JP2022067388A - ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法 - Google Patents

ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない反応塔で二酸化炭素を回収することができる、二酸化炭素の回収方法を提供する。【解決手段】吸収兼再生塔11に、ガス状二酸化炭素供給源1と、二酸化炭素リーン吸収液4と、を供給し、該吸収兼再生塔内で、該ガス状二酸化炭素供給源を該二酸化炭素リーン吸収液に接触させることにより、該ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素5を、該二酸化炭素リーン吸収液に反応吸収させ、二酸化炭素リッチ吸収液3を得る吸収工程と、該吸収兼再生塔に、該二酸化炭素リッチ吸収液を供給し、該吸収兼再生塔内で、該二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することにより、該二酸化炭素リッチ吸収液から二酸化炭素を脱離させ、二酸化炭素を回収すると共に、アミン化合物からなる該二酸化炭素リーン吸収液を得る再生工程と、からなり、該吸収工程と該再生工程とを、交互に繰り返す二酸化炭素の回収方法。【選択図】図1

Description

本発明は、低圧のガス状二酸化炭素供給源から二酸化炭素を回収するための回収方法に関する。
近年の地球温暖化に対する二酸化炭素の排出量の削減の要求に伴い、発電所、製鉄所、セメント工場、製油所、化学工場等にある高炉、石灰炉、加熱炉、反応炉、ボイラー等の装置から排出されるガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素又は大気中の二酸化炭素を分離・回収する方法がある。
ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素を回収する代表的な方法としては、ガス状二酸化炭素供給源をアルカノール(アミン化合物)の水溶液からなる吸収剤に接触させて、吸収・反応させることにより、二酸化炭素が吸収剤と反応した二酸化炭素リッチの吸収液を得る吸収工程と、吸収工程を行い得られる二酸化炭素リッチの吸収液から二酸化炭素を脱離させて二酸化炭素を得ると共に、吸収剤を再生する再生工程と、を行う方法が挙げられる。
このようなガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法としては、引用文献1には、冷却塔、吸収塔再生塔を備えた二酸化炭素回収装置を用い、ガス状二酸化炭素供給源を前記冷却塔に供給して冷却する工程と、冷却されたガス状二酸化炭素供給源を前記吸収塔に供給し、前記再生塔から供給された再生吸収液と接触させてそのガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素を再生吸収液に吸収する工程と、前記吸収塔の底部に貯留された二酸化炭素吸収溶液を前記再生塔から供給された再生吸収液と熱交換して加熱した後、前記再生塔に供給すると共に、この再生塔底部を飽和蒸気を用いて加熱して前記二酸化炭素吸収溶液を二酸化炭素と再生吸収液に分離し、二酸化炭素を前記再生塔から排出、回収する工程とを含むガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素回収プロセスにおいて、温水戻り水を、前記熱交換後の再生吸収液との熱交換、前記再生塔から排気された二酸化炭素との熱交換、および前記再生塔底部を加熱した後の飽和水との熱交換、のいずれかまたは2つ以上の組み合わせにより加熱して温水を得ることを特徴とする連続式吸収法である二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法が開示されている。
また、引用文献2には、ガス状二酸化炭素供給源をCO吸収塔に導入するガス状二酸化炭素供給源導入口と、ガス状二酸化炭素供給源をCO吸収塔から排出するガス状二酸化炭素供給源排出口と、アミン化合物含有吸収液をCO吸収塔に導入する吸収液導入口と、アミン化合物含有吸収液をCO吸収塔から排出する吸収液排出口と、螺旋状多孔翼を有する静止型混合器である充填物とを備えるCO吸収塔内において、COを含んだガス状二酸化炭素供給源とアミン化合物含有吸収液とを充填物にて向流または並流で接触させて、ガス状二酸化炭素供給源中に含まれるCOをアミン化合物含有吸収液に反応吸収させる第1工程であって、ガス状二酸化炭素供給源がガス状二酸化炭素供給源導入口からガス状二酸化炭素供給源排出口に流れ且つアミン化合物含有吸収液が吸収液導入口から吸収液排出口に流れる第1工程と、吸収液導入口から吸収液排出口に向かうアミン化合物含有吸収液の流れ方向において充填物の下流側の位置にてCO吸収塔からアミン化合物含有吸収液の一部を回収し、回収したアミン化合物含有吸収液を冷却し、冷却したアミン化合物含有吸収液を該アミン化合物含有吸収液の流れ方向において充填物の上流側の位置にてCO吸収塔に供給する第2工程、及び、ガス状二酸化炭素供給源導入口からガス状二酸化炭素供給源排出口に向かうガス状二酸化炭素供給源の流れ方向において充填物の下流側の位置にてCO吸収塔に液体を供給してガス状二酸化炭素供給源と接触させ、ガス状二酸化炭素供給源と接触した液体を回収し、回収した液体を冷却する第3工程よりなる群から選択される少なくとも一つの工程とを含むことを特徴とする、二酸化炭素吸収方法と、アミン化合物含有吸収液をCO放散塔に導入する吸収液導入口と、アミン化合物含有吸収液をCO放散塔から排出する吸収液排出口と、蒸気をCO放散塔に導入する蒸気導入口と、COをCO放散塔から排出するCO排出口と、螺旋状多孔翼を有する静止型混合器である充填物とを備えるCO放散塔内