬送経路15の図1中のY方向上方にインクを液滴として吐出する図示しないノズルを搬送経路15側に向けて印刷ヘッド22が配置され、搬送経路15を挟んでY方向下方にプラテンが配置されている。
記録紙搬送機構25は、搬送経路15に沿って印刷機構20を挟んで配置される2対の紙送りローラー対27,29を有する。紙送りローラー対27,29は、それぞれ送りローラー27a,29aと押えローラー27b,29bとを有し、搬送経路15にて搬送される記録紙Pを挟持する。送りローラー27a,29aは、図示しない紙送りモーターから駆動力を得て回転する。そのため、送りローラー27a,29aと押えローラー27b,29bとに挟持される記録紙Pは搬送経路15に沿って搬送される。
補助紙送り機構30は、大径のロール紙Rを支持するロール紙支持機構40に適用され、ロール紙支持機構40に支持されるロール紙Rを、記録紙搬送機構25の紙搬送と同期して回転させ記録紙Pの繰り出しを補助する。または、記録紙Pの印刷位置調整に伴って逆送りされる記録紙Pの弛みを除去すべくロール紙Rを逆回転させ記録紙Pの弛みを除去する。補助紙送り機構30の詳細は後述する。
上述のプリンター10は、ロール紙支持機構40から補助紙送り機構30によって補助されるとともに記録紙搬送機構25によって搬送経路15に沿って搬送される記録紙Pに、印刷機構20によって情報を印刷し記録紙排出口14から発行する。
(ロール紙支持機構について)
次いで、ロール紙支持機構について図2〜図4を参照して説明する。図2は、ロール紙支持機構の主要部の構成を示す側面図である。図3は、ロール紙支持機構の断面図であり、詳しくは支持軸及びロック部材の縦断面図である。図4は、ロール紙位置決め部材を説明する図であり、(a)は、フランジ側からロール紙位置決め部材を見た図、(b)は、管固定部材および固定手段の断面図である。なお、図2〜図4に示すX方向、Y方向およびZ方向は、図1に示すX方向、Y方向およびZ方向と同一な方向を示す。
次いで、ロール紙支持機構について図2〜図4を参照して説明する。図2は、ロール紙支持機構の主要部の構成を示す側面図である。図3は、ロール紙支持機構の断面図であり、詳しくは支持軸及びロック部材の縦断面図である。図4は、ロール紙位置決め部材を説明する図であり、(a)は、フランジ側からロール紙位置決め部材を見た図、(b)は、管固定部材および固定手段の断面図である。なお、図2〜図4に示すX方向、Y方向およびZ方向は、図1に示すX方向、Y方向およびZ方向と同一な方向を示す。
図2および図3に示すように、ロール紙支持機構40は、支持軸42と、ロール紙位置決め部材50と、位置決め部材移動手段60と、固定手段70とを備える。また、本実施形態に適用されるロール紙R(図1参照)は、管としての筒状の巻き芯5を備えており、この巻き芯5の外周に記録紙Pが巻き付けられている。
図2に示すように、支持軸42は、所定の長さを有する円柱形状の中空軸であって、ロール紙Rの巻き芯5の内径部分が挿通される。支持軸42には、ロール紙Rを挟んで両側に後述する1対のロール紙位置決め部材50と、どちらか一方の外側に同じく後述する固定手段70とを同軸状に挿通状態で配置される。図3に示すように、支持軸42の外周面には、その軸線L方向に延びる2本のガイド溝43a,43bが形成されている。
図2に示すように、ロール紙位置決め部材50は、管固定部材52と、フランジ80とを有する。管固定部材52は、概略先端が切断された円錐形状を呈し、円錐面側は管固定面53を構成する。管固定面53の円錐面は、先端部分の外径(図2に示す寸法D1)がロール紙Rの巻き芯5の内径Dよりも小さく、且つ、後端部分の外径(図2に示す寸法D2)がロール紙Rの巻き芯5の内径Dよりも大きく形成されている。また、図4(a)に示すように、管固定面53には、先端部分から後端部分方向に向かって所定の幅を有する4つの溝部57(57a,57b,57c,57d)が形成されている。これらの溝部57(57a,57b,57c,57d)には後述するフランジ80が取り付けられる。
また、図3および図4に示すように管固定部材52は、その中心に、中心に向かって突出するガイド突起55a,55bを有する軸孔56を備えている。支持軸42に管固定部材52を取り付けると、支持軸42のガイド溝43aに管固定部材52のガイド突起55aが係合し、支持軸42のガイド溝43bに管固定部材52のガイド突起55bが係合する。これにより、管固定部材52は、支持軸42に対して軸線L方向にスライド可能で、且つ、支持軸42と一体で回転可能となる。
