JP2014113546A - 二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱エネルギー消費量を低減する。
【解決手段】本実施形態によれば、二酸化炭素回収装置は、二酸化炭素含有ガスが導入され、吸収液に二酸化炭素を吸収させる吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱して、前記吸収液から二酸化炭素を含有する蒸気を放散させる再生塔と、前記再生塔から前記吸収液を捕集して排出する捕集部と、前記捕集部から排出された前記吸収液を加熱して前記再生塔へ戻すリボイラと、前記蒸気に含有される二酸化炭素とエポキシドとの合成反応により生じる反応熱を用いて、前記捕集部から排出された前記吸収液を加熱し、前記再生塔へ戻す反応器と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法に関する。
近年、二酸化炭素の回収に関し、地球規模で懸念される地球温暖化問題に対する有効な対策として二酸化炭素回収貯留技術が注目されている。特に、火力発電所やプロセス排出ガスを対象に、二酸化炭素を水溶液により回収する手法が検討されている。
このような二酸化炭素回収装置として、二酸化炭素含有ガスを吸収液に吸収させてリッチ液を生成する吸収塔と、吸収塔から排出されたリッチ液を加熱することにより二酸化炭素を蒸気と共に放散させて分離し、生成されたリーン液を吸収塔に戻す再生塔と、再生塔に熱源を供給するリボイラとを備えた二酸化炭素回収装置が知られている。
上述した従来の二酸化炭素回収装置では、リッチ液を加熱して二酸化炭素を放出させるために、リボイラにおいて熱エネルギー(水蒸気)を大量に消費するという課題があった。
特開2004−323339号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱エネルギー消費量を低減できる二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法を提供することである。
本実施形態によれば、二酸化炭素回収装置は、二酸化炭素含有ガスが導入され、吸収液に二酸化炭素を吸収させる吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱して、前記吸収液から二酸化炭素を含有する蒸気を放散させる再生塔と、前記再生塔から前記吸収液を捕集して排出する捕集部と、前記捕集部から排出された前記吸収液を加熱して前記再生塔へ戻すリボイラと、前記蒸気に含有される二酸化炭素とエポキシドとの合成反応により生じる反応熱を用いて、前記捕集部から排出された前記吸収液を加熱し、前記再生塔へ戻す反応器と、を備える。
本実施形態に係る二酸化炭素回収装置の概略構成図である。 本実施形態における反応器で得られる最高温度と反応圧力との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に本実施形態に係る二酸化炭素回収装置の概略構成を示す。二酸化炭素回収装置は、主要な構成要素として、吸収塔10、第1熱交換器20、再生塔30、冷却器40、気液分離機50、混合器60、リボイラ70、反応器80、及び第2熱交換器90を備えている。
吸収塔10において、二酸化炭素含有ガス110が導入され、二酸化炭素を吸収する吸収液と接触し、二酸化炭素を吸収したリッチ液202が生成される。
ここで吸収塔10は、例えば向流型気液接触装置から成り、下部から供給された二酸化炭素含有ガス110を、上部から流下するリーン液200と気液接触させるように構成されている。
吸収塔10に供給される二酸化炭素含有ガス110は特に限定されるものではないが、例えば燃焼排ガスやプロセス排ガス等であってもよく、必要に応じて冷却処理後に導入してもよい。
また吸収液は特に限定されるものではなく、例えばアミン系水溶液を用いることができる。吸収塔10で二酸化炭素が除去された脱二酸化炭素ガス120は、吸収塔10の上部から排出される。
吸収塔10から排出されたリッチ液202は、第1熱交換器20に導入され、後述する高温リーン液206によって所望の温度まで加熱される。第1熱交換器20において加熱されたリッチ液204は再生塔30に供給される。
再生塔30では、リッチ液204が加熱されることにより大部分の二酸化炭素が蒸気と共に放散されて分離し上部から二酸化炭素含有蒸気130として排出される。リッチ液204は、二酸化炭素を放出した後、吸収液コレクタ32に集められ、高温セミリーン液210として、リボイラ70及び反応器80に供給される。