において、COを含んだアミン化合物含有吸収液と蒸気とを充填物にて向流で接触させてアミン化合物含有吸収液からCOを放散させ、アミン化合物含有吸収液を再生すると共にCOを回収する第1工程であって、アミン化合物含有吸収液が吸収液導入口から吸収液排出口に流れ且つ蒸気が蒸気導入口からCO排出口に流れる第1工程と、吸収液導入口から吸収液排出口に向かうアミン化合物含有吸収液の流れ方向において充填物の下流側の位置にてCO放散塔からアミン化合物含有吸収液の一部を回収し、回収したアミン化合物含有吸収液を加熱し、加熱したアミン化合物含有吸収液を該アミン化合物含有吸収液の流れ方向において充填物の下流側の位置にてCO放散塔に供給する第2工程、及び、前記アミン化合物含有吸収液の流れ方向において充填物の下流側の位置にてCO放散塔からアミン化合物含有吸収液の一部を回収し、回収したアミン化合物含有吸収液を加熱して蒸気を生成し、該蒸気を前記蒸気導入口からCO放散塔に供給する第3工程よりなる群から選択される少なくとも一つの工程とを含むことを特徴とする、アミン化合物含有吸収液再生方法と、を同時に行う連続式吸収法である二酸化炭素回収プロセスが開示されている。
特開2003-225537号公報 国際公開第2018/190104号
上記特許文献1及び特許文献2では、二酸化炭素の吸収工程と二酸化炭素の脱離工程と、を同時に連続で行うことにより、ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収が行われている。
ところが、工場の運転によっては、例えば、昼間のみ運転し、夜間は停止する設備の場合、夜間は、ガス状二酸化炭素供給源が排出されないので、二酸化回収装置を停止しなければならず、稼働率が低い運転となる。あるいは、工場のガス状二酸化炭素供給源からの二酸化炭素の回収を段階的に進めて、状況に応じて処理量を増加させたい場合がある。また、ガス状二酸化炭素供給源が低圧のために、回収設備として大型の機器が並ぶことになり、既に、工場敷地が埋まっていて、回収設備の機器の全てを設置する余裕がない場合が予想される。
従って、本発明の目的は、低圧のガス状二酸化炭素供給源からの二酸化炭素の回収方法であり、設備の敷地面積を少なくすることができるガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
すなわち、本発明(1)は、吸収兼再生塔に、二酸化炭素を含有するガス状二酸化炭素供給源と、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽内の二酸化炭素リーン吸収液と、を供給し、該吸収兼再生塔内で、該ガス状二酸化炭素供給源を該二酸化炭素リーン吸収液に接触させることにより、該ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素を、該二酸化炭素リーン吸収液に吸収させ、二酸化炭素リッチ吸収液を得、次いで、該二酸化炭素リッチ吸収液を、二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽に送液して貯留する吸収工程と、
該吸収兼再生塔に、該二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽内の該二酸化炭素リッチ吸収液を供給し、該吸収兼再生塔内で、該二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することにより、該二酸化炭素リッチ吸収液から二酸化炭素を脱離させ、該二酸化炭素リーン吸収液を得、次いで、脱離した二酸化炭素を回収すると共に、該二酸化炭素リーン吸収液を、該二酸化炭素リーン吸収液貯留槽に送液して貯留する再生工程と、
からなり、
該二酸化炭素リーン吸収液及び該二酸化炭素リッチ吸収液は、吸収剤を含有する吸収液であること、
該吸収工程と該再生工程とを、交互に繰り返すこと、
該ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素濃度が50.0容積%以下であり、該ガス状二酸化炭素供給源の圧力が90~300kPaであること、
を特徴とするガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記吸収剤がアミン系化合物であることを特徴とする(1)のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記吸収工程において、前記吸収兼再生塔内で、前記ガス状二酸化炭素供給源を上向流で流し、且つ、前記二酸化炭素リーン吸収液を下向流で流すことにより、前記二酸化炭素リーン吸収液と前記ガス状二酸化炭素供給源を向流で接触させることを特徴とする(1)又は(2)のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記再生工程において、前記吸収兼再生塔の底部に溜まっている前記二酸化炭素リーン吸収液を加熱して、前記吸収兼再生塔内で、飽和温度の吸収液の蒸気の上向流を生じさせて、前記吸収兼再生塔内を加熱し、且つ、前記二酸化炭素リッチ吸収液を下向流で流すことにより、前記二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することを特徴とする(1)~(3)いずれかのガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供するものである。
また、本発明(5)は、前記吸収工程における二酸化炭素の吸収率を25~95%とすることを特徴とする(1)~(4)いずれかのガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供するものである。
