JP2009300337A - 流体検知センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】投光手段と受光手段と信号処理手段からなり、流体が流通する透光性のチューブの外側に着脱自在に設けられる流体検知センサであって、流体検知センサのハウジング部がヒンジ機構により開閉自在とされ、チューブを挟み込める機構を備え、投光手段がアレイ状に配置された複数の投光素子から構成される。投光素子の各々が、ピーク波長が異なる光をチューブ内部に対して照射し、受光手段がチューブ内部を透過したピーク波長が異なる光を受光し、信号処理手段が、受光手段が受光した光の分光分析処理を行い、その変化をとらえて、チューブ内を流動もしくは滞留する流体物の状態を検知し得る構成とされる。
【選択図】図1
Description
例えば、従来から、液管内に一対の電極を設置し、液体の有無を判断する液切れセンサが知られている(特許文献1)。また、液体の有無による光の屈折率の相違を利用した液切れセンサも知られている(特許文献2,3)。さらに、管を挟んで発光部と受光部より成るフォトセンサを設けて、流通する液の有無による受光量の相違を利用したフォトセンサも知られている(特許文献4)。
また、特許文献2や特許文献3に開示されている液体の有無による光の屈折率の相違を利用する液切れセンサは、チューブの径や液体の種類によって受光位置が変化するので、受光素子の位置変更や一定の位置を維持するための複雑な演算や調整器具が必要であるなど装置設定の複雑化、コスト増大という問題がある。
しかしながら、液体は常に同じ状態で流通しているのではなく、液量不足によって泡状となる場合があり、異物が混入する場合もある。
また、液量不足ではないものの瞬間的に泡が発生する場合もある。このような多様な内部状態を適切に判断できるものでなければならない。
さらに、フォトセンサは液体供給路の途中に、前後の配管と別個にフォトセンサを有する光透過性管体よりなる接続部を設けており、装置の複雑化という問題もある。
1)流体検知センサのハウジング部がヒンジ機構により開閉自在とされ、チューブを挟み込める機構を備え、
2)投光手段がアレイ状に配置された複数の投光素子から構成され、
3)投光素子の各々が、ピーク波長が異なる光を前記チューブ内部に対して照射し、
4)受光手段が、チューブ内部を透過したピーク波長が異なる光を受光し、
5)信号処理手段は、受光手段が受光した光の分光分析処理を行い、その変化をとらえて、チューブ内を流動もしくは滞留する流体物の状態を検知し得る構成とされるものである。
ここで、流体検知センサのハウジング部がヒンジ機構により開閉自在とされ、チューブを挟み込める機構を備えることにより、チューブの外側に着脱自在に設けることが可能となる。
投光手段はアレイ状に配置された複数の投光素子から構成される。投光手段がアレイ状に配置された複数の投光素子から構成されるとは、波長の異なる光を発光する複数個の投光素子をアレイ状に並設することをいう。アレイ状に配置されるとは、直線や円弧状に素子を並べる意味である。
所定の半値幅以下のピーク波長がそれぞれ異なる投光素子の光を順番にチューブ内部に対して照射することにより、分光分析が可能となる。具体的には、波長の異なる発光ダイオード(LED)を複数使用することで分光分析が行える。
また、投光手段がアレイ状に配置された複数の投光素子から構成されることにより、照射する光・波長を自由に設定できる上、特段な機械的精度が必要とされない。例えばアレイ上における素子配置の関係で端の方に配置されたある特定波長のLED光の透過量が中央部に比較して減衰するような構成になったとしても、チューブ内に何も流体が存在しない状態での各々の特定波長LED光の透過量を100%とする補正処理等を行えば、簡単に解決することが出来るからである。またこの補正処理情報はプロファイルとして保存・活用可能である。
そして、受光手段がチューブ内部を透過した異なるピーク波長の光を受光し、信号処理手段がその受光した光を分光分析することにより、チューブ内の流体物の状態、具体的には、チューブ内を流れる気体、液体、気泡、異物混入の有無、若しくはチューブ自体の汚れの有無、又はこれらの組合せの有無を検知できる。
かかる態様の流体検知センサの場合は、チューブの一部として取り付け、チューブ内の流体物に接触することから、チューブの投光性は不要であるという利点がある。しかしながら、その一方で、既存のチューブに対して取り付ける場合、チューブと流体検知センサ自体との接続作業が必要となるという取り扱いの煩雑さがある。
投光素子は、分光分析処理を行うべく、波長の異なる発光ダイオードやレーザダイオードを複数使用する。波長の異なる発光ダイオードやレーザダイオードを組み合わせることにより、可視光領域から近赤外領域まで様々な波長の光を照射することが可能となる。
受光素子がチューブを挟んで投光手段に対向した位置に配されることにより、ミラーやスリットやレンズなどの光学系機器を用意することはない。
これらの過去データの情報はプロファイルとして保存・活用が可能であり、また1台の装置から得られたプロファイルは他の装置への転用も容易である。
受光分析処理データと過去データあるいはプロファイルとの差分を取得し、若しくは変動率を検知することにより、チューブ内を流動もしくは滞留する流体物の経時変化の状態を的確に判断することが可能になる。
かかる態様によれば、チューブを流れる流体物を扁平状に拡げて、多数の投光素子をアレイ状に並設するスペースの確保が容易となる。