図4に示すように、フランジ80は、装着されるロール紙Rの最大径より若干大きな径を有する円板形状を呈し、中央部分に中心に向かう四角形形状の4つの突起部82(82a,82b,82c,82d)を有する穴部84が形成されている。フランジ80は、管固定部材52の円錐状の管固定面53に取り付けられる。フランジ80の穴部84と管固定部材52の円錐状の管固定面53とが係合する。このとき、管固定面53の4つの溝部57a,57b,57c,57dと、フランジ80の穴部84の4つの突起部82a,82b,82c,82dとは、互いに嵌め合わさる。
また、図4(b)に示すように、管固定面53の4つの溝部57の後端部分の度当り面58とフランジ80の突起部82部分の面との間には、弾性部材として、例えば圧縮コイルばね68が配置される。これにより、フランジ80は、圧縮コイルばね68により先端方向に付勢力を受けつつ支持軸42の軸線L方向にスライド可能となる。なお、フランジ80の脱落防止やスライド範囲の調整を目的として、管固定面53の溝部57の先端部分に図示しない留め具を取り付けてもよい。
図3に示すように、位置決め部材移動手段60は、支持軸42の内部に配置され、歯面を対向させて平行に配置した1対のラックギアー61,62と、ラックギアー61,62の間に配置されたピニオンギアー64を備えている。ラックギアー61,62は支持軸42の軸線L方向に延びており、ピニオンギアー64に両側から噛み合っている。支持軸42の内部には、ラックギアー61,62を軸線L方向に移動可能に保持する案内溝(図示省略)が形成されている。ピニオンギアー64を回転させると、案内溝に沿ってラックギアー61,62が逆向きに平行移動する。
ラックギアー61には、一端側にガイド溝43a内に突出するガイド突起66が形成されている。また、ラックギアー62には、ガイド溝43b内に突出するガイド突起67が形成されている。本実施形態では、一方の管固定部材52を支持軸42に取り付けると、ラックギアー61のガイド突起66が管固定部材52のガイド突起55aに係合する。また、他方の管固定部材52を支持軸42に取り付けると、ラックギアー62のガイド突起67が管固定部材52のガイド突起55bに係合する。
従って、1対の管固定部材52のいずれかを軸線L方向に移動させると、これに係合しているラックギアー61あるいはラックギアー62が移動してピニオンギアー64が回転する。そして、これに伴い、もう一方のラックギアー62あるいはラックギアー61およびこれに係合している管固定部材52が逆向きに同じ距離だけ移動する。本実施形態では、ピニオンギアー64が支持軸42の軸線L方向の中央の位置に配置されている。よって、管固定部材52は、その幅方向の中心と、支持軸42の軸線L方向の中央とが一致するように相反する方向に移動して位置決めされる。
図3に示すように、固定手段70は、ロール紙位置決め部材50(管固定部材52)を支持軸42の軸線L方向の任意の位置で固定する機能を有する。固定手段70は、支持軸42の外周に装着される内側分割筒体72と内側分割筒体72の外周に装着される外側筒体73とを備えている。外側筒体73は、管固定部材52における管固定面53の先端とは逆の側を向いた端面54に取り付けられている。管固定部材52の端面54には、周方向に延びる係合溝59が形成されている。一方、管固定部材52の端面54と軸線L方向に対向している外側筒体73の端面73aには、係合突起74が形成されている。
係合溝59と係合突起74を係合させると、管固定部材52に対して外側筒体73が同軸状に取り付けられる。係合溝59および係合突起74はL字状断面をしているため、外側筒体73と管固定部材52は支持軸42に沿って軸線L方向に一体となって移動する。また、係合突起74は係合溝59内を周方向に回動可能であるため、外側筒体73は周方向に回転可能である。
図4に示すように、内側分割筒体72は、支持軸42の外周面に沿って周方向に隙間を開けて装着された2つの分割筒体72A、72Bによって構成されている。なお、3つ以上の分割筒体によって内側分割筒体72を構成してもよい。固定手段70は、内側分割筒体72と外側筒体73との間に構成されるテーパねじ機構を備えている。すなわち、内側分割筒体72の外周面は、螺旋状のねじが形成されたねじ面75になっている。このねじ面75は、軸線L方向の一端側に向かうに従って径が増大するテーパ状のねじ面である。一方、外側筒体73の内周面は、ねじ面75と同じ傾きのテーパ状のねじ面76になっている。ねじ面76には、ねじ面75のねじ山に螺合する螺旋状の同モジュールのねじが形成されている。
すなわち、内側分割筒体72のねじ面75、および、外側筒体73のねじ面76の傾きは、外側筒体73の端面73a側(すなわち、管固定部材52に連結される端部側)に向かうに従ってねじ面75,76の径が拡大するように設定されている。このようにすると、外側筒体73を周方向に回して内側分割筒体72を締め付けたとき、外側筒体73が管固定部材52と共に支持軸42の中央方向に向かって移動する。固定手段70は、外側筒体73および内側分割筒体72を介して管固定部材52を支持軸42に対して軸線L方向に位置決めできると共に、固定開始時(締め付け開始時)よりも1対の管固定部材52を更に接近させることができるようになっている。
