JP2014112077A - 溶解物濃度の自動測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶解物濃度の測定に当たり、試薬の添加の有無も検出する。
【解決手段】 測定対象水W0に2種の試薬を各々添加することにより、所定のpHの範囲H0で、所定色に発色した試料水W1を用いて、測定対象水中の所定の溶解物濃度を測定する場合に、所定のpHの範囲を含む第1のpHの範囲H1と、これから外れた第2のpHの範囲H2とにおいて、所定色以外の互いに異なる色に発色可能な酸塩基指示薬Sを選定する。つぎに、2種の試薬A0,B0のうち、これらを測定対象水に別々に添加した添加水TのpH値が、第2のpHの範囲にあるほうの、一方の試薬A0に、酸塩基指示薬を加えて試薬の調整をする。つぎに、調整後の試薬を添加した試料水W1の透過光Jである、3つの領域成分光につき、これらの吸光度Ra・・を算出する。つぎに、これらの吸光度に基づいて、所定の溶解物の濃度を算出するとともに、2種の試薬の添加の有無を判定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、測定対象水に試薬を添加した試料水に光を透過させ、透過光の吸光度を用いて、溶解物の濃度を測定する場合に、試薬の添加の有無をも判定できるようにした溶解物濃度の自動測定方法に関するものである。
水利用設備を安定的かつ効率的に運転するためには、オンラインのモニタリング装置を使用して、設備の水質監視を行う必要がある。このようなモニタリング装置では、例えば、吸光光度法により、測定対象水中の所定の溶解物の濃度が自動的に測定される。この場合、吸光光度法では、測定対象水に、例えば、複数種類の試薬をそれぞれ添加して、発色した試料水を作り、この試料水に光を透過させる必要がある。
ところが、このようなモニタリング装置では、例えば、試薬ポンプの不調、又は試薬の使い切りといった理由により、一部の試薬が測定対象水に添加されない場合もある。この場合、正しい測定結果が得られず、測定対象水の水質判断を誤ってしまうだけでなく、他の試薬の影響で、装置に損傷を与えてしまうという問題も生じる。
一方、試薬の不添加を防止する方法には、例えば、試薬のボトルに、試薬残量を検出する装置を設ける方法(特許文献1)、試薬を送り出す装置(例えば、試薬ポンプ)の稼働時間から試薬残量を推測する方法、又は、試薬中に、この試薬による発色とは異なる色調を示すインジケータ(例えば、着色薬)を加え、このインジケータの有無により、試薬の添加の有無を判定する方法(特許文献2、3)が考えられる。
特開平5−10958号公報 特開2006−46985号公報 特開2006−346613号公報
しかしながら、試薬残量を検出する装置を設ける方法は、装置を別途設ける必要があるため、コスト的に問題がある。また、この方法では、設備の複雑化により故障等が懸念されるため、試薬の不添加について、信頼性の高い検出ができない。
また、試薬ポンプの稼働時間から試薬残量を推測する方法は、試薬ポンプに異常が生じた場合に、試薬の不添加の判定ができない。
また、試薬中にインジケータを加える方法は、一つの試薬しか使用しない場合は有効な方法であるが、複数の試薬を別々に添加することにより、試薬による発色以外に、インジケータによる複数の発色が生じるため、試薬による発色が検出しずらく、実用的でない。また、この方法は、試料水の発色を検出するために、発光体と受光体とが複数組必要となり、コスト的に問題がある。さらに、この方法では、装置の複雑化により故障等が懸念されるため、試薬の不添加について、信頼性の高い検出ができない。
この発明は、以上の点に鑑み、測定対象水に複数の試薬が別々に添加される試料水を用いて、吸光光度法により、所定の溶解物の濃度を測定をする場合に、試薬の添加の有無が、確実に、かつ低コストで判定できる溶解物濃度の自動測定方法を提供することを目的とする。
この発明の請求項1記載の溶解物濃度の自動測定方法の発明は、測定対象水系から採取した測定対象水に2種の試薬をそれぞれ添加することにより、pH値が所定のpHの範囲となり、前記測定対象水中の所定の溶解物により所定色に発色する試料水を作る工程と、前記所定のpHの範囲を含む第1のpHの範囲と、この第1のpHの範囲から外れた第2のpHの範囲とにおいて、前記所定色以外の互いに異なる色に発色可能な1つの酸塩基指示薬を選定する工程と、前記2種の試薬のうち、これらを1種ずつ前記測定対象水に添加した添加水のpH値が、前記第2のpHの範囲にある側の又は何れも前記第2のpHの範囲にない場合には、これに近いほうにある側の、前記添加水に添加されている一方の試薬に、前記選定された酸塩基指示薬を加え、かつ、何れの前記添加水のpH値も前記第2のpHの範囲にない場合には、このpH値を前記第2のpHの範囲内のものにするために、前記一方の試薬にpH調整薬を加えるとともに、他方の試薬に、前記一方の試薬に加えられた前記pH調整薬を中和する他のpH調整薬を加えて試薬の調整を行う工程と、前記測定対象水に、前記試薬の調整を行った前記2種の試薬をそれぞれ添加して作られた前記試料水に光を当てて、この試料水の透過光うち、可視光域の光を略3分割して得られるレッド領域成分光と、グリーン領域成分光と、ブルー領域成分光とにつき、それぞれ吸光度を算出する工程と、前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水に対する、前記2種の試薬の添加の有無の判定を行う工程と、前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水中の前記所定の溶解物の濃度を算出する工程とを有することを特徴とする。
例えば、一方の試薬(以下第1試薬という)を測定対象水に添加した添加水のpH値が、第2のpHの範囲にある場合には、第1試薬に、選定した酸塩基指示薬(以下選定指示薬という)を加えることにより試薬の調整を行う。この場合、他方の試薬(以下第2試薬という)には何も加えない。また、何れの添加水のpH値も、第2のpHの範囲にない場合には、添加水のpH値が第2のpHの範囲に近い側の添加水に添加されている一方の試薬(以下第1試薬という)に、選定指示薬を加えることにより試薬の調整を行う。この場合、添加水のpH値が第2のpHの範囲になるように、第1試薬にpH調整薬を加え、かつ、他方の試薬(以下第2試薬という)に、第1試薬に加えられたpH調整薬を中和するための別のpH調整薬を加えた、試薬の調整も行う。そして、測定対象水に、試薬の調整を行った第1試薬と第2試薬とを添加して、試料水を作る。
測定対象水に、試薬の調整を行った第1試薬と第2試薬とが共に添加されると、試料水は、測定対象水中の所定の溶解物により所定色に発色するとともに、pH値が所定のpHの範囲内に入るため、第1試薬の選定指示薬により、所定色以外の互いに異なる色の一方(以下第1色という)に発色する。また、測定対象水に、第1試薬のみが添加され、第2試薬が添加されない場合には、試料水は、pH値が第2のpHの範囲に入って、第1試薬の選定指示薬により、所定色以外の互いに異なる色の他方(以下第2色という)に発色する。さらに、測定対象水に、第2試薬のみが添加され、第1試薬が添加されない場合には、試料水は、選定指示薬を有さないため、第1色と第2色の何れにも発色しない。したがって、試料水が第1色に発色することにより、第1試薬と第2試薬とが共に添加されていることが分かり、試料水が第2色に発色することにより、第1試薬のみが添加されていることが分かり、試料水が第1色と第2色の何れにも発色していないことにより、第2試薬のみが添加されていることが分かる。
一方、試料水の吸光度は、試料水の透過光のうち、可視光域の光を略3分割して得られる、レッド領域成分光と、グリーン領域成分光と、ブルー領域成分光につい算出される。そして、例えば、所定色に発色している試料水が第1色に発色しているか否かの判断は、3つの領域成分光に関する吸光度の何れかを関数とした演算式を使用してなされる。すなわち、所定色への発色の影響をなくすような演算式を考え、3つの領域成分光に関する吸光度の値から得られる、この演算式の値が、第1色の影響によって、所定の範囲に入っておれば、試料水が第1色に発色していると判定する。なお、試料水が第2色に発色しているか否かの判定も、3つの領域成分光に関する吸光度の何れかを関数とした演算式の値に基づいて、同様に行うことができる。