また、本発明(6)は、前記吸収工程と前記再生工程とを、自動制御システムにより繰り返すことを特徴とする(1)~(5)いずれか1項記載のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供するものである。
本発明によれば、低圧のガス状二酸化炭素供給源からの二酸化炭素の回収方法であり、設備の敷地面積を少なくすることができるガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を提供することができる。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法の形態例を行うための二酸化炭素の回収装置の模式的なフロー図である。 図1中の二酸化炭素の回収装置を用い行う吸収工程の形態例を示す図である。 図1中の二酸化炭素の回収装置を用い行う再生工程前の吸収兼再生塔の昇温操作の形態例を示す図である。 図1中の二酸化炭素の回収装置を用い行う再生工程の形態例を示す図である。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法について、図1~図4を参照して説明する。図1は、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法の形態例を行うための二酸化炭素の回収装置の模式的なフロー図である。図2は、図1中の二酸化炭素の回収装置を用い行う吸収工程の形態例を示す図である。図3は、図1中の二酸化炭素の回収装置を用い行う再生工程前の吸収兼再生塔の昇温操作の形態例を示す図である。図4は、図1中の二酸化炭素の回収装置を用い行う再生工程の形態例を示す図である。
図1中、二酸化炭素の回収装置10は、
吸収工程と再生工程が交互に行われ、内部に接触機構12が設置されている吸収兼再生塔11と、
吸収工程を行い得られる二酸化炭素リッチ吸収液3を貯留するための二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽13と、
二酸化炭素リーン吸収液4を貯留するための二酸化炭素リーン吸収液貯留槽14と、
一端が二酸化炭素リーン吸収液貯留槽14に繋がり、他端が吸収兼再生塔11の上部に繋がる塔上部供給管21と、
塔上部供給管21の塔上部の手前に付設される吸収液冷却器19と、
一端が吸収兼再生塔11の底部に繋がり、他端が二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽13に繋がる塔底部排出管22と、
塔底部排出管22から分岐し、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽14に繋がる二酸化炭素リーン吸収液送液用分岐管23と、
一端が二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽13に繋がり、他端が塔上部供給管21の途中に繋がる二酸化炭素リッチ吸収液送出管24と、
塔底部排出管22の塔底部近傍から分岐し、塔下部に繋がる塔底部加熱用分岐管25と、
塔底部加熱用分岐管25に付設されるリボイラ16と、
吸収兼再生塔11の下部に繋がり、ガス状二酸化炭素供給源1を吸収兼再生塔11に供給するためのガス状二酸化炭素供給源供給管27と、
吸収兼再生塔11の塔頂に繋がり、吸収兼再生塔11から、処理排ガス2又は二酸化炭素5を排出するための塔頂ガス排出管28と、
塔頂ガス排出管28から分岐し、二酸化炭素5を回収するための二酸化炭素抜出管29と、
二酸化炭素抜出管29に付設される二酸化炭素冷却器17と、
二酸化炭素抜出管29の二酸化炭素冷却器17より後段に付設される気液分離器18と、
一端が気液分離器18の液回収部に繋がり、他端が塔上部に繋がる冷却液返送管26と、
塔底部排出管22から分岐し、塔上部供給管21の途中に繋がる連絡管301と、
吸収液冷却器19より前段の塔上部供給管21から分岐し、吸収液冷却器19より後段の塔上部供給管21に繋がるバイパス管302と、
塔底部排出管22と塔上部供給管21内の交差位置に設けられ、塔底部排出管22内の液体と塔上部供給管21内の液体との間で熱交換を行うための熱交換器15と、
を有する。
また、二酸化炭素リッチ吸収液送出管24が繋がる位置より前段の塔上部供給管21、二酸化炭素リッチ吸収液送出管24が繋がる位置より後段且つ連結管301が繋がる位置より前段の塔上部供給管21、連結管302が分岐する位置より後段且つ吸収液冷却器の前段の塔上部供給管21、二酸化炭素リーン吸収液送液用分岐管23が分岐する位置より後段の塔底部排出管22、二酸化炭素リーン吸収液送液用分岐管23、二酸化炭素リッチ吸収液送出管24、冷却液返送管26、ガス状二酸化炭素供給源供給管27、二酸化炭素抜出管29が分岐する位置より後段の塔頂ガス排出管28、二酸化炭素抜出管29、連絡管301、バイパス管302には、それぞれ、弁31、弁41、弁43、弁32、弁33、弁34、弁36、弁37、弁38、弁39、弁40、弁42が付設されている。
なお、図示しないが、塔上部供給管21、塔底部排出管22、二酸化炭素リーン吸収液送液用分岐管23、二酸化炭素リッチ吸収液送出管24、塔底部加熱用分岐管25、冷却液返送管26には、液を送液するための送液ポンプが付設されている。また、自動制御システムにより、二酸化炭素の回収装置10を運転制御する場合には、自動制御用の電子計算機が設置され、該電子計算機は、運転プログラム、各種機器の制御プログラムを有しており、弁、各種センサー、ポンプ等に、それらからの信号の入力及びそれらへの信号の出力が可能に、接続されている。
次に、図2~図4を用いて、二酸化炭素の回収装置10により行う本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法の形態例について、説明する。以下に用いる二酸化炭素リーン吸収液4及び二酸化炭素リッチ吸収液3としては、吸収剤を含有する吸収の水溶液が挙げられる。