リボイラ70に供給された高温セミリーン液210は水蒸気で加熱され、水蒸気と二酸化炭素を発生させ、水蒸気、二酸化炭素、及び高温リーン液が混合された混合流体214となる。
同様に、反応器80に供給された高温セミリーン液210は、後述する二酸化炭素及び高温エチレンオキサイドが混合された高温混合ガス180が炭酸エチレンに変化する(以下の反応式1参照)反応熱により加熱され、水蒸気と二酸化炭素を発生させ、水蒸気、二酸化炭素、及び高温リーン液が混合された混合流体214となる。
(反応式1)CO+CO→C
反応器80は、例えばスパイラル状(渦巻状)の2つの流路を持つスパイラル式熱交換器を有しており、一方の流路には触媒が設けられており、高温混合ガス180が供給され、他方の流路には高温セミリーン液210が供給される。高温セミリーン液210は、スパイラル式熱交換器内を流れていく際に、高温混合ガス180から炭酸エチレンへの変化に伴い発生する反応熱により加熱される。
混合流体214は再生塔30の下部に供給され、水蒸気及び二酸化炭素の混合ガスと、高温リーン液206とに分離される。
分離した高温リーン液206は、再生塔30の下部から排出され、第1熱交換器20においてリッチ液202と熱交換する。第1熱交換器20において冷却されたリーン液200は吸収塔10に戻される。
一方、再生塔30にて分離した混合ガスは、再生塔30内を上昇し、再生塔30に供給されたリッチ液204を加熱する。
再生塔30から放出された二酸化炭素含有蒸気130は冷却器40で冷却され、水蒸気が凝縮し、二相流140となって気液分離器50に供給される。気液分離器50で二相流140はCOガス(主成分)150と凝縮水(主成分)208とに分離される。凝縮水208は再生塔30へ還流される。COガス150は混合器60に供給される。
混合器60には酸化エチレン160が供給されており、気液分離機50から供給されたCOガス150と酸化エチレン160とが体積比1:1(化学量論比)で混合され、混合ガス170が排出される。COガス150の流量をモニタし、体積比が1:1となるように酸化エチレン160の供給量を調整する流量調整部を設けてもよい。
混合器60から排出された混合ガス170は、第2熱交換器90に供給され、高温炭酸エチレン212と熱交換した後、高温混合ガス180として反応器80に供給される。
高温混合ガス180は反応器80内で上述の反応式1により炭酸エチレンに変化する。未反応の高温混合ガス190と高温炭酸エチレン212は反応器80から放出される。高温炭酸エチレン212は第2熱交換器90に供給され、熱交換により冷却された後、低温炭酸エチレン216として放出される。低温炭酸エチレン216は融点(34〜37℃)より高い40℃以上となるように制御し、液体として移動させる。
未反応高温混合ガス190は、第2熱交換器90から放出される高温混合ガス180と混合して反応器80へ戻すことが好ましい。
このように、本実施形態によれば、高温セミリーン液210の一部をリボイラ70でなく、反応器80における化学反応で生じる反応熱により加熱し、再生塔30に熱エネルギーを供給することができる。そのため、リボイラ70に必要な水蒸気量を低減し、熱エネルギー消費量を低減することができる。
例えば、反応器80で発生する反応熱で再生塔30へ約2.6GJ/t−COの熱エネルギーを供給することができる。通常、アミン吸収液の再生に必要なエネルギーは3〜4−4GJ/t−COであり、リボイラ70に必要な水蒸気量を低減できる。
また、気液分離器50で分離されたCOガス150は、反応器80における化学反応により液体の炭酸エチレンとなり、再利用/固定できる。このことにより、COガス150を液体COとして輸送する場合に必要となる圧縮動力(通常50〜100気圧)が不要となる。
上述の反応式1で示した化学反応は、生成した炭酸エチレンが液化することで気相が非平衡となることにより反応が進行する。従って、炭酸エチレンの飽和蒸気圧と平衡蒸気圧とが等しい温度以上では反応が停止する。そのため、反応器80で得られる最高温度は反応圧力に依存し、図2に示すように、100kPaで133℃、125kPaで138℃、150kPaで142℃、175kPaで146℃、200kPaで149℃である。なお、酸化エチレン160の供給温度は100kPaで10℃、150kPaで20℃、200kPaで30℃以上である。
反応器80で得られる最高温度T(℃)と反応圧力P(kPa)との関係式は以下の数式1で近似することができる。