また、測定対象水中の所定の溶解物の濃度は、所定色に発色した試料水の吸光度(詳しくは、3つの領域成分光に関する各吸光度)と所定の溶解物の濃度との関係を、事前に求めておくことにより、所定色に発色した試料水の吸光度値から求めることができる。ここで、第1試薬と第2試薬とが共に添加された試料水は、所定色と第1色とに発色しているが、第1色に発色する試料水の吸光度は、所定の溶解物の濃度の値にかかわらず、一定値となり、事前に知ることができる。したがって、所定色に発色する試料水の吸光度値は、所定色と第1色とに発色する試料水の吸光度値から、第1色に発色する試料水の吸光度値を差し引くことにより求めることができる。
この発明の請求項2記載の溶解物濃度の自動測定方法の発明は、測定対象水系から採取した測定対象水に2種の試薬をそれぞれ添加することにより、pH値が所定のpHの範囲となり、前記測定対象水中の所定の溶解物により所定色に発色する試料水を作る工程と、前記所定のpHの範囲を含む第1のpHの範囲と、この第1のpHの範囲から外れた第2のpHの範囲とにおいて、前記所定色以外の互いに異なる色に発色可能な1つの酸塩基指示薬を選定する工程と、前記2種の試薬のうちの、一方の試薬に前記選定された酸塩基指示薬を加えるとともに、他方の試薬に、前記選定された酸塩基指示薬、又は、前記所定のpHの範囲で前記選定された酸塩基指示薬が発色する色と同色に発色する着色薬を加えて試薬の調整を行う工程と、前記測定対象水に、前記試薬の調整を行った前記2種の試薬をそれぞれ添加して作られた前記試料水に光を当てて、この試料水の透過光うち、可視光域の光を略3分割して得られるレッド領域成分光と、グリーン領域成分光と、ブルー領域成分光とにつき、それぞれ吸光度を算出する工程と、前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水に対する、前記2種の試薬の添加の有無の判定と前記測定対象水のpH値の異常の判定とを行う工程と、前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水中の前記所定の溶解物の濃度を算出する工程とを有することを特徴とする。
まず、一方の試薬(以下第1試薬という)と他方の試薬(以下第2試薬という)とに、それぞれ、選定された酸塩基指示薬(以下選定指示薬という)が加えられる場合について説明する。
測定対象水に、第1試薬と第2試薬とが共に添加された試料水は、測定対象水中の所定の溶解物により所定色に発色するとともに、pH値が所定のpHの範囲に入るため、第1試薬と第2試薬中の選定指示薬により、所定色以外の互いに異なる色の一方(以下第1色という)に濃く(強く)発色する。また、測定対象水に、第1試薬又は第2試薬の一方しか添加されていない試料水は、そのpH値に基づいて、第1色、又は、所定色以外の互いに異なる色の他方(以下第2色という)等に発色し、第1色に濃く(強く)発色することはない。さらに、pH値に異常がある測定対象水に、第1試薬と第2試薬とが共に添加された試料水は、そのpH値が第2のpHの範囲に入ると、第1試薬と第2試薬中の選定指示薬により、第2色に濃く(強く)発色する。
すなわち、第1試薬と第2試薬とが共に添加された試料水と、第1試薬又は第2試薬の一方のみしか添加されない試料水と、第1試薬と第2試薬とが共に添加されていても、測定対象水のpH値に異常がある試料水とは、選定指示薬に基づいて発色する色又は発色する色の濃さ(強さ)について、互いに違いを有している。したがって、これらの違い毎に、3つの領域成分光に関する吸光度の何れかを関数とした演算式を考え、これらの演算式の値に基づいて、試料水が発色する色の種類又は色の濃淡を判別すれば、第1試薬と第2試薬とが共に添加されているか否か、又は、測定対象水のpH値に異常があるか否かは容易に判定できる。
つぎに、一方の試薬(以下第1試薬という)に選定指示薬が加えられ、他方の試薬(以下第2試薬という)に着色薬が加えられる場合について説明する。
この場合においても、測定対象水に、第1試薬と第2試薬とが共に添加された試料水は、測定対象水中の所定の溶解物により所定色に発色するとともに、第1試薬中の選定指示薬と第2試薬中の着色薬とにより、所定色以外の互いに異なる色の一方(以下第1色という)に濃く(強く)発色する。また、測定対象水に、第1試薬又は第2試薬の一方しか添加されていない試料水は、第1試薬中の選定指示薬により、そのpH値に基づいて、第1色、又は、所定色以外の互いに異なる色の他方(以下第2色という)等に発色するか、又は、第2試薬中の着色薬により、第1色に発色する。すなわち、測定対象水に、第1試薬又は第2試薬の一方しか添加されない試料水は、第1色に発色することはあっても、第1色に濃く(強く)発色することはない。したがって、3つの領域成分光に関する吸光度の何れかを関数とした演算式を考え、この演算式の値に基づいて、試料水が第1色に濃く(強く)発色しているか否かを判別すれば、第1試薬と第2試薬とが共に添加されているか否かは容易に判定できる。
また、測定対象水に第1試薬のみを添加した試料水のpH値が、第1のpHの範囲にある場合には、測定対象水に第1試薬又は第2試薬の一方又は双方が添加された試料水が、選定指示薬により第2色に発色することはない。ところが、このような場合でも、測定対象水のpH値に異常があるため、試料水のpH値が第2のpHの範囲に入れば、試料水は第2色に発色する。したがって、このような場合にも、3つの領域成分光に関する吸光度の何れかを関数とした演算式を考え、この演算式の値に基づいて、試料水が第2色に発色しているか否かを判別すれば、測定対象水のpH値に異常があるか否かは容易に判定できる。
この発明の請求項1記載の発明によれば、2種の試薬の一方に選定された酸塩基指示薬を加えるか、又は、2種の試薬の一方に選定された酸塩基指示薬とpH調整薬とを加えるとともに、他方に他のpH調整薬を加えるだけで、測定対象水に対する2種の試薬の添加の有無を、確実に判定することができる。したがって、この発明では、試薬の添加の有無の判定のために、多くのコストをかける必要もない。また、この発明では、試料水からの透過光の可視光域の波長帯を、3つの領域成分光に分け、これらに関する吸光度を同時に算出できるので、試料水がどのような色調に発色しても、発光体と受光体とは一組のものがあればよい。したがって、この発明では、装置が複雑化することはなく、試薬の添加の有無について、信頼性の高い判定をすることができる。
この発明の請求項2記載の発明によれば、2種の試薬のうちの一方に選定された酸塩基指示薬を加えるとともに、他方に、選定された酸塩基指示薬又は着色薬を加えるだけで、測定対象水に対する2種の試薬の添加の有無を確実に判定することができる。したがって、この発明では、試薬の添加有無の判定のために、多くのコストをかける必要もない。また、この発明では、発光体と受光体とは一組のものがあればよいので、装置が複雑化することはなく、試薬の添加の有無について、信頼性の高い判定をすることができる。さらに、この発明では、測定対象水のpH値に異常がある場合でも、一定条件下、これを確実に判定できるので、測定対象水のpH値の異常によって、溶解物の濃度の測定に誤差が生じるのを防止できる。
この発明を実施するための濃度測定装置を示す図である。 発光体と受光体とを加えた入出力部内の電気配線図である。 形式の異なる測定セル周りに、発光体と受光体とを配置した図である。 この発明の一実施の形態に係る溶解物濃度の自動測定方法を示す図である。 遊離残留塩素の濃度測定に関して、試薬の添加の状況を調べるための実験データを示す図である。 この発明の他の実施の形態に係る溶解物濃度の自動測定方法を示す図である。 図6で示される試薬の添加有無の判定工程の詳細を示す図である。 図6で示される試薬の添加有無の判定工程の、他の詳細を示す図である。 リン酸イオンの濃度測定に関して、試薬の添加の状況等を調べるための実験データを示す図である。 図9の実験データの続きの実験データを示す図である。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
実施形態1.