先ず、図2を用いて、二酸化炭素の回収装置10により行われる吸収工程の形態例を説明する。弁31を開、弁41を開、弁32を開、弁33を閉、弁34を閉、弁36を開、弁37を開、弁38を開、弁39を閉、弁40を閉、弁42を閉、弁43を開、弁44を閉として、図2中、太線で示すように、吸収兼再生塔11の下部に、ガス状二酸化炭素供給源供給管27よりガス状二酸化炭素供給源1を供給しつつ、吸収兼再生塔11の上部に、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽14内の二酸化炭素リーン吸収液4を、塔上部供給管21を経て供給して、吸収兼再生塔11内で、ガス状二酸化炭素供給源1を上向流で流し、且つ、二酸化炭素リーン吸収液4を下向流で流すことにより、吸収兼再生塔11内で、ガス状二酸化炭素供給源1と二酸化炭素リーン吸収液4とを向流で接触させる。そして、このとき、ガス状二酸化炭素供給源1中の二酸化炭素と、二酸化炭素リーン吸収液4中の吸収剤とが反応して、二酸化炭素リーン吸収液4に二酸化炭素が反応吸収され、二酸化炭素リッチ吸収液3が生成し、吸収兼再生塔11の底部に、二酸化炭素リッチ吸収液3が溜まる。次いで、吸収兼再生塔11の底部に溜まった二酸化炭素リッチ吸収液3を、塔底部排出管22を経て二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽13に送液し、貯留する。このようにして、二酸化炭素の回収装置10を用いて、吸収工程を所定の時間行う。
次いで、図3を用いて、二酸化炭素の回収装置10により行われる再生工程前の吸収兼再生塔の昇温操作を説明する。図3中、先ず、弁31を開、弁41を開、弁32を開、弁33を閉、弁34を閉、弁36を開、弁37を閉、弁38を閉、弁39を開、弁40を開、弁42を開、弁43を閉、弁44を開として、図3中、太線で示すように、吸収兼再生塔11の塔上部に、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽14内の二酸化炭素リーン吸収液4を、塔上部供給管21、バイパス管302及び塔上部供給管21を経て供給しつつ、図3中、太線で示すように、塔底部排出管22経て塔底部加熱用分岐管25より、塔底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液4の一部を抜出し、水蒸気45をリボイラ16に送り、リボイラ16で二酸化炭素リーン吸収液4を加熱し、加熱した二酸化炭素リーン吸収液4を吸収兼再生塔11の下部に返送することを繰り返して、塔底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液4を加熱し、同時に、塔底部の加熱された二酸化炭素リーン吸収液4を、塔底部排出管22、連絡管301、塔上部供給管21、バイパス管302及び塔上部供給管21を経て、吸収兼再生塔11の塔上部に供給する。このことにより、二酸化炭素リーン吸収液4が加熱されて、塔底部の吸収液は、飽和温度の吸収液となり、飽和温度の吸収液の蒸気の上向流が生じ、吸収兼吸収塔11内の加熱が開始される。
次に、二酸化炭素リッチ吸収液3置換操作を説明する。弁31を閉、弁41を開、弁32を閉、弁33を開、弁34を開、弁36を開、弁37を閉、弁38を閉、弁39を開、弁40を閉、弁42を開、弁43を閉、弁44を開として、吸収兼再生塔11の塔上部に、二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽13内の二酸化炭素リッチ吸収液3を、二酸化炭素リッチ吸収液送出管24、塔上部供給管21、バイパス管302及び塔上部供給管21を経て、吸収兼再生塔11の塔上部に供給する。このことにより、二酸化炭素リーン吸収液4から二酸化炭素リッチ吸収液3への置換が完了する。
次いで、図4を用いて、二酸化炭素の回収装置10により行われる再生工程を説明する。図4中、弁31を閉、弁41を開、弁32を閉、弁33を開、弁34を開、弁36を開、弁37を閉、弁38を閉、弁39を開、弁40を閉、弁42を開、弁43を閉、弁44を開として、図4中、太線で示すように、吸収兼再生塔11の底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液4を、塔底部加熱用分岐管25から一部抜き出して、リボイラ16で加熱し、加熱した二酸化炭素リーン吸収液4を塔底部に戻して、吸収兼再生塔11の底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液4を加熱することにより、飽和温度の吸収液の蒸気の上向流を生じさて、吸収兼再生塔11内を加熱しつつ、吸収兼再生塔11の上部に、二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽13内の二酸化炭素リッチ吸収液3を、二酸化炭素リッチ吸収液送出管34、塔上部供給管21、バイパス管302及び塔上部供給管21を経て供給して、二酸化炭素リッチ吸収液3を下向流で流すことにより、吸収兼再生塔11内で、二酸化炭素リッチ吸収液3を加熱する。そして、このとき、二酸化炭素リッチ吸収液3から二酸化炭素が脱離し、二酸化炭素リーン吸収液4が生成し、吸収兼再生塔11の底部に、二酸化炭素リーン吸収液4が溜まる。次いで、脱離した二酸化炭素5を塔頂ガス排出管28及び二酸化炭素抜出管29を経て回収すると共に、吸収兼再生塔11の底部に溜まった二酸化炭素リーン吸収液4の一部を、塔底部排出管22及び二酸化炭素リーン吸収液送液用分岐管23を経て二酸化炭素リーン吸収液貯留槽14に送液し、貯留する。また、吸収兼再生塔11から排出される二酸化炭素5には、水蒸気及び微量の吸収剤が含まれているので、二酸化炭素冷却器17で吸収兼再生塔11から排出される二酸化炭素5、水蒸気及び吸収剤を冷却し、凝縮した水及び吸収剤を、気液分離器18で分離して、気液分離後の二酸化炭素5を回収する。気液分離器18で分離された水及び吸収剤は、冷却液返送管26を経て、塔上部に返送される。このようにして、二酸化炭素の回収装置10を用いて再生工程を所定の時間行う。