(補助紙送り機構について)
次いで、補助紙送り機構について、図2を参照して説明する。図2に示すように、補助紙送り機構30は、支持フレーム32と、駆動モーター34と、駆動力伝達機構36と、クラッチ機構38とを備えている。支持フレーム32は、プリンター10の外装ケース12内に設けられる。上述のロール紙支持機構40の支持軸42は、支持フレーム32に着脱可能に支持される。このとき、ロール紙支持機構40の支持軸42は、駆動力伝達機構36と係合できる。
次いで、補助紙送り機構について、図2を参照して説明する。図2に示すように、補助紙送り機構30は、支持フレーム32と、駆動モーター34と、駆動力伝達機構36と、クラッチ機構38とを備えている。支持フレーム32は、プリンター10の外装ケース12内に設けられる。上述のロール紙支持機構40の支持軸42は、支持フレーム32に着脱可能に支持される。このとき、ロール紙支持機構40の支持軸42は、駆動力伝達機構36と係合できる。
補助紙送り機構30において、駆動モーター34の駆動力は、クラッチ機構38を介して駆動力伝達機構36に伝わる。クラッチ機構38は、駆動モーター34と駆動力伝達機構36との間に配置され、駆動力伝達機構36による回転の方向を正・逆回転に切り替える機能を有する。そのため、補助紙送り機構30は、記録紙搬送機構25による記録紙Pの搬送に伴って、ロール紙支持機構40の支持軸42を正逆いすれの方向にも回転させることができる。
(ロール紙支持機構の動作について)
ここで、ロール紙支持機構の動作について図5を参照して説明する。図5は、ロール紙支持機構の動作の流れを示すフローチャートである。プリンター10においては、新たなロール紙Rをセットする場合、記録紙Pを使いきり新たなロール紙Rと交換する場合、または、異なる紙幅の記録紙Pを使うために異なる種類のロール紙Rと交換する場合等様々な場合が想定される。以下の説明では、説明を簡便にするため、新たなロール紙Rをセットする場合について説明する。
ここで、ロール紙支持機構の動作について図5を参照して説明する。図5は、ロール紙支持機構の動作の流れを示すフローチャートである。プリンター10においては、新たなロール紙Rをセットする場合、記録紙Pを使いきり新たなロール紙Rと交換する場合、または、異なる紙幅の記録紙Pを使うために異なる種類のロール紙Rと交換する場合等様々な場合が想定される。以下の説明では、説明を簡便にするため、新たなロール紙Rをセットする場合について説明する。
セット準備工程S1では、ロール紙支持機構40を、プリンター10に設けられた補助紙送り機構30の支持フレーム32から取り外す。そして、ロール紙支持機構40のどちらか一方のロール紙位置決め部材50を支持軸42から取り外す。このとき、固定手段70が設けられているロール紙位置決め部材50を取り外すことが好ましい。このとき、位置決め部材移動手段60のラックギアー62は、管固定部材52とともに引き抜いてもよいし、残しておいて再挿入のとき係合させてもよい。
ロール紙挿入工程S2では、新たなロール紙Rの巻き芯5の内径部分を支持軸42に嵌入させる。この時、支持軸42に装着状態の他方のロール紙位置決め部材50にロール紙Rの一方の端面を押し付ける。このとき、ロール紙Rの巻き芯5の内径は、他方の管固定部材52の円錐形状の管固定面53に当接する。また、ロール状の記録紙Pの端面は、フランジ80に当接する。
ロール紙仮位置決め工程S3では、取り外した一方のロール紙位置決め部材50を支持軸42に挿入する。このとき、支持軸42の外周面に設けられた2本のガイド溝43a,43bをガイドとする。そして、挿入されるロール紙位置決め部材50の管固定部材52の管固定面53と、支持軸42に仮セットされているロール紙Rの巻き芯5の内径とを当接させる。同時に、フランジ80をロール状の記録紙Pの端面に当接させる。この過程において、位置決め部材移動手段60の1対のラックギアー61,62と、ピニオンギアー64とは係合するため、一方の管固定部材52のロール紙R方向の移動に伴って、他方の管固定部材52は、近づく方向に移動する。このとき、位置決め部材移動手段60のピニオンギアー64は、幅方向の中心部分にあるため、紙幅方向中央を基準として互いに近接して仮位置決めされる。