まず、図1を参照しつつ、この発明を実施するための濃度測定装置について説明する。
濃度測定装置1は、例えば、工業用水系又は生活用水系といった測定対象水系から採取した測定対象水W0中の所定の溶解物の濃度を、吸光光度法により、自動的に測定するものである。この濃度測定装置1では、測定対象水W0に2種の試薬をそれぞれ添加して発色した試料水に、光を透過させ、このとき得られた光の吸光度を用いて、所定の溶解物の濃度が測定される。なお、所定の溶解物の濃度を測定するには、測定対象水W0に2種の試薬を別々に添加する必要がある。
この濃度測定装置1は、図1で示されるように、内部に発色した試料水W1又は透明な調整水W2が通される測定セル2と、測定セル2の一方の側面側に設けられ、この測定セル2内に計測用の光を発する発光体3と、測定セル2の他方の側面側に設けられ、この測定セル2を透過した発光体3からの光を受光する受光体4と、発光体3と受光体4に対する入出力部5と、測定セル2に試料水W1又は調整水W2を供給する供給ライン6と、供給ライン6に、2種類の試薬、すなわち、第1試薬A0と第2試薬B0とを供給する試薬供給ライン7と、測定セル2から、試料水W1又は調整水W2を排出する排出ライン8と、入出力部5からの出力信号(透過光強度信号)が入力される演算処理装置9とを有している。
ここで、供給ライン6は、図1で示されるように、試料水W1が溜められる試料水容器60と測定セル2との間のパイプ中に、チューブポンプ61と、ストレーナー62と、電磁弁63とを有している。また、供給ライン6は、調整水W2が溜められる調整水容器64と電磁弁63の下流側パイプとが、電磁弁65が設けられているパイプで連結されている。試薬供給ライン7は、第1試薬A0が溜められる第1試薬容器70と試料水容器60とを連結するパイプ中にポンプ71を有している。また、試薬供給ライン7は、第2試薬B0が溜められる第2試薬容器72と試料水容器60とを連結するパイプ中にポンプ73を有している。なお、試料水容器60には測定対象水W0が供給可能になっているとともに、調整水容器64には調整水W2が供給可能になっている。また、試料水容器60の排水パイプ中には、試料水W1を排出する電磁弁66が設けられている。
測定セル2は、図1で示されるように、下部に、供給ライン6が連結され、上部に、排出ライン8が連結されていて、内部の流路中に試料水W1又は調整水W2が通される。この測定セル2は、左右の側面部20,21の、互いに対向する位置に、透明部20a,21aが形成されていて、例えば、透明部21a側に、発光体3が配置され、この発光体3に対向するように光軸を一致させて、透明部20a側に、受光体4が配置されている。
発光体3は、測定セルG内に向かって光を発し、この光を、測定セル2内の試料水W1中又は調整水W2中に透過させる。この発光体3には、可視光域を含んだ光(白色光)を発する、例えば、発光ダイオード(LED)のような光源が使用される。
受光体4は、発光体3から発せられた光のうち、測定セル2内の試料水W1又は調整水W2を透過した透過光Jを受光して、これらの透過光Jの強度を計測するものである。この受光体4は、3つのフォトダイオードと、可視光域の光の波長帯を略3分割して得られる、レッド領域成分光(以下R領域成分光という)、グリーン領域成分光(以下G領域成分光という)、又はブルー領域成分光(以下B領域成分光という)のみを、それぞれ透過させる3つのカラーフィルタF、すなわち、Rフィルタと、Gフィルタと、Bフィルタとを有している。
すなわち、この受光体4には、Rフィルタを備えたフォトダイオードD1と、Gフィルタを備えたフォトダイオードD2と、Bフィルタを備えたフォトダイオードD3とを有したRGBカラーセンサが使用されている(図2参照)。そして、この受光体4は、試料水W1等を透過した透過光Jのうち、各フィルタを透過したR領域成分光、G領域成分光、及びB領域成分光(以下3つの領域成分光という)の、それぞれの光の強度を同時に計測する。なお、Rフィルタは、R領域成分光のうち赤色光を最も透過し、Gフィルタは、G領域成分光のうち緑色光を最も透過し、Bフィルタは、B領域成分光のうち青色光を最も透過する。
入出力部5は、発光体3用と受光体4用の制御回路を備えている。図2は発光体3と受光体4とを加えた入出力部5内の配線図を示している。図中、符号D1は、Rフィルタを備えたフォトダイオードであり、符号D2は、Gフィルタを備えたフォトダイオードであり、符号D3は、Bフィルタを備えたフォトダイオードである。そして、これらのフォトダイオードが一体になって、受光体4を形成している。また、図中、符号Lは、発光体3となる発光ダイオード(LED)であり、符号C1,C2,C3は、各フォトダイオードD1,D2,D3用の主回路であり、符号O1,O2,O3は、各フォトダイオードD1,D2,D3用のオペアンプ(演算増幅器)である。受光体4から出力された各領域成分光の透過光強度の信号は、オペアンプO1,O2,O3を通って、演算処理装置9に伝達される。
演算処理装置9は、演算部と、記憶部と、表示部とを有している。演算部は、例えば、受光体4から出力された、3つの領域成分光に関する光の強度信号に基づいて、各領域成分光についての時間平均強度を算出する。また、演算部は、例えば、一部が吸収された光の透過光強度と吸収のない光の透過光強度とを用いて、3つの領域成分光に関する吸光度を算出するとともに、3つの領域成分光に関する各吸光度の値から測定しようとする溶解物の濃度を算出する。記憶部は、例えば、溶解物の種類毎に、3つの領域成分光に関する各吸光度の値と溶解物の濃度との関係を示す表等を記憶している。表示部は、例えば、演算部において算出された溶解物の濃度等を表示する。なお、演算処理装置9には、後に述べるような別の機能も付加されている。
この濃度測定装置1を用いて、測定対象水W0中の所定の溶解物の濃度を測定するには、まず、試料水容器60内に測定対象水W0を所定量だけ入れる。つづいて、この測定対象水W0に、第1試薬容器70内の第1試薬A0と、第2試薬容器72内の第2試薬B0とを、ポンプ71,73を使用して必要量ずつ添加する。つづいて、第1試薬A0と第2試薬B0とが共に添加された測定対象水W0を充分に撹拌した後、これを一定の温度(例えば20〜40℃)で一定時間(例えば15分)放置すれば、所定の溶解物により所定色に発色した試料水W1が作られる。この場合、試料水W1の色は、溶解物の濃度によって色の濃さが異なる。
つづいて、光の吸収が生じない透明な調整水W2、例えば、純水を、電磁弁63,65の切り換えとチューブポンプ50の使用によって、測定セル2に、例えば、10mL/分の流量で、例えば、3分間通水する。測定セル2への通水を止めると、例えば、1分間の間、発光体3から、測定セル2の透明部21a,22aを通して、調整水W2中に、光を発射する。このことにより、発光体3からの可視光域を含んだ光は、調整水W2を透過して受光体4により受光される。この場合、受光体4は、発光体3からの調整水W2の透過光Jを、3つのカラーフィルタFを通して受光するので、受光体4は、可視光域の光の波長帯を略3分割した、3つの領域成分光の各強度を同時に計測する。そして、演算処理装置9は、1分間にわたる受光体4からの出力値を平均して、光の吸収がない場合(透過率100%)の、3つの領域成分光の、それぞれの平均の強度を算出する。
つぎに、所定の溶解物によって所定色に発色した試料水W1を、調整水W2の場合と同様に、測定セル2に10mL/分の流量で3分間通水する。この通水の停止後、1分間の間、発光体3からの光を、試料水W1中に透過させ、その透過光Jを、受光体4に受光させる。受光体4は、試料水W1により一部の光が吸収された3つの領域成分光の各強度を計測する。演算処理装置9は、1分間にわたる受光体4からの出力値を平均して、試料水W1により一部の光の吸収がなされた、3つの領域成分光の各平均強度を算出するとともに、透過率100%の調整水W2を用いて計測された、3つの領域成分光の平均強度を算出する。つづいて、演算処理装置9は、これらの平均強度を用いて、3つの領域成分光に関する各吸光度を算出する。つづいて、演算処理装置9は、所定の溶解物について記憶している、3つの領域成分光に関する各吸光度と所定の溶解物の濃度との関係から、算出した吸光度の値を使用して、測定対象水W0中の所定の溶解物の濃度を算出し、その値を表示する。
ところで、以上のような濃度測定装置1により、所定の溶解物の濃度を自動的に測定するに当たって、測定対象水W0中の所定の溶解物の濃度がゼロであるとの結果が示された場合、測定対象水W0に第1試薬A0と第2試薬B0とが間違いなく添加されているのかといった疑問も生じる。このような試薬の不添加は、第1試薬容器70又は第2試薬容器72内の試薬切れ、又は、ポンプ71、73の故障等によって生じ得るからである。したがって、溶解物の濃度を自動的に測定するに当たって、試薬の添加の有無を判定できるようにすることは重要となる。
つぎに、この発明の一実施の形態に係る溶解物濃度の自動測定方法について、図4を参照しつつ説明する。この方法では、特に、試薬の添加の有無が判定される。
この溶解物濃度の自動測定方法は、試料水を作る工程、及び溶解物の濃度を算出する工程などを有すが、特徴的な工程として、図4で示されるような、酸塩基指示薬の選定工程K1と、試薬の調整工程K2と、吸光度の算出工程K3と、試薬の添加有無の判定工程K4とを有する。