以降は、上記の吸収工程と再生工程とを繰り返し行うことにより、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法の形態例を行う。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法は、吸収兼再生塔に、二酸化炭素を含有するガス状二酸化炭素供給源と、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽内の二酸化炭素リーン吸収液と、を供給し、該吸収兼再生塔内で、該ガス状二酸化炭素供給源を該二酸化炭素リーン吸収液に接触させることにより、該ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素を、該二酸化炭素リーン吸収液に吸収させ、二酸化炭素リッチ吸収液を得、次いで、該二酸化炭素リッチ吸収液を、二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽に送液して貯留する吸収工程と、
該吸収兼再生塔に、該二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽内の該二酸化炭素リッチ吸収液を供給し、該吸収兼再生塔内で、該二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することにより、該二酸化炭素リッチ吸収液から二酸化炭素を脱離させ、該二酸化炭素リーン吸収液を得、次いで、脱離した二酸化炭素を回収すると共に、該二酸化炭素リーン吸収液を、該二酸化炭素リーン吸収液貯留槽に送液して貯留する再生工程と、
からなり、
該二酸化炭素リーン吸収液及び該二酸化炭素リッチ吸収液は、吸収剤を含有する吸収液であること、
該吸収工程と該再生工程とを、交互に繰り返すこと、
該ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素濃度が50.0容積%以下であり、該ガス状二酸化炭素供給源の圧力が90~300kPaであること、
を特徴とするガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法である。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法は、吸収工程と再生工程とからなる。そして、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法では、所定の時間の吸収工程と所定の時間の再生工程とを交互に繰り返す。吸収工程と再生工程のそれぞれの実施時間は、適宜選択される。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法では、同一の塔、すなわち、吸収兼再生塔で、吸収工程と再生工程とを交互に行うので、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法は、いわゆる、回分式の処理方式である。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法に係る吸収工程は、吸収兼再生塔に、ガス状二酸化炭素供給源と二酸化炭素リーン吸収液とを供給し、吸収兼再生塔内で、ガス状二酸化炭素供給源を二酸化炭素リーン吸収液に接触させることにより、ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素を二酸化炭素リーン吸収液に反応吸収させ、二酸化炭素リッチ吸収液を得、次いで、得られる二酸化炭素リッチ吸収液を、二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽に送液して貯留する工程である。
吸収工程に係るガス状二酸化炭素供給源は、二酸化炭素を含有するガスである。ガス状二酸化炭素供給源としては、発電所、製鉄所、セメント工場、製油所、化学工場等にある高炉、石灰炉、加熱炉、反応炉、ボイラー等の装置から排出される排出ガスが挙げられる。また、ガス状二酸化炭素供給源としては、大気が挙げられる。
吸収兼再生塔に供給されるガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素濃度は、 50.0容量%以下、好ましくは2.0~25.0容量%、特に好ましくは2.0~20.0容量%である。また、吸収兼再生塔に供給されるガス状二酸化炭素供給源の圧力は、90~300kPa、好ましくは90~130kPaである。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法において、二酸化炭素リーン吸収液及び二酸化炭素リッチ吸収液は、いずれも、吸収剤を含有する吸収液である。そして、二酸化炭素リーン吸収液は、再生工程で二酸化炭素が脱離された、二酸化炭素の吸収量が少ない吸収液である。一方、二酸化炭素リッチ吸収液は、吸収工程で二酸化炭素を吸収した、二酸化炭素の吸収量が多い吸収液である。
吸収液としては、90~300kPa、好ましくは90~130kPaのガス状二酸化炭素供給源から二酸化炭素を吸収できるものであれば、特に制限されない。