Figure 2014113546
上記の数式1で定まる最高温度Tを超えないように、リボイラ70及び反応器80への高温セミリーン液210の分流量を調整する分流部を設けることが好ましい。
吸収液のアミンとしては、MEA、MDEA、DEA、AMP等のアミノアルコール、PZ等の環状アミン、アミノ酸のアルカリ金属塩およびその混合物を使用することができる。アミン液の種類によって適した最高温度及び反応圧力を実現することが好ましい。
なお、上記実施形態において、酸化エチレン160の代わりに、酸化プロピレン等の酸化炭化水素(エポキシド)を用いてもよい。
また、COガスと酸化エチレンの体積比を、化学量論比よりCOを多く(1〜1.1)して未反応の酸化エチレンが生じないようにしてもよい。この場合、未反応のCOは再生塔30及び気液分離機50を経て混合器60へ再循環される。
図1には示していないが、冷却器、ポンプ、緩衝タンク等を設けて、リーン液200の温度や流量を制御することができる。また、リッチ液202及び高温リーン液206は、ポンプによって流量制御が行われる。
また、気液分離機50で分離されたCOガス150から不純物(例えば水)を除去する除去装置を設け、炭酸エチレンと水が混合することを防止するようにしてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、二酸化炭素回収装置における熱エネルギー消費量を低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 吸収塔
20 第1熱交換器
30 再生塔
40 冷却器
50 気液分離機
60 混合器
70 リボイラ
80 反応器
90 第2熱交換器

Claims (8)

  1. 二酸化炭素含有ガスが導入され、吸収液に二酸化炭素を吸収させる吸収塔と、
    二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱して、前記吸収液から二酸化炭素を含有する蒸気を放散させる再生塔と、
    前記再生塔から前記吸収液を捕集して排出する捕集部と、
    前記捕集部から排出された前記吸収液を加熱して前記再生塔へ戻すリボイラと、
    前記蒸気に含有される二酸化炭素とエポキシドとの合成反応により生じる反応熱を用いて、前記捕集部から排出された前記吸収液を加熱し、前記再生塔へ戻す反応器と、
    を備える二酸化炭素回収装置。
  2. 前記合成反応により生成される環状炭酸塩を熱源として、前記反応器に供給される二酸化炭素及びエポキシドの混合ガスを加熱する熱交換器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素回収装置。
  3. 前記熱交換器から排出される前記環状炭酸塩は液体であることを特徴とする請求項2に記載の二酸化炭素回収装置。
  4. 前記反応器から前記再生塔へ未反応の二酸化炭素が供給されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二酸化炭素回収装置。
  5. 前記捕集部から排出された前記吸収液を分流して前記リボイラ及び前記反応器へ供給し、前記反応器の温度に基づいて分流比を調整する分流部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素回収装置。
  6. 二酸化炭素含有ガスを導入し、吸収液に二酸化炭素を吸収させる工程と、
    再生塔において、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱して、前記吸収液から二酸化炭素を含有する蒸気を放散させる工程と、
    前記蒸気が放散された吸収液をリボイラで加熱し、前記再生塔へ戻す工程と、
    前記蒸気に含有される二酸化炭素とエポキシドとの合成反応により生じる反応熱を用いて、前記蒸気が放散された吸収液を加熱し、前記再生塔へ戻す工程と、
    を備える二酸化炭素回収方法。
  7. 前記合成反応により生成される環状炭酸塩を熱源として、前記蒸気に含有される二酸化炭素とエポキシドとの混合ガスを加熱する工程をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の二酸化炭素回収方法。
  8. 前記混合ガス加熱後の前記環状炭酸塩は液体であることを特徴とする請求項7に記載の二酸化炭素回収方法。
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