酸塩基指示薬の選定工程K1では、複数の酸塩基指示薬から、所定の溶解物の濃度測定に適した酸塩基指示薬が選定される。測定対象水W0に、溶解物毎に定められた試薬を添加して、所定の溶解物の濃度を測定する場合、試料水W1は、所定のpH範囲(以下、測定pH範囲H0という)に保持された状態で、所定色に発色する。また、酸塩基指示薬には、例えば、第1pH範囲H1で第1色に発色し、変色域H3を超えた第2pH範囲H2で第1色とは異なる第2色に発色するものも多い。そして、選定すべき酸塩基指示薬(以下、選定指示薬Sという)は、例えば、測定pH範囲H0を含む第1pH範囲H1で第1色に発色するとともに、この範囲から外れた他のpHの範囲(以下、第2pH範囲H2という)で、第1色と異なる第2色に発色する酸塩基指示薬であって、この第1色と第2色とが、溶解物による所定色とは異なるものであればよい。
酸塩基指示薬は、pH値によって色調を変化させる指示薬である。この酸塩基指示薬には、例えば、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエロー、o−クレゾールレッド等がある。なお、酸塩基指示薬には、溶解性を上げるために、アルコール類、グリコール類、ジオール、トリオール類といった溶解性向上薬が加えられるが、以下、これらも含めて、酸塩基指示薬という。
試薬の調整工程K2は、試料水W1を溶解物による所定色とは異なる色に発色させるためになされるものである。この試薬の調整工程K2では、第1試薬A0と第2試薬B0とに、必要により、選定指示薬S又はpH調整薬P1,P2を加えて、試薬の調整がなされる。なお、今までの説明では、測定対象水W0に、第1試薬A0と第2試薬B0とが共に添加されたものを試料水W1としたが、以降は、調整水W2を除き、濃度測定の対象になるものは、すべて、試料水W1と呼ぶものとする。
この試薬の調整工程K2では、第1試薬A0と第2試薬B0とを各測定対象水W0に別々に添加した2つの添加水TのpH値が、第2pH範囲H2内にある場合には、第2pH範囲H2内にある側の添加水T(両方とも第2pH範囲H2内にある場合は何れの添加水Tでもよい)に添加されている一方の試薬(例えば第1試薬A0)に、選定指示薬Sを加え、他方の試薬(第2試薬B0)には何も加えない。また、この試薬の調整工程K2では、何れの添加水TのpH値も、第2pH範囲H2にない場合には、これに近いほうにある側の添加水Tに添加されている一方の試薬(例えば第1試薬A0)に、選定指示薬Sを加え、かつ、この添加水TのpH値を第2pH範囲H2内のものにするために、第1試薬A0にpH調整薬P1を加えるとともに、第2試薬B0に、第1試薬A0に加えられたpH調整薬P1を中和する他のpH調整薬P2を加える。
すなわち、例えば、第1試薬A0を濃度測定に必要な量だけ測定対象水W0に添加した添加水TのpH値が、第2pH範囲H2にある場合には、第1試薬A0に必要量の選定指示薬Sを加えて第1試薬A1を作り、第2試薬B0には何も加えない。また、何れの添加水TのpH値も、第2pHの範囲H2にない場合には、これに近い方にある側の添加水T(例えば、第1試薬A0を添加した添加水T)のpH値が、第2pH範囲H2内のものとなるように、第1試薬A0に、選定指示薬Sとともに、pH調整薬P1を必要量だけ加えて第1試薬A2を作り、かつ、第2試薬B0に、pH調整薬P1を中和するだけの量のpH調整薬P2を加えて第2試薬B1を作ればよい。
吸光度の算出工程K3では、測定対象水W0に、試薬の調整を行った第1試薬A1,A2と第2試薬B0,B1とが共に添加された試料水W1を用いて、3つの領域成分光に関する各吸光度が算出される。この吸光度の算出工程K3については、濃度測定装置1の説明に当たって詳述したので、ここでは詳しい説明を省略する。
試薬の添加有無の判定工程K4では、試料水W1が発色する色の違いによって、第1試薬A1,A2と第2試薬B0,B1とが共に添加されているか、第1試薬A1,A2のみが添加されているか、又は第2試薬B0,B1のみが添加されているかの判定が行われる。測定対象水W0に、第1試薬A1,A2と第2試薬B0,B1とが共に添加されている場合には、試料水W1は、溶解物による所定色と、第1試薬A1,A2の選定指示薬Sによる第1色とに発色する。また、測定対象水W0に、第2試薬B0,B1のみが添加されている場合は、試料水W1には、選定指示薬Sが含まれていないため、試料水W1は、第1色又は第2色のいずれにも発色しない。さらに、測定対象水W0に、第1試薬A1,A2のみが添加されている場合には、試料水W1は、そのpH値が第2pH範囲に入るため、第1試薬A1,A2の選定指示薬Sにより第2色に発色する。したがって、試料水W1が第1色に発色すれば、第1試薬A1,A2と第2試薬B0,B1とが共に添加されており、試料水W1が第2色に発色すれば、第1試薬A1,A2のみが添加されており、試料水W1が第1色と第2色の何れにも発色していなければ、第2試薬B0,B1のみが添加されているか、又は、何れの試薬も添加されていないこととなる。
一方、試料水W1が発色する色調(第1色、第2色、所定色)の濃淡は、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baで示される。そして、例えば、所定色に発色している試料水W1が第1色に発色しているか否かの判断は、3つの領域成分光に関する何れかの吸光度を関数とした演算式を考え、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baを用いた、この演算式の値が、所定の範囲に入っているか否かによってなすことができる。また、試料水W1が第2色に発色しているか否かの判断も、3つの領域成分光の何れかの吸光度を関数とした演算式を用いてなすことができる。なお、演算式の具体例については、後の実験例のところで説明する。
ところで、所定の溶解物の濃度を算出するために必要となる、所定色に発色している試料水W1の各吸光度値Ra,Ga,Baは、所定色と第1色とに発色している試料水W1の各吸光度値Ra,Ga,Baから、第1色に関する各吸光度値Ra,Ga,Baを差し引くことにより求めることができる。この場合、第1色に関する吸光度値Ra,Ga,Baは、試料水W1中の第1試薬A1,A2の濃度で定まり、所定の溶解物の濃度とは関係なく、一定値であるので、事前に知ることができる。
以上のように、この溶解物濃度の自動測定方法では、第1試薬A0又は第2試薬B0の一方に選定指示薬Sを加えるか、又は、第1試薬A0又は第2試薬B0の一方に選定指示薬SとpH調整薬P1とを加え、他方に他のpH調整薬P2を加えるだけで、測定対象水W0に対する第1試薬A1,A2と第2試薬B0,B1の添加の有無を確実に判定することができる。したがって、この溶解物濃度の自動測定方法では、試薬の添加有無の判定のために、多くのコストをかける必要もない。また、この溶解物濃度の自動測定方法では、試料水W1からの透過光Jを、3つの領域成分光に分け、これらに関する吸光度を同時に算出できるので、試料水W1がどのような色調に発色しても、発光体と受光体とは一組のものがあればよい。したがって、この溶解物濃度の自動測定方法では、装置が複雑化することはなく、試薬の添加の有無について、信頼性の高い判定をすることができる。
なお、演算処理装置9には、第1試薬A1,A2と第2試薬B0,B1の添加の有無を判定する機能が付加されているので、試薬の添加の有無の判定は、濃度測定装置1により自動的になされる。
また、図3で示されるように、測定セル2の左側面部20を反射板20Aとし、発光体3と受光体4とを、この測定セル2の右側面部21側に配置してもよい。このような測定セル2等を備えた濃度測定装置1では、発光体3から発せられた光を、反射板20Aで反射させることにより、測定セル2内の試料水W1中に2度通すことができるので、測定セル2中の透過光Jの長さが長くなり、その分、測定セル2の左右の側面部20,21間の距離を小さくできる。したがって、このような濃度測定装置1では、測定セル2の小型化を達成できるとともに、測定セル2に供給する試料水W1等の量を少なくすることができる。なお、発光体3は、その光軸Q1が、反射板20Aと直交する受光体4の光軸Q2の、反射板20Aとの交点Pを通るように傾けられ、受光体4との位置関係で、光軸Q1,Q2間の角度αが略45度となるように位置決めされる。
図5は、試薬の添加の有無を調べるための実験例のデータを示している。
この実験例は、遊離残留塩素の濃度測定に関するものであり、第1試薬A0(緩和液)として、マレイン酸と水酸化リチウム−水和物との混合液が用いられ、第2試薬B0として、DPD硫酸塩と硫酸との混合液が用いられる。遊離残留塩素を含む測定対象水W0に、第1試薬A0と第2試薬B0とを共に添加した試料水W1は、pH値が4〜7.8の、測定pH範囲H0に維持されて、遊離残留塩素により、赤色(所定色)に発色する。選定指示薬Sには、チモールブルー(pH1.2以下で赤色、pHが2.8〜7.8で黄色、pHが9.5以上で青色にそれぞれ発色する)に、溶解性向上薬となるジエチレングリコールを加えたものが用いられる。この場合、チモールブルーが黄色(第1色)に発色するpH2.8〜7.8の範囲が、第1pH範囲H1となり、チモールブルーが青色(第2色)に発色するpH9.5以上の範囲が、第2pH範囲H2となる。
ここで、アルカリ側にpH値を有する第1試薬A0を、測定対象水W0に添加した添加水TのpH値は、第2pH範囲H2内の値より小さいため、第1試薬A2は、第1試薬A0に、選定指示薬Sとアルカリ側のpH調整薬P1とを加えることにより作られる。この場合、第1試薬A0には、pH調整薬P1として、水酸化リチウム−水和物を多めに加えているが、このpH調整薬P1には、他のアルカリ性薬品を用いてもよい。また、第2試薬B1は、第2試薬B0に、pH調整薬P1を中和する酸側のpH調整薬P2を加えることにより作られる。この場合、第2試薬B0には、pH調整薬P2として、硫酸を多めに加えているが、このpH調整薬P2には、他の酸性薬品を用いてもよい。
測定対象水W0は、純水に次亜塩素酸ソーダを加えたものであり、遊離残留塩素濃度が、0.0〜2.0mg/Lとなるように調整されている。試料水W1は、10mLの測定対象水W0に、0.2mLずつの第1試薬A2と第2試薬B1とを添加して作られる。なお、この測定対象水W0のpH値は、7近傍の値を示している。