吸収液に含有されている吸収剤としては、全てのアミン系化合物、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等アルカノールアミン、アミノジエチレングリコール等のアミノアルコール、ヒンダードアミン系化合物、ピペラジン系化合物、ピペリジン系化合物、ポリアルキルポリアミン系化合物、アミノ酸系化合物、アミノ酸塩系化合物、及びそれらの誘導体や、有機アミン系化合物などが挙げられる。吸収剤は、1種であっても、上記の2種以上を任意の混合比で組み合わせたものであってもよい。吸収剤としては、吸収速度が速く、二酸化炭素の吸収量が大きく、熱的に安定しており、再生時のエネルギーの小さいものが好ましい。
吸収液に含有されている吸収剤の二酸化炭素サイクリックローディング量は、好ましくは0.85モル(CO)/L(溶液)以上、特に好ましくは2.0~7.0モル(CO)/L(溶液)である。吸収剤の二酸化炭素サイクリックローディング量が、上記範囲にあることにより、吸収液の循環量が少なくなり、機器の設置に必要な所要面積を小さくすることができる。なお、本発明において、吸収剤の二酸化炭素サイクリックローディング量は、以下の式により求められる。
吸収剤の二酸化炭素サイクリックローディング量(モル(CO)/L(溶液))=40℃且つ20kPaでの二酸化炭素吸収量(モル(CO)/L(溶液))-120℃且つ100kPaでの二酸化炭素吸収量(モル(CO)/L(溶液))
吸収液に含有されている吸収剤の二酸化炭素の吸収速度は、好ましくは0.09モル(CO)/L(溶液)毎分以上、特に好ましくは0.10~0.20モル(CO)/L(溶液)毎分である。吸収剤の二酸化炭素の吸収速度が上記範囲にあることにより、吸収工程における二酸化炭素の反応吸収が促進され、吸収兼再生塔の高さを低くすることができる。
吸収液に含有されている吸収剤の二酸化炭素の脱離エネルギーは、好ましくは90kJ/モル(CO)以下、特に好ましくは30~75kJ/モル(CO)である。吸収剤の二酸化炭素の脱離エネルギーが上記範囲にあることにより、再生工程における二酸化炭素の脱離が起こり易くなり、必要なエネルギーを低く抑えられる。
吸収液としては、例えば、吸収剤の水溶液が挙げられる。そして、吸収液としては、アルカノールアミンの水溶液が好ましく、15~45質量%濃度のアルカノールアミンの水溶液が特に好ましい。
吸収兼再生塔は、吸収工程と再生工程が交互に行われる容器である。吸収兼再生塔としては、吸収工程と再生工程を交互に行うことができるものであれば、特に制限されない。吸収兼再生塔の大きさは、ガス状二酸化炭素供給源の排出量、ガス状二酸化炭素供給源の圧力、吸収工程及び再生工程の温度、圧力、許容圧力損失、二酸化炭素の回収率等により、適宜選択される。
吸収兼再生塔内には、ガス状二酸化炭素供給源からの二酸化炭素の吸収率及び二酸化炭素リッチ吸収液の再生効率を高めるために、接触機構が設置されていることが好ましい。接触機構としては、充填物、棚段、スプレー、流動式充填物、液膜十字流接触物、高速旋回流式充填物、機械力利用方式充填物等、又はこれらの組み合わせが挙げられ、有効な接触面積と物質移動量を有するものであれば、特に制限されない。
吸収工程において、吸収兼再生塔内で、ガス状二酸化炭素供給源と二酸化炭素リーン吸収液を接触させる方法としては、特に制限されない。吸収工程では、吸収兼再生塔内で、ガス状二酸化炭素供給源を塔の下部から供給して上向流で流し、且つ、二酸化炭素リーン吸収液を塔の上部から供給して下向流で流すことにより、二酸化炭素リーン吸収液とガス状二酸化炭素供給源を向流で接触させることが好ましい。
吸収工程における反応条件は、特に制限されないが、ガス状二酸化炭素供給源の温度は、好ましくは10~65℃であり、また、二酸化炭素リーン吸収液の温度は、好ましくは30~50℃である。
吸収工程では、通常、二酸化炭素の利用計画に応じて、二酸化炭素の吸収率は、90~95%に設定される。
ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素濃度が、50.0容量%以下、好ましくは2.0~25.0容量%、特に好ましくは2.0~20.0容量%であり、ガス状二酸化炭素供給源の圧力が、90~300kPa、好ましくは90~130kPaである場合、このようなガス状二酸化炭素供給源を用いて、二酸化炭素の吸収率の設定を高くし過ぎると、低い二酸化炭素分圧下で十分な接触を満足させるためには、吸収兼再生塔の高さを非常に高くするか、場合によっては、吸収兼再生塔内の圧力を、圧縮機器などを設置して、二酸化炭素分圧を500kPa程度以上にしなければならない。
それに対して、二酸化炭素濃度が、50.0容量%以下、好ましくは2.0~25.0容量%、特に好ましくは2.0~20.0容量%であり、ガス状二酸化炭素供給源の圧力が、90~300kPa、好ましくは90~130kPaであるガス状二酸化炭素供給源を用いて、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法に係る吸収工程を行うときに、二酸化炭素の吸収率を好ましくは25~95%、より好ましくは25~90%、更に好ましくは25~85%、特に好ましくは30~75%とすれば、吸収兼再生塔の高さを大幅に低減でき、また、吸収兼再生塔内の圧力を高くしなくてもよい。そのため、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法に係る吸収工程において、二酸化炭素の吸収率を好ましくは25~95%、より好ましくは25~90%、更に好ましくは25~85%、特に好ましくは30~75%とすることにより、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法を実施するためのコスト及び二酸化炭素の回収装置の建設コストを低くすることができる。なお、二酸化炭素の吸収率は、以下の式によって求められる値である。