かかる態様によれば、通常状態では流体物の分析信号を常に出力し続けて、異物混入や液切れ状態になれば即座に警告を出すことができる。
測定対象の流体物と特定波長の投光素子の組み合わせでは、検知が不完全となる組み合わせ、すなわち検知不良となる可能性がある。例えば、極端に黒い液体や白濁など透過しにくいものや、一部の波長帯の光を著しく吸収する液体などをセンシングする場合が挙げられる。この場合に、投光素子の組合せを任意に設定可能とすることが好ましい態様によれば、簡単に異なる波長の投光素子に切り替えることが可能で、様々の状態の流体物の検知を行うことが可能となるのである。
かかる態様によれば、可視光領域から赤外領域までの分光分析処理を可能であり、種々の流体物の分光分析が可能となる。
ただし、測定対象波長が可視光領域+近赤外光のみの場合はシリコンのみ、あるいは赤外領域のみの場合はインジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)のみとすることで、素子等を簡略化することも可能である。
かかる態様によれば、より精度の高い分光分析の結果を得ることができる。
予め、チューブのみの場合の波長と強度の相関関係を取得しておき、チューブ内に流体物が流れた場合の波長と強度の相関関係と比較する。チューブ内に流体物が流れた場合に、それぞれの波長光の強度の変化により、チューブ内に流れる流体物の状態を把握するのである。
分析・比較処理結果は、出力処理5cから表示ランプや警報ブザーや外部の表示端末に出力される。
1a,1b 液体検知センサのハウジング部
2 チューブ
2a チューブ内部
2b 液体流通チューブ内の液体
3,3a〜3d 投光素子
4,4a〜4d 受光素子
5 信号処理手段
10 表示窓
11 表示ランプ
20 チューブ
21 第1の係止部
22 第2の係止部
24 流体検知センサが配設される部位
Claims (10)
- 投光手段と受光手段と信号処理手段からなり、流体が流通する透光性のチューブの外側に着脱自在に設けられる流体検知センサであって、
1)前記流体検知センサのハウジング部がヒンジ機構により開閉自在とされ、前記チューブを挟み込める機構を備え、
2)前記投光手段がアレイ状に配置された複数の投光素子から構成され、
3)前記投光素子の各々が、ピーク波長が異なる光を前記チューブ内部に対して照射し、
4)前記受光手段が、前記チューブ内部を透過したピーク波長が異なる光を受光し、
5)前記信号処理手段は、前記受光手段が受光した光の分光分析処理を行い、その変化をとらえて、前記チューブ内を流動もしくは滞留する流体物の状態を検知する、
ことを特徴とする流体検知センサ。 - 前記投光素子が、発光ダイオード若しくはレーザダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の流体検知センサ。
- 前記受光手段は、前記チューブを挟んで前記投光手段に対向した位置に配される、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体検知センサ。 - 前記信号処理手段は、前記受光分析処理データの記憶手段を有し、前記受光手段の計測時間軸に対する前記受光分析処理データの過去データあるいはプロファイルとの差分を取得し、若しくは変動率によって、前記チューブ内を流動もしくは滞留する流体物の状態を検知し得る、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体検知センサ。 - 前記チューブにおいて、前記流体検知センサが配設させる部位または配管部が扁平形状を呈する、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体検知センサ。 - 前記信号処理手段は、前記チューブ内の流体物の分光分析処理データを常時出力し、流体物に異物混入もしくは流体の液切れ状態を検知した場合に、警告信号出力を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体検知センサ。 - 前記投光手段は、所定の半値幅以下のピーク波長が異なる光を照射する前記投光素子の組合せを任意に設定し得る、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体検知センサ。 - 前記受光手段は、インジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)等の赤外光受光素子、及び/又はシリコン等の可視光受光素子を備え、可視光領域から赤外領域までの分光分析処理を可能とし得る、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体検知センサ。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の流体検知センサにおいて、前記投光手段と受光手段と信号処理手段に交流変調手段が備えられている
ことを特徴とする流体検知センサ。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の流体検知センサにおいて、前記信号処理手段に温度補償機能が備えられ、前記チューブ内の流体物の温度に応じて前記分光分析処理データのプロファイルを補正する
ことを特徴とする流体検知センサ。
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