図5において、データNo1は、測定セル2に透明な調整水W2、例えば、純水を通した場合を示している。この場合、調整水W2は光を吸収しないので、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baは、ゼロとなっている。なお、このとき計測された、3つの領域成分光の各強度が、吸光度を算出するための基準の強度となる。
データNo2〜6(以下指示薬なしケースという)は、測定対象水W0に、選定指示薬S(チモールブルーとジエチレングリコール)が除かれた第1試薬A2と第2試薬B1とが共に添加された場合を示している。この場合、測定対象水W0には第1試薬A0と第2試薬B0とが添加されているため、試料水W1は、遊離残留塩素により赤色(所定色)に発色するのみである。この指示薬なしケースでは、G領域成分光とB領域成分光に関する各吸光度値Ga,Baは、遊離残留塩素の濃度の増加に従って増加している。
データNo7〜11(以下指示薬ありケースという)は、測定対象水W0に、第1試薬A2と第2試薬B1とが共に添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、遊離残留塩素により赤色(所定色)に発色するとともに、第1試薬A2の選定指示薬Sにより、黄色(第1色)に発色する。この指示薬ありケースでは、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baのうち、黄色(第1色)に関連するものは、試料水W1中の選定指示薬Sの濃度が一定であるため、遊離残留塩素の濃度にかかわらずほぼ一定値を示すが、赤色(所定色)に関連するものは、遊離残留塩素の濃度の増加に従って増加している。
データNo12〜16(以下第1試薬不添加ケースという)は、測定対象水W0に、第1試薬A2が添加されず、第2試薬B1のみが添加された場合を示している。この場合、第1試薬A2が溶解物(遊離残留塩素)による発色に間接的にしか関わらない緩衝液であることから、試料水W1は、第2試薬B1により、遊離残留塩素の濃度に従って赤色(所定色)に発色する。但し、この発色は、測定対象水W0に第1試薬A2(緩衝液)が加えられていないため、遊離残留塩素の正確な濃度を示すものとはならない。また、この第1試薬不添加ケースでは、選定指示薬Sが加えられていないため、試料水W1が黄色(第1色)に発色することはない。この第1試薬不添加ケースでは、G領域成分光とB領域成分光に関する各吸光度値Ga,Baが、遊離残留塩素の濃度の増加に従って増加している。
データNo17〜21(以下第2試薬不添加ケースという)は、測定対象水W0に、第2試薬B1が添加されず、第1試薬A2のみが添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、pH値が第2pH範囲H2に入って、第1試薬A2の選定指示薬Sにより青色(第2色)に発色する。また、この場合、遊離残留塩素による発色に直接的に関わる第2試薬B1が添加されていないので、試料水W1が、赤色(所定色)に発色することはない。この第2試薬不添加ケースでは、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baは、試料水W1中の第1試薬A2(選定指示薬S)の濃度が一定であるため、遊離残留塩素の濃度にかかわらず、ほぼ一定の値となる。
ここで、指示薬ありケースにおいて、試料水W1は、遊離残留塩素と選定指示薬Sとにより、赤色(所定色)と黄色(第1色)とに発色するが、このとき算出された吸光度値Ra,Ga,Baのうち、黄色(第1色)に関連するものは、試料水W1中の選定指示薬Sの濃度が一定であるため、遊離残留塩素の濃度にかかわらずほぼ一定値を示す。この黄色(第1色)に関連する吸光度値Ra,Ga,Baは、実験によっても得ることはできが、指示薬ありケースの各吸光度値Ra,Ga,Baから指示薬なしケースの各吸光度値Ra,Ga,Baを引くことによっても得ることができる。この場合、この黄色(第1色)に関連する各吸光度値Ra,Ga,Baは、吸光度値Raでは、0〜0.02となり、吸光度値Gaでは、0.04〜0.08となり、吸光度値Baでは、0.18〜0.22となる。したがって、遊離残留塩素に基づく各吸光度値Ra,Ga,Baは、指示薬ありケースのような、遊離残留塩素と選定指示薬Sとに基づく各吸光度値Ra,Ga,Baから、黄色(第1色)に関連する吸光度値Ra,Ga,Ba、すなわち、吸光度値Ra=0.01、吸光度値Ga=0.06、吸光度値Ba=0.20を、それぞれ引くことにより求めることができる。
つぎに、指示薬ありケース、第1試薬不添加ケース、又は第2試薬不添加ケースの何れであるかを、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baによって判定する判定式について説明する。
測定対象水W0に、第1試薬A2と第2試薬B1とが共に添加された指示薬ありケースであることを判定する判定式(1)は、同時に得られる、G領域成分光とB領域成分光に関する各吸光度値Ga,Baを用いて、
2Ba−Ga=0.2〜0.6 ・・・・(1)
で示される。すなわち、同時に得られる、G領域成分光とB領域成分光に関する各吸光度値Ga,Baを関数とした演算式2Ba−Gaの値が、0.2〜0.6にあれば、指示薬ありケースであると判定される。
指示薬ありケースでは、赤色(所定色)による発色と黄色(第1色)による発色とが同時に生じているので、3つの領域成分光による吸光度値Ra,Ga,Baから、赤色(所定色)に関する部分を除いて、黄色(第1色)に関する部分を示すことができる演算式を考え、この演算式の値によって、指示薬ありケースであるか否かを判断するようにしてやればよい。赤色(所定色)のみを発する指示薬なしケースにおいて、同時に得られる、G領域成分光とB領域成分光に関する各吸光度値Ga,Baを関数とした演算式2Ba−Gaの値を計算すると、その値がほぼゼロとなるので、この演算式により、吸光度に関して赤色(所定色)に関する部分を除くことができる。また、B領域成分光による吸光度値Baは、黄色(第1色)への発色の程度を示すものである。したがって、2Ba−Gaは、吸光度値Ra,Ga,Baから、赤色(所定色)に関する部分を排除して、黄色(第1色)に関する部分を示すことができる演算式となる。
そして、演算式2Ba−Gaの値が、0.2〜0.6の間にあれば、測定対象水W0に第1試薬A2と第2試薬B1とが添加された、指示薬ありケースであると判断でき、そうでなければ、第1試薬不添加ケース又は第2試薬不添加ケースであると判断できる。ちなみに、この実験例において、演算式2Ba−Gaの値は、指示薬ありケースでは、0.32〜0.37であり、第1試薬不添加ケースでは、0.01〜0.08であり、第2試薬不添加ケースでは、−0.19〜−0.25である。
なお、演算式2Ba−Gaの値は、黄色(第1色)への発色の程度を示しているので、2Ba−Gaの値が大きいということは、測定対象水W0に第1試薬A2が多めに加えられていることを意味する。したがって、演算式2Ba−Gaの値によって、第1試薬A2の過剰添加も判定することができる。
測定対象水W0に第1試薬A2のみを添加した第2試薬不添加ケースであることを、判定する判定式(2)は、R領域成分光に関する吸光度値Raを用いて、
Ra>0.05 ・・・・・・・・・・・(2)
で示される。
第2試薬不添加ケースでは、試料水W1が青色(第2色)のみに発色するので、青色の補色に近いR領域成分光に関する吸光度値Raは、ある程度大きい値になる。ちなみに、R領域成分光に関する吸光度値Raは、指示薬ありケースでは、0.02〜0.03であり、第1試薬不添加ケースでは、0.0〜0.03であり、第2試薬不添加ケースでは、0.4〜0.46となる。このため、R領域成分光に関する吸光度値Raが0.05より大きければ、第2試薬不添加ケースであると判定することができる。
したがって、遊離残留塩素の濃度測定に当たり、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baが、判定式(1)を満たせば、測定対象水W0に、第1試薬A2と第2試薬B1とが共に添加されていることが分かり、判定式(1)を満たさなければ、測定対象水W0に、第1試薬A2又は第2試薬B1の一方が添加されていないことが分かる。また、同様に、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baが、判定式(2)を満たせば、測定対象水W0に、第1試薬A2のみが添加され、第2試薬B1が添加されていないことが分かる。さらに、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baが、判定式(1)と判定式(2)とを満たさなければ、測定対象水W0に、第1試薬A2が添加されていないことが分かる。
なお、選定指示薬Sには、例えば、pH10.1以下の第1pH範囲H1で、黄色(第1色)に発色し、pH12以上の第2pH範囲H2で、すみれ色(第2色)に発色するアリザリンイエローを用いてもよい。
ところで、測定対象水W0のpH値に異常があり、試料水W1のpH値が、測定pH範囲H0に入らず、例えば、第2pH範囲H2入っている場合でも、測定対象水W0に第1試薬と第2試薬とが適正に添加されていると、所定の溶解物の濃度測定はなされる。しかし、この場合、試料水W1のpH値が測定pHの範囲H0に入っていないため、測定された溶解物の濃度は適正なものとはならない。したがって、溶解物濃度の測定に当たって、測定対象水W0のpH値に異常がある否かを判定することは重要となる。
実施形態2.