ロール紙固定工程S4では、ロール紙仮位置決め工程S3で紙幅方向中央を基準として仮位置決めされたロール紙Rに対して、固定手段70を用いて微調および固定を行う。すなわち、固定手段70の外側筒体73を周方向に回して内側分割筒体72を支持軸42の外周に締め付ける。このとき、外側筒体73を周方向に回すと管固定部材52は外側筒体73とともに支持軸42の中央方向に向かって締め付け分だけ移動する。同時に他方の管固定部材52も支持軸42の中央方向に向かって同じ距離だけ移動する。そして、固定することができる。
セット工程S5では、新たなロール紙Rがセットされたロール紙支持機構40を、プリンター10に設けられた補助紙送り機構30の支持フレーム32に取り付ける。そして、記録紙Pを引出して、プリンター10の搬送経路15にセットする。
以下、本実施形態の効果を記載する。
(1)上述のロール紙支持機構40は、ロール紙Rの巻き芯5が挿通する支持軸42に沿って互いに相反する方向に連動して移動可能な1対のロール紙位置決め部材50によって、ロール紙Rの巻き芯5を両側から挟み込んだ状態で支持軸42の中央部分でロール紙Rを位置決めすることができる。このとき、ロール紙Rの巻き芯5の両端の内径部分に、管固定部材52の円錐面を有する管固定面53が食い込むように当接するため巻き芯5と管固定部材52とを確実に固定することができる。そのため、ロール紙R、すなわち記録紙Pの位置ずれを低減させることができる。その結果、プリンター10における記録紙Pの走行安定を図ることができ、印刷品質の向上に寄与することができる。
(1)上述のロール紙支持機構40は、ロール紙Rの巻き芯5が挿通する支持軸42に沿って互いに相反する方向に連動して移動可能な1対のロール紙位置決め部材50によって、ロール紙Rの巻き芯5を両側から挟み込んだ状態で支持軸42の中央部分でロール紙Rを位置決めすることができる。このとき、ロール紙Rの巻き芯5の両端の内径部分に、管固定部材52の円錐面を有する管固定面53が食い込むように当接するため巻き芯5と管固定部材52とを確実に固定することができる。そのため、ロール紙R、すなわち記録紙Pの位置ずれを低減させることができる。その結果、プリンター10における記録紙Pの走行安定を図ることができ、印刷品質の向上に寄与することができる。
(2)上述のロール紙支持機構40は、支持軸42の中央部分でロール紙Rを位置決めすることができる。そのため、異なった紙幅の記録紙Pから構成されたロール紙Rであっても中央部分で位置決めすることができる。
(3)上述のロール紙支持機構40は、ロール紙Rの記録紙P部分の両面をフランジ80によって押圧状態でガイドすることができる。そのため、記録紙P部分がロール紙Rの幅方向にずれることを低減することができる。
(4)上述のロール紙支持機構40は、固定手段70で管固定部材52を支持軸42に固定することができる。そのため、支持軸42とロール紙Rとを一緒に回転させることができる。その結果、記録紙Pの弛みの発生を低減させることができ、記録紙Pの供給負荷のばらつきを低減させることができる。
(5)上述のロール紙支持機構40において、フランジ80は、軸線L方向にスライド可能であり、ロール紙R側に付勢されている。その結果、例えば、ロール紙Rの巻き芯5の口径や長さのばらつきがあって管固定部材52の巻き芯5への侵入長さが異なっても、常に記録紙Pの端面にフランジ80を押し当てることができる。
(6)上述のロール紙支持機構40は、固定手段70の内側分割筒体72を締め付けるように外側筒体73を回すと、テーパ状のねじ面75,76によって内側分割筒体72は支持軸42の外周面を締め付ける。そのため、管固定部材52は支持軸42に固定される。このとき、1対のロール紙位置決め部材50はラックピニオン機構を有する位置決め部材移動手段60で連結されているため一方のロール紙位置決め部材50を固定すると他方のロール紙位置決め部材50も固定される。また。内側分割筒体72と外側筒体73の間にテーパ状のねじ面75,76によって、内側分割筒体72を締め付けるときに外側筒体73を支持軸42の軸線方向の内側に移動させることができる。その結果、ロール紙位置決め部材50を支持軸42に固定するときにロール紙位置決め部材50を更に内側に移動させロール紙Rを更に強く挟み込むことができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、上記実施例に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。
10…プリンター、15…搬送経路、20…印刷機構、22…印刷ヘッド、25…記録紙搬送機構、30…補助紙送り機構、40…ロール紙支持機構、42…支持軸、50…ロール紙位置決め部材、52…管固定部材、53…管固定面、60…位置決め部材移動手段、70…固定手段、72…内側分割筒体、73…外側筒体、80…フランジ、P…記録紙、R…ロール紙。
Claims (5)