二酸化炭素の吸収率(%)=((ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素流量(Nm/時間)-処理排ガス中の二酸化炭素流量(Nm/時間))/ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素流量(Nm/時間))×100
吸収工程において、二酸化炭素リーン吸収液と接触させた後のガス状二酸化炭素供給源、すなわち、処理ガスは、吸収兼再生塔から排出され、大気へと放出される。また、吸収工程では、処理ガス中に混入する吸収剤の除去、臭気の防止のために、吸収兼再生塔の上部に水洗設備を設け、該水洗設備に処理ガスを通過させることが好ましい。
吸収工程では、吸収兼再生塔内で、ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素と二酸化炭素リーン吸収液が接触し、反応熱等により液温が上昇し、吸収効率が低下する場合、吸収兼再生塔の中間から二酸化炭素リーン吸収液を抜き出し、常温まで冷却する冷却器を設置することが好ましい。
本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法に係る再生工程は、吸収兼再生塔に、二酸化炭素リッチ吸収液を供給し、吸収兼再生塔内で、二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することにより、二酸化炭素リッチ吸収液から二酸化炭素を脱離させ、二酸化炭素リーン吸収液を得、次いで、脱離した二酸化炭素を回収すると共に、二酸化炭素リーン吸収液を、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽に送液して貯留する工程である。
再生工程において、吸収兼再生塔内で二酸化炭素リッチ吸収液を加熱する方法としては、吸収兼再生塔の底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液を加熱して、吸収兼再生塔内で、飽和温度の吸収液の蒸気の上向流を生じさせて、吸収兼再生塔内を加熱し、且つ、二酸化炭素リッチ吸収液を下向流で流すことにより、二酸化炭素リッチ吸収液を加熱する方法が挙げられる。
吸収兼再生塔の底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液を加熱する方法としては、例えば、吸収兼再生塔の底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液の一部を抜出し、抜き出した二酸化炭素リーン吸収液を加熱した後、塔底部に戻す方法が挙げられる。
また、再生工程において、吸収兼再生塔内で二酸化炭素リッチ吸収液を加熱する方法としては、他に、ガス状二酸化炭素供給源の熱、回収した二酸化炭素を圧縮するときに生じる熱、工場内のタービン使用後の高温凝縮水を利用した低圧蒸気などを熱源として、吸収兼再生塔内の二酸化炭素リッチ吸収液を加熱する方法が挙げられる。
再生工程では、吸収兼再生塔内で二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することにより、二酸化炭素リッチ吸収液から脱離させた二酸化炭素を、塔頂から回収することが好ましい。吸収兼再生塔から排出される二酸化炭素は、微量の吸収剤及び/又は水蒸気を含有しているので、冷却して吸収剤及び/又は水蒸気を凝縮させ、凝縮した吸収剤及び/又は水蒸気を気液分離器で分離することにより、高純度の二酸化炭素を得る。また、凝縮させた吸収剤及び/又は水蒸気を、吸収兼再生塔に返送する。
再生工程において、塔内の温度は、二酸化炭素リッチ吸収液から二酸化炭素が脱離する温度であれば、特に制限されない。例えば、吸収液が、吸収剤としてモノエタノールアミンを30質量%含有する吸収液の場合、再生工程において、塔頂部の出口温度が100~105℃となるように、塔底の加熱温度をコントロールすることが好ましい。再生工程において、塔底部に溜まっている二酸化炭素リーン吸収液の温度は、吸収液の飽和温度であることが好ましい。
また、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法は、吸収工程と再生工程との繰り返しを、自動制御システムで制御することができる。自動制御システムは、単独又は上位のコンピューターシステムや、外部システムとの通信機能による運転制御により、吸収工程と再生工程の切り替え、運転能力の制御、不具合時の各種の対応等の制御が可能となる様に構築されている。
このように、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法では、吸収工程と再生工程を同じ吸収兼再生塔で行うことができるので、反応塔を1つにしても、ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収を行うことができる。また、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法では、吸収工程での二酸化炭素の吸収率を、好ましくは25~90%、より好ましくは25~85%、特に好ましくは30~75%とすることにより、吸収工程での二酸化炭素の吸収率を90~95%とする場合に比べ、吸収兼再生塔の高さを大幅に低くすることができる。そのため、本発明のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法は、二酸化炭素の回収コストを低くすることができる。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
(実施例1~2)
<吸収工程>