つぎに、この発明の他の実施の形態に係る溶解物濃度の自動測定方法について、図6〜図8を参照しつつ説明する。この方法では、特に、試薬の添加の有無と、測定対象水W0のpH値の異常の有無とが判定される。
この溶解物濃度の自動測定方法は、試料水を作る工程、及び、溶解物の濃度を算出する工程などを有すが、特徴的な工程として、図6〜図8で示されるように、酸塩基指示薬の選定工程K5と、試薬の調整工程K6と、吸光度の算出工程K7と、試薬の添加有無の判定工程K8とを有する。なお、濃度測定装置1は、実施形態1で説明したものと同一のものが使用されるので、ここでは、その説明を省略する。また、実施形態1で説明したものと同一機能を有するものには、同一符号を付し、その説明を省略する。
酸塩基指示薬の選定工程K5は、図6で示されるように、酸塩基指示薬の選定工程K1と同じである。すなわち、この酸塩基指示薬の選定工程K5では、所定の溶解物の濃度が測定される測定pH範囲H0を含む第1pH範囲H1で第1色に発色するとともに、このpH範囲から外れた第2pH範囲H2で、第1色と異なる第2色に発色する酸塩基指示薬のうち、この第1色と第2色とが、溶解物による所定色とは異なるものが選定される。なお、選定された酸塩基指示薬を、選定指示薬Sと称す。
試薬の調整工程K6では、第1試薬A0又は第2試薬B0の一方に、選定指示薬Sを加え、他方に選定指示薬S又は着色薬Cを加えて、試薬の調整が行われる。この試薬の調整工程K6には、図6で示されるように、第1試薬A0と第2試薬B0に、それぞれ適正量の選定指示薬Sを加えて、第1試薬A3と第2試薬B2を作る場合と、第1の試薬A0に、適正量の選定指示薬Sを加えて、第1試薬A3を作り、第2試薬B0に、測定pH範囲H0おいて選定指示薬Sが発色する第1色と同じ色に発色する着色薬Cを適正量加えて、第2試薬B2を作る場合とがある。なお、着色薬Cは、選定指示薬Sが使用できない場合に使用されるもので、pH値とは無関係に試料水W1を第1色に発色させる。
吸光度の算出工程K7では、測定対象水W0に、試薬の調整を行った第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加された試料水W1を用いて、3つの領域成分光に関する各吸光度が算出される。この吸光度の算出工程K3については、濃度測定装置1の説明に当たって詳述したので、ここでは詳しい説明を省略する。
試薬の添加有無の判定工程K8では、試料水W1が第1色に濃く(強く)発色するか否かにより、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されているか否かの判定が行われる。また、試薬の添加有無の判定工程K8では、一定条件下、試料水W1が第2色に濃く(強く)発色するか否かにより、又は試料水W1が第2色に発色するか否かにより、測定対象水W0のpH値に異常があるか否かの判定が行われる。この試薬の添加有無の判定工程K8は、選定指示薬Sのみを加えて、第1試薬A3と第2試薬B2とを作る場合(図7で示される場合)と、選定指示薬Sと着色薬Cとを加えて第1試薬A3と第2試薬B2とを作る場合(図8で示される場合)とで、内容に違いが生じている。
図7は、第1試薬A0と第2試薬B0とに、それぞれ選定指示薬Sを加えて、第1試薬A3と第2試薬B2とを作る場合の、試薬の添加有無の判定工程K8を示している。
測定対象水W0に第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されると、試料水W1は、測定対象水W0中の所定の溶解物により所定色に発色するとともに、第1試薬A3と第2試薬B2中の選定指示薬Sにより、第1色に濃く(強く)発色する。また、測定対象水W0に第1試薬A3又は第2試薬B2の一方のみが添加されると、試料水W1は、そのpH値が第1pH範囲H1にある場合には、第1色に発色し、そのpH値が第2pH範囲H2にある場合には、第2色に発色し、そのpH値が変色域にある場合には、第1色と第2色の中間色に発色する。
すなわち、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されている場合は、試料水W1は第1色に濃く(強く)発色するが、第1試薬A3又は第2試薬B2の一方のみしか添加されていない場合には、試料水W1は第1色に発色することもあるが、第1色に濃く(強く)発色することはない。したがって、試料水W1が第1色に濃く(強く)発色すれば、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されていると判定され、試料水W1が第1色に濃く(強く)発色していなければ、第1試薬A3又は第2試薬B2の一方のみしか添加されていないと判定される。なお、測定対象水W0のpH値に異常がある場合においても、試料水W1が第1色に濃く(強く)発色することはない。
一方、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されていても、測定対象水W0のpH値に異常があるため、試料水W1のpH値が第2pH範囲H2に入っていると、試料水W1は、測定対象水W0中の所定の溶解物により所定色に発色するとともに、第1試薬A3と第2試薬B2中の選定指示薬Sにより、第2色に濃く(強く)発色する。そして、試料水W1が第2色に濃く(強く)発色するのは、測定対象水W0のpH値に異常がある場合以外にない。したがって、試料水W1が第2色に濃く(強く)発色すれば、測定対象水W0のpH値に異常があると判定される。この場合、試料水W1は、所定の溶解物により所定色に発色するが、試料水W1のpH値が適正でないため、測定された溶解物の濃度も適正な値とはならない。
図8は、第1試薬A0に選定指示薬Sを加えて第1試薬A3を作るとともに、第2試薬B0に着色薬Cを加えて第2試薬B2を作る場合の、試薬の添加有無の判定工程K8を示している。
この場合、測定対象水W0に第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されると、試料水W1は、測定対象水W0中の所定の溶解物により所定色に発色するとともに、第1試薬A3中の選定指示薬Sと第2試薬B2中の着色薬Cとにより、第1色に濃く(強く)発色する。また、測定対象水W0に第1試薬A3又は第2試薬B2の一方のみが添加されると、試料水W1は、そのpH値が第1範囲H1にある場合には、第1試薬A3中の選定指示薬S又は第2試薬B2中の着色薬Cにより、第1色に発色し、そのpH値が第2範囲H2にある場合には、第1試薬A3中の選定指示薬Sにより第2色に発色するか、又は、第2試薬B2中の着色薬Cにより第1色に発色する。さらに、この試料水W1は、そのpH値が変色域にある場合には、第1試薬A3中の選定指示薬Sにより第1色と第2色の中間色に発色するか、又は、第2試薬B2中の着色薬Cにより第1色に発色する。
したがって、この場合においても、試料水W1が第1色に濃く(強く)発色すれば、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されていると判定され、試料水W1が第1色に濃く(強く)発色していなければ、第1試薬A3又は第2試薬B2の一方のみしか添加されていないと判定される。なお、測定対象水W0のpH値に異常がある場合においても、試料水W1は、第1色に濃く(強く)発色することはない。
一方、測定対象水W0に第1試薬のみを添加した試料水W1のpH値が、第1pH範囲H1ある場合には、測定対象水W0に第1試薬又は第2試薬の一方又は双方が添加された試料水W1が、選定指示薬Sにより第2色に発色することはない。ところが、このような場合でも、測定対象水W0のpH値に異常があるため、試料水W1のpH値が第2pH範囲H2に入れば、試料水W1は第2色に発色する。すなわち、測定対象水W0に第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加された試料水W1が、第2色に発色すれば、測定対象水W0のpH値に異常があると判定される。また、測定対象水W0に第1試薬のみが添加された試料水W1が、第2色に発色すれば、この測定対象水W0のpH値にも異常があると判定される。
ここで、試料水W1が、第1色又は第2色に濃く(強く)発色しているか否かの判断、又は、試料水W1が第2色に発色しているか否かの判断は、それぞれについて、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baの何れかを関数とした演算式を考え、この演算式の値が、所定の範囲に入っているか否かによってなすことができる。これらの演算式の具体例については、後の実験例のところで説明する。
以上のように、この溶解物濃度の自動測定方法では、第1試薬A0又は第2試薬B0の一方に、選定指示薬Sを加えるとともに、他方に、選定指示薬S又は着色薬Cを加えるだけで、測定対象水W0に対する第1試薬A3と第2試薬B2の添加の有無を確実に判定することができる。したがって、この溶解物濃度の自動測定方法では、試薬の添加有無の判定のために、多くのコストをかける必要もない。また、この溶解物濃度の自動測定方法では、発光体と受光体とは一組のものがあればよいので、装置が複雑化することはなく、試薬の添加の有無について、信頼性の高い判定をすることができる。さらに、この溶解物濃度の自動測定方法では、測定対象水のpH値に異常がある場合でも、一定条件下、これを確実に判定できるので、測定対象水のpH値の異常によって、溶解物の濃度の測定に誤差が生じるのを防止できる。