- 記録紙の幅とほぼ同等の長さを有する管を中心にロール状に巻かれた長尺の前記記録紙からなるロール紙を支持し、回転に伴って前記記録紙を供給するロール紙支持機構であって、
前記ロール紙の中心である前記管に挿通される支持軸と、
前記支持軸における前記ロール紙の幅方向の両側に配置されるとともに、前記ロール紙を両側から位置決めする一対のロール紙位置決め部材と、
一対の前記ロール紙位置決め部材を、前記支持軸の軸線に沿って相反する方向に連動して移動させる位置決め部材移動手段と、を備え、
前記ロール紙位置決め部材は、
前記ロール紙側に突出し前記管の内径部分と係合する円錐面を有する管固定面が形成されるとともに、前記支持軸に対して同軸上に配置される管固定部材と、
前記管固定部材を前記支持軸の軸線方向で固定する固定手段と、
前記管固定部材の前記管固定面に、前記支持軸の前記軸線と交差する方向に配置され、前記ロール紙の側面をガイドする板状のフランジと、を有することを特徴とするロール紙支持機構。 - 前記フランジは中央部分に中心に向かう少なくとも1つの突起部を有する穴部が形成され、
前記フランジは、前記管固定部材の前記管固定面に形成された少なくとも1つの溝に、前記穴部の前記突起部が係合しながら前記軸線方向に移動可能に取り付けられるとともに、弾性部材によって前記ロール紙側に付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のロール紙支持機構。 - 前記位置決め部材移動手段は、前記支持軸内の設けられた2つのラックギアー及び2つの前記ラックギアーに係合し所定の位置で回転するピニオンギアーを有するラックピニオン機構であって、
2つの前記ラックギアーのそれぞれは、一対の前記ロール紙位置決め部材の前記管固定部材のどちらか一方にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のロール紙支持機構。 - 前記固定手段は、一対の前記ロール紙位置決め部材のいずれか一方に設けられ、
前記管固定部材の前記管固定面と反対側の面に軸線方向の内側の端面が固定されるとともに、前記支持軸の外周に装着され周方向に複数に分割されている内側分割筒体と、
前記内側分割筒体の外周に装着される外側筒体と、を備え、
前記外側筒体の内周面及び前記内側分割筒体の外周面のそれぞれには、両筒体の軸線方向の外側に向かうに従って径が小さくなるテーパ状のねじ面が設けられ、
前記外側筒体及び前記内側分割筒体における前記ねじ面の傾きは、前記内側分割筒体を締め付けるように前記外側筒体を回したとき、前記外側筒体及び前記ロール紙位置決め部材が軸線方向の内側に向かう方向に移動するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロール紙支持機構。 - ロール紙から記録紙を繰り出して前記記録紙に情報を印刷するプリンターであって、
前記記録紙を紙送りする紙送り機構と、
紙送りされる前記記録紙に情報を印刷する印刷機構と、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロール紙支持機構と、
前記紙送り機構に連動して前記ロール紙支持機構に支持される前記ロール紙を回転させ、前記記録紙を補助的に紙送りする補助紙送り機構と、を有することを特徴とするプリンター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012267978A JP2014114091A (ja) | 2012-12-07 | 2012-12-07 | ロール紙支持機構、及びプリンター |
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JP2012267978A JP2014114091A (ja) | 2012-12-07 | 2012-12-07 | ロール紙支持機構、及びプリンター |
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2019167218A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-03 | セイコーエプソン株式会社 | メディア支持装置及び記録装置 |
CN110869219A (zh) * | 2017-05-08 | 2020-03-06 | 大数据–奥尼尔公司 | 用于移动打印机的多尺寸介质夹持器组件 |
-
2012
- 2012-12-07 JP JP2012267978A patent/JP2014114091A/ja active Pending
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