図1に示す二酸化炭素の回収装置を用いて、図2に示すフローにて、吸収兼再生塔の下部より、表1に示す二酸化炭素濃度のガス状二酸化炭素供給源1を、上部より、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽内の二酸化炭素リーン吸収液(モノエタノールアミン(MEA)の30質量%水溶液)を、表1に示すモル比((吸収液(MEA溶液)の供給量の総モル/時間)/(ガス状二酸化炭素供給源1のガスの供給量の総モル/時間))、表1に示す温度及び圧力で供給し、8時間、吸収工程を行った。その結果を表1に示す。
なお、表1中、「吸収液4総モル/CO供給源1総モル比」とは、「(時間当たりの塔入口での吸収液(MEA溶液)の供給量の総モル)/(時間当たりの塔入口でのガス状二酸化炭素供給源1中のガスの供給量の総モル数)」を指す。
<再生工程>
次いで、図1に示す二酸化炭素の回収装置を用いて、図3に示すフローにて、飽和温度まで加熱した。次いで、二酸化炭素リッチ吸収液に置換後、図4に示すフローにて、塔底部の二酸化炭素リーン吸収液を飽和温度に加熱しつつ、塔上部より、二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽内の二酸化炭素リッチ吸収液を供給し、表1に示す温度で、8時間、再生工程を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2022067388000002
1 ガス状二酸化炭素供給源
2 処理ガス
3 二酸化炭素リッチ吸収液
4 二酸化炭素リーン吸収液
5 二酸化炭素
10 二酸化炭素の回収装置
11 吸収兼再生塔
12 接触機構
13 二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽
14 二酸化炭素リーン吸収液貯留槽
15 熱交換器
16 リボイラ
17 二酸化炭素冷却器
18 気液分離器
19 吸収液冷却器
21 塔上部供給管
22 塔底部排出管
23 二酸化炭素リーン吸収液送液用分岐管
24 二酸化炭素リッチ吸収液送出管
25 塔底部加熱用分岐管
26 冷却液返送管
27 ガス状二酸化炭素供給源供給管
28 塔頂ガス排出管
29 二酸化炭素抜出管
31、32、33、34、37、38、39、40、41、44 弁
45 水蒸気
301 連絡管
302 バイパス管

Claims (6)

  1. 吸収兼再生塔に、二酸化炭素を含有するガス状二酸化炭素供給源と、二酸化炭素リーン吸収液貯留槽内の二酸化炭素リーン吸収液と、を供給し、該吸収兼再生塔内で、該ガス状二酸化炭素供給源を該二酸化炭素リーン吸収液に接触させることにより、該ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素を、該二酸化炭素リーン吸収液に吸収させ、二酸化炭素リッチ吸収液を得、次いで、該二酸化炭素リッチ吸収液を、二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽に送液して貯留する吸収工程と、
    該吸収兼再生塔に、該二酸化炭素リッチ吸収液貯留槽内の該二酸化炭素リッチ吸収液を供給し、該吸収兼再生塔内で、該二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することにより、該二酸化炭素リッチ吸収液から二酸化炭素を脱離させ、該二酸化炭素リーン吸収液を得、次いで、脱離した二酸化炭素を回収すると共に、該二酸化炭素リーン吸収液を、該二酸化炭素リーン吸収液貯留槽に送液して貯留する再生工程と、
    からなり、
    該二酸化炭素リーン吸収液及び該二酸化炭素リッチ吸収液は、吸収剤を含有する吸収液であること、
    該吸収工程と該再生工程とを、交互に繰り返すこと、
    該ガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素濃度が50.0容積%以下であり、該ガス状二酸化炭素供給源の圧力が90~300kPaであること、
    を特徴とするガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法。
  2. 前記吸収剤がアミン系化合物であることを特徴とする請求項1記載のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法。
  3. 前記吸収工程において、前記吸収兼再生塔内で、前記ガス状二酸化炭素供給源を上向流で流し、且つ、前記二酸化炭素リーン吸収液を下向流で流すことにより、前記二酸化炭素リーン吸収液と前記ガス状二酸化炭素供給源を向流で接触させることを特徴とする請求項1又は2記載のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法。
  4. 前記再生工程において、前記吸収兼再生塔の底部に溜まっている前記二酸化炭素リーン吸収液を加熱して、前記吸収兼再生塔内で、飽和温度の吸収液の蒸気の上向流を生じさせて、前記吸収兼再生塔内を加熱し、且つ、前記二酸化炭素リッチ吸収液を下向流で流すことにより、前記二酸化炭素リッチ吸収液を加熱することを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法。
  5. 前記吸収工程における二酸化炭素の吸収率を25~95%とすることを特徴とする請求項1~4いずれか1項記載のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法。
  6. 前記吸収工程と前記再生工程とを、自動制御システムにより繰り返すことを特徴とする請求項1~5いずれか1項記載のガス状二酸化炭素供給源中の二酸化炭素の回収方法。
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