なお、演算処理装置9には、第1試薬A3と第2試薬B2の添加の有無を判定する機能と、測定対象水W0のpH値の異常の有無を判定する機能とが付加されているので、試薬の添加の有無の判定と、測定対象水W0のpH値の異常の有無の判定とは、濃度測定装置1により自動的になされる。
また、所定の溶解物の濃度を算出するために必要となる、所定色に発色している試料水W1の各吸光度値Ra,Ga,Baは、実施形態1において説明したように、所定色と第1色とに発色している試料水W1の各吸光度値Ra,Ga,Baから、第1色に関する各吸光度値Ra,Ga,Baを差し引くことにより求めることができる。
図9と図10は、試薬の添加の有無等を調べるための実験例のデータを示している。
この実験例は、リン酸イオンの濃度測定に関するものであり、第1試薬A0として、アスコルビン酸が用いられ、第2試薬B0として、モリブデン酸アンモニウムと硫酸と酒石酸アンチモニルカリウムとの混合液が用いられる。アスコルビン酸溶液は、徐々に酸化され、試薬としての保存期間が短いため、別の試薬とされている。リン酸イオンを含む測定対象水W0に第1試薬A0と第2試薬B0とを共に添加した試料水W1は、pHが6.8以下の、測定pH範囲H0に維持されて、リン酸イオンにより、青色(所定色)に発色する。選定指示薬Sには、フェノールレッドが用いられる。フェノールレッドは、第1pH範囲H1であるpH<6.8で、黄色(第1色)に発色し、第2pH範囲H2であるpH>8.4で、赤色(第2色)に発色する。着色薬Cには、タートラジンが用いられる。タートラジンは、pH値にかかわらず、選定指示薬Sが測定pH範囲H0で発色する第1色と同一の黄色に発色する。
そして、調整後の試薬として、第1試薬A0に適正量の選定指示薬Sが加えられた第1試薬A3と、第2試薬B0に適正量の着色薬Cが加えられた第2試薬B2とが用いられる。なお、第2試薬B0は酸性度が非常に大きく安定性に難があるため、この第2試薬B0には、選定指示薬Sの替わりに着色薬Cが用いられる。
測定対象水W0は、純水にリン酸ナトリウムを溶解して、リン酸イオン濃度が0.0〜5.0mg/Lとなるように調整されている。試料水W1は、10mLの測定対象水W0に、0.2mLずつの第1試薬A3と第2試薬B2とを添加して作られる。ここで、データNo2〜25においては、測定対象水W0のpH値は7近傍を示しており、かつ、第1試薬A3と第2試薬B2とは、酸性を示すため、測定対象水W0に、第1試薬A3又は第2試薬B2の一方のみが添加された試料水W1は、そのpH値が、必ず酸性となり、第1pH範囲H1に属すこととなる。また、データNo26〜31の測定対象水W0には、そのpH値が異常高となるように、水酸化ナトリウムが加えられ、測定対象水W0に第2試薬B2を添加した試料水W1のpH値が、第2pH範囲H2に入るように調整されている。さらに、データNo32〜37の測定対象水W0には、更に過剰の水酸化ナトリウムが加えられ、試料水W1に第1試薬A3と第2試薬B2とを共に添加した試料水W1のpH値が、第2pH範囲H2に入るように調整されている。なお、リン酸イオン濃度の測定は、JIS分析法のモリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法に準じてなされる。
図7において、データNo1は、測定セル2に透明な調整水W2、例えば、純水を通した場合を示している。
データNo2〜7(以下発色薬なしケースという)は、測定対象水W0に、着色薬Cと選定指示薬Sとが除かれた、第1試薬A3と第2試薬B2、すなわち、第1試薬A0と第2試薬B0とが添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、リン酸イオンにより青色(所定色)に発色するのみである。この発色薬なしケースでは、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baは、リン酸イオン濃度の増加に従って増加する。
データNo8〜13(以下発色薬ありケースという)は、測定対象水W0に、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、リン酸イオンにより青色(所定色)に発色するとともに、第1試薬A3の選定指示薬Sと第2試薬B2の着色薬Cとにより、黄色(第1色)に濃く(強く)発色する。この発色薬ありケースでは、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baのうち、黄色(第1色)に関連するものは、試料水W1中の着色薬Cと選定指示薬Sの濃度が一定であるため、リン酸イオン濃度にかかわらずほぼ一定値を示すが、青色(所定色)に関連するものは、リン酸イオ濃度の増加に従って増加する。
データNo14〜19(以下第2試薬不添加ケースという)は、測定対象水W0に、第2試薬B2が添加されず、第1試薬A3のみが添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、第1試薬A3の選定指示薬Sにより、黄色(第1色)に発色するが、第2試薬B2が不添加のため、青色(所定色)には発色しない。この第2試薬不添加ケースでは、試料水W1中の選定指示薬Sの濃度が一定であるため、B領域成分光に関する吸光度値Ba等は一定の値となる。
データNo20〜25(以下第1試薬不添加ケースという)は、測定対象水W0に、第2試薬B2のみが添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、第2試薬B2の着色薬Cにより、黄色(第1色)に発色するが、第1試薬A3が不添加のため、青色(所定色)には発色しない。この第1試薬不添加ケースでは、試料水W1中の着色薬Cの濃度が一定であるため、B領域成分光に関する吸光度値Ba等は一定の値となる。
データNo26〜31(以下第2試薬不添加のアルカリ性ケースという)は、pH値が異常に高い測定対象水W0に、第1試薬A3のみが添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、そのpH値が第2pH範囲H2に入るため、選定指示薬Sにより赤色(第2色)に発色する。この第2試薬不添加のアルカリ性ケースでは、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baは、試料水W1中の選定指示薬Sの濃度が一定であるため、リン酸イオン濃度にかかわらず、ほぼ一定の値となる。
データNo32〜37(以下発色薬ありのアルカリ性ケースという)は、pH値が異常に高い測定対象水W0に、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加された場合を示している。この場合、試料水W1は、pH値が第2pH範囲H2に入るため、リン酸イオンにより青色(所定色)に発色するとともに、第1試薬A3の選定指示薬Sにより、赤色(第2色)に発色し、かつ、第2試薬B2の着色薬Cにより黄色(第1色)に発色する。この発色薬ありのアルカリ性ケースでは、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baのうち、黄色(第1色)及び赤色(第2色)に関連するものは、試料水W1中の着色薬Cと選定指示薬Sの濃度が一定であるため、リン酸イオン濃度にかかわらずほぼ一定値を示すが、青色(所定色)に関連するものは、リン酸イオ濃度の増加に従って増加する。
つぎに、発色薬ありケースであるか否か、又は、測定対象水W0のpH値が異常高であるか否かを、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baによって判定する判定式について説明する。
測定対象水W0に、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加された発色薬ありケースであることを判定する判定式(3)は、同時に得られる、R領域成分光とB領域成分光に関する各吸光度値Ra,Baを用いて、
Ba−0.34Ra>0.15・・・・・(3)
で示される。すなわち、同時に得られる、R領域成分光とB領域成分光に関する各吸光度値Ra,Baを関数とした演算式Ba−0.34Raの値が、0.15より大きければ、発色薬ありケースであると判定される。
発色薬ありケースでは、青色(所定色)による発色と黄色(第1色)による発色とが同時に生じているので、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baから、青色(所定色)に関する部分を除いて、黄色(第1色)に関する部分を示すことができる吸光度の演算式を考え、この演算式の値によって、発色薬有りケースであるか否かを判断するようにしてやればよい。青色(所定色)のみを発する発色薬なしケースにおいて、演算式Ba−0.34Raの値を計算すると、その値がほぼゼロ(0)となるので、この演算式により、吸光度に関して青色(所定色)に関する部分を除くことができる。また、B領域成分光に関する吸光度値Baは、黄色(第1色)への発色の程度を示すものである。したがって、演算式Ba−0.34Raは、吸光度値Ra,Ga,Baから、青色(所定色)に関する部分を排除して、黄色(第1色)への発色の程度を示すことができる演算式となる。
一方、発色薬ありケースでは、第2試薬不添加ケース又は第1試薬不添加ケースの場合に比べて、黄色(第1色)への発色が濃く(強く)生じる。したがって、演算式Ba−0.34Raの値が、0.15より大きければ、測定対象水W0に第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加された、発色薬ありケースであると判定でき、それ以外であれば、第1試薬不添加ケース又は第2試薬不添加ケース等であると判定できる。ちなみに、この実験例において、演算式Ba−0.34Raの値は、発色薬有りケースでは、0.17であり、第1試薬不添加ケースでは、0.1であり、第2試薬不添加ケースでは、0.08であり、第1試薬不添加のアルカリ性ケースでは、0.02〜0.04であり、発色薬ありのアルカリ性ケースでは、0.11である。
試料水W1の第2色への発色により、測定対象水W0のpH値が異常高であることを判定する判定式(4)は、R領域成分光とG領域成分光に関する各吸光度値Ra,Gaを用いて、
Ga−0.66Ra>0.1 ・・・・・(4)
で示される。すなわち、同時に得られる、R領域成分光とG領域成分光に関する各吸光度値Ra,Gaを関数とした演算式Ga−0.66Raの値が、0.1より大きければ、測定対象水W0のpH値が異常高であると判定される。この場合、pH値に異常のない測定対象水W0に、第1試薬A3又は第2試薬B2の一方のみが添加された試料水W1は、そのpH値が、第2pH範囲H2にはなく、第2色を発色しないことが前提となる。
第2試薬不添加のアルカリ性ケースでは、試料水W1は、赤色(第2色)のみに発色し、発色薬ありのアルカリ性ケースでは、試料水W1は、青色(特定色)、黄色(第1色)、及び、赤色(第2色)に発色する。また、測定対象水W0のpH値に異常のない、発色薬ありケース、第2試薬不添加ケース、及び、第1試薬不添加ケースでは、試料水W1は、赤色(第2色)には発色しない。したがって、試料水W1の赤色(第2色)への発色を検出すれば、測定対象水W0のpH値に異常があることがわかる。
一方、青色(所定色)のみを発色する発色薬なしケースにおいて、同時に得られる、R領域成分光とG領域成分光に関する各吸光度値Ra,Gaを関数とした演算式Ga−0.66Raの値を計算すると、その値がほぼゼロ(0)となるので、この演算式により、吸光度に関して青色(所定色)に関する部分を除くことができる。また、G領域成分光による吸光度値Gaは、赤色(第2色)への発色の程度を示すものである。したがって、Ga−0.66Raは、3つの領域成分光に関する吸光度値Ra,Ga,Baから、青色(所定色)に関する部分を排除して、赤色(第2色)への発色の程度を示すことができる演算式となる。そして、演算式Ga−0.66Raの値が、0.1より大きければ、測定対象水W0のpH値が異常高であると判定できる。ちなみに、この実験例において、演算式Ga−0.66Raの値は、発色薬有りケースでは、0.05〜0.06であり、第2試薬不添加ケースでは、0.01であり、第1試薬不添加ケースでは、0.0〜0.01であり、第2試薬不添加のアルカリ性ケースでは、0.43〜0.44であり、着色薬ありのアルカリ性ケースでは、0.42〜0.44である。
したがって、リン酸イオンの濃度測定に当たり、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baが、判定式(3)を満たせば、適正なpH値の測定対象水W0に、第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されていることが分かり、判定式(3)を満たさなければ、例えば、第1試薬A3と第2試薬B2の一方が添加されていないことが分かる。また、リン酸イオンの濃度測定に当たり、一定条件下、3つの領域成分光に関する各吸光度値Ra,Ga,Baが、判定式(4)を満たせば、測定対象水W0のpH値に異常があることが分かる。
なお、この実験例では、第1試薬A0と第2試薬B0とに選定指示薬Sのみを加えて、第1試薬A3と第2試薬B2とが作られている場合については説明していない。しかし、この場合でも、判定式(3)を使用して、測定対象水W0に第1試薬A3と第2試薬B2とが共に添加されているか否かの判定をすることができる。また、この場合に、測定対象水W0のpH値の異常により、試料水W1が第2色に濃く(強く)発色することがあるが、このときの測定対象水W0のpH値に異常があるか否かの判定も、3つの領域成分光の何れかの吸光度を関数とした演算式を用いてなすことができる。
また、判定式(4)の演算式を、赤色(第2色)の補色に近いG領域成分光に関する吸光度値Gaで示し、この吸光度値Gaが、所定値より大きければ、測定対象水W0のpH値が異常高であると判定してもよい。
さらに、測定対象水W0に1つの試薬を添加して、所定の溶解物の濃度を測定する場合においても、この試薬に選定指示薬Sを加えることにより、測定対象水W0のpH値に異常があるか否かを同様に判定することができる。
A0,A1,A2,A3 第1試薬
B0,B1,B2 第2試薬
C 着色薬
H0 測定pH範囲(所定のpHの範囲)
H1 第1pH範囲(第1のpHの範囲)
H2 第2pH範囲(第2のpHの範囲)
P1,P2 pH調整薬
Ra レッド領域成分光に関する吸光度値
Ga グリーン領域成分光に関する吸光度値
Ba ブルー領域成分光に関する吸光度値
S 選定指示薬(選定された酸塩基指示薬)
T 添加水
W0 測定対象水
W1 試料水

Claims (2)

  1. 測定対象水系から採取した測定対象水に2種の試薬をそれぞれ添加することにより、pH値が所定のpHの範囲となり、前記測定対象水中の所定の溶解物により所定色に発色する試料水を作る工程と、
    前記所定のpHの範囲を含む第1のpHの範囲と、この第1のpHの範囲から外れた第2のpHの範囲とにおいて、前記所定色以外の互いに異なる色に発色可能な1つの酸塩基指示薬を選定する工程と、
    前記2種の試薬のうち、これらを1種ずつ前記測定対象水に添加した添加水のpH値が、前記第2のpHの範囲にある側の又は何れも前記第2のpHの範囲にない場合には、これに近いほうにある側の、前記添加水に添加されている一方の試薬に、前記選定された酸塩基指示薬を加え、かつ、何れの前記添加水のpH値も前記第2のpHの範囲にない場合には、このpH値を前記第2のpHの範囲内のものにするために、前記一方の試薬にpH調整薬を加えるとともに、他方の試薬に、前記一方の試薬に加えられた前記pH調整薬を中和する他のpH調整薬を加えて試薬の調整を行う工程と、
    前記測定対象水に、前記試薬の調整を行った前記2種の試薬をそれぞれ添加して作られた前記試料水に光を当てて、この試料水の透過光うち、可視光域の光を略3分割して得られるレッド領域成分光と、グリーン領域成分光と、ブルー領域成分光とにつき、それぞれ吸光度を算出する工程と、
    前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水に対する、前記2種の試薬の添加の有無の判定を行う工程と、
    前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水中の前記所定の溶解物の濃度を算出する工程とを有することを特徴とする溶解物濃度の自動測定方法。
  2. 測定対象水系から採取した測定対象水に2種の試薬をそれぞれ添加することにより、pH値が所定のpHの範囲となり、前記測定対象水中の所定の溶解物により所定色に発色する試料水を作る工程と、
    前記所定のpHの範囲を含む第1のpHの範囲と、この第1のpHの範囲から外れた第2のpHの範囲とにおいて、前記所定色以外の互いに異なる色に発色可能な1つの酸塩基指示薬を選定する工程と、
    前記2種の試薬のうちの、一方の試薬に前記選定された酸塩基指示薬を加えるとともに、他方の試薬に、前記選定された酸塩基指示薬、又は、前記所定のpHの範囲で前記選定された酸塩基指示薬が発色する色と同色に発色する着色薬を加えて試薬の調整を行う工程と、
    前記測定対象水に、前記試薬の調整を行った前記2種の試薬をそれぞれ添加して作られた前記試料水に光を当てて、この試料水の透過光うち、可視光域の光を略3分割して得られるレッド領域成分光と、グリーン領域成分光と、ブルー領域成分光とにつき、それぞれ吸光度を算出する工程と、
    前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水に対する、前記2種の試薬の添加の有無の判定と前記測定対象水のpH値の異常の判定とを行う工程と、
    前記算出された吸光度を用いて、前記測定対象水中の前記所定の溶解物の濃度を算出する工程とを有することを特徴とする溶解物濃度の自動測定方法。
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